| Home |
2007.08.31
「自律訓練法」を教わる。自己暗示で病気を治す。
●明日から、国立市の実家で休養することにしました。
●今週土曜から、ワイフとコドモたちは、ワイフのお父さんの還暦祝いでインドネシア・バリ島へバカンスなのです。しかし病気のボクは不参加。海外リゾートで気分転換なんてステキ…、なんて絶対無理です。渋谷まで電車で移動するのに命懸けなほどツライのに、海外旅行なんて無謀っす。
●飛行機の中でパニック発作を起こしたり、気温や湿度などの環境変化に神経が過敏反応してヒドいことになるかもしれない。よしんばナニも起こらないとしても、一日18時間くらい身動きできない廃人なのに、ワザワザ遠くまで行っても意味がないし、他の人にも迷惑かける。だから、残念ながら楽しい旅行はあきらめました。
●余談ですが、ガイドブック見てて気付いたコトが1つ。インドネシア政府の国内持ち込み禁制品は「麻薬/抗精神剤/火器/武器/爆発物/ポルノ」。この「抗精神剤」にボクのクスリはモロひっかかるでしょう。コレ知らずに野ヅラで入国しようとしたらモメるだろうな。ヤワイのからキツいのまで各種取り揃えておりますから。税関で「コレなんだ?!」と拘束されちゃったり。「コレを置いていけ!(英語)」と言われたら反論もできないし。でもクスリなしでは正気を保てる自信ナイっす。死んでしまいます。
●とにかく、そんなバカンスの間、食事を自分で用意するコトも出来ないボクは、自分の実家に移送されることになりました。トホホ情けない。
●自立神経失調症とのお付合い(その15)〜「自律訓練法の講習」編
●今日は普段通院している心療内科に併設されている「心理相談所」というトコロを訪ねました。ここの臨床心理士の先生から「自律訓練法」というモノを教えてもらうのです。
●「自律訓練法」とは、自律神経の働きを回復させるための治療法の1つです。クスリなどを用いるのではなく、自己暗示によって神経の働きを調整する方法なのです。
●何回かご説明している通り、ボクの病気自律神経失調症は、カラダの「緊張」と「リラックス」、つまり「ON/OFF」のスイッチ切換えがオカシクなる病気です。カラダを「ON」にする「交感神経」と「OFF」にする「副交感神経」のバランスが狂ってしまっている状態。ボクの場合は、性格気質と仕事のし過ぎで、スイッチが「ON」に入りっ放しになってしまい、休息しようにも「OFF」にならなくなってしまいました。それを目下、無理矢理スイッチを「OFF」するべく精神安定剤だの筋弛緩剤だの抗うつ剤だの睡眠薬だのケミカルのチカラを使って、カラダの異常な緊張とそれが原因で起こる不調を取り去ろうとしている訳です。
●自律神経のシステムは、その名の通り完全に自律してオートマチックに作用しますので、本来自分の意志の力では細かく操作する事はできません。しかし、自己暗示を元にそれを訓練で調整しようと言うのが「自律訓練法」なのです。
●臨床心理士の先生が、ボクの横に座って丁寧に説明していきます。まずは準備段階」。照明を落として静かな環境へ。先生「本来はフトンに仰向けが望ましいのですが、今日はイスに座るやり方で行きます。リラックスした姿勢、足は肩幅、腕は膝の上に。目を閉じて、深呼吸して下さい」すーはー…すーはー…。「そしてアタマの中でこう唱えて下さい。『気持ちがとても落ち着いている…』『気持ちがとても落ち着いている…』『気持ちがとても落ち着いている…』」
●さて本番。先生「次は、こう唱えて下さい。『右手が重い』『右手が重い』『右手が重い』右手に神経を集中させて、力を抜き、その重さを膝の上に感じるのです…。」神経を集中させて、腕の付け根から力を抜ききる…。
●先生「次は左手です。『左手が重い』『左手が重い』『左手が重い』…」重い重い重い重い重い、左腕が泥のように重い…。
●先生「そして両手です。『両手が重い』『両手が重い』『両手が重い』…」ムムムムム…。腕の筋肉が無意識に細かく痙攣するのを感じる…。
●先生「はい!!お終いです!! さあ、両手をグーパーグーパーして!」はは、グーパーグーパー!「そして両手を挙げてぐーっと伸ばして!」ぐーっ!
