自律神経失調症とのお付き合い(その96)~「ヨガ爆睡」編
●毎週土曜日のヨガ教室。セッセと通っております。顔見知りのオネエサンも出来たし、教室の下にあるカフェの店長さんたちにもカオを覚えてもらっちゃった。なにげに楽しいです。
●しかし、この先週の教室には難易度の高いポーズが出てきて(…あ、ボクだけみたいですね…他の人はコトもなげにこなしてる…)、メッチャ気張ったら、首と背中の筋をオカシクして翌日鍼灸に行くハメになってしまいました。

●さて、今週のヨガ教室。先週みたいに難しくてカラダに無理がかかるポーズはうまく避けないとな…先生に相談しようかな…と思いながら参加したトコロ、先生から新しい提案が。「今日はメディテーションをやります!」
メディテーション……てのは、直訳すれば「瞑想」ってヤツだな。うん、コレなら無理にカラダを使わないで済む。よかったよかった。「最後の10分間程度にメディテーションをしますんで、今日は、カラダを積極的に動かすのではなく、リラックスさせていくことを意識していきましょう」

だが、ヨガ初心者のボクには、この「メディテーション」が難しい。
●ほどよくカラダがほぐれた段階で、アグラをかいて床に座る。仏像みたいに足首をヒザの上に乗せる座禅的なポーズではなく、足首の上に反対の足の腿を乗せるフツウのアグラ。難易度低し。そして目をつぶって瞑想に入る。
●しかし、座禅と違ってアタマの中を空っぽにするという訳じゃない。カラダの中を丁寧に&積極的にモニターしてイメージを掴むのだ。しかしコレが難しい。センセイ「まず第一チャクラに赤い円錐形のようなモノが大地から上がって来るようなイメージを掴んで……、そのチャクラの色をジブンで見て下さい……」……おお……先生の指示が全然ワカンナい…チャクラって?しかも「第一」って?…ボクの当てずっぽうな推測では、「第一チャクラ=オシリのアナ」らしいんですけど。でもソコに赤い円錐がブスッと刺さるというイメージは、大地のエネルギーを受ける以前に、その…あの…もっと下品な刺激をボクに連想させるわけで(座薬とか直腸の触診とか…アレされると全身のチカラ抜けるよね…)、一体どう解釈してイイか全然ワカラナイのでした。
●結果、最初のステップでコケたため、その後のステップは全然ついて行けなかった。「チャクラの色を感じましょう…第三チャクラは「緑」のイメージ……第四チャクラは「青」のイメージ……」……ホントすいません、何も感じません。ドコがチャクラなのかも分かりません。

そんで、姿勢を変えて、全員仰向けに。ココでシッパイしました。
横になった瞬間に、ボク、爆睡しました。だって静かで心地よかったもんで…。最後にもう一度座り直す時に、先生がソソッとボクの足を触って起こしてくれましたが、もうクラス全員の生徒さんがクスクス笑ってました。クラスが終わってから、顔馴染みのオネエサン「違う意味で別の次元に行ってましたね(笑)」ええ、完全に堕ちました…ボク、イビキしちゃってませんでした?先生「ううんと……寝息が少々(笑)」ダメじゃん、完全に。

●顔馴染みのオネエサン(アパレルでデザイン/パターンを手がけてる)と、階下のカフェで一杯コーヒーを飲んで雑談。メディテーションって、ボク全然理解出来なかったんですけど、結構よくやるんですか?「アタシ一年以上ココに通っているけど、まだ5回くらいしかやったコトないです」へえ、レアなんだ…実際、先生も難易度は高いって言ってたな。
●その後も、このオネエサンとはシモキタザワの注目の服屋さんやインドネシアの雑貨のハナシなんかで盛り上がってしまった。ある意味シモキタザワ的なライフスタイルを地でいくこのオネエサンと話していると、趣味が近いので実に楽だ。この人に仮名をつけましょう。「ミムラ姉さん」。ヨガの日は必ずアタマのテッペンに髪の毛をまとめているので、ムーミンに出て来るミムラ姉さんソックリです。


さて、とうとう明日から正式に復職だ。
休職して1年10ヶ月。もう「働く」って感覚がよく分からなくなっているような気がする。
●精神科デイケアのスタッフさんにも電話でお礼を言ったし、お世話になった上司にも一通り挨拶したし。現場の若いヤツにはボクのこと知らないのもイッパイいるけど、いつも通りスルリと若者の中に混じっちゃおっと。ボクはホント貫禄というモノに無縁で、スゴく気さくに若者から声をかけられるんだよね~。童顔だからかな? 実年齢言うとその瞬間からヒカれたりするし。「スイマセン、10年も上のセンパイだったんですね」とか。別にこだわんないんだけど。

●以前の「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-557.html



ヨガのメディテーションに失敗したので、音楽でチルアウト。

THE ORB「U.F.ORB」

THE ORB「U.F.ORB」1992年
90年代初頭のテクノシーンの中で注目されたアンビエントの名盤。アンビエントミュージックは、BRIAN ENO などが70年代から取り組んでいたアヴァンギャルドの一形態だったけど、それをクラブシーンの中に組み込んで、「チルアウト」という機能主義を盛り込んだのはこの時代のアーティストたちだったと思う。THE ORB A.K.A ALEX PATERSON はその代表格で、テクノミュージックとサイケ思想を繋ぎ合わせたハイテクヒッピーでもあった。

●クラブシーン・ミーツ・アンビエントの歴史的傑作と言えば、THE KLF「CHILL OUT」1990年が一番最初に出て来るだろう。60分超、全1曲で、完全ノービート、環境音のコラージュだけで組み上げた音楽だ。THE KLF は強烈でアシィィッドなダンスチューンで90年代テクノの歴史に名を残したが、パンク精神に基づいたドギツイ皮肉やブラックユーモアでも超一流だった。会見を開くと称して音楽ジャーナリストたちを山奥の草原に連れて行き、ムームー教の儀式(徹頭徹尾、連中の冗談です)にひたすら付き合わせるとか。この「CHILL OUT」も徹底した冗談の一枚だったかも知れない。でも歴史に残っちゃったね。

THE KLF「CHILL OUT」 THE KLF「CHILL OUT」


THE ORB こと、DJ ALEX PATERSON。テクノ/クラブシーンの激しい躍動感の裏返しとして「チルアウトルーム」という発想を作り、そこで踊り疲れたカラダを休める音楽をスピンした。やはりノービートで、実に抽象的な音楽だったらしい。THE ORB のファーストアルバムもノービートだった。最初期の THE ORB はその直後 THE KLF を結成する JIMMY CAUTY とのユニットだったこともあり、チルアウトというアイディアは、この両者で共有されてたんでしょう。

THE ORB「THE ORBS ADVENTURES BEYOND THE ULTRAWORLD」

(THE ORB「THE ORB'S ADVENTURES BEYOND THE ULTRAWORLD」1991年)

●ただしセカンドアルバム「U.F.ORB」はより曲想をポップに近づけたようで、12分の一曲目が終わると強いビートが現れる。当時まだ学生だったボクにはそんな風に捉えるほどの経験がなかったが、今の感覚に引きつけて分かり易く言えば、コレはダブだ。ダブのエコー感覚に一番近い。よって、ワルいハッパをモクモクするにもこの音楽は実にマッチしたに違いない。そういう意味では折り目正しくサイケ。70年代からプログレバンド GONG などで活躍した STEVE HILLAGE や、インダストリアルロックユニット KILLING JOKE の元メンバー YOUTH が関わってる曲もあり、90年代クラブシーンと70年代/80年代の音楽を繋ぐ結び目にもなってる。
●そんでだ、もう一歩踏み込めば、コレは「ダブステップ」にも聴こえる。00年代中盤から UK のダンスフロアで注目を集めるダンスミュージックのフォーマット「ダブステップ」。時々温故知新してみるのもイイモンだ。チルアウトとダブステップに接点を見つけられるなんてイイな。「ダブステップ」は最近よく聴いているので、いずれこのブログで報告致します。
●ただし、やっぱりチルアウトの古典盤だけあって、催眠効果も満点ね。ダブダブモードになる前に爆睡しちゃうんだよねー。ほとんどの曲が全部10~17分と長いのも特徴ね。今週末はホントよく寝たぜ。復帰直前にふさわしい爆睡ぶりだったよ。


スポンサーサイト
今週は、東大に行ってみた。
復職を来週に控え、もうフラフラできる身分でいられるのもオシマイだ。そこで、東大に勤める友達を訪ねて東京大学・本郷キャンパスを訪ねてしまったのだ。もちろん、会社を勝手に抜け出して。

P1001335.jpg

●で、コレが「赤門」。正門とは別モンなのね。フシギなことに、周囲に写生をするオジサンオバサンがいてビックリ。この門のナニを描くの?内側にもいっぱいいてビックリだよ。
東大・本郷キャンパスは広大すぎて、体力の削げ落ちた病人のボクには歩きまわりきれない。下手に歩くと遭難する。安田講堂も見られなかった。でも、友達の話によると、この構内にはスターバックスドトールは当たり前、日比谷公園の老舗レストラン・松本楼や、青山のおしゃれレストランまでもが出店してるのだ。さすが東大。結局そのレストランのきのこスパを食べた。うまかったです。

東京大学コミュニケーションセンター

●赤門のすぐ横には、「コミュニケーションセンター」なるグッズショップがあって、ちょっとオモロいグッズもあった。銀座和光とコラボしたチョコレートや、東大限定オリジナルのお酒まで売ってた(←なんとなくマンガ「もやしもん」を連想しちゃった)。あと、超巨大なレゴブロック製「安田講堂」が建ってた。

P1001336.jpg

(1969年にバーニンしたはずの安田講堂も、今やレゴです。)




●こんな東京大学を卒業してシンガーになった、小沢健二という男が、かつて、「戦場のボーイズ・ライフ」という曲を歌っていた。

「戦場のボーイズライフ」(「戦場のボーイズ・ライフ/ぼくらが旅に出る理由」1995年)

小学二年生の息子ノマドの生活が「戦場」とは思わないが、やつのチッコイ世界はそれなりに毎日が冒険で、毎日ワサワサ暮らしている。



ノマドと「バトエン事件」。
「バトエン」とは、「バトルえんぴつ」の略称。六角形の鉛筆のそれぞれの面に、様々な数字やデータが書き込まれていて、コロコロ転がしてはそのデータから導かれるポイントを競い、勝敗を決めるというゲームなのである。で、コレが小学生に受けている。

P1001343.jpg(「バトエン」。)

●我が息子ノマドは、マイワールドに没入するタイプでこうした周囲の時流に興味がない。カードゲーム「バトルスピリッツ」こそが命だ。しかし全然ブレイクする気配のない「バトスピ」(小学二年生では難しい?)にどんなにハマってもヤツのクラスメイトとの交流は伸びない。そこでノマド同意の上で、ワイフがこの「バトエン」を買いそろえて学校に持たせてみたのだった。しかし…。
●ピカピカの「バトエン」にクラスメイトたちは群がり、「えーイイなー、スゲえなー」と盛り上がった。ココまではイイ。しかし、誰かが「ノマド、これ、オレのバトエンとトリカエッコしようよ!」と言い始めた。同じ「バトエン」でも強いエンピツ弱いエンピツがあるのだ。クラスメイトたちは我先に「オレのとコウカンしよう!」とゴリ押し交渉を始めて混乱状態に。ノマドは当然他人の使い古しよりも新品のマイエンピツがイイに決まってるわけで「えー、トリカエッコはやだ!」とか主張したようだけど、たちまちワンパクキッズにめぼしいエンピツを不当交換させられてしまった。
●夕方、ボクは聞く。そんでノマド、どうしたの?「んーとね、ちょっとないた。」 プッ!泣いちゃったのか(笑)。「でも、ヤダってオレいったのに!」しかし結局はエンピツは全部新しいままじゃないか?どうしたんだ?「センセイがおこって、トリカエッコはなしになった」 おお、公権力が介入したのか。「そんで2くみは、バトエンきんしになった」 ああー、お前が当局にキッカケを与えて、「バトエン」シーンを殺しちゃったのね!やっちゃったね!
●後日、学級便りでもこのトラブルの件が報告されていた。ノマド以前にもチカラ関係にモノをいわせた不当交換はあったようで、担任としてはもはや看過できないと。そんで禁止!しかし一方で、「オレ、バトエンしかもってないです」という子も。「じゃあ、全員名前をエンピツ一本一本に書くこと!それなら交換できないでしょ」…先生も微妙な対策でご苦労様だよ。すでにPTA系にこの話は流れ、2学期はバトエン全面禁止へ保護者の総意が動くような向きも…。ノマド、わりとデカイ波紋を起こしたな。


そんなノマド、ある日同じクラスの男の子ユウくんから「ウチにあそびにきて」と誘われてきた。
●ワイフはうれしがるが、ノマドは全然ノッテナイ。その場では適当に話を合わせただけで、本音では行きたくないのだ。基本的に一人遊びが好きで、お世辞にも社交的とはいえない性格のノマド。この内向性はワイフの心配のタネである。…ボクも心配であるが、打つ手はない。なぜなら、ボクも社交的な性格ではないからだ。小学4年生くらいまでの時期を振り返って、同い年の友達と放課後遊んだ覚えがない。お前も難儀な人生を送るんだろうなーと、同情を持って眺めるしかない。
「行くか行かざるか…」、ハムレットのように悩むノマドにワイフ一喝。「行くにしろ行かないにしろ、どっちにするかお友達に電話しなさい!」ノマドは電話を握った。そんで誘いを断るつもり…だったが、絶対行くことを約束させられてしまう…。ところが、実際に遊びに行ってみると、その子の住む団地には砂場やブランコがあって、とても楽しそう。クラスメイト数人と協力して巨大な砂山を作るなど、実にエキサイティングな経験をしたようだ(夕食ドキ話題を向けてみたが、ノマド自身は「たのしかった」と認めたがらない…自説を曲げたくない頑固体質…でもホントはまんざらでもなかった)。ワイフもお母さん友達の社交が広がってうれしかったようだ。

ユウくんの団地に集まった仲間に、テンタくんがいた。
●彼は、ボクとワイフが入学の瞬間から注目してたキャラなのだ。テンタくんは、机にじっと座っていられない、空気を読めない、みんなが集まって何かをしている時に自由帳に向かって落書きをしている、などなど、放つヴァイブが明らかに他の子と違う。その一方、世界地図や恐竜図鑑などが大好きで、猛烈な記憶力を発揮して首都や恐竜の名前を目いっぱいその脳ミソに格納している。アウトローぎりぎりだが、キラリと才能を感じさせるのよね。そして、ノマド本人は認めないが、ヤツと親和性がすごく強いはずなのだ。(テンタくんのユニークな粘土細工を一度このブログで紹介してます。こちらの記事でチェックしてみて!ナイスアルマジロ!)
テンタくんのお母さんによると、テンタくん側はノマドに親近感を感じてるみたい。「ノマドくんは、みんながナニかをいっしょにするとき、ホントはやりたくないみたい。オレとおなじ。」……プッ!図星じゃねーかノマド!理解者がいるぞ!おまえ、さてはカワリモノを惹きつけるタイプだな。いいぞいいぞ!パパも結構そのクチなんだよね…気づくとマワリに変人が多かったんだよ。そして徐々にカワリモノへの耐性が強くなってくわけよん。

●先日ノマドは、牛乳が大嫌いなテンタくんのために、ハナをつまんでやったという。ハナをつまんで匂いを消せば牛乳は飲めると、ノマドはテンタくんを説得し、見事テンタくんは入学して一年以上の時間を経て、初めて牛乳を飲み下した。「ノマドのおかげでオレぎゅうにゅうのめた!」テンタくんは大喜びでお母さんに報告したという。それから一週間、ノマドは毎日給食の時間にテンタくんのハナをつまみ続け、今週からは同じ班内でテンタくんのハナつまみローテーションをノマドが組んだ。また、まわりの空気を読むのが下手なテンタくん「みんなは、オレのことがキライなんだな!」とキレかかった時に「そうじゃねーよ!」とフォローをかますのもノマドなのだという。やるじゃねえか。

この前は、ノマド自身がトモダチ数人に声をかけ、近くの児童会館を待ち合わせ場所にして我が家まで仲間を引率し、楽しく遊んだらしい。やるじゃねえか、オーガナイザーだよ。その仲間の中には「バトスピ」のプレイヤーもいることが判明し、やっとヤツは同世代の同好の士を見つけることが出来た。テンタくんは相変わらず空気を読まなかったようだが、ノマドの図鑑ライブラリーは彼の嗜好と合致し楽しんで行ったようだ。ワイフによると、テンタくんの家も図鑑があふれ、テンタくんの工作やドローイングが無秩序に壁や天井に貼り付けられており、「ウチとおんなじ」と強い親近感を感じたそうだ。


将棋少年ノマド。
●何ヶ月か前、近所の児童会館で将棋大会が行われたと言う記事を書きました(コチラの記事)。その延長で、児童会館で毎月二回、将棋教室が開かれることとなった。早速申し込んでみる。最近「バトスピ」ばかりにかまけているノマド、腕がナマッているに違いない。
●しかし、初日。ヤツは一学年上の3年生に二連勝、そして同じクラスの男の子に一勝を上げ、得意満面になって帰ってきた。そこからはヒマを見つけては将棋ばかり。ワイフの実家からもらった古いノートPCを使い、将棋ゲームだけのやり方を教えたら、黙々と画面に向かっているのである。調子にノルとどこまでも調子にノリ続ける……この性格にも、ボク自身の遺伝を感じて複雑な気分になるんだよね……だれかボクのことも調子にノセてくれ!
ま、それはそれで、ボクはノマドにもっと色々なモノを突きつけてみるのだ。

P1001340.jpg

(黙々とPCと将棋を指すノマド。どんだけ勝てているかは不明。)


ノマドの「かけ算」キャンペーン。

P1001329.jpg

●我が家のトイレには、こんなかけ算表が貼り付けられてます。ボクが「ワード」で打ちました。
●かけ算は、小学二年生の三学期に登場するんだけど、小学一年生の時からぼくはノマドにかけ算九九を教えている。インドの学校では19の段まで覚えると言うので、我が家では12の段まで覚えるよう仕向けているのだ。今の所、既に7の段まではクリア。
●…もちろん、ある程度モノでツル。9の段まで制覇したら、カードゲーム「バトルスピリッツ」構築済みデッキ「闘神の鼓動」(カードセット48枚組)を買ってやると約束しているのだ。12の段まで制覇したら、もう一個の構築済みデッキ「覇者の閃光」も買ってやる。

pic_3rd_st_beat.jpg

(左:「闘神の鼓動」/新属性『青』が注目 右:「覇者の閃光」/『黄』属性で渋く攻撃支援)

●……ここまで「バトスピ」にこだわるのは、ボク自身も完全にこのゲームにハマり始めているからだ。大人気ない大人買いでカード8枚入りブースターパックを先週だけで8パック買ったね(←つまり64枚カードを買った)。基本的にノマドの方が強いカードを保有していたのだが、最新鋭カードで補強されたボクの手札の方が完全に強くなった。
●あげく、5月末までのキャンペーンで大当たりまで引いてしまった。カードを収納するバッグです。もうノマド垂涎のグッズ。「6の段と7の段をクリアしたらコレをやる」と言った瞬間、あっというまに暗記しやがった。

img_carry_02.jpg

(「バトスピ特製キャリングケース」。たまたまスクラッチくじで引き当てちゃった。)


「にっきキング」ノマド。
ついでに言うと、日記も毎日書かせてます。「なんでオレだけニッキかかなきゃいけないんだよ(泣)」とグズグズする場面もあります。コレは一応ガッコウの宿題なのね。でも毎日義務付けられてるわけじゃない。しかしボク「ハヤトくんは、音読の宿題を一日30回くらいやって先生のシールもたくさんもらって、言わば『おんどくキング』になってるわけだな。」ノマドは音読一日5回くらいしかしないもんな。「そこでだ、ノマドはこれから『にっきキング』になる!」確かに日記を毎日書けとは先生言ってない。しかし、敢えてココは毎日書く!そうすればオマエは『にっきキング』だ。「一個自信を持てるモノを持て。」これボクの基本の主義。あと「外国語の前に日本語でノビノビと自分を語れるようになれ」も大事。今から訓練。

●一時期は、本を読んで「ドコがオモシロかったか、パパにキチンと説明できたら100円」キャンペーンというモノも展開してた。素材は図鑑でもマンガでも絵本でもイイ。ノマドのプレゼンがボクにとってオモシロければ合格。…でも、総額1000円払う前に、ヤツは100円のことなんてどうでもよくなって、本そのものの楽しさに飲み込まれていった。厳密に計算すると未払金はもう5000円くらいになっているだろう。今では、夜寝たフリをしながらナイトスタンドの明かりで、図書室の「かいとうゾロリ」シリーズを楽しそうに読んでいる。それをママに見つかりそうになると、枕の下に隠す(←エロ本かよ!)。

かいけつゾロリの大金もち (ポプラ社の新・小さな童話―かいけつゾロリシリーズ)かいけつゾロリの大金もち (ポプラ社の新・小さな童話―かいけつゾロリシリーズ)
(1998/07)
原 ゆたか

商品詳細を見る


●ボクはある意味で公教育を信用してないので、あのテこのテのアレンジを加えてコドモの教育を補強する。これがワリと楽しい。時代は「脱・ゆとり」だが、それをさらに先回ってやる。
●……しかし、ボクの作戦も、大天然ムスメ・ヒヨコには全く通用しないのが悩みです。アイツ、自分がバカだと半ば開き直って、「それがどうしたの?」ポジションを貫くつもりなんだよなー。まだ一年生なのに……。



今日のDVD。……ノマドが、シンジくんみたいに育ったらウゼエな。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 通常版 [DVD]ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 通常版 [DVD]
(2008/05/21)
三石琴乃林原めぐみ

商品詳細を見る

「ヱヴァンゲリオン新劇場版~序 1.01」
●6月公開の「破」がスゴイらしい。「序」はスッキリしたダイジェスト版のように見えたが、「破」ズバリ「破壊」の「破」だ。内容は今までのモノと全然別になっていくらしい。しかもウワサによると、6月公開のクセして、いまだに完成してないらしい(先週段階の情報、事情筋より)。
●ナニが違うって、新しいオンナノコが登場してくるじゃないの!マリちゃん。真希波・マリ・イラストリアス。しかも、メガネっ娘じゃねえか!スーツのデザインもずいぶん違うし、学校の制服も違うらしい。胸のナンバーは「05」…。マジどうなるの?大丈夫なの?また暴走していくのかな?

20090425023159_02_400.jpg

(一番右が、ニューキャラ「真希波・マリ・イラストリアス」。メガネッ子とは…。)

●さて、いまさらのように「序」を見たのも、ノマドがキッカケ。
●ノマドのカラオケレパートリーに主題歌「残酷な天使のテーゼ」があるのですよ。で、この前家族四人でカラオケ行って、ノマドがこのウタ歌ったら、アニメ本編映像が出てきた。初号機が暴走して、クモのように不気味に這い回って、使徒の心臓を喰らうシーン。コレにコドモたちドン引き。ヱヴァ怖ぇえ!ノマドさえも、「ヱヴァはまだみない!おにいさんになってからみる」。うん、それでイイよ。今からシンジくんみたいになられても困るしさ…。「逃げちゃダメだ」って覚悟が出来たら見ろよ。でもパパは見たくなっちゃったから、大人だけで見るよ。

「序」は、テレビ版のような思わせぶりな謎かけが薄まり、シンジくんの孤独と、綾波レイの複雑な輪郭にフォーカスがカチッと定まってて、とっても見やすかった。
綾波レイの、ヒンヤリとした表情……。全てはココから始ったんだゼ!この娘のこの表情に、誰もが心を奪われたんだゼ!たとえ手に負えない事情があったとしても、関わりを結ぶのが難しくても、スルーは決して出来ないオンナノコ(加えて包帯ぐるぐる巻き!)として、あの時代(90年代後半)に突如登場。当時の全日本のバカ男子は、誰もが必死に歯を食いしばって叫んだね。「逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!逃げちゃダメだ!」……このDVDを見て、大昔の彼女、いや片思いだったオンナノコに10年ぶりに出会ったような甘酸っぱい味が口に広がった。

●そして、これから「破」で活躍するであろうアスカちゃんも、あの時代の重要なヒロインなのだよ。コッチがダメダメくんであっても、そのダメダメさに容赦なく突っ込むという方法で、彼女はダメダメくんとコミュニケーションの回路を維持してくれた。あの時代はロスジェネ的に全日本男子がダメダメだったので、乱暴ながらもコミュニケーションの回路を決して閉じない彼女は特別な存在になったのだ。そんな特別な信頼感が彼女にはあったし、それにシンジくんも我々も安心できた。……しかし彼女も、自らのダメダメトラウマ傷口に指を突っ込まれて崩壊しちゃうんだけど。
レイアスカも、タイプは違えど「ツンデレ」の原型だったんだわな。やっぱりココから全てが始ったんだ…。


レイアスカ、二人の存在が巨大なだけに、新参者のマリちゃんがとても邪魔に思える。一体彼女は何をシンジに、我々に訴えてくれるのか?ちっと不安だな…。カヲルくんの登場・活躍も早そうだし、ザワザワするぜ。

ravex.png

「踊れる未来へ。これが21世紀のJ-POP!」その名も「RAVEX(レイベックス)」!

