アタマがオーバーヒート気味。
●今日は、会議&打合せがほぼ切れ目なく6発連続で入ってた。最後の打合せの途中で、めまいを起こして慌ててクスリを飲んだ…。うう、気持ち悪い。すんません、今日はココでカイシャ上がります、アトはお願いします…。
●仕事に復帰して5ヶ月が経とうとしている。病気が最悪にヒドくてナニも出来なかった頃に比べれば、やれるコトの幅は広がってきた。ただ、それが人並みまで回復したかと言えば、全然そうではない。昔の自分と比べると、メッコリキャパシティが小さくなってて、少し自己嫌悪に陥る。この程度のトラブルや、この程度の調整なんて、昔は雑作もなくやっつけてたハズなのに。ヘコム。

今日はたまたま社内他部署へのお願い事が多かったんだなー。
●そんで、そこの先輩から「おー久しぶり、オマエ最近調子取り戻してきたな?」とか言われちゃったり。そんで「イヤイヤ全然、まだまだ半人前ですよ」とか言っちゃったり。で、マジで半人前なのに「オマエ、コレは厳しいよ」的なタフなリアクションで切り返されたり。オマケにボクの中で会社人事のウラシマ状態が解消されてないので「おお、この先輩、この部署に異動になってたんだ」と密かにビックリしたり。なんか仕事そのものよりも、違う神経を使って疲れちゃったような気がする…。


生まれて初めての「水戸黄門」。
●我が家のコドモたち、先日、初めてドラマ「水戸黄門」を見たらしい。ワイフ「このオジイさんが持ってる印籠を見せると、どんな悪者も降参するんだよ」ノマド「それじゃ、イチバンさいしょにソレをみせちゃえばイイじゃん」いやいや、そこはちょっと焦らさないと、お話の盛り上がりが…。それと黄門様もやるならシッカリ懲らしめたいんでしょ。と少々マヌケなワイフの説明。
●しかし、クライマックスの迎えての「葵の御紋」のスーパーパワーに、ノマド&ヒヨコは大興奮。「スゲー!コーモンさま、スゲー!」「ワルモノがホントにコウサンしちゃった!」さすが超長寿ドラマシリーズ。コドモにもズッポシ刺さる古典的勧善懲悪ストーリー。シンプルすぎるリアクションに、ちょっと癒されるボクでした。

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今日は青空ヨガ。
●秋風涼しい土曜日の朝。公園に集まっての野外ヨガ教室。ドンキホーテで買った安いヨガマットを抱えて行ってきました。
今日はギャラリーが多かったなあ。保育園のチビッコご一行がやってきて、不思議なカオしてコッチを見る。ボクらのポーズをマネする子もいて楽しい。20歳くらいのカワイイ女の子も声をかけてきた。「スゴく気持ち良さそうですね!ワタシも今度参加してもいいですか」ボク的にはカワイ子ちゃんは大歓迎。
●クラスが終わった瞬間にオジイちゃんオバアちゃん夫婦が登場。「若い人たちばかりだねえ。ワタシらもヨガをやってるんだよ」聞けば御年80歳。「2年前に肺ガン、5年前に胃ガンやったんだよ。でも最近ヨガで元気になってね。腹式呼吸はイイね。この前ラクダのポーズをやって腰を痛めちゃったから、ちょっと休んでるけど」…え、痛めたらダメじゃん。「すぐ治るからイイんだよ」…治るんですか…?さすが80歳、ボクの二倍生きてる人の言葉は重い。ボクはきっとこんなに長生き出来ないなあ。


●会社でもらったナイスなアイテム。

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「ミワちゃま」!美輪明宏さん、カワイくなり過ぎ!見事な二頭身キャラデフォルメ!運気を呼び込むマブシイイエロー!…ウチの会社、ワケのワカランもんがイッパイ転がってるんだよなあ。


●DVD生活。午後は一人でDVD見てた。

「ザ・シークレット・ポリスマンズ・モンティ・パイソン・アーリー・ビッツ COMEDY BEST」

「ザ・シークレット・ポリスマンズ・モンティ・パイソン・アーリー・ビッツ COMEDY BEST」1976,1977年
「THE SECRET POLICEMAN'S BALL」というシリーズイベントがあるという。イギリスの人権団体 AMNESTY INTERNATIONAL が主催する、お笑いと音楽を合体させたチャリティイベントで、1976年から2008年まで不定期に行われてる。実はこのイベントが1985年の「LIVE AID」のヒントになったというハナシまである由緒あるモンらしい。
●音楽を軸にしたチャリティイベントってのは珍しくないが、お笑いが加わるってのはあまり聴いたことがない。しかも、ソコにあの伝説のコメディユニット MONTY PYTHON がメインで出てくるっていうのだから気になる。例によってこのDVDも人からもらったんだけど、「unimogrooveさん以外にコレを気に入る人が思いつかなくて」と言われた。ボクがコレを気に入るって部分はまさしくドンピシャで正解です。
●……MONTY PYTHON、学生時代によく見ました。学生時代のトモダチがとてもハマってたんだよなー。正直言って、ドコがオモシロいのか全然ワカンナかったりする。ただ、MONTY PYTHON は小粋な話術でニヤリとさせるようなギャグなんてあんましないんです。してるかも知れないけど、ソコはボクはあんま理解出来ない。紳士ヅラでおすましてる印象のスノッブなイギリス人が、目ん玉ひん剥いて真剣に子供じみたバカなコトをやり続けてるのが、ボクの面白がりポイントです。
●このDVDでも、オウムの死体を振り回して怒鳴り散らしたり、裁判官と弁護士が支離滅裂な罵詈雑言を浴びせ合ったり、黙々とパイをお互いの顔面にブツケ合ったりと、実に大人げないテンションでひたすら意味不明なコトを続けている。「うるさい黙れ!」と言って唐突に裁判長が被告の腕を拳銃で撃ち抜くとかされると、「ナニそれ!?」というオドロキで笑っちゃう。てっとり早く言ってシュールです。シュールの質の歯車が噛み合ないと全然シンクロ出来ず、全然笑えない時もあるけど。

「ザ・シークレット・ポリスマンズ MUSIC LIVE BEST」

「ザ・シークレット・ポリスマンズ MUSIC LIVE BEST」
●音楽イベントでもある「THE SECRET POLICEMAN'S BALL」は、当然ライブパフォーマンスの方だって注目です。コレは、1979年、1981年、1986年、1991年のライブ名場面を引っこ抜いて編集したベスト版。
●まだ POLICE の一員だった時期の STING がギター一本弾き語りで POLICE の代表曲「ROXANNE」「MESSAGE IN A BOTTLE」を歌ってます。彼の、ピアノ線がピンと張ったような硬質な声が、会場にツーンと響く様子は、実にハッとする瞬間。STING のボーカリストとしてのチカラを再認識する。THE WHO PETE TOWNSHEND「PINBALL WIZARD」をアコギ一本、自分自身の声で歌うのも新鮮なシチュエーション。やっぱ鼻がデカイ。
「THE YERDBIRDS の三大ギタリスト」というロックの古典的表現で形容されるオトコたちのウチの二人がセッション。ERIC CLAPTON JEFF BECK。もう80年代だから JEFF BECK のギターはペキペキのフュージョンスタイルになってた。ボクはまだブレイクしてない ROD STEWART とやってた第一期 JEFF BECK GROUP の頃が好き。
BOB GELDOF が自分のバンド BOOMTOWN RATS の一発屋的ヒット「I DON'T LIKE MONDAYS」を実にナルシスティックに歌う様子もイイ感じ。もちろん、この男が「LIVE AID」&「LIVE 8」の首謀者だというコトは皆さんもご存知のとおり。さて、このウタ、「月曜日がキライ」なんてコトを実にご大層に歌う。なぜか?実は、サンディエゴで16歳の少女が小学校の校庭に向かって銃を乱射する事件(二人死亡)があったそうで。で、この16歳少女が、動機を聞かれて答えたのが「月曜日がキライだから」。そんな逸話がこの曲のベースにあるとな。ふーん。
●1991年のイベントでは、まだドレッドヘアだった SEAL(思った以上に大男でした!)がジミヘン「HEY JOE」を、DARYL HALL MARVIN GAYE「WHAT'S GOIN' ON」をカバー。LISA STANSFIELD の80年代風UKソウルっぷりもよし。MORRISSEY も登場。

