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●土曜日は、いつもどおりNHKの朝ドラと「チコちゃんに叱られる」の再放送見て、そこから二度寝して。
●そのあとは、下北沢の西口にある CAFE ZINC というお店でワイフとランチを食べてました。
「海南鶏飯」という料理が凝ってて美味しかったなあ。「カフェ飯」という名では始末できない多種多彩で個性的なメニューがいっぱいだった。十数年前、下北沢に住み始めた頃にこのお店に通った時期があったんだけど、お店もできたばかりの感じで、ここまでメニューは充実してなかったはず(コーヒーは美味しかった)。でも激戦区・下北沢でサバイブするために、独自商品開発を頑張ったんだね。他にも美味しそうな料理があったので、また行こう。


会社のPCが入れ替わって、軽いモバイルPCになりました。モバイルPCは個人的には6年前からビッシリ使ってましたけど、やっと会社が用意するようになりました(スペックには不満があるけど)。
●そんなIT機器の導入を促進して、ペーパーレスとかノマドワークとかを推進するのが仕事のはずのUR先輩がなぜかソワソワ。「今から行く会議、PCだけで大丈夫かな?」「いや、一応、筆記用具だけ持って行こう!」
●ITビジネス部門のボクや同僚たちは3年前くらいから自然発生的に会議スタイルを変更。会社からのPC貸与を待たずに会議は私物PCのみで参加。ボールペン一つ持たないスタイルに移行してる。会議資料はドライブにアップして参加者全員がその資料に同時に加筆してくコトで情報共有。その場にない資料でも誰かが自分のPCから引っ張り出してすぐ共有。不在の同僚にメッセをその場で送って情報をとったり、あとはローカルのメモにどんどん記入をしたり。
●なのに、ITシステム部門から異動してきたはずのUR先輩がそのスタイルに移行できない。結局、分厚いファイルやスケジュール帳、ノートを持ち歩いて、加えてPCまで持って行く。いやいやIT技術で働き方改革するワークフローを改善するのが会社のテーマだって偉い人が言ってたじゃないですか。なのに「やっぱ紙っていいよな」とか言って資料にタップリメモを書き込んだり、その書き込みを探すためにファイルをめくってる。資料をPCに入れておいてその場で修正編集をしちゃえばいいのに。検索で過去の資料だって一発で探せるのに。「やっぱ紙っていいよな」ってただのイイワケ。紙全然よくない。ほっとくとデスクの上すぐカオスになるから会議で紙でたらそのあと瞬間的に捨てる。そして紙配った人に「あとでデータでください」と言っとく。ていうか紙で用意すると「あとでデータでください」って絶対言われる。
●普段は大好きなUR先輩をちょっぴりディスり気味で話すのは、モバイルPCを貸与するから、現在すでに貸与中の iPad-Pro を回収してコストダウンすると先輩が言い出したからだ。えー iPad-Pro 返却ですか!モバイルPCは自分で持ってるけど iPad-Pro は別で持ってたいなあー。確かに全然仕事で使わないし、大抵は配信サービス見てるかゲームか電子書籍マンガかって感じだけど。しょうがないから昔使ってた私物の iPad 第二世代を引っ張り出して代わりに使ってみたら、パフォーマンスがビビるほど遅い。そしてビビるほど重い。うーん、昔はこれで十分だったのに、もう感覚が贅沢になっちゃったのか。もーUR先輩、恨みますよー。


●先日、ネットニュースで見かけて察知したのですが。
ドナルド・グローヴァーこと CHILDISH GAMBINO がグラミー賞4冠を獲得しました。
●去年の話題曲「THIS IS AMERICA」が評価されてのコトです。

CHILDISH GAMBINO「THIS IS AMERICA」

CHILDISH GAMBINO「THIS IS AMERICA」2018年
●この楽曲が受賞したのは、「最優秀楽曲賞」「最優秀レコード賞」「最優秀ラップ/サング・コラボレーション賞」「最優秀短編ミュージックビデオ賞」の4つ。前者2つの最優秀楽曲賞と最優秀レコード賞をヒップホップ楽曲が同時に獲得するのは史上初めての快挙だそうです。
●ボクが注目するポイントは最後の「最優秀短編ミュージックビデオ賞」この楽曲は完全に YouTube を経由した動画バズで話題になったコト、そしてこの楽曲が話題になったコア部分がMV動画にしか含まれていないコト、つまり、楽曲そのものよりもMVの方が作品としてバリューが高かった、という構造が斬新だったと思います。



(とりあえず、一度、復習のつもりでMVをご覧くださいな)

●普通にスポッティファイで楽曲を聴くと、YouTube の MV で衝撃を巻き起こした重要な要素が欠落しています。
●ワリと陽気なトーンで始まるこの楽曲をいきなり不穏にするのは、主役のシンガー・CHILDISH GAMBINO が突然ピストルを出して手足を縛られた男性の頭を撃ち抜いてしまうというショッキングな演出です。しかし!オーディオ楽曲にはこの銃声が入ってません。その後、陽気なゴスペル隊をマシンガンで全員なぎ倒す場面もありますが、この銃声もオーディオ楽曲には入っていない。この楽曲は「銃社会アメリカを痛烈に批判している」と評価されたのですが、リリックの中で銃への言及はたった一言だけ、オーディオ楽曲だけ聴いただけでは、痛烈な批判精神はMVほど伝わりません。ああ、MVには素手で銃を構えるジェスチャーをしたため GAMBINO の周りから陽気なダンサーたちが逃げてしまい、楽曲が一瞬止まってしまう演出もあります。でその無音の中で GAMBINO は太々しくマリファナの巻きタバコに火をつけて一服します。この長いブレイクも、ライターの乾いた着火音も、オーディオ楽曲には反映されてません。この曲はボクも大好きになったので、スポッティファイでしばしば再生するのですが、やはり銃声がないことや、もったいぶった無音のブレイクがないことに、物足りなさを感じます。YouTube 動画が正味部分で、オーディオ楽曲が欠陥しているって、そんなケース他にあります?
●驚異的な再生回数を稼いだ YouTube 動画の反響は、陽気なシンガーがいきなり銃乱射という激しいギャップに止まらず、その他の演出の深読み合戦へと波及していきましたシンガーやダンサーが踊る舞台背景は何を象徴しているのか、何の隠喩に当たるのか、ネットに様々な言説が飛び交いました。実際に何回も繰り返し見てますと、確かに不思議で不穏な要素が気になってきます。アフリカンダンスを連想する陽気さと、背後で起こっている暴動めいた群衆の動きのギャップ。他にも車が燃えてたり、二階から人が飛び降りたり、ナゼか白馬が駆け抜けていたり。GAMBINO 自身のポーズの決め方すら様々な解釈がなされてます。その辺はまとめサイトを検索していただければ。
●倉庫の中での1シチュエーションという動画演出が、様々な私家版オマージュの制作を煽ったコトも特徴的でした。誰だかわかりませんが、「THIS IS NIGERIA」とか「THIS IS IRAQ」とか、カナダフランスシンガポール韓国マレーシアフィリピンなどなどたくさんの国の人が、自分たちの国を「THIS IS」する動画を作成しています。これもチェックしてみると楽しいです。世界をマタにかけた二次創作バズですわ。これもスゴかった。YouTube の中で「THIS IS AMERICA PARODY」と検索して見てくださいな。
CHILDISH GAMBINO という人の出自が独特なのかも。本来はドナルド・グローヴァーという名前で活動するコメディ俳優さん。しかも自ら脚本や演出、ドラマのプロデュースも手がけるマルチタレント。彼が主演〜プロデュースその他脚本や監督まで手がけたドラマ「アトランタ」は配信サービス Hulu でめっちゃ楽しみました。コメディとは言いますが、反射的に笑わせる内容ではなくて、ジワリと皮肉を忍ばせるようなスタイル。そして時々皮肉が強くて笑えない。MV「THIS IS AMERICA」はそんな彼の作風の延長にある映像なのでしょう。