●先生「ひとまず、こんな感じです。同様に両足も同じ要領でやって下さい。これが自律訓練法の第一段階の半分くらいってトコでしょうか。これが第六段階まであります。」えーっ、第六段階までもあるの!「ですから一回の説明では全部は説明出来ませんし、コレは訓練ですから毎日やってもらいたいと思います。初めは、感覚が掴めないという方も沢山います。最初の感覚を知るまで半年かかった人もいます。」ほーう。
●先生「unimogrooveさんは、お話を聞く限りハッキリ言ってかなりの重症です。ですのでコチラもそれなりの覚悟をしなきゃと思いました。」ドキッ!やっぱヒドいんだ…。「自分の中で力を抜く事を許す事が出来るかどうか、という葛藤にも衝突するかもしれません。それは簡単ではありませんし、苦しい事かもしれません。」はあ…。「今日は自律訓練法のお話というコトでしたが、unimogrooveさんの場合は、生き方全般の見直しが最終的には必要だと思いますよ。」
●今まで沢山の医者や心理士にあってきたけど、みんな悲観的なんだよなあ…。「よくそんなで普通に働いて来れましたね!」とか「ムチャクチャですよ!」とか「こりゃヒドい!」とか「カラダも悲鳴を上げますよ」とか…。慣れたつもりでも、言われるとヘコムよね。…最近はメッキリ体力も落ちて通院すら苦しい。駅から病院まで5分歩くだけで息が上がる。くそ…。
●家に帰ったら、職場の後輩から手紙が来てた。「残暑見舞い」といって田舎のおいしいモノを送ってくれた。正直、和んだ…。本当にありがとう。
●この「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-223.html
●あとはいつも通り、バカでオタクな音楽趣味話です。
●イギリスの ”GRIME" シーンが熱いっス!
●最近はアメリカのヒップホップより、UKの方がずーっとスリリング。英国系ばっか聴いてます。特に6月に同時リリースされた2枚のアルバムがヤバすぎる。
●DIZZEE RASCAL「MATHS + ENGLISH」2007年
●まさしく現行 "GRIME" シーンの革命児。まだ22歳ながら、様々な音楽ジャンルの影響下に生まれた "GRIME" を、独自の化学変化で誰よりも速いスピードで進化させる。しかも今作は前2作の中で最高にキャッチー。
●正直ファーストアルバム「BOYZ IN DA CORNER」2003年をリアルタイムで聴いた時は、トラックがヒネクレ過ぎてて、ノレなかった。電子音だけの鉄骨で出来た音感に焦点の合わないテンポ感。英国人は奇妙なヒップホップを作ると思った。"GRIME" シーンも完全に形成されてなかったし、コッチも "GRIME" に対して耳慣れできてなかった。
●でもセカンド「SHOWTIME」2004年で、その音楽のユニークさがバキッと理解出来た。超高速トラックに超高速ラップ、剥き身のブットいベースと飛び交う電子音。ヒップホップの亜種扱いから離陸して、新時代の新音楽が確立された。
●今回は本場アメリカのアーティスト(サウス系のUGK)の交流で生まれた新味のヒップホップから、高速ドラムンベースをしなやかに乗りこなす絶妙なフロウ、ARCTIC MONKEYS や LILY ALLEN とのコラボ曲もある。聴いてて痛快だ。
●WILEY「PLAYTIME IS OVER」2007年
●その DIZZEE RASCAL とほぼ同時リリースでカマシてきたこの WILEY という男は、この "GRIME" シーンそのものを切り開いたパイオニアだ。実は DIZZEE は WILEY が率いる ROLL DEEP CREW の一員だった。つまり直系の先輩後輩関係なんだよね。でもブレイクしてから脱退。今ではお互いをディスしてるっぽい関係らしいけど。
●音楽的には彼のトラックこそ王道の "GRIME" だ。DIZZEE はそこからさらなる革新へ向かったが、 "GRIME" そのもののスリルを体現してるのは実はこの男だ。高速ラップ、シンプルがゆえにギラリと黒光りするトラックと猛烈にブーストされてるベース。アンダーグラウンドのヤバさが臭う。

