昨日は息子ノマドの幼稚園卒園式だった。

卒園式

●午前9時稼働という、病身には恐ろしく早い時間での活動。あらかじめ会社には「リハビリ出社一日休ませてもらいます」と申告しておいた。スーツ着て、ネクタイして、ビデオまわす。非常にヤバい。明らかにキャパオーバー。しかし、コレは避けられない物件だ。コトは午後1時には終わったが、ホントにグッタリした。家に着いたら3時間ばかり意識を失うように眠った。こんな有様じゃ社会復帰まだまだ時間がかかりそうだ。

思えば3年前、ノマドの入園式は強烈なカルチャーショックだった。
●ボクは、同い年の子供がいる家族との接触なんてそれまでほとんどなかったから「ああ、コレが標準的な家庭のカタチなんだ」と衝撃を受けたモノだった。自分のルックス(茶パツまじりのボサボサ頭、無精ヒゲ、カジュアルな服装)が如何に周囲から浮いているか、デコピンをかまされたようにピシャリと思い知らされた。
先生たちが若くって驚いた。自分の会社じゃ下っ端扱いで使ってる娘たちと同世代の先生たち。子供たちが無邪気に聞く。「センセイ、いくつ?」「先生はね、21歳!」若っ!一回りも若い!

その後、妹のヒヨコも入園。
●その頃からは幼稚園を囲む人間関係にも馴染むようになり、友達ママさんともフツウに会話できるようになった。ノマドヒヨコから聞くお友達情報もチェックして、人物相関関係も把握できた(政権与党カズキくん派閥と、インディー野党のノマド派閥とかね)。数々の行事はほぼ100%参加した。先生たちもボクの顔を覚えてくれて、大分居心地のイイ場所になっていった。

恩師。タジマ先生。
●先生たちのキャラも掴めてくると大分オモシロくなった。ノマドの担任タジマ先生は、初めての保護者面談にボクが顔を出したら「お父さんもいらっしゃるって珍しいですね…、ちょっと緊張しちゃいます」といって、ボクとは一回も目を合わさずにホントにワイフの方だけ向いて面談をした。幼稚園は基本的にオンナの園、男は少ないとはいえ、ホントに男性慣れしてないみたいだ。頼りないセンセイなのかな〜。
●しかし、このタジマ先生は、ノマドの脳内オリジナル戦隊「とりレンジャー」の価値に一番最初に気付き、メンバー構成員「とりピンク」を担当(妹ヒヨコが「とりイエロー」親友ユウタくんが「とりブルー」)、ノマドの妄想をいち早くクラスのみんなに紹介してくれた。つーか、タジマ先生、途中まで「とりレンジャー」というテレビ番組が実在すると思ってたらしいけど。(←もしや天然?)
これはホントにありがたいことだった。タダでさえ理解が難しいヤツの妄想を、ユニークと捉えてノマドに自信を持たせてくれたのだから。普通ならワケ分かんなくてスルーするトコロでしょ。子供の妄想なんだから。そんで、ノマドは自分の世界に他人は価値を感じないと凹まされるわけだ。でも、タジマ先生はキチンとすくい取ってくれた。クラスのみんなにも理解を促した。ノマド=「とりレンジャー」という図式は誰もが周知する事となり、政権与党カズキくん派閥の正規戦隊(つまりテレビでやってるホンモノね)とノマドの妄想戦隊とりレンジャーの対決構造というモノができた。ヤツは妄想を認めてもらった事で、初めて外の世界とコミュニケーションできるようになったのだ。
タジマ先生「ノマドくんは、周りの友達へ積極的に入り込んで遊ぶタイプじゃないんですけど、発想がユニークなので、ブロックや積み木を不思議なカタチに組み上げたりとか、『とりレンジャー』だとか、ノマドくんがナニかを始めるとそこにミンナが集まってきちゃうんですよ。」ヤツはマイワールドのオトコですからね、多分、本人はミンナが集まることすらウザイと思ったりしてるんですけどね…。

