明日から、国立市の実家で休養することにしました。
●今週土曜から、ワイフとコドモたちは、ワイフのお父さんの還暦祝いでインドネシア・バリ島へバカンスなのです。しかし病気のボクは不参加。海外リゾートで気分転換なんてステキ…、なんて絶対無理です。渋谷まで電車で移動するのに命懸けなほどツライのに、海外旅行なんて無謀っす。
●飛行機の中でパニック発作を起こしたり、気温や湿度などの環境変化に神経が過敏反応してヒドいことになるかもしれない。よしんばナニも起こらないとしても、一日18時間くらい身動きできない廃人なのに、ワザワザ遠くまで行っても意味がないし、他の人にも迷惑かける。だから、残念ながら楽しい旅行はあきらめました。
●余談ですが、ガイドブック見てて気付いたコトが1つ。インドネシア政府の国内持ち込み禁制品は「麻薬/抗精神剤/火器/武器/爆発物/ポルノ」。この「抗精神剤」にボクのクスリはモロひっかかるでしょう。コレ知らずに野ヅラで入国しようとしたらモメるだろうな。ヤワイのからキツいのまで各種取り揃えておりますから。税関で「コレなんだ?!」と拘束されちゃったり。「コレを置いていけ!(英語)」と言われたら反論もできないし。でもクスリなしでは正気を保てる自信ナイっす。死んでしまいます。
●とにかく、そんなバカンスの間、食事を自分で用意するコトも出来ないボクは、自分の実家に移送されることになりました。トホホ情けない。

自立神経失調症とのお付合い(その15)~「自律訓練法の講習」編
●今日は普段通院している心療内科に併設されている「心理相談所」というトコロを訪ねました。ここの臨床心理士の先生から「自律訓練法」というモノを教えてもらうのです。
「自律訓練法」とは、自律神経の働きを回復させるための治療法の1つです。クスリなどを用いるのではなく、自己暗示によって神経の働きを調整する方法なのです。
●何回かご説明している通り、ボクの病気自律神経失調症は、カラダの「緊張」「リラックス」、つまり「ON/OFF」のスイッチ切換えがオカシクなる病気です。カラダを「ON」にする「交感神経」「OFF」にする「副交感神経」のバランスが狂ってしまっている状態。ボクの場合は、性格気質と仕事のし過ぎで、スイッチが「ON」に入りっ放しになってしまい、休息しようにも「OFF」にならなくなってしまいました。それを目下、無理矢理スイッチを「OFF」するべく精神安定剤だの筋弛緩剤だの抗うつ剤だの睡眠薬だのケミカルのチカラを使って、カラダの異常な緊張とそれが原因で起こる不調を取り去ろうとしている訳です。
自律神経のシステムは、その名の通り完全に自律してオートマチックに作用しますので、本来自分の意志の力では細かく操作する事はできません。しかし、自己暗示を元にそれを訓練で調整しようと言うのが「自律訓練法」なのです。

●臨床心理士の先生が、ボクの横に座って丁寧に説明していきます。まずは準備段階」。照明を落として静かな環境へ。先生「本来はフトンに仰向けが望ましいのですが、今日はイスに座るやり方で行きます。リラックスした姿勢、足は肩幅、腕は膝の上に。目を閉じて、深呼吸して下さい」すーはー…すーはー…。「そしてアタマの中でこう唱えて下さい。『気持ちがとても落ち着いている…』『気持ちがとても落ち着いている…』『気持ちがとても落ち着いている…』
●さて本番。先生「次は、こう唱えて下さい。『右手が重い』『右手が重い』『右手が重い』右手に神経を集中させて、力を抜き、その重さを膝の上に感じるのです…。」神経を集中させて、腕の付け根から力を抜ききる…。
●先生「次は左手です。『左手が重い』『左手が重い』『左手が重い』…」重い重い重い重い重い、左腕が泥のように重い…。
●先生「そして両手です。『両手が重い』『両手が重い』『両手が重い』…」ムムムムム…。腕の筋肉が無意識に細かく痙攣するのを感じる…。
●先生「はい!!お終いです!! さあ、両手をグーパーグーパーして!」はは、グーパーグーパー!「そして両手を挙げてぐーっと伸ばして!」ぐーっ!

●先生「ひとまず、こんな感じです。同様に両足も同じ要領でやって下さい。これが自律訓練法の第一段階の半分くらいってトコでしょうか。これが第六段階まであります。」えーっ、第六段階までもあるの!「ですから一回の説明では全部は説明出来ませんし、コレは訓練ですから毎日やってもらいたいと思います。初めは、感覚が掴めないという方も沢山います。最初の感覚を知るまで半年かかった人もいます。」ほーう。
●先生「unimogrooveさんは、お話を聞く限りハッキリ言ってかなりの重症です。ですのでコチラもそれなりの覚悟をしなきゃと思いました。」ドキッ!やっぱヒドいんだ…。「自分の中で力を抜く事を許す事が出来るかどうか、という葛藤にも衝突するかもしれません。それは簡単ではありませんし、苦しい事かもしれません。」はあ…。「今日は自律訓練法のお話というコトでしたが、unimogrooveさんの場合は、生き方全般の見直しが最終的には必要だと思いますよ。」

●今まで沢山の医者や心理士にあってきたけど、みんな悲観的なんだよなあ…。「よくそんなで普通に働いて来れましたね!」とか「ムチャクチャですよ!」とか「こりゃヒドい!」とか「カラダも悲鳴を上げますよ」とか…。慣れたつもりでも、言われるとヘコムよね。…最近はメッキリ体力も落ちて通院すら苦しい。駅から病院まで5分歩くだけで息が上がる。くそ…。
●家に帰ったら、職場の後輩から手紙が来てた。「残暑見舞い」といって田舎のおいしいモノを送ってくれた。正直、和んだ…。本当にありがとう。


●この「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-223.html


●あとはいつも通り、バカでオタクな音楽趣味話です。

●イギリスの ”GRIME" シーンが熱いっス!
●最近はアメリカのヒップホップより、UKの方がずーっとスリリング。英国系ばっか聴いてます。特に6月に同時リリースされた2枚のアルバムがヤバすぎる。

DIZZEE RASCAL「MATHS + ENGLISH」

DIZZEE RASCAL「MATHS + ENGLISH」2007年
●まさしく現行 "GRIME" シーンの革命児。まだ22歳ながら、様々な音楽ジャンルの影響下に生まれた "GRIME" を、独自の化学変化で誰よりも速いスピードで進化させる。しかも今作は前2作の中で最高にキャッチー。
●正直ファーストアルバム「BOYZ IN DA CORNER」2003年をリアルタイムで聴いた時は、トラックがヒネクレ過ぎてて、ノレなかった。電子音だけの鉄骨で出来た音感に焦点の合わないテンポ感。英国人は奇妙なヒップホップを作ると思った。"GRIME" シーンも完全に形成されてなかったし、コッチも "GRIME" に対して耳慣れできてなかった。
●でもセカンド「SHOWTIME」2004年で、その音楽のユニークさがバキッと理解出来た。超高速トラックに超高速ラップ、剥き身のブットいベースと飛び交う電子音。ヒップホップの亜種扱いから離陸して、新時代の新音楽が確立された。
●今回は本場アメリカのアーティスト(サウス系のUGK)の交流で生まれた新味のヒップホップから、高速ドラムンベースをしなやかに乗りこなす絶妙なフロウ、ARCTIC MONKEYSLILY ALLEN とのコラボ曲もある。聴いてて痛快だ。

WILEY「PLAYTIME IS OVER」

WILEY「PLAYTIME IS OVER」2007年
●その DIZZEE RASCAL とほぼ同時リリースでカマシてきたこの WILEY という男は、この "GRIME" シーンそのものを切り開いたパイオニアだ。実は DIZZEE WILEY が率いる ROLL DEEP CREW の一員だった。つまり直系の先輩後輩関係なんだよね。でもブレイクしてから脱退。今ではお互いをディスしてるっぽい関係らしいけど。
●音楽的には彼のトラックこそ王道の "GRIME" だ。DIZZEE はそこからさらなる革新へ向かったが、 "GRIME" そのもののスリルを体現してるのは実はこの男だ。高速ラップ、シンプルがゆえにギラリと黒光りするトラックと猛烈にブーストされてるベース。アンダーグラウンドのヤバさが臭う。

WILEY「TREDDIN ON THIN ICE」

WILEY「TREDDIN' ON THIN ICE」2004年
WILEY の旧作もヤバさ満載。今でこそ "GRIME" というジャンル名が浸透したが、出現当初彼らは自分達のコトを "ESKIMO" とか "ESKI” と名乗った。だからラップの中で「エスキ!」というシャウトが度々出て来る。なんでエスキモーなんだろう?だからか、ICE とか氷や雪に絡む言葉が多く出て来るような気がする。

「SOUND 01 - A BIG DADA SAMPLER」

「SOUND 01 - A BIG DADA SAMPLER」2001年
WILEY の新作を出している BIG DADA というレーベルのサンプラーを下北沢で見つけた。400円程度でね。UKを拠点にするこのレーベルも大分偏屈な連中で、一筋縄でいかないアーティストを多々扱う。最新のダブとダンスホールをヒップホップと結合させるラッパー ROOTS MANUVA、 "GRIME" へのアメリカからの返答とも言える音楽を展開する SPANK ROCK、ブラジル産最凶ゲットーミュージック "BAILE FUNK" を世界に紹介した DIPLO が所属してる。
●2001年段階の UK ヒップホップは今の耳には刺激的には響かないけど、後の硬質なトラックメイキングはUKの伝統なのねと感じる次第。アーティストとしては、ROOTS MANUVA、UKソウルのクールな色気を感じさせるラッパー TY、正当派ヒップホップを目指す NEW FLESHNEW FLESH FOR OLD 名義のアルバムをフィンランド旅行の時に買った思い出が…)などを収録。

「BOX OF DUB - DUBSTEP AND FUTURE DUB」

「BOX OF DUB - DUBSTEP AND FUTURE DUB」2007年
"GRIME" と同時進行で盛り上がる最新のダンスミュージックスタイル "DUBSTEP" も見逃せない。そのシーンになんと SOUL JAZZ RECORDS がアプローチした。基本的に過去音源をコンパイルする再発系レーベルである SOUL JAZZ が現在進行形最新音楽に関わることはほとんどない。それがなんと今回は全部新録音源だ!気合の入り方が違う!スゴい!
●音源収録アーティストもシーンの最前線を張る連中だ。SKREAM、DIGITAL MYSTIKZ、SUB VERSION などなど。比重としては、ステップ感よりもダブ感に偏った印象? 目一杯ハラに響く低音に身を任せて、パチン!パチン!となるハイハットのステップに合わせてカラダを揺らす。ジャマイカの音楽がこの英国でミュータント進化した数多くの収穫の一形態。

「RUMBLE IN THE JUNGLE」

「RUMBLE IN THE JUNGLE」1991~1995年?
●コチラも SOUL JAZZ が編んだコンピだ。テーマは "JUNGLE"! 90年代初頭のUK REGGAE/DANCEHALL シーンから突然変異で生まれた野蛮なミュータント。"DRUM'N BASS" と名を変えて洗練されていく前の、生々しく荒々しい最初期音源を収集。レゲエのDNAを見事に汲み取り目が覚めるような進化を遂げた、その変態の瞬間がスパークしてる。超高速ビートが吹き荒れる中でラガスタイルの凶暴なMCが咆哮する。00年代の高速化した DANCEHALL は90年代 JUNGLE の逆影響なしに成り立たなかったでしょう。
"JUNGLE" を広く日本に紹介したのは H JUNGLE WITH T浜田雅功小室哲哉)でしょう。あの頃のエイベックスは確かに耳が早くて、ユーロビートや昨今のトランスと同じノリでポコポコ "JUNGLE" のコンピを出してた(おまけに MIAMI BASS も)。でそれが盛りを過ぎた頃、激安ワゴンに出てて一時期集めてたんだよね~。"DRUM'N BASS" じゃなくて "JUNGLE" が聴きたいと思って。さすがに最近はあの手のコンピ見かけなくなっちゃったな。



スポンサーサイト

コメントを下さった皆様へ。ありがとうございます。
●実はあまりブログの機能を理解してない部分があって(トラックバックってナニ?とか)、様々な人からコメントを頂いていた事にずっと気付いていませんでした。お返事もせずスミマセン。色々ご心配をかけているかとは思いますが、なんとか生きてます。病気には少々手こずってはいますが、なるべくノンキに暮らそうと努めてます。確かにまだ復帰のメドは全然立ってませんが、今はやれるだけのことをやるだけと思ってます。早く普通に皆さんにお会い出来る日を待ち望んでおります。よろしくお願いします。


ノマドとヒヨコがおフトンの部屋に、妖怪を作りました。

20070830023601.jpg

●ノマド「パパ、ギューキ(牛鬼)だよ!」 枕とクッションを組み合わせて作ってます。ズーミンクッションが顔ってのが秀逸。ちなみにホンモノの牛鬼はコチラ。何となく雰囲気伝わってきませんか?

20070830023613.jpg

(「ゲゲゲ妖怪ずかん」より)

●その代わり、ボクが寝る場所がなくなりました。ベッドを牛鬼に占拠されましたから。「ノマド、パパ、今立ってられないほどフラフラしてるんだ…。ギューキ、ちょっとズラしてくれるかな…。」 結局ズラしてもらいましたが、枕は全部牛鬼に使用されているので、今日は枕なしで休養しました。

●ドラマ「ホタルノヒカリ」が好き。
●連ドラなんて仕事が絡まなければ普段はほとんど観ないんだけど、今期の日テレドラマ「ホタルノヒカリ」はなぜか楽しく観てる(ヒマが前提なんですけど)。綾瀬はるか、見直しちゃったなあ。今まであんなコミカルな演技見せた事あったっけ? 原作マンガよりもマンガチックでオモシロい。

●さて、10月期からのこの日テレドラマ枠は、あの「働きマン」をやるという! とうとう来たか「働きマン」ドラマ化! もちろん安野モヨコの原作も全部連載で読んでます。主演は菅野美穂だとか。ピッタリかも。

働きマン4安野モヨコ

「働きマン」はイタイんだよね~。主人公がブチ当たる仕事の中での葛藤が生々しすぎてツライ。まるで自分のコトのようで。そして救いがない。葛藤は葛藤そのままで、問題は解決せず突き放したまま。「それが仕事ってモンでしょ」と言わんばかりに。諦めとか理不尽とか不条理も給料コミコミですって前提から出発した上で、ジタバタ苦しむ。
おかざき真理「サプリ」は仕事の葛藤を恋愛方面に放電させる色気があるけど、「働きマン」「マン」だけあってそれもねーっすからね。安野モヨコさん自身が「働きマン」なんだろうな。蛇足ですが、安野さんのもう一個の連載「シュガシュガルーン」「なかよし」掲載)もかなりの最高傑作ですけどね。
●おまけに、主人公・松方弘子(28歳)、仕事が出来るオンナ! こういう後輩いたら困るなあ。ボケーっとしてたら「はい先輩、さっさとやって下さい!」とか言われそう。

●あと、今さらですが「時効警察」DVDで観てます。

時効警察 1巻

●これもっと前から観ときゃ良かった。失敗~。OAで観たのは「帰ってきた~」の最終回。これで味をしめて今更観る事になりました。麻生久美子のコミカル路線も初めて。カワイい!
●脚本・監督でクレジットされる三木聡さんってどんな人だろう。自分で書いているから、あれだけオフザケ演出を編集に折り込められるんだろうな。ワンカットごとの背景美術まで細かくイタズラ心が紛れ込んでて(意味のワカラン標語ポスターとか)油断が出来ないのに、セリフ回しも編集もモーレツに速い。「TRICK」堤幸彦さん以来のドラマ新文法を発明しちゃった? テレ朝のこの枠も侮れないですね。

●女優続きで申し訳ありませんが、成海璃子ちゃんも気になります。現在放送中のドラマ「受験の神様」はコレマタ極端な設定で彼女のカワイいトコロが出てこないので、第一回しか観てません…。

成海璃子写真集 Natural Pure

●しかし写真集「NATURAL PURE」はゲットしました。後輩くんが直筆サイン入りを入手してくれたのです。前の写真集は「これで12歳かよ!しかもこんなカッコさせて!」という衝撃で、なんかヤバいモン観てる後ろめたさで無駄にドキドキハラハラする奇妙な重要物件でした。今回は14歳なりの普通の少女っぷりが出てきて、安心というか残念というか……。

12歳:成海璃子ファースト写真集(「12歳:成海璃子ファースト写真集」)


●さらに女優モノ行きます。美少女はとにかく癒されます。

シムソンズ [DVD]

●DVD「シムソンズ」
●ソルトレイク五輪に出場した北海道の女子カーリングチームを題材にした青春映画。北海道常呂町、サロマ湖とオホーツク海に面したこの田舎町で、カーリングにキラキラした一瞬を見つける4人の少女の物語。主演:加藤ローサ、藤井美菜、星井七瀬、高橋真唯。もう4人が眩しすぎる。カラダの弱ったオジさんには、彼女たちのキラキラが眩しくてかなわないよ。
ローサちゃんのカラリとした快活さとよく動く笑顔は最高。高橋真唯ちゃんは、先日ノマドと観た「妖怪大戦争」の妖怪「川姫」役(よく見ると実はキワドい露出衣装)で出てたが、今作の方がずっと生き生きとしてて良かった。元「なっちゃん」星井七瀬もいい笑顔してる。クールな役回りを演じた藤井美菜ちゃんは、本来もっと注目されていい逸材だと思ってます。


DVD「初恋」

●DVD「初恋」
●あの「三億円事件」の実行犯は17歳の女子高生だった……という大胆な設定の物語。1966~69年の猥雑な新宿の街とそこにあった荒んだ青春を、少しくすんだ色使いで描く。主演は宮崎あおい。不良がたむろすジャズバーに訳あって潜り込んだ女子高生。セリフも少ない彼女の演技は、その大きな瞳に強い閉塞感と虚無感を漂わせて、切なく儚い。
●60年代後半はボクにとって熱い憧れの時代(BEATLESSTONES、グループサウンズ、学園闘争などなど)だ。でもこの映画ではそんな熱さは描かれない。闘争の挫折、旧世代との摩擦、理想と現実の葛藤、焦燥感と無力感とヤケクソ感が、新宿の裏路地にドンヨリ沈殿している様を、終始冷えたトーンで切り取る。そんな掃き溜めに、凛と立つ宮崎あおいのイノセントぶりは見事。主題歌の元ちとせ「青のレクイエム」も美しく響いてた。





●バレエの発表会、下北沢の阿波踊り、スイミングの短期講習と、様々な夏の行事を乗り切ったコドモたちに、パパからささやかなごホウビをプレゼント。

20070828163817.jpg

スクラップブックセット。クリアファイルと、ハサミとノリ。
●ヒヨコは以前から自主的にバレリーナのお気に入りの写真を集めていたので、キチンと整理したらたちまち立派なスクラップブックになった。カワイいワンちゃんのページや、キューピーちゃんばっかりのページも出来た。
●ノマドは、ロケットの写真や図解を集めてるらしい。あとはレゴのカタログに出て来るカッコいいメカとか。


そんなヒヨコとノマドのお楽しみイベントは、10月末のハロウィンである。
●ウチの近所(代々木上原方面)は町中でハロウィンを盛り上げてる。一般のおウチがお菓子を配ってくれたりするので、近所の子供達は思い思いのカッコで仮装し、町内を巡り歩くのだ。

で、気が早い事に、ヒヨコノマドから衣装の発注がママになされた。
●ヒヨコの発注書はコレ。

20070828170313.jpg

「リトル・マーメイド」アリエル風で!とのコトです。
●胸は貝ガラで被って、下半身は魚のシッポをつけるとの事。ヒヨコ、こんな水着みたいのじゃ寒いでしょ?ヒヨコ「はだいろのフクをきて、おヘソをかくの。」ほほう。ワイフには「ちゃんとオナカがヘッコンでみえるようにしてね!」と注文をつけたとのこと。ウエストのくびれのコトか?それはヒヨコのポンポコリンでは無理ではないだろうか。

ノマドの発注書は、卓上カレンダーの裏側に貼ってあった。

20070828170407.jpg

●ちゃんと10月31日に印をつけて、マジックで裏側まで矢印を引っ張ってる。下が発注書の拡大図。

20070828170435.jpg

●解読するのが難しいですが、父親のボクが翻訳します。上のキーワードは「あおいずぼん」、左から下へかけては「きろとくろ ちゃんちゃこ(黄色と黒のチャンチャンコの意)」、中央には「げた」の文字も。そして右上に「きたろ」。……つまり「ゲゲゲの鬼太郎」コスプレってコトですね。ママには口頭で「めだまのオヤジもつくってね!」とのこと。どうやって…? お化け仮装って意味では、和洋の違いはあれど確かに間違っちゃいません…。

●去年のハロウィン、過去ログに写真を添付したので見てみて下さいね。気合入ってますよ。
http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-196.html
●去年11月までの過去ログは以前のブログから移植してジャケ情報や写真を足してます。ご参考に。

●今週のDVD。

野本かりあ「READYMADE SCREENTESTS」

野本かりあ「READYMADE SCREEN TESTS」2007年
小西康陽氏が最近入れ込んでる女の子・野本かりあ、通称 KARLYウォーホルの初期映画みたいな撮りっ放しのインタビューと、3曲のプロモ。ピチカートファイブの名曲カバー「東京は夜の七時」は、なぜかコドモ心を掴みノマドヒヨコがダンスする。オマケのポストカードセットはオシャレに夢中なヒヨコにあげた。
AI「日本武道館 A.I.」
AI「日本武道館 A.I.」2007年
●本人の実力も間違いないが、外人部隊が半分以上を占めるバンド/ダンサー陣のパワーがスゴくて圧倒的。バンマスの日野賢二さん(ベース)は、日野皓正氏の次男で強烈な個性の持ち主。じゃじゃ馬 AI と猛者集団を束ねるにふさわしい猛獣。一方で、AIちゃんの飾らない笑顔と鹿児島弁丸出しのMCがデカい武道館をスゴくアットホームにしてた。本格派だわ。

DAFT PUNK「INTERSTELLA 5555」

DAFT PUNK「INTERSTELLA 5555」2003年
●フランスのテクノデュオ DAFT PUNK松本零士のコラボレーション・アニメ。DAFT PUNK がアルバム「DISCOVERY」のプロモ制作を、幼い頃から憧れだったアニメの作家へ発注、見事コラボに至った作品。全編セリフなしで DAFT PUNK の音楽だけで突っ走る。しかしキャラは見事な松本零士スタイルで、主人公の異星人バンドは、全員青い肌でデスラー総統を思わせ、ヒロインの女性ベーシストは宇宙一の長マツゲでメーテルそっくり。フランスで日本の「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」を見てての宿願というのがイイ話じゃないですか!ジャパニメーションの影響力、世代と海を超えてます。


自立神経失調症とのお付合い(その14)~「休職延長」編
●クスリの副作用がキツくて、マトモな人間でいられるのが一日6時間程度。あとは会話も出来ないし身動きも出来ない。ただの生ける屍状態になっている。どこまでいけば病気が治った事になるのかすら、よくわからなくなってきた。

●とりあえず、2か月だった休職期間が、さらにもう2か月延長された。診断書には「病名:自律神経失調症 右記病態にて加療中であるが、病状は不安定であり、更なる加療を要する。2か月の療養が必要である」と書いてある。社会復帰できるのかホントに? さすがにワケが分からなくなってきた…。