RAVEX「TRAX」

RAVEX「TRAX」2009年
エイベックスがなんだかスゴイことを始めた。90年代から日本のクラブシーンを牽引してきた大物プロデューサー3人を合体させ、「レイベックス」というユニットを名乗らせてしまったのだ。で、この三人はボクにとって超重要人物だ。そして俄然その音源も注目なのだ!チェキ!

osawa.jpg

●一人目。大沢伸一。90年代最初のUKアシッドジャズシーンにいち早く呼応し、ジャズファンクバンド MONDO GROSSO を率いて京都から出現。その後、Monday満ちる、UA、CHARA、bird、WYOLICA、信近エリなどなどのプロデュースワークをこなしつつ、いつの間にか完全な俺ユニットとなった MONDO GROSSO ではキレイ目ハウシーな音楽をクリエイトしてた男。ドラマチックなストリングス使いがクールなのです。

tanaka.jpg

●二人目。FANTASTIC PLASTIC MACHINE A.K.A. 田中知之。PIZZICATO FIVE 周辺から渋谷系DJとしてキャリアを起こし、ハッピーでチャーミングなダンスミュージックが海外でも評価される。遊び心あふれるアイディアが小粋です。

taku.jpg

●三人目。m-flo のサウンドメイカー、☆TAKU TAKAHASHI。クラブミュージックとR&Bのエッセンスを結合し、ジェイポップのフォーマットに落とし込む独自の音楽世界を展開。様々なシンガーと「m-flo loves ~」と称するコラボを行い、若いアーティストの発掘から、大御所のシンガーに新しい可能性のキッカケを与えるなどなど、冒険的な実験を繰り広げている。

●ね、とっても楽しそうでしょ。おまけにナゼか、「手塚プロダクション」がヴィジュアルアートに全面参加、アトムそっくりのラトムくん(R+アトムの意?)がアニメで登場し、3人のプロデューサーも手塚風キャラになっちゃってる。うぉー、大沢伸一ブラックジャックみたい。CDについてるDVDのアニメを見たら、リボンの騎士ふしぎのメルモちゃん、ブラックジャック&ピノコなどなど、手塚キャラフル出場で、ああつまりは、DAFT PUNK松本零士さんと一緒にやったコトがしたかったのねと納得。音楽が暗黒の敵をブチ倒します!

インターステラ5555



でもさ、超楽しみにしてコレ聴いたらさ、割と微妙な気分になったのよ…。

●その内容に入る前に、エイベックスって文化をちと考えたいと思います。


もう昔の話だから時効。エイベックスの中期計画プレゼン資料みたいなのを見た。
●もう10年以上の昔。エイベックスってスゲエなあ、ってその時思ったんだよ。「日本のダンスミュージックの流行はオレらが作る」という気概にあふれててさ。仲のイイスタッフの人にペラペラの資料を見せられて、簡単に解説されただけだったんだけど、その紙の内容はキッチリ予言書のように成就していったワケですわ。その紙には、三つの新路線のダンスミュージックを00年代に向けて展開する!という内容のものだったのです。

その1「ハードテクノ」。バブル復権。ジュリアナもう一度!
●三路線の新機軸が、その書類には載ってたんだけど、一番上には「ハードテクノ」というフレーズがあった。コレはジュリアナ東京でかかってたようなタイプのダンスミュージックだね。ボクが書類を見た1998年は IT バブルがジワジワ来る直前期で、結果としてワッと一世風靡するヒルズ族の出現を見越していたのなら、見事なマーケティングだったと思う。ただ重要な誤算があって、IT バブル紳士は踊らなかったのです…。ホリエモンが踊るか?楽天の三木谷社長藤田晋さんが踊るか?結局この路線は一番早く頓挫したが、2009年の今になって奇妙に復活したのが笑える。そのコトは後に書きます。

その2「パラパラ」。ティーンをダンスフロアに連れてこい!
●三路線の新機軸2が、ご存知日本のゲットーダンスシーンとして竹の子族と同じくらい珍妙な文化に成長した「パラパラ」。ダンスフロアの音を止めて、体育座りのギャルたちに振り付けレクチャーをしたり、ダンスチームの延長で「ギャルサー」というサブカルチャーが出来たり、ディズニーランドすらがパレードにパラパラを取り入れてミッキーまでもがパラパラしてしまったりとか、マジこのムーブメントは本物になったのでありました。実際ダンサーの子と会話したけど、本人たちマジ真剣で、大会で負けると泣いちゃうほどだったりしてたから…。
●「テクノ+パラパラ」=「テクパラ」、「トランス+パラパラ」=「トラパラ」と、シーン末期にはサブジャンル分化までしてたからスゲえっす。音的にはエイベックスの既存ヒットシリーズ「ユーロビート」の延長なのだけど、実のところドコも「ユーロ」ではなく、限りなく国産だったような気がする…。最後のミキシングやマスタリングだけイタリアのスタジオでやるんだっけ?そこでなければ、あの狂気のようなキック音は出ない。…うん、あのキックだけは本物だったと思う。

その3「トランス」。海外のトランス文化をどうやって日本市場に定着させるか?
●今になって思うと、エイベックス幹部は「日本人はフリーには踊れない」と思ってたかもしれない。90年代のクラブカルチャーには振り付けはないわな……しかしそれってごく一部のカルチャーだったし。だから、自分たちのお客、ヴェルファーレのキッズには必死に説明してた。「トランスは自由に踊っていいんだよ!」「パラパラ」を通過した子たちは「自由に踊るって?」って思ったのかな?結果カワイイダンサーの女の子をたくさん雇って、トランスの踊り方を教授してた。「自由に踊る」やり方を教えるって矛盾でしょ?具体的には、下半身でビートを掴みながら、両腕を横に広げて信施の上モノに合わせていくって感じ?
●彼らは自分たちの「トランス」「サイバートランス」という名前でブランド化し、一部でサブカル化してた「サイケ/ゴアトランス」の神秘主義やヒッピー思想を剥ぎ取ってしまった。その手の思想は売る時に邪魔になるんだよねー。そんで、同時期にヨーロッパでバカ受けしてた「エピックトランス」を輸入することにした。それからは、メッセ級の会場でデカイイベントは打つわ、シリーズコンピを十数枚も出すわで立派なムーブメントに仕上げました。シーンの末期はやっぱり国産トランスがワサワサ出てきて、「姫トラ」というシリーズまでが出てきたような気がする(コレはエイベックスじゃないけど)。


当時のトランスを何枚か紹介。今このヘン、ゴミのように安い。100円ってのもあるよ。

SYSTEM F「TOGETHER」

SYSTEM F「TOGETHER」2003年
SYSTEM F は、間違って買ったようなもんだな…。ファーストアルバムを持ってて、ベストアルバムを2枚持ってて、別名義の音源も持ってて、もう必要ないじゃんという状況で、思わず安いから買っちゃったセカンドアルバムです。でもそれなりに楽しい。大ヒット曲「DANCE VALLEY THEME」は一時期トモダチがドライブミュージックにかけまくってて耳タコになったほどだし、今でも大好きだ。「LIGAYA」は別名義ユニット GOURYELLA の代表曲で、実際すでにボクはミックス違いを何バージョン持っているんだというほど聴いている。でもエピックトランスの楽しさはしっかり押さえてあるから間違いないです。

COSMIC GATE「RHYTHM  DRUMS」

COSMIC GATE「RHYTHM & DRUMS」2001年
エイベックスのスゴイところは、海外音源の買い付けセンスです。明らかに速い!シーンを読むセンスがいい!それはユーロビートを買い付け日本に紹介するところから社業を起こしたという歴史にも関係あるのかな?ジャングル(その後のドラムンベース)も、マイアミベースも、ダンスホールレゲエも、取っ掛かりはスゴく早かった。で、シリーズコンピをしっかり作って、潮が引いたらサッと撤収する。実際、買い付けてくる音源もしっかりしている。……でこのアルバムは東芝EMIが日本に紹介したドイツのヴェテランDJ。残念ながらイケてないんだ…。SYSTEM F(←コイツはオランダ人。ダッチトランスだ) がいかにレベルが高いか、思い知らされる。「オズの魔法使い」で有名な「SOMEWHERE OVER THE RAINBOW」をトランス化してて、それがボチボチヒットした記憶があるので買ったわけですが、音が貧しいな…。ダークでストイックと言えば聞こえはイイが、深みが欲しいな。

BELLINI「SAMBA DE JANEIRO」

BELLINI「SAMBA DE JANEIRO」1997年
●100円で購入しました。激安。ジャーマントランスのビッグアンセムとして随分ヒットしてたような気がするんだけど、実際は1997年、トランス全盛期と比べるとちょっと古い曲だったのね…。タイトルとジャケットから予想出来ますように、全編アゲアゲのサンバハウスで、そりゃもう汗ダクですわ!シリも出ますわ!大ヒットシングルにもなったタイトル曲「SAMBA DE JANEIRO」はブラジリアンジャズの巨人 AIRTO MOREIRA の代表作をカバーしたモンです。
●完全に一発屋のように見えて、このユニットの中心人物 RAMON ZENKER というオトコ、実はアナドレナイのです。コイツは、アシィィィィッドな TB-303 使いで90年代前半の世界各地のダンスフロアをことごとく粉砕したジャーマンハードコアテクノの伝説的ユニット HARDFLOOR の一員。他にもたくさんの変名ユニットを持ってて、ドイツの WIKIPEDIA で調べたらプロジェクトの数は軽く50を越してます。トランス期には FRAGMA PAFFENDORF などの名義でヒットを連発。その後も数々の変名で活動している敏腕プロデューサーなのです。



「RAVEX」は、エイベックス自身が一から作り上げる「オレジャンル」。
●ダンスミュージックのトレンドをいち早く察知して、日本市場に紹介してきたエイベックス。その手際の良さは超一流で「サイバートランス」を頂点にデカイビジネスをモノにしてきました。そんな彼らが満を持して自分たちでオリジナルの新しいジャンルを開発しようとした、それが「RAVEX」なのではないでしょうか?
「レイヴ」「エイベックス」を合体させた造語、そんでお馴染みの水色ロゴ。これを、エイベックスの「オレジャンル」と言わずになんと言いましょう。時流としては KITSUNE を中心にユルく世界を繋ぐ「00年代エレクトロ」という気分、または一部の UK バンドが打ち出した「ニューレイヴ」とダンスロックが影響している感じはしますが、そんな海外の動きを睨みつつ、あくまで「ジェイポップ」と力強く謳う戦略。なんかスゴい意気込みと、マジでモノにしちゃうような気配を感じるのです。
エイベックスの歴史は、小室哲哉の歴史でもありました。でも彼の手は後ろに回っちゃった状態(執行猶予付き)。社長 MAX 松浦は6億円もの大金を自分のお財布から出してこの恩人の作った借金を立て替えてあげました。しかし小室サウンドに今後も大きな期待は出来ないのは自明。コムロチルドレンとして育ったエイベックスのハウスプロデューサーたちにも限界が…。そこでエイベックス第二世代のニューサウンドを開発するべく、この三人の俊英を迎えた、というのが狙いなのでしょう。


さてさて、ここまでのお話を前提に「RAVEX」を聴くとしましょう。

●………と言いつつ、コレ、どアタマから脱臼するんだよねー!一曲目「I RAVE U」って、あの「にしおかすみこだよ~!」の登場の音楽なんだよね。いわゆるジュリアナテクノの代表曲。去年、幼稚園の学芸会でBGMとして使いたいと言われ、探した覚えがあるんだよ。MAXIMIZER というアーティストの曲だった。「21世紀のJ-POP」と大見得を切って、ジュリアナ復活かよ!とズッコケルわけなのです。もちろんリミックスされてるわけですが、capsule =中田ヤスヒロ 的なエレクトロビートで足腰の筋肉を鋼鉄に交換しましたというか、昔の曲に今風のエレクトロを接木しましたというか、むーん、微妙なんです。
●そんで挙句ですよ、この曲に DJ OZMA がボーカルを乗せるバージョンがあるんですよ。ジェイポップということは間違いない。DJ OZMA はジェイポップの巧妙な戦略家だ。でもでもでも、やっぱあの芸風じゃん!「シタイ!シタイ!キミとヤラカシタイ!おらおめえとシタイ!」って絶叫してる。NHK紅白とのトラブルを皮肉る演出もある。でも結局はアゲアゲ先行意味なしリリックがややすべり気味。…果たして、ジュリアナテクノをカラオケボックスまたはホストクラブでレイブするってイメージが、「21世紀のJ-POP」なの?
●ボクの大好きな三人のプロデューサーたちはどう思ったんだろうか。「お三方の一発目の素材は、ジュリアナテクノです。おまけに DJ OZMA がついてきます」むーん、微妙…。絶対そう思ったに違いない…。でも、「RAVEX」って、あくまでジェイポップなんだよなー。オレらがやってきたクラブミュージックと違うんだよなー。だからこの程度が気分なんでしょうかー。そういうことでやってきましょうかー。そういう落とし込み?むーん、微妙。

I RAVE U feat.DJ OZMA(DVD付)


「RAVEX」は色々なシンガーとコラボしていきます。ソレが玉石混淆。
OZMAジュリアナにいきなりパンチされて、冷静に聴くのが一瞬難しくなります。でも、何回も聴き込むに連れ、カッコいいのはカッコいいと思えるようになる。
●クラブミュージック的なアプローチで新鮮に聴こえたのは、「JUST THE TWO OF US」FEAT. 東方神起。彼らのコーラスワークをサンプルしてエレクトロトラックに散りばめました、という曲。彼らは実は現行ジェイポップで非常に希な男声コーラスグループという存在。ジャニーズ系は基本全部ユニゾンボーカルでしょ。東方神起が新鮮に聴こえるんです。……ボクは東方神起に詳しくないから分からないけど、このサンプルは彼らの既存曲を素材にリミックスした体裁なのかな?録り下ろしなのかな?
「HOUSE NATION」FEAT. LISA「RAVEX」のシングル押し曲ですね。ハウスの楽しさ、明るさがテットリ早く味わえる。m-flo の盟友LISA さんのボーカルだから相性も抜群。曲調は DAFT PUNK の一番明るい曲を連想させるし、Aメロのラインに懐かしのハウスクラシックス CRYSTAL WATER「GYPSY WOMAN (I'M A HOMELESS)」を感じる。
土屋アンナを召喚した「BANGALICIOUS」は、彼女のキャラを活かしたダンスロック。ガリッとしたギターリフからキラキラハウスに直結で今ドキ風。しかし TRF のヒット曲「SURVIVAL DANCE」をサンプルネタに使った「V.I.P.P.」は、ヒップホップが先人のネタを拡大再生産するような意味での大ネタ使いを狙ったのだろうが、カッコ悪い失敗作だ。ラッパーとしてフィーチャーされた VERBAL さんが本気で全編をラップしたらサマになったろうけど。

Believe in LOVE feat. BoA

ジェイポップアプローチ、つまりボーカル全編をシッカリ聴かせるスタイルでは、ピコピコトラックに乗って BOA ちゃんが真摯に歌う「BELIEVE IN LOVE」が押し曲のようだけど、ボクが気に入ったのは後藤真希「GOLDEN LUV」って曲。基本ボーカルにはフィルターが前提になってるフィジェットハウス仕様の「RAVEX」ですが、コレだけ剥き身の生声。正直、シンガーとしてマトモに彼女の声なんて聴いたコトがなかったので、意外とソツなく歌うモンだと感心。THE GIRL NEXT DOOR (A.K.A. ガルネク)のボーカル千沙嬢もエントリーしてますが、トラックの実験的挑戦について来れてない…。
MONKEY MAJIK の涼し気な声が、意外なほどエレクトロとの相性がイイので気持ちよく聴いちゃうのですが、ソレよりもビックリは安藤裕子。テンポダウンしたニューウェーブ風エレクトロに、浮遊感あるボーカルをウマくマッチさせてる。まるで別のシンガーのように聴こえるし、その裏切り感が最高。「RAVEX」のジェイポップ路線は、このテのイイ裏切りで進めて欲しいッス。




3人のプロデューサーにボクが抱いていたイメージと、「RAVEX」の芸風に大きな差があるので、ソロ活動での最近の音源を聴いてみちゃった。

大沢伸一「THE ONE」

大沢伸一「THE ONE+」

大沢伸一「THE ONE」2007年
大沢伸一「THE ONE+」2008年
大沢さんソロ名義のハウスアルバムとそのリミックスアルバム。ふーん、なるほど!実は既にこの段階で、大沢さんはエレクトロ路線にかなり突っ込んでたんだ…。だって一曲目が THE CHEMICAL BROTHERS「STAR GUITAR」のカバーだもん。ケミカル楽曲の中ではハウス度の高い楽曲だけど、やっぱ根はビッグビート。それをさらにエレクトロでブーストしてます。結果としてかなりロックな仕上がりですわ。かつてボクをシビレさせてくれた可憐に舞うストリングスアレンジも、ジャズファンクのバンド感溢れるファンクネスも完全に消え失せて、ギチギチのエレクトロ勝負をしています。NYのエレクトロシンガー PRINCESS SUPERSTAR をフィーチャーした曲もあるし、ズバリ「ELECTRO411」って曲もあるし。「FOALS」って曲は、UK の同名バンド FOALS そっくりのダンスロックを披露してビックリ。……あ、意外、本名名義のリリースってコレが初めてなんだ…。
●リミックス版は、ハウスゴッド ARMAND VAN HELDEN や豪州産エレクトロユニット VAN SHE(←こいつ大注目!)、フレンチハウス ALX GOPHER、日本人ピコピコクリエイター DE DE MOUSEなどが参加です。
●……なんだかんだで、大沢さんの音楽は完全に「RAVEX」に向けて準備オッケーだった訳で…いやむしろ、大沢さんの音楽が「RAVEX」の正体かも知れないと思えてきたぞ。


m-flo「m-flo INSIDE - WORKS BEST III」

m-flo「m-flo INSIDE - WORKS BEST III」
●サウンドメイカーの ☆TAKUさんだけじゃなくて、ラッパーの VERBAL さんの仕事も混じってるから、もう内容はてんこ盛り。…ラッパーとしての VERBAL さんってのは、ボクにとってはハイランクなパフォーマーではないんです。でも、m-flo なり ☆TAKU さんの作る音楽って、ハウスでありR&Bではあっても全然ヒップホップではないのに、その音楽に見事乗っかってラップしてきた独自の技術はスゲエなと思う。VERBAL さんのオモロい仕事としては、自身がメンバーである TERIYAKI BOYZ の曲、EXILE への客演、DOUBLE童子-T とのコラボ、それにアメリカのロボ声シンガー T-PAIN との対決曲もあって楽しい。

●で、本題の ☆TAKU さんの仕事だ。エレクトロ対応準備オッケーな楽曲も多い。マンチェスターのダンスロックバンド THE TING TINGS や沖縄発のテクノユニット RYUKYUDISCO のリミックスや、SOWELU への提供曲「MATERIAL WORLD」鋼鉄ブリにはビビる。DEXPISTOLS のリミックスもキツい鉄の味。

●しかしディスク2のメガミックスでは、やっぱり根っこにあるハウス味やR&B味が艶っぽく出てきてて、この艶がこの人の本質なんだと思い知る。CRYSTAL KAY との共作(LOVES シリーズ)を永遠のニュースクーラー UGLY DUCKLING がヒップホップにリミックスしたヤツから始まるノンストップミックスアップの旅は、軸足がR&Bからブレてなくてハッピー。和田アキ子さんの声をサンプルした曲がファンキーでイイアクセントに。坂本龍一さんを招いた曲はフレンチディスコハウスの貴公子 SPACE COWBOY がキラキラにリミックス。RAM RIDER のリミックス曲もエレクトロながらチャーミング。そしてボクが m-flo 史上最高傑作と思ってる MINMI との共作「LOTTA LOVE」MINMI にとっても最高傑作かも。LISA 在籍時代の名曲「COME AGAIN」のハウシーなミックスも可憐。聴き所多いわあ。


●とにかく、最近ゲンキがない音楽業界。その中でもエイベックスはかなりの健闘を見せてるトップカンパニー。なんでもイイから本気出して、踊らせてくれよ!


●えー。このブログは、非常にミクロでクダラナイ話題を、非常にダラダラと書き綴り、読みづらい事至極と思われる内容なのですけど……で、特別ドナタかにメッセージする訳でもなく、ヒトリゴトのように内向きにブツブツウダウダするだけの物件なのですけど……、ここ最近不思議なコトが起きております。

●タイヘンもったいない事に、先月からドナタかが実に積極的に「拍手」をポチッと押して下さるようになりました。変わった方もいるなあ……と最初は思っていたのですが、一ヶ月で320拍手もしてもらうとサスガに恐縮でございまして……ソレ以前は週に1コでもあれば恩の字だったのに……しかもどうやらたくさん拍手していただいている方は、複数人いらっしゃるらしく、当事者であるワタシはソレはソレはとてもビックリしているのでございます。

●で、三年前くらいの記事に拍手をいただいたりすると、その記事を読み返して、正直ワタシ自身が「こんなコト書いてたのか」とビビる内容もあったりして、ホントに発見/感動/赤面も数々多いのであります。誠にありがとうございます。


いまさらなんですが、ブログ文体に馴染めません。
●ワタシ自身は、「個人が情報(コンテンツ)を発信するとは、どんな行為か?」という問いに対して、実践で答えを探すためにホームページを作り始めました。ホームページなんぞは本来的に専門分野からは程遠いチャレンジだったので、マジで暗中模索、独学独力。そして今だにPCトモダチなんてほとんどいません。
●最初は2003年頃でしたから、まだ「ブログ」という簡便なサーヴィスもありませんでしたし(あったかもだけど存在に気付いてなかった)、ミクシィのような SNS の存在を知ったのもかなり遅かったのです。しかもボクは携帯の操作が苦手なので、絵文字もアスキーアートも使えません。22歳の従姉妹にデコメをもらって死ぬほどビビりました。オバマ大統領が大好きなブラックベリーってヤツを先日電車の中で初めて見ましたが、アレを使いこなすのはボクには無理です。親指が五つ股くらいに割れて細かいボタンを押せるようになるサイボーグ手術を受けなければ、触る気にもなりません。

latest_devices_8700.jpg
ヨソ様のブログを読むと、自分の文章との違いに、疎外感を感じます…。あんな風に短く簡潔に、行間を大きく取って、楽しく笑いに落とすような技術。または、「はてな」方面の方に多いようですが、理系論文のようにかしこまって理路整然とした文章、丁寧な言葉で組み上げられた論理で整理された文体。ああ、マネできない…あんな風に文章は書けない…しかも多分こうした文章を書いているのは学生さんのよう……みんな早熟ねえ。


●そんなわけで、拍手を頂きつつも、だからといって、より読みやすい文章や話題を探せるワケもなく、ひたすらミクロで、自分の周りに起こった超個人的な出来事にフォーカスを絞って、今後も文章を書きます。ホントすいません。



●で、いやがらせのようですが、これまたミクロな話題です。


天平時代

青木繁「天平時代」1904年
●先日、ブリヂストン美術館マティスの企画展を見たついでに、チラと立ち寄った常設展でこの絵を発見しました。ボクはこの青木繁さんという画家のファンなのです。
●彼は明治時代に活躍した洋画家。しかし、28歳で夭逝するという悲劇の天才なのです。画家としてマトモに活動したのは23歳から28歳のたった5年間。最後は放浪して心身を病み旅に客死します。黒田清輝に師事し画風は19世紀イギリス絵画の影響下にありながら、画題には「古事記」のエピソードや日本の古代神話を積極的に取り上げたというのがボクにはとてもユニーク。
●中学生の頃に読んだ「古事記」の図説本に彼の絵が度々登場したんです。ホント偶然だけど。明治時代に絵描かれた日本画の大作もたくさん収録されてましたが、一際目を惹いたのはこの青木さんの作品ばかりでした。その頃は夭折の天才なんてエピソードは知らなかったですが、日本の太古の神話をイチバン斬新に解釈してたから、強烈に印象に残ったんでしょう。

●で、この「天平時代」。前年に立派な美術賞を獲得し、東京芸術大学を卒業して前途洋々の画家人生を漕ぎ出さんとしてた頃の青木さんの作品です。「天平時代」と言えば奈良時代、西暦8世紀で東大寺の大仏様が作られた頃ですね。「古事記」「日本書紀」が編まれたのはこの少し前の「飛鳥時代」
●でも、やっぱユニークでしょ。歴史の教科書で赤線を引っ張って暗記していた「天平文化」という、人生には何の役にも立たない文字の中から、こんな生き生きとしたイメージが立ちのぼるなんて。しかも、フツウに考えてあり得ないでしょ!法隆寺とか東大寺とか作ってた時代に、そんな宗教建築の中でこんなエロエロなハーレムがデカダンスに展開してたなんて。どういう理由でハダカのオネエサンがエロ~ンと集合する?でも、天平時代の寺社仏閣を眺めるだけで天才の目にはこういう光景が浮かんだんだろうな~。スゲエなあ。



●拍手をもらった記事の中で、エピックトランス(ダッチトランス)を扱った文章がありました。あの文章はちと書き足りなかったなあと、今回再読して反省しました。そのうちそのへんのコトも書いてみようと思います。個人的な思い出がイロイロあるんでね。


睡眠薬の種類の調整に失敗したか、とっても調子が悪い。その上、昨日のヨガ教室で新しく登場したポーズがボクには難易度が高かったのか(周囲の女性たちは全員難なくやってんだけど)、背中と首のスジをオカシクして激痛。結果、激しく頭痛までして、今日ボクはとても不機嫌だ。


そんな時には美容院に行く。…いや、不機嫌と美容院にはナンの脈絡もないですけど。
●病気になってからここ2年は、長く通ってた表参道のお店を止めて、近所のシモキタザワのお店に行くコトにしてた。病気になった当初は、表参道すら遠かったからね…。それでも4ヶ月~半年に一回しか髪の毛を切らないのが無精者のボクという人間である。2年の付き合いとはいえ、4回程度のハナシなんだけど。
●例によって限界までボサボサに伸ばし切った髪の毛でお店に行ったら、「またまたワイルド系になりましたね」とお出迎え。タダの無精にも「ワイルド系」というオサレ形容詞がある今の時代は、やっぱ実にコンビニエントだ。神経や精神の調子が悪くてイライラしている状況にも「○○系」というオサレ形容詞をあてがって欲しい。「あーゴメン、今日オレ○○系だから」的な会話で、気分を周囲が了承してくれるような便利ワードを発明してほしいのさ。

「伸びましたね~いつも通り短めにですか?」ええ、ザックリとイッチャって下さい、また半年後まで持つように。ボクは機能主義者なのだ。スタイルよりも長く持つ機能を優先する。しかもボクは中学生の頃からアンチフロンガス/温暖化ガス主義者なので、ヘアスプレーもヘアワックスも基本は使わない。(←本格的に無精でしょ。しかも屁理屈まで付いている)半年間何も手入れの必要のナイ髪型にしてくれ…って、実にムシがイイ客だなあ……
そして担当のお姉さんもまたプロなのだ。半年持たすためには、ただ短くして五分刈りにすればいい訳ではない。むしろ五分刈りの方が床屋頻度は高い。半年後にどのように伸びるかイメージしながら逆算したスタイルを考え提案してくれる。伸び切った状況をイメージして、しかもドライヤーだけで処理出来るようにパーマをかけて髪の毛のムキを調整してくれる。

●髪の毛をザクザク切ってる時、お姉さんが小声でボクに話しかけてきた。「実は、ワタシ、今月でお店辞めるんです」えーっ!マジスか!もう一週間程度じゃナイすか!「だから今日 unimogroove さん来てくれてよかったです。もう会えないかと思いましたもん」おおー、それはとても残念だ。実際ボクは非効率で歓迎されざる客だろうし(そもそもフツウの美容師さんとは美学が共有出来ない。「ヘアワックスを使わないなんて」的な壁!)、そのボクの要求をキチンとクリアしてくれる美容師さんてナカナカいないから、これでお別れは非常に残念である。
●しかもこのお店のお姉さんは、ヒヨコの七五三のヘアスタイリングをやってくれたり、ノマドのカットもやってくれたことがあるので、何気に親近感を持って通ってた。なのに辞めちゃうの?多分30歳手前でしょ?美容師としてはキャリアこれから?