●WILEY「TREDDIN' ON THIN ICE」2004年
●WILEY の旧作もヤバさ満載。今でこそ "GRIME" というジャンル名が浸透したが、出現当初彼らは自分達のコトを "ESKIMO" とか "ESKI” と名乗った。だからラップの中で「エスキ!」というシャウトが度々出て来る。なんでエスキモーなんだろう?だからか、ICE とか氷や雪に絡む言葉が多く出て来るような気がする。
●「SOUND 01 - A BIG DADA SAMPLER」2001年
● WILEY の新作を出している BIG DADA というレーベルのサンプラーを下北沢で見つけた。400円程度でね。UKを拠点にするこのレーベルも大分偏屈な連中で、一筋縄でいかないアーティストを多々扱う。最新のダブとダンスホールをヒップホップと結合させるラッパー ROOTS MANUVA、 "GRIME" へのアメリカからの返答とも言える音楽を展開する SPANK ROCK、ブラジル産最凶ゲットーミュージック "BAILE FUNK" を世界に紹介した DIPLO が所属してる。
●2001年段階の UK ヒップホップは今の耳には刺激的には響かないけど、後の硬質なトラックメイキングはUKの伝統なのねと感じる次第。アーティストとしては、ROOTS MANUVA、UKソウルのクールな色気を感じさせるラッパー TY、正当派ヒップホップを目指す NEW FLESH(NEW FLESH FOR OLD 名義のアルバムをフィンランド旅行の時に買った思い出が…)などを収録。
●「BOX OF DUB - DUBSTEP AND FUTURE DUB」2007年
●"GRIME" と同時進行で盛り上がる最新のダンスミュージックスタイル "DUBSTEP" も見逃せない。そのシーンになんと SOUL JAZZ RECORDS がアプローチした。基本的に過去音源をコンパイルする再発系レーベルである SOUL JAZZ が現在進行形最新音楽に関わることはほとんどない。それがなんと今回は全部新録音源だ!気合の入り方が違う!スゴい!
●音源収録アーティストもシーンの最前線を張る連中だ。SKREAM、DIGITAL MYSTIKZ、SUB VERSION などなど。比重としては、ステップ感よりもダブ感に偏った印象? 目一杯ハラに響く低音に身を任せて、パチン!パチン!となるハイハットのステップに合わせてカラダを揺らす。ジャマイカの音楽がこの英国でミュータント進化した数多くの収穫の一形態。
●「RUMBLE IN THE JUNGLE」1991〜1995年?
●コチラも SOUL JAZZ が編んだコンピだ。テーマは "JUNGLE"! 90年代初頭のUK REGGAE/DANCEHALL シーンから突然変異で生まれた野蛮なミュータント。"DRUM'N BASS" と名を変えて洗練されていく前の、生々しく荒々しい最初期音源を収集。レゲエのDNAを見事に汲み取り目が覚めるような進化を遂げた、その変態の瞬間がスパークしてる。超高速ビートが吹き荒れる中でラガスタイルの凶暴なMCが咆哮する。00年代の高速化した DANCEHALL は90年代 JUNGLE の逆影響なしに成り立たなかったでしょう。
● "JUNGLE" を広く日本に紹介したのは H JUNGLE WITH T(浜田雅功&小室哲哉)でしょう。あの頃のエイベックスは確かに耳が早くて、ユーロビートや昨今のトランスと同じノリでポコポコ "JUNGLE" のコンピを出してた(おまけに MIAMI BASS も)。でそれが盛りを過ぎた頃、激安ワゴンに出てて一時期集めてたんだよね〜。"DRUM'N BASS" じゃなくて "JUNGLE" が聴きたいと思って。さすがに最近はあの手のコンピ見かけなくなっちゃったな。