「ザ・シークレット・ポリスマンズ・サードボール MUSIC LIVE」

「ザ・シークレット・ポリスマンズ・サードボール MUSIC LIVE」
●1987年に行われた「THE SECRET POLICEMAN'S THIRD BALL」は特に音楽的に充実してると評価が高いらしい。この年のイベントからベストパフォーマンスをピックアップしたのがこのDVD。PETER GABRIEL が全体を仕切ってるのかな?そんで YOUSSOU N'DOUR がいくつかのステージでコーラスを務めてる。PETER の代表作「BIKO」がラストに力強く響きます。
●ニューヨークシティの吟遊詩人 LOU REED が渋ーく登場。この人は長くボクのアイドルであります。こういうオッサンになりたいという理想形の一つであります。時代的にはアルバム「MISTRIAL」の頃…わりとショッパイ時期ではありますが…。「THE BLUE MASK」の頃が一番好きかな?「LIVE IN ITALY」もかなり聴きました。
ERASURE が笑えました。元 DEPECHE MODE VINCE CLARKE がその後結成したエレポップユニット。ゲイテイストが香る音楽とは思ってましたが、パフォーマンスとなるともっと露骨。ボーカル ANDY BELL の衣装が、ラバー素材の黒レオタードに黒タイツ。股間のモッコリがどうしても気になる。コレに真っ赤なソフトスーツを羽織ってオシリをフリフリ踊ります。うはースゲエ!ホンモノ感タップリ!
●あと、KATE BUSH。動く KATE BUSH を初めて見たのですが、思ったより美人じゃない…ムクムクした人だった。時代がズレテルのかな? YOU TUBE で78年「WUTHERING HEIGHTS」をチェックしたら、コッチでは美人さんだった…なんか動きも含めて鳥居みゆきっぽくも見えるけど。



関連音源を聴くのです。そこに80年代独特のブルーアイドソウルを聴くのです。


LISA STANSFIELD「REAL LOVE」

LISA STANSFIELD「REAL LOVE」1991年
●DVDの中で彼女が歌ってた「ALL WOMAN」が収録されてるアルバムです。この曲自体はシットリスローバラードなんだけど、アルバム全体には90年代初頭のダンスミュージックのアイディアがうまく取り込まれてて、激安でタタキ売られてるワリには結構聴けます。ハウスもレイヴもアシッドジャズも稼働してる時期ですから、こういうポップスにもそんなエッセンスが溶けてて当たり前。一曲目「CHANGE」はクラブ映えするハウシーさがあるし(近年再発されたリマスター盤にはシカゴハウスの FRANKIE KNUCKLES のリミックスが収録されてるらしい。聴きたいな)、グラウンドビートっぽいニュアンスのファンクもあるし、アシッドジャズな洗練されたファンクネスも聴こえます。
●ボクの中にあるポップミュージックの歴史観には、こんなテーゼがあります。「奴隷貿易の結果、故郷の文化から完全に疎外されたアメリカ黒人さん。彼らが全くのゼロから立ち上げてきた音楽文化が、20世紀全部を使って全世界に普及し全てを呑み込んで行く」……白人が黒人文化から収奪したのか、黒人が白人文化を乗っ取ったのか。ソコはすごく微妙。しかし20世紀の最終段階にあたる90年代は、黒人と白人パフォーマーの立場が逆転する分水嶺のような時期だったと思います。この時期に、ハウス/テクノ革命、ヒップホップの爆発的進化、ジャズ、R&Bの再評価などなどがグーッと進むわけだし。で、21世紀、結局ビルボードチャートはブラックミュージックでイッパイになったわけだし。
●そんで、LISA STANSFIELD のように「黒人っぽくソウルを歌う白人さん」、まあよく聞く音楽用語ではブルーアイドソウルってヤツが、奇妙に機能したのもこの時代までの特徴だったと思います。この時期に続く90年代は「黒人としてソウルを歌う黒人さん」が活躍出来る時代となったわけですから。80年代末状況の中のブルーアイドソウル。そんな目線から聴くと彼女の存在は実に興味深い。


LISA STANSFIELD「AFFECTION」

LISA STANSFIELD「AFFECTION」1989年
LISA のデビュー作で前述「REAL LOVE」の一枚前がコレ。UK ヒップホップの先駆者、COLDCUT が1曲プロデュースに関わってます。「THIS IS THE RIGHT TIME」って曲。ハウステイストの強いダンスナンバー。LISA は デビュー前にCOLDCUT のシングルでフィーチャーシンガーも務めてますから。ソイツは「PEOPLE HOLD ON」って曲なんだけど、実に時代を感じさせる初期ハウスで、ちょっぴりビートが薄いのもご愛嬌。LISA のボーカルには黒いシズル感も備わってて、ハウスディーヴァとして立派に機能してます。
「美人で黒人のように歌える」。コレは儲かるビジネス。「イケメンで黒人のように歌える」ELVIS PRESLEY EMINEM もそうやって発掘されたんだし。でも彼女自身がR&Bの伝統に対して不誠実だったとは思わない。ELVIS EMINEM も誠実な連中だ。ただ、マジョリティ相手のビジネスは、本物のマイノリティより、本物に近いマジョリティの方が当て易いのさ。


DARYL HALL  JOHN OATES「THE BEST OF TIMES - GREATEST HITS」

DARYL HALL & JOHN OATES「THE BEST OF TIMES - GREATEST HITS」1975-1995年
UK ブルーアイドソウルの最終段階な存在が LISA だとすれば、アメリカのブルーアイドソウルの大物が、この HALL & OATES だわ。ソウルの名産地・フィラデルフィアでタップリ滋養を吸ったシンガー DARYL HALL と辣腕プロデューサー JOHN OATES の二人組は、70年代から己のソウル道を歩んでる。「10代の頃は完全なソウルボーイで、ロックには興味がなかった」 DARYL は語ってる。金髪のドイツ系なのに。このベストは、1975年のヒット曲から、1995年のライブレコーディングまでを収録した日本企画盤。
●ファルセットなコーラスが華麗な「SARA SMILE」とか「RICH GIRL」のような70年代録音にワリと聴き所があるのが発見。足腰しっかりした AOR ってヤツ?モチロン80年代のビッグヒッツも楽しい。「KISS ON MY LIST」「PRIVATE EYES」のような軽快なポップスも安定感バッチリ。ヒット曲「MANEATER」も、実はモータウンなリズム構造とダビーなサックスがイイね。
●ベストの最後は二曲のカバー。DVDでも披露した「WHAT'S GOIN' ON」とフィリーソウル定番曲 BILLY PAUL「ME AND MRS. JONES」。筋金入りのソウルボーイだね。


STING「NOTHING LIKE THE SUN」

STING「NOTHING LIKE THE SUN」1987年
POLICE はパンク/ニューウェーヴの騒乱の中から登場したのに、あの時代にイッパイいた、頭でっかちコンセプト先行のクセして出たトコ勝負体質なバンドと違って、独特な美意識と戦略的なジャンル折衷主義が絶妙に機能してたバンドでした。レゲエという音楽を換骨奪胎&デザインし直して、自分たちの血肉に消化するテクニックはマジで神業。ソコでベーシスト&ボーカリストを務めた STING は、ソロになっても貪欲にジャンル折衷主義的実験に挑戦し、ジャズフュージョンやレゲエを自分の音楽に合体させた。このセカンドソロはそれが見事なポップスになってて小気味イイ。
●ダンスホールレゲエのDJ、SHINEHEAD に替えウタでカバーされたレゲエ曲「ENGLISHMAN IN NEW YORK」が収録されてます。盟友のサックスプレイヤー BRANFORD MARSALIS が華麗なサックスソロで色を添えて、レゲエとジャズのフュージョンが起こってます。この80年代ジャズフュージョンとニューウェーヴレゲエが絶妙に絡み合う所が実にキレイ。劣化しない清々しさを備えてます。 軽快なオープニングチューン「THE LAZARUS HEART」でもこのサックスがイイ味出してます。変拍子のポリリズミック構造を持つ「STRAIGHT TO MY HEART」の独特なグルーヴも好き。ダブのエッセンスが色濃い「HISTORY WILL TEACH US NOTHING」もワザアリ。


STING「THE SOUL CAGE」

STING「THE SOUL CAGE」1991年
●この3枚目ソロは地味で渋いです…。STING のお父さんが制作直前に亡くなったって話は、リアルタイムで聞いてた。だから暗いのかなーって。ブルーアイドソウルやブラックミュージックと全然カンケイない、実に個人的なタイプの音楽です。むしろ、アイリッシュ・フォークロアなテイストが香ります。
「ALL THIS TIME」の爽やかな明るさが救いかな。「ALL THIS TIME, THE RIVER FLOWED ENDLESSLY TO THE SEA …」いつの時も、河は流れていた、終わることなく、海へ向かって。



お笑いとロック。グループ魂。

MONTY PYTHON-Flyingcircus_1969 MONTY PYTHON。1969年。

MONTY PYTHON は、1969年に結成された古いお笑いなワケで。言うなれば、その笑いは日本の中ではドリフターズみたいなモンで。つまり、古典です。モチロン、MONTY PYTHONドリフも笑えるけど、お笑いは時代にヴィヴィッドじゃないとね。
●この前たまたまグループ魂のCDを一枚300円で買ってしまった。そんで笑ってしまった。ヤケクソなロックに、ヤケクソなギャグをのせてる。ウチにはあの「魂」印がついた青いスリッパもナゼかあるんだよね。