自立神経失調症とのお付合い(その13)~「クスリを飲み忘れると大変」編
●金曜日の朝だった。絶不調。まるで「皇居のおホリを3周分くらい走った」かのような強烈な疲労感と筋肉のコワバリで目が覚めた。腰が痛い。腕も痛い。足も重い。全身が虚脱で動かない。気分は最悪である。
●あまりの疲労感で身動きが取れない。意識も判然としない状態。こうなるとヒドい。猛烈な「悪夢」が襲って来る。5秒単位のカット変わりスピードで猛烈な量のイメージが津波のように押し寄せる。半ば覚醒しつつあるボクの意識がそのイメージの奔流に抵抗しようとすれば、それに見合ったカタチでイメージはカタチを変えて再び襲いかかって来る。イメージの断片は、過去の仕事の一幕であったり、家族のコトであったり、学生時代の苦い記憶だったり、全く覚えのないモノだったり。これが起こるとアタマがパンクしそうになる。
「早く正気の世界へ!目を覚ませ!」そうすると普段の寝室の風景が見えて来る。アタマもクリアになる。しかしカラダの猛烈な疲労感が「正気以前の世界」に再びボクを引きずり込む。また「悪夢」である。これを2時間ばかりも繰り返す。客観的にはうなされて身もだえてる状況でしょう。主観的には「正気以前の世界」「正気の世界」を区切る水面に浮かんで溺れているような気分。必死に「正気の世界」で息継ぎしながら「正気以前の世界」にアタマまで沈み込んでしまうのだ。

●やっとのことでリビングまで這い出して、朝のクスリを飲んだ。すると食卓に昨晩飲むべきクスリが置きっぱなしになってるのを発見。あああ、昨日クスリを飲んでなかったんだ…。ご丁寧に安定剤と睡眠薬を三錠並べてキレイに置いてある。ボクは完全に飲んだつもりだったのに、クスリを流し込むお茶を飲んだ記憶まであるのに、クスリだけ飲み忘れたのか…。この新しいクスリ「ウインタミン」は、本来「幻覚/幻聴」を止める目的のモンだからね。飲まないと、ヤバいモンが見えちまうのかね…。
●最近、この手の健忘症が多い。忘れるのはクスリだけじゃない。モノを探している途中でナニを探しているか分からなくなったり、人の名前を忘れたり。医者はクスリの副作用だというが…。

●個人的には、この「正気以前の世界」にはマイッた。「悪夢」とは言ったが、ほぼ覚醒してるんですよ。そんなコチラの不安や苦しみに反応して、それに見合ったイメージの津波が押し寄せる。アタマの中がグシャグシャになる。こりゃ脳みその誤作動だと思う。
「正気の世界」では、理性的な意識に基づいて、あらゆる経験や記憶、知識が、メタデータにヒモづけられてライブラリー化され、必要な時に的確にリファレンスされ意志決定や判断に役立てられる。そしてその意思決定が理性的意識を構成してる。
●でも「正気以前の世界」では、ライブラリーの本棚が地震でひっくり返ったように、経験記憶知識が無秩序に出力されて、ただひたすら無価値な情報の濁流になってアタマに流れ込んで来る。理性的な意識構成のシステムがぶっ壊れると、人間の脳みそはひたすら、この濁流が渦巻くだけのアナーキー状態。これが「統合失調症(精神分裂病)」というなら、良く出来たネーミングだ。意識を統合できないんだ。始終分裂した情報に翻弄されるんだ。オッソロしい病気だ。


●この「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-223.html


そんなコトで、金曜日の通院はツラクてたまらなかった。
●バスに乗る時、おばあちゃんのカートを「持ちましょう」と手伝ってあげたクセして、バスを降りてみたら、そのおばあちゃんの方が歩くのが速い。たかが、下北沢~池尻大橋の往復で、2回も喫茶店休憩入れないといけない体タラクだ。

●でマンガ喫茶で読んだマンガがコレ。

森恒二「ホーリーランド」13~15巻

森恒二「ホーリーランド」13~15巻。
●あるイジメられっ子が、その苦しみを爆発させるように天才的な格闘センスを開花、ストリートファイトの世界で”不良狩り”と畏怖されるカリスマになる物語。路上で出会った敵、ライバル、仲間たちとの交流で、生まれて初めて存在を認められる境地に至る。しかし、彼の街下北沢は、若者を相手にした脱法ドラッグ流通で荒廃しようとしていた。タイマン勝負とは違う組織的抗争に、主人公ユウはどう立ち向かうのか。

●ボク自身は、ヤンキーカルチャーにも裏社会にも縁はないが、それをテーマにしたアウトローマンガは何だか好きだ。

高橋ヒロシ「WORST」18巻

高橋ヒロシ「WORST」18巻。
●外部から札付きの用心棒を引き連れて街の覇権を握ろうと謀る天地寿の勢力に、主人公・月島花率いる鈴蘭高校一派と、鉄の結束を誇る組織・武装戦線がとうとう全面衝突へ。

和久井健「新宿スワン」

和久井健「新宿スワン」
●これ「ヤンマガ」の連載でずーっと読んでいるんだよね。主人公は、歌舞伎町の路上に立つスカウトマン。風俗業会の一角を担う「スカウト」の知られざる世界を鮮烈に描く(筆者、元スカウトの人?)。連載段階の話題では、闇金融の策略に陥れられた主人公タツヒコが、復讐に奔走する。絶対コレもっと読まれるべきだよ。

南勝久「なにわ友あれ」

南勝久「なにわ友あれ」
●これも「ヤンマガ」連載。この前「ナニワトモアレ」から改題。舞台は平成2年、大阪環状高速道路を爆走した「大阪環状族」の青春を描く。主人公・グッさんは大手チームとの抗争を経て、独立チーム「スパーキーレーシング」を立ち上げる。そこの新参メンバーテツがこれまたとんだ跳ねっ返りで目が離せない。

木多康昭「喧嘩商売」

木多康昭「喧嘩商売」
●もちろん「ヤンマガ」です。どんだけ「ヤンマガ」好きかって。天才的喧嘩センスを持つ高校生主人公・十兵衛。とんだおフザケギャグを織り交ぜつつ、劇画調の息詰まる格闘シーンは、ルール無用で過酷で残酷。決定的敗北を喫した十兵衛は、更なる技の修練のため、師匠・入江文学と行動をともにし、ヤクザ狩りに精を出す。

闇金ウシジマくん 8

真鍋昌平「闇金ウシジマくん」
●これは「スピリッツ」連載です。これも大分ピカレスクですわ。冷酷無比の闇金稼業を通して、格差社会の底辺を彷徨う人間群像を描く。「引きこもりニート破滅」編が終わり、次なる新章が楽しみ。


昨日に引き続き、コドモたちとDVDを静かに見る。

マダガスカル スペシャル・エディション [DVD]

●DVD「マダガスカル」
DREAM WORKS のCGアニメもの。N.Y.のど真ん中、セントラルパークの動物園に暮らす都会育ちのライオンのアレックスとシマウマのマーティン。退屈だけど快適なシティライフに満足してたはずが、脱走を企てる悪党ペンギンにそそのかされて、ちょっと街の中を出歩いてみたら大騒ぎ。すったもんだのあげく、野生の王国マダガスカル島に漂着するハメに。
●生まれて初めてのワイルドライフに戸惑い、都会生活が恋しくなるも、現地の陽気なキツネザルにも歓迎されて徐々にイイムードへ。しかし、野生本能へ戻りつつあるアレックスは、親友マーティンがエサのステーキに見えてきた……。無意識にマーティンのおシリへカジリ付いていた自分にショックを受けるアレックス「俺はモンスターだ…。」弱肉強食の掟と2人の友情はどうなるのか?

●さすが「シュレック」チームが手がけただけにハイテンポに進む展開は巧妙。ノマドは観賞後、ライオンになりきって「わおー!!」と叫んでる。興奮してクッションやジュータンにツメを立てて引っ掻いたら、ツメが折れちゃった。ワイフ「もうナニやってるのよー!」爪切りとバンソウコウで治療してもらってる。
●ヒヨコは今回もコワい場面はクッションに突っ伏し、ボクが「もうコワくなくなったよ」と言わないと観てられない状況だった。ヒヨコ「メガネザルちゃんかわいかった!」「メガネザルちゃんがサラダといっしょにたべられそうになったトキがコワかった…」

どうぶつ―ほにゅうるい:はちゅうるい

●ということで、この映画に出てきた動物達を図鑑で復習する。この図鑑、草食動物と肉食動物の違いを、シマウマとライオンで比較説明してくれてる。偶然にも映画と同設定で好条件!読み聴かせてやる。「ライオンのツメは出したり引っ込めたり出来るんだ」「シマウマの足は指が一本しかないんだ」食い入るように図鑑を楽しむコドモたち。「きつねざるのなかま」のページを開いてマダガスカル島独自のおサルを見せてやる。「さっきのおサルさんだ!」「メガネザルちゃんカワイい!(※実はメガネザルはマダガスカルには住んでません)」「アイアイだ!(以下ウタを歌う)

「せかいのこっきずかん」

●もう1つ、ついでに知恵をつける。「せかいのこっきずかん」マダガスカルの場所を探させる。アフリカのページを広げ「さあノマド、どこにある?」ノマド「シマだから……あ、あった!ちっちぇえシマだよ!」ちっちゃくないよ、日本よりデカイよ。人口は6分の1以下だけどね。マメ知識として、この国の人はおコメが大好きで、一人当たりのコメ消費量が日本を上回るほどコメ食が浸透してる。明代の中国商人からアジアの風習が伝播したという。

●この「せかいのこっきずかん」はいい本だ。国旗を列挙しながら、国旗の原色使いにウマくマッチした、輪郭のハッキリしたカワイいイラストでその国の習俗や名物を子供に紹介する。豆ウンチクもヒトコト入ってて、大人のボクも一人で楽しんでしまった。なにしろボクが小学生だった頃から世界地図が随分変わっちゃったモンだから、初めて見る国旗も多いし。ボスニアヘルツェゴビナやカザフスタンの国旗って知ってます?

●……あと、この著者の岡美里さんって、多分ボクの小学校時代の同級生の人だと思う…。同姓同名でネットで調べたら年齢一緒だし、顔も面影が残ってる気がする。美術系の私立中学に進学したはずで、アートっぽい仕事してるトコロを見ると、どうもあの人なのかなと…。小学校卒業以来会ったこともないけど、どこか個性的な女の子でとても印象に残ってたから、著者名見てハッとしたのです。


コドモたちとDVDを静かに見る。
●病人らしく一日中家から一歩も出ず、12時間以上をフトンの上で過ごしている。新しい精神安定剤は本当に強烈で、グッタリしてナニもやる気が起こらない。ひたすら「休養」する。そんで居間でダラダラコドモとDVDを見てる。

「リロ&スティッチ」

「リロ&スティッチ」
●基本的な定番モノを今まで観てませんでした! ディズニー好きなのに、すんません。……イイ話でした。スティッチって、人工的に造られた生物兵器だったのね。自分の体重の3000倍の重量を持ち上げるパワーと、スーパーコンピュータ並みの頭脳、そして植え付けられた純粋な破壊本能。描き方じゃ最凶エイリアンのパニックアクションになる設定だわ。
●ヒヨコが時々涙を流しながら観てるのが印象的だった。リロちゃんはヒヨコそっくりだな。今週ヒヨコは前髪パッツンにしたからな。

甲虫王者ムシキング~森の民の伝説~ 1

「甲虫王者ムシキング 森の民の伝説」1巻
●テレビでやってたのを今更DVD借りて観てみました。カード欲しいとか言い出すとメンドクさいからワザと見せてなかったんだけど。主題歌のKIRORO「生きてこそ」っていい曲だな。


最近、中世ヨーロッパ史にハマってます(その2)。
●今回のテーマは「ヴァイキング」です。ゲルマン人の大移動が古代ローマ世界を葬った後、さらにやってきた第二波の「蛮族」の侵入。その秘密が知りたくて。

ヴァイキング時代―諸文明の起源〈9〉

角谷英則「ヴァイキング時代」
●ということでこの本を読んだら、ガクッと肩すかし。8~11世紀、ヨーロッパ中を暴れ回り、イギリス王室を乗っ取り、地中海のイタリア半島まで攻め込んだヴァイキングの冒険潭を期待してたのに、本の中身は「当時の遺跡の中から出てきた銀貨の数」を細かく分析するモノだった。渋い!渋すぎる!

●がしかし、コレが結構読み応えがある。スウェーデンの遺跡から出てきた銀貨はなんと「イスラム帝国」の貨幣なのだ! 著者は西欧方面へのヴァイキング行為には触れず、スカンジナヴィアの人々が東側の世界へ植民していく様子を、考古学的に検証していく。「北欧」から「中東」っすよ!ヨーロッパすっ飛ばして。
●現在のスウェーデンから出発して、植民団はフィンランド湾を進み、サンクトペテルブルグの裏側にあるラドガ湖に拠点を作る。ソコから河伝いに南下して現ウクライナのキエフまで到達。そこで現地の人々と共同して古代ロシアの原型ともいえるような国を興すに至る。そしてそのまま黒海沿岸にでて、当時最高の軍事力/科学力/経済力を持つイスラム文明に出会うのだ。

ヴァイキング時代以前の北欧は確かに未開で、真っ当な国家も、キリスト教も、貨幣経済もなかった。そんな連中が西欧相手には暴虐と略奪の限りを尽くしたのに対し、東側には比較的穏当に広く植民を果たし、イスラム最先端文明から貨幣経済を導入したとは愉快な話。イスラム文明を西欧は異教徒と拒絶したが、北欧の蛮族は、どっちの文明が開明的でどっちの文明が後進国か、ハッキリわかってたみたいね。

●本日のBGM。アナログに針を落とす。

RARE EARTH「GET READY」

RARE EARTH「GET READY」1969年
●R&Bの名門 MOTOWN が繰り出した初めての白人ロックバンド。プロデューサーは NORMAN WHITFIELD。70年代の MOTOWN の中で独特なサイケデリックファンク路線を切り開く男だ。仕上がりはネチっこいファンクロックで、SIDE B は21分超の大曲「GET READY」がドーンと繰り広げられている。実はこの曲 THE TEMPTATIONS のカバー。NORMAN は同じ曲を色々なアーティストに演らせて、でも完全に違うアレンジでまとめるのが得意らしい。原曲も聴いてみたいな。

RARE EARTH「MA」

RARE EARTH「MA」1973年
●これもプロデューサーを NORMAN WHITFIELD が務めている。そしてまたしても17分超の大曲を、今度はSIDE A 全部を使ってぶちかましている。表題曲「MA」だ。トグロを巻くようなファンクロックの嵐がネバネバと展開していく。この曲も THE TEMPTATIONS のカバーであり、NORMAN 本人の作曲だ。SIDE B 収録の「SMILING FACES SOMETIMES」 UNDISPUTED TRUTH が本家のサイケファンクの名曲。もう一曲あるテンプスのカバー「HUM ALONG AND DANCE」はパワフルなロックになってるね!1枚通して聴くと胃もたれ寸前のコッテリ味です。

CRYSTAL MANSION「THE CRYSTAL MANSION」

CRYSTAL MANSION「THE CRYSTAL MANSION」1972年
●白人ロックバンド RARE EARTH を売り出した MOTOWN は、このバンドの所属するサブレーベルの名前も「RARE EARTH」と名付けた。この CRYSTAL MANSION はそのレーべル RARE EARTH から出た白人ロックバンドだ。ファンキーというよりは、やや土臭さを残すサイケデリック寄りな音楽を鳴らしてる。ポップスに日和ってみれば器用にできるメロディ感覚を持ちながら、志で自分たちの音楽を追究したため商業的成功は得られなかったっぽい。札幌で1300円くらいだった。いい買い物だ。


●最近は、不眠で神経質になってるボクは、部屋を真っ暗闇にしないと眠れない。病気以前はどんな環境下でも会社のデスクでも床でも眠れたのに。今まで豆電球をつけてた寝室が真っ暗になって、娘ヒヨコがママにヒトコト言ってたらしい。「パパがデンキけしたらコワいから、ママ、ヒヨコのテをにぎっててね」


ノマドの親友ユウタくんが帰省先の佐渡から帰ってきた。
●彼からもらった佐渡島のおミヤゲが、ナイスセンスで笑った。

20070821163454.jpg

●佐渡島の観光キャラクター「離島戦隊サドガシマン」
●スゴいでしょ!でもね、メンバーの名前がさらに衝撃!
●ハジっこで飛んでるのは悪者「ズルガシマン」。こりゃ普通。
●右の白いヤツは「トキレッド」!絶滅寸前!切ないなあ!
●左の黄色いヤツは「ザクザクゴールド」!佐渡金山!
●そして中央の蒼いヤツ、「シマナガシーブルー」!正義の味方で「島流し」はないでしょう!そりゃブルーすぎるわ!

ヒヨコにくれたおミヤゲは、とってもカワイいアイテム。

20070821163503.jpg

●名産品「おけさ柿」をかたどったキャラクターらしいけど、実は中に磁石があって……

20070821163511.jpg

●人目もはばからず「ブチュー!」とキスするわけです。ヒヨコ興奮!「チューするの!このコたちチューするの!」ヒヨコに密かに好意を寄せるユウタくん、結構大胆なアイテムをプレゼント。


最近、中世ヨーロッパ史にハマってます。
●長期休養ということで、仕事から1万光年ぐらい離れた本でも読んでココロを落ち着かせようと思ったのがキッカケ。だがこれも必要以上にハマり過ぎた。先々週までで3冊読んで、先週からで4冊読んでしまった。
●医者に「ホドホドにしましょうね」と怒られた。「unimoさん、それって仕事に役立つとかそういう気持ちでそんなになっちゃうんですか?」ボク「いや、仕事には一ミリも役立ちません…。ただ性格上、何でもカンでもヤリ始めたら止まらなくなるんですよ。」医者「なんか強迫観念みたいなもんですかね…」結果、クスリ強力増量という顛末(おとといのブログ参照下さい)に至ったというわけです。

コンパクト世界地図帳 コンパクト世界地図帳
(2006/10)
昭文社

この商品の詳細を見る

●ヨーロッパの地名と場所は難しいから、今回合わせて買った地図帳も常に持ち歩く。家でも喫茶店でも電車の中でもそれを片手に、本読んで、地図と見比べて、フムフムと読み進める。「えーと、ザクセンってどこだ? スモレンスク? クラクフ? 見つかんないよ~」多分ハタから見ると少々奇妙である。しょうがない、気になるんだもん。

新書ヨーロッパ史 中世篇 新書ヨーロッパ史 中世篇
堀越 孝一 (2003/05)
講談社

この商品の詳細を見る

編/堀越孝一「新書ヨーロッパ史 中世篇」
●先日、ルネサンスから始まってイタリア史の本を数冊読んだら、周りの国の状況が分からないと、どうもスッキリしないことがいっぱい出て来ると判明。「なぜココでフランス王家が南イタリアを全部取っちゃうの? なぜココでドイツ皇帝が干渉してくるの? 一体コイツらは何者なの??」
●そこでゲルマン民族の大移動から始まる中世史をまとめた本を読んでみた。これまた細かい発見や疑問がいっぱい出てきた。この本、前半戦は終始「○○家が断絶したため××の地を△△家が相続し…」という話がひたすら列挙され、アタマがクラクラして来る。

●結果この「中世」という時代には、今で言うフランス、イギリス、ドイツ、イタリアの原型があると見せかけて、ほとんどないも同然と気付いた。

●フランス王家が婚姻関係でイタリアの南半分をそっくり頂いちゃう一方、イギリス王家がフランス王家の封臣という体裁をとりながら実はフランスの半分を支配下に入れてるとか、ドイツ皇帝といいながら実は内部はバラバラの独立国に割れてて、皇帝本人がドイツに住んでなかったりする。有力貴族はフランス/ドイツに跨がって領土を広げ、両方に忠誠を誓ってる。封建諸侯が王家そっちのけで勝手気まま、国はバラバラというより粉々だ。スペインに至ってはイスラム勢力に占領されててヨーロッパじゃない。

●この時代の政治は、民族的アイデンティティなぞほとんどヌキにして、単純に領土の相続/交換で国境(とも言えないのか?)を定めていく方式。フランス人もドイツ人もイタリア人もなく、ヨーロッパ人だけがいる。EU(ヨーロッパ連合)って発想もここに源流があるんだろね。民族主義の出番はこの次の時代だね。
●日本の中世(鎌倉~室町)に当てはめたらどうだろう。「殿、この政略結婚で中国福建省を相続できますぞ!」なんてあり得ないよなあ。ヨーロッパ人はそれができた。
●そんな大きな共同体アイデンティティを作る共通項ってナニ? ああ!「キリスト教」か!宗教で文明の基盤が出来ているのか。確かにこの時代の西欧文明は他文明には興味ゼロで、荒っぽい方法でしか関わってない(十字軍とか)。キリスト教が文化文明で、それ以外は蛮族だ。内ゲバもヒドいもんね。異端審問とかでドコドコ人殺すから。ユダヤ人弾圧も凄まじいもんね。なるほどねー!


●本日のBGM。

os_greatest_hits-a.jpg

THE OSMONDS「GREATEST HITS」1971~77年
●神戸で買ったLP二枚組、167円で購入。お買い得!
THE OSMONDS は、オズモンドファミリーとして日本でも知られたアメリカの芸能一家で、60年代からバラエティ番組に出て活躍してた子役グループ。5男2女の7人兄弟で、70年代に入ると五男の DONNY(当時ローティーン)がアイドル人気を集めより大ブレイク、「オズモンドマニア」という熱狂ファンがつくほどの一大旋風を起こすのだ。
●音楽的には70年代からロックなアプローチを始めるが、トゲっぽくなく、お茶の間のヌルいテンションに合わせたバブルガムポップスが、とてもチャーミングでポップとして楽しい。変声期前の DONNY のボーイソプラノも楽しいし、妹 MARIE とのデュエットも良い。
●一番最初に活動を始めたのが57年というから今年は結成50周年だという。一時の大人気はもう見る影もないが、今なお兄弟たちはミズーリ州の劇場で芸能活動を続けているんだそうな。

B00002891.jpg

BROWNSMITH「BROWNSMITH」1975年
●これは札幌で1000円で購入。完全にジャケ買いポップ買いだったけど大成功(某ショップサイトでは4000円以上の値が!)。アコースティックかつメロウな演奏と爽やかなメロディが気持ちイイ。カントリーロックが、その後のA.O.R.へ進化するちょうどいい瞬間をすくいとったような瑞々しい感覚。シアトルを中心に活動してた DON BROWN GARRETT SMITH の1枚きりの合体ユニットとのこと。こういう発見があるからたまんないね!