●今週土曜から、ワイフとコドモたちは、ワイフのお父さんの還暦祝いでインドネシア・バリ島へバカンスなのです。しかし病気のボクは不参加。海外リゾートで気分転換なんてステキ…、なんて絶対無理です。渋谷まで電車で移動するのに命懸けなほどツライのに、海外旅行なんて無謀っす。
●飛行機の中でパニック発作を起こしたり、気温や湿度などの環境変化に神経が過敏反応してヒドいことになるかもしれない。よしんばナニも起こらないとしても、一日18時間くらい身動きできない廃人なのに、ワザワザ遠くまで行っても意味がないし、他の人にも迷惑かける。だから、残念ながら楽しい旅行はあきらめました。
●余談ですが、ガイドブック見てて気付いたコトが1つ。インドネシア政府の国内持ち込み禁制品は「麻薬/抗精神剤/火器/武器/爆発物/ポルノ」。この「抗精神剤」にボクのクスリはモロひっかかるでしょう。コレ知らずに野ヅラで入国しようとしたらモメるだろうな。ヤワイのからキツいのまで各種取り揃えておりますから。税関で「コレなんだ?!」と拘束されちゃったり。「コレを置いていけ!(英語)」と言われたら反論もできないし。でもクスリなしでは正気を保てる自信ナイっす。死んでしまいます。
●とにかく、そんなバカンスの間、食事を自分で用意するコトも出来ないボクは、自分の実家に移送されることになりました。トホホ情けない。
●自立神経失調症とのお付合い(その15)〜「自律訓練法の講習」編
●今日は普段通院している心療内科に併設されている「心理相談所」というトコロを訪ねました。ここの臨床心理士の先生から「自律訓練法」というモノを教えてもらうのです。
●「自律訓練法」とは、自律神経の働きを回復させるための治療法の1つです。クスリなどを用いるのではなく、自己暗示によって神経の働きを調整する方法なのです。
●何回かご説明している通り、ボクの病気自律神経失調症は、カラダの「緊張」と「リラックス」、つまり「ON/OFF」のスイッチ切換えがオカシクなる病気です。カラダを「ON」にする「交感神経」と「OFF」にする「副交感神経」のバランスが狂ってしまっている状態。ボクの場合は、性格気質と仕事のし過ぎで、スイッチが「ON」に入りっ放しになってしまい、休息しようにも「OFF」にならなくなってしまいました。それを目下、無理矢理スイッチを「OFF」するべく精神安定剤だの筋弛緩剤だの抗うつ剤だの睡眠薬だのケミカルのチカラを使って、カラダの異常な緊張とそれが原因で起こる不調を取り去ろうとしている訳です。
●自律神経のシステムは、その名の通り完全に自律してオートマチックに作用しますので、本来自分の意志の力では細かく操作する事はできません。しかし、自己暗示を元にそれを訓練で調整しようと言うのが「自律訓練法」なのです。
●臨床心理士の先生が、ボクの横に座って丁寧に説明していきます。まずは準備段階」。照明を落として静かな環境へ。先生「本来はフトンに仰向けが望ましいのですが、今日はイスに座るやり方で行きます。リラックスした姿勢、足は肩幅、腕は膝の上に。目を閉じて、深呼吸して下さい」すーはー…すーはー…。「そしてアタマの中でこう唱えて下さい。『気持ちがとても落ち着いている…』『気持ちがとても落ち着いている…』『気持ちがとても落ち着いている…』」
●さて本番。先生「次は、こう唱えて下さい。『右手が重い』『右手が重い』『右手が重い』右手に神経を集中させて、力を抜き、その重さを膝の上に感じるのです…。」神経を集中させて、腕の付け根から力を抜ききる…。
●先生「次は左手です。『左手が重い』『左手が重い』『左手が重い』…」重い重い重い重い重い、左腕が泥のように重い…。
●先生「そして両手です。『両手が重い』『両手が重い』『両手が重い』…」ムムムムム…。腕の筋肉が無意識に細かく痙攣するのを感じる…。
●先生「はい!!お終いです!! さあ、両手をグーパーグーパーして!」はは、グーパーグーパー!「そして両手を挙げてぐーっと伸ばして!」ぐーっ!