グループ魂「荒ぶる日本の魂たち」

グループ魂「TMC」
「荒ぶる日本の魂たち」2004年
「TMC」2005年
●しょーもないヤケクソギャグの連打。「オレがパンチラ見てるわけじゃねえ!お前がパンチラ見せてんだろ!交渉成立!OK!ギブミーパンチラ!」「30過ぎたら遅刻も個性!30過ぎたら遅刻も個性!びっくりすんなよまだコタツの中だぜ」いやー実にしょーもない。しかも異常にテンション高くてウルサいから、ipod で聴けません。
「夜の高額納税者」渚カヲルさんの小芝居もインタールードで死ぬホド入ってます。「さくら」って曲じゃ、クラムボン原田郁子さんが、テレクラのサクラバイトとして渚カヲルさんとアホなカラミをやってます。渚「スケベなんだろう」原田「スケベなんです」渚「どっちがスケベか競争しようか」原田「たぶんわたしの独り勝ち」……原田嬢の非スケベな声でマヌケなスケベトーク聴かされると、なんだかホンワカします。
クドカン脚本、アベサダ主演の映画「泣くもんか」、観に行きたいなー。


自律神経失調症とのお付き合い(その110)~「終わる?と思ったけど、通院は続きます」編

今週は、ヘンな部分が筋肉痛だ。「会議筋肉」。
自律神経失調症になってからは、肩コリ、偏頭痛、脚の筋肉がツルなどなど、奇妙なバショがイタくなるのは日常茶飯事だ。ただ、今週は新しいタイプの筋肉痛で、ジブンでもオモシロいと思っちゃった。
アゴの関節から、鎖骨につながる左右二本の首の筋。そしてそのまま胸の筋肉につながって、脇の下へ。こんな筋肉が痛む。イメージできます?……コレね、ボクが仕事中に作ってしまうあるポーズが原因なんですよ。そのポーズってのは、会議で紙資料を眺める姿勢。イスの背もたれに寄っかかって、両手で紙を握って、ソレをジッと見つめてみてください。視線を手元に落とすと、首の筋肉が重いアタマをギュッと引っ張る形になる。紙を握る腕の姿勢は、脇の下をグッと絞る形になる。で、コレがそのまま筋肉痛になる。体力を今だ取り戻せないので、オフィスの外にデバって活発に動けないボクの仕事は、実は会議ばっかりだ。アレコレの会議ばっかりこなしてると、こんな「会議筋肉」が痛み出す。みなさんは「会議筋肉」使い過ぎてないですか?

●さて、このシリーズの前々回の記事では「心療内科の診察をオシマイにしてはどうか?」という提案を、主治医のセンセイからもらったというハナシをしました。病院側の都合で、発病の頃からお世話になってたこの心療内科に、来月以降は通えなくなってしまう。そんで、今後はドコの病院に通院すればイイのか?そもそも通院は必要か?つーコトが問題になったのです。

しかし、結論から言うと、やっぱ通院はすべきだというコトになりました。
●産業医のセンセイ曰く、会社診療所では、安定剤はデパス、睡眠薬はマイスリーと、超初歩的なクスリしか出すことができない、精神科系のクスリの微妙なサジ加減はやはり専門のお医者さんにやってもらうほうがイイ。そして、センセイの大学の友人が、赤坂で精神科のクリニックを開業しているからソコがおススメ(&ツーカーの仲なのでなにかと融通が利く)だ、とのこと。まー、どんな病院だかよく分かんないけど、アクセスは悪くないし、ひとまずソコに移るコトにするか、とボクも納得したのでありました。

ここ二年ばかりの間、お世話になった心療内科での、最後の診察。
●主治医のオバさん先生は、実はこのクリニックの母体である大きな精神病院の院長先生。臨床現場の前線に踏ん張っていたいという気持ちで、わざわざ小さなクリニックの診察に携わってたのだけど、とうとう院長業務に専念しなくてはいけなくなった。なにかと学会だとか会議だとか、アレコレお付き合いな仕事も増えたらしい。いっつもスッピンだったのに、今日は珍しくお化粧してたもんな。午前中に会合があったのだろう。
●ボクにとっては、実にウマがあうタイプのセンセイだったので実に残念。デッカい声でアッケラカンと話すセンセイは、ビョウキの悲壮感を忘れさせてくれる。今までお世話になりました。ありがとうございます。別の病院に移って通院を続けるコトにしました。「はいはい。産業医のセンセイがそうおっしゃったのね…それじゃ紹介状を書きましょう」ボク、新しいセンセイになんか言うべきことあります?「……うーん、いや、自然体で結構ですよ。アナタはもうジブンの行動をキチンとコントロールできるようになってるし、今の調子を持続できれば十分でしょ」
●最後は、センセイの娘サンが大好きというの話をした。最近 は10周年記念でテレビ出まくってますね。「ウチのハードディスクレコーダーは、自動的に出演者情報で番組を録画しちゃうから、もう容量パンパンで大変ですよ。ワタシの見たい番組はもう録画できない!」…顔見知りになった薬剤師さんや医療事務の女性にも丁寧にお礼を言って、ボクはこの病院とお別れしたのでした。

いつも診察の後に寄り道してたカフェも、しばらく来れなくなると思うと名残惜しい。
●このカフェの店員さんは、チャーミングな女性ばかりで、居心地がスゴくよかった。素晴らしくキレイでとんでもなく長いドレッドロックをアタマのテッペンにまとめたお姉さんが印象的なのだが、残念ながらその人は今日お休みだった…。いつも絶妙なセンスの70年代ロックが BGM にかかってるのもよかった。
●今日は意外な選曲で、90年代ロウファイバンド WEEN の奇跡的にソウルフルな佳曲「FREEDOM OF '76」がかかった。うわーこの曲大好きだったけど超久しぶりに聴いた!

WEEN「CHOCOLATE AND CHEESE」 WEEN「CHOCOLATE AND CHEESE」1994年


●あ、あと、センセイが書いてた紹介状、チラッと文面を見たら「うつ病」って文字が書いてあった。封されちゃうのでボク自身はキチンと読めないんだよな…写しをくれって言えばよかった。一応ボクは面と向かって「オマエはうつ病だから」って医者に言われたことはないんだけど、周囲が気を使ってるだけでその取り扱いは完全に「うつ病」のソレなんだよね。言われなくてもわかるよそんくらい。
●まー、だから加藤和彦さん自殺のニュースも、微妙な気持ちで受け止めた。あれだけ輝かしいキャリアを持ち、長く活躍してきた人が、わざわざ自殺しちゃうなんてね。やっぱ「うつ病」はタフな病気だ。

●以前の「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-557.html


●ハナシは変わって…。

毎日新聞の一般投稿「川柳」のコーナーでこんな句を見つけた。

 「天才にコツを聞いても意味がない」/東京・ひねのり

おお、まさしくそうだ!とヒザを叩く。
●最近の本屋は、エリートさんたちの自慢本で洪水状態だ。「一流のビジネスパーソンになる」とか「スキルアップの方法」とか「○○力」とか、人生大成功ニンゲンたちが「私の人生スゴいでしょ」話を書き散らしたようなシロモノでイッパイだ。ナントカコンサルタントとかナントカアナリストとかナントカインストラクターとかそんな人たちでイッパイだ。で、基本的にそういうハナシ、ボクはキライだ。ウザイ。読まない。だって、説教臭いじゃん。で、所詮、自慢話に過ぎないじゃん。

しかし、職場のスミッコから、そんな「エリートさんたちの自慢本」が出てきた。
●カウンセラーから許可をもらった、デスクの引越が今週やっと実現した。ビョウキになる前仕事場にしてたフロアに、やっと仕事の拠点を持つコトができる。しかしあてがわれた新デスクは誰のモンだかワカラナイ資料や備品や本が山積み状態。持ち主を一つ一つ探して片づけてもらったが、それでも意味不明な物件がタップリ残った。それが「エリートさんたちの自慢本」だった。持ち主がわからないので、勝手に捨てるわけにもいかない。結果、ゼンブ読んでみる事にした。……この持ち主さんはホント勉強家だ。


平林亮子「競わない生き方」

平林亮子「競わない生き方」
●帯コピー「競争社会で時間からもお金からもストレスフリーに! メディアで話題の『美人過ぎる』現役公認会計士による新しい人生成功術!長時間労働、生活残業、効率化はもういらない。」……うーん、「美人過ぎる」ってのは写真を見る限りチト言い過ぎ?まあイイやソコは。
●大学在学中に公認会計士の資格を取得、大手監査法人に就職するも25歳に独立、30歳代半ばとなった今は、著作業、講演、コンサル、テレビ出演などなどで忙しいらしい。はいお見事です。フリーの立場だから仕事のスタイルも裁量の幅も自由自在、収入も安定してますので、結果ストレスフリーです、というハナシが書いてある。参考にならねえー!サラリーマンのボクには参考にならねえー!
パワフルなビジネスウーマンって、なんか知らんけど時々スゴくストレスフリーな人がいるよね。全然ガマンしない。上司も部下もカンケイなく誰に向かっても言いたいコトドバドバ言うし、ソレが故に常にスカっとしてる。お金の使いっぷりも豪快で、同じバッグの色違いを全部まとめ買いとかする。コレ、女性に特有の性質じゃないかなあ…。で、こんなコト言ってる。「人間ドック行って胃カメラ初めて飲んだの。今まで絶対ヤダって拒否してたんだけど。せっかくガマンして飲んだのに、胃はドコも異常なし。だからムダだって言ったのよ」ストレスフリーだから胃も健康。ボクの胃はボロボロでアチコチ血がにじんでます。胃液過多で荒れてます。米粒大のデキモノがあります。