●そしてもう一人、注目すべき人物が。日本人ディレクター・ヒロムライ
●MV「THIS IS AMERICA」やドラマ「アトランタ」の監督としてクレジットに登場してくる HIRO MURAI という日本人っぽい名前の人物この人の正体が今回の受賞で明らかになりました!ずっと気になってたんだよなー。東京生まれで少年時代にロスに渡った人ってコトは以前からわかってたのですが他のコトがよくわからなくて。彼は GAMBINO 関連を中心に、英米の様々なアーティスト(QUEENS OF THE STONE AGE から FLYING LOTUS、DAVID GUETTA などなど)のMVを手がけている36歳。90年代から活躍するユニークな映像作家ミシェル・ゴンドリー(大好きすぎる!)も所属する映像集団「PARTIZAN」に在籍しているとな。
●しかも今回のニュースで一番驚いたのは、彼のお父さんが作曲家/音楽プロデューサーの村井邦彦であったという事実。60年代のグループ・サウンズに楽曲を提供、赤い鳥「翼をください」も彼の作曲、そしてアルファレコードの創設者でもあった!荒井由実のデビューにプロデューサーとして関わり、ティンパンアレーのメンバーをフックアップして YELLOW MAGIC ORCHESTRA を世に出した。うわースゴイ人の息子さんだったんだー。


●というコトで、ともかく CHILDISH GAMBINO の音楽を聴いてます。

CHILDISH GAMBINO「22 AWAKEN, MY LOVE ! 22」

CHILDISH GAMBINO「" AWAKEN, MY LOVE ! "」2016年
●ドラマ「アトランタ」のシーズン1が放送された年に発表された彼のサードアルバム。ドラマでこの人のユーモア感覚のトリコになって、即座に音楽も聴いてみたいと思ったのですが、このジャケにややヒキました…アフリカ伝統美術を21世紀版に更新したようなイメージの強いオーラに気圧されたというか。しかも内容も予想のナナメウエというか完全に想定を上回った音楽で、当初は手に負えないと思ったほどです。
GAMBINOコメディ俳優兼ラッパーと紹介されるのが普通なのですが、このアルバムでは全然ラップなんかしてないのですよ。むしろすごくエモーショナルに歌いまくってます。完全熱唱です。つーか1ミリもヒップホップを感じさせません。このヘンの裏切りも彼のユーモアの範疇なのでしょうか??いやいやコメディアンの余芸とは思えないガチにシリアスな作品です。コメディ俳優という肩書きもメンドくさいのですよ、彼の佇まいは日本の饒舌な芸人さんのイメージとは全然繋がらないもので、無駄にニコリもしなければ楽しい話芸も披露しない。パッと見は穏やかで物静かなお兄さん。コメディ俳優兼ラッパーというレッテルでイメージを制約させるとスキマにある豊かなモノが見えなくなってしまいます。彼はマルチタレントで、実はなんでも出来る人。コメディやラップの世界に止まらない活躍を今後始めるでしょう。
●というコトで、改めてこの音源に取り組むとですね、最初に連想するのが FUNKADELIC なのですよ。70年代前半の、ファンクのスタイルがまだ不定形な時代の音楽を感じる。生バンドが弾き出す演奏が、サイケデリックさえ通り越して宇宙空間に出てしまってコスミックな領域に突入。いちいちネバつくドラムやシンセオルガンのファンクネスや唸るギターのブラックロック、ソウルフルで分厚いコーラス隊の中で、GAMBINO はラップの時には聴かせないハイボルテージボーカルを披露します。でもソレがなんだか微妙にフワフワしてて、ソレが GEORGE CLINTON を連想させもするのです。
●でも、やっぱりそんなにわかりやすい音楽でもなくて。単純なソウル〜R&Bアルバムだと思ってはいけません。ファンキーに加熱する部分があると思えば、コスミックな抽象美で何が起こってるかよくわからんフワフワした時間帯がダラダラ続くトコロもあって。

