また体調を崩した。気圧の変化でぜんそく発作。コドモに風邪を伝染されたかも。
●喉が激しく痛い。呼吸も苦しい。咳も出る。鼻水も出る。微熱まである。カラダが重く気分もサイアク。なにしろ声が出ないのが一番不便だ。しゃべらないと、周りも必要以上に心配する。落ち込んでしゃべれないのと、声が出なくてしゃべれないのは、当事者では全然違うのだが、他人からは同じに見える。で、今週も会社を休むコトになる。ふう。

白金の呼吸器科へ。
●池尻の心療内科、東銀座の鍼灸院、会社の診療所。そしてボクの第四の病院が、この白金高輪の呼吸器科だ。いろんなトコロに通ってるでしょ。自分でもワケ分かんなくなる。ここでたんまりぜんそくのクスリと風邪薬の処方箋を出してもらう。
●この処方箋を持って、この病院の近所の薬局でクスリに変えてもらう。何ぶん種類が多いから(今日は8種類)結構待たされる。その待ち時間の間に、ボクはこの薬局に置いてある本を読む。

High and dry (はつ恋)High and dry (はつ恋)
(2004/07/23)
よしもとばなな

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吉本ばなな「HIGH AND DRY(はつ恋)」
●待ち時間の10分ほどの時間で、ボクは待ち合い席に無造作に置いてあるこの本を、ちょっぴりずつセッセとこの本を読み進めている。数ヶ月かけてやっと半分くらいまで読んだ。薬局のオバちゃんも、ボクがこの本をマジメに読んでいるのはかなり前から承知、「今日は十分読んだ?」とか声かけてくれる。
吉本ばななってあまり読んだ事ない作家さんだからよく分かんない。でも、カワイらしい挿絵がタップリのこの本は、14歳の多感な少女が、29歳芸術家の青年に魅かれていく様子を瑞々しく描いてて、とても気持ちがイイ。その気持ちが「はつ恋」と言ってイイのかは分かんないが、青年が彼女の問いに誠実に答えていくのが凛々しく思える。大人とも子供とも言えないオンナノコ、取扱い注意だよ。娘ヒヨコの幼稚園の教室では、誰かが持って来たイモムシちゃんが見事サナギに変態したという。この無防備な状態こそ、思春期のオンナノコ。殻の中で全身を一度全てバラバラに溶かして再構築する神聖な儀式が行われてるのさ。



DVD「ニルスのふしぎな旅」
●コツコツレンタルして、我が家のコドモたちに毎週一巻ずつ見せてきたDVD「ニルスのふしぎな旅」がとうとう完結した。

ニルスのふしぎな旅 TVシリーズ DVD-BOX2ニルスのふしぎな旅 TVシリーズ DVD-BOX2
(2002/10/25)
小山茉美山崎唯

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●この物語は、スウェーデンの女流作家・セルマ・ラーゲンレーヴによる児童文学で、1980年NHKでアニメ化された。アニメのクレジットを見てドキッとしたのは、若き日の押井守「甲殻機動隊」など)が演出陣に混じってる。

スウェーデンの農家の少年、ニルスは動物をいじめる悪ガキ。それを懲らしめようと妖精が現れて彼のカラダを小人サイズに縮めてしまった。今までいじめてきた動物たちより小さくなってしまったニルスは、動物たちと対話しながら自分の行いを改めていく。そして大空を夢見てきたガチョウのモルテンと共にガンの群れに混じって、旅に出るのだ。目指すは野鳥の楽園ラプランド
ラプランドは(世界地図だとラップランド)、北極圏に入ってしまうような北欧三国の北辺地域。渡り鳥は、短い夏をこの北国で過ごし、繁殖をして子を産み、そしてまた南の土地へと飛んでいく。美しい自然と動物たちとの冒険が、ニルスを人間的に成長させる。相棒ガチョウのモルテンは、ハイイロガンの彼女と結婚し子供も設けた。そして一行は再び南下。まもなくニルスの故郷へと差し掛かる。
ニルスの故郷に一行が近づく頃、群れの隊長アッカニルスに残酷な真実を告げた。「妖精の魔法を解くためには、聖マルタン祭の夕食にモルテンの命を差し出すこと」ニルスは、あまりのショックに泣き苦しみ葛藤する。そして一生家には帰らないと決意するのであった……。しかし事態は最悪の方向へ…。

