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2007.11.09
気分がいいので散歩。役に立たない「シモキタザワ」ガイド。
●今日も心療内科へ通院。
●息子ノマドは昨日のトラブルから立ち直り、元気よく幼稚園に行ったし、ボク自身も非常にコンディションがいい。病院に行く前に、ワイフを最近お気に入りのシモキタザワのソバ屋さんに誘って、昼飯を食べた。

●「広栄屋」。
●下北沢一番街、小田急線茶沢通り踏切の近くにある渋い渋いおそば屋さん。見るからに渋いでしょ。ボクはここで山かけソバを食べるのが好きだ。オバちゃん、オジちゃんのアットホームな雰囲気に味がある。二代目若旦那が黙々と出前で店を出入りする様子に味がある。おじいちゃんおばあちゃんや、味のあるオッサンなど、お客さんの表情に味がある。古びたメニュー板から扉の立て付けの悪さ、使い込んだスーパーカブに至るまで、店のデティール全てに味がある。年月によって染み付いた味がとにかく渋い。しかし味音痴のボクには、ソバの味自体の可否はわからない。
●あまりにコンディションがイイので、病院帰りのバスを途中下車して散歩と決め込んだ。以前は代沢十字路〜三軒茶屋の区間を歩いたが、今日は代沢十字路〜代沢5丁目の区間をチェック。バスの窓から見えていた気になるお店を見て回る。

●熱帯魚屋さん「マッドマン」。
●代沢小学校バス停の目の前。このお店は以前もこのブログで触れた事がある。諸星大二郎の名作マンガ「マッドメン」に影響されたに違いないと予想されるこのお店。怪しいアフリカの仮面のようなマークがそれを確信させる。最近、お店のレイアウトが変わってお店の中が外からキレイに見えるようになった。堂本剛のエンドリケリ・エンドリケリで知名度を全国区に広めた古代魚、ポリプテルス・エンドリケリ・エンドリケリもいました。

●UK PROJECT オフィス。
●90年代からシモキタザワ系インディーロックを支えてきたインディーレーベル兼音楽プロダクション。渋谷系時代には SECRET GOLDFISH やヤマジカズヒデ率いる dip(a.k.a dip the flag)、沖野俊太郎などの快作を数々リリース。最近では GOING STEADY/銀杏BOYZ がブレイク中。シモキタザワのライブハウス CLUB QUE や 日本のインディロック専門店ハイラインレコードも彼らの傘下にある。パスから見てるとこの建物目立つんだよね。だから記念撮影。
●さらに歩を進めると古道具屋さんが目立つ。

●古道具屋さん「リサイクル やぎの」
●完全に真っ当な古道具屋さん。焼き物とか古家具とかよくわからん骨董品がギュウギュウづめになってる。ボクがなぜこのお店が気になってたのか、その理由は、店頭にドンと鎮座していたインドの伝統楽器シタール。画像中央にシタールあるの分かります? バスから見てて「あのシタール、いくらするんだろ」とズーッと思ってた。
●お店の前でいざそのシタールを間近にチェック。10000円のトコロを7500円にディスカウントされてる。おっ!と思ったが、残念なから弦がメチャクチャになってて手に負えない事が判明。ギターも知らないボクには無理だ…。するとお店のオジさんが声をかけてくる。
●「おニイさん、コレ気になるの?」ボク「うーん、でも弦があっちゃこっちゃ行っててワケ分かんないですよね。ココに『自分で直せる人向け』ってラベルが貼ってあるのは、やっぱ特別な人向けってコトですよね」オジさん「弦だけじゃねえんだよ、ホラ、下のヒョウタンが割れちまってるんだよ。オレがボンドで直してもイイんだけど、やっぱり楽器だろう。ちっとヤヤコしいなと思って放っといてるんだ」シタールのボディ部分をヒョウタンと呼んでよいのかどうか微妙だが、コレはアウトだなということがわかった…。残念。ま、どんな状態であろうと、こんな代物持って帰ったらワイフ怒るだろうからしょうがないか。

●リサイクルショップ「ばら商店」
●代沢5丁目バス停の近所。軒先の天火にされされてるLPレコードの山が、バスから見てて気になってた。というか、あんなに日光に晒しちゃレコードだめになる、可哀想、という気持ち。店の前でチェックしたらなんと一枚105円。ヤベえ!ボロボロのコイツらを救出せねば!ボクの買い物神経が高速作動してザクザク掘ってしまった。
●しかし、このお店、レコードの祖末な扱いぶりにダメダメ店かと思ったけれども、懐が深い。軒先のショボさとは裏腹に店舗が奥に広い。そして数々のアンティーク家具、ギター、ゲームソフト、味のあるポスター、ミニカー、古本、マンガ、ありとあらゆるモノがトコロ狭しとひしめき合って、とてもチェックしきれない。しかもそんな店内のそこかしこに無造作にレコードが積み上げてある。明らかにお客さんがチェックし得ないような場所にまでドサッと積み上げてる。
●結局20枚以上選んだはイイが、店が広すぎてレジが見つからない。「すみませーん」と声を出すと、古道具の山の中から、ジャージをズボッと着たボサボサ頭のメガネ男が登場してきた。わかりますね、ボクと同じ人種です。ボク「モノが多すぎてチェックしきれませんわ」というと店員さん「そうでしょうね、オレもチェックできてませんから」イイね〜その肩のチカラの抜け具合。
●「コレ、マジ重いっスヨ、大丈夫すか?」親切にビニール袋を何重にも重ねてくれて梱包してくれた。頑張って持って帰ります。好印象。また遊びにこよう。
●わが街、シモキタザワ。楽しいトコロ一杯。
●今まで神戸や名古屋、札幌などに出張する度に、その街についてブログをつづってきた。そんな記事がいまだに頻繁に検索されてる。じゃあ、一番大好きなシモキタザワの話を書いた方がイイじゃん!と、今更思いついた。休養生活で散歩することが増えてきた今、この街をちょっとづつ紹介していく事にします。有益な情報かどうかは全く保証しませんが。
●今日も iPod でジャズ聴きっぱなし。
●ジャズ好きである実家の父親から借りたCDを iPod に入れて聴く。
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●BENNY CARTER「LEGENDS」1992年
●活動開始は1920年代まで遡る、文字通り伝説のジャズサキソフォン奏者。スウィング/ビッグバンド時代のジャズを盛り上げたキーパーソン。でもこれは最晩年の録音で、侘び寂びの境地に達した枯淡の世界。相方に選んだのはビバップ世代のピアニスト HANK JONES。BENNY 85歳、HANK 74歳。とんだジイ様たちのプレイだよ。しかし力みもなく澱みもなく流れていく演奏はどこか艶っぽい。奇も衒いもなく、シンプルなメロディが心地よい。心療内科のロビーで一人その音楽に浸り込んだボクは、さんざん診察室から呼び出しされてるのに気づかなかったほどだった。