CHILDISH GAMBINO「BECAUSE THE INTERNET」

CHILDISH GAMBINO「BECAUSE THE INTERNET」2013年
●ああ、今よりちょっと若いけど、生身のドナルド・グローヴァーがジャケに登場してくれて、なんだか安心。そうそう、ラッパーにありガチなドヤ感すら感じさせない、このただのお兄さんのオーラがイイ。
●これをレコ屋で発見した時は、タイトルに感心してしまいました。ボクらはこんなに日常生活をインターネットに囲まれて暮らしているのに、アルバムタイトルにズバリ「THE INTERNET」と書いてある作品は初めて見るよなー。「全部インターネットのせいで…」とみんながその功罪を語りたがってるのに(ワイドショーから経済紙まで)、こんなに真っ正面に音楽でソレを題材にするなんて。と言いつつ、比較的ちゃんとラップしているこちらのアルバムが本当にインターネットのコトを語っているのかは、ボクの語学の限界で確認してないです。その辺も鮮やかに裏切ってるかもです。
●2010年代ヒップホップの一大潮流であるトラップのフォーマットを借りて、ワザとチープな打ち込みハイハットで軽く拍子を刻む気分に今風の気分がありますが、そのビートの間から過剰に湧き出るエコーやノイズやメロウネスが浮世離れしてて、そのユニークさを言語化しきれません。比較的堅実にラップする場面もあれば、歌心が滲み出ていく場面も。
●ゲストで気になるのは CHANCE THE RAPPER。CDなどフィジカルメディアで音源を発表しないので、配信サービスでしか彼の音楽は聴くことが出来ないという男です。普通の愛想のいいお兄さん、という空気感は CHILDISH GAMBINO と通じるキャラか。DE LA SOUL のような人たちに端を発して90年代から連綿と続く「文系」ラッパーの系譜の2010年代版が彼らなのかも。ヒップホップって基本が「オラオラ系」で、そうでない「文系」の人々は貴重そしてボク好みでもある。とすれば、2019年にもなってその辺ちゃんと聴けてなかったのは、研究が足りなかったとして激しく反省。うーん、ここ数年は00年代中盤のヒューストンとかマイアミとかのサグいヤツばっか聴いてたからなあ。
●もう一人キーパーソンに言及。上記に挙げた二枚のアルバムとファーストアルバム「CAMP」2011年ほか、GAMBINO の音源にプロデューサーとして常に関与しているのは LUDWIG GORANSSON というスウェーデン人音楽では北欧人、映像では日本人と組む、それでいてアメリカ黒人としてのアイデンティティもハッキリと打ち出す。この人はコスモポリタンだからこそ、アメリカが客観的に見えるのかもね。


●それと、残り一枚アルバムを出したら、CHILDISH GAMBINO 名義の活動は終わらせて、映像の仕事に専心していくとの話もどっかで出てたかも。


●「" AWAKEN, MY LOVE ! "」収録楽曲「REDBONE」をテレビショーで披露。



●「BECAUSE THE INTERNET」収録楽曲「3005」、監督はもちろん HIRO MURAI。



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●今夜の音楽は「村上RADIO」からの2世タレントユニットへ。

THE WILSONS「THE WILSONS」

THE WILSONS「THE WILSONS」1997年
●先日、村上春樹さんの「村上RADIO」第四弾のレポートを書きましたが、村上春樹さんの選曲には THE BEACH BOYS 関連、特に BRIAN WILSON が頻出しているのでは、と思い至りました。第四弾では「PET SOUNDS」のジャズカバーがラストを締めましたし、第一弾でも第三弾でも BRIAN WILSON 楽曲が紹介されました。ということで、今夜は BRIAN WILSON の娘さんたちの音楽を聴きます。
●1990年に「HOLD ON」というデビューシングルがヒットした一発屋ユニット WILSON PHILIPS という女性三人組がおりました。ボクは当然リアルタイムで聴いておりました…ただまだ高校生だったので、彼らの親御さんたちがどんなに偉大なミュージシャンかは理解できていませんでしたけど。センターを務めた CHYNNA PHILIPS は60年代のポップスグループ THE MAMAS & THE PAPAS のメンバー JOHN & MICHELLE PHILIPS 夫妻の娘さん。そしてバックコーラスを務める CARNIE & WENDY WILSON 姉妹は我らが THE BEACH BOYS の中核 BRIAN WILSON の娘さんなのでした。
●しかしこの三人組はホントに一発屋だったのでアルバム二枚を残して1993年に解散。ブロンドのショートカットで一番華があった CHYNNA はソロ活動〜女優さん方面へ。残された WILSON 姉妹は…なんと二人だけでユニットを作って活動を始めたのです!これはこのCDをディスクユニオンで見つけるまで知らなかった!そんなことしてたんだビックリ!だってバックコーラスを担当してた WILSON 姉妹はハッキリ言って華がない…容姿が整ったセンターの CHYNNA に対して、おデブの姉さんと痩せっぽっちの妹がサイドに立つという引き立たせ役のポジションだったのに。お姉さんの CARNIE はこの段階においてもおデブ気味。しかし、妹の WENDY は落ち着いた美人さんの気配が出てきたかも。

一方、予想以上に、お父さんの BRIAN WILSON はこのアルバムに深く関与しています。なにせ裏ジャケでは父娘の3ショット写真で楽しそうにしてるし。エクゼクティヴプロデューサーにもクレジットされてるし。3曲ほどでは作曲にも携わってる。コーラスでバックで歌ってる曲もある。サスガに声が聞こえちゃうと、うわ!THE BEACH BOYS じゃん BRIAN WILSON じゃんという存在感が出まくる。全部を列挙できないけど、お父さんの縁者か実力派ミュージシャンがクレジットのそこかしこにチラチラ垣間見える雰囲気もある。DAVE STEWART とか TIMOTHY B. SCHMIDT とか DAVID FOSTER とか。
●時代は1997年、オルタナティヴロックの時代なので、少々ザラついた感触が全体のサウンドを甘くなり過ぎないように整えててイイ感じ。ガールズロックも盛んだった当時にゴリッとカマシたい若い二人の勢いも一興。でもキモは姉妹の息のあった美しいハーモニー。今の時代なら敢えてフォーキーにアレンジしたらもっと優しく聴こえるかもね。
●でも、ここはやっぱりお父さんの関連楽曲をたっぷり堪能したい。アルバム一曲目の「MONDAY WITHOUT YOU」はなんと CAROL KING の提供曲!コレにお父さんのコーラスがウキウキに入ってきて、一気にテンション上がる!CAROL もイイ曲と思ったのか後にこの曲をセルフカバーしますわ。3曲目「MIRACLE」にもお父さんが作曲に関与、自分でも歌います。序盤の不思議なサイケアレンジから美しく展開する後半に登場するお父さんコーラス。6曲目「'TIL I DIE」はお父さん単体の作詞作曲楽曲。円熟したメロウネスで若い声を引き立たせる優しい曲。娘との仕事を楽しんでるなー。際立つアルバムラスト楽曲の「EVERYTHING I NEED」では一部で自分がメインボーカルをやっちゃったりしてます。オレの提供楽曲は特別!と言わんばかりにストリングスアレンジを分厚く仕込んでしまう入れ込みようが大人気なくてイイ。ただ、楽曲のシットリとした美しさは間違いないのです。