「この店はルールが厳しくて、オープンからクローズまで立ちっ放しだとか、厳しい所があるんですよ」……美容師業会、華々しく見えて結構徒弟制度で体育会系なトコロあるもんな…しかも開店~閉店立ちっ放しって女性には激務だし、それで腰痛めて病気になる人もいるって聞くし。若手の頃はクローズ後に終電まで自主練で、先輩になったら後輩の指導に終電まで付き合う。結果体力勝負の世界なんだよね。
●実際、今日のお姉さん、ファンデでカバーしてるトコロはキレイだけど、アゴの下あたりにアトピー的な湿疹が赤く腫れていて、痛んでる気配濃厚だと思ってたんだ。……病気のヤツってワリと他人の病気にも敏感になるのよ。
「一応、コトブキって理由で円満退社するんですけど、実はスグに結婚するつもりはなくて、知り合いの店にもうちょっとラクな条件で雇ってもらおうと思ってまして…」ラクな条件ってのは、フルタイムじゃなくて、遅出時間だけで勤務&残業なし。今は正社員だけどこの次は「委託社員」……委託って?契約社員とかと違う? でもカラダを痛めるくらいなら自分にあった労働条件の所に移る方がイイ。「実際、いずれはマジでコトブキなんですもんね、バリバリフルタイムは無理と思えばイイんじゃないですか?」
●ただ問題は、美容師業界の仁義である。一度辞めたら、その店の近くで再就職は出来ない、という暗黙のルールがある。独立も出来ない。シモキタザワから独立して代々木八幡(小田急線で3つ隣の駅)に開業した人は、その後ズーッと「仁義を欠いた」とイジメラレているという。それってどんくらいの範囲なんですか?「シモキタザワなら、小田急沿線と世田谷区はゼンブダメでしょう」そりゃ広いッスね!三軒茶屋もダメじゃん!で、お姉さんはドコ行くんですか?「吉祥寺です」ああ、井の頭線はアリなんだ…。実際、ワタシもう仕事辞めるって体裁ですから、店の誰も知りませんけどね…と小声でお姉さん。
●サッパリカットもパーマもカラーも終わって、お店を出る時、コッソリお姉さんの新しいお店のカードをもらった。今度はソッチに行ってみようかな。吉祥寺はボクの好きな街だから。



働く女子は、常にタイヘン。そしてその姿は「物語」になるんだよね!
●働く女子の、アレコレな葛藤は、働く男子の単純さに比べて、なぜこうも複雑で繊細なんでしょ?だからそんなマンガを集めてみました。


Real Clothes 5 (クイーンズコミックス)Real Clothes 5 (クイーンズコミックス)
(2008/09/03)
槇村 さとる

商品詳細を見る

槙村さとる「REAL CLOTHES」5~6巻
●9月クールからフジ系でドラマ化決定。誰かがやると思ったよ。主人公・絹代香里奈ちゃんってのは、ちとどうかな……もっとフツウのオンナノコオンナノコした子の方がふさわしいと思うけど。
●4巻ラストで限界状況まで達した彼氏との婚約バナシは、結局二人の間にドでかい花火を打ち上げて、男女の間の結婚観/夫婦感の違いを見事照らし上げ、見事砕け散ったのでありました。そんで主人公・絹代は再び自分の戦場、百貨店婦人服売り場へと帰って行く。あああ、かわいそー。
●働く女の子の人生を複雑にするのは、何気にそのテの繊細でヤヤコしい話をギリギリまで棚上げしちゃうコトだよね。結婚はイイとして育児はより複雑だ。オンナノコの後輩(新婚)に真顔で相談された。「こんな仕事してて、どうやってコドモ育てろって言うんですか?ムチャッスよ!unimogroove さん、どうやって成立させてんですか?!」……いやその、やっぱボク男じゃん、で、父親としては最低だったわけよ。仕事しかしねー人間よ。結果としてワイフにいろんな意味で甘えてます。つまりはボク自身はかなり保守的な夫なんだわ。そりゃボクには答えられない。

●5巻の敵は、最先端セレクトショップのイケメンバイヤー。同業として尊敬すら感じちゃう辣腕だが、同じニット作家への発注でつばぜり合いをすることになる。業界でも名を轟かす大物バイヤーに打ち勝ち、ニット作家のココロを動かせるか?ココでモーレツ仕事バカ上司がちょっとカッコいいコトするけど、仕事ってやっぱ甘くない。オモシロいけどそれに酔ったりスガラセてくれたりはしないんです。
●6巻の勝負は売り場が戦場。デパートのフロアは、様々な雇用形態の店員さんで成り立ってる。正社員&契約社員。「私は契約です。失敗イコール明日の失業。だから失敗はできない。天野さんとは立場が違うんです」カリスマ販売員と言われた売り場の華は、不退転の覚悟で実績を挙げてきた。しかしそんな彼女が、過激な冒険企画をに対する反動勢力になってしまったら、主人公・絹代には手強い敵。で、サイゴに頼もしいネギが登場する?(このネギの登場がカッコいいので全巻速やかに読んで下さい)


サプリ 8 (Feelコミックス)サプリ 8 (Feelコミックス)
(2009/03/07)
おかざき 真里

商品詳細を見る

おかざき真里「サプリ」7~8巻
●コチラの戦場は広告代理店。主人公・藤井ミナミさんは、最近ワイルド系カメラマンの佐原くんとイイ感じにお付き合いしているので、お肌の色ツヤもよく、イヤなヨゴレ仕事も元気よくこなしています。彼女も、自分のレンアイで自我崩壊すると仕事をこなすのもギリギリの限界状態に追いつめられる。そのギリギリっぷりがこのマンガのオモロい所で、彼女がルンルンじゃ読者のサドゴコロはドコを向いたらイイのやら…。新入社員に説教までタレテルし。藤井さんの盟友・柚木ネエが今はブレ時?レンアイで、これほどまで感情が上げ下げハッキリするのも現金なモンだわーと思うのは、きっとボクがオッサンだからだ。
●ニューキャラで藤井さんの会社メイト、水原さんが今回はマッドになってくれるかな?彼女、夢だけ語ってナニもしないニート系ダメ人間を飼育中。コイツの夢(という名の妄言)に700万既に突っ込んじゃった。さらにこのダメ人間の浮気証拠を発見。はい炎上寸前。


ホタルノヒカリ 13―IT’S ONLY LITTLE LIGHT IN MY LIFE (講談社コミックスキス)ホタルノヒカリ 13―IT’S ONLY LITTLE LIGHT IN MY LIFE (講談社コミックスキス)
(2009/01/13)
ひうら さとる

商品詳細を見る

ひうらさとる「ホタルノヒカリ」12~13巻
●2007年に綾瀬はるか主演でドラマ化されてから、腐れ縁で読み続けているこのマンガ。綾瀬はるかちゃんは今やオッパイを見せる約束をしちゃったウッカリ先生になっているが、このマンガの主人公は相も変わらず「干物女」であり続けている。あれ、この主人公・ホタルちゃんって藤井さんと一個しか年齢変わらないじゃん(藤井さん:28歳~途中で29歳になりました/ホタルちゃん:27歳/ちなみに「REAL~」の絹代も28歳です)。今の消費文化、この年代がキモなのか………多分ルーズソックス世代だよな…80年代生まれでさ…。ま、ホタルちゃんは女子戦闘力の低いタイプなので、そんなマーケティングはあんまカンケイないか。
●ズバリアラフォーの高野部長と不思議で秘密な共同生活を平和に送るはずが、突然敵機来襲!なんと部長の死んだ旧友の嫁(&3歳の娘)が、部長に思いっきりアプローチ!女子戦闘力で全く勝ち目のないホタルちゃん、その苦戦の中でとうとう目覚めてしまう。「なぜ、ワタシにだけあの高野部長がこんなにキラキラに見えるのだーっつ」12巻も使ってやっとソコに到達したか!キミは部長が好きなのです。敵の出現で初めて気付いたのね。しかし、さらに強敵が出現。高野部長の元妻と遭遇。しかもスゴく意外キャラ。この奥さん選んだ事実だけでボクは高野部長を尊敬するわ。それでも強行突破!ダメ女子ならダメ女子ならではの言葉で!うん、腐れ縁だけど、サイゴまでキミをボクは応援するよ。


ヨガ教室にラジオの取材がやってきた。
●それなりに毎週楽しく通っているヨガ教室。先日その教室にコミュニティFMの取材が入ったという。なにげに様々なメディア(雑誌とかフリーペーパー)に取り上げられてるボクのヨガ教室。なんも知識がないままながら、アタリを引いちゃったかな?
●へーラジオの中継ってどうやってやるんですか?スタッフ大勢くるんですか?センセイ「そーじゃないんですよ、女性リポーターさんがたった一人でやって来て、ゼンブをやるんです。電波は携帯電話みたいのでヤリトリしてるみたいで、タコ足のようなキカイから、マイクやイヤホンが伸びてるんです。で、ワタシはそのイヤホンでスタジオとヤリトリしたり、目の前のリポーターさんとお話しするんです」
●おお。ラジオって機動力あるなあ。今の携帯電話の水準なら放送用の音質を十分満たすんだろうな。ビジネスとしては難しいかも知れないけど、中身作りは魅力を感じるなー。



新型インフルエンザを受けて、コンサートが中止になってます。
エイベックスの売れっ子アーティスト、浜崎あゆみ、倖田來未、大塚愛の関西エリア公演がキャンセルされました。大変だね~パンデミック。一方、ぼくは音楽好きになってきた娘ヒヨコと、リビングに寝そべって彼らのDVDを見る。



ヒヨコの最高の歌姫は大塚愛ちゃんだ。

大塚 愛【LOVE IS BORN】~5th Anniversary 2008~ at Osaka-Jo Yagai Ongaku-Do on 10th of September 2008【初回限定生産】 [DVD]大塚 愛【LOVE IS BORN】~5th Anniversary 2008~ at Osaka-Jo Yagai Ongaku-Do on 10th of September 2008【初回限定生産】 [DVD]
(2009/02/25)
大塚愛

商品詳細を見る

大塚愛「LOVE IS BORN ~5TH ANNIVERSARY 2008」
ちゃんデビュー5周年記念ツアー@大阪城野外音楽場の模様。関西弁の彼女にとってはホームの公演だね。終盤アンコール前の「HAPPY DAYS」「SMILY」「さくらんぼ」必殺コンボにヒヨコバカ受け!&シンガロング!アンコールの「HAPPY BIRTHDAY」もこのDVDでほぼ完全に自分のモノにした。
●…ちなみにこのへんの曲はヒヨコのカラオケの十八番。我が家はボクもノマドもワイフも死ぬほどカラオケが下手だが、ヒヨコは突出してウタがウマい。多分耳がいいんだと思う。気に入った曲は2回くらい聴いただけでメロディを歌詞を大まかに認識できるから。…もうヒヨコのウタが聴きたいだけでカラオケボックス行くもんね。そんで非常にけなげに熱唱してくれる。特にアニメ声のヒヨコと大塚愛は相性がいい。
ただし彼女の弱点は日本語が読めないコト。完全耳コピだけでアタマにインプットされるので、テレビサイズで編集され聴くチャンスの少ない2番とかCメロはインプットされにくい。ひらがなに打ち替えて歌詞をプリントアウトしてやっても読んでくれない……ヒヨコまじでそろそろひらがな覚えようよ!

「耳がいい」というのは素晴らしいと思ったのは、DISC 2 の台湾公演。リハ風景で中国語のカンペをたどたどしく読みアタマにインプットする大塚愛。しかしイザ演奏が始まると、MCを完全に中国語で成立させ、ピアノ弾き語りを含めた3楽曲ほどを見事に中国語で熱唱するのだ。簡単なアイサツだけ覚えるのかなーと思ったら、そこまで中国語をモノにしちゃうの?中国語はホント発音難しいですよ?コレって、彼女が「耳がいい」証拠でしょう。やっぱ一流のソングライターは耳がいいんだなーと思った。
●転じて、ウチのヒヨコも外国語の勉強と相性がイイかも。元から対人関係に物怖じしないし、相手が人間であろうとなかろうと(黒犬のプーちゃんとか含めて)平気で話しかけるし、これで「耳がイイ」としたらイケルかも。でもやっぱり最低限ひらがなは覚えて欲しいな…。



愛ちゃんのオネエサんだよって位置づけで、ヒヨコに見せてみた。

ayumi hamasaki ASIA TOUR 2008 ~10th Anniversary~ [DVD]ayumi hamasaki ASIA TOUR 2008 ~10th Anniversary~ [DVD]
(2009/01/28)
浜崎あゆみ

商品詳細を見る

浜崎あゆみ「ASIA TOUR 2008 ~10TH ANNOVERSARY LIVE IN TAIPEI」
●やっぱり台湾公演だよ。ビックリしたのがオーディエンスもスゴく日本語の勉強をしてくれるのでリアルにシンガロングしてくれるトコロ。ギターのよっちゃん A.K.A. 野村義男のグダグダMCコーナーでもちゃんと付いてきてくれる。語学は大事だわ。あゆネエはキャリア10年目だわ。もうもっと前からいるような気がするけど。
あゆネエの楽曲はヒヨコが好むタイプではないので、ヒヨコはあゆネエの着るゴージャズなステージ衣装をチェックする(ヒヨコの将来の夢はデザイナーさん)。このステージでは10パターンも衣装が変えるんです。衣装替えの時間を稼ぐためのモニター映像にもことごとくヒヨコは引っかかって、キラキラお姫様から、ブリブリのプレッピースタイル、ビッチーなヘソ出しバトルモード、そんで海賊船のキャプテン(ジャック・スパロウとヒヨコはいいました)のポーズとかにことごとくハマってました。
●ステージのセットリストは、10周年の総括という割にはヒット曲の目白押しという印象はなくワリと不完全燃焼。知らない曲が多いなあ。もっとビッグチューンがなかったっけ?あと結構ハードロックアレンジなのでソレに退屈したかも。

Rule/Sparkle(DVD付)(ジャケットA)Rule/Sparkle(DVD付)(ジャケットA)
(2009/02/25)
浜崎あゆみ

商品詳細を見る

浜崎あゆみ「RULE / SPARKLE」2009年
●CDデザインのジャケに、あの鳥山明''画聖''あゆの似顔絵を提供した事で話題になりました。「RULE」が海外版映画「ドラゴンボールエヴォリューション」の主題歌になってますからね。鳥山明はマジどこに行ってしまったんでしょうか…。ここ10年くらいドラゴンクエストのキャラデザイン以外ナニもしてないんじゃないの?
●このハードロッキンな楽曲に、「ドラゴンボール」の曲だ!と反応したのは長男ノマドの方。しかしパパの関心はこの「RULE (80KIDZ'S ''NO MORE RULE'' MIX)」の方です。80KIDZ は日本のエレクトロシーンの中で台頭してきた注目のニューアクト。歪んだシンセがあゆのボーカルトラックをザクザクにシュレッダーする勢いです。一方の両A面楽曲「SPARKLE」は EX.電気グルーヴCMJK がプロデュースです。やっぱエレクトロ。

浜崎あゆみRULE(鳥山明によるあゆネエ。胴着もバッチリ!)




KODA KUMI LIVE TOUR 2007~Black Cherry~SPECIAL FINAL in TOKYO DOME [DVD]KODA KUMI LIVE TOUR 2007~Black Cherry~SPECIAL FINAL in TOKYO DOME [DVD]
(2008/03/31)
倖田來未

商品詳細を見る

倖田來未「KODA KUMI LIVE TOUR 2007 ~ BLACK CHERRY ~ SPECIAL FINAL ON TOKYO DOME」
●お次はくぅーちゃんの出番です。えー事務所の序列としては、あゆネエが一番のお姉さんで、愛ちゃんが一番のイモウトで、くぅーちゃんは姉妹の真ん中と、ヒヨコに説明しました。くぅーちゃんの楽曲はレンジがヒヨコに対して少し低いので、シンガロングには向きません。しかしR&B度数が高く、キックが強いリズムは気持ちがいいらしくダンスしまくってました。モチロン衣装チェックも欠かさない。
●ヒヨコ的に重要だったのは、ステージ冒頭、水槽の中で泳ぎながら登場したコトと、多分シングル「人魚姫」に由来しているのか、観客のペンライトがカワイい二枚貝のデザインだったコト。キミ、結構デティールにコダワルね!そして、楽曲的にハマったのがこれまた世代を超えたキラーチューン「キューティーハニー」!ハニーフラッシュのポーズが気に入ったようです。

エイベックスのパッケージソフトは、配信では絶対味わえないヴォリューム感がたまんない。倖田來未のアルバムは1CD&2DVDだよ!CDとDVD、どっちがオマケだか分かりません。ソレもチェックするよん。

Kingdom(CD+DVD2枚組)Kingdom(CD+DVD2枚組)
(2008/01/30)
倖田來未東方神起

商品詳細を見る

TRICK(2DVD付)【初回限定TRICKプライス】TRICK(2DVD付)【初回限定TRICKプライス】
(2009/01/28)
倖田來未倖田來未 feat.Fergie

商品詳細を見る

倖田來未「KINGDOM」2008年
倖田來未「TRICK」2009年
●両方とも80分前後のライブ映像と、収録曲のヴィデオクリップを全部収録してる。一枚買えば、しばらく楽しめるね。一枚買えば、しばらく次のCD買えない出費にもなるけど。5000円超えちゃうもんね。コレも配信時代の音楽ビジネスのあり方。

「KINGDOM」のライブ映像は、SANKYO 後援のパチンコタイアップ・スペシャルライブ@横浜アリーナ。DVD「BLACK CHERRY」との重複曲をヒヨコは素早く察知して「この曲知ってる!フンフンフン~♪」あれ、あのDVDは一回しか見せてないし、しかも実は一ヶ月くらい前に見せたのに、なんでもうそんな覚えているの?…不思議だ。SANKYO のキャンペーン曲「GIRLS」が爽やかに鳴って締めくくられる。
「TRICK」のDVDの見せ場はやはり後半。レゲトンアレンジでワサワサ盛り上げ、アンコールはニューレイブスタイルの衣装に着替えて、ブラックライトを浴びながらハウシーなアレンジで疾走する。
●楽曲で気になったのはコラボレーション。THE BLACK EYED PEAS の歌姫 FERGIE を招いた「THAT AIN'T COOL」はやや相手に食われた感が否めないが、名古屋アンダーグラウンドの筆頭ラッパー AK-69 A.K.A. KALASSY NIKOFF と組んだ「BLING BLING BLING」は一流のバウンスビートとして、ギラギラとグリッター感を醸し出してシビレマス。「LAST ANGEL」東方神起と合体。5人男子の個性をマイクリレー(&ラップ)させてウマく活かしつつ疾走する高速ダンスチューン。東方神起、もう完全にジェイポップシーンで見逃せない存在になってきた。シングル収録のカップリング曲だけど、「TABOO (HOUSE NATION SUNSET IN IBIZA REMIX)」もカッコいい。CYBER TRANCEパラパラもヴェルファーレすらもが今は昔のエイベックスダンス戦略。次の手を着々と準備中。



くぅーちゃんの場合、実妹も活躍中だもんね。

It's all Love ! (DVD付)It's all Love ! (DVD付)
(2009/03/31)
倖田來未×misono倖田來未

商品詳細を見る

KODA KUMI × MISONO「IT'S ALL LOVE」2009年
●姉妹初のコラボレーション。R&B路線の姉に対して、DAY AFTER TOMMORROW でキャリアを起こした妹はもっとロッキンなスタイル。姉妹対決シングル「IT'S ALL LOVE」はむしろ妹 MISONO のロッキンなスタイルに寄せてるのかな?機関銃のような掛合いや、硬派なスタイルとブリブリガーリーなスタイルを混ぜたプロモもヨシ!

