あさってから、半年ぶりに出社できるはずだった。ようやく、復帰へ第一歩が踏み出せるはずだった。でも、またしても、休職延長だ。本当に、本当に悔しい。


自律神経失調症とのお付合い(その37)〜「復帰予定3日前にダメ出し」編
●いつもの心療内科。いつものY医師。キッパリ言われた。「うん、これは復帰を見送りましょう。ここまでハッキリと症状が出ているのに無視はできません。カラダは正直です。一旦スケジュールを全部見直しましょう。」
●はああ? マジですか先生。先週までは、会社行ってイイって言ってったのに。ショックですよ〜。ホント悔しいですよ。はああ〜。全身からチカラが抜けた。あまりの脱力で前屈みになったら、診察テーブルにゴン!とデコをぶつけた。もう一回言った。「マジ悔しいですよ〜。」


確かに今週は、体調が最悪だった。
まずはヒドい下痢。消化器にクる風邪が流行ってるらしく、家族全員が下痢にヤラレた。まずはワイフから。失神寸前の腹痛に襲われたそうな。そしてコドモたち。ヒヨコ「ヒヨコのウンチ、とろとろ〜」ノマド「オレなんて、ちょっぴりモレちゃったよ!」そしてその後にボクがヤラレた。週の前半は下痢、胃のムカつき、妙なガスたまり、吐き気に苦しめられた。
そしてぜんそく発作。キッカケはとあるカフェで喫煙席に座ってしまったコトだ。隣の会社員二人組がずっとチェーンスモーキングしているコトには気付いていた。でもコッチの具合が悪くなるほどじゃなかった。しかし、カフェを出て、CD屋に立ち寄った時に異変が起こった。突然ノドを締め上げられるような苦しみを感じ、店の中で座り込んでしまった。動悸が激しくなり息切れがヒドくなった。
●そして水曜日。ノマドと普通に将棋をやっていたら、突如声が出なくなった。息が苦しくてたまらない。カラカラしたシワガレ声しか出なくなり、しゃべる事が出来ない。水曜日、木曜日、全ての用事を止めて自宅に閉じこもった。
●葛根湯、胃腸薬、整腸剤を飲んだ。ぜんそくのクスリも毎日飲んでいるモノをキチンと飲んだ。おかげで今日金曜日には、声は復活した。

でも、ボクにはハッキリわかっていた。
●これらの症状は、ボクが病気で休職する前、カラダの不調をゴマかしながら働いていた時と全く同じモノだ。あの頃も、ノロウイルスかと思うほどの下痢や連日のぜんそく発作に苦しめられたり、突然声が出なくなったり、首を締め上げられるような息苦しさを感じていた。デジャヴのような気分だ。休みの間、しばらく落ち着いていたあの苦しみがハッキリと復活した。
ボクのカラダは、最後の最後のこの土壇場で、全力で復職を拒むつもりだ。最後の逆襲だ。


これらは自律神経失調症の典型的な症状だ。
●便秘・下痢・吐き気・ムカつきは、胃腸の働きを促す副交感神経がバランスを崩すと起きる。これがヒドくなると過敏性腸症候群という病気になる。今回は、家族全員が同じ下痢を発症してるから一義的には単なる感染症かも知れない。しかし、それがキッカケで自律神経のバランスがおかしくなったとも言える。
●ボクは2001年、28歳で気管支ぜんそくを発症した。成人になってからのぜんそく発症は自律神経のバランスの崩れから来ているという。このぜんそく発作、そしてノドへの違和感は自律神経失調症の代表的な症状だ。


●Y医師「コレらの症状をそのまま引っ張って復職すれば、また元に戻るだけです。カラダは正直です。気合いや気持ちだけでは復帰は出来ません。復職はやっぱり簡単な事じゃないんですよ」カラダは正直です、そのフレーズ、もう色んな人から100万回聞きました。もうわかってます、わかってますけど…。Y医師「ワタシも、この時期に主治医交替ということで少し復職を焦っていたかも知れません。(Y医師は2月イッパイでクリニックを退職してしまうのだ)でも今回は一度見送りましょう。まあ様子を見て、復帰は2月末かな…」2月末!そんな殺生な…。


●クリニックを出て夕暮れ。その場で会社の診療所とワイフに電話報告した。「週明けの出社ですが、一旦見送りということで…。はああ、悔しいです。」

●バスに乗り、下北沢に帰ってきた。直接家に帰る気にもなれず、お気に入りのカフェ「+ADD CAFE」に立ち寄った…。そしたら。


「+ADD CAFE」突然の閉店パーティ。
●ドアに見慣れぬ張り紙が。??「大変永い間お世話になりましたが、当店は1月31日をもって閉店させて頂くことになりました。今までのご愛顧誠にありがとうございました。」はああ? 1月31日って…昨日じゃん!
●中に入ると、いつもは無人だったDJブースでブンブン暑苦しいロックステディがプレイされてる。今までにないほどの盛況ぶり。女性の店長さんが「今日は閉店パーティなんです。ワンドリンクと軽食付きで1000円です」ええっ、お店閉めちゃうんですか?「そうなんですよ。6年くらいここでやらしてもらってたんですけどね」ボクの下北沢生活と同じ位だ。ボク、関係ない人ですけど、入ってもいいですか?「ええ、どうぞどうぞ」

●ホントは、ぼんやり読書するつもりだった。でも今日はワイワイガヤガヤ。壁面をギャラリーとして若いアーティストさんに貸してきたこのカフェが、そのアーティストさんたちに声をかけて大勢人が集まってるらしい。ボクは、かなりヤケクソな気持ちになっていた。もう読書どころじゃない。