最後のピンチを、ヒヨコは直視できずずっと床に顔を押し付けて目をそらしていた。「ヒヨコ、もう大丈夫だよ、みんな助かったよ」そう言わないとずっと耳を塞いで突っ伏してたろう。ヒヨコは物語のデティールに関しては全然理解できないが、情緒的な感受性はノマドよりもずっと発達してる。ニルスが葛藤している間、「ヒヨコならどうする?」って聞くと「モルテンがしぬのはヤだから、チッコイままでおとうさんおかあさんとモルテンとでくらす」ふんふんなるほど。ノマドは?「わかんない…」

ニルスのふしぎな旅〈1〉 (偕成社文庫)ニルスのふしぎな旅〈1〉 (偕成社文庫)
(1982/01)
ラーゲルレーヴ

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●ワイフから聞いたのだが、ボクは高校生の頃ワイフの誕生日に、この童話の原作本全4巻をプレゼントしたことがあるという。えーっ、ボクすっかり忘れてるわ!なんで「ニルス」なんて選んだんだ?ワイフ「その時は、大江健三郎がこの原作に注目してるらしいって言ってたわよ。実家に全部揃ってるわよ。結局読んでないけど」



スウェーデンの音楽シーン。

クッキー・シーン・ミュージック・アーカイヴ [北欧POP MAP Sweden編] (P-Vine BOOks クッキー・シーン・ミュージック・アーカイヴ)クッキー・シーン・ミュージック・アーカイヴ [北欧POP MAP Sweden編] (P-Vine BOOks クッキー・シーン・ミュージック・アーカイヴ)
(2007/09/21)
クッキー・シーン編集部

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「北欧 POP MAP スウェーデン編」
●雑誌「クッキーシーン」が取材してきた材料で、とてもマニアックなディスクガイドが出来た。スウェーデンのインディーロックシーンを綴る本だ。00年代のインディーロックという分野をセッセと伝えてきた「クッキーシーン」にはホントご苦労様と言いたい。90年代と違ってどっちかってーと日陰のシーンをしっかり日本に伝えてくれました。しかもスウェーデンで一冊だよ。マニアックだよね。

Sweden.png

スウェーデンってどんな国?
ノーベル賞?家具屋のイケアボルボもこの国のクルマだっけ?あんま知らねえ。調べると人口約900万人。ちなみに東京都の人口は1280万人。面積は約45万平方キロメートル。日本全体で約37万平方キロメートル弱。ひろーい土地に少ない人々が散らばって住んでる。首都ストックホルムは人口約75万人。北欧最大の都市だが、世田谷区約85万人を下回る。その他の主要都市。イエテボリ約50万人、マルメ約28万人。……いやに人口にコダワッてみましたが、ナニが言いたいかっつーと、この国の音楽シーンで天下とるのは、市場規模だけで言えば下北沢&吉祥寺を制覇するのと同じくらいかも?ってコト。シーンの大きさもミュージシャンの数も、全部トモダチでくくれる位の規模になりそう。
●でもココから聴くに足る豊かな音楽が発信されているのも事実。ボクはこの本を読んで初めて「アレ、このバンドはスウェーデンの人たちだったのか」と気付くような発見もたくさんあった。英米のポップ/ロックシーンに影響されながら、ソレを世界に向けて発信するのは難しい、でも真に才能のあるモノはどんどん評価されていく。かつて日本のアーティストにもそういうバンド達がいたような気がしたが、最近はメッキリ音沙汰がなくなった。この国のミュージシャンは、まだ世界にリンクしてる。
●つーことで、CD棚をゴソゴソあさって、家中のスウェーデン物件を引っ張り出してみる。意外と沢山あるもんだな。