球魂/?cm(DVD付)球魂/?cm(DVD付)
(2009/02/25)
misono

商品詳細を見る

MISONO「球魂 / ? cm」2009年
●ロック路線はともかく、詞曲も全部自分でやるようになったのね。へえ。一時期ダイエットネタで半裸を披露した時はヤバいんじゃナイの(現在のくわばらりえにも同じモノを感じる)と思ってたが、ロッキンに頑張ってます。
●プロモでは不釣り合いにデカイレスポールタイプのギター(彼女自身の身長と変わらん?)を抱えてシャウトしてますが、多分マダ弾けてません…。ガンバレ!ダイエットを頑張ったように!少なくとも DAY AFTER TOMMORROW よりはずーっとイイよ!ワイフはキミの口のデカさと、姉貴とは違うハイレンジな音域に感心しとったよ。




ShineShine
(2003/11/05)
綾戸智絵

商品詳細を見る

綾戸智恵「SHINE」2003年
●全然カンケイないけど、倖田來未綾戸智恵って顔似てない?関西弁というのも同じだし。倖田來未50歳のオバハンになったら絶対こうなっているであろう。綾戸さんのブルース魂は好きです。大阪ブルース、大阪ソウル。BILL WITHERS の名曲「AIN'T NO SUNSHINE ~ LEAN ON ME」がカッコいいです。


自律神経失調症とのお付き合い(その95)~「復職日程決定」編
●先週の木曜日、「復職可能」の診断書が出て、そんで会社の中でアレコレぼくの処遇が検討されたっぽい。そんで結論を言えばだ、6月1日付けで、現場に復帰する。

人事部長&副部長との面談があった。「で、どうするよ?」
「希望が通るかどうかは別だけど、キミとしてはどこで働きたい?」………やっぱ、元の現場ですかね。ここポイントです。マジで元の現場がイイのか? 同じ環境に放り込んだら、また暴走するか、凹むんじゃねえか?またトラブったらメンドクセーと人事としては考えるかも。そもそもフツウの病人なら「マストで別の所オネガイします」というのが自然かもしれない。
でもボクは「元の現場で」という。「元の現場」に戻って、自分にどこまでのキャパシティがあるか測ってみたいという気持ちがある。休職以前の仕事量は絶対こなせないとした上で、ココまでは出来るという目安を持ちたい。そのためには休職以前と同じ職場で作業量の比較がしたい。職場が違えば業務の内容が違うので、休職以前と以降のキャパの落差を実感しづらい。将来異動して他の部署に行くことになったとしても、まず自分のポテンシャルを把握しておきたい。ボクのキャラを知った上司と部下なら事情を汲んでもらえるだろうし、そこは甘えさせてもらおう。反対にボクのキャラを知った人間でなければ、イタんだ病人をどう使えばイイか悩むだろうし、周囲もヘンに気を使ってボクもやりにくい。

「よし、わかった、早速キミの所属長と相談してみよう。」と人事部長。
時間外労働禁止、休日出勤禁止、出張禁止などの制限勤務が医者から指示されるが、その範囲でボクの上司が受け入れ出来るか? それを確認するという。……ボクの上司N女史には根回し済みなので、N女史までハナシが降りれば多分キチンと着地するはずだ…。

「ただし、一つ、約束を守って欲しい」
●人事部長のコトバ。部長は、自分の現場時代や今の立場に至るまで、様々な「病人」の面倒を見てきたが、一つの傾向があるという。「復職したトタン、医者の診察をすっぽかすようになる。ソレだけは止めてくれ」…なるほど。会社によっては、医者の診断書をタテに、さあバリバリ働け、死ぬほど働けと手ぐすね引いて待ってる所もある。ソレがダメなら辞めちまえ、と言いたくてしょうがない会社も。ウチの会社はある意味で「病人」慣れしているので、そんな乱暴な事は言わない。むしろ「病人」自身が自爆するケースの方が多い。「快気祝いだ!飲み会だ!」と先輩に引っ張り回されて、あっという間に壊される人もいる。そういうのが断れないから病気になるんだけどね。
●ボクは答えて「医者は、働いてイイとは言いましたが、病気が治ったとはヒトコトも言ってません」。実際に、素人が見たらドン引きする量のクスリを今も飲み続けていますし、体力的な限界を絶えず感じています。今、医者から離れるのは自殺行為です。それは分かってます。周りにはソコも含めて説明していくしかないですね。


そして今日、今度は労務部長&副部長がお出まし。
●メールが来た。「5月15日付けの診断書で「復職可能」とあり、人事側で検討していましたが、このまま順調に推移すれば、6月1日(月)より復職とします」よし。復帰先は、元の現場。ボクの希望がほぼマンマ通った。面談して給与の仕組みの変化についても説明を受ける。今までは「傷病欠勤」という立場だったので、傷病欠勤減額がゼロになる。ちなみに「傷病欠勤」「欠勤」は全然違う扱いで、「欠勤」だと減額率が二倍になってしまう。一方、当初は制限勤務なので、本来の「裁量労働制度」ではなく「フレックス制度」を採用。所属長と相談してフレックスのコアタイムを設定せよとのこと。これは結局 9時30分~18時30分 となった。今後の推移を見て本来の「裁量労働制度」に戻す事も検討される。

手当の内容に関しては細かく確認した。
●世界金融危機を受けてかどうかワカランが、給与の仕組みがかなり変わっていて、手当の額とかもらえる資格が変わってんのよね。手っ取り早く言うと、給料は安くなってます……先輩たちがボクらと同世代の年次でもらってた額の70%くらいしかボクらはもらってない……先輩たちは出世した結果「管理職賃金制度」でむしろ給料が少なくなったとボヤイている……。成果主義連動の部分もアレコレあって、成果が全くないボクはどうなるのかなどは確認しとかないといけない。
「ナントカ手当」が支給されないというハナシが出て、キツいなあと思ってたけど、後で賃金諸規定集をチェックしたらこんなボクでも受給資格ありになってた。以前も手当の計算を間違って、払われなかったり、払われ過ぎたりとメチャクチャなメにあった。労務部って鉄壁の正確さを誇ってるようで、意外と人間臭くエラーを起こす。注意注意。


そのあと、元の現場の同期を訪ねた。
「おっ!来たな。全部聞いたわ。よろしくな」同期Mが言う。「もう何してもらうか、ある程度考えているんだ」了解。まー、ノンビリと行かせてもらうわ。2年近くも空けたからなー、パッと見て初めて見るヤツもイッパイいるから、若手のスタッフの名前を覚える所からかな。あと、会議のルーチンとかをチェックして、ザックリ今の職場の気分を吸っておく。N女史は、ボクがアタマからトップギアを入れないように厳しくチェックするつもりでいるようだから、スロースタートで行くよ。ちょっと甘えさせてもらうわ。


なんか、あんま、どうでもイイのよね。
●家に帰ってワイフに報告。「なんか、今さら『おめでとう』って雰囲気でもないわよね」マジでそうなんだよね…。全然ピンとこない。そんなに忙しくもならない気がするし、病気も格別良くなった気はしないし。淡々と行くまでだわな…。
●昔は、ボクは骨の髄まで仕事人間だった。けど今では、仕事は人生を構成する一パーツくらいの存在感になっちゃったのよね。仕事は好きだし、そこで出会う人や仲間も大好きだけど、アクセルベタ踏みでカーブに突っ込めないんじゃ、スリルは半減だよ。あの無茶なスリルがあったからこそ、昔は病み付きになれたけど、そうじゃなかったら安全運転を淡々とするまでよ。そんなテンションだな。
●そもそも、病気が治った感じが全然しないってのが問題だよ。今だにカタワモノだよ。…というコトで、この「自律神経失調症とのお付き合い」シリーズは、復職したからって終わりはしません。むしろ新たな戦いの幕明けだったりして。



ウンチク。睡眠薬の効果ランキング!
●GWで生活のリズムが狂って、イマイチ眠りが不安定なボク。医者に頼んで睡眠薬をアレコレ調整してもらってます。
●そこで、ボクが今まで使ってたクスリの効き目ランキング!先生が見せてくれたクスリ事典みたいなのに書いてあったのを参考に書きます。

<短距離型迎撃ミサイル>:マイスリー/いつまでも寝付けないタイプの人向け。睡眠導入剤として、まず寝るための超短期効果を狙ってます。眠気を妨げるモノを手っ取り早く攻撃・爆破する感じ?

<中距離型戦術ミサイル>:ロラメット/寝付けない人が、眠りを深く確保するためのタイプ。3時間程度の効果で、眠りの前半戦をしっかりカバー。ボクは前半戦にこのロラメットを使い、後半戦用に後述するサイレースまたはドラールを使ってます。

<長距離型戦略ミサイル>:サイレース/一応、夜から朝まで効果を持続します。睡眠が途切れ気味、長く続かない人におススメ。朝に残ってしまう場合は、夜に飲むタイミングを調整して起きたい時間に向けて狙いを定める戦略が必要。

<衛星周回軌道ミサイル>:ドラール/効き目が24時間持続します。一日をグルリと一周、つまりは衛星軌道まで届く超強力効果。コレが効き過ぎるって時は、錠剤を二つに割るってテもあります。ヤバい時のボクはとても重宝しましたが、今はキツい。サスガに昼間まで眠気が来るのは困る。


●以前の「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-557.html


●今日の音楽。

GarfunkelGarfunkel
(1990/10/25)
Art Garfunkel

商品詳細を見る

ART GARFUNKEL「GARFUNKEL (BEST)」1973~1988年
SIMON & GARFUNKEL のノッポの方です。赤毛のモジャモジャの方です。あんまし詞曲を書かない方です。ツービートで言えば、きよしの方です。地味です。
●相方 PAUL SIMON の活躍の方が華々しいので、あまりこの人の存在って注目されてないけど、こうしてソロ楽曲を聴くと、ほぉーって気持ちになる。ウタがウマい!声がとてもキレイ!SIMON & GARFUNKEL がブレイクしたのは SIMON の書く繊細な楽曲のチカラだと思い込んでたけど、楽曲の繊細さを的確に表現出来るシンガーに恵まれてたからこそのブレイクだったのね。ソレを納得させるだけの美声が聴けます。透明感と独特の浮遊感が、掴めば霧のように消えてしまうような繊細さを醸し出してる。
●澄み切ったフォーキーなアプローチでR&Bのスタンダードにも挑戦してます。「WHEN A MAN LOVES A WOMAN」「(WHAT A) WONDERFUL WORLD」「SO MUCH IN LOVE」とか。R&Bの匂いは見事に脱臭されてますが。「A HEART IN NEW YORK」1981年が過去の黄金デュオの気分を伝えるフォークに仕上がってるような気がします。


松本人志さんが結婚しましたねー。
●ボクは、今月たまたま松本さんの本を読んでたもんですから、なんか奇縁!って感じ。だから、今日は松本人志さんのお話をしようと思います。

松本人志 放送室松本人志 放送室
(2003/07/05)
松本 人志

商品詳細を見る

松本人志・高須光聖「放送室」
●著者二人がひたすらダラダラしゃべるだけの人気ラジオ番組「放送室」を文字に起こした本。良いお笑いファンとは言えないボクですが、そんなボクでも電車の中で笑いをかみ殺すのに必死。オフビートな笑いがイイワ…。力みがなくって、クスクスくる感じ。楽しいわ。
●この本に収録されてるのは2001~2002年と、結構古い内容なんだけど、松本さんの恋愛観がちょっぴり書いてあって興味深い。あーとっても複雑で繊細な人なんだなーと感心。ちょっと、そんな部分に触れたトークを引用してみましょう。

松本さんは意外と几帳面、しかも異常に几帳面で、なんでもキッチリしないと気が済まない「きっちり病」らしいのです。高須さんが部屋に泊まりに行っても、キッチリパジャマに着替えないと気が済まないほどで、自分の領域へ他人が介入する事に極端に神経質になる場面があるらしい。


高須:松本人志って、みんなが思ってる以上に意外とキッチリしてるやんか?
松本:オレはホンマにキッチリしている。
高須:ある意味ストイックやな。オレ、ジブンの家行った時に思った。やっぱオレはあそこまでキッチリしてへんもん。
松本:あ、整理整頓が?
高須:そう。整理整頓もそうやし、もう腹立つやろ?グシャグシャなんが。
松本:でも最近は逆に、ちょっとグシャグシャっとしようとはしてんねんけどね。アカンアカン、こんなキッチリしてたら結婚できひんわ思ってね。ちょっとヤンワリせんと、もうアホかと思われるわ。
高須:ホンマ細かいで。オレもうジブンが、温泉かなんかで、細かい洗い方してるの見たで。一個一個ちゃんと。
松本:パーツを洗ってた?

高須:ジブン、キッチリし過ぎなんやて。
松本:あのね、どんなに好きな女の子でも、二日ぐらい一緒におって「ほんじゃ帰るね」ってなって、バタンってドア閉めた時に「はぁ~!(脱力)」ってなってしまう自分は、もうしょうがないね。「はぁ、あぁあ~はあっ」ってなるね。
高須:そこまでなる?
松本:う~ん、なんでやろ?
高須:やっぱな、本来のジブンじゃない状況で接してんねん。分からんところで気遣ってんのか。分からんところでやっぱりイライラしてんねんて。
松本:うん。それが全部アカンわけじゃないねんけどね。その「はぁ~」って溜め息って、アカン事ばっかりじゃないやんか?ホッとするっていうか、プラスの意味もあんねんけど、やっぱちょっと「はぁ~」て事は、自然体ではないという事やわな。それができる人は、同棲できたり、ず~っと一緒におれるのよ。


●こんな松本さんが結婚に踏み切るって、スゴイ。彼の分厚いバリアをかいくぐった、お相手の女性はきっと立派な子だろう。お幸せに。



●「笑い」については、この本を読んでもらえば十分、ボクが四の五の付け加えるコトはないッス。
●ただ、ボクが気になるのは、尼崎のちびっ子ギャングが、少年時代と同じように未だにツルみ続けてて、しかも芸能界に君臨してるってコト。コレはスゴいと思う。「尼崎」という土地の磁場ってのに秘密があるのかな…。だって放送作家として活躍する高須光聖さんも、尼崎のちびっ子ギャングの一員だったわけだし。ロングビーチのゲットーでつるんでた幼馴染みの仲間をフックアップして一派を従えてる SNOOP DOGG みたいなのを連想しちゃう。「尼崎」もある意味でゲットーじゃん? なんかカッコいいなと思うわけ、ボクは。
●そんな松本&高須両氏が、相方・浜田さんや自分たちの関係を語る言葉をピックアップしてみました。原文をかなりはしょって引用します。でもグダグダ感は残した感じで。


ダウンタウン結成秘話・浜田雅功という男
松本さんは、子供の頃から笑いに尖った男だったようで、「イトウ」くんという人物とつるんでその世界を熟成させてたようです。その後中学入学をキッカケに、彼は浜田雅功という男に出会うのでした。


高須:聴いている人わからへんかもしれんけど、「イトウ」はオレらの友達な、松本の小学校時代の相方。
松本:オレはその中学までイトウと友達で、ずっと一緒におったから。で浜田とも友達になってな。一時期三人でよう遊んだのよ。
高須:おもしろい三人やったで。しゃべっとったら、もう飽きへんわ。オモロイ事言いよるわな、違うパターンで。浜田がボケたらイトウがまた違うボケを探してきよる。必死やわ。この三人は。
松本:そうやねんけども、まぁなんやろ?気持ち悪い話、ちょっとした三角関係にあったわけよ…。
高須:分かる!ジブンを取り合うわけやろ?
松本:…ほんである時に、そのイトウと浜田がものすごい些細な事でケンカしたのよ。途中までなんかただはしゃいでただけやと思うわ。ホンマにちょっと痛かった、みたいな事なんかなあ?分からへんけど。もしかしたら浜田の計画的な犯行やったんかなとおもったりもするねんけど。
高須:アイツしよるからな、そんな事(笑)。
松本:ほいでホンマ掴み合いのケンカになって。忘れもせん、あの尼崎のキリンビール、ものすごいデカイのがあんねや駅前に、ず~っと塀が。その塀の所に頭ガンガンやったりとかしてたわけよ。オレ、どっちも友達やし、「ちょっと、もうやめぇな、やめぇな」って感じで、どっちをどう止めるわけでもないねんけど。ほんならまぁ、どっちも疲れたんかも知らんけど、バーっと離れて。浜田が、オレから向かって左の方に歩いて行きよんねん。
高須:ま、家の方や、アイツの。商店街の方入って行くねん。
松本:そうそうそう、ほんで、イトウは、まっ、右の方に…。あれはホンマに人生の分岐点やったと思うで。
高須:そうやで。それでダウンタウンがどっちになってできるか、いう事やったからな。
松本:うん、ほんなら、イトウはなんも言わへんかってんけど、浜田が「まっつん、行こうや~」って言うたのよ、アイツは。
高須:はぁ~、あいたたたた。これは困るなあ。
松本:ん?ん~?と思いながら、浜田の方に……。行ったんやわ。
高須:イトウは一人で帰らなアカンもん。大失恋やわ。…その瞬間はもう、「あ、そっち行くねや」そっちに歩いて行ってまうねや、みたいな。そら大失恋やがな。もう八年ぐらい付き合ってて……。結婚するもんや思ってんのにな、向こう行ってまうんやから。
松本:なぜオレは浜田の方へ行ったのか? 正直いまだに分からへんねやんか。な~んか引っ張られるような感じで。

高須:浜田は…高校卒業して、全寮制んとこ卒業して、競艇選手になろうとしたんやったっけ? で、それを落ちたんやっけ? 落ちて、たまたま吊革の広告見て。NSC(吉本総合芸能学院)の一期生。誰かの弟子やったら、ダウンタウン成立してないよ。辞めてるで。
松本:うん。それはオレらも言うててんけど、二期生とかやったら、たぶん行ってない。一期生やったから。このオレらが就職をせなアカン、もう高校卒業しますって時に、しかも浜田は、そのボートも落ちて……って時に、このタイミングで吉本が学校を作るという、このタイミング。これはもう呼んどるなぁ、とあの時は思ったもん。

高須:いやいや、いや、そら、ホンマよぉできた相方やで、浜田は。
松本:うん。あの図太さな!なんやあれ!ビックリするやんか?
高須:ビックリする!あのな~、なんやろ?コワって思うぐらいの時ある。
松本:オレはやっぱり「コイツ化け物やな~」思うたんは、東京来だして、まだダウンタウンってそんなに知られてなかった頃に、番組対抗みたいなんを日テレでやったのよ。でぇ、「ダウンタウンって誰やねん?」みたいな時に、アイツがクイズのパネラーなんだけど、関口宏さんとかいっぱいおって、横イチに並んでるとこに、早押しの台が、テーブルみたいのがあるやんか?そこに飛び乗ってな、「これオカシイやんけ~!」とか言うて、「こっちのん壊れてんちゃうんか~?」言うて。で、他の人の台まで飛びながら行くねやんか。うわ~!できる?
高須:いや~、できへんなぁ。できへん、できへん。その時ビックリした?
松本:ビックリした!そんな事できる若手、いまおらへんやろ?あのパワーは凄かったで。アイツやっぱりな、チンピラやねん。気持ちが。
高須:「殴ったらエエねん」というのか、どっかあんねん。だからできんねんて。
松本:アレはアレの特徴やねん。ものすごい図太い。あの~、どっちかやと思うねん芸人って。ものすごい図太いヤツと、繊細なヤツがコンビっていう…この可能性ってのは、かなり低うて、そういう意味じゃウチはちょっと…。
高須:いやいや完璧やで。いや完璧やろ。完璧だと思うで。コンビ組んでる芸人さんは、すっごい羨ましかったと思うで、その当時でも。もしかしたら紳助さんもそう思ったかも知れんし。
松本:あの人は繊細な人やからな。
高須:そらもっと言うと、じゃあ突っ込みは突っ込みで、よわ~いボケがおったら…こんな(松本を指差す)…フニャフニャやないか、ジブン。
松本:フフフフ、そうやな。でも繊細な人間って意外とまあ、おるやんか。な? でもあんだけの、超・ド級の、ん~、図太い人間って、そうそうおらんやんか。だからコンビ組むんやったら、その辺考えた方がエエで。


盟友・高須光聖。
●この高須さんという人は、「ダウンタウンDX」「ガキの使いやあらへんで!!」「HEY!HEY!HEY!」といったダウンタウン関係の番組から、「新堂本兄弟」「やりすぎコージー」「ロンドンハーツ」「めちゃ×2イケてるッ!」といった人気バラエティを手がける業界トップランクの放送作家であり、「大日本人」の脚本を松本さんと共同執筆した人物です。
●それでいて、やはり松本&浜田の子供の頃からの友達で、言わば尼崎ちびっ子ギャングの一員なのであります。この「放送室」では、その高須さんが世に出るキッカケになるお話も出てきます。


松本:高須も高須やねん!これオレ、ホンマに。
高須:危なかったで、オレ。
松本:あのな、高須がちょっとオレと久々に会いたがっている、みたいな話をされたのよ。あ、フジイや。だからフジイっていうてね、あの~電気屋の息子で、役者になりたい言うて東京に来てたヤツがおったんよ。で、オレも、東京にちょこちょこ来てたから。で、フジイとしゃべってて、あの~「高須も実は東京来てんねや」「高須がなんかちょっと会いたがってるで」
高須:そのいきさつは、オレが大学卒業して、インポートグッズ屋さんに行くはずやったんよ。代官山にあるインポートグッズ屋に。ネパール行った時にオレ、その人に会うたのよ。で、その人の店で働くつもりやってん。年のうち三分の一とか半分ぐらい海外行けるいう話やったから。
松本:ジブンそういうの好っきやもんな~。
高須:好っきやねん。で、それにもうスコーン乗ったら、肝炎なりはったんや。で一年この店閉じると。そんなとこでお世話になってもしゃ~ないやん。そん時にフジイ……オレ、ホラ東京に知り合い誰もおらへんから……フジイのとこ電話したら、「遊びに来いよ」言うて。アイツ、またええヤツやんか?…で、行って。「なにすんねん、どうすんねん」って言うてた時に、「映画撮りたい映画撮りたい」って。ほんなら「松本に言ったらエエねん。オレ、連絡通じるで」言うて。
松本:オレ、忘れもせんよ。あそこの。
高須:中野坂上やろ?
松本:中野坂上の、デニーズ。
高須:行ったがな。
松本:あの頃、オレかってそんな余裕ないし、もう東京も嫌いやったし、はよ大阪帰りたかったから。「高須が会いたがってる」言うたって「チッ、邪魔くさいなぁ~知らんわ!」(笑) そう思ったのに、なんで行ったんやろなぁ、オレも。
高須:わからん。ほいで「何する?どうしたらエエんねやろなぁ?」って言うたら「ブレーンやブレーン」ってジブン言うたやん。
松本:う~ん。
高須:「オレらにブレーンおらへんから、ブレーンやったらエエねん。ブレーン」って。オレ、ブレーン言うて、具体的に教えてぇや~、と思ってんけど。なんやねん?ブレーンって!
松本:ハハハハハハ!たぶんな~、それかってな~「ブレーン」っていう言葉を使いたかっただけやねん。よぉ分かってへんねん。
高須:よぉ分かってへん。だからオレ「具体的にどんなん?」って言うてるのに「いや、なんとなくオレらの事をこう…ま、笑い作ったりとかする、いわゆるブレーンやからなぁ」言うて。だから具体的に言え!
松本:ハハハハハハ!多分、その何週間前ぐらいに、たまたま覚えたぐらいの事なんやわ。


●ここから破竹の勢いで、敏腕放送作家のキャリアが開けちゃうんだからスゴい。……でも、松本さんと高須さんの間の信頼関係も、相方・浜田さんに匹敵する長い付き合いが前提にあるわけよね。


松本:オレと高須なんて、もうマンネリの極致やんか?