松本幸夫「デキる人ほど計算が速い!」

松本幸夫「デキる人ほど計算が速い!」
●帯コピー「計算は苦手とハナから諦めてはいませんか?計算が速いだけで「デキる人」に見える!信頼される!」…このコピーの通り、数字に強いかのようなハッタリを、営業やプレゼンでかますと「デキる人」っぽく見えますよ、というハナシがイッパイ書いてある。
●そもそもこの著者さんは、「インド式計算」を紹介して有名になった人。日本人は9×9のかけ算までしか覚えないが、インド人は19×19までのかけ算を覚える、って話、一時期話題になったよね。「インド式計算」のコツってのは、ヘーッと思う仕掛けがあって興味深かった。でも仕事の役に立つかどうかはわかんない…。今度かけ算することがあったらトライしてみるよ。実際、去年と今年の実績比較とかをコツコツ一人で計算したりしてんだよなー。
●この人、若い頃に武道をやってて、思うことあってヨガの道に入り、そんでインドを訪れ、「インド式計算」に出会ったという。なんか、わらしべ長者のような遍歴だな。ただし「インド式計算」に価値を見出し、それが金脈になると見切ったセンスは絶妙だね。


たむらけんじ「なぜド素人経営者の焼肉屋は繁盛したのか?」

たむらけんじ「なぜド素人経営者の焼肉屋は繁盛したのか?」
●このホンが一番共感出来た。それは間違いない。だってたむけんだもん。この芸人さんが焼肉屋さんのネタでいじられてるのは知ってても、なんで焼肉屋を経営してるのってハナシは知らなかったし。論理が単純明快なのも好感が持てるなあ。内容はアリガチだけど(ぶっちゃけ「美人過ぎる」会計士さんと主張がダブってたりしてる)、なんか泥臭くてアーシーな場所から発言してるトコロが好き。
●使えるヤツは「必ず電話に出る」。コレマジ言える!シンプルすぎるテーゼだけどマジ真実!仕事はスピードとテンポが大事(多分、芸人さんもそうなんだろう)。ボク自身の部下でも「アイツドコいるんだよ?電話も出ねえ!」と思うと一気に仕事フリたくなくなるし!ボク自身は「はーい、今日は営業終了ー!」とか言って電話完全無視する瞬間がありますけど。
●それと、たむけんさんはあくまで芸人さんで、お店(大阪&名古屋に三店舗)に対してはオーナーのポジション。現場にリアルに立ってる訳じゃない。そんな一歩引いた立場で従業員を使うコツはワリとボクにはピリリと響く。2年近い休職のブランクと、制限勤務のため現場の最前線に出れないでいるボクの立場は、現場のリアルから隔離された実にもどかしいポジション。そこからどう現場のスタッフに関われるか?現在のボクにとっては結構悩ましい問題なんです。
●あと、大マジメに「トイレはいつもキレイに!」と語ってるトコロもイイね。コンサル系とかマーケ系の人は絶対こんなこと言わないね。「トイレがキタナい店に客は二度と来ない!」という持論から出発して、「トイレ掃除をするとお金が入ってくる」という迷信にまで突入する感じが好き。「あの和田アキ子さんもトイレ掃除推進主義者。公衆トイレでも汚れていたらキレイにしてから出て行く」「ビートたけしさんはこう言ってるそうです『俺はなんの才能もないけど、便所掃除だけはちゃんとしてきた。磨いた後の便器に頬ずりだってできる』どうですか、このビッグネームの嵐!」結果、たむけんさんは、いかなる場合も座りション。和式便所の時は少々葛藤するようですが、とにかくトイレを汚すのが怖いんだそうです。ボクもトイレ掃除してみるかな?

●TBSの「うたばん」特番(生放送)で、あの長山洋子が演歌のイメージをかなぐり捨てて、1986年ユーロビートクラシックス「ヴィーナス」を歌ってる!スゲエ!

●出来ればこのまま荻野目洋子「ダンシングヒーロー」、森川由加里「SHOW ME」、そして BABE「GIVE ME UP」を聴かせてもらいたい!ディス・イズ・ハイエナジー!……この辺の音は、神保町あたりで1000円出せば、7インチシングルで掘り出せるかな?

寝袋とヒヨコ。
●娘ヒヨコ6歳、クラスメイトのユイちゃんの家に遊びに行った。ユイちゃんは、折り目正しい銀行マンのパパとしっかり者のママに育てられた賢い子であり、恐ろしく幼稚っぽいヒヨコと比べると、ビックリするほど大人びた子だ。カラオケでは、今や SMAP 越えもささやかれるを愛唱する。ちなみにヒヨコの愛唱歌はエヴァ「ふらいみートゥざむーん」「ポニョ」だ。
●そんなユイちゃんの家は、アウトドアが大好きでキャンプによく行くのだそうだ。で、ヒヨコはこのオウチで生まれて初めて「寝袋」というものに出会う。ヒヨコ、ユイちゃんチから帰ってきて一目散にボクに報告。「パパ、ねぶくろってしってる?」ああ知ってるよ、パパも昔持ってたよ。「ヒヨコ、ねぶくろにはいって、イモムシになったり、オバケになったりしたの。すごくオモシロかった!」
●ユイちゃんチに迎えに行ったワイフは、自分のムスメが広いリビングの真ん中で寝袋にくるまってキャーキャー奇声を発しながらコロコロ転がっているのを目撃したそうだ。ユイちゃんのママ曰く「ヒヨちゃん、寝袋の中で立ち上がって歩くのがとっても上手なの。スゴいわー」いやいやスゴくないし。誰もそんなコトしないし。ヒヨコ「ねぶくろフカフカだから、ゴチーンってころんでも、テーブルにぶつかってもいたくないの!」ユイちゃん「ヒヨちゃんまた遊ぼうね!私も寝袋の中で歩くの練習しておくから!」ユイちゃん練習しちゃうの?全然しなくてイイし、大人っぽい配慮でアホヒヨコに合わせないでイイから!


今日は、マンションの理事会。世界金融危機の影響を我がマンションに見る。
●2年連続でマンションの理事をしてるボクの地味な習慣は、二ヶ月に一度、近所の集会所で理事会をすること。ご近所付き合いゼロのボクにとっては、なにげに重要な情報源となってる。理事会に舞い込む細かい相談事やトラブルは、世間知らずのボクには新鮮である。今月は空き巣未遂事件があったとか、マンション総合保険が料率変更で値上げになるので他社の見積もりを取るとか、そういうヤツ。
●中途半端な時期だが、ウチのマンションは決算のシメが8月、理事会でのチェックが今月である。つまりは、リーマンズショック以来初めての本格的な決算を迎えた。そんでこの決算に、世界金融危機がジワリと響いた形跡を見てしまった。チッポケな我がマンションと世界経済が繋がってるコトにドキドキ。
●ほぼ100%稼働してきた駐車場、ここにきて4分の1以上のスペースが解約されてしまった。おお、脱・自動車社会…!コレまで外車がエラそうに居座ってた駐車場が今はスキマでイッパイである。管理組合の収入は駐車場収入に負う所がデカイので、会計的には面倒なことになる。しかも管理費そのものを滞納する人まで出てきた。今まではそういう人いなかったんですよウチのマンション。聞くといつも決まった部屋が毎度滞納をしているらしい。「この不景気、何が起こるかワカランワ。イキナリ飛ばれて競売に出されもしたら、管理費未納分取りっぱぐれるワ」関西弁のオジイさん理事(今はリタイアしてるが、昔は自分で会社起こして商売してたらしい)が息巻いて管理費の厳しい督促を主張する。世知辛いねえ。

そんなコトから、なにげに経済のお勉強についてのお話。
●ボクの会社は、将来もらうはずの自分の退職金を、自分で責任を持って運用して増やしていくという、いわゆる「確定拠出年金」を導入している。30年後にもらうハズであろうお金をどうやって増やすか、少々アタマを使わなくてはならない。全額定期預金にブチ込んでおくも一つの手だが、ボクは50%を国内株式の投資信託に突っ込んでおいたのですわ。でさ、コレがボチボチ調子よくて最初は年率4%くらいの高利率で運用できてたんですよ。トコロが去年10月にドコーンとリーマンズショックが発生。イキナリ今までの利ざやは吹っ飛んで、拠出金累計に対してー10%以上の損をブッこく。ショック!