●今日のコドモたちの予定は公文教室。明日からスイミング短期講習というし、先週末のバレエ&阿波踊り含め、キミらメチャメチャ過密スケジュールね。パパはしっかり今日も1時までじっくり昼寝したよ。

●そんなコドモたちと楽しくDVD鑑賞。

妖怪大戦争 廉価(期間限定) 妖怪大戦争 廉価(期間限定)
神木隆之介、宮迫博之 他 (2007/07/06)
角川映画

この商品の詳細を見る

DVD「妖怪大戦争」
●妖怪ブーム真っ盛りのノマドにピッタリと思ってレンタルしてみました。
●主演:神木隆之介、監督:三池崇史、プロデュース:水木しげる/荒俣宏/京極夏彦/宮部みゆき、コドモだましとは言えない豪華布陣である。カメオ出演も含めれば、忌野清志郎、竹中直人、近藤正臣、阿部サダヲ、岡村隆史、菅原文太、などなどかなり豪華。悪役ボスキャラ「加藤保憲」には豊川悦司。このキャラは荒俣宏原作小説「帝都物語」に登場する魔人だ。ちょっとコドモには刺激の強いドキドキ演出もある。

●そのため、ノマドはドキドキシーンになる度に、椅子のカゲに隠れたり、机の下に駆け込んだりと、部屋を俊敏に動き、物陰からモニターを見てる。そんなにコワいのかノマド、お前が見たいって言ったんじゃん。
●しかしだんだん慣れて来ると、先日購入した「ゲゲゲ妖怪ずかん」を見ながら、「あー!このヨウカイしってる!」「あー!ぬらりひょんだー」「ろくろくびだー」と興奮状態。さすが水木しげる御大の監修、「ずかん」とまるで一緒の世界観が展開されている。
●一方ヒヨコは冒頭のドキドキシーンで「こわーい」と顔をクッションに隠し、その突っ伏した姿勢のまま、速やかに爆睡。ありゃりゃ寝ちゃったよ。クライマックスにちょっと起きて、それで十分見た気になってる。アホだねえ。


●ヒヨコ、一丁前の女子らしく便秘気味。でも本日快便の模様でトイレからウタが聴こえる。「パンツないない、パンツない~(意味不明)」結果お通じがあったらしく、ノマドに詳細を報告「ヒヨコ、うんち6コもでたよ!」しかしノマド返す刀で「ノマドは8コでたね!」うんち自慢のコドモたち。

昨日は下北沢の阿波踊り。

20070819182156.jpg

●ノマド&ヒヨコもハッピを着て参加。前日にバレエを踊って、その次は阿波踊りなんて、180度方向転換なダンスを踊って器用なヤツラだ。

自律神経失調症とのお付合い(その12)~「またまた新しいクスリ登場」編
●わりと好評のこのコーナー(←ウソ)も10回を超えましたのでナンバリングしてみました。病気の話はまだまだ色々ありますわ。

●金曜日の診察で「ココの所、また眠れなくなった、筋肉の緊張も復活して全身が痛い、気が滅入り倦怠感も強い」と訴えたら、さらにクスリが追加された。
●まず、抗うつ剤が2倍に。抗うつ剤とは、飲んだらすぐに「うわ気分が陽気だぜ!」と効くシロモノではなく、効果が出るまで最低2週間飲み続ける必要がある(一方副作用はわりとすぐ来る)。で、ボクは飲み始めて一ヶ月経過。ハッキリ言ってあんまり効いてる実感なし。そこで倍増とのこと。むー。

●さらに不眠の方では、先々週睡眠薬の量を二倍にし、精神安定剤を追加したというのに、ここにもう一種類追加することになった。名前は「ウインタミン」。今までの安定剤とは質が違う。今までは「抗不安剤」という系統だったが、今度は「統合失調症(古い言葉で「精神分裂症」)」治療のクスリだ。よりホンモノ感出てきたぜ!
●断っておきますが、ボクが「統合失調症」になっちゃったワケではありません。ただし、会社・仕事を休む/休まないを問わず、自分のオタク的趣味に猛烈に夢中になってしまい、それが心理的プレッシャーになってしまってる、結果、ボクの脳ミソは「休養」といいながら全然休んでいる事になってない、とのこと。お医者さんがいう「休養」と、ボクの考えてる「休養」が違い過ぎたと今さら判明。「趣味でリラックスして下さい」という先生のテンションと、「その趣味にオタク的に深く深くはまり込む」ボクのテンションが違い過ぎました。だって先生の言う意味なら、この十数年ボクは「休養」なんて取った事がないよ。仕事も趣味も基本全力だもん。

●ということで、新しいクスリは、ボクの中枢神経の興奮を抑えて不眠を解消しつつ、マンガ一冊、CD1枚すら手にする気にならないほどグッタリさせるパワーで、ボクを無理矢理でも「休養」させる狙いのモノとなった(←あくまでボクの解釈で、医学的見地ではどうだか?)。効果はテキメンで、もうグウの音も出ないほどカラダがだるい。ちゃんと8時間バッチリ寝られたし、その後昼寝も4時間くらい出来た。もう入院したつもりで今週はナニもしない。


●この「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-223.html


今日のBGM。
●クスリの影響が抜ける夕方からやっと人間的に活動できるので、その間だけチョッピリCD聴いたりする。

タテタカコ「イキモノタチ」

タテタカコ「イキモノタチ」2007年
タテタカコさんは、映画「誰も知らない」(2004年のカンヌ映画祭で当時14歳の柳楽優弥くんが絶賛されたヤツ)の主題歌「宝石」を歌って注目されたシンガーソングライター。ピアノ1つと、か細げな声で切々と歌うウタが、痛々しいほど繊細で聴くモノの耳を惹き付ける。是枝裕和監督は、ソニーのオーディション舞台裏を撮るドキュメンタリー仕事で彼女を知り、その独特な個性を忘れる事が出来ず抜擢したという。是枝監督はこの曲のプロモ監督まで買って出たはずだ。

●そんな彼女の4枚目のアルバムが本作。まずピアノのタッチが強くなった事に驚いた。しかし一方で、一聴しただけではワケが分からない不思議な詞世界は健在。タテさん本人と世界の間にある違和感が、絶望的に深い谷間のように存在してるのをほのめかしてるような、奇妙な不安定感がテンコ盛りでイチイチ耳に引っかかる。この夢とも悪夢ともつかない詞世界がタテさんの目から見たこの世の姿なら、この詩人に世間は生きてくのに辛い場所だろうな~と心配になってしまう。しかし「夢/悪夢」が区別できないように、「絶望/希望」もそんなに違うもんでもない。タテさんは凛とした声と強いピアノタッチで世界と立派に対峙してる。

タテタカコさんの出身地は長野県飯田市というトコロで、彼女はいまだ拠点をそこに置いているはずだ。飯田方面には、仕事で何回か訪れた。緑が濃くて山があって、そこに挟まれているような街だ。
●土地の人達はとてもイイ人たちで、地元の名物「ハチノコ」を振る舞ってくれた。つまり、アレですよ、ハチの幼虫の佃煮。キタ!「都会の人は苦手かね~」「ワシらにはウマいんだがね~」おばあちゃんたちが言う。ボクは覚悟を決めてホイホイホイと口の中に放り込んで「いやいや、結構おいしいんですね!初めて知りました!」とか言ったりして。イナゴはちゃんとイケたけど、正直ハチノコは辛かった。



昨日はバレエの発表会、本番、であった。
めぐろ区民キャンパス(キャパ1200人!)の大ホールに、ジジババも全員集合。記念すべきノマドヒヨコの初舞台を間近に見ようと、前から3列目というメチャ至近距離ポジションに陣取ってスタンバイオーケイである。
●ボク自身だけは、猛烈な体調不良を引っ張ったままの参加で、終始アゴの痙攣と虚脱感でグッタリ。それでも2人のパフォーマンスは見逃せない。ヤツラにとっては「人生初めての試練」のようなものである。積み上げた訓練を本番で開花できるか、そして達成感を掴めるか。そこがポイントである。ハッキリ言って技術はどうでもイイ。

●ノマドの入り時間に合わせて、必要よりウンと早く会場入りしたヒヨコは、まだ誰もいない控え室で、ひたすらお菓子をボリボリ喰い続けていたという。このヘンの強心臓というか超鈍感さというかコワいもの知らずが頼もしい。

●一方ノマドは、リハーサル時からややテンパリ気味。結構カッコいい衣装に着替えると、周囲の女子(ヒヨコの友達たち)は「王子さまみたーい」と絶賛。超モテモテモードになり、ノマド写真撮影大会が始まるのだが、それも上の空で終始ビビリまくるノマドであった。ハンパに想像力があると、自分の立場と迫り来る事態がよく分かっちゃうのでしょう。

20070818234424.jpg
(なかばハーレム状態のノマド、のはずだが…。)
20070818234431.jpg
(おいおいテンション低過ぎだよ、ノマド。)


●一回目のパフォーマンスは、ノマドヒヨコ他幼稚園児「ベビークラス」による「ある日、お庭で…」という演目。ノマドは王子様、ヒヨコ達女子はヨーロッパの娘さんみたいなカッコで踊ります。その時間、たったの1分程度。でも5歳4歳の彼らにはこれが大挑戦なわけです。
●ヒヨコは中央付近でナカナカいい動き。しかし身長が一番チビのくせに、横幅比率がボチボチ高いので、動きがなんか滑稽で笑える。短い足をピコタンピコタン動かす。会場に微笑ましいリアクション。ノマドはキャリアが短い割には結構スマートにこなしてた。


●ヒヨコ二回目の登板は、チャイコフスキー「眠れる森の美女」の一幕。王女の誕生を祝ってパーティに招かれた多くの妖精の中の一人。その名も「のんきの精」「のんき」とはピッタリだわ。しかも、衣装がヒヨコ色。ピコタンピコタン頑張って踊りました。

20070818234416.jpg
(ヒヨコ色の「のんきの精」たち。カワイいね!)

●一方ノマドは、公演ラス前の演目「人形の店」に出るため楽屋待機。ヒヨコもその友達も出番を終えて解散してしまい、一人残されたノマドは、待ち時間の緊張に耐えられずにとうとう「泣きベソモード」でギブ寸前。本来は楽屋の出入りを禁じられていた母親ワイフが駆けつけナントカとりもつ。ヘタレ。
●しかし、カワイいピエロ人形の役として、バッチリ舞台センターで踊りをこなした。本来小学生以上の子だけ参加の演目で、明らかにチビちゃんなノマド(幼稚園でも学年一のチビ)は、キュートな笑いを会場に誘い、見事大役を果たしたのであった。

●公演後、ヒヨコの感想「ドキドキした!きんちょうした!」パパ達が見てたのはわかった?「うん、パパもジジもババもみんなわかったよ!」おお、お前リラックスしてるなあ!客席の様子見る余裕があるんだ!「また、はっぴょうかいしたいね!こんどはヒヨコ、オーロラひめやりたい!」ヒヨコそれ主役だわ。次の次の次の10回次くらいに出来るかもしれないな。ヒヨコは図太いわ!
●ノマドは「ぜんぜんキンチョウしなかったよ。」とウソぶく。泣きベソモードだったくせに。ノマドはノマドのクセして結構プライド高いオトコだからね。ノマド、バレエ好きか?「うん」楽しかったか?「うん」またやりたいか?「またやりたい。」おしっ!それで十分だ。

20070818234438.jpg

●パパ、正直病気でヨタヨタで、ノマド達の演目以外は気を失ってるも同然だったけど、ノマドヒヨコが1つお兄さんお姉さんになるトコロ見られて良かったよ。これからもガンバレ。




明日の発表会のために(日付が変わったから今日か)、毎日毎日せっせと練習してきたノマドとヒヨコ。今日は、実際に本番で踊るホールで最終リハーサルに望んだ。

●幼稚園児でありながら、レアな男子メンバーとして1ランク上の小学生チームに組み込まれたノマドは、周囲に気の許せる友達もいなくて少々疲れ気味。家に帰って来ると緊張がほどけるのか、つまらない事でフニャフニャ泣き出して、ワイフを困らせる
●好物の鉄火巻を出前で用意してあげたが「ノマド、おなかへってないからたべない!」とダダをこねる。「ノマド、今日お前はとっても頑張った。でも明日も頑張らなくちゃいけないから、パワーをつけるためにゴハンは食べなきゃダメだ。人間は頑張り過ぎると、お腹が空くのも眠くなるのも全部忘れちゃうんだ。でもそうすると病気になっちゃうぞ。パパはそうやって病気になっちゃったんだから。」
●結局、ノマドは鉄火巻を全部平らげて、スイカもモリモリ食べてスヤスヤ安眠していった。

●ヒヨコは、興奮状態なのかいつまでたっても眠れない。ボクも不眠症でいつも通り眠れないままなので、フトンで少しお話をする。
●ヒヨコ「バレエはね、ひとをよろこばせるためにおどるからね、センセイもさいしょはやさしかったけど、いまはとってもハッキリしてるの。」ヒヨコは「厳しい」という言葉じゃなくて「ハッキリ」っていうんだ。ヒヨコ「いっしょうけんめいやらないと、ひとをよろこばせてあげられないからね。」ヒヨコ、成長したなあ。バレエ習わせてパパ本当によかったと思ったよ。
●ヒヨコ「ヒヨコ、おねえさんになってもずーっとバレエやりたい! おねえちゃんたちがね、ヒヨコちゃんヒヨコちゃんってみんないってくれるの。はやくおねえちゃんたちみたいに、ツマサキでたつのをやりたいの!」ヒヨコのチームには幼稚園のクラスメートも大勢いるのだが、最近は上級生の子達がヒヨコの面倒を見てくれてるようになったらしい(ヒヨコ自身はそのお姉ちゃんたちの名前を把握できてないけど)。
●ちょっと内気なノマドに対して、なぜか人を吸い集めるヒヨコ。あくまでリーダーとしてでなく、みんなに面倒みてもらうというカタチだけど。美形とは言えないけど屈託のない笑顔と、時に臆面なく知らない人に挨拶していく愛嬌。そのままこの不思議な社交力を伸ばしてくれたらと思う。

●明日の発表会、ホントに楽しみにしてるよ。ノマド。ヒヨコ。


眠れない夜にクラシック。

宮本笑里「SMILE」

宮本笑里「SMILE」2007年
●若手の美少女バイオリニスト。見りゃ分かるがホントにベッピンさんだなあ。23歳? のだめオーケストラにも参加してたようだけど、先月ソロデビュー。

NIKOLAI TOKAREV「NO.1」
NIKOLAI TOKAREV「NO.1」2007年
●ロシア人の若手イケメンピアニスト。トカレフって名前が物騒だけど、まだ23ながら芸歴は9年。14歳でリサイタルデビューした早熟の天才。こちらはアニメ映画「ピアノの森」でキャンペーン参加している。

●クラシックブームと昨今言われているけど、正直あんまボク自身はノレてない。なんでだろう。うーむ。


最近は、睡眠も不安定でうまく眠れない。筋肉の緊張もとれず、体調がすぐれない。腰痛がヒドくて湿布を貼って過ごしている。あまりに暑いので冷房を入れるが、直接風が当たるとツライ。ここ数ヶ月空腹感を感じない。相変わらずノドが異常に乾き、一日ヤカン2杯分の麦茶を飲んでいる。精神的にも不安定で、クスリの量も増えてしまう。気が滅入る。

●眠れない夜は、JOHN COLTRANE を聴く。長い長いコルトレーンのソロを聴いていると、意識が深く深く心の奥底に沈降していくようで、心地がいい。

JOHN COLTRANE「AFRICA : BRASS」
JOHN COLTRANE「AFRICA / BRASS」1961年
●当時発足したばかりのジャズ専門レーベル IMPULSE! が第一弾アーティストとして強力プッシュしたのが JOHN COLTRANE。そしてこれが彼の IMPULSE!での 第一弾アルバムだ。周りを固める布陣は、ピアノに MCCOY TYNER、ドラムに ELVIN JONES と最高の盟友が集まり、部分的にに親友 ERIC DOLPHY も参加してる。この時代は基本全部このメンバーで演ってるみたい。
●SIDE A を全部占める16分の長曲「AFRICA」では、ダブルベースでズーンと引き締まったリズムの上を、コルトレーンのソロが、書道家が感性のままに筆を走らせるように、輪郭の太い力強い線を描いていく。癒される。気持ちがイイ。SIDE B ではトラッド曲「グリーンスリーブス」を演ってる。誰もが知ってる有名曲をコルトレーン流に料理してます。


JOHN COLTRANE「LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD」

JOHN COLTRANE「LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD」1961年
●ジャズミュージシャンにはホームグラウンドと言えるようなライブハウスがあるものだが、コルトレーンにとってはN.Y. の THE VILLAGE VANGUARD というハコがそういう存在だったらしい。批評家や業界関係者も多く聴衆としてはウルサい連中が多かったとか。
●SIDE A はワリとリラックスした雰囲気で展開。インド哲学を反映したという一曲目「SPIRITUAL」だが、どこがどうインドなのかはわかりません。「アフリカ」だといって分かりやすくアフリカ音楽のモチーフが出てくる訳でもないのがこの人の音楽なので、気にしませんが。
●SIDE B は CHARLIE PARKER ばりの縦横無尽なアドリブプレイが奔放で軽快。15分間ずーっとソロでアドリブしてます。ライブじゃ時に40分アドリブし続けたというから、天才はやっぱスゴいなと。

JOHN COLTRANE「IMPRESSIONS」
JOHN COLTRANE「IMPRESSIONS」1961~1963年
●上記の THE VILLAGE VANGUARD でごく数日録られたこのライブ音源は、その後全部で4枚のアルバムに分散して発売されたそうな。それだけスゴい演奏をしたコルトレーンがすごいのか、音源を切り売りしていくレーベルがスゴいのか。
●このアルバムは、そのライブ録音が半分、別の時期に収録された録音が半分というシロモノ。一曲目のライブ音源「INDIA」。やはりどのヘンがインドかは多分本人しかわからないんだろうなと思いつつ、ここではソプラノサックスが鋭利な切れ味でスパスパ音楽空間を切り裂いていく。表題曲「IMPRESSIONS」では、テナーに持ち替えてより軽快なテンションで吹きまくってますよ。

JOHN COLTRANE「COLTRANE LIVE AT BIRDLAND」
JOHN COLTRANE「COLTRANE LIVE AT BIRDLAND」1963年
THE VILLAGE VANGUARDコルトレーンのホームなら、BIRDLAND は名の通り CHARLIE "BIRD" PARKER のホームだったという。
●ライブ録音ならではの高テンションと録音の方針なのか、カルテットの他のメンバーもまんべんなく大活躍。ピアノ、ドラムともに大きな存在感を放ってます。

JOHN COLTRANE「CRESCENT」
JOHN COLTRANE「CRESCENT」1964年
●この次に紹介する伝説の1枚に対して、なんか拍子抜けするくらい真っ当なプレイ。すごく穏やかで、落ち着きがあって、優しい。メロディが分かりやすくて、安心して聴ける。もっと過激なモノを期待しちゃってた。

JOHN COLTRANE「A LOVE SUPREME」
JOHN COLTRANE「A LOVE SUPREME」1964年
●邦題「至上の愛」JOHN COLTRANE の最高傑作との誉れ高い1枚だ。内容は4部構成で、PART1から4まで様々な愛の有り様が表現されてるという。しかしそういう理屈ヌキでも、バンド全体の一体感躍動感が他に比べて完全に頭抜けていることは、ボクのようなシロウトでも一目瞭然だ。
●PART1は、単純なベースフレーズを基調に曲が展開してふくよかに拡大していく。自由に泳ぎ回っていたサックスも最後には、このフレーズに着地し「A LOVE SUPREME」というコーラスに変貌する。PART2ではピアノが活躍。そのコルトレーンのサックスを軸にしながら、それぞれのパートの見せ場がちゃんとある。
●PART 3 は勇ましいドラムソロから出発して、その雷鳴とともにバンドが激しく回転していく。ドラムは終始凶暴で、それがふと止まるとベースソロがグネグネと展開する。そして荘厳なPART4。壮大なフィナーレ。完璧なコンセプトアルバム。


JOHN COLTRANE「SUN SHIP」

JOHN COLTRANE「SUN SHIP」1965年
「至上の愛」以降、コルトレーンはフリージャズへ移行していくというのが一般の見解。そんな時期の1枚。
●とはいいながら、この盤ではコルトレーンがなぜか脇役。あんまり吹かない!?なんで?いつもの爆発的なブロウがあんまりない…。なんでやねん? 聴き手としては不完全燃焼。


コルトレーンが死ぬのは1967年。短い人生の時間の中で、本当に沢山の音源を遺している。特に晩年の IMPULSE! 時代にはまだまだ多くの傑作がある。特に最晩年のフリージャズ時代をこれからチェックしていきたい。
●余談だが、このヘンの音源はCDだと高いんだけど、LPで買うと690~780円くらいで入手できる。意外なほど安くって。



日本の夏。一年に一回だけふと考える、あの「第二次世界大戦」のこと。

55NSQb.jpg

ユーキャン「昭和と戦争 - 語り継ぐ7000日 - 」
●DVD全8巻セット。満州事変からサンフランシスコ講和条約まで、記録映像でつづるあの戦争。仕事で使うつもりがあっという間にその必要がなくなり、45000円もするのに泣く泣く自腹で引き取ったシロモノ。買ったのは去年、2年越しでやっと全部見通した。
●ボクみたいなモンが、あの戦争を語る細かく語る資格もないので、このDVDを見てビビった事実を列挙します。

577TvK02l.jpg
(昭和7年満州国建国)
●基本的に当時の記録映像は全てプロパガンダなので、その美化されっぷりが凄まじい。満州への移民奨励ニュースでは、日本の暮らしよりずっと豊かで文化的な生活ができる!と喧伝する。「有り余る土地、豊かな実り、頼りになる兵隊さん、現地人も大歓迎!」これじゃ貧困に苦しむ内地の人が、開拓団に加わりたくなる気持ちもわかる。実際はとんでもない僻地に連れて行かれるのに。

「撃ちてし止まぬ」というフレーズを「古事記」から引用するとか、「部隊全滅/全員戦死」「玉砕」と言い換えるとか、「アメリカ占領軍」「進駐軍」と言い換えるとか。こういうコピーを考えるセンスって…。悲惨な戦争のイメージを和らげるために、マスメディアで新しい「言葉」を作る連中って、どんなヤツらだったんだろ。

57J9.jpg
(別れの杯を交わす神風特攻隊員)
●あと、神風特攻隊の出撃命令に対して、家族に「おめでとうございます」と伝えるセンス。それを「お正月が来たようです」と答えるセンス。

B-29.jpg

●日本諸都市を焦土とした重爆撃機 B-29 フォートレス「砦」の名を持つこの最新鋭兵器の開発に、アメリカは30億ドル投下してるという。当時の日本の国家予算の半分以上の巨額だ。こりゃかなわないよ。

57JUnU469.jpg
(学徒出陣)
「学徒出陣」は、人材が不足してる(つまりボコボコ死んでる)南方前線の下級将校の補充が目的だったという。いくら大学教育を受けていると言っても、20歳前後の若造にいきなり将校は無理でしょう。現場で下士官や部下からかなりの陰湿なイジメを食らったという。そりゃそうだ、ポッと出の青ビョウタンに命預けられないでしょ。ナンも知らない学歴だけの新入社員に上司ヅラされてもねえ。

●敗戦時、日本帝国陸海軍の総員は700万人。当時の人口7000万人に対して10%。今の北朝鮮が人口2000万人に対して軍人が100万人。日本は北朝鮮よりももっと極端な軍事国家だった。

サイパン島攻防戦。日本軍3万人に対して、2万人の民間人移住者がいたそうな。日本軍には民間人を守る発想がなく、この2万人に投降を許さず、バンザイクリフ(天皇陛下万歳といいながら絶壁からダイブする)に追い込んだという。一体ナニを守る戦争なのか。

577Tx4m41.jpg
(沖縄における米軍の攻撃)
●沖縄線では、死者25万人の内、民間人が15万人。しかも
「沖縄語を話す者は間諜として之を処分す」
との指令。当時の沖縄で標準語しゃべれる人間がどれだけいたか。

●ソ連の参戦で、満州国境が虐殺と略奪に襲われている事実を知りながら、軍部は各日本領事館には、居留民に現地居留を指令。一方関東軍は速やかに南部へ避難を始めていたという。

57JUnc5cd.jpg
(民間人の引き揚げ)
●終戦時、本土以外に点在していた日本人は660万人。これが一斉に引き揚げてくる。人口の10%がスカンピンで無一文の戦争難民。これは大ピンチだ。でも現在のアフリカ諸国って日々こんな難民問題に苦しんでいるんだよね。今の日本は誰一人受け止めようとしないけど。

さて、我が家の戦争の話。
●既に亡くなったボクの祖父は、トラックの運転技術を買われて関東軍の自動車部隊に配属された。満州をトラックで駆け回り、物資を運んだ。当時のドライバーはいっぱしの上級エンジニアで、死んだら誰もクルマを動かせなくなる。だから戦闘となれば優先的に守ってもらえたらしい。
●その後戦争末期には、比較的安定していた関東軍から南方戦線に配属替え、「行けば死ぬだろな」と思いながら宇都宮基地で待機していたトコロで終戦。故郷の静岡には帰らず、栃木県でトラック稼業を始め、祖母と知り合ったという。
●生前の祖父に、小学生だったボクは結局あの質問だけは出来なかったな。「おじいちゃん、戦争行って、人殺したの?」本人もあまり語りたがらなかったしなあ。これが我が家の戦争の物語。これでおしまい。