高須:極致やで。正直、悪いけど一番よおしゃべってるかも知れへんで。もうそら昔から考えたら浜田よりしゃべってるやろ?
松本:浜田よりしゃべってるね。だってまあ33年近くなるで!
(※この放送は2001年のモノだから今じゃ40年超えてる?!)5,6歳ぐらいの頃からしゃべってるからね。
高須:そうやで。小学校一年三組やもん。「松本いうヤツおるわ」思った時からやもんな。
松本:あのね、高須はね、ホントにね、できの悪い子供でね。教科書をね、持って帰れへんかったんな。机の中に全部ギッチリ詰めて、カバン持たんと…。もうホント、パチプロみたいな小学生やったよね。あの~「高須ってのはコワイ子や」と。アンタッチャブルになってたからな。なんか飛びかかってくるんちゃうか?みたいな(笑)。
高須:(笑)ちょっと待ってちょっと待って。
松本:で、なんかコワイと。なんかコワイぞコイツ。荒いぞ(笑)。子供にしても凄すぎるていうのがみんなの中にあって、当たらず触らずみたいにしてた。
高須:はぁ~。
松本:ほんなら先生がある時に、もうあんまりヒドイから、授業中断して「急遽学級会を開きます」って言うて。で「高須君の悪い所をみんなで言いましょう」って一時間割いて。
高須:ホンマ?
松本:オレハッキリ覚えてんねん。「教科書を踏んでいま~す」「ハーイ!」「ハーイ!」「ハーイ!」……いや~高須にはね、いろんな衝撃を受けたよ。商売人の子供ってスゴイな。なんか自立してるよな。オレね~、小学校一年生でね、ギョウサ焼いているの初めて見て、もうカルチャーショックだったのよ。土曜日、午前中で終わるやろ? ほんで、オレとこもどっちも働いてたけど、家帰ったらなんか作って置いてあるわ。で、それをちょっと温めて食うぐらいやんか?ほんで、その日はすぐに高須の家に遊びに行ったんや。
高須:遊びに来たんやな。
松本:ほんなら、「いや、オレまだメシ食うてへんねん」言いながら火を…。
高須:カッカッ!点けて!(笑)一年生が!
松本:カー点けて!もちろんあのギョウザを、フライパンにキレイに並べて、で、エエ加減の火にして。で、若干居炒まってきたら、こう火を強めて、水バー入れて、フタば~ん閉めた時に、「コイツなんや?」と。
高須:ハハハハハハ!オレは火使うのは早かったで。
松本:早かったなぁ!いやだから絶対もう、高須はダメ人間やと思ってたんよ。コイツはもうアカンと。
高須:あんまり行ったらアカンと。悪なってくヤツやと思った?
松本:悪なっていく。あの、裏社会の人間やと。だからオカンも、「高須君と遊ぶのはどうなんやろなぁ」(笑)


●ちなみに、高須さんの実家は果物屋さん。そんで二人を結び付けたフジイくんは、役者の夢に破れ、実家のフジイ電気を継いでるそうです。

●関西弁って、トウキョウネイティヴのボクには絶対しゃべれない言葉なんだけど、こうやって文字におこすとリズミカルでとっても楽しいね。



●音楽のハナシもしなくっちゃ。音楽のブログだからね。

2323
(2007/04/11)
ブロンド・レッドヘッド

商品詳細を見る

BLONDE REDHEAD「23」2007年
●この前、最近ロックバンドを始めて毎週セッセと練習しているというトモダチに会った。ソイツのバンドは、本人がベース、ギターのヤツがソングライティングを担当、そしてキーボードを入れてニューウェーヴ気分を出してるという。ポイントはフロントシンガーとドラマーで、その二人の女の子が姉妹らしい。ボクのトモダチたちが草食系男子なのに対して、その姉妹がある意味で肉食系で、ある意味お色気を発散するタイプ。おー?ちょっとオモシロい編成じゃない? その娘たちはエモでゴス系なの?「イモウトのドラマーの方はゴスかも。黒い編みタイツとかだから。でもホントはヴィジュアル系なんだ。姉貴の方が詞を書くんだけど、コレがちょっと耽美というか幻想系で……曲を書くヤツは明るめの曲にしたいのに、詞の世界がどうしてもマイナーコードになる」
●どんなバンドに近いのよ?絶叫エモ系とは違いそうだな…むしろシューゲイザー?「そういうハナシは多分、オマエの方が詳しい。オレはたくさんCDを聴くタイプじゃないから」………ASOBI SEKSU とか?日本人の女の子がニューヨークでやってるネオシューゲイザー。「うん…確かに気分かも。女子二人のお色気の部分をあんな風に機能させたいとは思ってる」……なるほど。ピンと来たぞ。あのバンドはどうだろう?
●そんでボクは、手元の iPod をクリクリ回して、この音源を見つけ出し、トモダチに聴かせてやった。「BLONDE REDHEAD。90年代から活動してるNYのバンドで、イタリア人の兄弟と日本人の女の子二人組って編成(現在は日本人女子は一人になってる)。SONIC YOUTH っぽい…イヤ、そこまでイカないな…むしろ YO LA TENGO っぽいかな」トモダチ「おお、コレ結構オレらが狙ってる世界に近い!このバンド初めて知ったけどイケルわ!」

●ウイスパーボーカルが浮遊する気分はシューゲイザーだが、ニューヨーク仕立ての厳かなノイズっぷりや、ギターのそっけなさが、どうしてもボクには SONIC YOUTH を連想させる。彼らのキャリアが SONIC YOUTH のドラマー STEVE SHELLY のレーベル SMELLS LIKE RECORDS から始まったのも偶然じゃなさそう。この作品は、10年以上のキャリアの中で初めてのセルフプロデュースらしいんだけど、キーボードの差し込み加減とか、ボーカルのエフェクト加減とか、着実なドラムとか、わりと絶妙で彼らの作品の中でも聴きやすい方の仕上がりだ。レーベルは 4AD で、4AD のサウンドを代表した COCTEAU TWINS の音楽も連想できる。ジャケもカワイいしさ。おススメですよん。


Melody of Certain Damaged LemonsMelody of Certain Damaged Lemons
(2000/06/06)
Blonde Redhead

商品詳細を見る

BLONDE REDHEAD「MELODY OF CERTAIN DAMAGED LEMONS」2000年
●このアルバムは、レーベルが 4AD ではなく、シカゴのハードコア/オルタナレーベル TOUCH & GOからのリリースとあって、「23」と比べるとかなりヒネクレて聴こえる。甘いボーカルを優しく包むリバーブはないし、ギターも霧に包まれるような優しさがない。本質的には変わらないけど、愛想が足らない。ノイズも強いし、男子がボーカルをとる場面もある。ビターで、ゴツくて、聴くモノを突き放すような冷たさがある。拍子抜けするほどニューウェーヴなキーボード使いが時々顔を出して、実はイマドキ感かも知れない。ピアノも絶望的な登場の仕方をする。ココから入ると取っ付きにくいかも。


Misery Is a ButterflyMisery Is a Butterfly
(2007/05/21)
Blonde Redhead

商品詳細を見る

BLONDE REDHEAD「MISERY IS A BUTTERFLY」2004年
●最初に紹介した「23」とその次の「MELODY OF ~」の中間に当たるアルバム。プロデューサーなどの布陣は「MELODY OF ~」と変わらないけど、このタイミングで 4AD に移籍。ストリングスを豪華に導入して、暗い耽美世界に独特の奥行きを確保した印象。アレンジの実験は前後のアルバムに比べてグッと頑張ってるけど、PORTISHEAD 的に爛れてしまった闇と病みが全体を支配している。耽美ゴス世界に浸りたい方にはおススメできる。


さあ、新型インフルエンザがやって来た。
●兵庫県と大阪府のガッコウが一斉に休みになった。奈良県も1000人以上の感染疑いが出てきた。ヤバいぞヤバいぞ。会社診療所のセンセイは「まあ、東京に来るのも時間の問題でしょう。来週には来るかな」呼吸器科のセンセイに至っては「うーん、多分もう来てるんでしょうね。そして来週発症が始まる…」うぉー、プロの見解は「すでに戦火の拡大避けられず」という事。当事者として覚悟決めて「バッチコーイ!」って感じ?スタンバイオッケーなんだ!
●せっかく復職が進もうとしているタイミングで、こんな厄介なコトに巻き込まれたくない。コレで会社に行けなくなったらシャレにならない。外出禁止になったら、ボクは自分の生活リズムが維持出来なくなって、病気が悪くなる………コレは死活問題だよ。で、マスクを買い求める事にした。ところがだ…。

●吉祥寺に用事で行ってたワイフからメールが。「全然マスクがない!ドコも売り切れ」ソレを受けてボクも病院帰りに寄った中目黒で4つの薬局をチェックしたが、マジでない!スゲエ!

P1001330.jpg

●大きめのドラッグストアに行ったら、このザマですよ。
「マスクコーナー」とか言ってニコニコポスターかけてるクセして、在庫ゼロですよ!マジ見事。ガーゼマスクは予防効果が低いってのに、それすらもない。
●二軒目の薬局は、最後の在庫4つをオバハンが握ってて、店員さんに「ドレがイイの?」って聞いてるトコロだった。ボクが「もしかしてソレがサイゴなんですか?」って聞いたら、オバハン即座に「全部買うわ!」ってレジに持っていっちゃった。おお!買い占め!
●三軒目は、店に入った瞬間で出鼻をくじかれた。薬剤師さんがデカイ声で馴染みのお客にグチをコボしていたからだ。「今日は朝からマスクマスクで大変よ。あっと言う間になくなったわ」えー、そんなにスゴいんですか?「今は、予約を受けてるんですけど、それでも十人分程度しか確保できないわよ」マスクを予約?!ありえねー。
●四軒目も、ウンザリしたカオで店員さんが答えてくれた。「もう週末から売り切れです」100万回くらい同じコト聞かれてるって表情。入荷の時期って見えてるんですか?「ウチのチェーンの本部がどれだけ確保できるか…多分ウチにまわるのは十個程度ですかね…」

●かるくパニックじゃナイすか?コレって。
●ワイフの元には、ボクとワイフの実家からマスクを何個確保したかメールが届いてた。ワイフも家中探し回して20個ほどキープ。「コレはここぞというタイミングに使うために取っておこう」夫婦でそんな打合せをしている時…。
●そう確認し合ったタイミングで、娘ヒヨコがこれまた天然発言。「ベリーのぶんのマスクもわけてほしいの…。」ウサギのぬいぐるみのベリーにマスク…。一瞬コトバを失う…。ワイフ「ベリーには人間用のマスクは大きすぎるから、ヒヨコが自分で作ってあげなさい」うむ、ワイフらしいナイスなフォロー。

P1001331.jpg(ベリー、紙と輪ゴムでマスク完成!)

●ひとまず、ベリーの健康は確保されたが、一体これからどうなるのかな?
自律神経失調症とのお付き合い(その94)~「ムードスタビライザー」編
●さて、復職のメドが立った段階で、月二回通っている心療内科のセンセイにも報告した。、このセンセイは、結構前から復職は可能という判断をしてくれてた。ただボクの仕事がチト特殊というコトを勘案して、産業医にイニシャティヴを預けてた。「ふ~ん、やっとね。よかったわねー!」
●そんで、この復職に伴って、イロイロ新しい提案をしてきた。「クスリ変えましょ!」そんで新しい作戦は…こんな感じ。

P1001328.jpg

(ジェイゾロフト(上)とデパゲンR(下)。)

抗うつ剤「ジェイゾロフト」を抜く。…一応ボクのうつ病は快癒したとして、抗うつ剤は必要ないというハナシ。しかし、このクスリは離脱症状(禁断症状)が出る場合があるので、イキナリは抜けない。現在は毎朝 25mg を飲んでいるトコロを、コレを一日おきにする。

新しいクスリ「デパゲンR」200mg が登場。…このクスリは「ムードスタビライザー」というタイプのクスリで、躁状態と鬱状態の波のウネリを縮める役割がある。「バランサー」と言う人もいる。社会復帰すれば一気に刺激が増えて、ボクは思いっきりハイになるかもしれない。しかし、ハイになればなっただけ、後から来るローはよりデカイ波になって押し寄せる。このクスリはそのハイとローの幅を縮めるのが目的だ。あと、余談だが、写真でも分かるようにこの錠剤、異常にデカイ。「徐放剤」といって、このでかいカプセルから中の成分が徐々に染み出すツクリになっているらしいのだが、つまりはこのカプセルがとても丈夫だという。センセイ曰く「あのー、朝のウンの中に、そのまんまのカッコで出て来るかも知れないけどビックリしないでね」

<その他のラインナップ>
メイラックス 1mg(精神安定剤)/朝&夕の2回
デパス 0.5mg(精神安定剤)/朝1回。頓服でも使う。最盛期は今の6倍を毎日飲んでた。
サイレース 1mg(睡眠薬)/就寝時に1回
ロラメット 1mg(睡眠薬)/就寝時に1回
ミオナール 50mg(筋弛緩剤)/朝昼晩の3回。でも効いてないような気が…。
釣藤散(ツムラ47)2.5g(筋弛緩作用などの漢方)/朝&夕の食前
芍薬甘草湯(ツムラ68)2.5g(激しい筋肉痛を和らげる漢方)/頓服用。スゲえ即効性。
アロシトール 100mg(尿酸値を下げる)/朝1回。ボクはナゼか尿酸値が異常に高いので。
ザンタック 150mg(胃潰瘍/十二指腸潰瘍のクスリ)/就寝時1回。胃もボロボロ。
アドエア250(気管支ぜんそくのクスリ)/朝&夕の2回。ぜんそくは2001年からの持病。
キュバール100(気管支ぜんそくのクスリ)/朝&夕の2回。
ソランタール 100mg(頭痛薬)/頓服用。ボクはロキソニン系の頭痛薬にアレルギーがあるので、効き目が少ないこの痛み止めを使ってる。


ヨガも行ってます。
●その日は快適だけど、翌日、翌々日にスゴい筋肉痛がやってきます。足とかモモがキまくる。でも、総じて楽しいです。センセイは朗らかだし、普段は絶対使わない筋肉のパーツを使ってる感じが気持ちイイ。
●ヨガ教室の階下は、たまたまボクのお気に入りのカフェだったので、ヨガの帰りは必ず一杯コーヒーを飲む事にしている。当然センセイも常連で、ボクも店員さんたちに顔を覚えてもらった。今週は、ヨガ教室の生徒さんである女性と一緒にコーヒーを飲む事になっちゃって、そのままトークが盛り上がっちゃった。
●その人は、アパレル会社でデザイン&パターンを手がけてるお姉さんで、インドネシアに生産を発注しているとのこと。そん時、交渉ってエイゴなんすか?「ううん、インドネシア語」インドネシア語しゃべれるんですか!すげえっすね!「インドネシア語は時制の変化もないし男言葉女言葉もないの。だからワリとスーッと覚えちゃった。英語は全然ダメなんだけど」
「バリ島の人はニコニコしてるんだけど、ジャワ島の人はスゴくシャイ。人なつこい顔してるかなーと思っても、打合せは目もそらさずコッチをガン見して来て、『どうしたら馴染めるだろう』ってスゴく探ってるの」へー意外。しかも南国だからユルいのかなと思わせて、すっごく几帳面らしい。「あの人たち、下着の一枚もピッタリアイロンかけちゃう文化で、Tシャツもパリッと着ないと気が済まないの。このシャツの裾はザックリ切りっ放しで…とかいうと『ザックリってどうやるんですか?切りっ放しだと裾が丸まっちゃうからミシンした方が…』って。イヤイヤ丸まっちゃう感じが狙いなんでーと言っても、結果ぴっちりアイロンして送って来るの。でも時間はルーズなんだよね…不思議…」そんな会話は楽しい。

●仕事始まっても、こうしてノンビリ暮らしたいもんだ。

●以前の「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-557.html



この前、日本橋まで散歩した。
●試写会などで京橋という街を歩くにつれ、この街のイメージが変わった。スクエアなオフィス街なのかな、と思ったら、一つ裏側の道に入るとギャラリーや古美術商がイッパイあるんですよ。いや、ボクが軽く中を見て回れる雰囲気じゃないけど。
●そんで隣の日本橋エリアの手前まで来たら、ブリヂストン美術館があったのです。学生の頃来た事あるけど、なんかスゴく雰囲気変わったなあ(1999年に改築したみたい)。で、そのママの勢いで企画展を覗いてしまいました。

P1001323.jpg

「マティスの時代」
アンリ・マティスは、19世紀末~20世紀初頭の西洋美術を席巻した印象派運動を、さらに過激化させて20世紀近代絵画の最前衛を走った大物作家だ。キュビズムパブロ・ピカソジョルジュ・ブラックと同世代で、マティスの画風は「フォーヴィズム」、日本語に訳して「野獣派」と言われた。本人の性格がケモノ系だったのかはよくワカランけど、印象派の先輩たちを乗り越えて、色とカタチを大胆に解釈して分解するのは、当時の常識ではケモノの所業だったらしい。

マティス

(左上から時計回りに。「横たわる裸婦」「青い胴着の女」「石膏のある静物」)

ケモノかどうかは分からないが、この人はスケベだと思う。なんだか、女の人の画ばっかり描いてるんだよね。この展覧会はソレばっかじゃないけど、モノのホンとかで読むと、代表作はみんな女の人の肖像画のような気がする。会場には、いいオッサンになったマティスがヌードモデルを前にしかめっ面で画を描いている写真があった。しかめっ面だが、絶対スケベだ。
●そんで、こんなシンプルな作品(下の画)ですら、女性のカラダのフォルムを表現している。パッと見は意味不明だが、確実に女の人なんです。……ヌードになってモデルを務めた女性は、ジブンの裸がこんな作品になったら、きっと複雑な気持ちになったと思う。「…ワタシ、脱ぎ損じゃない?」でも、マティスに言わせれば、この曲線を得るために、複雑な思考と美意識と、それでいて肩のチカラを抜いた即興性や偶然までを巻き込んで獲得した絶妙な曲線と言うんだろう。で、鑑賞者であるボクは、セクシーでグラマーなフランス女性のヌードを連想するわけであります。コイツ、絶対スケベだ。

マティスジャズ

(「ジャズ」IXフォルム)

●1950年代まで生きたマティスは、晩年、切り絵作品をたくさん作る。今挙げた作品もステンシルを使ってキレイに彩色した作品だ。カラダを壊してからは、切り絵を切っては助手に「あ、それもうちょい右。ん、やっぱ左。で、少し上」とか言って貼付けさせてたってハナシを聞いたことがある。ちなみにその助手も若い女の子で、モデルにしてたはず。
●ボクにとって重要なのは、この一連の切り絵シリーズを、彼は「ジャズ」と名付けたことだ。ココでボクの音楽好きな神経にスイッチが入る。マティスは、自分のハサミの奔放な動きを、ジャズプレイヤーの即興演奏になぞらえたのだ。コドモでも出来るゼと思うほど、無邪気な切り絵に、彼のジャズ魂を嗅ぎ取る。コレはボクにとって楽しいことだ。

matisse-jazz1.jpg

●展覧会には、ボクがたくさん見たかった「ジャズ」シリーズは一点しかなかった。でも、あまりに有名なこのシリーズは本になったりポストカードになったりしてる。「ジャズ本」がイッパイあるわけです。それを立ち読みして楽しむ。

Matisse-jazz2.jpg

●このヘンはポストカードとかで有名なヤツだよね。実は、翼を背負って空を飛ぶイカロスを描いてるらしい。マティスの青はキレイだ。

matisse-jazz3.jpg

●コレは、ボクの好きなスケベ・マティス。二つともヌードの女性を描いてる。スゴく単純化してるけど、的確にスケベなニュアンスは濃厚に残ってる。スケベでジャズ。洒落たオッサンだねえ、マティスは。



よって、今日はジャズを聴く。マティスっぽいジャズを。

STEVE COLEMAN  THE FIVE ELEMENTS「RHYTHM PEOPLE (THE RESURRECTION OF CREATIVE BLACK CIVILIZATION」

STEVE COLEMAN & THE FIVE ELEMENTS「RHYTHM PEOPLE (THE RESURRECTION OF CREATIVE BLACK CIVILIZATION」1990年
●1990年録音のこの作品をマティスが聴いたはずはない。でもコレがボクにはマティス的に思えたんです。この STEVE COLEMAN という人は「M-BASE」派というグループを牽引して独特なジャズ表現を模索した人。何してるんだか全然わからない変拍子が炸裂して複雑すぎると思いきや、ヒップホップやファンクの収穫を取り入れて、決して頭デッカチにならないグルーヴがスゴく楽しい。そしてその躍動感がとてもカラフルなのだ。理知的な思考で西洋美術の限界を押し広げたマティスが、最後に到達した即興のジャズ美学に、STEVE COLEMAN はピッタリだと思うのだ。
●この人のジャズは今後もっとたくさん聴きたいね。変拍子であることはわかるんだけど、ホントそれ以上のコトは全然ワカンナい。ナニがどうなって成立してんのか?でもドラムもベースも物凄くファンキーで、STEVE のアルトサックスは実に自由で、スパッとラップまで入って来る。痛快。聴き飽きない。


CASSANDRA WILSON「NEW MOON DAUGHTER」

CASSANDRA WILSON「NEW MOON DAUGHTER」1995年
「M-BASE」派の歌姫としてキャリアを起こした彼女が、そのセクシーな背中をジャケで晒すアルバムです。つまりは、マティスのスケベ路線です。
「M-BASE」派の重要作品には必ず参加してる彼女(前述の STEVE COLEMAN の作品にも1曲参加してます)ですが、この時期にはもう「M-BASE」という修飾語が必要ないほどのマイワールドを展開してます。スンゲえ美人さんなんですが、ビックリするほど声が低いです。アルバムタイトルは「新月の娘」。つまり漆黒の闇を歌ってる。そして彼女の肌の色の黒さが圧倒的なソウルとして映えまくります。モクモクと魔法の黒煙を歌声と共に吐き出して、その妖しい媚薬の香りにボクはトロけそう。スケベ・マティスが生きていれば彼女のヌードも描いたでしょう。果てしなく暗い群青色で。
●半分は彼女のオリジナル楽曲ですが、半分はスタンダードのカバー。いきなりドアタマから「奇妙な果実」です。二曲目なんて、なんと U2「LOVE IS BLINDNESS」!…ボーッと聴いてたら気付かないほど自分色にコナシ切ってる。HANK WILLIAMSNEIL YOUNG までも自分色。
●しかも、泥臭いブルースと高度な洗練が見事に入り交じる。マティス「野獣派」というコトバから引けば、さしずめ彼女は、静かに獲物に忍び寄る「黒豹」ですわ。スッと優しく首を噛み切られるかも。

自律神経失調症とのお付き合い(その93)~「機は熟したね、復職を認めます」編
●あー、実はですね、やっとのことで、会社の産業医がボクの復職を認めてくれました。……働き過ぎのボロボロワーカホリックの生活を続け、自律神経失調症を患い、しかも「アンタすぐに休まないと大変なコトになる」と言われてたのに、それを無視して半年働き続け、そんで実際に「大変なコト」になり、合併症でうつ病まで併発して、会社を休職したのが一昨年の7月アタマ。
●それから一年10か月の間、自宅療養の時期があり、イロイロな病院や鍼灸などの治療を受け、会社への通勤訓練があり、そんでソレに失敗して寝込んだり、横浜の精神病院に通院して精神科デイケアというトコロでリハビリを受けたり、そんなコトしつつ再び通勤訓練を始めたり、仲良くなる人と仲良くなり、ヤヤコしい人とはケンカしたり、衰弱した体力を取り戻すべくヨガに通い始めたりして、まーなんだか説明するのもカッタルイほどのコマゴマとした出来事を乗り越えて、やーっとやーっと「オマエ仕事していいよ」と太鼓判を頂いたのでした。


●それは今週木曜日の午後、会社診療所のカウンセリング。とうとうセンセイから話が出た。「もうイイでしょ。機は熟したね。これから産業医のセンセイとも相談して、人事部にハナシを挙げます。診療所としては、復職を認めます。」んー、診断書も出たゼ。


病名:自律神経失調症
上記疾患にて、休職・復職リハビリ中であるが、メンタル担当産業医との検討の結果、現在復職可能な状態であると判断致します。


「うぉー、やったぜー!復職だゼ、ベイベー!」という感動が沸き起こるか、と思ってたが、意外とナニも感じない…。なんか様々な段取りの一通過点を、予定通り通過しただけって感じ。こんだけ休めばイロイロと心境は変わるよね…。復職するもしないもドッチでもイイや…って感覚が、実はココロの中に大きく巣食ってる。


ゴールデンウィークの前のカウンセリングで、実はある約束が出来てました。
●メイドカフェに行ったというボクのバカバカしいハナシで盛り上がった前回の面談(そのバカバカしいハナシはこちらの記事で)で、センセイはこう言ってた。「連休の間も規則正しく生活をし、無事に体調を維持出来たら、復職を認めます」
……ボクの中でも連休がサイゴの山場だなとは思ってた。去年のゴールデンウィークは、その規則正しい生活を維持出来ずに体調が崩壊、ボクは連休明けから通勤訓練も出来なくなってしまった。今のボクのカラダは、会社に行くよりも休む方がリスキーなのである。せっかく固まりつつある生活リズムを崩すとあっという間に全てが崩壊する。連休も正しく朝起きて、食事をとり、近所のカフェまで歩いて、ゆっくり読書をする。連休中はそれを実直にこなして、センセイに報告。「連休、無事、突破しました!」スペースシャトルが無事大気圏を突破して衛星軌道上まで到達しました、と同じ気分。


それに先立って、カウンセラーのセンセイには簡単な文書も書いて渡してた。
「仕事がしたくなりました」という題名をつけて。「働く覚悟が出来たら、思う事を紙にまとめてくれ」って言われてたから。

ポイントその1は、「現状認識」。
●ボクの病気、自律神経失調症は完治しておらず、今後も通院、服薬、生活制限はずっと続ける必要がある。休職以前のキャパシティまで、ボクの仕事能力が回復する事は今後もあり得ず、その意味ではこの病気は不可逆的で完治しない(休職以前のキャパシティというのは、ボクの場合、週5日一日22時間働き続けるコトだ。で、それはもう無理でボクもそんな労働は望まない)。
●精神医学のホンを読むと、「認知の歪み」というコトバが出て来る。同じ物事に接したとしても、ソコから感じる意味が一般的な常識から激しく逸脱してる場合、医者は「コイツヤバいな」と考える。例えば、アタマの中から幻聴が聴こえちゃったりする。コレを「カミサマからの命令だ」と認知するか「ああ、また幻聴が聴こえちゃったよ」と冷静に対応するかで、病気の深さは全然違う。幻聴を止められなくても、幻聴を制御出来れば、その人は社会生活を平和に送れる。病気が完治しなくてもフツウに生きられる。ボクも自分の病気の性質を理解しているコト、「認知の歪み」を自分で制御できるコトを表明しなくてはならない(「週5日一日22時間働き続けるコトはワリとアリだし、ボクはイケル」というのがボクの「認知の歪み」ってコトね)。
●アトは、この病気を周囲にどう説明するか?という問題。健康問題は個人情報だから他人はナカナカおおっぴらにボクの病気を話題に出来ない。ワカラン人には正しい情報が届かず永久に理解出来ない。ボク自身が発信しない限り、ボクの病気を他人が理解する事はあり得ない。ボクはブログで自分の病気をネタにしているが、会社の中でもおおっぴらにネタにするつもりだ。
●この前も軽く後輩とこんな会話をした。後輩くん「今日はムシ暑いですね~」ボク「ん?ボクは神経ブッ壊れてるから、暑いか寒いかよくわかんねーの。むしろ寒いかも?上着は脱げないねー」後輩くん「……ボクは暑がりですから(コレ多分カレなりのフォロー)…電車も強冷房じゃないとダメっす」ボク「ああーもう冷房全般が NG だわー。エコのためにも冷房全廃にして欲しいわー」こんな感じ。

ポイントその2は、「仕事のヴィジョン」。
●まず仕事への動機付けを整理した。ボクは今まで、同僚や先輩後輩、上司やビジネスパートナーへの不義理や迷惑を鑑みて、復職を焦る傾向があった。来月までに復職しないと、あのプロジェクトに迷惑をかける、とかね。こうした外的要因で突き動かされているようでは、復職しても、ボクは早晩また強烈なワーカホリックに戻ってしまって、自分のコンディションを犠牲にした生活に陥ってしまうだろう。
●休職をして1年と10ヶ月が経過して、正直、不義理も迷惑もカンケイなくなった。不義理も迷惑もあったろうが、周囲の人はもうそんなの忘れてる。同僚たちと会話する事でそれがわかったので、強迫観念のように染み付いていたその感覚を捨てる事が出来た。
今は、純粋にジブンの中から仕事への動機付けが出来ている。会社の中に立ち入り禁止エリアがイッパイあった頃と違い、今では自由に好きな場所、好きな人に会える。その中で会社や業界の情勢もわかってくる。結果、病気のハンデを折り込んだ上で、今のボクにナニが出来るかイメージすることが出来た。○○はもう出来ないけど◇◇なら出来る。多分、ボクが△△をフォローすれば組織はよりうまく機能する。むしろ、△△な仕事がしたい。自然にそう思えるようになった。