勝間和代「お金は銀行に預けるな - 金融リテラシーの基本と実践」

●で、ボクとしてはこのままではヤバいということで、本を読むのです。勝間和代「お金は銀行に預けるな - 金融リテラシーの基本と実践」こんなプチバブルの勢いに乗って出てきた本を、世界金融危機が起きてから読むというのは、明らかに「ドロナワ」ってヤツであり、そもそもこの勝間さんの手法が今だに通用するのかと甚だ疑わしいトコロだが、とにかく基本だけは身につけなくては。まーこの本で知ったのは、定期に塩漬けにするのは勿体ないよ、世間の動きをよく見てればチャンスは見えるよ、増やすよりも減らさない工夫をしようよ、というコト。この結果、ボクは日経平均株価やNYダウ、為替のチェックをちょくちょくするようになった訳です。コレ、ここ一年の新しい習慣。
●そんで、タイミングを見て、ココが底値だ!というタイミングで定期預金を崩して一転攻勢、7割を日本成長株アクティヴ&バランス型国内株式にブチ込む。これが5月のコト、これが3ヶ月で結構な成果を出す。ちょいと買っといた外国株もイイ感じだったので、9月、円高局面と亀井モラトリアム発言で不安定になった日本株の40%を外国株式に振替。そしたらNYダウも堅調に回復基調で、コレが上手くヒット、リーマンズショックからちょうど一年、このショッパイ時期になんとか単年運用利回り6.6%を達成したのだ。よし、ジブン、グッジョブ!……今後は国内外の債権にも手を出したいんだけど、鳩山政権の国債発行うんぬんとか、アメリカの低金利基調がどんな影響をもたらしてるのかとか、ボクの知識では仕組みが全然ワカランので今は静観してます。



インダストリアルをまだ聴いてます。
●エレクトロっぽいトコロから出発したはずの「インダストリアル」は、そのゴス趣味が高じてか、90年代を経ていつの間にかオルタナロックヘヴィメタル、そんでヴィジュアル系にまで繋がっていくのです。今日はそんな音源。前の前の記事で、DEPECHE MODEKMFDM のハナシを書いたけど、その続きだと思ってください。でもこういうロックは本来あまり趣味じゃないんだよね。


MINISTRY「THE MIND IS A TERRIBLE THING TO TASTE」

MINISTRY「THE MIND IS A TERRIBLE THING TO TASTE」1989年
●もうジャケだけでメタル気分イッパイです。KMFDMパンクとエレクトロの合体と考えるならば、この MINISTRY というバンドは、スラッシュメタルとエレクトロを合体したキメラ音楽ですわ。エレクトロ推進の殺人ビートに、ヘッドバンギングなザクザクスラッシュギターが炸裂。そしてメロディ無視の絶叫メタルボーカル。最初期はエレクトロバンドとして出発したこの連中のキャリアは1981年にスタート、つまりは芸歴も芸風もホントは DEPECHE MODE とワリと変わらないのだけど、90年代に突入する前に音楽スタイルを大きくメタル方面へ舵を切り、結果「インダストリアルメタル」の第一人者となる。この作品は、そんなスタイルを完成させた3枚目のアルバム。「インダストリアル」はアメリカ人の手にかかると、たちまち大味なメタルと合体してしまうという好例。あくまでイギリス的でヨーロッパ的な DEPECHE MODE とのチガイだね。その後 KMFDM の音も扱うことになるシカゴのインディレーベル WAX TRAX ! からリリースされました。
●個人的な思い出。今から20年近く前、学生時代のボクにこのアルバムを薦めてくれたのはヴィジュアル系命!なオンナノコでした。しかも BUCK-TICK が大好きなコ。長い髪をツンツンにオッ立てたヴィジュアル系ど真ん中バンド BUCK-TICK の音楽は必ずしもヘヴィメタルじゃなかったと思うけど、ルックスを見て分かるようになんでも極端に振り切るテンションはあったと思う。だからそのファンも MINISTRY みたいな極端でゴステイスト溢れる音楽に憑かれたのかも。

BUCK-TICK在りし日の

(1988年の BUCK-TICK。ドラムの人は現在もツンツン頭です。エラい!)



NINE INCH NAILS「PRETTY HATE MACHINE」

NINE INCH NAILS「PRETTY HATE MACHINE」1989年
●このアルバムも BUCK-TICK 大好きオンナノコから教えてもらった。MINISTRY に負けないメタルサウンドでありがなら、ドラマチックな展開とメロディを持つこのバンドの音楽の方がズッと取っ付きやすいと思ったな。オルタナティヴロックが勃興しつつあった90年代初めの気分の中では、ハードロックとエレクトロの絶妙な合体は、結構新鮮な印象で受け止められたし、この一枚目のアルバムで、このバンドの中心人物 TRENT REZNOR(つーかメンバーはほぼコイツ1人)は一気に時代のヒーローの一人になった。コイツの陰鬱な性格と歌詞の内容、破滅的パフォーマンス(ライブで高価なキーボードを破壊しまくる。X JAPANYOSHIKI みたい)は90年代のダークサイドを代表するようになり、その黒い髪もゴスとして艶めいて見えた。…ま、当時は「ゴス」なんて言葉で認知はしてなかったんだけど。
●ちなみに、このファーストアルバムでは、ADRIAN SHERWOOD FLOOD がプロデュースに関わってる。KMFDMDEPECHE MODE と同じだね。この辺は全部繋がってるんだわな。


NINE INCH NAILS「THE DOWNROAD SPIRAL」

NINE INCH NAILS「THE DOWNROAD SPIRAL」1994年
●数枚のミニアルバムを経てやっとリリースされたセカンドアルバム。デビュー作はたった一人でシコシコ作っただけあって密室的な打ち込み感覚が濃厚だったんだけど、ココではメジャーの予算とミュージシャンを駆使したロック魂が鈍色に光ってます。静と動、陰と陽、アッパーとダウナー、ノイズとブレイクのメリハリがハッキリした急展開がよりダイナミックに表現されてる。基本はドス黒い怨念だけが唸ってますが。高速デジロック「MARCH OF THE PIG」がカッコいい。
録音されたスタジオがとても悪趣味でナイス。女優 SHARON TATECHARLES MANSON 率いるカルト集団「マンソンファミリー」に殺されたビバリーヒルズの屋敷に引越してスタジオを設置。殺人犯たちが妊婦だった SHARON の腹を裂き、その血でメッセージを書いたような場所でセッセと制作に取り組んだ。プロデューサーは再びFLOOD。さすがにあまりの悪趣味に懲りて、アルバム完成後はすぐに引越したらしいけど。
●1997年には、DAVID BOWIE「I'M AFRAID OF AMERICANS」を共作。この曲のヴィデオクリップの中で、TRENT は鬼気迫るストーカーとして BOWIE を追い回す。なるほどコレじゃ「アメリカ人が怖い」ワケだ、と思える見事な演技。その後メジャー契約が切れると、ネットでアルバムを無料配信するなど新たな音楽流通のカタチを模索するとかしてたんだけど、残念ながら今年2009年で NINE INCH NAILS としての活動を辞めるという。MINISTRY も去年2008年に活動休止した。時代は一旦一巡りしたらしい。

DAVID BOWIE「IM AFRAID OF AMERICANS」(後ろ!後ろ!ストーカーだよ!)



MARILYN MANSON「ANTICHRIST SUPERSTAR」

MARILYN MANSON「ANTICHRIST SUPERSTAR」1996年
●あー悪趣味極まりないジャケですねー。女優 MARILYN MONROE と前述したカルトの教祖 CHARLES MANSON をガッタイさせた名前を名乗るこのオトコは、NINE INCH NAILS TRENT REZNOR によって発掘されました。で、TRENT のプロデュースで制作され、TRENT のレーベル NOTHING からリリースされたセカンドアルバム&ブレイク作がコレ。70年代のミュージカル「JESUS CHRIST SUPERSTAR」を裏返した「反キリスト・スーパースター」というタイトルが実に露悪的。厳格なカトリックの家庭に育った彼は、そのキリスト教原理主義の頑迷さと裏に隠れた欺瞞にウンザリしたあげく、極端な反動としてこんな表現に行き着いた。ニーチェとかも読んでたらしい。
●もうこの時代になると、ロックバンドがエレクトロ機材を使うなんて珍しくともなんともないコトになってる。実際彼の音楽にエレクトロなんてそんな大きな意味を果たしてないし。ただのヘヴィロックです。しかし、非人間的で徹底したデストピア表現を追究する姿勢は、間違いなく「インダストリアル」で「ゴス」な美学の発展形。彼の露悪的なステージ(焦げた星条旗をバックに演説台で絶叫しながら聖書を焼く!)は世間の保守層をひどく挑発し、アチコチでコンサート反対運動などを引き起こしてました。
●あまり性格がヨクないコトは間違いなさそうで、その後、恩人 TRENT REZNOR の音楽を手厳しく批判しモメまくった。TRENT 曰く「奴は嫌なやつだ。成功のためなら誰だって踏みつけるし、道徳の一線なんてのも超えるだろうよ。奴も今じゃ、ドラックとアルコールに支配されたラリッた道化。」…ありゃーヒドいねこりゃ。