●さて、家庭内で役立たずのボクは、連休ワイフのお使いでドラッグストアへ。
BRIAN WILSON も本業となれば立派なお父さんでしょうけど、過去のアレコレエピソードを振り返ると実生活ではポンコツお父さんではないでしょうか。家事育児が全く出来ないボクはそんなコトを考えて自分のコトを正当化してみようとしてますが、まー何にも用事のない連休に引きこもってるのもバツが悪く、寒がって買い物に行きたくないワイフに代わり駅前のドラッグストアにお使いにいくのでした。
●しかし、ドラッグストアに全く行き慣れていないボクは、そのケバケバしい過剰陳列に面食らってしまったのです。ルールを共有してない空間の中では、その商品配列が理解できなくて迷路に迷い込んだような錯覚すら感じるほど。ボクは「部屋干しトップ」という粉洗剤が欲しいだけ、でもシャンプーからトイレ洗剤までプラスチックビンがゾロリ並んだ空間で途方にくれるのです…洗剤カテゴリーでこんなに品物がいっぱいあるのに粉洗剤が見つからないよ…。
●箱ティッシュとウェットティッシュも大変です。なぜこのような配置になってるか理由がワカランのですが、箱ティッシュは女性用生理用品の隣にあるのですよ。箱ティッシュ、ウチで使ってるのはどのブランドだっけ?と観察したいのですが、タンポン売り場の前でオッサンが陣取ってるのは奇妙なのでは?と一人でハラハラするのであります。
●レコ屋や古本屋では、カオスな陳列でも海外のお店でも問題を感じないボクですが、それは空間のルールが共有できてる前提があるからなんですね。スーパーの中でポテトチップスを見つけられなくてガッカリしたのを思い出した…何もできないボク。一方、ワイフが気味悪がってレコ屋に長居したがらない気持ちもわかりましたわ…。人間は自分のルールの外では極端に怯えてしまうってコト、ドラッグストアのタンポン売り場で思い知りました。

食糧人類

●そんな父親ですが、娘ヒヨコとは仲良くしたいので、ヒヨコが欲しがってたマンガをヴィレッジヴァンガードで購入。「食糧人類」というこれまたとっても悪趣味な内容。WILSON 一家のように親子コラボしてCD作るなんてできないけど、一緒にマンガを読むことはできるよね。



THE WILSONS はこの一枚のアルバムで活動終了。その後 CHYNNA と合流して WILSON PHILIPS を再結成させましたとさ。




折り紙で作ったドラゴン(ハリーポッター風のタイプ)が大量生産されてダイニングテーブルに並べられてる。娘ヒヨコJK1年の制作物だ。娘ヒヨコは手先が器用というか、脳ミソよりも手を動かして考えるタイプというか、折り鶴の3倍くらい複雑なモノをスパスパ作ってる。こんなのドコで折り方を知るの?「んー?YouTubeの折り紙動画。無言で折り紙ずっと折ってる人がいるの」そんなところで知恵を得るのか…確かに折り方の本を見るより動画の方が感覚的でヒヨコ向きかも。
●こいつ、毛糸の編み物もYouTubeの動画で覚えたって言ってたな。菊の花のような模様がたくさん並んでいく結構複雑なモノを器用に編んでたっけ。で、この花模様は最後にナニになるの?「んー?とりあえず編んでるだけでナニになるかは考えてなーい」すでにベッドの枕よりも大きくなってるのに用途不明なんだ…ホント手先でしかモノを考えないなコイツ。



マンション管理組合の理事会…今年から理事長になっちゃったのですよ。
●持ち回りで役員を務めるルールなので、会計とかの責任の薄い立場で茶を濁して任期をやり過ごそうと思ってたのに、なんと「理事長」をやるハメに。ああ、とても億劫だ。その会合があるというだけでブルー。
●実はメンドくさい事情があったのだ。立候補で理事会の中に何年も居座りながらも理事長はやらないという「影の理事長」的人物がいるのだ。まー人当たりは柔らかく言うことも筋が通っているので、初回挨拶の第一印象では悪い感じはなかった。しかし、この人が実に真面目かつネチッコイ性格の人で、いちいち議論をコネ繰り返して全然結論が出ない。3時間も語りこんで何一つ議案が片付かず、全部次回(2か月後)に先送りになった第一回会議の段階で、これじゃ付き合ってられないと思った。なんで壊れた非常灯の修理や、配管清掃の日程が決められないの?これはサスガにメンドくせえ。
●もう一つ気になるのは、この「影の理事長」さん、管理会社の若い担当者へのアタリがキツイのだ。「影」さんはボクより年長でおそらく50歳くらいか。そんな人の前では、20歳代の若い兄ちゃんの立ち振る舞いなぞツッコミどころ満載なのだ。議事進行の段取りもグズグズしてるし、会議資料が足りなかったりしてる。それをイチイチ説教して、見積りの根拠が甘いから判断できないと主張するのですわ。
●ただ、管理会社社員も大変なのをボクは知ってる。我がマンション担当くんは他に10件ほどのマンションを受け持ってる。そんで担当マンション10件全てが2か月に一回理事会をすると、単純計算でも彼は全ての週末で休日出勤、土日両方も潰れることもあることがわかる。これじゃ彼女とデートもできんだろ。若者が結婚できない事情はここも一因?それだけ仕事を抱えれば個別マンション事情も把握しきれない。顧客の立場としてはあまりにユルイ仕事は困るが、無茶なリクエストを投げ続けても若者が詰んでしまうだけだ。あんまりシンドイと辞めちゃうよ。多少はサポートするつもりで付き合ってあげなければ。

結果的には、ボクは「影の理事長」に勝ちました。
●担当くんが理事会のリマインドメールを送ってきた時に丁寧に返事をしてあげた。「影さんとの会議の空気は理解しました、確かに真面目で発言に筋も通ってるので無視できないけど、慎重すぎて決断しないのでは、お互いの仕事が滞ってカロリーが高すぎる。今週の理事会では前回の残件を全て決着させたいので、影さんを一発で納得させる資料を用意してほしいです」そんで資料のポイントを全部指示してあげた。
●すると、担当くん、アッサリした最初のレジュメ資料とは全然違う、仔細な見積根拠資料をコミにした100ページのPDFを送ってきた。100ページはさすがに読めねえよ!しかもスキャナーが古いのか字が潰れてる!このへんがまだ未熟で影さんに説教されるんだろうけど、若い担当くんは未熟ながらも真面目なタイプということもわかった。ちゃんと事前に読み込んだよ、だってボクが注文した資料なのに読まないのは失礼だから。
第一回会議は、影さんが担当くんをネチネチいびるようなトーンで、見積り根拠が足りないから判断できない、これもダメあれもダメという発言ばかりだった。しかし第二回である今回はそのトーンをボクがひっくり返すと決意。朝イチの会議室にボクが一番乗り。議事進行係の担当くんの発言を遮って、ボク自身が議事進行をしてしまう。会議の5割を影さんが発言してた前回に対して、今回はボクが8割しゃべった。最終的に、影さんが決定を留保した案件や突発の案件も全部結論まで到達させた。しかも前回3時間の会議を1.5時間に短縮。
●会議後、担当くんと二人だけになった時「どう?これで仕事が進むでしょ?」と声をかけたら「本当に助かりました!ありがとうございました!」とニコニコ。これで同盟関係が成立。空気感はガラリと変わった。「表の理事長」であるボクが影さんに対してマウントをとった。実際ウチの会社のゴリゴリした議論スタイルに比べたら、この程度の会議を仕切るなんて造作もない。家に帰ってワイフに報告したよ「影さんに勝ったわー。今後は理事会ごときにブルーにならずに済むわ」

