下北沢の再開発ってどーなってるの?シリーズ4回目。
●4月に入り、小田急線が地下化工事準備のため地上にもう一本仮設線路を設け、線路敷地の幅がその分グンと太くなりました。下北沢駅からオトナリの東北沢駅の間では、仮設線路用地のための土地買収がかなり前から着々と進んでおりましたが、線路として電車が通るようになって、本格的に街の表情が変わってきた感じがします。
●早くしないと、せっかく撮り貯めた写真からドンドン風景が変わってしまいそうです。今日も北沢タウンホール「街づくり課」でもらった再開発プランを元に、この街がどう変わるのか、ドコのお店が立ち退き対象にされてるのか、ご紹介していきます。コレまでは東側エリア、南側エリアを検証しました。
※ 過去の記事はコチラ:http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-category-8.html

今日は西側エリアを検証。これが最も既存商店街に大きな影響を与える部分です。
●まずは地図で確認。「補助54号線・世区街10号線ニュース NO.5」(BY 世田谷区 道路整備部 交通広場整備担当課 発行:平成19年1月25日)に掲載されている地図です。青丸でマークしたエリアに現状何があるかを、写真で紹介してきます。

下北沢再開発事業中4
 
●計画道路はグレー&黒で記された所。グレーが車道、黒が歩道。でもこの地図だと、新しい道路のカタチがわかっても、今の建物や既存の道が分からないですよね。ですんで、今回はさらに違う地図を使ってご説明します。


ニュー地図登場。
北沢タウンホール「街づくり課」で、「事業計画の位置確認」という名目で借用&カラーコピーした地図を拡大し、既存の主だった道(赤線)と既存の鉄道(青線/小田急線&京王井の頭線)を、ボクが分かり易く記入したモノです。これに事業計画対象地域を薄い黄色で塗ってみました。薄い黒線でボンヤリと既存の建物の配置やカタチが記してあります。緑の四角で囲った数字マークは、後に紹介する写真撮影現場に対応してます。ちっこく細かい地図になっちゃってすいません。がんばって見てください。あ、ちなみに東西南北は上下左右に対応してますので。

シモキタザワ

●この新しい地図をお見せした意図は、この事業計画の西側エリアでは、本当にたくさんの建物が立ち退きを要求されるというコトを知っていただくためです。ここは下北沢の北口エリアの商店街のコアブロックです。
●ここに22〜26メートル幅の道路(歩道+車道)が通る事で、商店街はコアを失い、計画道路の南北に分断されるというコトになります。計画道路の北側には下北沢一番街をはじめ賑やかな商店街がありますが、そこへの人の流れを遮断される恐れがあります。果たして、本当に街全体でこの道路の存在がメリットになるのでしょうか?
●ちなみに、これはあくまで東京都、世田谷区が進行している計画で、様々な立場の方々が各方面で活発な議論をしています。写真に写っているお店や建物が即座になくなったりすると決まっているわけではありません。立場はそれぞれの地主さんテナントさんで異なっていると思います。最初から必ず消滅すると決めつけているわけではありません。ご注意下さい。

●これを前提に、写真で現在の街の様子を見てみましょう。黄緑マークの数字が写真を撮った場所に対応しています。

写真その1。

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●[1]のポイントから北側へカメラを向けて撮った写真です。地図でみてもらえばわかりますが、線路とこの道に挟まれた三角地帯は全部事業計画の射程距離に入ってるってことです。実際、すでに線路沿いの一部は工事用地のために買収が進み、資材置き場や工事車両置き場になってます。ここには、シルバーアクセサリーのお店、個性的な自転車&アウトドア系ショップ、メンズファッションのお店などなどがあるのですが、もしかすると、全てがなくなってしまいます。計画通りにコトが進むと、少なくとも写真に写ってる建物は全部なくなります。

写真その2。

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計画道路は既存の道路とは関係なく、建物が密集するブロックへ侵入します。地図右側から建物を踏みつぶして線路を跨いできた計画道路は、この[2]のポイントから西側へさらに突き進んで行きます。[2]のポイントの西側にはコインパーキングがあります。そこに踏み込んでその駐車場にある建物を撮影しました。細い横丁の奥にあるのは雑貨屋さんと静かなカフェ。さらに奥には一般のお家もあることがわかりました。行政は、ココの皆さんに「全部どいて下さい」というコトを考えているわけです。

写真その3。

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●[3]のポイントから東側へカメラを向けました。この道自体は計画道路の射程距離の外にあります。しかし、地図を見てもらえば簡単に想像できますが、建物の奥行きが確保できず、大幅に改築を余儀なくされるエリアです。[1]のポイントの角には老舗のおセンベイ屋さんがありますが、図面をみるかぎり改築を免れるコトが出来るのはこのセンベイ屋さんだけです。メガネ屋さん、女性向けヒップホップファッションのお店、オリジナル和柄テイストのお店などがあります。