「もし部下がうつになったら…」(著:松崎一葉)

……コレは、ある意味でのプレゼンテーションで、デモンストレーションでもある。
「もし部下がうつになったら…」(著:松崎一葉)というホンを読んで、ボクは逆算してみた。この本はタイトル通り、管理職の立場から見た部下のメンタルヘルスについて書いているわけだけど、逆手に取れば、一度はイタんだ部下が管理職に「コイツはもう平気かも」と思わせ職場に戻してもらうテクニックとも取れるわけだ。つまり、この本に書いてある、産業医や人事部、上司が納得出来る材料をボクが提示すれば、復職はゲット出来る。
●さらに、この本に書かれてあるように、上司が病気に理解を持って丁寧にボクを扱ってくれれば、ボクは無難に職場に着地できる。ボクは「やれる仕事がイメージ出来る」と言いながら、翻せば「この仕事をさせろ」とプレゼンしたというわけ。

●この本は、会社の考え方を先回りして手を打つ、という発想をボクに植え付けてくれたけど、実は一時期はコワくて読めなかった。買って実際に読むまでに一年以上も寝かせてた。だって「○○になったヤツは再起不能です。ソッコーでクビ、または一生閑職に島流ししましょう」って書いてあったらどうする?コワくて読めねーよ!(←これも「認知の歪み」の現れ)……読む勇気が出てきた段階で、ある意味でボクはリアルに復職の準備が整ったんだなと、思ったもんです。



ともかく、次は人事局のエラい人たちとハナシをすることになる。
●診断書は、所属長に見せてハンコをもらった上で労務部に提出すること、と指示された。ハイパー忙しいボクの女性上司は、絶滅危惧種の昆虫を取っ捕まえる方が簡単じゃねーかと思うほど、捕まえてハナシをするのが難しい。その日も福岡/大阪/名古屋/札幌の基幹オフィスのチーフが東京に集まっての会議がノンストップで進行中。ああ、ハンコはいつもらえるだろうか…?
●と、思ってたら、その会議を抜けてデスクにやって来た上司N女史! おーラッキー!スンマセン!10秒だけ時間下さい!コレにハンコ下さい!「あら、やったじゃない!復職ね!」N女史、パチパチ拍手をしてくれた。そんで、そのままその診断書を握って、一気に局次長&局長にガーッと話をして回る。「アナタはちょっとココで待ってて」ボクにはワカランハナシをエラい人と話し込んでる。

●産業医のセンセイ曰く、診療所の立場では復職が可能ということは言えるが、どこの職場で働くのがふさわしいか、というハナシは出来ない。それは人事局の仕事の領域。多分、ボクの希望を聞く場面を聴き取る場面があっても、その通り着地する保証はない。「ココまでは医療のハナシだけど、ココから先は会社内の力学のハナシ」はーそういうモンなんですか……。で、差し当たりこれからボクはナニすりゃイイんですか。「労務部から連絡があるだろうから、ソレまでは今まで通りの通勤訓練を続けてて。アレコレ各所調整がつくまで、一週間くらいかかるだろう」
●復職の基本原則は「元の所属局に戻る」。ボクは人間関係で詰んだワケではないので、元の職場で働くのが一番イイと思ってる。しかし「所属局」と言った場合、その「局」の中にはイロんな仕事があるわけで、厳密に元の職場に戻れる保証はない。N女史には、ボクの希望は伝えてある。もうココは辣腕で知られるN女史の根回しに期待するしかない。つーかハンコ集める段階で既に根回しに入ってたみたいだけど。これはもう来週以降のお楽しみ。とにかく、今だボクは宙ぶらりんの立場なのだ。



このカウンセリングに先立ち、前日にボクは、自分でも意外だと思う行動をしてみた。
「うわー、センセイ、全然お変わりないですね!」「なんだ、オマエはどこぞの教祖かい?」ボサボサの髪の毛と無精ヒゲを指差して、恩師イ先生(仮名)は笑った。
ボクは10年以上ぶりに自分の出身大学に行き、学科/ゼミでお世話になった恩師を訪ねたのだ。ぶっちゃけ、ボクは恩師だなんだという存在に礼儀や義理を払うタイプの人間でない。なのに今回は旧友から先生のメアドをゲットして、突然一方的に「今ボクは病気です、先生を訪ねたいです」とメールを送ったのだ。

●ボクの大学の専攻学科はマスコミュニケーション学で、イ先生はその後ボクが関わるコトになるメディアを研究対象にしてた。長く特殊法人系のシンクタンクでメディア研究に携わった後、初めて大学教授として教鞭を持つコトになったのが、たまたまボクが大学に入学した年だった。
●ボクは、サボる居眠るハナシを聞かないのダメダメ生徒だったが、卒業後十数年経った今でも、先生がボクのことを覚えてくれているというハナシを伝聞で知った。あーボクのこと覚えてくれてるなんてちょっとウレシいな……。そんなコト言ってくれるセンセイなんて全人生を通じて一人もいないんだもん。
●その時、現場復帰が近くなってきた今、ボクには、一回この先生に会った方がイイと思えたのだ。ボクの職業にまつわる企業文化に理解が深く、かつソレを組織の外から客観的に見てる先生に会えば、今後の仕事との関わり方にヒントをもらえるかもしれない。


イ先生は、美味しい和食屋で昼メシをおごってくれ、エクセシオールで飲み物を買い、研究室で語り合おうと提案してくれた。先生の研究室は十数年前と全く同じ場所にあり、部屋のレイアウトも変わらないし、ゼミ論や卒論の打合せをした丸テーブルまでそのママだった。「どうした、カラダ悪くしたそうじゃないか?」
●ボク「いやーセンセイには笑われるか怒られるか分かりませんが、手っ取り早く言えば、スウジに呑まれました。スウジにムキになり過ぎたんでしょうね。スウジに夢中になって、気付いたら一日20時間以上働く生活になってました」………ウチの会社全体が今だにスウジに呑まれてるので、実はこんな心情は会社じゃおおっぴらに言えない…。
●でも「スウジ」の意味をキチンと知ってるイ先生だから、わかってくれるだろうと思った…。先生「まあ、ありゃ、中毒みたいなモンだな。目の前のモンだけに捕われて、スウジのゲームに呑まれてるのに気付かない。でも、確かに夢中になる気持ちもわかる。スウジに関係なく、ノメり込んだら際限ない世界からな。若さに任せてどこまでも行ってしまう。オレにも大昔にそうした経験がある。」今は成果主義と雇用関係の多様化で、ますます手っ取り早い結果としてスウジが闊歩してますよ…。


●最近の学生さんはどうですか?「みんなマスコミに就職したいというクセに、新聞もテレビも見ていないんだ。こんな取材がしたいと一丁前の口を聞くクセに、最近の気になる話題はなんだと言えば、オバマオバマばっかりだ。調査報道がどうだというクセに、ドキュメンタリーを全然見ていない」
●先生は優れたドキュメンタリストとして水島宏明さんというジャーナリストの名前を挙げた。「彼は素晴らしい。たった一人で世論を動かした」水島宏明さんは「ネットカフェ難民」という言葉を作り上げ、初めてメディアに乗せた人物だ。去年の流行語大賞まで取った。日本の優れたテレビ番組を表彰するギャラクシー賞も何度も取ってる。そして現在進行形で格差社会の問題を取り上げ続けてる。
●ボクもこの人の仕事は知ってる。現在は日本テレビの記者だが、過去は故郷・北海道の札幌テレビで記者をしていた。1987年、生活保護の申請拒否で3人の子を持つ母親が餓死に至った事件を取材。バブル全盛期の時代に「餓死」という事態の異常さをあぶり出し、札幌市の生活保護行政を徹底的に糾弾するキャンペーンをたった一人で展開した。この時の水島さんは30歳で今のボクよりも若い。90年代は特派員としてヨーロッパ各地を取材し、冷戦終結の一部始終を日本に伝えた。「難民」という言葉のイメージは、ソ連崩壊からコソボ紛争に至るヨーロッパの激動期を目撃した人間が、今の日本にその匂いを感じたという直感から出たらしい。………イ先生とこんな突っ込んだハナシをするのは初めてだな…。

ネットカフェ難民と貧困ニッポン(「ネットカフェ難民と貧困ニッポン」)

母さんが死んだ(「母さんが死んだ 『繁栄』ニッポンの福祉を問う」)

●ボクの得意分野である音楽の話題も出た。イ先生「今の大衆音楽は劣化が著しい。ある時点までは音楽メディアは生演奏の完璧な再現を目標に進化した。しかし今は簡単なラジカセやヘッドホンで音楽を聴くスタイルの方がポピュラーだ。コンサートも大規模過ぎて、演奏の再現性で言うと劣化していると思う」ボクは言う。もはやコンピュータ技術で加工されたモノを前提として音楽が制作されてますから、生演奏を忠実に再現するという志向はないでしょうね……歌手のボーカルでさえ、生で聴くに耐えないので最初から加工を前提にしてますし、今じゃPCのアプリケーションが人間の代わりにウタを歌います(初音ミクとか)。今流行りの夏フェスは、音質的に言えば確かに限界があります。ドームのコンサートも音的には最低だと思ってます。でもアレは「夏の盆踊り」なんですよ。地縁で繋がる共同体が滅びてますので、同好の仲間たちが集まって共同体を作り「祭り」を構成するんです。フジロックの一回目が1997年ですから、10年以上の時間を経て、今じゃ完全に夏の風物詩になってますよ
●加えて言えば、アーティストが死ぬとなぜあんなにファンは悲しむのか?それは、アーティストが死ぬと、彼を中心に構成されていたコミュニティも死ぬからです。 X JAPAN HIDE さんが亡くなった時、葬儀の行われた築地本願寺は大勢の女の子たちに囲まれました。過激なファッションで知られたファンの子たちですから、当然地域じゃちょっと浮いてる訳です。でも HIDE のコンサートに行けば仲間に会える。実際にトモダチも増える。しかし彼が死んでしまえば、もうコンサートもないし、仲間が集まる機会もない。彼女たちのコミュニティが死ぬのです。それを彼女たちは嘆くのです。忌野清志郎さんは野外ロックフェスの常連でした。彼の全盛期を知らなくても彼のウタを知ってる世代はかなり広かったんですね。フェス世代を担う人々が今回は彼を弔ったのでしょう。

●それから、1960年代から支配的だったアメリカ実証主義的なマスコミ効果測定研究に対して、1980年代ヨーロッパのポスト構造主義哲学の影響下から発達した「カルチュアルスタディーズ学派」が登場して学会に引き起こしたショックの大きさなどの話題で、ボクと先生はスゴく盛り上がってしまった。「あの学説の登場で、メディアのメッセージの中にあるイデオロギーの問題、ジェンダーに関わる問題が一気に浮き彫りにされたからね、それはスゴいコトだった」
「ボクが学生だった頃には、カルチュアルスタディーズの研究書は高価すぎるか日本語訳がなくて、ボクは図書館の奥にある学会誌の断片的な論文をコピーしては必死に読みました。難しいから何回も何回も読みましたよ」正直言って、大学のどんなクラスよりもあの論文のコピーがボクにとっては一番勉強になった。エドワード・サイード、ノーム・チョムスキー、ピエール・プルデュー、ロラン・バルト、ルイ・アルチュセール…。そんな20世紀の哲学者/社会学者がボクにとってのヒーローだった時期があった。今のボクの職業観にも直接影響を与えてるし、ネット文化と併存する新しいマスメディアのカタチを掴む上でヒントになるような気がしてる。

オリエンタリズム(エドワード・サイード)

再生産―教育・社会・文化     (ピエール・プルデュー)

マニュファクチャリング・コンセント マスメディアの政治経済学 1(ノーム・チョムスキー)

●先生は言った。「いやー実にオモシロい。今日話しているようなコトを、ナニかに書いてまとめてたりはしてないか?」はー、いや、コレは先生がお話の相手だからお話出来る事で、フツウの人には話してもワケ分かんないですから、モンモンと考えてるだけですよ。
「もしオマエに、将来、研究者や教育者という立場になってみたいと思う気持ちがあるのならば、そういうコトを整理しておくとイイかも知れない」マスコミ研究の分野は叩き上げの研究者だけでなく、マスコミの現場に携わったOBの人も関わることがある。実際ボクが学生の時も、新聞記者や雑誌編集者、広告関係者というキャリアを持った先生が多かった。「でも、先生の中には、自分のムカシの手柄話しかしない人もいましたよ」「確かにそうなんだ…自分の経験を客観化して、ジャーナリスト一般の抽象論まで持って行けるといいんだけどな」ソレ以前にボク、ジャーナリストじゃないし。…でも「オモシロい」と言われるとちょっとマジでウレシいかも。
「もし、興味があるなら学会関係者とコネを作っておく事だ。まあ、大学教授なんぞは商売としては儲からないけどな。夏休みや春休みとかが沢山あるから、時間給に換算するとちょっとしたモンにはなるが、年収となると安いぞ。ははは!」先生はいつまで学会に籍を置くんですか?「オレはもうリタイアするから2年程度で辞めるわ」ガクッ、コネになってくれないじゃん。

マス・コミュニケーション研究

「マス・コミュニケーション研究」日本マスコミュニケーション学会の定期刊行物。年二回発行。

●イ先生がボクに言ってくれたのは、この既存マスメディア産業がネットメディアの登場で大きな激震を受けている今、その渦中にいるのは貴重な経験になるということ。そしてその状況を眺めるボクの視点は、ワリとイイ線いってるかもしれないということ。
●そして、一番興味深かったのが、会社を出て、研究者/教育者になるという人生の選択肢があるということ。ボクはまだ若過ぎて何のキャリアもないが、もう一踏ん張りしてナニかを掴めば、早々に会社を辞めて学究の世界に入るってのは、なんかワリと悪くないなと思ってしまった。何分マイペースなボクの性格には向いている気がするし、若者たちと毎日接しているのは楽しいぞと先生も力説してた。
●むむむ……会社人以外の自分をリアルにイメージしてしまった。病気になって2年近くニートをしたおかげで、会社以外の世界に馴染んでしまったボクは、特殊な業界文化/企業文化にアタマの先まで浸かる今までの人生に対して、醒めた目線を持ってしまった。「復職を認める」と言われても、ちっともウレシいと思わなかったのは、多分そんな感覚がボクのココロに巣食ってしまったためだ。

適当なギャラとキャリアを掴んで、このバショから逃げる…。オモシロいじゃん。
●別にスグのハナシじゃない。コドモたちが独立するのにまだ15年以上かかる。この15年が一つのタイミングだな。15年後、ボクは50歳。イ先生がシンクタンクを出て大学教授になったのと同じ年齢だ。そこをメドに物事を進めるのはオモシロいかも知れない。どうせ病気でケチがついたキャリアだ。ワザともっとネジってオモシロい冒険に仕立てた方が楽しいだろう。


●以前の「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-557.html

故・忌野清志郎さんへ、甲本ヒロトからの弔辞のコトバ。

キヨシロ~ォウ!
えー、キヨシロー、アナタとの思い出に、ロクなものはございません。
突然呼び出して、知らないウタを歌わせたり、
なんだか吹きにくいキーのハーモニカを吹かせてみたり、
レコーディングの作業中にトンチンカンなアドバイスばっかり連発するもんで、
レコーディングが滞り、その度に我々は、聞こえないフリをするのが必死でした。

えー、でも今思えば、全部冗談だったんだよな。うん。
今日も「キヨシロー、どんなカッコしてた?」って知り合いに聞いたら、
「ステージ衣装のママで寝っ転がってたよ」っていうもんだから、
そうか、じゃオレも革ジャン着ていくか、と思って来たら……なんか…浮いてるし。
……キヨシローのマネをすれば浮くのは当然で…。

でもアナタは、ステージの上はすごく似合ってたよ。
ステージの上の人だったんだな。

一番最近会ったのは、去年の11月。
それは THE WHO の来日公演で…武道館の。
その時アナタは客席の人でした。
ステージの上のキヨシローじゃなくて、客席の人でした。
たくさんの人がアナタにあこがれているように、
アナタはロックンロールに、あこがれていました。ボクもそうです。

それは一観客としての、観客同士の共感を感じ、
とても身近に感じた直後、
アナタはポケットから何かを出されて、
それは業界のコネをフルに生かした戦利品とでもいいましょうか、
PETE TOWNSHENT の使用するギターのピックでした。

ちっともアナタは観客の…観客席の一人じゃなかった。
ボクがあまりにもうらやましそうにしているので、
2枚あったそのうちのひとつをボクにくれました。

…オチがねえや。

PETE TOWNSHENT が使ってたピックです。
これはもう返さなくてイイね。収めます。
ありがとう。一生忘れないよ。短いかもしれないけど、一生忘れない。

そいで、ありがとうを言いに来たんです。
数々の冗談、ありがとう。イマイチ笑えなかったけど。
今日もそうだよ。…ヒドイよ、この冗談は。…うん…なるべく笑うよ。
そんでね、ありがとうを言いに来ました。キヨシローありがとう。

それから後ろ向きになっちゃっているけど、
キヨシローを支えてくれたスタッフの皆さん、
それから、家族の皆さん、親族の皆さん、友人の皆さん。
最高のロックンロールを支えてくれた皆さん。
どうもありがとう。どうもありがとう。

で、あと一つ残るのは、今日もたくさん外で待っている、アナタのファンです。
彼らに、ありがとうは、ボクは言いません。ボクもその一人だからです。
それはアナタが言ってください。 どうもありがとう!ありがとう!


●彼は、黒の革ジャンと、やはり黒の THE WHOのTシャツを着て、所在無さげに少しカラダを揺さぶりながら、祭壇に据えられた遺影に向かって、こんなコトバを吐いた。
ロックの神様に祝福されし無垢なる聖者の冠は、新しい持ち主へ、この瞬間、立派に継承されたのでした。


そんで、ザ・クロマニヨンズを聞いちゃうわけだ。

ザ・クロマニヨンズ「CAVE PARTY」

ザ・クロマニヨンズ「FIRE AGE」

ザ・クロマニヨンズ「CAVE PARTY」2007年
ザ・クロマニヨンズ「FIRE AGE」2008年
●ロックンロールの純度を上げるために、余計なモノを省いて省いて削って削って削ぎ落とし切ったら、ホモサピエンスが築き上げた現代文明の成果が全て流れ去ってしまって、結果残ったモノは一匹の原始人であったのです。ウッキー!
●キレのイイソリッドギターとシンプルなドラムが生み出す速度で、意味が摩滅しきった歌詞を闇雲に熱唱。「シャブナンゾーンナチンケナモン オラオラ メガトンブルース」!「いきなりくる いきなり100 じょじょにじゃない いきなり100」!
●まさしくコレがロックの聖者の御姿。ロックの前にコトバは要らない。ただひたすら信じなさい。さすれば汝に無敵のパワーを授けよう。元気モリモリミラクルパワー!原始宗教の目覚めの瞬間をマーシャルアンプが電圧増幅!純度100%のロックンロールで出来たモノリスが大地に突き刺さる!

●小学一年生の娘ヒヨコが質問。「パパ、この、どろどろどろどろってうたってるウタはなんていうの?」…んあ、曲名は…「どろどろ」「だからどろどろってうたうのか」なんかシッカリ納得してるぞ。純度の高いロックンロールは年齢にカンケイなくアピールするらしい。ロックの聖者は無垢なのです。キヨシローもヒロトも無垢だからこそ、ロックなのです。



またまたブルガリア映画、観ちゃったんだよね。
●この前、試写会の日時を間違えて、偶然でブルガリア映画に行き当たっちゃいました。でも今週は、試写室の前まで来て、はたと思い直して、ワザワザブルガリア映画の方を自発的に選んじゃったのです。もちろん場所は、京橋の東京国立近代美術館フィルムセンター


ソフィアの3つの運命

「ソフィアの3つの運命」2007年
●この前はとてもポエジーでシュールな映画だったから、今度はちょっとヒリヒリしたリアリズムがいいかなーと思って、この映画を観てみた。「ソフィア」ってナニ?えーとですね、ブルガリアの首都です。人口120万人、古代ギリシャ時代からの歴史を持つ古都。ヨーロッパらしい古めかしい建物がイッパイで、その間をトロリーバスが走ってる街。
そんな都会に、ブルガリアのド田舎から三人のオンナノコがやってきた。ドラ、カティア、エレナ。三人とも二十歳で幼馴染み。顔のツクリがどことなくロシアのアイドル t.A.T.u. を連想させるカワイ子ちゃんです。しかし、ド田舎出身だけあって、この都会のダークサイドに呑まれて、いつしか三人の友情も人生もバラバラになっていく。切ないね…。
●日本で東京に上京するって、進学とか就職とかがキッカケになるのがポピュラーですよね。つまり、なにげに行くべき場所をちゃんと確保して行くっていうか。しかし彼女たち、ただ都会に憧れて電車に乗ってきただけで、おまけにコネと思ってたオッサンはヤクザもんで「あ?仕事?ホステス関係ならあるぞ?やるか?」。フルフルしながら「イヤです」というエレナ。気弱なカティアはソレだけで泣いちゃう。
●あと、これまたオトコが悪いね。二十歳の世間知らずなカワイ子ちゃんじゃないですか。悪いオトナがヤラしいテを伸ばして来る。で、まんまと引っかかる。孤立無援の立場なら誰かにすがりたくなるじゃん。結果、都会が若い女の子に歯を剥く。イタいね…。オマケにブルガリアの冬は寒いんだよ…。
●それでも、その純粋さを失わない青い瞳がキレイだったりして、ウキウキするとスキップしちゃったりして、もう青春ガンバってくれって感じ。……今の日本に、上京をキッカケにドギマギするドラマってあり得るのかな?みんなシレッと東京に馴染むのかな、今の若い人は? ボクは東京の人間だからよく分からん。ただ「オマエ、来月から NY に住め」って言われたら、ボクはかなり気負うな…。それはきっとボクの上京ドラマに成り得るな…。



そんで引き続き RC サクセション関連物件も。「打破!打破!打破!」

仲井戸麗市「THE 仲井戸麗市 BOOK」

仲井戸麗市「THE 仲井戸麗市 BOOK」1985年
RC サクセション において、MICK JAGGER である清志郎さんを、KEITH RICHARDS のポジションで支えた盟友、仲井戸 ''CHABO'' 麗市 さんのファーストソロ。先日触れた RC のライブ盤「THE TEARS OF A CLOWN」 ''CHABO'' さんは「打破」という曲をボーカルとして披露している。イントロから絶叫!「打破ぁぁぁぁあああ~!」最後のサビでは「きよしろぉぉぉおお!」と叫んで相棒を呼び込み、二人で絶叫する。「打破!打破!打破!」一枚のアルバムの中でスゲえアクセントになってる曲ですわ。その原曲が収録されてるのが、このレコードです。

●基本の部分で、RC のロックと同じ感覚が流れているはずなのに(実際、レコーディングメンバーは RCとかなりカブッテル)、''CHABO'' さんの声は予想以上に辛口でトゲトゲしく殺気立っており、ギターソロも凶暴で、ロックとしてのザラザラ加減が RC と全然違うのに驚かされる。
●そもそも ''CHABO'' さんってベビーフェイス的にカッコいいオトコじゃないスか?現在に至るまでルックスも全然老けてないし。だからレコードに針を落とすまで、どっかに甘い感じを無意識に期待してたりしてたかも。でもそんなイメージを敢えて粉砕したいと思っているかのようなほどに、時にヘヴィに、そして時にルードに、実に男臭くキメてる ''CHABO'' さんは、期待を裏切った分だけ素晴らしくカッコよく聴こえて、何回も何回もリピートしてしまうのです。一方で、清志郎さんのボーカルが、トリッキーでありながらも絶妙にキャッチーで陽性のモノだったと再確認もしちゃう。
清志郎さんがコーラスで参加した「早く帰りたい PART II」のグルーヴ感が、聴くモノの心臓をバクバクさせるし、ルードなブルースに迫力ある声を乗せる「別人」も鳥肌モノだ。一方で「月夜のハイウェイドライブ」は、''CHABO'' さんなりの優しい歌唱が溶けるほどメロウ。レイドバックな気分でトロトロの骨抜きにされそう。

仲井戸麗市(ジャケ裏の仲井戸 ''CHABO'' 麗市さん。1985年)

●先日、参宮橋の「刀剣博物館」というバショで、たくさんの日本刀を眺めて、アレコレの発見があったというハナシを書きました。(その記事へリンク)
●その結果、今まで楽しんで読んでた、時代物マンガってのが若干違って見えてきた。今日はそんな話。