●2001年以降に生まれた、文字通りの「21世紀少年」であるノマドヒヨコに、彼らのヒイジジが戦った「あの大戦争」の話をどう説明するか。「ノマド、昔な、世界中が全部巻き込まれた大戦争があったんだよ。ヨーロッパも日本も中国も全部戦争になったんだよ。」ジジババも生まれる前の遠い遠い昔と思うんだろうな。ボク自身も、肉声を以て伝えられる話は祖父の話だけだ。あとはヨソ様の書いた本とDVDの知識だけ。
●しかし、日本はあの戦争の重要な当事者であり、今だその過去の影響下にあるのは事実だ。そしてアメリカも、占領国を自らのイデオロギーに染め上げる手法を今だ全く反省していない。それはDVDのマッカーサー元帥の映像を見てそう思った。「こりゃ日本とイラク、まるっきり一緒だわ」ノマドは「イラク、しってるよ!センソウしてるトコロでしょ!」あれだけ露骨な帝国主義戦争の時代はもう終わったけど、世界は全然変わってないんだよ、ノマド。


体調は絶不調。休職一ヶ月経過しているのに全く良くならない。
●今朝は原因のよくわからない激しい腰痛で目が覚めて、身動きができない。ムリヤリ鍼灸院の予約をとり、午後タクシーで(というか歩けない)駆けつけた。
●あまりに激しい筋肉の緊張で、施術は右半身だけで時間いっぱいという中途半端な状況。右左の腰/背中の感覚がなんとなくズれている。くーっ、ストレッチのやり方を間違ってたのだろうか。筋肉の緊張はボチボチ改善されていたと思っていたのに、最初に逆戻りしたようだ…。この分では復帰は遠い。






水木しげる「ゲゲゲ 妖怪ずかん」

水木しげる「ゲゲゲ 妖怪ずかん」
●バレエの発表会。リハから本番まで、そして本番中も待ち時間の長ーいノマドが、集中力を切らずに暇つぶしできるように、本を持たせようと思った。そこで、今最高に盛り上がってる「ゲゲゲの鬼太郎」の本を買ってきてあげたのだ。

●ノマドヒヨコに渡すと、超興奮して「よんで!よんで!」「今回は全部ひらがなの簡単な本を選んだから、ノマドは自分で読めるはずだよ」結局ママに読んでもらって、真剣に話に聞き入る二人。楽しそう。

●しかし読み終わって30分後。ノマド「ねえママ、あれ、みんなホントにいるの…?」不安顔。
●さらに30分後。ノマド「あのホン、バレエにもっていかないでいい?」なんで、一応持っていけばいいでしょ。ヒマな時、一人で読めるでしょ。「あのホン、もっていかないでイイ!」
●あげく、床に突っ伏して「ふえーん」と泣き出した。ノマド、怖くなっちゃった。妖怪がホントにいたらどうしよう。ノマド5歳、怖くなっちゃった。

●ちなみにノマドが一番怖がっている妖怪は、この「えんらえんら」。けむりの中から現れる妖怪で、家の中の煙やお墓の線香などに乗って、よく出現するらしい。

20070814222025.jpg

●だめ押しにヒヨコ「このホンはコワいから、パパがかくしてもっててね!」え、子供部屋の本棚じゃダメなの?「ダメ!コワいから!」…せっかく買ったのに。

●今日のBGM。

ME  MY「THE ULTIMATE COLLECTION」

ME & MY「THE ULTIMATE COLLECTION」1995~2007年
●かつて「DUB-I-DUB(ドゥビ・ドゥビ)」というヒットで知られた一発屋のダンスユニット女子二人組。デンマークの人なんだね。まだやってたんだ…。なんでウチにこんなCDがあるんだろう…。この手の流行りものダンスは廃れも速いから大変だね。時流を見て最近はエピックトランスにも挑戦してるよ。

C1084374.JPG.jpg

徳永英明「VOCALIST 3」2007年
●第3弾になるカバーアルバムシリーズ。彼のハイトーンボイスを生かして、このシリーズは全部女性歌手の名曲を選んでいる。売れてるらしいよ、シリーズ総計100万枚らしいから。今回は柴咲コウ(a.k.a. Rui)「月のしずく」とか、ELT「TIME GOES BY」とか伊藤由奈「ENDLESS STORY」などまで取り扱ってる。



家族の肖像、撮影。
●我が家の一年一回の恒例行事に、「家族の肖像」撮影という儀式がある。下北沢の写真スタジオで、夫婦とコドモ2人がそろって写真を撮るのだ。
●なんかの記念日ってわけじゃない。普段そのままの家族というテーマで、特に着飾りもせずなんとなく撮る。それを毎年続ける。これがコンセプト。ヒヨコが生まれてからだから4年目になるのかな。

●ただし、今年はノマドヒヨコ二人の初めてのバレエ発表会がある。今週末に迫った本番に、衣装を試着してワイフがサイズをせっせとつめているのだが、その衣装があまりに可愛かったので「今年はこの衣装で撮影しよう」と急遽スタジオを予約した。
●特別な脈絡もなく(普通は七五三とか結婚式とかのキッカケがあるわけよ)毎年やって来る家族四人を、写真屋さんのオジさんオバさんもキチンと覚えてくれており「去年はカッコいいポーズで撮れたね」と声をかけてくれる。スタジオの隅でコドモはイソイソと衣装へ着替える。
●今回はバレエの決めのポースをピシッと決めて、手早く撮影終了。今年はイイ写真になるだろう。撮影後は、タップリ一月ほどかけて、きちんと八つ切りサイズに現像してくれる。写真屋さんも楽しんでくれているらしく「この写真を店頭展示に使ってイイですか?」と言ってくれた。「どうそどうそ!」前も店頭展示に我が家の写真が貼られ、幼稚園のママ友達の間で話題になった。多少値の張る贅沢だが、いい思い出になると思うのだ。


夏だ!暑い!「ガリガリ君」!
●暑すぎる。この気温に病気のボクはげっそりと体力を削り取られて、今週は最高に体調が悪い。暑いのに冷房つけると悪寒が走ってまた具合が悪くなる。一体どないしろつーのよ。休養入った当時に逆戻りした気分だ。地球温暖化がニクい。暑い。
●そんな我が家で目下「ガリガリ君」が大流行。ノマドが当たりを2回も引き当て、一気にウチの冷蔵庫常備アイテムとなった。
●この「ガリガリ君」の携帯サイトが秀逸で笑える。名付けて「ガリガリ部」「ガリ天」なる天気予報コンテンツがあって、「ガリガリ君指数」「1ガリ/2ガリ/3ガリ」の三段階で示してくれている。
●ノマドは「ガリガリ君」食べる前はこの「ガリ指数」をチェックしないと気がすまない。「パパ!きょうは3ガリ?」ちなみにボクの携帯の待受は現在「ガリガリ君ソーダ味」で、着メロはガリガリ君のテーマです。

20070813232731.jpg

PC版「ガリガリ部」: http://www.akagi.com/sub/camp/index.html#topic01

●ジェイポップ研究。

KAME  L.N.K「BORN TO SMILE」_

KAME & L.N.K「BORN TO SMILE」2007年
●またしても名古屋からヒップホップアクトが登場してきた。HOME MADE 家族周辺からフックアップされてきたらしい2MC。FUNKY MONKEY BABYS みたいな明るく前向きなメッセージ。

スキマスイッチ「マリンスノウ」

スキマスイッチ「マリンスノウ」2007年
●ちょっと久しぶりのシングルは、出世作「奏」を連想させる失恋バラードだ。深く深く海の底に沈むような無力感が、夜部屋を暗くして聴くとジンワリ沁みて来る。

「サザン過去シングル集め」の作業の中で、ああ!懐かしい!という掘出し物を見つけた。これCDで欲しかったんだ…。

Schaft___Dance_2_Noise_001.jpg

●コンピ「DANCE 2 NOISE 001」1991年
●バンドブーム~渋谷系の時代にかけて、ビクターが新人発掘コンピとしてリリースしてたシリーズ「DANCE 2 NOISE」。これを262円で発見した。学生時代は金がなくてカセットテープで聴いていたが、今となっては入手困難でずっと気にしてた。これでやっと001~004までコンプリートできた。005、006もあるらしいのは最近知りました。

●このシリーズは当時の欧米音楽シーンにリンクする日本人アーティストを、ジャンルを問わずコンパイルするスタイルで、テクノハウス、ヒップホップ、インダストリアルビート、マンチェスター系やシューゲイザー系、ミクスチャー系のロックを数々紹介してた。日本のシーンと世界が直結していく感覚が当時のボクにはゾクゾクしてたまらなかったんだよね。

●もはやそのほとんどが姿を消してしまったアーティストばかりだけど、シリーズを通してみると結構立派な人が参加してます。日本のDUBシーンを代表する重鎮 DUB MASTER X こと宮崎泉さん。SCHAFT 名義で凶悪なインダストリアルをやってたのは、BUCK-TICK今井寿さんだったんだ…。DJ KRUSHKRUSH POSSE 名義で 002 に参加してるし。
●消えて惜しいバンドは、PAINT IN WATERCOLOUR。もろマンチェスターのサイケ感あるギターロックを展開してた。あと M-AGE。もろ JESUS JONES(懐かしい!) のパクリバンドです。JESUS JONES 自体が早々消えたからしょうがないね。CORLTAR OF THE DEEPERS は凄まじいギターノイズとそれにかき消されてる弱々しいボーカルが大好きだった。いなくなったと思ってたが、最近新譜を出してるらしくて感動した。




本日は、実家からボクの両親が、名古屋に住むイモウト夫婦を連れて遊びにやってきました。
●最近睡眠が不安定なボクは来客中にも関わらず爆睡してしまい、孫2匹の高テンションをひたすら受け止めてたジジババたちはさぞ大変だったことでしょう。廊下で障害物競走やってたみたいだもんな。ジジババ、明日は筋肉痛のはずです。

●義弟 ken5 くんとはお互いのいらないCD/レコードを交換するのが習慣になってきており、今日も産業廃棄物のようなダメCDの束(多分100枚くらい?)を全部持っていってくれました。どうもありがとう。
●一方で12インチのヒップホップなんかを持ってきてくれたりも。ボクはハウスやヒップホップの12インチ買いは滅多にしないので、新鮮な気分でしたわ。

●早速 ken5 くんの12インチに針を落とす。

gravelpit.jpg

wutang.jpg

WU-TANG CLAN「GRAVEL PIT」2000年
WU-TANG CLAN「BACK IN THE GAME (feat. RON ISLEY) 」2001年
ウータン久しぶり!ウータンは好きだったなあ。ウータン軍団は2軍選手まで網羅して買ってた時期がありました。最近は量が多すぎて手に負えなくなってきた。総帥 RZA が作るトラックじゃないとオモシロくないってのもあるけど。

jessepowell.jpg

JESSE POWELL「IF I」2000年
●正統派のR&Bだね。声が高くていい透明感。アルバム単位では聴いた事ない人だったから勉強になった。

cocoa.jpg

COCOA BROVAS「MORE FIRE」2000年
●N.Y. の2人組MC。うーんこれは全然知らない。聴いてみると「さくら~さくら~」のメロディが無愛想なキーボードでループされてるヘンテコトラック。

mightymiami.jpg

SPILLER「MIGHTY MIAMI E.P.」2000年
●陽気なハウスだね。マイアミとはいうけどレーベルはヨーロッパっぽい(ドイツ?)。コカコーラ~と商品名を連呼して「プシュ!んはあ~」というセクシーなサンプルが随所に出てきます。アタマ空っぽでイイです。


●アホのようにロックものを聴きます。

AGNES「WHEN THE NIGHT FALLS」

AGNES「WHEN THE NIGHT FALLS」2007年
●フィンランド・ヘヴィメタル!…メタル嫌いなんだよな(←じゃあなぜ聴くのか)。フィンランドのアイドルコンテストで優勝した女の子(実はポーランド人)が直球でヘヴィメタルを激唱します。パッと聴きオトコの声にも聴こえる根性の入ったノド。ま、アイドルコンテスト発なので、ホンモノの北欧メタルよりかは聴きやすかったです。

LINKIN PARK「MINUTES TO MIDNIGHT」

LINKIN PARK「MINUTES TO MIDNIGHT」2007年。
●ラウドロックの大看板となったリンキンの新譜。実はリンキン通して聴くの実は初めてなんだよな。90年代末こうした新しいヘヴィ表現がいっぱい出てきてた時期で、どっちかつーと後発くらいだったはず。だから今までマジメに聴かなかった。
●先輩格はまず KORN「根性が暗黒なマッチョ音楽」という印象。壮絶な咆哮と壮絶なトラウマが売り物になってるからな。そして LIMP BIZKIT「お調子者の悪ガキ大将」という印象。小器用なラップと、売れた後のセレブ気取り。アギレラと浮き名を流したVO.の FRED DURSTEMINEM が揶揄してたような。
●で、LINKIN PARK の登場。「生マジメすぎて極端に走る高偏差値少年」という印象。ヘヴィながら実験精神旺盛。JAY-Z とのコラボアルバムや、中心人物 MIKE SHINODA のヒップホップアプローチをより展開したソロユニット FORT MINOR など勤勉で仕事ぶりがシリアス。今作は複雑な曲を寄り集めたのかキャッチー度は低下?
●あともう1つ、SLIP KNOT って連中もいた!ありゃ「筋金入りのキチガイ」。全員ゾンビのようなマスク被って、意味なく多いギターをバリバリ鳴らしてヘッドバンギングしまくる変態集団。ある意味でこの中で最高の前衛パフォーマーだったと思う。

THE USED「LIES FOR THE LIARS」

THE USED「LIES FOR THE LIARS」2007年
●このバンドの存在を知ったのは2年くらい前かな。また新しい感覚のヘヴィ表現が出てきたな、という印象だった。その頃は「ポップパンク」全盛で「全部同じに聴こえる」みたいな時期。今思えば THE USED に感じた新鮮さが現行シーンを席巻する「スクリーモ」というスタイルだったんだと思う。とってもハードなんだけど、安易なミクスチャー表現(ラップとか)には逃げずに、メロディや印象的なサビがダイナミックで知的な感じさえした。ジャケは悪趣味ですが、これが今のアメリカのど真ん中なんでしょうか。

BLACK REBEL MOTORCYCLE CLUB「BABY 81」

BLACK REBEL MOTORCYCLE CLUB「BABY 81」2007年
●コッチはヘヴィロックやハードコアの文脈じゃなく、THE STROKES に発する「ガレージリバイバル」で注目されたバンドだ。英米で共振し合うこのシーンから THE LIBERTINES などなどがブレイクしてくわけですが、コイツら自身はやっぱアメリカ人で、ブルースなどのアメリカンルーツの世界に沈降していってしまい、イギリス人気から切り離されちゃった。ボクは前作「HOWL」とかスゴいと思ったけどね。今作は、最初のガレージ荒削り感が復活して、初心に戻った感じ。元から疾走感でごまかすタイプでない音楽なので、そのトグロを巻くようなグルーヴに浸ってください。

KINGS OF LEON「BECAUSE OF THE TIMES」

KINGS OF LEON「BECAUSE OF THE TIMES」2007年
●コイツらも「ガレージリバイバル」出身でイギリスで人気が高いが、どっぷりアメリカ人でしかもテネシー育ち。血の中にブルースが刷り込まれてる兄弟バンド。1st 2nd は、そらもう鼻血ブーの激情ガレージで最高だと思った。ブレイク後、U2 PAERL JAM、そしてなんと BOB DYLAN とツアーをまわった経験が今作には落とし込まれてる。ヤケクソ衝動をすくいとっただけの前作までと違う、成熟が彼らの課題だ。いい意味で成熟できるか、丸く収まってしまうだけか。それはもうちょっと聴き込まないと、ボクもわかりません。

VHS OR BETA「NIGHT ON FIRE」

VHS OR BETA「NIGHT ON FIRE」2004年
●まずバンド名が最高。「VHSかベータか?」って言われても、もう両方使ってないよ。音はまさしく「80’S リバイバル」。ツッかかって来るギターとほんのり感じるダンス感覚、そしてボーカルが、一瞬ニューロマンティクス(DURAN DURAN とか)を連想させる。もっと前のアルバムにはより打ち込み度の強い DAFT FUNK 風チューンがあるはずなんだけど。最近の傾向はよりロックバンド然としてきてるみたい。

SWITCHES「HEART TO D.E.A.D.」

SWITCHES「HEART TO D.E.A.D.」2007年
●今日初めてのUKバンド。新人さんらしいけど、なにやらグラムロック好きとのこと。陽気なブギ感覚。でもそれだけじゃない芸風の広さも見せてる器用な連中。

APOSTLE OF HUSTLE「FORLKLORIC FEEL」

APOSTLE OF HUSTLE「FORLKLORIC FEEL」2004年
●今日の音源の中で、全く別格の注目度で関心を寄せているのがこのバンドです。正直他はどうでもイイくらいです。この音楽は形容が難しい。必要最小限の構成の中、丁寧なフォークギターが繊細に紡ぐ音響は、奇妙に不安定で聴く者に心地よい緊張を感じさせる。ボソボソささやくようなボーカルは、聴衆を突き放したような妙な感覚があって、聴けば聴くほど不思議な気持ちになる。フォークロックと言うには描き出す音世界が殺風景で、ポストロックというには技巧的に素朴すぎる。何のバンドににてるだろう? 侘び寂びアプローチの SONIC YOUTH? JIM O'ROURKE? GALAXY 500? YO LA TENGO? THE DECEMBERISTS? OF MONTREAL? いやー全部違う!レーベルサイトを見たらより一層混乱した。ケンタッキーの二人組らしい。今後スゴく注目。
●あ、ちなみに下北沢で380円でした。イイ音楽をキチンと評価できない人が多すぎる。叩き売りするような音楽じゃないのですよ。ま、ホントは安くってうれしいんですけどね。

「APOSTLE OF HUSTLE」: http://www.arts-crafts.ca/apostleofhustle/index2.html


●読書。

18503048.jpg

藤沢道郎「物語 イタリアの歴史 - 解体から統一まで - 」
●最近、ローマ帝国だルネサンスだのイタリア史に興味があるボクは、もうちょっと範囲を広げて他の時代のイタリアも知りたくなってきた。ローマ帝国が滅びてルネサンスが始まるまでの間は数百年もあるからね。あと、なぜ他の国と違って政治的な分裂状態が続いていたかも不思議だった。

イタリアはカトリック教会/ローマ教皇庁のお膝元。教会/教皇こそが、ローマ帝国亡き後の中世西欧文明の大黒柱であり、中世西欧文明を規定するプラットホームだった。それが一地域の世俗君主に征服隷属される状況では、全ヨーロッパに号令しようにも示しがつかない。だからこそ、教会はイタリアの政治的分裂を促していた。だからローマ帝国が滅びてから、再び統一王国ができるのに1500年もかかってる。なるほどね。教皇庁は今でも「バチカン市国」と名乗り、人口800人の独立国家として世俗国家とは一線を引いている事情もなんとなく分かった。

もう1つ感じ入ったのは、イタリアは周囲の大国に翻弄されまくっていたということ。ただでさえバラバラの小国が、それぞれの都合でフランスやドイツ(神聖ローマ帝国)、オーストリア、スペインなどと駆け引きを繰り返し、それらの大国の代理戦争の舞台になってしまってる。本屋でイタリア通史の本を探してもなかなか見つからなかったのは、これら周辺国の歴史とひっくるめて考えないと全容が掴めないからと思い知った。中世ヨーロッパ、さらに勉強します。

もう1つ。地名が難しい!ローマとかフィレンツェとかミラノとかは、ボクだって分かりますよ。でも、ラヴェンナとかアッシジとかヴェローナとかパレルモとかメッシーナとかサレルノとか、ドコにあるんだかさっぱりイメージが掴めない。ですので世界地図帳を買ってきて、ひっきりなしに地図を見ながら本を読んだ。「えっ、ピエモンテってどこ? カラブリアって?」という感じ。セリエAのファンの人は都市の場所とか地方の場所とかみんな当たり前のように把握してるのかな?

昭文社「コンパクト世界地図帳」昭文社「コンパクト世界地図帳」




先週行ってきた伊豆旅行。

20070811202039.jpg

●ノマドヒヨコともに大変エキサイティングだったようで、思い出ノートにそれぞれ自由なドローイングを描いていた。ノマドは、夜窓から飛び込んできた「クワガタムシ」と、「うみのおとがきこえるカイだよ!」とヤツが説明するイガイガした巻き貝が鮮烈だったらしく、それを左右にかき分けました。

20070811202022.jpg

●ヒヨコは、水着を着て海で遊んだ事と、脈絡なく何となくひよこの画を書いてました。これはお礼のお手紙とともに、お世話になったおじいちゃんおばあちゃんのウチに送る事としました。ノマドの手紙は「たのしくてうれしくて とってもたのしくて ありがとう ノマド」とのこと。ヒヨコは「たのしかった」と書いたつもりでしょうが、本人以外には解読不能でした。

●一方留守番をしていたボクにも、ノマドはお土産を買ってきてくれました。それがコレ。

20070811202008.jpg

「ゲゲゲの鬼太郎」目玉のおやじ、温泉上がりに牛乳を飲むストラップ。一応温泉街だから、ご当地キャラものということ?
●しかし、最近の「ゲゲゲの鬼太郎」へのヤツラの入れ込みようは凄まじいモンで、とうとうあの主題歌に「オリジナル振り付け」を自分たちで考え出して、踊るようになってしまった。腕をヘンなカタチで組んで「ゲ!ゲ!ゲゲゲのゲ~!」とヘコヘコ踊るのである。彼らに「その腕のカタチはナニ?」と聞くとノマド「カタカナの『ゲ』にきまってるじゃないか~!」…え、どのヘンが「ゲ」か全然分かりません。
●ちなみに現在放送中の「ゲゲゲの鬼太郎」主題歌(ややファンクアレンジ)は泉谷しげるさんが歌ってます。


今日は、硬派なDVDで、アフリカを考えました。

51axCDZb5mL._AA240_.jpg

●DVD「ダーウィンの悪夢」
●タンザニアにあるアフリカ最大の湖、ビクトリア湖。ナイル川の源でもあるこの湖が、人為的に放流された外来種の魚に生態系を破壊されている。そしてその影響は湖のまわりに暮らす人々の暮らしをも、厳しく脅かしているという。しかもこの悲劇は、EU諸国を含むグローバリズムに原因の一端があるのだ。デジカムの粗末な映像が剥き身で暴き出す、巨大な理不尽のドキュメンタリー。

nairuperch.jpg

●獰猛な肉食魚・ナイルパーチ。スズキの仲間で体長2メートルにもなる大型魚だ。本来はビクトリア湖にいないはずの種類。しかし何者かに放流され、この湖の固有種を食い荒らした。生態系を大きくかき乱しているのである。
●一方でこの魚は、ヨーロッパで巨大需要のある魚。湖のほとりの町には、切り身を作る加工工場が建ち、海外へ空輸するための貨物機が毎日飛来する。日々何百トンと水揚げされるナイルパーチは何百万人もの欧米人の胃を満たす。環境破壊と引き換えに、グローバル経済に直結する産業/雇用を生み出したのだ。

●だが、これが現地アフリカの人々を豊かにしたのか? 大量に水揚げされるナイルバーチは全て輸出向け。現地の人は、裏ルートで流れるアタマや背骨まわりの余り物を食べるに過ぎない。ゴミのように乱暴に山積みされた魚の廃棄部分にはウジがわく。そんなシロモノを無理に干して、油で揚げるというのだ。
●農業は不振で饑餓が日常化。荒れた農村から雇用を求めて湖の町に人が集まる。さりとて十分な雇用はない。漁師の仕事は危険でワニに足を喰われるものも多い。女性はより悲惨だ。生きるために売春に走り、HIVに感染する。買春客も感染する。毎日十数人単位でエイズが人命を奪う。路上には孤児が溢れ、僅かな食べ物を奪い合い殴り合う。農村にも町にも救いはない。ここは地の果て、文明の果てだ。

●湖を破壊して得た富は、結局民衆の頭上を通り過ぎて、飛行機で北半球に。代わりに欧州からやってくるモノは何なのか? なんと「武器」だ。日々止まない内戦のために、武器がコッソリ空輸されてくるのだ。
●アフリカの大地は破壊され収奪され、飢え苦しむ人々は殺し合いを強いられる。21世紀のグローバル経済では、日本人のボクらも無責任ではいられない。このナイルパーチは日本にも「シロスズキ」の名前で輸入されてるのだ。なぜこんなことになってしまったんだろう?