●スウェーデンの音楽が注目されるのは、何回かの時期に別れている。それを本書「北欧 PO MAP」の記すように、新しい順に注目作をチェックしてみる。

まずは最新シーン。第三波、サード・ウェーブ。00年代中盤から日本に紹介され始めてきた世代。繊細でセンチメンタルなスタイルが多いみたい。


ライターズ・ブロックライターズ・ブロック
(2006/12/13)
ピーター・ビヨーン・アンド・ジョン

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PETER, BJORN & JOHN「WRITER' S BLOCK」2006年
●90年代シューゲイザーのような神々しいギターのシャワーもあれば、リリカルに響くギターもある。エコーの深さが森の深さを象徴するようで、すこしハナにかかった舌足らずなボーカルが、北国の短い夏を目一杯謳歌しようと伸び伸びと響く。優しい気分になれる慎ましやかな音楽だ。
「口笛ソング」の異名で欧米のラジオを席巻した「YOUNG FOLKS」は確かに一度聴いたら耳から離れない。なんてキャッチーでチャーミングで繊細なんだろう。そして男女のボーカルが優しく二人の時間をささやき合う。これはステキな歌だ。

「ボクらは若い連中のやり方なんて気にしない、彼らが話してる若いスタイルも気にしない。
  ボクらは古い人々のやり方なんて気にしない、彼らが話してる古いスタイルも気にしない。
  ボクらはボクら自身のやり方だって気にしない。ボクらが話してるコトすら気にしない。
  大事なことは、ただ今、ボクとキミが話しているということだけ……。
  ボクらがナニをしようと、ドコに向かおうとも、全然関係ない。
  今夜こうして会うことが出来たのだから…」



In ColourIn Colour
(2006/03/13)
The Concretes

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THE CONCRETES「IN COLOUR」2006年
●このバンドはこの本を読むまで、アメリカのバンドだと思ってた。ジョージア州アセンズのサイケシーン(レーベル ELEPHANT 6 周辺)から派生的に出てきた USインディーロックだと思ってた。一聴して連想したのは THE DECEMBERISTS とかだったし(ジャケの雰囲気とかも)。なんてったってこのCD、ハワイのタワレコで買ったんだもん、スウェーデンみたいな北国へ繋がるなんて予想もつかないよ!でもレーベルは ASTRALWERKS だし(←THE CHEMICAL BROTHERS とかやってるトコロ)、得体が知れないなと思ってた。
●ウィスパー女子声が優しく響く可憐なギターポップ。コンクリートってゴツい名前のワリには、その音は柔らかく繊細で、洗い立てのタオルケットのように気持ちよく肌馴染みがイイ。途中で差し込まれるまろやかなホーンがカラフルに炸裂していくのがとても美しい。なんとバンドは大所帯で8人組。人の入れ替えも激しくて、番度と言うよりコミュニティという感じなのかな。そう思うとやはりスコットランドの BELL & SEVASTIAN にも聴こえてくる。今作のプロデューサーは、USバンド BRIGHT EYES の音楽参謀 MIKE MOGIS とのこと。
●ちなみに、今作で個性的なささやきボーカルを聴かせてくれてた VICTORIA 嬢が脱退しちゃった。そして前述の PETER BJORN & JOHN の口笛ソング「YOUNG FOLKS」でメインボーカルとっちゃてる。スウェーデンじゃ世間はより一層狭いみたいね。



お次は00年代前半。セカンドウェーヴ。どっちかというとガッツリロックした世代。
●この世代の音楽は、ブリットポップの荒廃に倦んでいた当時のUKシーンへ、NYの THE STROKES とともに「ガレージ回帰」という新風を吹き込み、THE LIBERTINES、FRANZ FERDINAND、ARCTIC MONKEYS の出現を横から支援した。00年代「ロックンロールリバイバル」の始まりだ。先鋒を切って英国に殴り込んだのは THE HIVES。スウェーデンでは全然売れてないバンドだったのに、イキナリイギリスでブレイクした。そして多くの後進達が続々と注目を集めるようになる。