MARILYN MANSON「MECHANICAL ANIMALS」

MARILYN MANSON「MECHANICAL ANIMALS」1998年
MARILYN MANSON、半陰陽なサイボーグに変身。この時代になると、もうインダストリアルとかどーだかなんつージャンルのくくりなどどうでもよくなってて、ただひたすら露悪的なヘヴィロックになってます。映画「マトリックス」のエンドテーマに使われた「ROCK IS DEAD」なんてもはやブギーなギターリフが完全なグラムロック。究極のお化粧ヴィジュアル系でもある彼らは、DAVID BOWIE など70年代グラムロックの遺伝子を正しく受け継いでいるわけね。一方で「POSTHUMAN」ではビッグビートに接近。

コロンバイン高校無差別発砲事件(死者15人の悲劇。)

1999年、コロラド州コロンバイン高校で無差別発砲事件が起こった。マイケル・ムーアが映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」で取り上げた、あの有名なイジメられっ子のブチギレ暴発テロ。死者は自殺した犯人二人を含めると15人。体育会系で学校の花形な連中から嫌がらせを受けてた少年たちは、そんな立場に対抗するために、黒いコートに身を包み「トレンチコートマフィア」という名乗ってた。彼らがゴスカルチャーMARILYN MANSON、KMFDM の音楽に傾倒し、チェーンソーやショットガンを振り回すビデオゲームに夢中になってた、という報道が、アレコレのバッシングに飛び火した。当然 MARILYN MANSON はタコ殴りのバッシングに晒される。
MARILYN MANSON 「MECHANICAL ANIMALS」ツアーの日程5日間をキャンセルし、追悼の意を表した。彼は映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」の取材を受けてこう話す。意外なほどインテリな分析を披露。

「なぜ、オレが攻撃されるのか分かるよ。オレを犯人にすれば簡単だからだ。オレは「恐怖」のシンボルってコトさ。みんなが恐れるものの象徴なんだ、言いたいことも言うしな。」
「あの悲惨な事件には二つの副産物がある。娯楽における暴力と、銃規制の問題だ。この二つは秋の大統領選挙の争点とうまく重なる。しかも人々は忘れてる、大統領のスキャンダルやアメリカがよその国を爆撃してることを。そりゃオレは悪者さ、ロックを歌ってるからな。でも影響力はどっちが強い?大統領のせいで事件が起きたとは誰も言わない。メディアの望む恐怖の生産法と違うからだ。」
「……人は毎日テレビのニュースを見て恐怖を詰め込まれる。エイズに洪水に殺人事件…。パッとCMに切り替わって「コルゲートを買え、息が臭いと嫌われる」「ニキビ面だと女の子とヤレない」まるで恐怖と消費の一大キャンペーンだ。アメリカ経済の基盤はソレだと思う。恐怖を抱かせて物を買わせる。突き詰めればそういうことさ」

マイケル・ムーアの質問:「コロンバインの生徒やあの町の人々に話すとしたら何という?」
「何も言いたくない。黙って彼らの話を聞く。それが大事だ」

●来週、幕張で「V-ROCK FESTIVAL 09」というイベントが行われる。ヴィジュアル系バンド50組が集結するビッグイベントだ(アルフィーの高見沢俊彦さんまで出るぞ?!)。ソレのヘッドライナーとして MARILYN MANSON も参加する。彼の音楽はココで日本のヴィジュアル系と完全結合。「VISUAL-KEI」はもう英語として通用する言葉になってるもんね。


●ココまで取り上げたのは全部アメリカのバンド。ココからはイギリスのバンドだよ。


KILLING JOKE「OUTSIDE THE GATE」

KILLING JOKE「OUTSIDE THE GATE」1988年
●1978年にロンドンで結成されたポストパンクバンド。リーダー JAZ COLEMAN は露骨に反米主義者と自称しており、痛烈に大国批判をしている。このアルバムも一曲目のタイトルが「AMERICA」だもんね。この曲の EXTENDED MIX では「星条旗よ永遠なれ」を切り刻んでサンプルしたりしてる。そんで皮肉をこめてこの国を賛美。「暮らしの質がオレたちを誇りで満たしてくれる!アメリカ!どんなにこの国を愛してることか!涙も止まらないほどだ、アメリカ!ペルシャ湾じゃミサイルが上がる!我が家にはシャンパンがある!愛してるよアメリカ!ショービジネスとハリウッドが叫んでるよ、アメリカ!」
「インダストリアル」の先駆として、ギターサウンドと激しいドラムビートを主軸にしてた初期から、徐々にシンセ主体の打ち込みサウンドに転向してきたのがこのバンド。このアルバムはその路線の完成形で、イカガワしいイメージの「インダストリアル」バンドに比べて拍子抜けするほどサッパリしてる。他のバンドとは反対のベクトルだね。
●元々このアルバムはリーダー JAZ COLEMAN のソロ作になるはずだったんだけど、レーベルの都合で KILLING JOKE 名義として発表されてしまったらしい。が故にインダストリアルな油の匂いが足らないのだろうか?一方他のバンドメンバーはお呼びもかからず勝手にアルバムが作られたと憤慨してゴッソリ脱退。JAZ はこの騒動で神経衰弱になっちゃったそうな。その後90年代を迎え、時代の流れに合わせて再度メタリックなラウド路線へ回帰する。
●ちなみに、このバンドのベーシスト PAUL RAVEN X JAPAN の故 HIDE とインダストリアルユニット ZLICH を結成してる。コレが結構イカしたインダストリアルビートで、とってもダークでした。このバンドもそんなワケでヴィジュアル系と接点を持つのです。


MEAT BEAT MANIFESTO「ACTUAL SOUND + VOICES」

MEAT BEAT MANIFESTO「ACTUAL SOUND + VOICES」1998年
●コチラもイギリスのバンド、活動を始めたのは1987年というから、NINE INCH NAILS とほぼ同期。しかし今日取り上げてるアーティストの中で一番テクノ度が高い彼らは、レイヴカルチャー~ビッグビートの文脈で活動してきたタイプで、ロックのダイナミズムを意識しながらも、ダブドラムンベース、ブレイクビーツの手法で音楽を鳴らしてる。ボーカルパートもあまり存在しないし完全クラブミュージック仕様なのです。デビューは MINISTRY KMFDM を輩出した WAX TRAX ! から。うーん、繋がりまくってます。
●それでもゴスな気分の漂うエレクトロ音楽。類は友を呼ぶということか、NINE INCH NAILS TRENT REZNOR が主宰するレーベル NOTHING に1996年移籍。拠点もイギリスからアメリカに移す。このアルバムはそんな NOTHING 在籍時二枚目の作品。MARILYN MANSON と同じで、このアルバムの曲「PRIMIE AUDIO SOUP」が映画「マトリックス」のサントラに収録された。言われてみれば「マトリックス」ゴシックテイスト満載なのだ。


●さてさて、こんな音楽ばかり聴いてたら、「ゴス」ってキーワードが、なんだか気になってきた。「ゴス」って日本文化にとってはイメージしづらい美学だよねえ。そのうち、ゴシックロックのまとめ聴きをしてみようと思います。

ある俳優さんのインタビュー番組を職場で見ていた。
●うーん、この俳優さん、イロんな映画やドラマでバイプレイヤーとしてイイ味出しまくってるけど、このインタビュー番組見る限り、想像以上に変わった人だなあ。いやあ(イイ意味で)変人だ。でも、こういう人って女子に受けるかな?ねえどう思う?職場の女子後輩「いや、イイですよ。最初はエッ?と思ったけど全然イイですよ」へーそういうもん?…するとボクの尊敬する大先輩が言う。
「世の中のオンナってのは、ホントにありがたいことだけど、オトコが思うよりもずっと寛容な見方で、イロイロなタイプのオトコを好いてくれるんだよなー。オトコから見ると「えーっ」ってヤツにもちゃんとソイツを好いてくれるオンナがいるからなー。実にありがたい」……おおっ、深い言葉だ…世界の女性に深い感謝!……先輩も大幅に変人タイプですもんね……ボクもワイフに感謝しないとな。


自律神経失調症とのお付き合い(その109)~「新型インフル、マジでコワい」編

●ボクは自律神経失調症ってビョウキだが、ぜんそくという持病も患ってる。これもサラリーマン生活のヘヴィな過労の結果患っちゃったモンなんだけどね。そんで、「気管支ぜんそく」の診断名で東京都の医療費助成(自己負担分がタダ!)も受けている。……今は実に落ち着いてるんだけどね、しんどい時はホントしんどい。
●でさ、息子ノマドも「小児ぜんそく」なのですよ。まあ、ボクはインフルで死んだりはしないだろうけど、7歳ノマドの場合は、ある意味「死に至る病」でしょ。マジで全国で子供亡くなってるし。朝のニュース見ながらノマド「オレ、しんじゃうよー!」と叫んでるもん。だから、ヤツにとって予防接種は急務であり、そんでノマドに伝染さないためにも、ボク自身の予防接種も急務なのである。