さらにアフリカ関連、書籍を一冊。

20070811203041.jpg

宇佐見久美子「アフリカ史の意味」
●アフリカの歴史って、正直よくわからないじゃないですか。学校では「アウストラロピテクスという人類の祖先がアフリカにいた」という話から「第二次大戦後に様々な国が独立しました」まで一気にワープ、その中間がない。ヨーロッパ人が大勢の奴隷を連れ去り、植民地支配して分割しまくったってだけで、アフリカ人自身の歴史って教えられてないなと。だからその辺を知りたくて。

●ただし、この本は、その「アフリカの歴史」そのものが不当に扱われ、偏見や無知、誤解に曝されているという現状を問題にしている。アフリカ自体の理解にどうしても差別や誤解が差し挟まってしまう。そんな事情と、西洋列強によるアフリカの悲しい収奪の歴史、そして悲惨な現状には関係があるのでは?

●アフリカの歴史を難しくしているのは、アフリカ人自身が記録した史料がほとんど残っていないコトだ。文字文化を持たなかったアフリカ諸民族の暮らしは文字のカタチでは記録されてない。だから、史料のほどんとを他者からの視点で記録されたモノに依存しなくてはならない。

●まず重要なのは、中東から北アフリカを支配したイスラム文明からの視点。イスラム商人はインド洋で活発に活動し、アフリカの東海岸(ケニア~タンザニアなど)を訪れている。この地域に広く通用するスワヒリ語は、実はこうしたアラブ人の交流から生まれた言語で、アラビア語源の言葉を多く含むという。しかし、交易にこそ関心があった商人たち、歴史や地誌に興味を持ち史料を遺した人間はほんの少ししかいなかった。

●そして帝国主義列強の植民地支配の視点。ここにはたっぷりと偏見、差別、誤解が差し挟まってくる。彼らにとってキリスト教社会以外は蛮族だから「アフリカ人は奴隷に向いている」と教会までが認めていた。そしてそれを西欧諸国の先進文明が教化するのは義務だと考えていた。そんな観点からの記録ばかりが残っている。こんな記録じゃマトモな歴史は辿れない。そんな偏見を除去しながら、史料を読み込む難しさ。これが「アフリカ史の意味」なのだ。

「ねつ造された歴史」が惨事を引き起こす。記憶にも生々しい90年代のルワンダ紛争だ。フツ族ツチ族という二つの民族が暮らすこの国で、民族同士の対立が激化し大量虐殺が起こった。わずが100日で80~100万人が殺されたという。
●だが、フツ族ツチ族の区別は植民地支配者がねつ造した幻想なのだ。この二つの民族には、農耕/遊牧どっちに従事してるかの違いしかなかった。しかし、旧宗主国ベルギーが植民地経営の便宜のために、民族差別を煽って作り出した人種区別なのだ。ひどい話だ。アフリカの人々は国土を奪われただけでなく自らの歴史、ルーツすらも他人に書き換えられてしまったのだ。

●しかし最新の研究で、徐々にアフリカ黒人王国の実体が明らかになってきた。ジンバブエの神殿遺跡、西アフリカに栄えた黄金の都「トンブクトゥ」など素晴らしい文明文化が正当に評価されつつある。文字を持たないが故に「未開」とされ差別と偏見に曝されたのは、アイヌとまるで同じである。そして今なお偏見と収奪は進行中である。



我が家の長男ノマド5歳は、なんとか無事に文字文化へ移行順応しつつある。
●最近は、文字を書くのが楽しいらしく、家の壁のあちこちに、標語のようなメッセージが勝手に貼付けられている。

20070811201925.jpg

●これは玄関のドアノブ部分。「とじまりをかくにんしてくらさい」。ボクはしょっちゅうカギを閉め忘れるのでワイフによく小言を言われる。そしたらある日、これが貼られていた。はい、パパは今後戸締まりを確認します。

20070811201945.jpg

●冷蔵庫にもメモが貼ってあります。「のまどが せきをすると あめ」。小児ぜんそくのノマドは気圧の変化に敏感で天気が悪くなると発作で咳が出てきます(ボクもぜんそく持ちですから親子で咳します)。それがバッチリ記録されてます。

20070811201958.jpg

●コレは寝室の入り口。下に「べとのへや」。ベッドの部屋の意でしょうね。上には「世界のどらごんのすみか」。生意気にも漢字使ってやがる。意味不明ですが、最近ノマドは「パパ、どうしてノマドのナマエを「どらごん」にしてくれなかったの?」と抗議してくるので、それが関係するのでしょう。

●ノマドは今朝「ママ、かんじをしりたいんだよ!かんじのひょうはないの?!」と言ってきました。「しりたいんだよ!」「しらべたいんだよ!」はコイツの口癖です。しかもなぜかやや逆ギレ気味に言う。漢字は「あいうえお表」みたいにまとまんないよノマド。ですので、今日からママが一日一個簡単な漢字をメモに書いていくことにしました。
●コイツは親から「コレやれ、コレ覚えろ」と言わる前に、全部自発的に「やりたい、教えろ」と言って来るからスゴいと思う。今ノマドのアタマの中では色んな化学反応が激しくバチバチ起きていて、それが溢れ出てきているようだ。パパはそんなノマドのケミストリーにどんどん燃料をつぎ込んでやろう。どんどんオモシロいモンを見せてやろう。

●ヒヨコ4歳は、文字文化の入り口で足踏み状態です。公文の宿題を手伝うのが大変。「『ふ』と『ぶ』と『ぷ』。この人達は3つの仲間です。『ふ』は息をフーッとする音。『ぶ』はオナラがブーッと鳴る音。『ぷ』はかわいいオナラの音、ヒヨコのオナラ。わかった?」
●教える方もかなり頑張ってアタマをひねる訳ですよ。「『く』と『へ』は似たカタチ。でも『く』はクーッとガマンして一本足で立ってる子。でも『へ』は疲れちゃってヘタ~ッと寝ちゃった子。わかった?」





「プレモランド」でカワイいグッズをゲット!
●我が家のある下北沢には、ドイツのオモチャ「プレイモービル」の専門店「プレモランド」というお店がある。以前は代々木上原にあったんだけど、去年あたり下北沢に引っ越してきて、お店も大きくなった。当然我が家のお気に入りショップである。

20070811015921.jpg

「プレモランド」: http://e-kibun.com/index.html

●そんな「プレモランド」から嬉しいチラシが投函されていた。今日から夏のキャンペーンで、チラシ持参の方に先着順でグッズをもれなくプレゼント! これは行かなきゃ!という事で、ノマドヒヨコを連れてママチャリで急行した。でゲットしたのがこちら。

20070811020250.jpg

「トイ・イン・カップ」(お人形は別売り)!
●コップが二重構造になってて、プレイモービルの人形を中に入れる事が出来る。お人形の入換えも簡単で、ジュースを飲むのが楽しくなる!当然お人形も欲しくなっちゃって、ノマドヒヨコに一体ずつ買ってあげちゃった。ヒヨコが選んだのは人魚姫。ノマドはオオカミの毛皮をかぶった戦士。カワイいでしょ。ハッキリ言ってボクが欲しかったアイテムです。「ノマド、パパにもこれでお茶飲ませてよ!パパ前からこのコップ欲しかったんだから!」


さてさて今日は、沖縄出身アーティストの音楽を聴きながら、先日のアイヌ問題に関連させつつ、オキナワの事も考えてみました。


●まずはオキナワのロックバンド HY に注目!ライブDVD2枚。

HY「2006 KUMAKARA AMAE TOUR ~ここから未来へ~」

HY「2006 KUMAKARA AMAE TOUR ~ここから未来へ~」

HY「2007 AMAKUMA ACHA - DOCUMENT TOUR ~ FROM OKINAWA TO THE WORLD~」

NY「2007 AMAKUMA A'CHA - DOCUMENT TOUR ~ FROM OKINAWA TO THE WORLD~」

HY は沖縄のインディシーンの中核を担うミクスチャー系ロックバンド。
オキナワのシーンは分厚く力強い。メジャー昇格当然の実力や独自性を持つバンド達がワンサといる。それでいて拠点をオキナワ/インディからブラさない根性と覚悟がある。パンクからミクスチャー、レゲエとジャンルも多岐にわたりつつ、一貫する郷土音楽への敬意がある。

●実はHY に関する知識はほとんどなかった。一番最初のヤツを那覇で買った程度。インディデビューに釣り合わない洗練された仕上がりに、メジャーっぽくってポップで、拍子抜けしちゃった。男女ツインボーカルとヘヴィなミクスチャーサウンド。今っぽすぎるかな…ちと喰い足りないかな…と思ってた。

●でもこのDVDを観てすごく印象が変わった。特に全米(カナダ含む)ツアーの苦闘ぶりを生々しくダラダラと記録するデジカム映像が、彼らの生々しい息づかいを伝えてて実にリアルだった。
●N.Y.の KNITTING FACTORY みたいな有名ライブハウスで演る時もあれば、搬入口のドアを開けたらそのままそこがステージみたいな、クソみたいに狭苦しいハコで演るとか。
●カナダ・トロントは3月というのに雪が積もってるし、テキサス・オースティンのの巨大イベント SXSW(サウス・バイ・サウス・ウエスト)では、メンバー自身がビラまきしてお客を集めてる。
●飛行機を乗り継ぐ強行軍に疲弊するバンド。機材や楽器の紛失&配送ミス、体調不良で発熱…。言葉としては華々しい全米ツアーの実体は、異郷での辛い辛いドサマワリの旅。苦労してる…。

●そんな苦境にメンバーは、カメラに本心をホロリと明かす。英語MCに手こずるリーダー英之は、ノートにカンペメモを書いてたどたどしい発音の練習。内容は自然破壊に対するメッセージ。「これだけは伝えたいんです。だから恥ずかしいとかじゃなくて、ノートを持って見ながらでもキチンとしゃべらないと。」
●ライブごとに細かい反省をするメンバー。「HY、HY、とかいってライブ始まる前からお客が呼んでくれてるんですよ。日本人そんないないはずなのに。でも、それを盛り上げきれなかったかなと…」
「今回のツアーは、一緒にまわった同じ日本人のバンドに影響されたっていうか…。ステージでの動きとかスゴくって。なんか自分らが恥ずかしいくらいに。勉強になりました」とか(ちなみにこの時は50回転ズオレスカバンドがいたっぽい)。
●そして、そんなアウェーで戦う彼らに、日本のファンが寄せ書きや差し入れを送ってきてくれる。周囲に恵まれていて、そして謙虚な、とてもいいバンドだな。

ハロルド作石「BECK」だって、トントン拍子でチャンスをモノにしちゃう今の展開よりも、こうしたリアリズムなドサマワリを描いてくれた方がオモシロかったと思う。少なくとも初期はそういうマンガだったじゃん。


●これを見てたら、オキナワのコトでアタマがいっぱいになってきた。
●そこでオキナワ系アーティストのCDを紹介。

喜納昌吉&チャンプルーズ「BLOOD LINE」

喜納昌吉&チャンプルーズ「BLOOD LINE」1980年
●いきなりオキナワど真ん中ですわ。ロックバンドのリズム隊と三線の混合戦線で、晴れがましい祝祭感タップリのグルーヴがウネリ、ハイトーンな女性コーラスが聴く者の感情を囃し立てる。歌詞は完全にウチナーグチで、ライナーには日本語対訳を併記。耳にはノンキに響くが、そこには辛辣な政治的メッセージ。そして腐朽の名曲「すべての人の心に花を」が響く。そこに RY COODER がスライドギターを弾き添える。
●このアルバム発表という一撃が、日本のポピュラー音楽界にオキナワの底力を知らしめ、喜納昌吉という才能を知らしめたのですわ。当時の衝撃はスゴかったでしょうね。80年代ニューウェーブの流れで、世界のロックがレゲエやアフリカ、アジアなどエスニック音楽に接近してた時期、なんと足下の日本、沖縄県にこんなユニークで強靭な音楽があったとは!このアルバムに関わった細野晴臣久保田真琴はきっとそう思ったにちがいありません。
喜納昌吉さん自身は、先祖代々の音楽をひたむきにやってきて、今もその志は変わりません。ただし本土の人間が「オキナワを発見」したのです。

●そしてもう一枚オキナワを。

安室奈美恵「CONCENTRATION 20」

安室奈美恵「CONCENTRATION 20」1997年
●おいおいチャンプルーズから、一気にアムロかよ!彼女、確かに沖縄出身だけど、オキナワ音楽に関係ないでしょ。とお思いの方も多いと思います。しかし90年代以降の世代が、政治的歴史的な視点以外から「お気楽にオキナワを意識」するようになったのは、彼女の存在がキッカケです。だから彼女はオキナワにとって重要なんです。
●エキゾチックな容貌肢体を持つ彼女が、最新のユーロビートやR&Bに乗せて踊り歌う活躍ぶりが、本土の一般市民には、素朴にオキナワへ憧れを抱かせ、オキナワの若者には、沖縄民謡から離れてより自由な表現を目指す動機付けになったとボクは思います。
喜納昌吉のやり方は音楽/メッセージ共にホンモノすぎてマネ出来ないが、アムロちゃんの様に普通に楽しくやればいい、そう思えたはずです。ただでさえ音楽が身近にある環境、そこにレゲエやヒップホップ、パンク、ミクスチャーなどなど最新トレンドを取り込んで、ちょっとだけ「しまんちゅ」アイデンティティを忍び込ます。それでいいんだとアムロちゃんが思わせてくれたんです。

●この前は「SWEET 19 BLUES」を聴いたんだけど、ボクが彼女の小室哲哉時代で一番好きな曲はココに入ってました。「A WALK IN THE PARK」。中学生でもわかる簡単な英語タイトルをサビにリフレインするこの曲。小室時代全盛の中で比較的地味ヒットだったような…。でもなんか好きなんだな。耳に残ってた。
「~ A WALK IN THE PARK 一人きり二人とは違うけど A WALK IN THE PARK 地球は私にも今日は優しい」…一人公園を散歩しながら、孤独に沈むアムロちゃん。人気絶頂でありながら、彼女に優しいのは地球だけなのか…。バブル日本最高のディーヴァが虚無感に沈むクールな逆説が印象的だった。ダンスチューンとして機能しながら、マイナーコードに冷めたボーカルまわしが好き。

●ちなみに「CAN YOU CELEBRATE?」も収録。結婚ソングの地位を10年保持しているのは立派なモンだ。コッチには個人的な関心はない。



ここでオキナワとアイヌの関係を考える。アイヌは先日の記事の続き。

「アイヌ民族について考えた」: http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-169.html

オキナワアイヌ。日本列島の南北辺境にある特殊な文化圏。どちらも素晴らしい独自性があるのに、なぜオキナワは昨今高く評価されていて、アイヌはそうなれないのか? チャンプルーズ、安室奈美恵、SPEED、オレンジレンジ、HY、MONGOL 800、日本の音楽シーンにオキナワは大きな影響力を持っている。アイヌは現状そうはなっていない。その違いを考えたい。

●まずはアイヌオキナワの共通点。
●DNA調査では、本州を挟んで、アイヌオキナワの人は似通った特徴があるという。朝鮮半島経由で流入した渡来人と混血を進めた本州日本人に対して、縄文時代から暮らしていた人々の名残をアイヌオキナワはそのまま残している。オキナワは琉球王国として独立していた歴史を持つ。だからオキナワアイヌと同じように、日本人とは違うエスニックグループと位置づけてもいいのかもしれない。
オキナワにもアイヌと同じく歴史的悲劇が数々ある。アイヌと同じく江戸時代に独立を奪われた。戦前~戦中は同化を強いられ、地上戦で多くの民間人が命を落とした。その後70年代までアメリカ占領下におかれ、現在も県面積の20%を米軍基地が占めている。

●次にアイヌオキナワの違う所。
●まずは人口問題だ。沖縄県の人口は137万人。アイヌ民族は全国に5万人程度。村上龍が対談した韓国人作家は「国民文学が成立するには人口4000万人が必要」と発言していた。「韓国は母国語文学を成立させるギリの人口」だという主旨だった。文化の発展は、人口に大きく左右される。
オキナワ「しまんちゅ」アイデンティティ意識は、世代を問わずとても強い。活発にその郷土文化が拡大再生産されている。食生活、音楽、方言…。若い世代が積極的に継承している。県民全体が同じ歴史を共有し、文化を共有してる。それが県民を一体化するだろうのか?
●北海道には、その土地の中で収奪したもの(和人)と収奪されたもの(アイヌ)の対立がある。今やアイヌ文化は北海道の重要な観光資源のはずなのに、道民一体になっての「アイヌ」アイデンティティは未熟だと思う。

●しかもアイヌ文化は、より徹底して破壊され、差別され、疎まれてきた。
●狩猟収穫生活を事実上禁じられた段階で、アイヌは食文化を抹殺された。主食のシャケを禁漁にされた時の彼らの気持ちはどんなものだったろう。アイヌ料理を出す店が中野にあるが、オキナワ料理に比べればまだまだマイナーな存在だ。
アイヌ語も不当に冷遇されている。北海道にはユニークな地名が数々あるが、その90%がアイヌ語起源だ。金田一京介先生の時代から連綿と学術研究がなされ復興運動も行われている。口承文学「ユーカラ」も日本語に翻訳され多く紹介されるようになった。しかし、オキナワのウチナーグチのようにラジオ/テレビをひねればすぐに流れ出て来るような状況はない。
●伝統的な宗教行事も批判にさらされている。アイヌの重要な祭儀「イオマンテ」は、子供の頃から育てたクマを殺して、神様として天にお送りするというものだ。これが動物愛護団体と衝突している。これも非常に難しい問題だ。
●民族音楽もオキナワのように次世代のポップミュージックへ昇華される段階には至っていない。トンコリ奏者 OKI さんの活動(OKI DUB AINU BAND)以外に、アイヌ音楽をポップミュージックと合体させる試みをボクは聴いた事がない。

OKI DUB AINU BAND「OKI DUB AINU BAND」

「OKI DUB AINU BAND」/「CHIKAR STUDIO」:http://www.tonkori.com/

●このままでは、アイヌ文化は博物館の中に陳列されて、骨董品になってしまう。標本ではだめなんだ。今生きている人間による現在進行形のモノへと、拡大再生産しなくてはならない。ファッションへ、グルメへ、ポップミュージックへ、カタチを現代のフォーマットに変換させて豊かにすることはできないのだろうか?
●それを、和人文化への迎合/堕落、和人によるアイヌ文化の新たな収奪と、考える向きもあるかもしれない。喜納昌吉さんは「BLOOD LINE」制作時を振り返り、「あの頃は周囲が私を沖縄という根っこから切り離そうとする傾向が強かった」と言っている。これが意味するのは、有形無形問わず本土がオキナワへ介入し収奪する状況があったことだと思う。これと一緒ではダメだ。
●ただし現代日本は、先住民族アイヌが紡いだ、自然と美しく調和した世界観から、多くを学ぶべき時代に直面しているはずだ、とボクは考えてる。和人とアイヌの美しいコラボレーションが成立する可能性はあるはずだと思う。

「サザン再聴キャンペーン」改め「サザン過去シングル」捜索の旅。
●70曲余もある、アルバム未収録曲を全部揃えないと気が済まなくなってしまったボクは、病院の行き帰りに様々なレコード屋を探索して、コツコツ収集を進めている。2週間ほどの努力で、コンプリートまでもう少しという戦況。
●この極端な「凝り性」な性質が、仕事の完璧主義になって病気の原因になったってのは、自分でも痛いほど分かってる。バカだよなホントに…。
●心療内科の先生にもちゃんと報告しましたよ、「ホントにアホな話で恐縮ですが…」って前フリして。70曲のリストを見せながら「実はサザンで持ってないレコードがこんなにある事に気付き、どうしても欲しくなっちゃって、色々探してるんです」先生もさすがにあきれ顔で「unimogroove さんて、ホントに何でも頑張っちゃう人なんですね…。ほどほどにカラダを休めてくださいよ」


●昨日も病院帰りに「サザン過去シングル」を目指し、神保町へ向かった。久しぶりの神保町。個性的な古本屋の雰囲気はボクの大好物だね。
●8年前頃、よく立ち寄ってた老舗の喫茶店「さぼうる2」でゆっくりお茶。体力が圧倒的にない今のボクは、2時間毎に30分お茶休憩を入れることで活動時間を伸ばす方法を編み出した。古書街の古い喫茶店で優雅に読書。いいねえ。老後はこう生きたいね。

●目指すレコード屋は決まっている。レコード一筋70年の老舗「富士レコード社」だ。
●これは知る人ぞ知る名店。昭和戦前の SPレコード(75回転)から、クラシック、歌謡曲、そしてアニメソングまで、あらゆる中古レコードを取り扱う。商品はどれも美しく、店員さんの知識は大変なモノで、在庫内容も完璧に把握してて、問合せにも実に丁寧に対応してくれる。神保町界隈で4つの直営店があるのだが、ある店で在庫がなければ、在庫のありそうな支店へ電話確認してくれたりするのだ。いる。レコードを芸術品として取り扱うその思想は崇高で、蓄音機で大昔のSP盤をみんなで聴くレコードコンサートを企画したりしているほどだ。
●仕事で希少盤を探す状況になれば、まず必ず最初に電話したものだ。今でも後輩に「神保町に行け」とアドバイスしてる。そんなお店だ。

「富士レコード社」: http://www.fuji-recordsha.co.jp/

●4つの系列店のうち最初に目指したのは、これまた神保町の古き良きシンボル「神田古書センター」の9階にあるお店だ。「古書センター」だけでもボクは何時間も過ごせてしまう。2階の欧風カレー屋「ボンディ」も絶品だ。が、今は体力がない。速やかにカウンターのオジさんに在庫を聴く。
●確かに、バッチリな在庫だった。ただ残念ながら高い!ドーナツ盤1枚800円では、新譜再発CDと変わらない。くうう。しかしこれはこのお店の価格設定としては妥当だ。駄盤を叩き売る商売ではないのだ。そこでドーナツ盤購入を諦めて方針転換。「すいません、8cmのCDシングルはありませんかね」「ココにはないけど、別の店なら扱いがあるね」

●早速二軒目の系列店「三省堂CDレコードショップ」へ。三省堂とは言いながら、三省堂の隣にピットリくっついているチッコいお店だ。早速8cmコーナーをチェック。うおお!ボクの欲しいの全部ある!スゲエ!さすがだ!が、しかし!やっぱり800円!ガッカリ。

●一応三軒目の最新店舗「自遊時間レコード社」もチェックするがここも同じ。スゴスゴと神保町を撤収することにした。

●帰りの乗換駅・渋谷で、もう一度再チャレンジすることにした。体力回復のためウェンディーズでお茶休憩をとり、向かったのは「YELLOW POP」渋谷店だ。
「YELLOW POP」は下北沢(←本店?)にもあるお店で、今イチ趣味が合わないので滅多に買物しないが、今回のサザンキャンペーンで初めて1枚買った。だからもしや渋谷店に掘出し物が…と思ったのだが、これも空振りであった。くそー、簡単なのはゲットし尽くして、これからはレア度が高くなってくんだな。