Bring 'Em InBring 'Em In
(2003/08/26)
Mando Diao

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MANDO DIAO「BRING 'EM IN」
THE HIVES の弟分のようなタイミングで登場した狂犬野郎どものデビュー盤。先輩バンドもUKバンドもクソミソに罵る、生意気盛りのビッグマウス。ブルースシンガーのようにクシャクシャになった声で噛み付くように喚く GUSTAF と、ERIC BURDON のように朗々とソウルフルに叫ぶ BJORN質の違う二人のボーカリストが別々にボーカルをとる双頭バンドだ。荒々しいギターサウンドの中にモッズの香りも漂う曲者。オルガンが黒さを小憎らしく演出。闇雲に走るだけじゃない、ミドルテンポでも十分聴かせる。やべえ、コイツら思ったよりカッコいい。THE SMALL FACES、THE BEATLES のような60年代英国ロックの気分が伝わる。甘いサイケの匂いまでする。UKバンドじゃないってコトを忘れちまう。


Hurricane BarHurricane Bar
(2005/03/08)
Mando Diao

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MANDO DIAO「HURRICANE BAR」2004年
●太子堂の古本屋にて300円で購入。値段なり程度の期待しかしてなかったけど、コレもよかった。ヒリツくような焦燥感と、退屈で窒息するような閉塞感で詰まりそうになる喉から絞り出されるロックンロール。「オレらは希望を捨てない、決してこのロープを切らない!」泳ぐのを止めれば死んでしまうサメのように、ヤツらは歌うのを止められない。止めればまたタダの能無し文無しに逆戻りだからだ。そんな感情が言語を超えて響いてくる切なさがたまらない。疾走感は一枚目よりも120%と増量、キュンとくるメロディ度も120%増量。モッズ度は下げ目。まーとりあえずコレ聴きながら50メートルダッシュ10本走れ。


Jennie BombJennie Bomb
(2002/09/10)
Sahara Hotnights

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SAHARA HOTNIGHTS「JENNIE BOMB」2002年
●女の子4人組、小細工の1ミリもない純然たるガレージロックバンドのセカンド。これもスウェーデンって意識して聴いてなかったな〜。もうあの頃(00年代初頭)はひたすらドコもかしこもガレージばっかりだったから。しかもサハラ砂漠だぜ。ココはもう灼熱にたぎる当時二十歳ソコソコの娘ッコのチカラ任せなロック魂に身を浸すのみ!タイトル「JENNIE BOMB」は70年代ガールズパンクバンド RUNAWAYS の名曲「CHERRY BOMB」を否応なく連想させるけど、若い彼女たちはこの曲のコトは後から知ったという偶然の産物。PRIMAL SCREAM の連中が彼女らをお気に入りにしているとな。


キス&テルキス&テル
(2004/07/21)
サハラ・ホットナイツ

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SAHARA HOTNIGHTS「KISS & TELL」2004年
●カワイい顔して、年間100本もライブをこなしてきた彼女たちのステージ筋肉はハンパじゃない。腕相撲したら絶対負ける。その熱を的確にすくいとってこのサードアルバムに焼き付けたのは、THE HIVES を手掛けるプロデューサー PELLE G という人。ギター音の粒立ちがヨクなったかな。80年代ニューウェーブ・リヴァイヴァル的な感じ?


Behind the MusicBehind the Music
(2001/04/09)
The Soundtrack of Our Lives

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THE SOUNDTRACK OF OUR LIVES「BEHIND THE MUSIC」2002年
●このバンドも絶対カナダかアメリカの連中だと思ってたんだよなー。ボクの耳はホント読みが浅いわ。コイツらは MANDO SAHARA のようなガレージじゃない。ダイナミックでスケールの大きいギターサウンドが、ジャムバンド系にもオルタナカントリーにも聴こえる。長ったらしいバンドの名前がエモ系っぽくも思えたし。BROKEN SOCIAL SCENEFEIST はココのメンバーだよ) とか、MY MORNING JACKETS とか、DRIVE-BY TRUCKERS とか、THE OLD 97'S とか、そんな連中の仲間だと思ってた。
●でもこの幾重にも積み重なるギターの力強さは、どうしても SONIC YOUTH に代表されるような90年代オルタナティヴロックを連想させる。朴訥としたボーカルは決してドラマチックに展開しないが、最初から最後まで高温のままタギり続ける。しかしその一方で、その轟音のスキマからチラとカオを見せるトラディショナルな旋律も見逃せない。優しいフォークロックようでもあり、静謐でサイケな音響を聴かせてもくれる。……ダメだ、懐が深過ぎる。このバンドが放つ独特の磁場を説明することができない。やってるコトは多分ロックとして実にオーソドックス。でもそのオーソドックスをこなせるバンドが今いないというコトなのかも知れない。昔からのロックファンの人こそコレを聴いた方がイイのかも。