●先生「ひとまず、こんな感じです。同様に両足も同じ要領でやって下さい。これが自律訓練法の第一段階の半分くらいってトコでしょうか。これが第六段階まであります。」えーっ、第六段階までもあるの!「ですから一回の説明では全部は説明出来ませんし、コレは訓練ですから毎日やってもらいたいと思います。初めは、感覚が掴めないという方も沢山います。最初の感覚を知るまで半年かかった人もいます。」ほーう。
●先生「unimogrooveさんは、お話を聞く限りハッキリ言ってかなりの重症です。ですのでコチラもそれなりの覚悟をしなきゃと思いました。」ドキッ!やっぱヒドいんだ…。「自分の中で力を抜く事を許す事が出来るかどうか、という葛藤にも衝突するかもしれません。それは簡単ではありませんし、苦しい事かもしれません。」はあ…。「今日は自律訓練法のお話というコトでしたが、unimogrooveさんの場合は、生き方全般の見直しが最終的には必要だと思いますよ。」
●今まで沢山の医者や心理士にあってきたけど、みんな悲観的なんだよなあ…。「よくそんなで普通に働いて来れましたね!」とか「ムチャクチャですよ!」とか「こりゃヒドい!」とか「カラダも悲鳴を上げますよ」とか…。慣れたつもりでも、言われるとヘコムよね。…最近はメッキリ体力も落ちて通院すら苦しい。駅から病院まで5分歩くだけで息が上がる。くそ…。
●家に帰ったら、職場の後輩から手紙が来てた。「残暑見舞い」といって田舎のおいしいモノを送ってくれた。正直、和んだ…。本当にありがとう。
●この「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-223.html
●あとはいつも通り、バカでオタクな音楽趣味話です。
●イギリスの ”GRIME" シーンが熱いっス!
●最近はアメリカのヒップホップより、UKの方がずーっとスリリング。英国系ばっか聴いてます。特に6月に同時リリースされた2枚のアルバムがヤバすぎる。
![]() | Maths and English Dizzee Rascal (2007/06/26) XL この商品の詳細を見る |
●DIZZEE RASCAL「MATHS + ENGLISH」2007年
●まさしく現行 "GRIME" シーンの革命児。まだ22歳ながら、様々な音楽ジャンルの影響下に生まれた "GRIME" を、独自の化学変化で誰よりも速いスピードで進化させる。しかも今作は前2作の中で最高にキャッチー。
●正直ファーストアルバム「BOYZ IN DA CORNER」2003年をリアルタイムで聴いた時は、トラックがヒネクレ過ぎてて、ノレなかった。電子音だけの鉄骨で出来た音感に焦点の合わないテンポ感。英国人は奇妙なヒップホップを作ると思った。"GRIME" シーンも完全に形成されてなかったし、コッチも "GRIME" に対して耳慣れできてなかった。
●でもセカンド「SHOWTIME」2004年で、その音楽のユニークさがバキッと理解出来た。超高速トラックに超高速ラップ、剥き身のブットいベースと飛び交う電子音。ヒップホップの亜種扱いから離陸して、新時代の新音楽が確立された。
●今回は本場アメリカのアーティスト(サウス系のUGK)の交流で生まれた新味のヒップホップから、高速ドラムンベースをしなやかに乗りこなす絶妙なフロウ、ARCTIC MONKEYS や LILY ALLEN とのコラボ曲もある。聴いてて痛快だ。
![]() | Playtime Is Over Wiley (2007/06/04) Big Dada この商品の詳細を見る |
●WILEY「PLAYTIME IS OVER」2007年
●その DIZZEE RASCAL とほぼ同時リリースでカマシてきたこの WILEY という男は、この "GRIME" シーンそのものを切り開いたパイオニアだ。実は DIZZEE は WILEY が率いる ROLL DEEP CREW の一員だった。つまり直系の先輩後輩関係なんだよね。でもブレイクしてから脱退。今ではお互いをディスしてるっぽい関係らしいけど。
●音楽的には彼のトラックこそ王道の "GRIME" だ。DIZZEE はそこからさらなる革新へ向かったが、 "GRIME" そのもののスリルを体現してるのは実はこの男だ。高速ラップ、シンプルがゆえにギラリと黒光りするトラックと猛烈にブーストされてるベース。アンダーグラウンドのヤバさが臭う。