「YELLOW POP」: http://www.yellowpop.jp/index.html

●1枚も収穫がないのは辛すぎると、最後の悪あがきと思って「レコファン」渋谷BEAMS店をチェックしてみた。先週チェックしたばかりで、もう必要なモノは掘りきったハズなのだが…。
●しかし、ここに意外な結果が! 先週はなかったドーナツ盤が沢山入ってる。おお!しかも価格は100~280円。グッジョブ、レコファン! なんでこんなに新しいの入ってるの?店員「ちょうど昨日の夕方、たまたま入荷があったんですよ」よっしゃ!ラッキーだ。今日のボクはラッキーだ。6枚買っても760円。

「レコファン」: http://www.recofan.co.jp/

この日はさらに大きなラッキーが。
●時間は既に夜8時。休憩を挟んだとしても体力の限界時間になっている。速やかに井の頭線入り口に歩いていた。そこに「あれ、unimogroove さん?」との声。振り向くと、そこには8~9年前、一緒に仕事をしていた懐かしい同僚&後輩の姿が。「おー!久しぶり!」感動だ。感動の再会だ。今日のボクは実にラッキーだ。

●今でこそ同業他社で働く立場だが、その懐かしの同僚 Mくんと Fちゃんは、ツラいツラい下積み時代を共に過ごした仲間だ。何日も狭いタコ部屋で徹夜仕事をこなし、上司先輩の理不尽な要求を協力しながら共にこなしてきた。時に手が出るコワいボスにビクビクしながら、そんなボスにおいしい西麻布の焼肉をおごってもらうのが楽しかった。
Mくんは、ボクの会社を離れた後才能を開花させ、その敏腕と根性を買われ硬派な物件を数々手がけている。Fちゃんは仕事の内容を変えて自分の時間を作り、真剣にバレエに取り組んでいるという。「この前はワタシ、コンクール出たんですよ。」「やっぱり、なにか人を感動させるコトをしてみたいって気持ちがずっとあるんです」Fちゃんはボクよりも2歳若い後輩だが、関西仕込みの明るさは全然変わってなかった。
●うちのコドモもバレエやってんだよ。今度発表会もあるし。技術はまだまだだけどね。ただ、リベラルな幼稚園と違う、厳しいスポ魂めいた緊張感を初めて味わって、自分の短い出番を待って、長い時間黙って静かに座ってられる集中力と忍耐力が芽生えてきたね。

●ボクの自律神経失調症と、会社休職の話もした。「見てくれよ、これが精神安定剤ってヤツで、これが睡眠薬。病院行く度にね、どんどん強力なのが出てきて、ホント平気かよって!笑っちゃうでしょ!この病気ホントヘンテコでネタとして最高じゃないかと思って。」正直自分の状況を笑い飛ばしてもらいたかったし、ホントに久しぶりに楽しく会話ができた。


●さてここで1つ久しぶりに病気のお勉強。
自律神経失調症とのお付合い(その11)~「同僚/友達に会っちゃダメ」編

●これは直接の自律神経失調症とは違う観点から、ボクが複数の医者から言われている事だ。今の段階(休養一ヶ月程度)では、まだ心理状態が不安定なので、家族以外の人と接触するのは避けた方がいい、という。「とにかくアナタは病気なのだから、ゆっくりしてなさい」基本的にそればっか言われてる。色々自分なりに推論を含めて、医者が言う「同僚/友達に会っちゃダメ」を考える。

●なぜ「同僚/友達に会っちゃダメ」なのか?
●その1。ボクは明らかに病気なので、心理的精神的にとっても不安定になっている。そんな中、友人に会うコトで、予想できない動揺やダメージを被る可能性があるというわけだ。例えば「みんなバリバリがんばっているのに、一人ボクはナニやってんだ…」と落ち込んだり、「ボクが休んだ事で迷惑かけて申し訳ない」と引け目に思ってしまったり。これが心理的に悪影響を及ぼして回復を遅らせるという。
●その2。会社関係者じゃなくて純粋な友達ならイイじゃないか。という考えもある。しかし、友人だからこそのアドバイスや励ましが、かえってダメージを与える可能性もあるのだ。それに、正直今のボクはホントにつまらない事に動揺したり極端にイラついたりと、感情が不安定なのは事実だ。友人に対して失礼な事をしたり、イヤな思いをさせてしまう恐れもある。そしてそんなコトをしてしまった事をずっとクヨクヨ悩んでしまう可能性がある。
●その3。ボク自身ではなく、相手への影響。一見「なんだ、大丈夫そうじゃん」と思うんです、誰もが。見た目は普通だから。異常な瞬間を目の当たりにしないと、健康な人間と疑わないでしょう。でも病気なんです。この理解が食い違うとツライ。ムリなのに「イケルでしょ?」と思われるのは大変だ。


●さて、昔の仲間 Mくん&Fちゃんの再会は、そんな中どうなったか。さんざん医者に「同僚/友達に会っちゃダメ」と言われてるクセして、ボクは自分から「ちょっとでもお茶しない?」と誘ってた。この一ヶ月、家族と医者としかほとんど会話してないんだもの。どれだけボクが普通の親しげな会話に飢えていたコトか。二人を下北沢のカフェに誘い、23時まで語り込んでしまった。結果、ぼくのココロはとっても晴れ晴れした。「ホントにありがとう、今日は二人がとってもいいクスリになってくれたよ!」心からそう思った。

●終盤、夜のクスリ切れと会話の興奮状態で、ボクの手はブルブル震え出してきた。メール交換しようにも「ゴメン、今、字、チョー汚いでしょ、手が震えて字も書けなくなるんだよ」別れ際は、ほどけた靴ヒモを掴めもできなくなっているボクを気づかって、Fちゃんがさっと結んでくれた。家に帰ると「ココ最近で一番明るい顔をしてるね」とワイフに言われた。

●総括1。今回、心理的な動揺は起こらなかった。これもラッキーなのか? 場合によっちゃヤバいことにもなるから、慎重さは忘れずに行こう。
●総括2。23時までの語り込みなんてホント久しぶりだった。ボクの自律神経は完全に興奮状態になり治まらない。家に帰ってクスリを飲んでも全然眠れなかった。2時間弱くらいかな。興奮/安静のオン/オフ機能はやっぱ狂ったまんまだ。
●総括3。朝に筋肉痛を感じた。アゴ、首の横とノドの筋肉だ。緊張にこわばっている。会社休職前にさんざん苦しみ、鍼灸治療でドスドス針を打ち込んだ場所だ。それがこの休養生活に入って初めて復活した。今まで、この首まわりの緊張と痛みは、肩コリや眼精疲労の延長だと思ってた。でも違う。これは、しゃべる事で使われる筋肉の緊張なんだ。目からウロコの発見だ。


●この「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-223.html
 


ボク、フランス語に挑戦してみます。
●ヒヨコがひらがなを覚えるのに悪戦苦闘しているのを見てて、未知の文字システムを理解する難しさを、自分で身を以て体験してみるのはどうだろうと考えた。
●ヒヨコは日本語をしゃべれるけど、日本語で使われる記号(ひらがな/カタカナ/漢字)がどういう秩序で「あいうえお表」で並んでいるのか、全然わかってない。そんなレベルから最終的に完璧に習得させるためのカギを見つけるために、自分もそういう状況に追い込んでみよう。フランス語なんて、ボクにとって完全に未知の世界で格好の対象だね。

篠田勝英「はじめてのフランス語」

篠田勝英「はじめてのフランス語」
●……と思ったけどムリムリ! 語学大嫌いで英語もダメなボクにフランス語なんてムリ! 小文字 ”e” の上に色々な点々が乗っかって、その点の向きで発音が変わる。ダメダメ、今の病気のコンディションでこんな勉強始めたら、病気が悪くなっちゃうよ。
●いやあ、ヒヨコは今いかに大変な局面に立たされているか、十分理解できたよ。パパも来年くらいメドで、フランスの俳優さんの名前とか映画のタイトルくらいまで分かるようになるよう頑張るわ。


アイヌ民族についての勉強。
●去年の旭山動物園旅行と6月の札幌出張で、ボクの中では北海道の先住民族「アイヌ」の歴史や文化がマイブームになっている。札幌出張でもアイヌ関係の書籍を買ってきて、やっと読了した。難しかった…。今回の本のテーマは、アイヌ民族への収奪と差別の歴史だったからだ。

萱野茂/他「アイヌ語が国会に響く」

萱野茂/他「アイヌ語が国会に響く」1997年

上田伝明「アイヌ民族を考える」

上田伝明「アイヌ民族を考える」2007年

まず、アイヌ民族の基礎的なおさらいから。
●氷河期が終わり、一万年続いた縄文時代で日本列島各地に人間が多く住むようになった。そして紀元前5世紀、朝鮮半島から稲作中心の農耕文化が渡来し本州は「弥生時代」に移行していく。しかし北海道にはこの「弥生文化」は伝播せず、独自の社会進化を遂げていったのだ。
●稲作農耕をせず、狩猟採集の生活を続けた北海道の人々は、「続縄文文化」「擦文文化」と呼ばれる時代を経て、13世紀頃「アイヌ文化」を形成するに至る。アイヌ民族は、この頃東北地方から北海道全域、千島列島、サハリンまでに分布し、大陸の民族とも活発な交易活動をしていた。元王朝衰退期には、サハリンを舞台に元の軍隊とアイヌ民族が戦闘した記録もある。中国東北部、極東ロシアの先住民族と、アイヌの文化は近似性も強い。東北アジアに大きな文化圏が形成されていたのだ。
●しかし、中世~江戸時代に入ると、本州の和人が北海道(当時は蝦夷地)に進出してくる。純朴なアイヌの人々に付け入って、不利な交易条件を押しつけ生産物を収奪し、安価な労働力として不当に使役した。そして明治時代。富国強兵殖産興業で帝国主義列強に肩を並べるため、そして北から迫るロシア帝国の圧力に対抗するため、北海道は大きく翻弄される事になる。

「北海道旧土人保護法」
●これは、1899年に作られ、1997年まで残っていた、日本政府のアイヌ対策基本法の名前です。「旧土人」ですわ! これほどの差別表現がつい10年前まで国の法律としてまかり通っていたのですわ。
「大地は全ての生き物、神々のもの」と、土地の個人所有概念を持たなかったアイヌの人々に対して、明治政府は「この土地は所有者ナシにつき、国有地とする」と決めつけ、アイヌから生活の場所を奪い取った。漁業や鹿猟は免許制だという法律を作って、狩猟採取を軸にした彼らの生業を奪い取った。豊かな土地は和人の開拓者に払い下げられて、アイヌの人々はより僻地へと追い立てられていった。本州から新しい伝染病を持ち込まれ、人口も激減した。
●明治政府のスタンスは明白だ。この未開の原住民を教化し、日本人へと同化すること。列強に対抗しうる「皇民」に仕上げる事。アイヌ語を退け日本語教育を押し進める方法と、日本人風の名前に改名させる創氏改名の方法は、その後の台湾/朝鮮半島支配にそのまま応用された。今回知ったのだが、大量虐殺=ジェノサイドという言葉に対して、こうした民族アイデンティティの抹殺行為をエスノサイドというらしい。
●そして戦後。アイヌの過酷な生活環境に変化はなく、差別意識と収入格差、教育水準の低さなど、様々な問題が放置されてきた。中曽根首相の「日本は単一民族国家」発言など、アイヌの存在を無視した社会が固定化しようとしていた。

「アイヌ語が国会に響く」の著者、萱野茂さんはアイヌ民族初めての国会議員である。村山政権下で当選、アイヌ民族への政府の認識を覆すために様々な運動をした人。書名にあるように、彼は国会での質問機会に一部アイヌ語を駆使した。彼らの苦労の甲斐あって1997年「アイヌ新法」が成立する。アイヌ民族の文化振興のための法律だ。この本は、萱野さん周辺がどのような思いで、この法案を編み成立させるに至ったかが書かれている。こうした現実を知って、日本人としてとても苦い思いになる。

上田伝明さんの「アイヌ民族を考える」はその「アイヌ新法」以後の状況を考察している。
萱野さんらが提案してきた「アイヌ新法(案)」は、国連が先住民族の権利を認めようとする「国際先住民の10年」の流れ、いわゆる「先住権」という考え方にあるものだが、日本政府は未だにアイヌを独立した先住民族だと明白に認めようとしていない。そしてこの収奪と差別と圧迫の歴史に対して正式に謝罪するつもりもない。
●これに対して上田氏は、アメリカの各州政府が地元先住民族の人々に対して行っている補償問題と日本のアイヌ政策を比較している。アメリカでは彼ら先住民族への謝罪、金銭的補償など具体的な方策がとられている。アメリカは、建国以来国土を西へ広げていく中で、各部族と条約を結んだりしているのだ。結果的にはやはり悲劇的な歴史がココにも繰り広げられるのだが、でも冷静に過去を清算する良心が残っている。

●アイヌの人々は温厚だ。基本的に争い事を好まず、トラブルはとことん議論することで解決する。これをアイヌ語で「チャランケ」という。3日3晩飲まず喰わずで議論を続けたという。
●世界の少数民族の問題は数々ある。チェチェン共和国の分離独立運動は泥沼の内戦になっているし、トルコ・イラク国境地帯のクルド人も、激しい独立運動を展開し、トルコ軍数千人が国境地域に展開している。インドネシアではスマトラ島のアチェーで、タイでは南部のイスラム過激派住民が武器を持って山中に立てこもっている。イギリスも長く北アイルランド問題で IRA のテロに悩まされてきた。
●アイヌの人達が、武器を持って山中に立てこもり、和人の侵略者を虐殺するとしたら? 他の国の事情を見れば別に全然珍しくない。でも、そんな方法をとらないのはアイヌの素晴らしい文化と哲学の結果なのだ。そんな彼らに敬意を表し、十分な「チャランケ」を尽くして新しい共存社会を作っていきたいと思った。


今日のBGM。まずはニューオリンズ。

JAMES BOOKER「CLASSIFIED」

JAMES BOOKER「CLASSIFIED」1982年
●ニューオリンズが生んだ天才ピアニスト。バンドと演ろうが一人で演ろうが、ブルースにもジャズにもファンクにもなってしまう味のあるピアノと声。セッションピアニストとして共演した人間を挙げれば、FAT DOMINO、B.B. KING、WILSON PICKETT、ARETHA FRANKLIN、JERRY GARCIA (GRATEFUL DEAD)…と枚挙に暇がない。そんな彼の生前最後の録音。44歳の若さでこの翌年亡くなっている。あと、この人、理由が分かんないんだけど隻眼。右目が不自由。で眼帯をつけている写真が多く残ってるんだけど、その眼帯が猛烈にオーラを放っているんだよね。

STEVE RILEY AND THE MAMOU PLAYBOYS「TRACE OF TIME」

STEVE RILEY AND THE MAMOU PLAYBOYS「TRACE OF TIME」1994年
「ケイジャン」というスタイルの音楽がある。ニューオリンズのあるルイジアナ州はフランス領だった時期があり、フランス系移民が多い。カナダのフランス語圏地域から強制移住させられた移民は独自のコミュニティを形成して独自の文化を熟成した。それが「ケイジャンミュージック」である。ルイジアナには複雑な歴史的事情が地層のように折り重なっていて、それが独特の豊かな文化を育んでいる。
●このSTEVE RILEY という人は当時24歳、ケイジャンの未来を担うと嘱望された若手天才アコーディオニストだ。軽快なカントリー調音楽の中を縦横無尽にアコーディオンが跳ね回る。バイオリン(フィドルって言うべき?)もいい味を出してるねえ。ケイジャンだから歌詞もフランス語だ。

厳密にニューオリンズじゃないけど南部出身のスワンプロックを。

20070808015902.jpg

LEON RUSSEL「THE BEST OF LEON RUSSEL - A SONG FOR YOU -」1972~1976年
●真っ白いロングヘアーと長ーいアゴヒゲ。泥臭いスワンプロックを鳴らすオヤジだ。でもこの人の曲は、アレンジ次第でとても洗練された美しい音楽にもなる。例えば GEORGE BENSON にカバーされた「THIS MASQUERADE」。本人にやらせるとルードな泥臭いカントリーロックだけど、BENSON 版は洗練されたR&Bになる。代表曲「A SONG FOR YOU」も男性女性多くの人にカバーされてる(例えば CARPENTERS とか)。本人版はいたないピアノバラードだけど。ちなみにこの曲でボクはこの人が大好きになりました。
●もひとつ発見。90年代渋谷系時代のスチャダラパー一派にいたアーティストかせきさいだぁの曲「冬へと走りだそう・再び」のネタ元をこんなトコロで発見した。「BLUEBIRD」という曲のイントロの繊細なピアノフレーズを、かせきはループ使いしてる。直でサンプルしないで、弾き直してると思うけど。かせきさいだぁは何年も聴いてなかったのにハッと記憶が甦る。音楽って不思議だね。かせきはっぴいえんど鈴木茂をサンプルする人だから意外でもないけどね。

<LEON RUSSEL「STOP ALL THAT JAZZ」

LEON RUSSEL「STOP ALL THAT JAZZ」1974年
●へんなジャケ。釜ゆでにされちゃってます。調子に乗ってもう一枚聴いたけど、ここでは印象的な曲がなかったな。70年代のフォークシンガー TIM HARDIN のカバーと、PHIL SPECTER が作曲した「SPANISH HARLEM」をやっぱり泥臭く演ってる。札幌で1000円だったかな。

ついでにもう二枚。ハードロックを。
●ちなみにハードロック/ヘヴィメタルは、ボクは大嫌いだ。でも聴く。

VELVET REVOLVER「LIBERTAD」

VELVET REVOLVER「LIBERTAD」2007年
AXEL ROSE があまりにダメ人間なので、完全が機能不全に陥った GUNS 'N' ROSES の残りのメンバーが作った裏ガンズとも言うべきバンドです。SLASH をはじめリードギター、ベース、ドラムまで、まんまガンズだもん。サイドギターは後輩を連れてきて、ボーカルには元 STONE TEMPLE PILOTS SCOTT WEILAND を抜擢。そんな連中の2枚目です。……でもガンズ全盛の時の魔法みたいな勢いは感じられないんだよな。普通のロックバンド。あの頃のガンズには、確かに魔法がかかってたと思うんだ…。

319zL3IuiwL.jpg

IAN GILLAN「GILLAN'S INN」2007年
●こちらは全盛期の DEEP PURPLE でボーカルを担当していたヘヴィメタ界の伝説的シンガー。その彼の芸歴40周年記念で彼の代表曲を再録したアルバムがこれ。DEEP PURPLE 時代の曲では「SMOKE ON THE WATER」「SPEED KING」の2曲だけ。あとは自分のバンドの曲。DEEP PURPLE の曲だけ思い入れを込めて聴けた。ただそれだけ。

ノマドとヒヨコとワイフは伊豆旅行。で病人のボクは一人お留守番。
●ヒヨコの友達カノちゃんのお母さんの実家が伊豆にあって、是非遊びにいらっしゃい、とのこと。我が家だけではない。結果コドモ7人ママ多数という大グループで遠征に出かけた。そんな大人数収容できる実家ってどんだけデカイんだろう? 稼業はおサカナ屋さんというから、おいしい鮮魚をさぞたっぷりごちそうになるのだろう。

ボクは淡々と一人を過ごす…つもりだったが、なんとボクの母親が訪ねてきた。
●ボクの一人を心配したのか、実家からわざわざ訪問。ボクは三軒茶屋に行くつもりだったので(また例の「サザン過去シングル探し」だけど)、成り行き上、母子で散歩する事になった。こんな一対一のシチュエーション、何十年ぶりだろうか? 一緒にバスに乗り、レコード屋を巡り、ドトールでアイスティーを飲んだ。今ではバスでもスイカが使えるんだと教えてやった。へんな気分だ。
夕方には父親もボクのマンションを訪ねてきた。3人で出前を取って食べた。これもかなり不慣れなシチュエーションだ。何年ぶりだ?この3人だけの配置。なぜか「プリズンブレイク」ファーストシーズンのDVD全巻を貸してくれた。見舞いの品が「プリズンブレイク」か…。微妙にズレてるような気がするのはボクだけか…?

●進学でも就職でも結婚でも出産でも、あまり細かくは両親に相談した事がない。いつも自分で勝手に決めて事後報告って感じだった。今回の病気の件も多少説明したがどんだけ理解したかどうか。多分結局は「自分でどうにかするでしょ」って思ってる。その「自分でどうにかするでしょ」はいい意味での信頼と解釈していいのかな?

●ライブDVDを観てる。

スガシカオ「SUGA SHIKAO IN 日本武道館 - SHIKAO  THE FAMILY SUGAR - FAN-KEY PARADE 07」

スガシカオ「SUGA SHIKAO IN 日本武道館 - SHIKAO & THE FAMILY SUGAR - FAN-KEY PARADE '07」2007年
●この武道館公演、ボク生で観てるんだよね。それをDVDで観るってちょっと変な感じ。でもバンドの強靭なファンクも、本人のボーカルもよく聴こえて、よりしっかり楽しめた。ライブでは勢いで聴き飛ばしちゃうんだけど、今回は歌詞をキチンとなぞって聴いてみた。
スガシカオは、当世一級のリリック・ライターだ。「夜空ノムコウ」「REAL FACE」など重量級ジャニーズ大ヒット物件を伊達に担当してるわけじゃない。それが十分堪能できたんだ。
●彼は遅咲きのアーティストでデビューは30歳。前職は代理店のサラリーマン。今回の公演はデビュー10周年記念だから現在40歳。そんな経歴と年齢のせいか、「大人の分別ある諦め」が歌詞世界を貫いている。そんな上手いコト行く訳がない、どうせナニをやっても無理、って分かりきってる。
●でも、ソコにただの一滴だけ、甘酸っぱい希望とかロマンとか愛情とかが、溶かし込まれてる。分別ある大人達は、社会のルールも、そのルールの成り行きも全部分かってるけど、それが何かのキッカケで破れる瞬間を待っている。スガさんの世界って、その甘酸っぱい瞬間を歌ってるんだと感じた。

「分別のある大人」って何時になったらなるんだろう。30歳?40歳?50歳? 「青春」って何時まで続くんだろう。33歳のボクは今どこにいるんだろう? 人間の一生を一年の季節に例えるなら、「青春」「春」。でボクはそっから「夏」に向かおうとしてる。太陽はカンカン照りで猛烈に熱くって、クソみたいに忙しくて。
●夏の全校集会で、貧血起こしてブッ倒れる子供ってよくいるでしょ。ボク、そういうタイプの子供でした。あんまり毎日が熱くって、今回もブッ倒れた。自律神経失調症という病気になって、とりとめのない夏休みに入っちゃった。宿題もあるんだかないんだか…。いつ終わるか決まってない夏休み。二学期も熱いんだろうな…。スガシカオさんは歌ってますよ「あのころの未来に ボクらは立っているのかな… 全てが思うほど うまくはいかないみたいだ」

●もう1枚ライブDVDを。

コブクロ「LIVE TOUR 06 WAY BACK TO TOMORROW FINAL」

コブクロ「LIVE TOUR '06 "WAY BACK TO TOMORROW" FINAL」2006年
●このツアーも観に行ったっけ。武道館? DVD収録は最終日の名古屋公演。この人達も苦労人だ。ソングライターの小渕さんも前職は営業サラリーマン。歌い始めたのは9年前。誰も振り向かない路上で二人の活動が始まった。そしてやっと上り詰めた武道館&全国ホールツアー。現在二人とも29歳。
●彼らの音楽には、粘り強い努力を前提とした希望がある。どんなに分が悪かろうと負けない強さを歌う。直球勝負の彼らに比べれば、スガさんは、スレたヒネクレモノだろうな。
●それでいて、メッセージに円熟味がある。29歳なりの人生とガブリ四つで組み合ってる。だから「永遠にともに」みたいな結婚ソングが書けるんだ。年相応に彼らは進化してる。
●比較を1つあげるともっと分かりやすくなる。同じく路上出身の「ゆず」はどうだろう。彼らも現在29歳。でも彼らはいつまでたっても路上の少年。コブクロゆず、同い年に見えないでしょ。永遠の瑞々しさを要求されている。
●ボクは彼らコブクロのように粘り強い人間じゃないからね。子供の頃から変わらず虚弱なガキのままだ。