90年代中頃。渋谷系音楽の延長の中で注目されたスウェーデンのアーティスト。言わばファーストウェーブ。
●渋谷系時代のギターポップ全盛期に、同じ美学でチャーミングなバンドサウンドを作ってる連中が北欧にいるという発見は、コロンブスがアメリカ大陸を発見したような感動的事件だった。カジヒデキ(ex.BRIDGE)などのアーティストがスウェーデン詣でをして、様々なアーティストとコラボレートした。


First Band on the MoonFirst Band on the Moon
(1996/09/17)
The Cardigans

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THE CARDIGANS「FIRST BAND ON THE MOON」1996年
90年代の渋谷にスウェーデンの爽やかな風を最初に運んできたのはこのバンドだ。この一つ前のアルバム「LIFE」は東京で大ブレイク。偏屈なボクは、ジャケで微笑むボーカル・NINA 嬢の甘ったるい顔がオシャレ過ぎて買わなかった。今ではタタキ売りの定番、でも420円の10%オフでも買わなかった。このバンドにはスゴく偏見あったからね、買ったら負けだと思ってた。でもこのディスクガイドを読み「LIFE」の次にあたるこのアルバムが250円で売られてるのを BOOKOFF で発見した時は、「試しに聴いてみるか」という気分になれた。月面初のバンドとやらを。
●プロデューサーはデビュー作から面倒を見てきてくれたTORE JOHANSSON という人物。この男とこの男が所有する TAMBOURINE STUDIO こそが、90年代のスウェーデンポップスの方向性を定めた。60年代の香りと90年代の洗練を盛り込んだ独自のチャーミングなサウンドが一世風靡、このアルバムの曲「LOVEFOOL」ディカプリオ映画「ロミオ+ジュリエット」のサントラに収録され、英米でもブレイクしてしまう(このサントラにはスウェーデンの重要バンド THE WANNADIES も収録されてる。多分コッチの方が骨があってカッコいいように思えるが、ボクはこの一曲しか聴いたことがない)。ボーカル NINA 嬢のフワフワ綿菓子ウイスパーを堪能すれば正解ってコトなのだろうか? アレンジは悔しいほどカラフルで、文句のつけようもないさ。冗談のようだが、BLACK SABBATH のカバーなんてやってる。リーダーの PETER さんは、ヘヴィメタバンドの前科があるんだって。でもフワフワ綿菓子アレンジだけど。


Gran TurismoGran Turismo
(1998/11/03)
The Cardigans

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THE CARDIGANS「GRAN TURISMO」1998年
●初めてこの盤を手にした時は、どうせまたオシャレ物件だろうと思い、期待もせずに聴いてみた。したらどうしたことだろう。この憂いのこめられたブルーな雰囲気は。前作「FIRST BAND ON THE MOON」と全然違う。アソコにあったキャッチーな明るさはドコに? 世界的大ヒットとツアー、激しい環境の変化に彼らはグッタリ疲れてしまったようだ。制作は TORE JOHANSSON、スタジオも TAMBOURINE、体制は一緒。でも全然違いまっせ、雰囲気が。
今回は大胆にもトリップホップなアプローチ。打ち込みアレンジを主体にして、NINA 嬢のウイスパーボーカルをよりメランコリックに響かせる。プレステ用レーシングゲームの傑作と同じ名前なのに、スピード全然出ません。でも能天気に愛想を振りまくよりもズッと親近感持てる。前作、前々作のCDが好きなファンはガッカリかも知れないけど、ボクはファンじゃないからコッチの方が好き!