やっぱり都会のマンション暮らしだから、隣近所のお付き合いなぞほとんどない。
●マジで隣の人の顔も名前も知らない。エレベータホールで誰かに顔を合わせても無言で会釈するだけ。だから、理事会の活動は、同じマンションに暮らす人との激レアな交流の場だ。だから影さんとも根本では仲良く協調するつもり。彼は古くなるマンションの経済価値を維持するために、ずっと理事会運営に関与してくれているのだ。彼がメンテナンスコストに鋭敏で慎重なのは、管理組合の収支がキツくて管理費が上昇するリスクがあるから。「クルマ離れ」現象が十年前から顕在化して駐車場収入が見込みを大幅に下回ってる事情がある(以前ボクも自動車手放したし)。それに、地震や火事や天災が起これば助け合いも必要になる。シッカリした人とガッツリ話せる関係が大事だ。
実は理事長を務めるのは2回目。あの時は駐輪場のルールを改造したり野良ネコ除け対策を考えたりと積極的だった。ヒマだったのか?初めての経験を面白がってたのか?でもその一方でボクは、アレコレを管理会社にブチ込んで、担当者2人に交代を強いたことがある。若手というより新入社員も同然の能力でさすがに無理だった。そんな前科があるコトを知ったら、担当くんは影さんよりもボクの方がヤバイと思うかもしれないなーその反省で今回はフォローしてあげてるのかも。会議室じゃなくて近所のオシャレカフェで理事会をやってたコトは後から批判されちゃったりしたっけ。コーヒー代くらい大目に見て欲しかったー。ま、ご近所さん同士、仲良く仲良く。



●今夜の音楽は、テクノ。

APHEX TWIN「COLLAPSE EP」

APHEX TWIN「COLLAPSE EP」2018年
「90年代テクノ極北の天才」と勝手にボクが呼んでる APHEX TWIN こと RICHARD D. JAMESここ近年は真面目に仕事をしている模様です。もはやテクノじゃない領域まで行っちゃったねーという内容だった「DRUKQS」2001年から大きく13年もブランクを空けて、アルバム「SYRO」で復活したのが2014年。これ以降は別ユニット名義も含めてナニゲにチョコチョコとリリースがちゃんとあることに感心する。またいつ世間からお別れして消え去っても不思議じゃないタイプの人なので。機材は自分で自作するトコロから始めるとか、儲けたギャラで戦車買うとか、奇行伝説が多いのですよ。
●今回のリリースは前触れがあった。去年の夏頃か、テクノ愛好家で実際にクラブDJもこなしている職場の同僚女子さんが「渋谷のテクノ専門店 TECHNIQUE におっきな APHEX TWIN のマークが置いてあるんですよー」と話してくれたのだ。ん?これは近々リリースがあるのかも?アルバム「SYRO」のリリース直前時も都内のクラブのコインロッカーにベタベタと APHEX TWIN のステッカーが貼られたという話がある。でもねー行動に予想がつかない人だから期待もできないしねー。と、彼女とは話してたんだけど、マジで去年9月にこの新譜が発売されました。ホントにリリースがあったよ、すげえな、一年強くらいのペースで何らかの新音源を届けてくれるなんて、嬉しいじゃないか。中古ばっかしか買わないボクが珍しくタワーレコードで定価で新譜を購入しました。
●でも、テクノ女子さんにAPHEX TWIN の新譜、どうでした?」と聴かれた時は「うーん、いつもの APHEX TWIN だった!」と答えてしまった。この答えは反射的に出てしまった言葉だが、とても正確な意見とは言えない、反省!80年代末レイブシーン後期を焼き尽くすような鬼のようなアシッドテクノから、静謐で神々しいアンビエントの鉄板盤、暗黒すぎるダブで完全武装されたトリップホップ、悪魔のように凶悪なビッグビート、昆虫が跳ね回るような痙攣的ドリルンベース、そしてもう何が何だか説明がつかない音楽アレコレを次から次へと発信したのが90年代の APHEX TWIN。だから彼の音楽に置いては「いつもの」なんて言葉で定型化/パターン化は出来ないのだ。
●ただ、近年の復活後は、なんというか、ある意味で落ち着いている。自分の作風を根底からひっくり返すようなスタイルの変更はない。むしろ長いキャリアで培われたオリジナルのテクニックが数々参照されてて、彼の様々な作品を連想させる音響が聴こえる。ただ一方で、APHEX TWIN が今まで鳴らしていた音は APHEX TWIN にしか出せない音だ。他の誰とも似ていないし、今のシーンにも全く対応していない。「いつもの APHEX TWIN の音楽」ではなく「あまりにも APHEX TWIN 過ぎる音楽」というのが正解なのかもしれない。
●そして、彼自身の進化はまだ止まる気配がない。複雑なビートの実験は彼にとっては当たり前のことだろうが、今回もやっぱりスゴイ。かつては不安と不愉快で聴く者を圧迫する悪意すら感じた彼の音楽だが、一方で天使のように無邪気で美しいモノもあった。近年は、耳馴染みのよいビートが丁寧に設計されてて、油断するとスーッと聴き流してしまう。ところが、今回はそのビートそのものがメロディを歌っているのだ。楽曲によってはシンセ含めたメロディ楽器が全く登場せず、全部が打楽器的ビートだけで構成されている。にも関わらず、単純な反復ループを許さず、小刻みなリズムアクセントの調整で色彩豊かな展開を作っていく。さらには一打一打のリズムに別々のエコーエフェクトをかけて多彩な表情を刻んでいく。この偏執狂的作り込みこそが彼が天才と呼ばれる所以だ。もう少し突っ込めばその技が可憐すぎて耳に優しく作用した今作は、彼にとっての成熟の証なのかもしれない。だからボクは一瞬その価値を見逃してしまって「いつもの」なんて発言が出てしまったのだ。
●ということで、彼がいかにシーンから遊離しようと、その成熟の行く先をいつまでも追いかけてみたいと思うのでした。