「武士道」の限界状態「死狂い」の境地。

山口貴由「シグルイ」12巻

山口貴由「シグルイ」1~12巻
「残酷」モノで一世風靡した小説家・南條範夫が1956年に発表した短編「駿河城御前試合」を原作とした、武士同士の侠気と狂気のぶつかり合いをすさまじいテンションで描くこのマンガ、さあさあ佳境に入ってまいりました。タダでさえカラダの具合が悪いのに、あんなに血液臓物がブチ撒かれる悪趣味表現をモリモリ読んだら、なんか寝つきが悪くて今日も具合が悪いです。いやー読む者の健康を損なうほどのマンガって、それだけボルテージが高いわけで、作品として素晴らしい証拠だよねー。

「刀剣博物館」で、じっくり日本刀を眺めたおかげで、このマンガが描く武士の死闘が、妙な重量感を持って見えるようになった。
日本刀ってのは、長さが80センチ前後、純度の高い鉄と、炭素含有率が高い鋼鉄を組み合わせて叩き鍛えた鉄棒なわけであり、結果として多分想像以上に重いはず。ジェダイの騎士の持つライトセーバーのように軽々とブンブン振り回すことは出来ないのだ。しかも、正確な角度で敵の刀や敵の体に当てなければ防御も攻撃も成り立たない。そんな代物を正確に制御して振り回すってのは、ハンパない腕力&握力その他もろもろの筋力、そして優れた反射神経が必要になる。
●そんな見方でこのマンガをもう一回読み返すと、あまりに非現実な殺人剣法と、それを非現実と思わせないほどのキチガイじみた修練ぶりが、ますます暑苦しいテンションとなって読む者にプレッシャーを与えてくる。人間のあばら骨をまとめて袈裟切りし、骨付きカルビのようにスッパリ切断するなんてのは、とんでもないほど困難な行為ということがジワッと理解できた。日本刀の現物を見てよかった。

●濃尾無双と謳われた剣法「虎眼流」の最後の後継者・藤木源之助と、盲目でありながら「無明逆流れ」という一撃必殺の剣法を編み出した伊良子清玄の、因縁の戦い(しかもリターンマッチ)がまもなく始まる気配。早く次巻が読みたいぞ!
●で、ぼくの中だけで今盛り上がってる江戸時代ブームによって察知できたのだが、この物語に出てくる駿河大納言・徳川忠長という人物が興味深い。徳川三代将軍・家光の実弟であり、山梨~静岡一帯を領封していた人物だ。二代将軍・秀忠は彼を自分の次の将軍にしようとしていた節があり、本人もそのつもり満々だったようだが、結果的には兄の家光が三代将軍に就任。その反動なのか、成人後は冷酷で残虐な君主になり、最終的にはその残酷な悪政のため、失脚&軟禁そして自刃に追いつめられたというドス黒いフォースの持ち主である。
●酔いに任せて家臣を斬り殺す、旗本の息子の首を突然打ち落とす、籠の中から籠を担ぐ家来を槍で突く、妊婦の腹を割く、神域とされる神社の境内で猿を240匹殺させるなど、ドコまで事実かウソか全然ワカランような、実にサディスティックな逸話にタップリ恵まれたこのオトコ。そんなバカ殿・忠長が思いついちゃったのが、真剣を用いた御前試合だ。君主の前で行われる武芸試合は、臣下への武芸奨励を目的にするモノであって、怪我をしないように木刀を使うのが当たり前である。なのに「試合で真剣を使え」とこの暴君は言う。真剣勝負じゃ、せっかくの武芸達者な家臣が死んじゃうじゃん!あまりにナンセンス!でもこのサド殿様は、真の殺し合いが見たくてしょうがないという。第一巻にある言葉を引用すれば、「封建制度の完成形は、少数のサディストと多数のマゾヒストによって構成されるのだ」
●主人公・源之助と、宿敵・清玄の戦いも、様々な因縁をくぐりぬけた上で、サド君主の気まぐれで真剣で切り結ぶコトになった試合の一つだ。しかし、武士に上意に抗う選択はない。そして生き残るためには、その殺人能力を研ぎ澄ますのみなのである…。



超長編時代劇「あずみ」、完結。で忠長はコッチにも登場する。

小山ゆう「あずみ」48

小山ゆう「あずみ」1~48巻
●無敵の少女剣士・あずみの死闘を描く長編マンガ「あずみ」が48巻で完結しました。しかし最後のページには「第一部・完」と書かれているから完全に終わったわけじゃない。でも、48巻も続けてやっと「第一部」って、マジで長すぎだよ…。
●江戸幕府成立期のフィクサー・天海僧正の下、必殺の暗殺者として活躍してきた少女・あずみ。彼女は、徳川家康加藤清正伊達政宗も暗殺しちゃった無敵の剣士だ(うわ、大分ムチャ!)。彼女とガチンコで戦って生き残ったのは多分宮本武蔵だけだよ。武蔵すらもが「今のは引き分けなのか、負けたのか?勝ったのか?」と混乱しまくる。そんくらい彼女は強い。普段は無垢な瞳がチャーミングなあずみ、殺人モードに入るとスゴく鋭い目つきに変貌する。
●しかし彼女はあくまでティーンネイジャーの少女、成人男性のような腕力はない。その代わり天性の反射神経と俊敏な動き、そして数々の戦闘で磨かれた、戦場での分析能力と殺人センスが恐ろしいほどの力を放つ。「シグルイ」の剣士たちが、唐竹割りをするように人体をまっ二つに叩き斬るような戦い方はしない。無駄のないしなやかな動きで、ノドや心臓など、敵の急所を瞬間的に切断する。または腕の筋肉や手首、指を切断して戦闘力を奪うような戦い方をする。スピードがある上に殺人に躊躇が微塵もない。相手が複数いても、むしろその油断を逆手に取って乱戦に持ち込み、イッペンに敵を抹殺する。基本的にはザコには戦う準備もさせない。まさに瞬殺。どっちかっていうと忍者の戦闘だね。

●実は、前述の徳川忠長が、コッチの物語にも登場する。コイツわりと人気者だな?40巻よりちょい前くらいのエピソードだったかな?元服前の忠長、幼名・国千代が、西国の外様大名に誘拐監禁されてしまうのだ。そこであずみは彼を救出せよと天海から指令を受ける。なにしろこの段階ではバリバリの次期将軍候補ナンバー1の VIP なんだから。そんで、あずみは鮮やかに救出しちゃう。脇役には二代目服部半蔵も出て来るよ。このエピソードでは西国大名の青年君主がむしろ魅力的で、根性曲がりのボンボンである国千代はイケメンなんだけど、なんかヤなヤツなんです。
●そして第一部を締めくくる最後のミッション。あずみは、次期将軍に内定した家光支持者と、そのプランを転覆させんとする忠長支持者との政争に巻き込まれる。歴戦の猛将・福島正則や永遠の宿敵・柳生宗矩もどんどん出張ってくる。あずみはこの政争の中でどう振る舞い、陰謀をどう打ち破るのか?
●歴史のスキマを縫うように実在の人物と架空の人物がぶつかり合って、「あずみ」の架空歴史世界が広がっていったのがこの作品の魅力。江戸幕府成立直後の混乱期を暗殺者として生きたあずみ、最後は自分のルーツを発見して物語は一旦終わった…。

AZUMIcover.jpg(ニュー「AZUMI」。男装の少女剣士。)

●で、第二部はどーなるのかなー?と思ってたら、ローマ字の「AZUMI」と改題して、早速再スタート、「ビッグコミックスペリオール」でしれっと連載してます。ローマ字って…。しかも時代は200年以上隔たった、幕末時代が舞台!主人公は、初代あずみと同じ名前同じ顔の少女刺客。
●そもそも、作者・小山ゆうは、幕末時代の混乱を、武田鉄矢原作の「おーい龍馬」という作品で一度全部描き切ったコトがある。自分で一度確立しちゃった世界観と矛盾せずにニューあずみを描けるんだろうか? なんて勝手にシンパイしてるのに、勝海舟「おーい龍馬」のキャラクターのまんまで「AZUMI」に登場してきたぞ。ダイジョウブか?
●とか言ってるうちに我らがあずみちゃん、早速、大老・井伊直弼を暗殺しました。…おいおいまたまたデカイタマ殺っちゃったよ!そんで次に狙うは徳川斉昭。大物ザクザク行くよ!なんかスゴい裏技になりそうですが、結局今後も楽しみです。

AZUMI/斉昭

(スケベオヤジ、徳川斉昭。ガマンガマン、あずみちゃん、まだ殺しちゃダメだよ!)


奇才・松本大洋が描くサムライ。

竹光侍6

松本大洋/永福一成「竹光侍」1~6巻
「鉄コン筋クリート」「ナンバー吾」「ピンポン」などの怪作で知られる、松本大洋が挑む本格時代劇。彼の唯一無二な画風はさらにエスカレートして、ピカソのように顔の輪郭から目が普通に外れちゃってます。コレでもう苦手って人も多いとも聞きます。しかし、この独特なペンタッチ、粋な軽妙さと高密度な迫力を往復するテンションは、ボクにとっては大好物です。
●今回の主人公は、どこぞからフラリと江戸の町に現れた、浪人・能勢宗一郎。誰から見ても浮世離れしたフシギな男。魚屋のタコを2時間も眺めて珍しがる様子など、完全に変人です。しかしこれまたフシギなことに、その温厚柔和な性格に、近所の子供や長屋の隣人衆までもが惹きこまれ、このよそ者は周囲に溶け込んでいく。
●その一方で、時に醸し出す恐ろしい殺気は本物。江戸市中を騒がせた辻斬りを待ち伏せした時には、瞬時に賊の小刀を抜き取り、一撃で絶命させる。実は彼は故郷・信州の深い山の中で、剣術家の父にミッチリ武道を仕込まれた男。というかスゲエほどの超人的戦闘能力。しかし、とある陰謀に巻き込まれ、命を狙われ江戸に出るに至った。とはいっても刺客4人を瞬殺してますが。一方対峙する狂気の暗殺者・木久地は、発注者の意図すら超えて暴走中。両者の対決近し。

●さてさて、今日は「日本刀」にこだわっていろんなお話を読んでるわけですけど、この作品はタイトルが示す通り、主人公が持つのは「竹光」なのですわ。だめじゃん。戦えないジャン。もう物語の冒頭から亡き父の形見である日本刀「國房」を質草に出しちゃう。生活のため?いやいや、自分の中に潜んでいる殺人者の匂いを消したいがタメ。質に入れられた「國房」が、片目を刀つばで隠した隻眼の女性として、幽霊のように恨めしく登場するのも実にユニークな「日本刀」解釈だなーって思います。

竹光侍/國房(愛刀・国房。隻眼の女性が宗一郎に語りかける)

●それでいて、松本大洋作品で繰り返し提起されるテーマが顔を出す。凡人には理解しがたい世界に突入してしまった孤高のモノだけが垣間見る限界状況と、その運命と対峙する誇り高きダンディズム。宗一郎の深い部分を占めている凶暴な殺人者の本能と、やはり彼の偽らざる個性である稀有なイノセントさが、奇妙に同居してしまって、微妙な葛藤状態を彼の内面に作る。そんなコトをしてるうちに、とうとう愛刀「國房」は様々な因果を経て宗一郎の手元に戻ってきてしまった。もう流血は避け得ない。さあどうなる。楽しみ楽しみ。



あの安彦良和さんが、異色の歴史マンガを始めた。

安彦良和「麗島夢譚」1

安彦良和「麗島夢譚(うるわしじまゆめものがたり)」1巻
「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の連載が佳境に入って大注目の、安彦良和さんがまた歴史マンガに着手しました。彼はガンダムのキャラクターデザインで名を馳せ、アニメ界の重鎮として知られてますが、洋邦問わず様々なテーマで時代を切り取った歴史マンガ作品がたくさんあることでも有名です。日本古代史と「古事記」「日本書紀」の神話を結合して描いた「ナムジ」「神武」を始め、イエス・キリスト、アレクサンダー大王、ジャンヌ・ダルクの生涯などもマンガとして描いています。で、コレが全部面白い。
●そんで、今回のテーマは、大航海時代の台湾が舞台。タイトルはオランダ人が台湾を「ファルモサ(麗しい島)」と呼んだのに由来する。侵略的な野望を抱く南蛮列強のパワーバランスのスキマの中で、若き倭寇のリーダー・伊織が東シナ海全域を縦横無尽に駆け巡る物語。そして、あの天草四郎が、「島原の乱」の徹底したキリシタン弾圧から密かに逃れて生き残ったという設定!そして彼を守る謎の白人青年とのめぐり合い。オランダ、スペイン、ポルトガル、イギリス、日本、台湾、様々な民族、国家の思惑が錯綜し、チャンバラしまくるアクション活劇。とにかく、物語はまだ始まったばかりで、全体の輪郭も見えないけど、狙いどころはメチャメチャニッチで、想像力の駆け巡る余地がイッパイ!今後注目です。

●ちなみに、このお話、なぜか宮本武蔵までが台湾に現れる。結構なオッサンとして。でも強いよ。宮本武蔵ってよくワカランけど魅力的な人物ね。そのうちこの人についてもよく調べてみよ。「刀剣博物館」にも彼の姿を描いた掛軸が展示されてた。当然両手で二本の刀を持っている。世に言う「二天一流」でござる。

麗島/武蔵(宮本武蔵。「二天一流」。)

●この二本の腕で刀を操る「二天一流」、冷静に考えると、マトモな腕力では絶対に使いこなせない戦法だ。「日本刀」という重い鉄棒を、敵は渾身の力を込めて両手で振って来る。それを片手で受け、もう一方の片手でやはり重い鉄棒を正確に制御し、敵の身体を切り裂くなんて芸当は、相当な修練と筋力がなければ絶対に不可能だ。コレも日本刀を肉眼でよく見た上で気付いた発見。やっぱホンモノを見るって大事ね。

●ちなみに、ドラムンべースの奇才 PHOTEK「NI-TEN-ICHI-RYU」というシングルを作ってたな。あの人、イギリス人のクセして「五輪書」を読むような、完全な武蔵フリークになっとったね。

PHOTEK「NI-TEN-ICHI-RYU」 PHOTEK「NI-TEN-ICHI-RYU」




そもそも「武士道」って一体なんなのよ?ジョージ秋山が語る。

ジョージ秋山「武士道というは死ぬことと見つけたり」

ジョージ秋山「武士道というは死ぬことと見つけたり」
「浮浪雲」の超長期連載(73年連載開始)で孤高の極みに達してしまったジョージ秋山。彼の70年代の怪作「銭ゲバ」がなぜか21世紀の現在にドラマ化されてしまった。しかしガッカリ。ドラマ「銭ゲバ」松山ケンイチ主演で楽しみにしてたのに、第一話で「こんな話じゃなくない?」と失望落胆。2時間かけるという特殊メイクの傷も、原作じゃ先天性の奇形で目が潰れてるって設定だよ?ジョージ秋山「銭ゲバ」と同時期の作品「アシュラ」で、人肉食を描いてバッシングを受けたナチュラルボーンアウトサイダー。やっぱ今の世知辛い地上波テレビじゃ手に負えないのかな?だから第一話しか見なかったです…。

そんな孤高のマンガ家が、武士道の聖典「葉隠」をマンガで描き出した意欲作。
●原作は、佐賀鍋島藩の家臣が自らの尚武思想をまとめたモノで、成立は1716年。つまり江戸政権もかなり安定した、元禄時代のちょい後という時期。実際に武士が戦闘員として戦場を駆け巡った時代から、100年も隔たった平和な社会において、武士とはどうあるべきかを説くって、さてさてどんな感じだろ?現代感覚に引き寄せれば、武士階級は行政官僚機構として粛々と機能すれば十分と思うんだけど、ソレだけでは、殺人にしか役立たない日本刀を毎日腰に差す根拠がない。「武士道」の哲学をココで考えたいと思います。

「武士道というは死ぬことと見つけたり」は、命を捨てる思想ではなく、自由意志を獲得するための思想。

「二つ二つの場にて、早く死ぬはうに片付くばかりなり。別に子細なし。胸すわって進むなり。」
(『死ぬか生きるか』という選択の場面に出くわしたら、速やかに『死ぬ』方を選べ。細かいことは何もない、そのまま進め。)

「葉隠」はそう言う。でもコレは単純に「自暴自棄に特攻して死ね」と言ってるわけじゃないと思う。「葉隠」は続ける。

「我人、生くる方がすきなり。多分すきの方に理が付くべし。」
(普通は生きる方がイイに決まってる。自然に生きる方に理屈も近づいていく。)
「毎朝毎夕、改めては死に改めては死に、常住死身になりて居る時は、武道に自由を得、一生越度なく家職を仕果すべきなり。」
(常日頃から重ねて「死」をイメージする限りは、武士として自由を得て、一生失敗することなく使命を果たすことができるだろう。)

●ムチャを言ってるだけじゃない、著者は人間の普通の感覚も理解している。しかし、それがゆえに、人間は生存したいという願望に支配されてしまう。死なずに済む方法を探したり、無駄死ににならない工夫を探してしまう。だが、こうした発想から出る思考は、個人の利害に囚われて、為政者/エリート階級としての「武士」の判断を曇らす。
●個人の利害を超越して、公正な判断をするためには、「生死」の利害から自由になる必要がある。だから、敢えて「死ぬ」立場を選んで、個人的利害から自由になれ!「葉隠」は主張しているのだ。別に命を粗末にしろと言ってるわけじゃない。君主のため、政道のため、領民のために思考する時に、武士は私を滅して公に奉仕せよ、という覚悟を説いている、とボクは思う。コレは心がけの問題だ。

官僚や政治家が、自分たちの権益や利害のために、社会を動かすようになったら危険。
●汚職や腐敗で行政が機能しない国なんて腐るほどある。為政者が自分の利益のために全体主義を国民に強いている国もある。巨大企業のような組織が機能不全に陥るケースも多々ある。アメリカの破綻企業への公金注入のニュースを見て「おおっ!」と驚いたもんだ。税金を特別にブチ込んでもらったクセして、アメリカの経営者たちは高額ボーナスを何の恥じらいもなくむさぼる!
バブル期の日本では、公金注入された企業のトップはある意味ハラを切る覚悟で企業再建に取り組んだし、数十億円ものボーナスをゲットしてたとは思えない。で、それが普通だと誰もが感じる風土が日本にはあるもんね(あるよね?あって欲しい!)。同じ政策でもリアクションが日米こうも違うかと、新聞を読んで思い知った。ある意味では「武士道」はこの国にまだちゃんと機能してると感じた一件だった…。


「葉隠」の教育論も興味深い。
●獅子が子供を千尋の谷に突き落とすかのような、スパルタ教育が「武士道」なのかなー、と思ったら、実は結構イメージ違います。

・幼少の頃から勇気を褒め讃える。
・決して脅したり騙したりしてはならない。
・臆病心を育ててはならない。
・雷に怯えさせたり、一人で暗闇に行かせてはならない。
・泣き止まそうとして、怖がることを言ってはいけない。
・幼少時、あまり叱ってはいけない。内気な人間になってしまう。
・悪い癖に染まらぬようにすること。
・物言い、礼儀などを自然に身につけるようにし、欲得を知らぬようにする。
・夫婦仲の悪い家の子は不孝だ。日常生活がとても大事なのだ。

●これって、ある意味、自尊心を大切にする教育だよね。子供に自信を持たせ、言動や立ち振る舞いに誇りを持たせる。ガミガミ厳しく接してイジケた人間にするのが一番ダメみたい。そんで、親も夫婦円満を守り、子に範を示せってのが最後についてるのがイイね。ピシャッとコチラの背筋も伸びるよ。


そもそも「シグルイ」という言葉も、「葉隠」に由来する言葉。
「武士道」の聖典「葉隠」は、読む以前にイメージしてたほど突飛なモンじゃなかった。概ね現代の感覚に引きつけて考えても違和感がない。ただし、「シグルイ」=「死狂い」の一文だけは、さすがにムムムと唸ってしまう発想。コレは論理を飛躍し、気合いで事態をひっ繰り返せというメッセージだ。

「武士道は死狂ひなり。一人の殺害を数十人で仕かぬるもの。…本気にては大業はならず。気違いになりて死狂ひするまでなり。又武士道において分別できれば、はや後るるなり。忠も孝も入らず、武士道においては死狂ひなり。この内に忠孝もおのづから籠るべし」
(武士道は死狂いである。一人を殺すに、数十人でも失敗することもある。…正常な発想では大事はなし得ない。キチガイになって死に狂う覚悟が必要だ。また、武士道においては冷静に考えるような隙があれば、その段階で遅れをとるということだ。武士道には忠孝もない、死狂いのみである。自然とその中に忠孝は含まれている。)

●文字通り、狂信的な発想かも。なんとなく中東の自爆テロを連想する…。あのテロは宗教ではなくむしろ現状への絶望が死狂いさせるんだろうけど。「シグルイ」はあくまでマンガだから楽しめるのであり「こりゃヤリ過ぎだっつーの!」とツッコンで楽しむのであって、リアルにコレやってたらダメね。
「武士道」は、あくまでエリート階級のための道徳規範を唱えており、為政者が一般平民に対して適用するモンじゃないと思う。だから、組織のトップや社会の支配階層が、下々のモノにこうした無謀を強制するようになったら、オシマイだわ。根性主義営業とか、困窮状況を忍耐しろとか、魚雷に乗って敵艦に体当たりしろとか。そうすると、確かに人間はオカシくなる。でも全然プラスの効果は生まないよ。うつ病患者が増えるだけだと思う。(で、ボク自身がその当事者だ)。
病気になるまで勤労奉仕することが、社会や組織への正しい貢献の仕方だとするようなルールは、結局最終的にはその組織や社会の寿命を縮める。優秀な人材は低待遇を避けて外部に流出するし、残るのはロボットのように受動的で創意のナイ人材だけになる、とボクは思うけどな。


今日も、ヒドくムチャクチャで、何ら役に立たないお話を、ダラダラ長く書き散らします。
●もう予告しときます。コレはある意味デタラメ。完全アウェーなテーマと分かってんのに、無謀に取り組んでしまって、もう支離滅裂です。あー多分こんなモン誰も読めないです。もし最後まで読み通してくれた方がいるなら、「拍手」ボタンを押して下さい。ソレは、この文章を読んだアナタへの「拍手」です。アナタは素晴らしい忍耐力の持ち主です。マジ尊敬します。




今日もカフェで読書。読んでたのは、オピニオン雑誌「諸君!」の最終号である。

shokun最終号

「最終号特別企画 日本への遺言」と銘打って、いわゆる保守派の大物論客がたくさんの文章を寄せている。石原慎太郎、西部邁、渡部昇一などなど。櫻井よしこさんや宮崎哲弥さんが座談会で激論したり、佐々淳行さんや、鈴木宗男スキャンダルでロシア通外交官から文筆業に転身した佐藤優さんがコラムを書いている。
もちろん!もちろん、言わずもがなですが、ボクがこのテの雑誌を読む事など今まで一回もありませんでした。思想の内容にカンケイなく、このテの難しい話をセッセと読むタイプの人間じゃありません。おまけに字が小さくて、とっても分厚いし。今日だって一生懸命読み過ぎてアタマが疲れちゃった位だから。ホントくたびれる内容だ。「最終号」だから、手に取って読んでみようと思ったまでだ。

……でも、この「オピニオン雑誌」というカテゴリーが、最近どんどんと休刊/廃刊の憂き目に遭っている状況は、なんとなく気になってた。文芸春秋「諸君!」が今月でオシマイ。去年10月で朝日新聞社「論座」が休刊。講談社「現代」が今年1月で休刊。小林よしのりさんの「わしズム」も諸般の事情で潰れちゃったですね。どこの雑誌がどの立場でモノを書いてたか全然知らないけど、ココに来て一斉にバタタッと倒れてしまったのはナゼ?
「諸君!」をはじめ「オピニオン誌」で議論されるような話題を、一般に提供するメディアがなくなる、減るってのは、あまりよくない事なんじゃないかなーと思う。「戦後民主主義」リベラルの影響下に育ったボクにとっては、「諸君!」が紹介する保守系論客の方々の主張にはギョッとする部分もあって、正直この雑誌の意見に賛同しかねる気分もイッパイなのだが、それぞれの立場から自由に論陣を張って議論を戦わせる舞台があることは、思想信条の自由を認めるこの国にとって健全なコトだと思う。で、それがなくなっちゃうのは不健全だと思うわけです。


で、「オピニオン誌」が滅びちゃった場合、ネットメディアがそれを代替出来るのだろうか?
●この雑誌には「ネット論壇時評」というコラムが掲載されてて、「大新聞もテレビももはや生き残らせる必要はなくなった」と題した文章が載ってる。冒頭引用されてる民放実力者の発言に対して痛烈な批判を浴びせ(ほんで、大方その指摘は正しい気がする)、成長するネットメディアの前に、既存巨大メディアは今のような存在感を維持する事はムリだ、というお話を書いている。
●まー確かに、アメリカでは新聞がボコボコ潰れてるし、将来日本でも主要キー局が滅びたりする場面があると思う。……でも、大メディアが潰れちゃう前に、そういう主張を掲載出来る雑誌が潰れちゃうってのは、なんとも皮肉なハナシ…。多分、新聞社やテレビが潰れる前に、たくさんの雑誌や出版文化が破壊されてしまうだろう。それでいいんかなー?よくないと思うなー。

●そんじゃあ、この「オピニオン誌」という出版文化を、ネットメディアが代替することが出来るだろうか?多分、技術的には雑作もない。やろうと思えばスグに出来る。ココに論文を執筆するセンセイたちは、必要があらば自説をブログで問うことも出来るし、実際既に実践もなさっているでしょう。
●しかし、このテの「論壇」世界が、現行ネット世界に埋没するのはいかがなものかと危惧するのです。それって「タコツボ」っぽくない?このテの議論がそんな「サブカル扱い」でイイの?きっと、センセイの信者みたいな人だけが集まるか、反対に真逆の人が過激な反論を振り回すような気分になっちゃわないかな?