占い師、ミカズキさん。
●ふと隣を見ると、「占い」という文字をまな板にコッテリとアート風に彫り込んだ立て札を立てたテーブルがあった。ちょっとヒトクセありそうな男性が1人。ボク「占い師さんなんですか?」ボクは、一つ占いをお願いする事にした。本来なら占いなんて興味ないんですよ。でもそんくらいヤケクソだったってコト。
●見かけはミュージシャンとも言えそうな年齢不詳の男性、ミカヅキさん(仮名)は絵本作家を目指してイラストやマンガの持ち込みをしつつ、シャツのデザインや演劇の制作の仕事などアレコレ色々な仕事をしてきた人みたいだ。グッと若く見えるけど多分ボクより年上。
●どーやって占うんですか?手相とか?ミカヅキさん「手相は難しいですよ、タロットです」そう言って黒いスカーフをテーブルの上に広げた。そのスカーフがなんとヘヴィメタルの超絶ギタリスト、イングヴェイ・マルムスティーンのロゴスカーフだったので、かなりビビった。絵本作家 - タロット占い - ヘヴィメタ。本来つながんないモンがつながってる不思議感。すかさず突っ込んだ。「いきなりイングヴェイって…」ミカヅキさん「YNGWIE MALMSTEEN 知ってるんですか!普通の人は読めもしませんよ」気に入った。オモシロい。
●そのスカーフの上でボクは丸いタロットカード(これまた初めて見た。タロットって全部トランプみたいに四角いモンだと思ってた)をモショモショシャッフルし、ミカヅキさんの言う通りに7枚のカードを選び出した。ミカヅキさんは丁寧にそのカードを順番に並べ、静かにめくり始めた。

タロット1

●まず出てきたのは「女教皇(THE HIGH PRIESTESS)」「隠者(THE MERMIT)」、そして「月(THE MOON)」。現在のボクの状況を暗示してるという。「女教皇」「隠者」もボクが内向的内省的な方向にある事を示しているらしい。内向的もナニも、今はヒキコモリも同然だ。仕事も何も出来やしない。その意味でこの占いは正解。「月」は、一つの光、目指すべき道しるべがあるコトを示す、と言ってたと思う。ま、今のボクに当てはめれば、とにかく病気を治す事か?

タロット2
 
●次のカードは「死(DEATH)」。ぎょっ!縁起でもない。しかしミカヅキさんによると「死は悪いカードではありません。死はそのまま再生を意味します。大きな転換が待っているということです。あなたのキャリアのこれからのためには大きな見直しが必要という訳です」いちいち図星をついてくる。病気のおかげでもう昔のようにバリバリ仕事はできません。だから、仕事の仕方、内容を全部見直せということでしょ。ご名答です。

タロット3

●さらに残りの三枚。「教皇(THE HIEROPHANT)」「吊られた男(THE HANGED MAN)」「星(THE STAR)」。「教皇」は来るべき大転換の際に協力者になってくれる上司なり目上の人の存在があるという示唆。はて?誰のことか?今の上司なのか、また別の誰かなのか…?「吊られた男」はその大転換には大変な忍耐が必要だというコト。ク〜ッ!大変な忍耐ね…。一方「星」は希望。決して未来は暗いモノじゃない。前途多難だが頑張れよってコトですね。
ミカヅキさんとは、映画だデザインだと何かと話が合ったので陽気にトークしてしまった。ボクもおおらかに自分のコトしゃべってしまった。「ぶっちゃけちゃいますとね、ボク、たった今、病院でダメ出し食らってきたんですよ。半年も休んでイザやっと働けると思ったら、いきなりマダダメだって」するとミカヅキさんは「ボクもね、3年くらいプーしてました。そん時はね、金も何もナイからひたすら腹筋してました」はははは。


水森亜土チックな女の子。
●でも賑やかなパーティで野郎二人で語ってるヤツなんてボクらしかいない。アート系女子たちが周りにワンサといるのに。「女子いっぱいいますよね」「なんとなく混じりたいモンですよね」「やっぱそうですよね」野郎二人でニヤニヤ。
●今週のギャラリー展示は、まるで水森亜土ちゃんみたいなメルヘンチックなイラストレーションで、素直にカワイいと思った。あの作品の作家さんは、今ココにいるんですか? 店長さん「あの水色の服の女性ですよ」ボク「じゃあ、彼女に作品の感想を言ってきます」ホントにヤケクソだったのだ。普段は突然見ず知らずの女の子に声なんてかけたりしない。
「この絵、すっごくカワイいです。水森亜土ちゃん好きなんスカ?」えーありがとうございまーす!とかとか。アルコール一滴も入ってないのに、舌が回る回る。オマエぜんそくドコ行ったんだ。でもボクが水森亜土好きなのはリアルだからしょうがない。
あの人のスプレーさばきはヒップホップのグラフィティアーティストを何年も先行してたんだ。だって歌いながら左右両腕を使ってライブペインティングしていくんだぜ!音楽も最高!彼女が歌うアニメ「ひみつのアッコちゃん」「すきすきソング」はハモンドオルガンが炸裂するファンキージャズでクラブプレイにだって耐えるね。しかも作曲は小林亜星
水森亜土に関するアホトリビアを一区切り披露したら、気分がすーっとした。水森亜土的メルヘン作品を描いた女の子は、バカなボクの話に付き合ってくれた上に、ブログでも作品公開してるんで見て下さい、ということで名刺までくれた。気分がすーっとした。

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(2004/01/28)
水森亜土

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●クラブ音量下でのトークは、ノドに負担をかけて声をよりガラガラにした。帰りの夜道は寒くてたまらない。二歩歩いて三歩下がる気分。しょうがない。とにかく焦るな。大転換へ向けての忍耐だ。占い通りだよ。わかってるさ。


●以前の「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-223.html