FUTURE SOUND OF LONDON「MY KINGDOM (RE-IMAGINED)」

THE FUTURE SOUND OF LONDON「MY KINGDOM (RE-IMAGINED)」2018年
去年のロンドン旅行のレコ屋巡りで見つけた一枚。彼らも APHEX TWIN と変わらないほどの芸歴を持つベテランだ。というか、ロンドンのレコ屋の新譜コーナーで彼らの音源を見つけた時はビックリした、あれ?まだこのユニット活動してたんだー!実はベテランというかむしろ一発屋というか。「PAPUA NEW GUINEA」1991年というアシッドチューンがクラブヒットし、その後何回もリミックス音源が出てる、という印象。新しい音源なんて出てないと思ってた…けど、拠点のロンドンではちゃんと活動していたみたいね。
●とはいえ(真偽がイマイチわからないのだけれども)この「MY KINGDOM」も1996年の同名シングルを翻案した作品のようで。その辺が「RE-IMAGINED」の意味なのかな。ただその翻案は大胆で、50分弱ほどの長さの絵巻物に拡張。スローテンポで抽象的な音響は、どこか荒涼としたディストピア世界を連想させる。ジャケも不気味だし。
●それでも、90年代から頑張ってるテクノアクトが今も元気に活動中というのは、なんとも頼もしいもんだね。

LEFTFIELD「LEFTISM」

LEFTFIELD「LEFTISM」1995年
●さて、90年代テクノアクトの90年代現役時代の音源も聴いてみよう。これもロンドン旅行のレコ屋巡りで購入したモノ。1ポンド激安コーナーから拾い上げました。彼らも APHEX TWIN THE FUTURE SOUND OF LONDON とほぼ同期、80年代末のクラブシーンからキャリアを起こしてる。このファーストアルバムは1995年リリースと遅めに見えるけど、収録曲は1992年頃からのシングルヒットも含んでいる。名前の通り革新に振り切ったテクノ表現がこの時代のスタンダードになるほどの存在だったっけ。ハードでパーカッシブなビート感覚にトライバルな感覚を交える演出が実にクール。「AFRO-LEFT」で採用しているアフリカのどこかの言葉をラップさせてる楽曲がカッコイイ。他にもゲストボーカルに JOHN LYDON を召喚したりもしてるね。実を言いますと個人的には1999年のセカンド「RHYTHM AND STEALTH」の方が好き。リアルタイムで聴いてた盤だし。でも、ここで1ポンドで入手できたのは嬉しかったなあ。


●テクノやダンスミュージックに興味がない人でも、映像含めて彼の音楽は楽しく聴こえると思いますよ。ぜひご一聴を。「T69 COLLAPSE」。







村上春樹さんが、またしてもラジオ番組をやってた。
●完全にノーマークだった…アプリradikoのタイムフリー機能山下達郎さんの番組を聴こうとして、偶然発見した。あぶねー聞き逃すトコロだったよ。そして、今回は実にマニアックな選曲だったなあ。

村上RADIO

●第一弾があった去年8月からもう4回目となった今回のテーマは「村上RADIO 今夜はアナログナイト」。一連の「村上RADIO」では当然村上さん自身が選曲してるのだけど、今回はアナログにコダワって、村上さんの私物音源が用いられてる。だからパチパチノイズがあってもご愛嬌。というか、激レアすぎて、他に代えられない音源がたくさん出てきた。あーあ、また楽しい音楽を聴く事ができた。

TONY ORLAND DAWN 「TO BE WITH YOU」

TONY ORLAND & DAWN「CUPID」
●収録音源:「TO BE WITH YOU」1976年
SAM COOKE のカバー曲。TONY ORLAND とか言うので戸惑ったのですが、「幸せの黄色いハンカチ」のヒットで有名なバンド DAWN のコトらしい…むしろ日本だけがバンド名のみにしてて、本国じゃ TONY ORLAND さんの方が有名なのかな。時代が降っているので、ストリングスアレンジがゴージャスなディスコファンク風味に聴こえます。
●以前の「村上RADIO」ご本人がハッキリと「カバーソングが好き」と公言してましたが、今回もカバー曲が満載ですわ。

OHTA-SAN「SUNSET」

OHTA-SAN「SUNSET」
●収録音源:「THE COOL TOUCH OF OHTA-SAN」1968年
日系のハワイアン・アーティスト、HERB OHTA aka OHTA-SAN の美しいウクレレポップス。トロピカルでエレガントな演奏だけど、メロディはなんと「カラスと一緒に帰りましょ!」「夕焼け小焼け」だった!村上さん曰く、最近の JAKE SHIMABUKURO のような超絶テクニックもいいけど、OHTA-SAN のような古典的な演奏もいい、自然と音源もたくさん集まってしまっているとな。とはいえ、このニシキゴイの群れのジャケでよく買おうと思ったなあ。DISCOGS のサイトでグラフィックを探してみました。
●ボクのライブラリで言うと HERB OHTA は晩年のCDが一枚あるかな。反対に JAKE SHIMABUKURO は登場の瞬間にハマってかなり集めました。弟の BRUCE SHIMABUKURO の音源も持ってます。現在は息子さんの HERB OHTA JR. が活躍してるみたいですね。

LOS MUSTANG「CUANDO TENGA SESENTA Y TRES」

LOS MUSTANG「CUANDO TENGA SESENTA Y TRES」
●収録音源:「XEROCOPIA」1981年
スペインのロックバンドによる、THE BEATLES「WHEN I'M SIXTY-FOUR」のカバー。バルセロナのフリーマーケットで購入したそうな。もちろん歌詞もスペイン語になってます。バンドの演奏が原曲に忠実だから、ボーカルが登場するとその違和感にズッコケます。このバンド、芸歴は60年代まで遡れるようで、THE BEATLES ばかりのカバーアルバムだけで3枚くらい出してるみたい。原曲は「ボクが64歳になった時」というタイトルだけど、なぜかスペイン語に訳されたら「SESENTA Y TRES = 63歳」になってると、村上さんも不思議がってます。押韻のための工夫かなと推測してました。でなければ、数え年みたいにカウントの仕方が違うのかしら。