Vive La DifferenceVive La Difference
(1998/02/27)
Eggstone

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EGGSTONE「VIVE LA DITTERENCE !」1997年
●90年代のスウェーデンのシーンは、TORE JOHANSSON というプロデューサーと TAMBOURINE STUDIO が大きな軸になっていた、と前述したが、このスタジオの共同経営者がこの EGGSTONE というバンドのメンバーだ。THE CARDIGANS も 後述する CLOUDBERRY JAM も、この EGGSTONEもココでレコーディングをし、TORE JOHANSSON とともに作業した。彼を訪ねてカジヒデキ BONNIE PINK もこのスタジオに来て多くの楽曲を作った。そんな伝説の場所ってわけです。
●これがかなりひねくれたポップス。一曲目から複雑なリフに乗っかるコーラスにドキリ。どの曲も決して分かり易いメロディじゃないのに、サビに向けて盛り上がるカラフルなアレンジが最高にキャッチー。ホーンもベルも総動員で楽しさ全開。このセンスやっぱ渋谷系。じつはこのアルバムがバンド最後の作品になってるが、メンバーはそれぞれ TAMBOURINE を中心にスタジオ/アレンジ仕事に精を出してるそうな。


モーペッズでいこうモーペッズでいこう
(1998/04/08)
モーペッズ

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THE MOPEDS「THE HILLS ARE ALIVE WITH THE SOUND OF MOPEDS」1998年
●どうでもいいけど邦題がダサイ。「モーペッズでいこう」って…。ま、このスウェーデンのお土産屋さんで売ってる絵はがきみたいなジャケも大分ダサイが。この脱臼感、全部狙いか。モーペッズってのは、原付バイクのことで、裏ジャケや中ジャケでは、メンバーがエイベックス社内の廊下やエレベーターの中でこのチッコイバイクを乗りまわしてるトコロが写ってる。
●この人たちは、前述の TAMBOURINE STUDIO に出入りしてたホーン奏者の兄弟が軸になって出来たスリーピースバンド。本業でない楽器を手にして興奮気味なのか、ガレージっぽいギターもソリッドで、ワクワクするようなロックンロールが賑やかに行進する。でも排気量は 50cc ぽっちってのが原チャリの宿命、軽い音立ててパタパタ走り回る感じはマッチョ志向はサラサラないよと言わんばかり、見ててとてもチャーミング。馴染みの仲間 EGGSTONE のようにひねくれたメロディを、おフザケ半分で吹っ飛ばす。楽しいですよ。


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CLOUDBERRY JAM「CLOUDBERRY JAM」1995年
●クラウドベリーという果物がなんだかわからないので、この果物で作ったジャムがどんな味してるのか全然見当がつかない。ただし、女性シンガーJENNIE MEDIN の声を聴く限りでは、少し酸味が効いててほろ苦いトコロもあって、甘ったるくない感じがする。キュートな顔して芯のある低めの声を持つ彼女は、このバンドを THE CARDIGANS みたいにフワフワ浮ついたモノにしない。アレンジが厚すぎないサジ加減が潔く聴きやすい。
●彼らの初期ミニアルバム(やはり TORE JOHANSSON制作)2枚を、日本の QUATTRO レーベル(つまりパルコだよ!)が束ねたのがこのCD。90年代の日本がいかにスウェーデンにノメり込んでいたかを象徴してる。彼らにとってもお気に入りの編集盤でファーストアルバム扱いにしてくれてるらしい。


トゥルー・モダン・ボーイトゥルー・モダン・ボーイ
(1995/10/18)
ピンコ・ピンコ

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PINKO PINKO「TRUE MODERN BOY」1995年
●ディスクガイドには「スウェーデンの BLUR」なんて書いてある。語尾をみょーんと伸ばすクセのある歌声は、コロッケ美川憲一のモノマネをするが如く、DAMON ALBARN の歌い方を、愛情をこめながら思い切り馬鹿にしてパクってるみたいで、実に笑える。ひねくれたポップセンスも本家に迫る勢い。いわゆる一流のB級感ってヤツ?なんてったって、バンドの名前がピンコピンコだからね。


