自律神経失調症とのお付合い(その33)〜「躁状態が止まらない」編
●昨日は、ワイフのご両親が、ボクの両親を食事会に招いてくれて、我が家のコドモとともに楽しいホームパーティを行ったのでした。両家&我が家&コドモが全員揃うなんて貴重な機会。ともかく例年バタバタ忙しいボク自身の出席率が一番悪い。今年はこの通り、ボクは社会からドロップアウトしてるので、キッチリ参加可能。実はとても楽しみにしてた。
●おいしい料理に、打ち解けたフランクな雰囲気、ノマド&ヒヨコもご機嫌で、ジジもババも孫のヤンチャな振舞いに目を細めて喜んでくれた。ボクは思いっきりリラックスする事が出来た。楽しい会話が弾んだ。次第にボクは饒舌になってきて、切れ目なくシャベリまくった。ボクは陽気で元気で、誰から見ても健康そのもののように見えただろう。

しかしこの時、ワイフは、ボクが異常モードに入ったと察知した。
●普段の静かな休養生活からは全くかけ離れたハイテンションで、ほぼ7時間ノンストップでしゃべり続けた。「今目の前では大丈夫だけど、後で絶対このハイテンションの揺り戻しが来る、体調が崩れる。」ワイフは心配で気が気でなかったようだ。実際ボクは食事毎のクスリすらも飲み忘れて躁状態になってた。

ボク自身も帰宅する瞬間になって、自分の異常に気づいた。
●着席していた時には気付かなかったが、いざ立ち上がると、足がフワフワして一ミリだけ宙に浮いているような感覚に襲われた。「ああ、ヤバい…」クスリも飲んでない…。でもテンションはギンギンで、帰りの車中でもノンストップでしゃべり続ける。止まらない。

●実はその翌朝、つまり今日は午前中から法事があった。しかしボクに二日連続の登板は危ないとワイフが進言、早々欠席するよう根回ししてくれていた。正直コレは助かった。ボクのギンギンのハイテンションは、帰宅後もそのまま持続し、朝6時まで眠れなくなってしまっていたからだ。早朝、起床したワイフと入れ替わるようにボクはベッドに就き、やっと眠る事が出来た。

自律神経の調整機能がおかしくなる → 感情の制御に不具合が生じる。
●これは経験的な事なので、いわゆる「自律神経失調症」の標準的な症状とは言えないと思うコトを前提にします。「自律神経失調症」神経の緊張/弛緩(つまりオン/オフのスイッチ)が壊れてしまう病気だ。現在回復期にあるボクは、身体的にはオン/オフのスイッチ切り替えが大分修復された状況だが、感情面でのオン/オフには、まだ危うい気配がある。
●医者の指示で同僚/友人とも完全に連絡を絶ち、没交渉状態を続けて数ヶ月。人と活発に会話出来る場面は月に数回もない。こと事務的な会話ではなく、陽気な社交となると、その機会はほとんどなかった。
●しかし、そういう楽しい場面は絶対暴走が起こる。ハイテンションになりすぎて感情が制御出来なくなる。陽気になりすぎて止まらない。スイッチがオンになると、ブレーキが利かなくなる。笑いが止まらないし、言葉も止まらない。そしてその後、貧弱なバッテリーを使い果たして体力焼尽、2〜3日寝込んでしまう。9月末の友人の結婚式ではその後一週間寝込んでしまった。
●幸いなコトに、負の方向に感情が暴走した事はない。例えば怒りや憎しみが増幅し、激昂して怒鳴り散らすような事は全くない。でも時と場合によれば、その危険性も否めない。

●今週は毎年末恒例となっている高校時代の同窓会がある。ココでもボクは暴走をするだろう。その監視のため今回初めてワイフ&コドモを同行させる。「ボクがどんなテンションになっていても、二次会には行かせないようにしてくれ」とお願いしてある。
●人間のココロとカラダはホントに不思議だ。病気になり均衡が崩れてしまった事で、初めて人間のカラダの神秘に気付いた。この「身体=精神」という、小さな宇宙がいかに緻密で複雑な仕組みを持ち、繊細に絡み合って成立しているのか、本当に思い知らされた。