●SAM TAYLOR「SAM TAYLOR VOL.1 STANDARD COLLECTION」
●この人のことは、父親にこのCDを借りるまで知らなかった。「え、オマエ、サム・テイラー知らないの?」とか言われた。調べると、人呼んで SAM "THE MAN" TAYLOR。30年代からキャリアを起こし、60〜70年代に定番曲を吹きまくって名を上げたサックス奏者。
●これは地下鉄の駅構内とかでワゴン売りされてる編集盤だから、録音時代すら分からない。ただその選曲はベタベタなほどのド直球ヒット曲。RAY CHARLES「わが心のジョージア」、THE PLATTERS「煙が目にしみる」「オンリーユー」、そして「オズの魔法使い」の「虹の彼方に」などなど。このCDには収録されてないけど日本の歌謡曲まで吹いてたみたい。
●しかも、ナルシスティックなほどの吹きっぷり。ねちっこーく、イヤラしーく、深いエコーでネットリと吹く。ひねくれたアドリブはなく、聴きやすくシンプルにメロディをなぞる。ちょっとベタすぎる。ウチのオヤジは、こういうサックスを目指して日曜日にブーブー吹いとったのか。これはちょっとイタダケナイわ。このジャズはナルシストじゃん。
●しかし、ハッと気づいたコトがあった。ボクのジャズ研の思い出。
●恥ずかしいカミングアウトだが、大学一年生の頃、ボクは大学のジャズ研究会に入ってサックスの練習をしていたコトがある。父親のサックスを借りて、カビ臭い防音の練習室で一人ブーブー音を鳴らしてた。サックスはリコーダーと基本的に運指のルールが同じだから入り口は広いと思ったが、リードを上手く鳴らすだけでも一杯一杯。
●そしてジャズにハマりすぎて留年しちゃってるような先輩からコピーさせてもらった音譜が大変だった。CHARLIE PARKER や CANNONBALL ADDERLEY のソロアドリブまで完全に聴き起こした写譜で、完全にナニやってんだか分からない。パラパラパラパラと激しく飛び散る音符の羅列。DNAの二重螺旋塩基解析データのように意味不明だった。半年ほどでボクの楽器への挑戦はあっけなく終わった。
●今思うと、18歳のボクは背伸びしすぎて、ジャズという型にムリヤリ自分をハメ込もうとしていたのだと思う。練習を続けていても、自分が取り組んでる音楽が楽しくなかったし、何のために吹いてんだかも分からなくなった。
●でも、自分の好きなヒット曲を、好きなようにそのまんまノビノビ吹いてたら、もっとサックスを楽しめたかもしれない。SAM TAYLOR も、その SAM が大好きな僕の父親も、死ぬほどベタベタであるが、それはそれで正しい音楽への接し方であって、ボクのような聴き方こそ異常であると思い至った。異常だよ、6000枚の音源で部屋の床が歪みそうなのに、まだ買い集めて飽き足らない。狂ってる。
●自分が狂ってるコトが分かった。しかし聴き続けるのは辞めない。
![]() | Streets & Scenes of New Orleans Silver Leaf Jazz Band (1993/11/22) Good Time Jazz この商品の詳細を見る |

●SILVER LEAF JAZZ BAND「STREETS AND SCENES OF NEW ORLEANS - A PORTRAIT IN JAZZ OF THE BIG EASY」1993年
●THE NEW ORLEANS CLASSIC JAZZ ORCHESTRA「BLOWIN' OFF STEAM」1990年
●ズバリ古典的なニューオリンズのジャズ。もう伝統芸能ですね。東京ディズニーランドのウエスタンランドのBGMにしか聴こえない。それだけ忠実に TDL がデティールを作り込んでるとも言えるけど。でもコレは観光客向けのおミヤゲCDで、生き生きとした躍動は伝わってこないなあ。型にハマってる。こういう音楽があるんだ、というお勉強程度。
●ブンチャカブンチャカ賑々しく楽しい雰囲気、クラリネットやバンジョーまで登場するバンドアンサンブル、多分彼の地を旅行して目の前で演奏されたら楽しくなっちゃうけど、CDでフリーズドライされるとツマラナイ。あと、これは偶然かも知れないが、二つのバンド、全員白人だ。
●この音楽が生まれた時代の録音だったらどう聴こえるだろう。多分違う聴こえ方がすると思う。…偏見かな?
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