実家・国立市での休養生活二日目。
●父親の提案で、実家周辺のドライブに。近年宅地開発や国道20号線・日野バイパス開通などでずいぶん雰囲気が変わったらしい。ボクが国立を離れてから、多摩川を渡る新しい橋が2つも作られ、立派なモノレールも開通したという。

●ボクがこの国立という街と関わりを持っていたのは、1989年から1996年、15歳から22歳の7年間だ。前半3年間は、この街にある都立高校の生徒として。住まいは調布市にあった。後半4年は、両親がココに一軒家を購入し引っ越してきて生活した時期。ボクは大学に進学し4年間この家から通学した。
●最後の二年間は、父親がロサンゼルスへ赴任するためボク以外の家族は渡米。2階建ての一軒家で一人暮らしをした。父親のロス駐在が終わるとともに、ボクは就職を決め、都心のアパートに移った。国立で家族と暮らしたのは2年だけ。いわゆる「実家」「故郷」としての愛着はあまりない。引越しが多かったボクの人生で「故郷」といえる土地はどこにもないけどね。

●それでも一人国立駅前を歩くと、今まで忘れていた記憶がよみがえってくる。駅舎が改装されるなど、いろいろと変わったようだが、大事なトコロはそんなに変わらない。この本屋にはよく通ったなとか、「中古CDの値札を気合で貼り替えて、1000円も安い値段で買う」とかしてたなとか。そんな思い出がフワフワと。

●行きつけだったレコード屋にも行った。駅舎のすぐ隣、「ディスクユニオン国立店」。ここには随分通った。週2、3回は行ってた。金がないから見てるだけだけど。CDやレコードの知識・情報を知るには、結局「お店に通うこと」が一番大事だ。中古値段の相場感覚、店員さんやメーカーが添付するポップメッセージ、チラシやフリーペーパー。金のない高校生は貪欲にそこからスポンジのように情報を吸い上げた。インターネットがまだ有効に機能してない時代だった。
NIRVANA のボーカル KURT COBAIN がライフル自殺したことも、この店で知った。店員さんがCD棚に貼った小さい短冊。「カートコバーンさんが亡くなりました。合掌…」…英雄視してたカリスマの突然の死に心底ショックを受けた。
●そんな時代から10年以上経た今、多少金のあるバカ社会人になったボク。本日CD13枚、DVD1枚購入。17000円也。

●もう一軒のレコード屋にも訪れた。大学通りに面した雑居ビルの3階。かつては「GABBY」という名だったはずだが、オーナーが変わったと見えて店名が変わってた。現在の名前は「RARE 国立店」「RARE」は中野・高円寺を拠点にしてる中古レコード店だが、最近伸張して支店を増やしている。先日吉祥寺で買物した「RARE 吉祥寺店」もかつては「GEORGE」(?)という名前だった。単体では中古レコード屋も成り立たない時代なのかな。
●十数年前の「GABBY」では、FLYING LIZARDS のLP を1000円で買った。ボクはCDやレコードの買った場所をなぜかしっかり記憶している。人の出会いと同じように。自分でも不思議だが。

・RARE: http://www.rare-records.co.jp/rare-shop.html

●この雑居ビルの二階には新しいお店が入っていた。>ファイヤーキングパイレックスなどのブランド名でヒトくくりにされる、70年代ヴィンテージのマグカップ専門店「BEANS」だ。新品かと思うような美品ぞろいだが、最新でも1974年のもの、古いものは40年代に作られたという。一見ただのマグカップだが、一個4000円から10000円以上する代物だ。こういうモノに大枚ハタく好事家がこの世にはいるのだ。ボクはこれを神戸で幸運にも1000円×2個を購入し、そこからこの世界の本当の深さを思い知った。どこか人懐こい味わいと、素朴なデザインと質感。イインですよ。
●店主と少々会話する。「これ、本当にヴィンテージなんですか?新品みたいですね」あまりにもきれいすぎる…。「ええ、ファイヤーキングもパイレックスも、70年代で生産中止になってますからね」でも、どうしたらこんな美品がこんなにたくさん…?「本国アメリカでも今じゃ入手困難ですよ。ボクはね、デッドストックを探すんです。相手は業者じゃなく一般人。日本でこんな価値で販売されますよとメールで丁寧に説明して、物置に死蔵されているものを譲ってもらうんです。ちょうど明日から買い付けですよ!」へええ、面白い。奥深いねえ。

・AMERICAN COLLECTIBLE - BEANS: http://www.collectible-beans.com/

●この雑居ビルの裏手に、高校時代よく通った喫茶店「ロージナ茶房」がある。ジャズがかかっててアンティークに囲まれた味わいのある店。高校生の頃はココで友達とずーっとダベッてた。昔と全く変わってない。今日は静かに紅茶を一杯飲んだ。ここの料理は一皿の量がバカみたいに多くて、食べ盛りの高校生でももてあました。隣のテーブルを見ると今でもバカみたいに大量だった。ありゃ一皿を二人で分けて食うべきなんだな。

・ロージナ茶房: http://homepage2.nifty.com/rozina/

●この「ロージナ茶房」の隣には「邪宗門」という小さな喫茶店がある。より古めかしく、より味わい深い店だ。シャンソンとかジャズかかかってて、店内で小僧がバカ話など出来ないオーラが立ち込めてた。いずれこの店にも行ってみよう。

・国立邪宗門: http://www.jashumon.com/kunitachi/index.htm

●今日買ったCDから一枚。

Vol. II: 1990 - A New Decade Vol. II: 1990 - A New Decade
Soul II Soul (1992/06/29)
Virgin

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SOUL II SOUL「VOL.II - 1990 - A NEW DACADE」1990年
●80年代末、クラブミュージックが時代の中心になりつつある中で、「グラウンドビート」なるスタイルを開発し一斉を風靡したイギリスのDJ、JAZZIE B.。彼のユニット SOUL II SOUL のセカンドアルバムがコレだ。当時は金がなく買うことが出来ず、レンタルCDをカセットにダビングして聴いてた。そんな懐かしの一枚を、今日は激安ワゴンの中、158円で見つけた。今の耳に新鮮味はなく、「グラウンドビート」とはこんな音楽なんだ、という程度の意味しかない。
●しかし、ボク個人には、80年代が終わり90年代という新しい時代が到来するんだ、という当時の新鮮な息吹を思い出させる。「90年代!ボクらの時代がやってきた!ボクらの世代が、時代を切り開くんだ!」というワクワクする期待感。国立に関わって過ごした7年間(89〜96年、15歳〜22歳)は、ボクにとってそういう時期だったと、今感じ入る。
●現在となっては、バブル景気の衰退と日本経済の低迷で「失われた10年」と呼ばれている90年代。その90年代の本当の豊かさは、まだ正当評価されてないと、当事者だったボクは一人思うのでした。