●WILEY「TREDDIN' ON THIN ICE」2004年
●WILEY の旧作もヤバさ満載。今でこそ "GRIME" というジャンル名が浸透したが、出現当初彼らは自分達のコトを "ESKIMO" とか "ESKI” と名乗った。だからラップの中で「エスキ!」というシャウトが度々出て来る。なんでエスキモーなんだろう?だからか、ICE とか氷や雪に絡む言葉が多く出て来るような気がする。
![]() | SOUND 01〜A Big Dada Sampler〜 SURPRISE ATTACK (2001/06/23) BEAT RECORDS この商品の詳細を見る |
●「SOUND 01 - A BIG DADA SAMPLER」2001年
● WILEY の新作を出している BIG DADA というレーベルのサンプラーを下北沢で見つけた。400円程度でね。UKを拠点にするこのレーベルも大分偏屈な連中で、一筋縄でいかないアーティストを多々扱う。最新のダブとダンスホールをヒップホップと結合させるラッパー ROOTS MANUVA、 "GRIME" へのアメリカからの返答とも言える音楽を展開する SPANK ROCK、ブラジル産最凶ゲットーミュージック "BAILE FUNK" を世界に紹介した DIPLO が所属してる。
●2001年段階の UK ヒップホップは今の耳には刺激的には響かないけど、後の硬質なトラックメイキングはUKの伝統なのねと感じる次第。アーティストとしては、ROOTS MANUVA、UKソウルのクールな色気を感じさせるラッパー TY、正当派ヒップホップを目指す NEW FLESH(NEW FLESH FOR OLD 名義のアルバムをフィンランド旅行の時に買った思い出が…)などを収録。
![]() | Box of Dub Various Artists (2007/05/28) Soul Jazz この商品の詳細を見る |
●「BOX OF DUB - DUBSTEP AND FUTURE DUB」2007年
●"GRIME" と同時進行で盛り上がる最新のダンスミュージックスタイル "DUBSTEP" も見逃せない。そのシーンになんと SOUL JAZZ RECORDS がアプローチした。基本的に過去音源をコンパイルする再発系レーベルである SOUL JAZZ が現在進行形最新音楽に関わることはほとんどない。それがなんと今回は全部新録音源だ!気合の入り方が違う!スゴい!
●音源収録アーティストもシーンの最前線を張る連中だ。SKREAM、DIGITAL MYSTIKZ、SUB VERSION などなど。比重としては、ステップ感よりもダブ感に偏った印象? 目一杯ハラに響く低音に身を任せて、パチン!パチン!となるハイハットのステップに合わせてカラダを揺らす。ジャマイカの音楽がこの英国でミュータント進化した数多くの収穫の一形態。
![]() | Soul Jazz Records Presents: Rumble in the Jungle Various Artists (2007/04/30) Soul Jazz この商品の詳細を見る |
●「RUMBLE IN THE JUNGLE」1991〜1995年?
●コチラも SOUL JAZZ が編んだコンピだ。テーマは "JUNGLE"! 90年代初頭のUK REGGAE/DANCEHALL シーンから突然変異で生まれた野蛮なミュータント。"DRUM'N BASS" と名を変えて洗練されていく前の、生々しく荒々しい最初期音源を収集。レゲエのDNAを見事に汲み取り目が覚めるような進化を遂げた、その変態の瞬間がスパークしてる。超高速ビートが吹き荒れる中でラガスタイルの凶暴なMCが咆哮する。00年代の高速化した DANCEHALL は90年代 JUNGLE の逆影響なしに成り立たなかったでしょう。
● "JUNGLE" を広く日本に紹介したのは H JUNGLE WITH T(浜田雅功&小室哲哉)でしょう。あの頃のエイベックスは確かに耳が早くて、ユーロビートや昨今のトランスと同じノリでポコポコ "JUNGLE" のコンピを出してた(おまけに MIAMI BASS も)。でそれが盛りを過ぎた頃、激安ワゴンに出てて一時期集めてたんだよね〜。"DRUM'N BASS" じゃなくて "JUNGLE" が聴きたいと思って。さすがに最近はあの手のコンピ見かけなくなっちゃったな。
| Home |