THE ART OF NOISE feat DUANE EDDY「PETER GUNN」

THE ART OF NOISE FEAT. DUANE EDDY「PETER GUNN」
●収録音源:THE ART OF NOISE FEAT. DUANE EDDY「PETER GUNN 12'」1986年
●60年代の伝説的ギタリスト DUANN EDDY を80年代のエクスペリメンタルなシンセユニットが召喚して、HENRY MANCINI による有名曲をカバーしとります。村上さん自身は12インチのシングルで持ってるみたい。アルバムでは同年の「IN VISIBLE SILENCE」に収録、ボクはベスト盤で聴いてる曲でありました。村上さんによると、なんとこの音源をゴミ捨て場で見つけたとな!90年代初め、ボストンで暮らしてた頃、朝にゴミ出しをしに行ったら置いてあったとな。それからずっと愛聴しているそうで。いい出会いだな!
原曲は60年代の探偵モノドラマの主題歌。ドラマの劇中にジャズクラブのシーンがよく出てくるのだけれども、その中で西海岸のジャズミュージシャンが登場しているのを見るのが好きだったんですって。村上さんも当時は中学生でしたが。

RAMONA「FLASHDANCE - TANZ IM FEUER」

RAMONA「FLASHDANCE - TANZ IM FEUER」
●収録音源:「FLASHDANCE - TANZ IM FEUER」1983年
●1984年にドイツを旅行していた時に見つけた音源だそうです。その名の通り映画「フラッシュダンス」の主題歌 IRENE CARA「WHAT A FEELING」のドイツ語カバー。「TANZ IM FEUER」=「DANCING IN THE FIRE」という意味だそうです。村上さん、ただのカバー曲を集めるのが好きというだけではなく、英語の楽曲を別の言語で歌ってるようなアイテムも大好物とのこと。いやいや奥深いわ。ちなみにこのシンガーさんはドイツで70年代初頭から活動している人。このカバーシングルはアルバムには収録されてないみたいね。確かに言葉は全然違う響きだけど、トラックはそのまま GIORGIO MORODER のモノを使ってるのかな。全然違和感ナシ。


●さて、今回は2月放送というコトでバレンタインデー企画「村上の恋愛相談」なんてコーナーもあって。
坂本美雨さんとのヤリトリから、実に含蓄深いフレーズが出てきます。それをここでちょっとご紹介。

Q:昨今には珍しく女性と文通をしている男性からの質問。ラブレターを書くことで大事なことはなんですか?
●村上「僕が結婚した後に、奥さんになぜ結婚したのか理由を聞いたら、付き合ってた人の中で僕が一番手紙が上手だったから。奥さんたち三人姉妹はボーイフレンドから手紙が来ると朗読してみんなで採点するんですって美雨「キッツー(苦笑)」。すると僕が圧倒的に強くって、絶対ムラカミくんがイイってことになったそうで。だから手紙って大事なんですよ。」
●村上「ラブレターの書き方にはコツがあるんです。僕の場合は、日常生活で面白いこと楽しいことを集めておいて手紙に書くんです。好きだのなんだの自分の思いを書くと相手がシンドイじゃないですか。面白いこと楽しいことを書いて、ちょこっと自分の思いを書く。それがコツなの。だから、面白いこと楽しいことをコレクションしておくことがまず大事。」

Q:既婚者の女性が、昔一目惚れした人に会いたいと言われ迷っている。彼への一目惚れは本当に激しく6年たっても忘れられず、正直会いたい。でも今まで真面目に生きてきたのに情けない。アドバイスをください!
●村上「小説家として考えれば、会いに行かないと物語が始まらない。でも現実生活で彼女に何かが起こるとリスクや責任を引き受けないといけない。でも…そんなに会いたいなら会うのが普通じゃないかなと思う。混乱と乱れが起こったとしてもね、ソレが人生だからさーしょうがないじゃない!」
●村上「人生というのはね、セックスと同じなのね。混乱も乱れもなくセックスが終わったとしたら、ソレはやり方が間違っている(笑)人生もおんなじで、混乱と乱れがない人生はやり方が間違っている美雨「心に刻みたい…今の(シミジミ)」。あのねー、思い出を作ることはとても重要なんです。思い出は燃料になるんです人生の。年取ってからその燃料があるとないとでは人生のクオリティが変わってくるのです。思い切って会いに行きましょう!」

「混乱も乱れもなくセックスが終わったらソレはやり方が間違ってる。混乱も乱れもない人生はやり方が間違っている」。いただきました…どこかでドヤっと使ってみたい名言ですわ。

K-POI OLDIES BUT GOODIES

THE HITMAKERS「CHAPEL OF LOVE」
●収録音源:「K-POI OLDIES BUT GOODIES」1970年
ホノルルで2ドルくらいで買った地元放送局の非売品音源。楽曲の前後に楽しげで可愛らしい局ジングルが流れるのをそのまま放送。そもそも「ケーポイ」って名前がカワイイね、なんかハワイっぽい。楽曲本編はドゥーワップグループ THE HITMAKERS が1958年にヒットさせたモノ。キラキラしてて眩しいね。DISCOGS で調べたら、ちゃんと出てきたよ、アルバムは1970年に出たものみたいだね。今回は難易度が高い音源が多いのでアレコレは DISCOGS で調べてます。

BLOSSOM DEARIE SINGS ROOTIN SONGS 1963

BLOSSOM DEARIE「GOOD LIFE」
●収録音源:「BLOSSOM DEARIE SINGS ROOTIN' TOOTIN' SONGS 1963」1963年
そもそもはルートビアの景品だったので、入手がとても困難な音源だったとな。それをコロラド州デンバーのお店で発見。値段が60ドルだが、村上さんのルールでは一枚50ドル以上は出さないのが掟。そこで値下げ交渉をご主人に挑むも無下な対応しか帰ってこない。それでも気になる音源で三回お店に出向いて結局60ドルにて購入。その時のご主人の笑顔が印象的だったみたい。こうした思い出って大切だなと。ネット販売では味わえない醍醐味。ボクも国内でも海外でもその旅行先のレコ屋を訪れるのが大好き。そして店長さんと話し込んだりするととても嬉しい。村上さんと同じようなセンスが持てて、もっと嬉しくなっちゃった。音源の内容は、ジャズピアノを従えて可愛らしい声の女性がシットリ歌い上げるモノ。彼女のライブも見た事がある村上さん曰く「妖精」というか「妖精おばさん」という印象だと説明してます。

「SOUL YOGI」

FREDDIE MCCOY「PET SOUNDS」
●収録音源:「SOUL YOGI」1968年
●これまた渋いジャケ!買いづれー!でも内容は可憐なビブラフォンの響きが素敵なジャズ。これが今回の最後の曲。そしてシメはいつもアーティストの言葉を引用してまとめる。