●おまけに、全国民ブロガー時代で、同時に全国民評論家時代になった今、センセイたちの論文はその全国民ブログの中に埋没しちゃうわけでしょ。ボクみたいな素人がどうやって「論壇」に接近出来るようになるのか?言い方は悪いがクソもミソも一緒のネット世界、信頼に足る「論壇」の場所が分からなくなれば、マジで日本の「論壇」世界は本当に滅亡するんじゃないでしょか。
ネットと相性のイイ単純化された「ネット論壇」が匿名の無責任なアジテイターになる可能性は?「2ちゃん論壇」ともいうべき状況ってありえなくはないんじゃない?。ボクが好きなアルファブロガーの方が自嘲混じりに書いてる言葉「50文字で批評家気取り」の気分。中国のネット文化はそんな過激派意見に振り回されてるんでしょ?あの国のトップ温家宝首相は、朝の日課がネットチェックだっていうよ?
「雑誌」は、あくまで一貫した編集方針を継続的に持続してるし、パブリックな議論の場として環境を整えてきたはず。読むに足る文章、聞くに足る意見を経験あるプロフェッショナルが厳選してきたんでしょ?だって「諸君!」という雑誌は40年も続いた長寿ブランドですよね?伊達に無根拠でこんなに長生きはしないはず。その積み重ねに匹敵するまで、現行のネット文化はまだ成熟してない気がする。将来は分からんけど。


または、「論壇」という舞台装置自体が、存在価値を失ったのか?
●読んでもいないのであんま突っ込みたくないけど、「論座」「現代」はレフトサイドで、「諸君!」はライトサイドらしいじゃないですか。「わしズム」はドッチなんですか?ゴーマンかましてよかですか? とにかく冷戦終結以後、イデオロギーの時代は終わった、というハナシもあったので、思想の左右でモノを測るのも大雑把かも知んないけど、要は「オピニオン誌」の衰退は左右陣営両方の問題で、ドッチかが勝ち負けしたわけじゃない。ボクも含めて「論壇」ってヤツに興味が持てない人間が増えたというワケだ。

では「論壇」というモノの機能が失われたのか? ボクの専門領域はあくまで、音楽や映画といったエンターテインメント産業なので、ソコに引きつけて考えますと、(わかってねーなオマエは、という批判を承知で書きますが)「論壇」がエンターテインメントだった時代があるはずなんですわ。様々な雑誌、様々な論客が、社会問題/政治問題をメッタクソに斬って斬って斬りまくるのがスリリングで、オマケに論客同士が激しく舌戦を繰り広げたりして、毎月毎月ソレを楽しみにしている人たちがイッパイいた時代があったはずなんです。「諸君!」は1969年創刊。「全共闘」学生運動東大安田講堂などのクライマックスを迎えた時期に登場した雑誌。政治的イデオロギーが若者のファッションのように機能してた時代から出発している。これ絶対偶然じゃないと思う。それを翻して考えれば、ホント極論ですけど、今の時代において「論壇」はオモシロくなくなった。だから読まれないし売れない。………うわーボク、門外漢のクセしてスゲーこと言ってんなあ……。ナニ様?
●いや「諸君!」を今日初めて読んでて「へー知らなかった、なるほどー」と感じる事はたくさんあって、むしろそれなりに楽しんだりもした。一方で相変わらずヒエーって気分で抵抗を感じる意見もあるし、始終こんな事考えてたらさぞ疲れるだろうなーなんて思ったりも。こういう世界があるんだな、と勉強になりました。もうオシマイですが。



ココまで来て、話題は急カーブする。惜しまれつつ亡くなりました忌野清志郎さんのこと。(一応ハナシはつながってんのよ!)


忌野清志郎 & 2?3S「MUSIC FROM POWER HOUSE」

忌野清志郎 & 2•3'S「MUSIC FROM POWER HOUSE」1993年
清志郎さんが、RC サクセション を解散したのが1990年。その後に組織した最初のパーマネントバンドが 2•3'S 。ボクはこのバンドのパフォーマンスを武道館で観てるんだよね。そんで一番印象深かったのが、このアルバム収録の「メルト・ダウン」という曲。直接的な表現は避けつつも、原子力発電所がメルトダウンした時の取り返しのつかない悲劇を、思い切りサイケな音響の渦を作って描く曲だ。全ての権威がメルトダウンとともに崩れさる様子を切なく歌い上げる。

この人の反原発メッセージは終始一貫してた。所属レコード会社の親会社が原発産業に関わっているという事情で(東芝EMIのコトね)、アルバム「COVERS」反原発メッセージが問題とされリリース出来なかったのは有名なエピソード。彼はこの音源を別のレコード会社からリリースする。1988年の事です。この人は、こういうやり方で、一貫した政治的主張を絶対に曲げない男だった。

RC サクセション「COVERS」 RC サクセション「COVERS」

●つまり、忌野清志郎は、彼なりのやり方で、実に政治的なアーティストだったのだ。1988年「COVERS」事件の翌1989年には、覆面ユニット「THE TIMERS」を結成して皮肉の強いウタ、例えば「COVERS」騒動から広島の原爆投下、政治家風刺から消費税、海部俊樹首相までを射程距離に入れて歌ってる。なんてったって「大麻ーズ」だもんね。その時のルックスは、ヘルメットに手ぬぐいで覆面。学生運動のパロディのようにも見えるし、純粋にプロレタリアートなドカタさんの格好とも取れる。 あと、「君が代」をパンクバージョンでプレイしちゃったり。
●そんな清志郎さんのデビュー、つまり RC サクセション のデビューは1970年。「諸君!」創刊と一年しか変わらない。世代感覚では「諸君!」とメンタリティは変わらないはずなのだ。

THE TIMERS THE TIMERS「TIMERS」

「諸君!」とは手法も思想も全然違うけど、実に政治的であろうとしてる。そしてコレが彼を偉大なアーティスト足らしめている所以なんだけど、その政治的メッセージを一流の神業でエンターテインメントに昇華しているのです。じゃなきゃ40年の長きにわたってロックの最前線に立ち続けられるはずがない。前述した「論壇もエンターテインメントだ」って発想は、彼が亡くなって、それからズッと彼の音楽を聴き続けた中で思いついた着想なんですよ。



で、今の世の中、忌野清志郎さんのように、ヤヤコしい政治的な問題に手を突っ込むロックバンドってドッカにいるっけ?
●彼のように政治的スタンスを明白にして、レーベルと衝突するような楽曲を無理してでもリリースする根性を持つアーティストが、今のジェイポップのメジャーシーンにたった一人でもいるだろうか?コレは「オピニオン誌」や「論壇」に元気がなくなったのと、実は同根の問題ではないだろうか?
●実は、今の時代は、エンターテインメントが政治的問題を絶妙に回避してる。もっと突っ込めば、エンターテインメントは政治的武器にもなり得るのに、今は政治的問題を隠蔽するような機能の仕方をしている。ホントは怒るべきポイント、拳を挙げるべきポイントで、「癒しソング」とか「励ましソング」とか「自分探しソング」を聴かされてないか? 実は RC サクセション の代表曲に「励ましソング」なんてないんだよ!清志郎さん自身が励ましだったから!


1988~1989年って、ボクにとっては中学生だった頃。
●この「COVERS」~THE TIMERS の頃の忌野清志郎という存在は、中学生にとってはスゴく刺激的だった…。ロックとはかくあるべし、という原型が、小僧のココロの芯に巣食ってしまった…。権力に舌を出し、言いたい事を歌い散らかすトリックスター。それがロック。今から振り返って考えれば、ボクのその後の政治的スタンスは、忌野清志郎さんに準備されてしまったような気がする。彼がパロディとして引用した「全共闘」世代のポーズとかを通じて、結局ボクは左寄りの人間になってしまったから。
●さて、そんなボクは、高校生になってから、後追いでこの男の音楽を聴き辿るようになる。一番よく聴いたのは、このライブ盤だった。

RC サクセション「THE TEARS OF A CLOWN」

RC サクセション「THE TEARS OF A CLOWN」1986年
忌野清志郎は、政治的には左寄りのスタンスだったが、音楽に関しては愚直に保守/右派だった。60年代の英米ロックやR&Bに生涯変わらぬ敬意を評し続けたし、そこから積み上げた自分のスタイルを生涯変える事がなかった。分厚いメイクやグラムロックな衣装も最期まで貫き通した。久しぶりにこの日比谷野音のコンサートを聴いて、よりその思いを強くした。
●コレを聴いてた少年時代には、このジャケットが JANIS JOPLIN (BIG BROTHER & THE HOLDING COMPANY 名義)の「CHEAP THRILLS」1968年のパロディだってのには気付いてなかったし、オープニングナンバーの「IN THE MIDNIGHT HOUR」 WILSON PICKETT の名曲だってコトも知らなかった。「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」も原曲を聴く前にコッチを先に聴いた。気付かぬうちに、ボクは大分彼に60年代音楽への薫陶を受けていたことになる。様々な場面で古典ロックのカバーに挑戦したり、海外のベテランアーティスト(BOOKER T & MG'S) と共演したりと、清志郎さんの60年代ロックへのコダワリようはハンパではない。

●高校生当時は、唯一無二なボーカルスタイルや、シャレたダブルミーニングが秀逸な歌詞ばかりに関心が集中してしまってたが、今の耳で聴けば、梅津和時 A.K.A. ドクトル梅津らホーン隊も従えた拡大 RC は、80~90年代のストーンズのスタジアムライブを連想させるスケール感で、このバンドが本当に実直にロックンロールバンドであろうとしてたコトが分かる。そう、彼らの曲名から引けば「ドカドカうるさいロックンロールバンド」なのだ。そして加えて言えば、60年代ロックが今だにその輝きを失っていないように、RC のロックも全く劣化してないのだ。



「諸君!」は、「全共闘」世代の左翼思想/共産主義シンパに対するアンチテーゼを提示するために保守派の論陣を展開した雑誌だったという。しかし冷戦が終わって共産主義の実験が過去になった今、保守派論陣は討つべき標的を失い、同時に、一体自分たちがナニを保守すべきなのか、よく分からなくなっているように見えた。いや、論客それぞれはキチンとした理念を持っているようだが、同じ保守派論陣の中でも方向性がバラバラになっていったというべきか。左翼が機能しなくなった今、保守/右派論陣は分化して、新しい議論の対立軸を作る過渡期に入ったのかも知れない。その上で新しい雑誌が立ち上がるのならソレは歓迎すべきコトだと思う。
●音楽シーンは流行り廃りで様々に変貌していく。去年カッコよかったモノが今年カッコ悪くなる世界だ。その中で、清志郎さんは自分の鳴らすべき音楽を死ぬまで保守し続けた。

●コジツケかも知れないが、己のロックを保守し続けた清志郎さんの音楽キャリアと、保守派オピニオン誌「諸君!」の活動期間が、同じ時期に始まり同じ時期に終わったのは、不思議な奇縁のように思えて、実は時代の必然だったのかも知れない。


忌野清志郎さんが2日午前0時51分、がん性リンパ管症のため、都内の病院で亡くなりました。58歳でした。

キヨシロー

●とってもショックです。完全復活したんじゃなかったんスか?武道館で復活ライブやってたじゃないデスか?ストーンズだって還暦超えてロックしてるのに、そりゃちょっと早いんじゃないですか?ロックンロールは無敵だって、ガンにだって勝つんだって、もうちょっと長く思わせてくれてもよかったじゃないですか。

●ボクは RC サクセションの全盛期をリアルタイムに味わった世代じゃない。ちょっとズレてて最末期しか知りません。基本全部後追い。でも、ソロになった清志郎さんのライブは何回か観てる。武道館とかフジロックとか。だから、個人的な思い入れがないとは言えない。正直、これほど凹んでる事に自分自身が驚くほど、強いショックを受けている。
●昨夜から今日にかけて、ずーっと RC 関連の音源を聴いてる。ずーっとステレオでかけ続けてるので、「この追悼はいつまで続くの?」とワイフに聴かれた。「ブログに文章が書けるくらいに気持ちが整理されるまで」と答えたが、全然整理できない。だから、今日はここまでしか書けない。


●この前の休日、父子で「バトルスピリッツ」対決を2時間半にわたって繰り広げたことは4/29のブログで既に記しましたとおり。
●その翌日である一昨日、ボクはゲームのし過ぎで大分疲労が残っており、かなり調子が悪かった。安定剤も増量だよ!自律神経失調症で、まともにカードゲームも出来ないカラダになっちまった。
●しかし、その一方で息子ノマドも少なくないダメージを被っていた。ヤツ、給食食って昼休みに外で遊んでたら貧血起こしやがって、5時間目は保健室で寝てたという。なんだ、ヤツも限界超えてたんだ。やっぱヤリ過ぎはダメ。…ぶっ倒れるまで物事に夢中になる体質って、やっぱ親子で遺伝してるみたいだな…ノマドの将来が不安だわ。


昨日も試写会に行こうと思ったんだけど。間違えた。
●試写会場の前に着いて、初めて気付いた。「あれ?別の映画がかかってる…あ、コレ昨日の試写会チケットじゃん!ヤベ、今日から5月か!間違えた…」京橋の路上で途方に暮れた…。
●そんで街をブラブラ歩いてたら、楽しそうなバショを見つけた。

P1001320.jpg

「東京国立近代美術館フィルムセンター」
●過去の貴重な映画フィルムを保存し、映画にまつわる展示や書籍の閲覧、そして講演会など企画してるんだけど、イチバンの目玉はマニアックな企画上映会だわな。たまたま今日やってたのが「ブルガリア外交関係再開50周年記念 ブルガリア映画特集」。ね、マニアックでしょ。ブルガリアだからね。日常生活で「ブルガリア映画を見たいな~」って思う?でも、素晴らしい事にね、映画が500円で見られるんだよ。
●で、もちろん、見たよ。ブルガリア映画。そんでオモシロいんだよ。


ブルガリア映画

「ラプソディ・イン・ホワイト」2002年
「アメリ」オドレイ・トトゥが、そのまま微妙なルックスのアラフォーになり、おまけに少々おデブにもなり、すっとんきょうな天然女性としてスキップしながら演技してるような、チャーミングでファンタジーな映画でした。もちろん予算の少ないインディ映画って感じだけど。
●人形劇団のブタさん役をしてる主人公の女性ダナは、腕時計をマジックで直接腕に描くような、一目で分かる変わり者。同僚は髪の毛を真っ赤に染めたセクシーギャル系で、アレコレ男性をダナに紹介してあげるんだけど、「運命の人は空から降って来る。ワタシはふっくらしてるから落ちてきてもチャンと受け止めてあげる」と信じてる彼女には、どのオトコも陳腐な俗物に見えて、そんな時のダナには人形劇のブタさんが憑依してたちまちブタ声にヘンシンしてしまう。フガフガ!そんで、俗物オトコは驚いてみんな逃げて行く。そんな彼女は一体どうなっちゃうの?というお話。
●英語字幕と日本語字幕とが両方入ってるので少々見づらいんですけど、ブルガリアにもユーモアたっぷりポエム心たっぷりのクリエーターがいるって思うと楽しい。


●もう一つ、京橋のおススメスポット。

P1001321.jpg

「INAX ブックギャラリー」
●中央区京橋3-6ー18。銀座一丁目の交差点の上にある高速道路をくぐった所にあります。INAX のショールームの一階にあるので、ビルの上の INAX の看板を探せばすぐ分かります。
●いわゆるタダの本屋ですけど、かなり硬派なアート本専門店、特に建築系の品揃えはかなりスゴいです。ボクは以前ココでロシアの木造教会建築の本を買いました。この日は雑誌だけ購入。二階はホントのギャラリーで、20世紀初頭チェコのキュビスム建築の特集をしてました。




今日の音楽は、オフィス・オーガスタ。
●日本の芸能事務所には、たくさんのスタイルがあって、仕事のアプローチも百者百様。ボクは音楽好きなので、音楽への向き合いが誠実な芸能事務所、ズバリ、ディスイス「音楽事務所」と言えちゃうようなトコロには自然と目が止まる。レーベル単位で音楽のテイストを見るように、事務所単位で音楽のテイストも見える。クッキリとした色を放つのは、ミスチル擁する「烏龍舎」とか。そして今日取り上げる「オフィス・オーガスタ」もクッキリした色がある。


Drunk Monkeys(初回生産限定盤)(DVD付)Drunk Monkeys(初回生産限定盤)(DVD付)
(2008/07/02)
大橋卓弥

商品詳細を見る

大橋卓弥(from スキマスイッチ)「DRUNK MONKEYS」2008年
●デビューから紅白出場まで息つく暇もなく突き進んできたスキマスイッチの活動を一旦総括するためか、去年は丸々お休みをしてそれぞれのソロ活動に専念したのは周知の通り。高性能ジェイポップとして、実はデビューシングル「VIEW」2003年の頃からこのユニットをチェックしてますボクとしては、やっぱしソロも追っかけなくてはならないと思ったのでした。
スキマスイッチ世界が大好きな人にとっては、大橋くんの声が持つ独特のチャーミングな甘さは全然ブレがなく、キャッチーなポップスもセンチなバラードもドンピシャで満足度は高いはず。シングルカットされた「はじまりの歌」「ありがとう」「SKY」もバッチリだ。ただ、この大橋くんのソロアルバムは、ぶっちゃけスキマスイッチのナニかを乗り越える物件になっているかというと、あんまそう言う出来ではなく、常田くんナシとナニが違うんだろうか?と思ったりもする。ソロでしか出来ない冒険はあんまヤッテナイ。エレキギターだけはロック出力が高くなってソロパートとかが長くなってるけど。

●そんな理由でマジメに聴いてなかったんだけど、引っかかる曲がないわけでもない。「恋愛マスター」は初期スキマが持ってた、弾むピアノで疾走するファンキーテイスト(「君の話」のこと)を連想させる曲で、歌詞もあの曲以来ほとんど封印してたシニカル味が少しだけ忍び込んでる。
「ブルース」という直球タイトル曲が一番異色。大橋くんの甘い声を無理矢理ハナにヒッカケて、ヒネクレさせてた上で、言葉の意味も掴めないくらいに日本語を押しつぶして、韻の踏み方だけでグネグネしてみせる曲。節回しだけだと桑田圭祐すらを思い浮かべる。お酒大好きな大橋くんの「DRUNK MONKEYS」的ブルースロック解釈が出てきました。…このアルバムタイトルは、大橋くんが敬愛して止まないジャッキー・チェン「ドランクモンキー・酔拳」に由来しているのかな……これあくまで予想だけど。

ソロならではのチャレンジは、実はアルバムじゃなくてシングルのカップリングでやってる。
ヴォーカル他流試合武者修行。3枚のシングルの三曲目は、必ず誰か別のボーカリストとコラボしているのです。「はじまりの歌」では同じ事務所の後輩、秦基博くんとセッション。「SKY」では徳永英明と対決、「ありがとう」ではなんと御大・小田和正さんの胸を借りる。しかも小田さんの名曲「たしかなこと」を二人で歌い分けるという勝負。小田さんとのコラボはイイね~。トラックも最小限、本人たちが奏でるピアノ&ギターのみ。緊張感あるよー。大橋くんがドキドキしてる雰囲気が伝わる。大橋くんには洋楽志向はなく、ルーツが真っ当な歌謡曲~ジェイポップにあるので、EX. オフコースの小田和正さんとかは神に見えるだろうな。
●さて、2009年はアップデート・スキマスイッチとして再始動、5月発売のシングルも準備オッケーとのことと聞いてます。それはそれで楽しみ。プロデュースワークや自分のレーベル立ち上げなどを中心に活動していた(そしてアフロをシレっと卒業した)常田くんもきっとレベルアップしてるはず。二人で起こすケミストリーを楽しみにしましょう。


SHEEPSHEEP
(2008/12/10)
山崎まさよし

商品詳細を見る

山崎まさよし「SHEEP」1999年
●大きなククリで言ったら、丸く甘い声と言う意味で、大橋くんと同じ系譜のシンガーとも取れるかも知れないけど、ノドを大きく開いて吐き出すような彼の声は、ゴムマリのような強い弾力(いやスーパーボール級?)で、しなやかにウネりファンキーに粘ってしまうため、小細工なしにブルースになってしまって、つまりは100枚上手だと思います。やっぱ事務所オーガスタの大先輩、おまけに酒量もハンパないそうですから、ヤマさんから見たら大橋くんはまだケツが青いです。

●もう10年前のリリースになるこのアルバムは、決して小難しいコトは全くしてないのに、実に泥臭く、湿り気タップリのファンキーが匂い、ダウン・トゥー・アースな質感が実に玄人志向な仕上がりになってる物件。この人は取っ付きやすいシングル曲もたくさん書くライターのはずですが、このアルバムからは一枚しかシングルが出てない。ドコをどう切ってもブルーズが滲み出て来る底なし沼のような気分が漂ってて、一曲だけピックアップすると旨味の部分がドロリと流れ出してしまいそう。
●どんな魔法がかかってるのか(メンフィス録音とか?)と思ってクレジットをジックリ見るのですが、実は全ての楽器を一人で演奏しているみたい。ヴィンテージギターもフェンダーローズもブルースハープもドラムやパーカッションまで自分で演ってる。スゲエな、完全オレサマ道だ。録音は普通に日本のスタジオだけど、ミキシングは FISHMANS 諸作などで神がかった腕を見せたミキサー ZAK さんの名前が。あ、ZAK さんは絶対間違いないんで、皆さんチェックしましょうね。

オーガスタの社長さん(なぜかオフィシャルサイトでは「ジャイアン」キャラになってますが、実際ジャイアンがそのままチョイ悪オヤジまたは激悪オヤジになったような人らしいです)が、デビュー前のヤマさんがカバーした THE BEATLES「ALL MY LOVING」に死ぬほど感銘を受けて契約に至るという伝説があります。実際にご本人は(そして社長も)強力なビートルマニアらしいですが、ボクにはサザンロック~ブルースロックマニアのイメージの方が強いんですよね。ボクが見てきたライブも、必要最小限の人数(3人程度)、または一人弾き語りばっかりで、で、そのくせに全然音が薄くならない。マスクが甘くて俳優なんかもやっちゃったので錯覚されてますけど、スゴく男臭いタイプだと思いますわ。


コントラストコントラスト
(2007/09/26)
秦 基博

商品詳細を見る

ALRIGHTALRIGHT
(2008/10/29)
秦 基博

商品詳細を見る

秦基博「CONTRAST」2007年
秦基博「ALRIGHT」2008年
スキマスイッチの弟分として準備されてた秦くんも、気がつけばもうアルバム2枚。デビュー時のキャッチフレーズは「鋼とガラスでできた声」。やはりオーガスタ所属の元ちとせ「百年に一人の声」ってキャッチフレーズでデビューした時を連想するナイスコピー。ガラス細工の繊細さと鋼鉄の針金のようにビン!と張った強さが不思議なバランスで混じった声とメロディ。

横浜中華街のハードコア系ライブハウスで、たった一人弾き語りを続けてたがために、耳聡い音楽業界に発掘されずにいた、というエピソードの持ち主。ある意味 KY 気味な天然さんなのかも知れないけど、パンク野郎に囲まれながらもその個性を曲げなかった根性が、少しハスキーがかった声に頑固な強さを感じさせる。そしてどこまでも伸びて行くようなドラマチックなメロディが、青臭くて初々しい。「シンクロ」「僕らをつなぐもの」「鱗(うろこ)」といった初期シングル/「CONTRAST」収録曲はマジ聴きまくりましたよ。

「ALRIGHT」は最近聴き始めたから、まだ聴き込んだ上での味を認識出来てない。曲調の幅が広がった印象はあるんだけど、その理由はクレジットを眺めて理由が分かった。作詞作曲は本人なんだけど、必ず手練のアレンジャーがついてるのだ(例えば亀田誠治とか)。つまり、その人達が曲想を膨らましているんだなーと推理。実はファーストもほぼ同じ考え方の制作体制なんだけど、前作よりももっと踏み込んだ応用編段階にチャレンジしたというか。くんが描くダイナミックなサビフレーズを、さらにブーストするような豪華絢爛なストリングスアレンジ(例えば「バイバイじゃあね」とか)だったりホーンアレンジは周囲の支援で成り立ってるんだ。
●その意味では、全ての楽器を自分で演奏するヤマさんや、アレンジ&プロデュースに徹する職人気質の常田くんを擁するスキマスイッチとはチト状況が違う。まだ若いのねってコトか。でも頑張って下さい。今後もゼンブ聴くから。


オーガスタにはまだまだ語るべき物件がたくさんあるので、後日続きを書かないといけないなーと思ってまーす。