●一方、新型インフルワクチン接種の優先順位で、「ぜんそく」患者はかなりイイポジションらしいのだ。産業医のセンセイに教えてもらわないと知らぬままだった…ありがとうセンセイ(でもコレ東京都だけ?全国?)。センセイ曰く、なんか行政の方もドタバタしてるらしく、何本ワクチン必要か調査/申請受付のお知らせが突然やって来て、しかも翌日に申請〆切りというドタバタペースで、実に面食らったという。医療現場もそんなペースじゃさすがに困る。そんな先週今週の動きを経て、10月中に第一優先として来週以降医療従事者向けにワクチン接種が行われる。一般向けの接種は11月1日以降になるらしい(最新のニュースだと早まるかも?マジ流動的!)。
●センセイが言うには、せっかく優先順位の高いポジションで一番最初に受けられるはずなんだから、とっとと行きつけの病院で予約しろと。ふんふんなるほど。じゃあ、早速デンワだ。ボクの行きつけの呼吸器科に電話する。顔見知りの医療事務の女性(前歯が大きくてリスみたいな超小柄なお姉さん)が少々ドギマギしながら対応。「えー、11月第一週をメドにはしてるんですが、まだワクチンが届く日程が見えないんです。準備が出来次第、ホームページにアップしますのでチェックしてもらえますか」そこから予約ですか?「そうです」むむむ、呼吸器病んでる連中が殺到しそうだ…。
●ノマド行きつけの小児科は、接種のタイミングがまだ見えてないのは同じだが、電話で予約をキチンと受けてくれた。このタイミングで予約しといてちょうどよかったようだ。その一方で、この小児科自体は今インフルの子供であふれてる。世田谷区では9月に学級閉鎖件数が160近くまで伸び、現在でも70件の学級閉鎖が起こってる。ノマドヒヨコの小学校はマダだが、隣の小学校では2回目の学年閉鎖が発生してる。うーむ、パンデミック。


自律神経失調症の方は、台風一過以降、比較的落ち着いている。
●安定剤メイラックスを半分の量に減薬(錠剤1粒を二つに割って半分だけ飲む)。「むずむず脚症候群」のクスリ・リボリトールは停止。3種類使ってた漢方薬も停止。睡眠薬はロラメット(ボク自身の経験において効果ランクは中級)。ムードスタビライザーのデパゲンRはマストと言われてる。軽い安定剤デパスは頓服扱いで、気分に合わせて飲む程度(まあラムネみたいなモン?)。その他、胃腸系、尿酸値下げる系などなどのクスリがあるが、かなりのスリムダウンになった。
●あ、あと、人間ドックを受けろとな。会社の定期検診。年始に胃カメラも飲めと。個人的には、米粒くらいの腫瘍?が胃袋で見つかってるのが気になってんだよね。

●以前の「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-557.html

台風が過ぎたと思ったら、めっきり涼しくなってきた…。秋だねえ。
●昨日はシモキタザワのフレッシュネスバーガーでマンガを読んでたんだけど、夜の8時にもなると、もう窓際デッキでは寒い!チャイもすぐ冷めちゃうし。油断して薄着をすると、またカラダをおかしくしそうだよ。

かぱえぷしろん(写真はちょっと古いヤツです)

●そんなフレッシュネスバーガーの二階にあるCDショップ「かぱえぷしろん」が閉店セール。
あれークローズしちゃうんだ!結構ちょくちょく買物してたのに…。でも全品300円オフ!は嬉しい。また無駄遣いしちゃった…。一枚100円で16枚購入…。


で、こういう時に目につくのが、DEPECHE MODE なんだわ。
●テクノやハウス、エレクトロに先行するエレポップの重要バンドで、今なお現役。今週はたまたまテクノ/ハウスを聴いてるからついでに聴いてみるのだった。


DEPECHE MODE「SPEAK  SPELL」

DEPECHE MODE「SPEAK & SPELL」1981年
DEPECHE MODE のファーストアルバム。この頃のサウンドデザインの要は、VINCE CLARKE …なんだけど、彼はバンド立ち上げの功労者でありながらこの一枚目で脱退しちゃうのです。VINCE はその後、YAZOO ERASURE のユニットで活躍を続け、自らのゲイセクシュアリティを反映した音楽を作り続けます。打ち込みサウンドの冷ややかな質感の中に、繊細でグラマーな感覚が忍び込んでるのが、やはりゲイカルチャーから出発したハウスと似てる。でも、孤独で内向的な VINCE の性格を反映してるのか、とっても暗いんです。

DEPECHE MODE「VIOLATOR」

DEPECHE MODE「VIOLATOR」1990年
●日本のテクノポップってどこか冷静でありながら、基本は楽天的で明るい未来志向じゃないですか。Y.M.O.以降のあの三人組ってアイドルポップとか数々量産して楽しい80年代作りに貢献したイメージがある…。一方、DEPECHE MODE は暗い。VINCE CLARKE が抜けて暗黒志向が一層顕著になります。悲観的な未来観というか、デストピア志向というか。打ち込みサウンドの非人間的側面を強調するスタイル。コレを人呼んで「インダストリアル」と言います。ゴスの人たちからも支持を集めるようになります。
●そんで、そんなゴスでインダストリアルなキャリアも10年経ちました、ってのがコチラのアルバム。ジャケが暗い…。共同プロデューサーに FLOOD というオトコを招いての制作。この FLOOD という名前、覚えておくとトクです。80年代エレポップから90年代インダストリアルの名盤に数々関わっている。NEW ORDER のファースト、CABARET VOLTAIRE、PSYCHIC TV、NICK CAVE & THE BAD SEEDS などなど。一番ヒットしたのは U2 との仕事。U2「THE JOSHUA TREE」から「POP」まで、バンドにとっては激動の80年代後半~90年代前半のキャリアを、共同プロデューサーの立場でずっとソバで眺めてます(あ、今気づいたけど U2 DEPECHE MODE は同期デビューだ!)。
●鋼鉄の打ち込みビートと深いエコーに沈むロマンチックなボーカル。暗いメロディを黒いカーテンで包むようなシンセ使い。DEPECHE MODE の王道パターンがココに完成。そんでシングルヒットも英米両国を席巻しバンド史上最高級のセールスを記録。しかし、彼らはもうスタジアム級のロックバンドになってて、当時勃興してたテクノ/ハウス~レイヴ革命とは縁が薄い印象だ。それでも四つ打ちキックの強い曲はテンポを加速すればフロア映えする気がする。

DEPECHE MODE「EXCITER」

DEPECHE MODE「EXCITER」2001年
●さて、デビュー二十周年盤だ。だけど全然芸風変わってません。基本的にダーク。基本的にインダストリアル。細かいテクニックの部分も、BJORK も手掛けたプロデューサー MARK BELL を召喚して21世紀風にしっかりアップデート。ただ、今回はウタの響き方に力点を置いたというトコロは読み取れる。
●80年代の華々しい活躍に比べてアルバム生産ペースも落ちた90年代、連中はボーカルのドラッグ問題(オーバードーズで一度死にかけました)、リーダーのアル中問題、インダストリアルサウンドに貢献したメンバーの脱退劇など、様々なモンに苦しんでおりました。そんな修羅場をくぐり抜け、やっと新世紀を迎えたバンドが今一度注目したのはウタ。こんだけ非人間的な打ち込みサウンドに没入してきたのに、今さらウタかよ!というのは野暮ですよ。機械と20年も向き合って来たからこその再発見。ウタの響きにロックな説得力が備わりました。


この流れで、インダストリアル系の音源を聴く。


KMFDM「UAIOE」

KMFDM「UAIOE」1989年
「DEPECHE MODE」という言葉はドイツ語で「移りゆくファッション」という意味なんだけど、この連中は、ホンマモンのドイツ人。SASCHA KONIETZKO という男が中心になって、1984年にハンブルグで結成、鋼鉄ビートとヘヴィなギターリフにパンク魂を乗っけて、憎しみを世間に放射します。「KMFDM」という名前はドイツ語で「KEIN MEHRHEIT FUR DIE MITLEID」という意味、日本語に訳して「一般大衆に情け容赦は必要なし!」……骨の髄まで暗黒だね。こういうドイツ人の真面目に突き詰めて極端に振り切る感覚って、ジャーマンメタルやジャーマンテクノとかにも見えるよね。ボクは長らく「KILL MOTHER FUCKER DEPECHE MODE」の略だと思ってたんだけどね…。
DEPECHE MODE のメランコリックさを、そのまま外部への憎しみに裏返したようなサウンドが胸をムカつかせるほど強烈です。そんで注目なのが、ON-U SOUND の主宰で UK のニューウェーヴ・ダブ魔人 ADRIAN SHERWOOD がミキシングに参加してる曲があること。コレだけ珍しくボーカリストにレゲエ系のシンガー(というかDJ)をフィーチャーしてる。ベースラインもちょっとダブ。イカす!