●以前 GOO で作ってたブログの内容に、AMAZON からのジャケ情報を足してコッチのブログに一部再録しました。ジャケが入るとカラフルでイメージがよりキチンと伝わるね。差し当たり去年12月~今年4月分を再録。ご参考に。



ヒヨコ、公文式に妙なやる気。
●自律神経失調症のおかげで睡眠時間が安定しないボクは、朝6時頃から意味なく起きていたりしている。そこに7時頃ムクッと起きたヒヨコが突然「クモンやる!パパいっしょにやろ!」朝飯もトイレにも行かずに、いきなり公文の宿題かよ。どうしたんだ? でもやる気を削いでもしょうがないから丁寧に付き合う。
●で、全然読めない。数字の数え方を練習するのだが、「16」「19」の区別がどうしても出来ない。ボク「ヒヨコ、確かに6と9は兄弟だ。ひっくり返すと同じになっちゃう。でも覚えてちょうだい。9はアタマが大きいお兄さんだ。で6はおシリが大きい弟だ。おシリが大きいヒヨコと一緒だ!」
●朝ッパラからアタマをギュッと使ったら、気持ち悪くなってきた。神経がヘンな緊張を起こしている。仕方ない、精神安定剤を飲む。くー、ヒヨコの勉強に付き合うにも難儀するほどのカラダかよ。

●マンガ読書。

毎日かあさん4 出戻り編

西原理恵子「毎日かあさん 4 出戻り編」
●以前このブログでも紹介した「酔いがさめたら、うちに帰ろう」の著者であり、西原理恵子さんのパートナーであったカメラマン鴨志田穣さんが、離縁していたはずの西原家に出戻ってきた。彼は重度のアルコール中毒で、それが元で西原さんと離婚に至るのだが、アル中治療の入院生活でガンを発症したことがわかった。それがキッカケで、再び西原家は4人家族になるのだった。
●小学生のお兄ちゃんと保育園の妹ちゃんは、相変わらずパワフルに毎日を暴れ回って過ごし、大人はそんな子供の逞しさにいつも驚かされる。
●そして。既に報道された通り、パートナーの鴨志田穣さんに死が訪れる。42歳の短い人生。その散り際を西原さんは描く。
●ワイフが「私不覚にもこの本読んで泣いちゃったよ」という。ワイフがそういうことを言うのは珍しい。ワイフ「どうして、こんなにダメな人を好きになっちゃうんだろうね」ボク「程度の差はあれど、あんたもボチボチのダメ人間と随分長く付き合ってるよ。病気だし。そこはどうなのよ?」ワイフ「だから、そこんトコロもっと細かく教えてもらいたかったのよ!なんでなのかって!」

「酔いがさめたら、うちに帰ろう」:http://unimogroove.blog4.fc2.com/index.php?q=%B3%FB%BB%D6%C5%C4

●他にもマンガ読書。

鈴木みそ「銭」第1巻

鈴木みそ「銭」第1巻
●現世を彷徨う生霊と幽霊たちが、日々のお金を稼ぎ出すために必死な生者を俯瞰位置から見下ろしている。
●マンガ雑誌運営の仕組みや、コンビニ経営の仕組み、アニメ産業従事者の給与など、知られてないお金の仕組みを剥き身で曝す。その上でそのお金の巨大循環システムにマッチしない「将来」とか「夢」とか「家族」とかの幻想が、資本主義の濁流の中で流されていく様を、生霊と幽霊たちが、俯瞰位置から見下ろしている。
●カワイい画のタッチにこそ救いがあるが、これは単純に格差社会の露悪主義。流されないナニかに生者はすがってもがいて踏ん張るしかない。だってそれが生きるってコトでしょ。

福島聡「機動旅団八福神」第6巻

福島聡「機動旅団八福神」第6巻
●最新鋭パワードスーツ兵器「福神」を巡り、この世界で何かをもくろむ中国軍事政権とアメリカ軍需産業。アメリカ軍の捕虜となった謎多き少女・半井アヤを救うため、敢えてプロパガンダの片棒を担ぐ決意をした主人公・名取。一方半井は捕虜の身でありながら超人的な身体能力とその暴走する狂気で、米財界幹部を殺戮。そしてもう一人の狂気、アメリカ軍生体兵器のエースパイロットに出会う。

岩明均「ヒストリエ」第4巻

岩明均「ヒストリエ」第4巻。
●後にアレキサンダー大王の書記官になる、スキタイ人の秀才エウメネス。その波乱に満ちた生涯を、「寄生獣」岩明均が描く。彼は今古代史に興味津々だね。
●富裕層の子息として育てられたエウメネスは、突然奴隷身分に降格売り飛ばされる。しかし奴隷船が難破して黒海沿岸のとある村に漂着。これが前巻までのお話。
●ギリシャ系の教養とスキタイ系の戦闘センスで、徐々に頭角を現す彼の実力。ギリシャ人の植民都市から軍事的圧力を受ける小さな村を、彼は鮮やかな策略で救う。そんな彼がアレクサンダー大王の家庭教師でもあったギリシャ哲学の巨人アリストテレスに出会うのは、どうやら次の巻かしら…?


「サザンオールスターズ再聴キャンペーン」の続き。
●今日は、吉祥寺に遠征。本来は公文式教室に通うノマドヒヨコに筆箱や文房具を買ってやるのが目的だが、その間アレコレ探索して、サザンのアルバム未収録シングル曲を探す。
●まわった店は4軒。レコファン、DORAMA、ブックオフ、そして RARE 吉祥寺店。12cmCDシングルはココまで回ってほぼ全部網羅した(最近全タイトル再発されたヤツは別ね)。約70曲のうち残りは15曲ほど。全部8cmシングル時代か、7inch EP盤の時代だ。こっからは探すのが難しいぞ。大体8cmシングルを扱ってる店がもうほとんどない。あれば50円くらいの激安だけど、扱ってないんじゃしょうがない。EP盤になると価格が高くなる。真っ当に買えば800円くらいする店も多いだろうが、そしたら再発CDシングル買えばイイ。ボク的には一曲単価100円~300円で探したい。500円でも高い…。AMAZON のユーズドなら1円とかで叩き売られてるけど、配送料340円でダメ。

●そんなことしてるだけで、また具合が悪くなる。ホントに体力がなくなってしまった。下北沢と吉祥寺の往復だけで、帰宅後2時間ぐらい寝込んでしまう。


●ジェイポップス研究。

安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」

安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」1996年
●なんかブックオフとか行ってたら105円で売ってたから血迷って買っちゃったよ。しかも聴きたかった曲収録されてなかったし…。もう10年以上前の音楽だ。まさに小室哲哉全盛。小室哲哉の音楽って、憂いの漂うマイナー調で、世の中へのなんとなくの失望がメッセージとして底通してて、馬鹿騒ぎしてるようでなんか悲しい。
安室奈美恵ちゃん自身も明るい娘じゃないし。19歳青春の絶頂期に「今日もため息の続き 1人街をさまよってる」って歌ってる。突然の結婚~出産~離婚。母親が殺される事件もあった。彼女の細いカラダは美しく磨かれてるけど、どこか痛々しくて、脆く壊れてしまいそうだ。だから彼女の音楽は今でも気になる。

矢井田瞳「AIR/COOK/SKY」

矢井田瞳「AIR/COOK/SKY」2003年
●彼女、最近結婚したそうで! ということで聴いてみた。エラく中途半端な時期のCDだね。彼女みたいな個性的な声は、今のボクの神経にはウルサく聴こえてしまうかもと思ったが、むしろ耳に気持ちよかった。ノビノビとして、空を高く舞い上がる海鳥を見てるようだ。

JI MA MA「裸足 からびさー」jpg

JI MA MA「裸足 からびさー」2007年
●丸く包容力を感じさせる声と、オーガニックな音楽。アルバムタイトルも曲名「チルダイする。」「でいご」にも随所で沖縄を感じさせる。うーんホントならナイスな「癒し」だよね~。「ひとりでなやまないでね~」「少しだけ立ち止まって~」「焦らなくてもなんくるないさ」とか癒しフレーズ満載だし。
●でもゴメン、ボク自身がその辺の「癒し」で足りる段階を超えちゃった、ダメダメ病人だから、今イチその「癒し」言葉にノレない。今のボクはてっとり早くケミカルこそ癒しだから。安定剤と睡眠剤だから。あああ。ダメ人間だ。

THE NEATBEATS「NEAT-AT-BEST」

THE NEATBEATS「NEAT-AT-BEST」1998~2004年
●志高きロックンロール野郎たち7年の燃焼記録。ギターとベースとドラムと声で、どんだけデカイ音が出せるのか、それがロックの根本でしょう。その初期衝動と手触り感タップリのガレージ感覚が、美学と様式に昇華されて、的確にヤカマシイ。全部の曲が同じに聴こえると言えばその通り。でも当たり前じゃん、鳴らすべき音/鳴らしたい音がブレてないんだもの。テカテカのポマードとパッツンパッツンにタイトなスーツもキマってる!

ザ50回転ズ「50回転ズのビリビリ」

ザ50回転ズ「50回転ズのビリビリ」2007年
●これまた脳髄の奥の奥までロックンロールに汚染された筋金入りのロックバカ。ラモーンズのつもりか中途半端なマッシュルームカットが、俗世との縁を断ち切ってロックに心中した証なのか。とにかくヤケクソなガレージパンク。カネも未来もありませんが、格差社会の底辺から見える見事な景色があります。収録曲「出稼ぎ行進曲」「日雇い節」にリアルがこもってる。

LITTLE CREATURES「FUTURE SHOCKING PINK」 「FUTURE SHOCKING PINK」
LITTLE CREATURES「CHORDIARY」 「CHORDIARY」

LITTLE CREATURES「FUTURE SHOCKING PINK」2001年
LITTLE CREATURES「CHORDIARY」2000年
●うってかわって高偏差値バンドの登場だ。当時のトレンド、シカゴ音響派/ポストロックの空気を目一杯吸い込んで、上品で可憐な音楽空間を織りなしてます。キレイで神経をいたずらに刺激せず、でもそれぞれの楽器の音は粒立ちが良くて研ぎすまされてる。刀の切れ味が良すぎて、斬られたコトに気付かない、みたいな。
●そんな彼らも実は「イカ天」出身バンドだってのは、みんな覚えてるのかな? メンバーのソロ活動も気になるんだよな。
●2枚目の「CHORDIARY」も今日勢いで買ったんだけど、525円で安いなーと思ってたら家帰って気付いた「これシングルじゃん!4曲だけじゃん!」でもドラムンベースの代表選手 GOLDIE「INNER CITY LIFE」を鮮やかにカバーしてて満足しちゃった。


8OTTO「RUNNING POP’」 「RUNNING POP'」

8OTTO「WE DO VIBRATION」 「WE DO VIBRATION」

8OTTO「RUNNING POP’」2007年
8OTTO「WE DO VIBRATION」2007年
「8OTTO」ってのは「オットー」と読んでイタリア語で数字の8を意味する。コチラは将来有望なバンドらしいよ。制作に THE STROKES の2NDアルバムを手がけたヨシオカ・トシカズ氏が参加。ダイレクトに N.Y.~ロンドンのシーンにリンクするギターロックになってる。ギターの鳴りがとにかく今っぽい!あとユニークなことに、ドラムがボーカルとるんだってさ。「おいらはドラマー~」位しか思いつかないよ。


GRAPEVINE「デラシネ」 「デラシネ」
GRAPEVINE「FROM A SMALL TOWN」 「FROM A SMALL TOWN」

GRAPEVINE「デラシネ」2005年
GRAPEVINE「FROM A SMALL TOWN」2007年
●結構前のシングル曲「ふれていたい」(2000年)が大好きで何回も聴いてた。それ以来の久しぶりの再会。でも何回聴いてもあのキャッチーなメロディが響いてこない。今は波長が合わないみたいだ…。

GRAPEVINE「ふれていたい」



ヒヨコ(4歳)に文字を教えるのが大変!
●とうとうスタートした公文式の宿題だが、ヒヨコには大苦戦だ。文字に興味ないし、集中力もない。
●プリントの短い文章を音読する宿題。2文節の簡単な文章だ。「みどりのきゅうり」と書いてある。ヒヨコ「えーと、『グリーンのきゅうり』!」おいおい、グリーンなんてどこに書いてある?ヒントのイラスト見て適当に答えてるだろ。
「しんぶん」が読めない。ヒヨコ「しくぷく!」惜しい!「ぶ」「ぷ」になっちゃうの惜しいな、もう一歩手前でいいんだわ。「く」はしょうがない…。
「でんしゃ」が読めない。一文字目から読めない。ボク「ヒヨコ、テンテンなしだったらなんだ?」ヒヨコ「んー、ち!」惜しい!た行まではあってる。「ヒヨコ、コレは「て」。…しょうがない、パパがこれから「て」という字の大事な秘密を教えてやろう。」「ヒヨコ、自分の右手を見てみな。その手のひらの真ん中に、「て」の字が書いてある(←頭脳線と生命線ってヤツ?)。」ヒヨコ「ほんとだ!『て』だ!」くーこりゃホントに大変だ。ノマドの時は全然苦労しなかったのにな。お風呂での「あいうえおパズル」でウチの奥さん、のぼせそうになってたし。
●その日の夕食の時、ノマドに聞いてみた。「ノマド、ノマドはどうやって字を覚えたの?」ノマド「うーんとね、しぜんに!」お前、今まで気付かなかったけど、スゲエよ!


●今日はDVDいっぱい。

プラダを着た悪魔 (特別編) プラダを着た悪魔 (特別編)
メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ 他 (2007/04/18)
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

この商品の詳細を見る

「ブラダを着た悪魔」2006年
●主演:アン・ハサウェイ、メリル・ストリープ。舞台はN.Y.、ジャーナリスト志望のアンドレア(ハサウェイ)がやっとの思いで職を得たのは、ファッション誌「RUNWAY」編集部。全世界の注目を浴びるセレブでありながら、超有能だけど超冷酷かつ超理不尽の辣腕編集長ミランダ(ストリープ)のアシスタントになる。ブランドなんぞまるで興味がない野暮な女の子が、突然踏み込んでしまった最高水準のハイファッション世界。最高水準の華麗さと最高水準の過酷な仕事で、翻弄される悪夢の毎日。激しい残業とプライベートお構いなしの携帯連絡。徐々に彼氏との関係も…。
●またまた「仕事と生活」という永遠のテーマに足を突っ込んでしまった。今のボクにゃ毒だわ。 使命感や達成感の間でやりがいとかプライドとかが胸の中を通り過ぎるが、それは日常生活の含有量でいうと1%だけのことで、残りの99%はただひたすら続く過酷な無限仕事地獄。ボクの場合「それでいいのか?」「それでいいのか?」「それでいいのか?」×100回ぐらい呪文のように自問したら、なんかがマヒして「それでいいです。」と自動決済されてしまった。映画の主人公の最後の判断は、ボクとは別のやり方で実に賢明だと思う。
●でも、今こうして病気になって仕事を離れるハメになったが、実はこれまでのことに後悔はない。アレはアレでアレだけ仕事する必然があったし、結果もついてきたし。コレからどうするかは、病気が治ってから考える。

ジダン 神が愛した男 ジダン 神が愛した男
ジネディーヌ・ジダン、デビッド・ベッカム 他 (2006/11/24)
アミューズソフトエンタテインメント

この商品の詳細を見る

「ジダン 神が愛した男」2006年。
●あのフランス代表のジダンである。そのジダンの一挙一投足を16台の高性能カメラがじっと記録する。彼の表情、動き、汗、声、息づかい。ただそれだけをジックリ押さえていく。その映像にそっと寄り添うサウンドトラックを担うのはスロウコアの権化 MOGWAI
●しかし、サッカーにはとんと無知なボクなので、全然ゲームの内容がわからない。カメラはひたすらジダンだけを押さえてるので、試合展開どころかボールの行方すら映さない。ジダンは取り留めなくウロウロ歩き、時々走り、時たまボールに触る。華々しく活躍もしない。ただそんだけ。ひたすらそんだけ。ナレーションもほとんどない。ボクにはホント知識がないので、彼が何のチームとして、誰と戦っているかもワカラン。後半、ベッカムらしき人が画面のスミにちらっと登場したので、ああこれがレアルマドリードってヤツか、と納得。相手は結局今だ不明。
●汗だくのジダンと90分ばかりのにらめっこ。この映画はサッカーを描くつもりもないし彼の技術も描かない。ひたすらジダンそのものだけを切り取り見せる。……そうすると不思議な事に、ジダンが古代の地中海世界を駆け回ったローマ帝国の将軍に見えてきた……。そういうビデオです。

フーリガン フーリガン
イライジャ・ウッド、チャーリー・ハナム 他 (2006/12/08)
メディアファクトリー

この商品の詳細を見る

「フーリガン」2006年
●主演:イライジャ・ウッド。悪名高きイギリスのフーリガンの生態を描いた映画。サッカーわかんないくせしてまたサッカー映画かよ、とお思いでしょうが、これもサッカー関係なし。フーリガンは、サッカー大好きだが、サッカーなんてお構いなしに暴れる。スタジアムだろうが路上だろうが見境なしに、敵グループと激しく激突し乱闘する。イイ年ブッコいた大人がマジでムキになって殴り合う。それがフーリガンなのだ。主人公はアメリカからイギリスに嫁いだ姉を訪ねてくる青年。ここで彼はそんなフーリガンチームにのめり込んでいくのだ。
●激しい暴力と抗争。それが故に固く結びつく仲間の友情と一体感。サッカーはただのキッカケ。押さえられない激情と衝動。これが彼らの青春の放電の仕方。音楽と一緒だ。ロックの刺激とケンカの躍動。それはベクトルこそ違えどエネルギーは同じところからわき上がって来る。しかし暴力は暴力。憎しみが憎しみの連鎖を生み、悲惨なクライマックスへ向かっていく。壮絶な青春。
●主人公のフーリガンチームで、一人猜疑心が強く、新参の主人公を認めない男がいる。この男が非常にいいアジを出している。俳優の名前はレオ・グレコリー。シワっぽい顔が荒んだ性格を表し、どこか狂気をはらんだ目が怪しく光っている。

ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 通常盤 ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男 通常盤
レオ・グレコリー、パディ・コンシダイン 他 (2007/02/28)
エイベックス・トラックス

この商品の詳細を見る

「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」2005年
●そのとても気になった俳優、レオ・グレコリーはすぐに別のトコロで見つかった。この映画で主人公ブライアン・ジョーンズその人を演じている!彼の怪しく危険な雰囲気は確かに、ブライアンを演じるにふさわしいだろう。
●1969年、ブライアン・ジョーンズはドラッグ問題などからストーンズから解雇され、その年、自宅のプールで溺死体として発見される。当時の調査では事故死とされているが、この映画では他殺説を主張。ブライアンがいかに殺されるに至るかまでを描く。彼は希代のヒップスターだったが、混乱した人間だった。あの時代自体が混乱してたのかな。
ブライアン・ジョーンズ他殺説を裏付ける証言はいくつかあるようだ。犯人自身は既に故人だが死の直前に殺害を認めたといわれていたり、最後のガールフレンドがそれを裏付ける書籍を書いていたり。99年に英BBCが、そういう主旨のドキュメンタリーを制作しているみたい。

オールド・ボーイ プレミアム・エディション オールド・ボーイ プレミアム・エディション
チェ・ミンシク、ユ・ジテ 他 (2005/04/02)
ショウゲート

この商品の詳細を見る

「オールド・ボーイ」2003年
●日本のマンガを原作にした韓国映画だ。カンヌではパルムドールまではいかなかったがグランプリを受賞。主演は「シュリ」で冷酷非常な北朝鮮テロリストを演じて主役を喰ったチェ・ミンシク。ヒロインには、ボクの大好きなカン・へジョンちゃん。「トンマッコルへようこそ」で無垢な少女を好演。ここではちょっと濡れ場もあってドキッ!ボクの中でアジア系では今最高にカワイい女優です。
●主人公は、15年も長きにわたって監禁生活を強いられてきた男。理由も分からず、そしてキッカケも分からないままに解放された…。自分を閉じ込めたのは誰なのか?何のためなのか?それを突き止める冒険が始まる。
●これまたやり過ぎなほどの徹底した暴力表現で、見事日本ではR-15印がつきましたが、タランティーノが絶賛。好きそう!

ナチョ・リブレ 覆面の神様 スペシャル・コレクターズ・エディション ナチョ・リブレ 覆面の神様 スペシャル・コレクターズ・エディション
ジャック・ブラック、アナ・デ・ラ・レゲラ 他 (2007/03/23)
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

この商品の詳細を見る

「ナチョ・リブレ 覆面の神様」2006年
「スクール・オブ・ロック」第二弾なのか? 主演:ジャック・ブラック演じるダメ男が、メキシコ少年の憧れ「ルチャドール」になるべく努力するコメディ。
●舞台はメキシコの片田舎。孤児院を兼ねた修道院で暮らす主人公・ナチョは、何をするにも半人前のダメ人間。でもひそかに覆面プロレスラー「ルチャドール」に憧れている。そこに清らかな美人シスターが修道院に登場。貧乏修道院の孤児にイイ食事を食べさせるため、そして意中のシスターに思いを伝えるため、ナチョはマスクをかぶる事を決意する!
●でも「スクール・オブ・ロック」がオモシロすぎたので、ちょっと物足りなかったかな。でもデブ男がみっともなく戦う姿は楽しくもあり勇気づけられもする。楽に見られる映画だ。


●今日のBGM。

Eye to the Telescope Eye to the Telescope
KT Tunstall (2006/02/07)
Virgin/Relentless/EMI

この商品の詳細を見る

KT TUNSTALL「EYE TO THE TELESCOPE」2006年
●イギリスで話題の女性ロックシンガーだという。またロック気取りのお嬢ちゃんアイドルかよ、と思った。AVRIL LAVIGNE 以降そんなのばっかだよ。HILARY DUFF、LINDSAY LOHAN、KRYSTAL MEYERS……。しかし、アイドルというにはトウが立った30歳という年齢、ボチボチ長い下積みなどなど、そういうカテゴリーの娘じゃないとすぐ判明。ブルースめいた声は SHERYL CROW が登場した瞬間の感じ? DVD特典映像では、ペダル操作でギターを叩く音をループさせ、パーカッションとアコギだけでガナる彼女が見られる。パーカッションの腕前も披露。まだちょっと甘いんだけど今後を期待します。本物の骨っぽさを今後もっと感じさせてくれ。

ストレンジフォーク ストレンジフォーク
クーラ・シェイカー (2007/06/27)
ソニーミュージックエンタテインメント

この商品の詳細を見る

KULA SHAKER「STRANGE FOLK」2007年
KULA SHAKER 8年ぶりのフルアルバム完成。ブリットポップ旋風の吹き荒れる96年にデビュー、その微妙なインド趣味とダイナミックなロックで結構評価されてました。ぼくも1ST好きだったし、DEEP PURPLE「HUSH」をカバーしてたのもかっこ良かった!でもその後なんか尻すぼみで中途半端に解散し、リーダーの CHRISPIAN MILLSTHE JEEVAS とかいうバンドを作るに至る(←興味なしにつき未聴)。そしたらこの再結成だよ。どうなってるの?
●でも出来上がりは、結構ダイナミックでキライじゃないぞ。インド趣味は後退してても微妙なサイケ風味は消えてないし、それがロックのダイナミズムとキチンと同居できている。サイケフォーク風の曲があったり BOB DYLAN を連想させるハナに引っ掛けた唄い方も披露。芸風も広がってイイんじゃん? ただし内ジャケに見るリーダー CHRISPIAN の王子様趣味だけはチトついていけない。母親は女優、父親は映画監督、俳優でもある祖父は SIR の称号まで持ってる。サラブレットのナルシズム。

Version Version
Mark Ronson (2007/05/08)
Sony / Bmg Import

この商品の詳細を見る

MARK RONSON「VERSION」2007年
●これはオモシロいコンセプトアルバムだよ。DJ/プロデューサーとして知られる彼が、UKロックなど昨今のヒット曲を、70年代のモータウン/スタックスサウンド、往年のソウルミュージックに再構築するというプロジェクトだ。
●さあこの職人のまな板に乗ったのは誰の曲かというと、COLDPLAY、KAISER CHIEFS、MAXIMO PARK、KASABIAN、ZUTONS などなど。まさに旬のUKバンドばかりだ。これが立派なソウルミュージックになる!
●ボクが注目したのは、THE CHARLATANS U.K. の初期代表曲「THE ONLY MONE I KNOW」!この曲は90年発表でボクにはリアルタイムだからね。そして THE SMITHS「STOP ME」 THE SUPREMES「YOU KEEP ME HANGING ON」と合体マッシュアップ。古い曲に落ち着き感じる所がオッサンだな。意外なトコでは BRITNEY SPEARS「TOXIC」。ぐっとテンポダウンして渋く決まってる。そして故 OL' DIRTY BASTARD のラップをフィーチャーしている。


●ノマド&ヒヨコに突如「ゲゲゲの鬼太郎」ブーム。

PCBE61885_1.jpg

●とにかく「ゲゲゲ~」というフレーズが鮮烈らしくて、「ゲゲゲが見たい」ばっかりだ。せがまれてビデオ屋に行く。テレビ版がたくさんあるのでどれがいい?と聞くと「コワくないヤツがイイ」。おいおい「鬼太郎」でお化けでてこないヤツなんぞないぞ!
●そんで一応先輩として、細かい設定を教えてあげる。「鬼太郎はね、目が片っぽないの。いつも髪の毛で隠れてるけどね」「で、その片目が、目玉のオヤジ。アレは鬼太郎のお父さんだ」へえーと感心しまくるコドモ2匹。しばらくビデオ鑑賞した後、ぽつりとヒヨコ「鬼太郎のお父さん、お洋服着ないのね。」あー確かに裸だ。そしたらノマド「お父さんなのに、チンチンついてないね。」ああー確かにそうだ。チンチンないわ。初めて気付いた。
●もう一個気付いた事が。今回レンタルしたのは、4回目(1996~98年)のアニメシリーズだが、例の主題歌を憂歌団が担当してる。へえ。
●ボクがリアルタイムで見てたのは3回目のシリーズ(1985~88年)だったらしい。で今現在第5シリーズが放送中とのこと。(←それ知ってたらビデオ借りんで済ましたわ!)今シリーズでは「ねこ娘」がスゴく可愛くなってるらしく、人間社会でアルバイトとかしてるらしい!