バック・インサイドバック・インサイド
(1995/10/18)
レイ・ワンダー

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RAY WONDER「GET BACK INSIDE」1995年
PINKO PINKO はジャケが雪国っぽいからスウェーデン物件だという意識で捕らえてたけど、この番度は昔から持ってたのにずーっと UK バンドだと思ってた。コッチも大分ひねくれたギターポップだ。先の展開が全然読めない奔放なアレンジは、オモチャ箱をひっくり返したようだわ。一曲に盛り込むアイディアの量が多過ぎて、ついて行けなくなるほど。もっと切り売りしたらイイのに(笑)。ポップスとして複雑なのにかなり高機能っすよ。スウェーデンのバンドはみんなヒトクセあるヒネリ感を持ってるんだなあ。ちなみに、CLOUDBERRY JAM、PINKO PINKO、RAY WONDER ともに所属レーベルは NORTH OF NO SOUTH というトコロ。なんか北の果てって感じだな。 制作にはいづれも PELLE HENRICSSON という人が関わってる。


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ATOMIC SWING「A CAR CRASH IN THE BLUE」1993年
●このバンドは、ほぼリアルタイムに聴いてたな。アメリカ・オルタナティヴロックに対する北欧からの回答というような位置づけとして。この時代のスウェディッシュポップと違ってかなりロックです。汗臭いです。なにやら収録曲10曲を10日間で録音、全部バンド一体の一発録りとか。分厚いベースとギター、むさい低音ボーカルが印象深かったのですか、今聴くとオルガンがかなりファンキー。きっと70年代ロックが好きな人でも聴けちゃう。ザックリとしたギターソロも入ってるし。北欧という枕詞抜きで楽しめるロックアルバムです。


FluffFluff
(2006/12/18)
Atomic Swing

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ATMIC SWING「FLUFF」1997年
●このバンドの三枚目にして最後のアルバム(と思ってたら、2006年に再結成&新譜出してた)。この頃にはバンドは拠点をロンドンに移してて、メンバーもちょっと変わっちゃってたみたい。でも泥臭いグルーヴはまんまで、そのファンキーさ加減では、ブリットポップ期の REEF とか、「ROCKS」時代の PRIMAL SCREAMみたい。むさい声と暑苦しいギターにコーラスの色添え。……でもやっぱ一枚目の方がカッコいいな。



●そんでシメは、やっぱコレ。

S.O.S.〜ベスト・オブ・アバS.O.S.〜ベスト・オブ・アバ
(2001/02/07)
アバ

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ABBA「S.O.S.〜ベスト・オブ・アバ」
●やっぱ、スウェーデンというと、一番最後はココにクルよね。「DANCING QUEEN」とかがダンクラ系クラブでかかっちゃうとやっぱ盛り上がるもん。

●他にもスウェーデンには、ピコピコ疑似レゲエポップス、ACE OF BASE とか、80年代末にヒットを飛ばした男女ロックデュオ ROXETTE がいた。激安100円コーナーの定番 MEJA ってアイドルの女の子もスウェーデンの娘。本国じゃ全然無名らしく、日本でだけでヒットしてたらしい…けど、日本でもヒットしてた覚えがボクにはありません。矢井田瞳をカバーしたってのだけ聴いてみたい。

●加えてもう一曲。タランティーノ監督「レザボアドッグス」やCMなどで有名になった「ウガジャガウガジャガ〜」のあの曲。アレもスウェーデンのバンドなんだって。BLUE SWEDE「HOOKED ON A FEELING」。1974年の曲だってさ。タランティーノのB級センスにはいつも脱帽だよ。

レザボア・ドッグス ― オリジナル・サウンドトラックレザボア・ドッグス ― オリジナル・サウンドトラック
(2002/05/02)
サントラスティーヴン・ライト

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