卒園式にはピンクの着物に紺の袴を穿いて現れたタジマ先生。
タジマ先生にとっては年少から年長まで面倒見て初めて送り出す卒園生。めそめそ湿っぽくなるのかな?と思ってたけど、最後まで快活に元気に振る舞っていた。先生には直接お礼を言った。タジマ先生がノマドの妄想を評価してくれたのは本当にありがたい事でした。そうでなかったら、ヤツはタダのバカですからね。

ノマドは最近随分と社交性を会得できたようで、最後の最後のこの年明け三学期に、たくさんのトモダチができた。
昆虫/動物物知りのユウマくん。宇宙/恐竜/世界地図物知りのノマドと同じタイプの図鑑ダイスキ少年だ。お互いシャイガイで接点がなかったようだけど、同好の士(つまりオタク同士)である事に最近気付き合い、知的刺激を交換し合ったようだ。残念ながらユウマくんは違う学区の小学校に進学する。ユウマくんのお母さんによると「ノマドくんとおなじショウガッコウにいきたいな」とこぼすようになったらしい。
電車/鉄道ダイスキのナオくんは、女の子に「パンツみせろ!」と言い放つ大味な男子だが、ノマドの世界地図知識にはいたく感心して仲良くなったらしい。彼は電車趣味が高じて駅名から漢字をモリモリ覚えてしまったオトコで、有名私立小学校へ進学してしまう。ノマドも彼から電車路線図という世界観を教わり、漢字だらけの首都圏ネットワークをにらんで、路線の研究をしている。
●そんなニューフェイスの仲間と、砂場でクリエイティブな造形活動に夢中になるようになったノマドに、物足りなさと寂しさを感じてるのは「とりブルー」のユウタくんだ。実は「とりレンジャー」からもう卒業しつつあるノマド(家ではあまり「とりレンジャー」ごっこをしなくなった)よりも、ユウタくんの方が「とりレンジャー」に夢中になってる。彼は「ママ、なんで『とりレンジャー』はテレビでやってないの?」との名言を吐いたオトコ。他人の妄想に本人以上にハマり込むって、ユウタくん、キミ、スゴいわ。彼は「ノマド、『とりレンジャー』ごっこしようよ〜!」と必死に声かけるのに、どこかつれないノマドの態度。ノマド、彼とは同じ小学校に行くんだから、仲良くしなさいな。


アニキたちがネクストレベルへ進む様子を、妹ヒヨコは在園児代表として見てた。

卒園式ひよこ

●卒園式には、在園児全員が参加する訳じゃない。卒園生へ贈る言葉を述べる係は、下級学年からエリート部隊の子供たちが抜擢され、彼らだけが参加する。兄を見送る立場のヒヨコも、お義理でその在園児代表に入れてもらってたが、贈る言葉はやんなかった(つーか不可能)。式が終わり卒園生が退場した後、副園長先生が在園児たちに「みんなもお行儀よく頑張ったね」とねぎらいの言葉をかけたら、保護者/先生、会場全員に聞こえるボリュームで「もうおなかペコペコで、グーグーおとがたくさんなっちゃったよ〜」とヒヨコのたまう。場内一同苦笑。ヒヨコ大天然。
●ヒヨコ、なんでおなかグーグーの話なんてするの?「だってトナリのミーくんだって、おなかグーグーしてたよ」ミーくんはヒヨコのクラスの大型天然ボーイ。天然度ではヒヨコとミーくんが学年で双璧をなすカンケイ。ノマドのライバル派閥の長、カズキくんの弟で、ヒヨコと同じ兄弟枠のお義理列席だ。
●園の門で、先生たちに最後の挨拶をした。「でも、ウチはもう一匹いますから、今後も引き続きお世話になります」ノマドは人間のタイプとして輪郭がボチボチ見えてきた。しかしもう一匹のヒヨコは、年を重ねるごとにと心配要素が増加している。「実は深刻にアホなんではなかろうか」ホントに、引き続き、お世話になります。