●今回は、ELVIS PRESLEY の言葉を引用。
「歌手は自分の心の穴を埋めるために歌を歌う。そしてそのことが聴く人に伝わる時、そこに共感が生まれるんだ」
空白を抱えることは大切なコト。ずっとそれを意識していると疲れちゃいますが、時々自分の中の欠落に気づくコトで、人生が逆に豊かになったりもします。



「1960~70年代アナログ・レコード、中高年向け鑑賞日乗」というブログを運営しているmiki-taka08さん、この方は毎回「村上RADIO」を楽しみにしてらっしゃる。お住いは北海道とのコトで、地震や寒波や大雪で難儀されているようですが、今回の「村上RADIO」も無事平和に鑑賞してらっしゃることかと。ネットに散らばる音楽ブログ諸先輩たちの情報はとても興味深くて。miki-taka08さんもおそらく実年齢でも大先輩、いつも勉強させてもらっています。



●金曜日の夜。仕事にくたびれたので、もう寝ようと思ったけど。
●夜中にプレイした音楽が気持ちよくて、ブログを更新するのです。

BONOBOS「HOVER HOVER」

BONOBOS「HOVER HOVER」2004年
「フィッシュマンズのフォロワー」と言われてしまうコトで残念だったこの BONOBOS というバンド。だけど、もうその元ネタ扱いになってるフィッシュマンズをよく知ってる人はみんなアラフィフに突っ込んでる状態でしょう。若い人でよく知っている人がいるとすれば、シリアスな音楽ファンか、変わった人ではないでしょうか。
ボクは90年代渋谷系時代に活躍したレゲエ/ダブバンド・フィッシュマンズがリアルタイムに大好きでした。バンドのキャリア前半の五人編成の時期にボクは2回ほどライブを観に行ってます…懐かしの西新宿・日清パワーステーション!もちろんその後三人編成になってからのダブ度がさらに深化した時期も当然大好き、というか一般的にはこのキャリア後半が神格化されるほどの存在になりました。しかし、ボーカリストでバンドの核だった佐藤伸治が1999年に33才の若さで急死、バンドも自然消滅する。当時は衝撃でしたよ…。佐藤伸治さんに関しては学生時代に一度間近に目撃してしまったこともあって。下北沢でオールナイトのクラブ遊びから始発を待っての朝帰り、早朝の商店街を仲間と歩いていたら、コンビニ前に突然この佐藤伸治が座ってニコニコしてた。ビックリしたよ憧れのミュージシャンがいきなり朝の道端でしゃがんでるんだもん。ステージでも道端でもどこか浮世離れした印象の佐藤伸治、そのまま浮世からいなくなってしまった。
●で、お話は BONOBOS に戻る。このファーストアルバムがリリースされた2004年に及んでも、末期フィッシュマンズの傑作群はシーンの中で存在感があって。そこに、一見そっくりなバンドとして BONOBOS が現れてしまった。ダブのエッセンスを取り込んだサウンドデザインがフィッシュマンズに似ていたし、ヒラヒラと裏声ファルセットで歌うスタイルが佐藤伸治にソックリだった。リアルな意味での影響関係は当事者本人しかワカラナイだろうけど、まーここまでスタイルがなぞられてる様子は、あまり気分がいいものじゃない。ということで、偏狭なボクは当時このバンドをスルーしたわけです。
●さて、2019年、平成も最後の年であります。21世紀を迎えられなかったフィッシュマンズは大過去の出来事。そんなタイミングでディスクユニオンの激安コーナーからこの盤を拾い上げる。そして聴く。……ふーん。素敵な音楽じゃないか。変な構え方をせずに早く聴けばよかった。
●確かにボーカルのスタイルは似ている。ただ、レゲエ/ダブの側面でいえば、フィッシュマンズほど厳密に様式に寄せていない。リズムにアクセントがある音楽だけど、もっとフォーマットから自由に開かれている。スティールパンとかを使ってる時があるけど、レゲエになってるとも言えない。でも丁寧に作り込まれたサウンドは冬の朝のように澄みきって、実に気持ち良い。今初めて気づいたけどベーシストは女性なんだね。とりあえず偏見なく音を聴こう。暗い部屋の中ではよりクッキリと音が響く。シングル曲は「もうじき冬が来る」。いやすでに冬真っ盛りで、東京も結構寒いよ。

●もう一枚、イケるかな?

TICO ICCHIE「青春 REGGAE パート2」

TICO & ICCHIE「青春 REGGAE パート2」2014年
●日本屈指のレゲエ/ダブバンド・LITTLE TEMPO の土生 'TICO' 剛と、伝説のスカバンド・DETERMINATIONS の市原 'ICCHIE' 大資によるデュオユニットが、1970〜80年代のヒット曲を、実力派シンガーを召喚して極上のレゲエカバーをするという企画盤。昭和を代表するグラフィティアーティスト水森亜土さんのイラストが象徴するように、実にチャーミングな楽曲揃い。一曲目の「赤いスイートピー」でハートを鷲掴みされる。「風の谷のナウシカ」も絶妙なカバー。昭和の湿り気が強すぎる「シルエット・ロマンス」ですら、チャーミングなダブレゲエになってます。客演シンガーで味が出まくってるのは EGO-WRAPPIN' 中野良恵さんかな。ダブ企画らしく、わざわざインストトラックも3曲ほど収録してていい感じ。
LITTLE TEMPO には元フィッシュマンズのキーボーディスト、ハカセが参加。そして3年前ほどから BONOBOS のギタリストも参加しているそうな。レゲエ/ダブ界隈は、同じ人でグルグル回ってるのかもね。あ、ボクは土生 'TICO' 剛さんも新幹線の中で見かけたことがある。この人時々黒い眼帯をつけてるのが印象深いんだけど、出張のために乗った新幹線に楽器を持った集団が入ってきて、バンドさんかなーなんて思って観察してたらあの印象深いアイパッチが見えて。ほっそりとした印象も含めてあれは TICO さんだったのでは?と今でも思う。

FREE TEMPO「THE WORLD IS ECHOES」

FREE TEMPO「THE WORLD IS ECHOED」2003年
●えーと、これは完全に間違えて買った音源です。LITTLE TEMPO のCDだと思って買っちゃった。FREE TEMPO って名前が似てるし、アルバムタイトルも「エコー」がどうのこうのって、ダブっぽいじゃないですか。そしたら、洗練されたジェントルな和製ハウスだったよ。半沢武志さんというDJのソロユニットだそうで。今日はこれを聴きながら、眠ります。ではおやすみなさい。




●オシリにできた帯状疱疹は、ほぼ完治。よかったよかった。