「ゲゲゲの鬼太郎」最新シリーズ: http://www.toei-anim.co.jp/tv/kitaro/

●そんなノマド&ヒヨコ、公文式教室に正式デビュー。
●この8月から、ノマドヒヨコに算数&国語を公文で習わせることに。いわゆる「読み書きソロバン」だ。週二回教室に通って、簡単なドリルをこなす。時間も測る。スピードが大事。そして宿題プリントをもらい、これも毎日やる。まずココから、このタイミングで始める。

公文式ホームページ: http://www.kumon.ne.jp/index.html

●ノマドは知的好奇心を刺激されてやる気マンマン、初日に3日分の宿題を終わらせてしまった。ノマドは幼稚園の年長さん。来年4月から小学校だ。この時期に教室に行かせる理由は、ヤツにとって「遊び」/「勉強」が分化する前に、「勉強」「遊び」と同じ世界にあるもんだという事を理解させたかったからだ。
●小学校に入学すれば、否応なく「勉強」/「遊び」の時間がカリキュラムによって整理切断される。子供によっては、二つは反発する対立要素になってしまうが、ノマドにはそう考えてほしくない。遊ぶように勉強し、勉強するように遊んでほしい。今のノマドは「遊び」/「勉強」が渾然一体。ヤツが読書するのは勉強のつもりじゃないし、最近は字を書いてメモを作るのが楽しいらしい。そのままがいい。勉強は楽しいものだし、遊びも真剣にやれと言いたい。だから今から、遊びの延長として教室に通わせる。
●それでいて完全な我流で覚えた字を、無意識のうちに矯正する。ヤツはサウスポーだし、キレイな字を書くのには難儀するだろう。でも他人の字をよく見て、よりステップアップするはずだ。

20070804131849.jpg

●一方ヒヨコは公文オリジナルバッグがもらえた事が一番嬉しくて、内容には全く興味がない。困ったなあ。
●不安がいっぱいだが、一流の社交家ではあるヒヨコなので(バレエ教室でも、阿波踊り練習でも、幼稚園でも、マンションでも、ヒヨコはすぐ人気者になる。むしろ面倒見てあげたくなるオーラが出てるというか…)、公文式教室という社会に放り込めば上手くサヴァイブするだろうという当てずっぽうな期待がある。
●とにかく、文字&数字に対する接触機会を増やす。細かい作戦はこれから考える。


●そんな父親だが、こちらもコドモに対して道徳を示してやるだけの理論武装をしなければいけない。善悪の基準とか、守るべき礼節だとか、そういうヤツ。ハッキリ言って自分でも自信がない。まるで「ドロナワ」って事だが、こんな本を読んだ。

高校生が感動した「論語」

佐久協「高校生が感動した『論語』」
●えっ!今このタイミングで孔子かよ!と思うでしょ。やー、一応儒教的価値観のルーツ勉強しといた方がいいかなと思って。この本は慶応高校で人気だった漢文の先生による、思いっきり噛み砕いた現代口語訳「論語」。じゃなきゃさすがに読めないよ。
●でも「論語」は理論書じゃないし、孔子のバラバラな発言集だから、その思想体系とかはさっぱり分からなかった。でも1つ分かった事がある。孔子は、同じ内容を何回も質問されてるが、毎回違う事を言っている。時には矛盾寸前みたいな場合も。これは相手を選んで答え方をそのつど変えているのだ。現代風で言えばコーチングである。その対象に即して的確なタイミングとアドバイスが重要だ。彼は名コーチなんだ。

●今のノマドヒヨコに「礼節」をそのまま説いても意味がない。より具体的なルールを確認するのがイイ。ノマドへは「ママに意地悪しない。ノマドはママが嫌いか?好きなら優しくしろ。困らせるようなことは止めろ」。ヒヨコへは「ゴハンの時、お手伝いの時、お片づけの時、必ず両手を使いなさい。片手ではちゃんとした事はできないし失敗もする。おフザケして遊んでいるように見える」
●これを静かな声でゆっくり言い含める。できれば、必ず肩を抱いたり、両手を握って話す。ギュッと強い大人のチカラを、こうしたスキンシップで示す事で、デカイ声を出さずに大人の権威を理解させる。

●もう1つ中国ネタを。これ全然違う文脈だけど。

DVD「墨攻」

●DVD「墨攻」2006年
●日本の同名マンガを原作に中国映画が作られたケースだ。主演はアンディ・ラウ。もちろん森秀樹の原作マンガも大好き。本来は酒見賢一さんという人の歴史小説らしい(←コッチは未読)。やっとレンタルが出た!
●舞台は1600年以上前、春秋戦国時代の中国。孔子のような思想家が数々活躍した「百家争鳴」の時代に、「墨家」という思想集団があった。彼らの信条は「兼愛」「非攻」。平和を重んじ全ての侵略行為を否定する。
●大国・趙の10万の軍勢にまさに侵略されんとしていた小国・梁は、この「墨家」に救援を要請する。派遣されてきたのはたった一人の男・革離「非攻」の思想に基づく鉄壁の防御術と知略の限りをつくして、この天才戦術家が10万の敵と戦う。
●様々な戦術/戦略で知能戦が繰り広げられた原作マンガと違い、映画では、その天才を巡って嫉妬や裏切りが巻き起こる人間社会の愚かさが描かれている。崇高な思想も圧倒的な技術も結局そんなモノの前になし崩しになる。人間でダメだね。歴史上の「墨家」も、一時は孔子の「儒家」と伍する勢いを持ちながらも早々に没落してしまう。

墨攻 (1)酒見賢一, 久保田千太郎, 森秀樹

●なんか中国の古代史にも興味が出てきちゃった。今後本を買って勉強してみよう。

●今日のBGM。

sf31.jpg

ソウル・フラワー・ユニオン「満月の夕」1995年
サザンのシングル探しでふと見つけた52円の8cmシングル。でもボクの思い出の大事な曲だ。あの阪神大震災の惨状と復興への切ない希望から、ソウルフラワー中川敬ヒートウェーブ山口洋の二人が共作した名曲だ。多くの人にカバーされているが、ボク個人は ガガガSP のバージョンで馴染んでた。
●あの地震では、学生だったボクもボランティアとして震災発生一週間目の神戸に入って様々な活動をした。物資を詰め込んだライトバンを運転したが、360度瓦礫の山で地図が全く役に立たない。コッチは塞がってる、目印がなくなってる、通行止めになってる。被災者の人達と会えば「ここでは7人死んだ」「あそこで8人死んだ」そんな話が普通の事のように出てくる。関西弁にはどんな悲惨事をも笑い飛ばし弾き飛ばす強さがある。1月の寒い夜、たき火を囲んで被災者の人やボランティアの仲間と色々な話をした。「どんなにヒドい破局に見舞われても人間は生きていく。」そんな「逞しさ」を教えてもらった。たった2週間弱の活動だったが、重要な経験だった。
●震災一年後、神戸市長田区・長田神社でフリーコンサート「つづら折りの宴」が行われた。出演は、ソウル・フラワー・モノノケ・サミット、どんと(ex. ボ・ガンボス)、石田長生などなど。12000人を動員したもはや伝説のライブだ。ボクも神戸まで足を運んだ。そこでこの唄を初めて聴いた。「解き放て 生命で笑え 満月の夕」逞しい唄だと思った。


クワタを聴け! クワタを聴け!
中山 康樹 (2007/02)
集英社

この商品の詳細を見る

●先日も報告した、「サザンオールスターズ再聴キャンペーン」をすすめるにあたって、とある大問題に気付いた。
●このサザンというバンドは、オリジナルアルバムに入ってないシングルだけ曲が異常にいっぱいあるのだ。あの「みんなのうた」とか「TSUNAMI」「HOTEL PACIFIC」「マンピーのG★スポット」など、誰でも知ってる曲が、アルバム単位では扱いが宙ぶらりんなのだ。
●今まで聴いてきた1978年~1985年までだけで、すでに20曲ぐらい取りこぼされてる。「YA YA(あの時代<とき>を忘れない)」も入ってない。これだって超有名曲じゃん!ああなんかB面曲まで気になって来たぞ!
●じゃあベスト盤を…と思ったらコレまたハードル高し! この辺を完璧網羅しているのは4枚組CD「すいか」と3枚組CD「HAPPY!」というヤツだけ。でも限定発売&既に廃盤で、「すいか」なぞ渋谷レコファンで49800円もするプレミアアイテムになっていた。マジかよ…。

VDR-10001.jpg

●ということで、サザンの過去のシングル探しをコツコツ始めました。再発を定価(800~1280円)で買ってたらさすがに財政がピンチになるので、それはダメ。100円コーナーからセッセと発掘。
●まずは昨日、下北沢界隈の中古CD屋さんで探索、50円から180円の間の価格で11枚発掘。さすがに8cmシングルコーナー(懐かしい縦長ジャケ!)までチェックしたのは久しぶりで目が疲れた。中途半端なベスト盤(「バラッド」シリーズなど)はシングルだけのB面曲なんてちょっぴりしか収録してないのでレンタルですます。
●今日も心療内科への行き帰りで、三軒茶屋~渋谷のレンタル店&中古CD屋をチェック。8cmシングルと7インチEPを10枚。50円から415円の価格で発掘。これとレンタルで済ました分を合わせれば、70曲中44曲をゲット、一曲単価82.6円。うむ、コストパフォーマンスも言う事なし。

●……こんなことにムキになる凝り性だから、ボクは病気になっちゃうんだよなあ。バカだなあ。

●今日のBGM。

Life in Cartoon Motion Life in Cartoon Motion
Mika (2007/03/27)
Universal

この商品の詳細を見る

MIKA「LIFE IN CARTOON MOTION」2007年
●UK 気鋭のシンガーソングライター。ソコヌケに明るいキラキラポップメロディと裏声アリの伸びのイイ高い声。ああ明るい気分にさせてくれる! 今日も朝からイイ音楽聴いたー! 英メディアでは、FREDDIE MERCURY ELTON JOHN、GEORGE MICHAEL と並び称される絶賛ぶり。ん?このラインナップでなんとなく気付きました? そう、この人ゲイだそうで。ゲイの人って、楽しいコト/気持ちいいコトに正直で臆面ない。そしてキラキラしてて強い。ボクが仕事で知り合った人達はみんなそうだった。このアルバムもそう。「LOVE TODAY」「RELAX (TAKE IT EASY)」曲タイトルからだけでも元気を貰った感じだ。

Goodbye Yellow Brick Road Goodbye Yellow Brick Road
Elton John (1990/10/25)
Polygram Records

この商品の詳細を見る

ELTON JOHN「GOODBYE YELLOW BRICK ROAD」1973年
●で、本家本元のゲイの真打ち登場。ダイアナ妃追悼歌として捧げられた「CANDLE IN THE WIND」を収録した彼の代表作。でもダイアナ追悼のイメージでしっとりアルバムと思ったら大間違い。当時の彼は華美なファッションとパフォーマンスで知られたグラムスターだ。カミングアウトはまだしてなかったが、極彩色の衣装にどでかいサングラスは、ロックスターの中性美の先駆を成してた。そんなエネルギーがモロぶつかってくるパワーが満載。


●昨日は勝手に会社に近づき職場の人間に接触した、ということで診療所の人から電話がかかってきてこっぴどく怒られた(笑)。「あなたはまだそういう段階じゃないし、職場の人達も混乱します。あなたは病気なんだし、感情の波が起こって当然なんです。今後は絶対行かないでくださいね!」8月アタマの次回カウンセリングもキャンセルと相成った。こりゃホントに長期戦だ。9月復帰もままならないだろう。のんびりやるしかない。

●今日は静かに家の庭で音楽を聴きながら読書。そしたら不覚にも日射病なのか具合が悪くなってしまった。ままならぬ病人ライフ。

●梅雨明けの晴れ空の下、読んでたのは桜沢エリカ3冊。お前、そんなに桜沢好きだったっけ、と自分にツッコんだり。単純に昨日の病院帰り、古川橋バス停の近所で見つけた古本屋で100円だったから買ったってだけ。

19363791.jpg

桜沢エリカ「JUST LOVERS」87~89年に描かれた短編をまとめたもの。

エスケープ エスケープ
桜沢 エリカ (1996/02)
祥伝社

この商品の詳細を見る

桜沢エリカ「ESCAPE」初出95年。職に就けない青年とAV女優の破滅的恋愛。

LOVE VIBES LOVE VIBES
桜沢 エリカ (1996/09)
集英社

この商品の詳細を見る

桜沢エリカ「LOVE VIBES」96年の作品。女性同士の微妙な恋愛感情に揺れる主人公の戸惑い。

桜沢エリカのイメージって、岡崎京子フォロワーのトップバッター。上記の作品も岡崎が不慮の事故で引退する前の作品だし、画風がそっくりだ。まあ、この世代の作家で岡崎の影響下にない人はいないでしょう。南Q太、やまだないと、安野モヨコ……。挙げたらきりがない。
●まだバブル時代の香りが残る頃。単純な曲線でさらりと描かれるセックスから、物語は軽薄に始まるが、女子のハートはそんな安易に軽薄を気取れない。主人公達はそれぞれに揺さぶられて、幸せになったり破滅したり。恋愛でも社会でも、女性のイニシャティブが強くなっていく、自由が爽やかに広がっていく、そんな時代の雰囲気を感じた。

●あと二冊マンガ読書。

おかざき真理「サプリ」第6巻

おかざき真理「サプリ」第6巻
「サプリ」と言いつつ全然癒されない、社会の最前線を生きるキャリアウーマンの悲壮な姿。桜沢の時代から遠く隔たった苦難の時代。男性女性ともにね。女性としてなぜ働くのか? 女性にとって癒しってなんなのか? コレと安野モヨコ「働きマン」は時に痛すぎて読めないんだよね。抱えてる問題、ボクも一緒だもん。おまけにボク病気だし。どうすんだよ。

ひうらさとる「ホタルノヒカリ」第9巻

ひうらさとる「ホタルノヒカリ」第9巻
●とうとうドラマがスタート。綾瀬はるかのバカっぷりは好演だと思ってますよ。マンガよりマヌケ度増幅されてる。さて、原作では大変な事に。部長とのヘンテコ共同生活をカミングアウトしたばっかりに、見事玉砕、蛍ちゃんはマコトくんにフラレてしまいました! ダメな男だねマコトは。フトコロ浅過ぎ。見損なったわ(←友達かよっ!)。蛍は今後いかに立ち直っていくのだろうか?

サザンオールスターズ再聴。

クワタを聴け! (集英社新書)

中山康樹さんによる桑田圭祐全曲解説「クワタを聴け!」を副読本に、サザンの歴史を時系列に聴き直す(あと、持ってないカタログを揃える)作業をしています。

VIX-1001.jpg

前回(5月20日)のブログで4枚目のアルバムまで聴き進めてたのだけど、この次リリースされた嘉門雄三&VICTOR WHEELS 名義の企画盤「嘉門雄三&VICTOR WHEELS LIVE!」(1982年)は廃盤&未CD化で入手断念。しょうがないのでその次から聴き進める事にしました。

サザンオールスターズ「NUDE MAN」

サザンオールスターズ「NUDE MAN」1982年(5thアルバム)
●野郎のおシリ丸見えジャケ。あくまで下世話でスケベ根性を忘れないサザンの小市民感覚~大衆感を象徴してます。この性質がサザンに人懐っこい親近感を感じさせ、超然たる巨大バンドにしない重要な秘密になってるのでしょう。
「シンドバット」型のラテン調ロック「匂艶(にじいろ)THE NIGHT CLUB」が痛快。歌謡曲型の佳曲「夏をあきらめて」と、ハラボーの優しい声が郷愁を誘う「流れる雲を追いかけて」が日本人ゴコロをなでる。そして荘厳なラブバラード「OH!クラウディア」。この切ないクワタの歌唱がこのアルバムで一番好き。ただし、歌謡曲需要と洋楽への憧れを無理矢理合体させようとして空振りしてるケースもちらほらな印象。

サザンオールスターズ「奇麗」

サザンオールスターズ「奇麗」1983年(6thアルバム)
●勝手ながらこのアルバムにてサザンは<第二期>(~1986年)に突入したとさせていただきます。それくらいサウンド面の革新が目覚ましい!当時最新のデジタルシンセ技術を、自らの血肉として完全にモノにした。
●SF感漂う一曲目「マチルダBABY」のドラムの鳴り、シンセ音、ボーカルのエコー、これだけでガラリと印象が変貌したことがハッキリ見て取れる。60~70年代洋楽と昭和歌謡の間を揺らいでいたクワタ氏のクリエイティブは、最新技術導入で完全に80年代現在進行形の音楽にアップデートされた。スパニッシュ風味の「赤い炎の女」。中国残留孤児の悲哀を透明感ある楽曲で綴った「かしの樹の下で」。本格ファンク「ALLSTARS' JUNGO」。サックスの扇情的プレイが光る「YELLOW NEW YORKER」。そして歌謡曲ヒット「そんなヒロシに騙されて」と聴き所多し。なおこのアルバムは今回初めて購入。

サザンオールスターズ「人気者で行こう」

サザンオールスターズ「人気者で行こう」1984年(7thアルバム)
●前作「奇麗」で得たデジタル技術の手法をさらに発展させた意欲作。一曲目「JAPANEGGAE(ジャパネゲエ)」でまたまた鮮烈なパンチ。今まで幾度もレゲエにチャレンジしてきたサザンだけど正直成功作はなかった。でもこれは違う。厳密にはレゲエでも日本音楽でもない前人未到の NEW WAVE 感覚。乾いたリズムとサックス、クワタ一流の洋楽メロディに溶け込む不思議な意味不明寸前の日本語詞。
●そして三曲目にはあのビッグチューン「MISS BRAND-NEW DAY」! あの瑞々しいシンセリフと、皮肉めいた詞をそうとは聴かせないキャッチーなメロ。20年以上も古びる事のない名曲だ。「あっという間の夢の TONIGHT」「夕方 HOLD ON ME」では、<愛されんだあ>=<I SURRENDER>、<夕方>=<YOU'VE GOT A>、<曖昧な>=<I MIGHT NOT>など、以後のクワタを特徴づける言葉遊びが頻出。歌謡曲側面では、ジューシーフルーツに提供した「海」ハラボーの癒しポップス「シャボン」などの佳曲も搭載。
●個人的には、このLPは死んだ祖父の遺品として頂いたモノ。20年前に死んだ祖父はたいした趣味人で,当時から KING CRIMSON、THE STONES、TOTO、BEATLES「ABBY ROAD」などのLPを聴いていた。

サザンオールスターズ「KAMAKURA」

サザンオールスターズ「KAMAKURA」1984年(7thアルバム)
●この2枚組の大作アルバムで、デビュー~80年代のサザンは臨界点を向かえる。
●デジタル技術を完全にモノにしたサウンドにSFめいたユニークなリリックのロックが痛快。「COMPUTER CHILDREN」「死体置場でロマンスを」「怪物君の空」なんてトコロが恒例なのかな。「HAPPY BIRTHDAY」も明るくて好き!
●もう1つ、今作ではクワタが敬愛する二人のアーティストへのオマージュ楽曲がある。「吉田拓郎の唄」「星空のビリー・ホリディ」だ。サザンはこれまでもパクリ寸前かよというほどに、先達の音楽を拝借して自分の楽曲に応用してきた。それほどの音楽に対する強い愛と知識が、ボクがクワタを尊敬して止まない大きな理由だ。「吉田拓郎の唄」は一部歌詞が拓郎批判と物議もかもしたようだが、一時期シーンを引退した彼への最高の賛辞になっているし、ドラッグ禍で夭折したジャズシンガー BILLIE HOLIDAY の悲しい人生を歌い上げているクワタもスバラしい。
●さて、この頃になるといわゆる「優しいサザン」のスタイルが出来上がって来る。「愛する女性(ひと)とのすれ違い」「鎌倉物語」とかかな。歌謡曲路線と洋楽嗜好路線という相反するコンプレックス対立軸は解消され、サザンは自分たちの音楽アイデンティティの中で「優しいサザン」「激しいサザン」という芸風を使い分けるようになる。
●そしてその「優しいサザン」の延長にバラードの”偉大なる”名曲「メロディ」が生まれる。この曲の素晴らしさは言葉にできない。「BYE BYE MY LOVE (U ARE THE ONE)」も美しい歌だ。この二曲は最高のジェイポップだ。
●相変わらず奇妙な珍曲が混入しているご愛嬌も、サザンのアルバムを聴く楽しみの1つ。それがなきゃベスト聴いてりゃいいんだもの。今回はアフリカをモチーフにした曲が2つ。とくに「最後の日射病」では露骨に当地のポップスジャンル「ハイライフ」を直球で取り上げてます。
●これも今回新たに買ったCD。ベストで聴いた曲が多かったけど、オリジナルで聴くと新たな発見が多い。2枚組で中古1682円。「奇麗」も中古1180円。この時代のサザンって値崩れしないんだよ。

●この作品の後、桑田圭祐夫人となった原由子の育児休暇でサザンは休眠状態に入り、クワタ KUWATA BAND や初めてのソロアルバムリリースへと動き出す。勝手に言っちゃうと、ここが<第三期>(1986~90年)である。その話はまた後日に。

前回(5月20日)のブログ;http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-69.html