●今日、目が覚めたら既に11時を回っていた。健やかに熟睡できた。ワイフやコドモが法事に出かけて行くのにも全く気付かないほど深く眠れた。深刻なダメージはカラダにもココロにも残っていない。ホッとした。念のため少し多めにクスリを飲んだら、普段の平常心がキチンと帰ってきた。よし、ボクは順調に回復している。

●以前の「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-223.html


ノマド、ジジと将棋対決。
●ちなみに、ノマドは今夢中になってる将棋をジジたちと一緒にやるのがとても楽しみだったようだ。早朝誰よりも早く起きて、買ったばかりの自分の勉強机で自分なりの戦略プランを考えていたのだ。

ノマド将棋

●マス目の数がメチャクチャですが、彼なりの戦略構想なのです。「王将」が中央の陣地を離脱し右サイドを反復横跳びしながら敵陣に深く食い込むという、大胆かつ無謀な作戦です。「王将」の前には「ふ」の字が並んでます。言うまでもなく「歩兵」です。

●ワイフのお父さんが最初にノマドの相手をしてくれた。ボクとやる時と同じで飛車角落とし。ジジが「ノマド、そこに駒を進めるんだ」とアドバイスすると、無駄にプライドの高いノマドは意固地になってそのアイディアを採用しない。「もうジジ!いわないでよ!」二局戦って、お情けの一勝一敗。
●最後にボクの父親とノマドが対戦。ボクはノマドサイドの参謀につく。相手にバレバレのコショコショ話で相談をする。「パパ、次はナニしたらいい?」「飛車が狙われてるから一歩後ろに下げるんだ」「パパ、次は?」つーか、駒を動かすのだけノマドで、考えてるのは全部ボクじゃん。
●ハッキリ言ってボクは将棋が下手で、将棋好きの父親に生まれてこの方一回も勝った事がない。いや、父親が手加減抜きで小学生のボクを負かすから、ボクは将棋がキライになったのだ。結局今回も、ノマド&ボク連合軍は、飛車角落としのハンデをつけながらジジに惨敗を喫した。
「ノマド、もっと修行しないとダメだな。一回も勝てなかったな。」しかしノマドは「しげるジジにイッカイかった。ジジよわい。」お情けで一回負けてもらったのに、オマエ、スゴい言い草だね!

●ヒヨコは、ジジとのタタカイごっこで本気の噛み付き攻撃をかまし、ジジに流血の負傷を負わせた。タタカイごっこのイニシャティヴは兄ノマドにあるが、戦法は妹ヒヨコの方が数倍エゲツナイ。
●そんなヒヨコがノマドの遊びに付合ってテーブルを離れたとき、ボクは彼女が残した食べかけのケーキを勿体ないと思って何の気なしに食べてしまった。するとテーブルに戻ったヒヨコが「ヒヨコのケーキ、どこ?」……あれ、ごちそうさまじゃなかったの?「ヒヨコ、ケーキまだたべるよ…」だって、タルトの上モノ部分だけ最初にキレイに食べて、下のクッキー部分しか残ってなかったじゃん。ボク「あー、ケーキ、パパが食べちゃった…。」
●その瞬間のヒヨコの顔が凄まじかった。さっと顔面蒼白、口はムンクの叫びのようにポカーンと開き、戦慄が目の瞳孔を夜のネコのように開かせた。その瞳から大粒の涙が出るまでカウントダウン10秒前。絶望のあまり声も出ない。「ゴメン、パパ、ヒヨコはもうごちそうさまだったと思って…」そんなボクの言い訳など聞こえもしないほど、絶望がヒヨコのちっちゃい脳ミソの中でキーンと激しくエコーしている。そんな表情。不謹慎なジジババはその顔見て大爆笑。
●笑いながらババが「ヒヨコ、まだケーキ残ってるわよ」とケーキの箱を開けてあげた。すると今度は、バラ色のように光り輝く笑顔に大変身。一言も言葉を発してないのに手に取るように感情が伝わる、超シンプルな生き物。ヒヨコは素直な子だね。彼女は至福の笑みをたたえ、新たなケーキを切り分けてもらいながら、一方で大粒のイチゴをセッセと口イッパイに頬張り続けるのであった。