写真その4。

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●地図で見てもらえればイメージできると思いますが、駅北口に広がる商店街のほぼ中央に位置する交差点です。もちろん自動車が入れるような雰囲気はなく、週末は終日、平日の夕方も沢山の歩行者がゆったりと買い物で往来する場所です。この交差点を北西方向にカメラを向けて写真を撮りました。紫の庇を持つ中央の建物は、二階建てで複数のテナントを内部に納めるビル。エスニック料理、日本茶カフェ、婦人靴、キッズファッションなどなど様々なお店が中に入ってます。計画道路はこの建物をソックリ消してしまう事を想定してる事が地図から読み取れます。手前の青い看板を持つ建物は横浜銀行の支店。この建物も無事ではいられません。オシリを齧られるように、ビルの一部をかすめ取られるのでしょう。

写真その5。

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●写真その4の場所から直進して、カメラを南側に向けました。[2]のポイントで建物の密集地帯に踏み込んだ計画道路は、このブロックを貫いて、この場所に出てきます。紳士靴店、ケイタイショップ、メガネ屋さんが買収対象になるのでしょう。

写真その6。

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「しもきた茶苑 大山」。映画「男はソレを我慢できない」でマドンナ鈴木京香の喫茶店として登場するお店です。品のいいコダワリの日本茶専門店として、下北沢でも独特の存在感を放つお店です。いつもこの店の前を通ると、とてもいい香りがします。個人的にはとても大切な場所です。計画道路の射程距離にスッポリと入ってしまってます。

写真その7。

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●[7]のポイントでは、南側にカメラを向けてます。スニーカーショップ、コドモたちをよく連れて行ったリーズナブルな焼き肉屋さん、ワリと気に入って何度も夫婦で食事をしたイタリアン。などなど。ここも立ち退きを迫られるのでしょう。

写真その8。

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やっと、今回の計画道路の西端に到着しました。[8]のポイントから南側にカメラを向けてます。メンズのカジュアルショップ、イタリアンなどが入ったレンガ模様のビル。この建物の場所が、計画道路の出口になります。この建物をどけて、車道+歩道あわせて26メートルの大通りが出来上がります。

写真その9。

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「補助線街路第54号線」と名付けられるこの計画道路は、茶沢通りからこの下北沢の豊かな商店街を長さ256メートル、幅22〜26メートルにわたって食い破り、この地点に到達します。ちなみに右側にある白いお店も立ち退き対象。そんな大げさな道路がたどりつく先は、この幅7メートルぽっちの道。日中は車通りも少なく、歩行者が安心して歩ける道。オープンカフェが建ち並び、静かな時間を過ごせる空間です。そんな場所に、ここまで大きな道を敷き、交通の流れを誘導して、一体なんのメリットがあるでしょうか?ココから先の道は狭く入り組んでおり、ドコにも繋がっていません。


で、地図を眺め街を歩き、考えた事。
●沢山の地図、沢山の写真を見ていただき、長々とお付き合い頂いてありがとうございます。ボクはこのブログで、今回の計画道路を、東、南、西と、3ブロックに分けて検証してきました。東と南の意図はある程度理解できます。駅前広場にバス停など公共交通機関を誘導したいという狙いがあるということ(決して計画に同意するというわけじゃありませんけど)。しかし、西側ブロックだけは、さっぱり意味がわかりません。ドコにも繋がらない道を、ナゼここまで大きな代償を払ってまで、つまり巨額の税金を投入して商店街を抹殺してまで、作らなければならないのでしょうか?
●ちなみに、小田急線の地下化工事は、今ニュースで話題の「道路特定財源」を投じて行われている事業です。福田首相は来年からこの仕組みを廃止し、一般財源化すると言ってます。ま、どうなるか分かりませんが。民主党がゴリ押ししてガソリン価格が下がった分だけ、地方自治体へまわる「道路特定財源」は減って、他の公共サービスに使われるべき税金が代わりに投入されると言われてますよね。これも、自民党の再可決でどうなるか分かりませんが。
●とにかく、よくわからないコトが一杯あるのです。シモキタザワの街がステキだと思ってらっしゃる皆さん方、またはそうでもないよフツウの街じゃんと思っている方々、この計画を見て一体どのようなコトを感じられましたか?もしよかったら、ご意見を聞かせていただけますか? ボクは引き続き、この計画がシモキタザワに及ぼすであろう影響についてコチョコチョ調べてみようと思います。よろしくお願い致します。


もう1つ、感じた事。
今回、地図と付き合わせてカメラを片手に真剣に街を歩きました。そこで新たな発見がいくつもありました。ボクはこの街に住み始めて6年。決して長くもないのですが、短い時間でもありません。それでも「ああココにこんな店が、こんなカフェが、こんな公園が、こんなに一杯の人が、いるんだ」と感じ入る場面がありました。
実はこれらの写真は、同じ場所を何回も撮り直したりしています。なぜか? ボクはこの街が、この街の今の姿が好きなのですが、その素晴らしさを写真で切り取る事が出来なければ、この写真を見る人に「この風景は守るべきモノなんだ」という気持ちが伝わらない、と思ったからです。正直、自分の写真技術の拙さに辟易しました。こんな写真じゃダメだと、何度も撮り直しをしました。結局、街の価値を伝える写真になったのか、というと今でもはなはだ疑問です。
●それでも、この街のこの街らしい風景をこれからも切り取っていこうと思います。ダメでもゼロよりはましですから。