KMFDM「SYMBOLS」

KMFDM「SYMBOLS」1997年
●しかし、このバンド、ジャケのセンスも一貫してて秀逸だよね。徹底した打ち込みインダストリアルビートは健在、ボーカルはよりデス声になり、ギターもよりメタルに接近します。時代はビッグビート勃興期、それでも時流に流されず、独自のミクスチャーテイスト、そしてバンド感を損なわないエレクトロ道を突き進んでいます。
●さて、この後バンドは一時的に解散、アルバム「ADIOS」をリリースして活動休止します。そんで中心人物 SASCHA は女子ボーカルを導入して「MDFMK」というバンドを結成します。…なんだよ、KMFDM を逆さまに並べただけじゃないかよ…。そんで2002年に MDFMK のメンバーと旧 KMFDM のメンバーを混在させて再始動。現在も元気に暗黒ビートを弾き出しております。

台風一過で、体調回復。
今週はホントにツライ一週間でした。秋雨前線&台風18号の列島縦断の強烈コンボ攻撃で雨風ヒドい毎日でしたが、ボクの神経/体調も絶妙なシンクロ率で掻き乱されました。台風の予想円が接近してくるにつれドンドンカラダがキツくなり、そして反対にそれが東京を通過するとドンドンカラダが楽になっていく。ジブンのカラダが大自然の一部であることをリアルに感じるのでありました。そんでやっと一心地ついたこの連休。カラダもクタクタだったのか、どんなに寝てもまだ眠い。睡眠薬ナシでココまで眠れるなんて、感動するわ。やっとブログも更新出来ます。


●息子ノマドに歴史マンガを。

週刊マンガ日本史ー卑弥呼01

「週刊マンガ日本史/卑弥呼」
●今週から朝日新聞社が小学生向けに始めた歴史マンガ雑誌。全50巻で50人の偉人を紹介するとな。ちょっとディアゴスティーニ風の商売なんだけど、ボクとしては注目。なぜかというとマンガ執筆陣が意外なほど豪華だから。創刊号「卑弥呼」では藤原カムイが登場。安彦良和「勝海舟」を描き、村上もとかがアイヌの大酋長「シャクシャイン」を描く。オオッと思わせる組み合わせ。他にも六田登「ダッシュ勝平!」)や、尾瀬あきら「夏子の酒」)、魚戸おさむ「家栽の人」)、山田貴敏「DR. コトー診療所」)など手堅く渋いラインナップが登板予定。
●で、さっそくウンチク大好き小学生の息子ノマドに読ませてやろうと思ったのだが、まず最初に食いついたのは意外にも娘ヒヨコ。卑弥呼が「女王さま」ってトコに引っかかった。オンナノコはクイーンとかプリンセスにカッチリ引っかかる(←ウチだけですか?)。そんで名前も重要。「このひと、ヒミコっていうの?ヒヨコににてるね!ヒミコとヒヨコ!」そうね…パパも今気づいたわ…ということで全部読み聴かせてやったよ。
ノマドは、邪馬台国の場所にまつわるナゾに引っかかった。九州にあったのか、近畿地方にあったのか?「うぉーナゾだ!ドッチかわかんねー!」そりゃノマドにはわかんねえだろう。でも我が身に起きた事件のように歴史のナゾに身悶えする入れ込み様は、パパワリと好きだよ。


●今週はハウス/テクノ系を聴いてます。具合悪い時にフィットするようなヤツをね。

BOOKA SHADE「MOVEMENTS」
BOOKA SHADE「MOVEMENTS」2006年
●ベルリンの二人組ユニットが、ストイックで地味なミニマルハウスをやってます。ドイツっぽいと言えばドイツっぽい。無機質で金属質なキックとシンセベースに多少のブヨブヨなアシッド風味。それでも確実な四つ打ち感覚(ドンッ、チャ!、ドンッ、チャ!)と奥ゆかしい雰囲気シンセが、ジワリとグラマーに響きます。ハッキリ言って単調ですが、具合悪い時にはこの辺がイイ湯加減かも。彼らのスタイルは「テックハウス」とも言われるらしいけど、ハウスのサブジャンルは細分化し過ぎてて、ボクにはもうよく分からなくなってきたよ。


BOOKA SHADE「THE SUN  THE NEON LIGHT」

BOOKA SHADE「THE SUN & THE NEON LIGHT」2008年
●ハウス系のアーティストは、アルバムの枚数が増えていくごとに、フロア仕様のサウンドデザインからホームリスニング志向へとシフトしてくる傾向がある。クラブのターンテーブルの上に乗せられて初めて完成するハウスチューンは、お家で聴いても同じインパクトを与えられるかと言うとそうではない。無駄に長いイントロやアウトロはやっぱ「部屋聴き」用にうまく編集してくれなきゃ。ダンスフロアから遠ざかった病人のボクはそう思うのでした。
●で、BOOKA SHADE の3枚目で最新アルバムのこの一枚は、地味でストイックな彼らの芸風にしてみれば「無愛想ながらもバラエティを一応広げてみました」という姿勢が見える。うん、実にポップです。「CONTROL ME」などいくつかの曲では珍しくテンポアップして(この連中、基本的にテンポ遅いです)、JOY DIVISION ばりのドンヨリ歌唱を披露してます。「CHARLOTTE」はエレクトロ味まで入ったキャッチーさがあるし、「SWEET LIES」とかフツウにエレポップ歌謡だし。チラホラ聴こえる安いシンセドラムやシンセフレーズが彼らなりの 80'S リバイバルなんでしょうか?


GUI BORATTO「CHROMOPHOBIA」

GUI BORATTO「CHROMOPHOBIA」2007年
●お次はブラジル・サンパウロのクリエイターの登場。レーベルは KOMPACT、つまりドイツ・ケルンのテクノレーベル。ハウス/テクノのフォーマットはホント世界中に拡散してて、そのネットワークの広さも素晴らしい。大西洋と赤道を挟んでこんなアングラな音楽を共有し、そんで世界中に流通させるなんて!エキサイティング!
「WIRE COMPILATION 09」にも収録されてたこのオトコは建築家というカオも持つマルチタレントらしい。カラフルなジャケのくせしてタイトルは「色彩嫌悪」。決して音数も多くない硬派なミニマルテクノだけど、それでいて意外なほど色彩豊かに聴こえるのはワザアリな証拠では? 明らかに BOOKA SHADE に比べて明るいもんね。やってるコト一緒なのに。ココにお国柄が出てるのかな。


KASKADE「LOVE MYSTERIOUS」
KASKADE「LOVE MYSTERIOUS」2006年
●こちらはアメリカはサンフランシスコでキャリアを起こしたクリエイター、KASKADE のアルバム。シスコに拠点を置くハウス系レーベル OM RECORDS の A&R という立場からアーティストに転身する。ハウスと言えば総本山はシカゴとニューヨークとなってるが、アメリカはホント懐が深い。シスコやマイアミにもハウスのシーンは息づいてて、 独自色溢れるレーベルやクラブがある。イイねー!
●そんでこのアルバムからは古巣 OM を離れて ULTRA RECORDS という NY のダンス系レーベルからリリースされることに。本来からポップな側面の強い KASKADEシズル感タップリのディープハウスをキャッチーな女性ボーカルを乗っけて飛ばしてくれる。強い四つ打ちキックとセクシーなシンセリフ、ジャケまでひっくるめて、なんとなくゲイセンス。シスコはゲイ文化に大らかな土地柄だから、ハウスと実に相性がいいんだろうな。


KASKADE「STROBELITE SEDUCTION」
KASKADE「STROBELITE SEDUCTION」2008年
●カナダ・トロントのプログレッシブハウス野郎 DEADMAU5 なる怪人(デカいネズミのカブリモノをかぶってDJしてるっぽい)と何曲かで共作してる最新作。「ストロボライトの誘惑」ってキラキラセクシーなタイトルだね。パーカッシブな四つ打ち感覚と可憐でメランコリックな女性ボーカルの組み合わせは相変わらずの艶やかさを放ってて、ハウスが正しく R&B の遺伝子を受け継ぐ音楽なのだと感じさせてくれます。それでいて、トランシーな展開やプログレッシブでダビーな音像が底ナシの奥行きを作って、聴く者を宇宙空間に突き落とす仕掛けも満載。でもあくまで「部屋聴き」仕様なのが彼の間口の広さ。4分いかない曲の長さもキャッチーですわ。

Deadmau5_live.jpg(ちなみにコイツが DEADMAU5。バカっぽいでしょ)



「EMMA HOUSE 16」

VARIOS ARTISTS「EMMA HOUSE 16」2009年
EMMA は日本のクラブシーンの中で最古参のハウスDJ。1980年代中盤からシーンの中心でDJをしてたオトコ。芝浦 GOLD 六本木 VELVET西麻布 YELLOW、新宿 LIQUID ROOM などで活躍(今挙げたクラブは現在全部存在しないね…)、海外でも活躍してるハウス界のヒーローの一人ですね。そんな彼が1995年からシリーズでリリースしてるハウスコンピの16枚目がコレ。より現場感が強いノンストップミックスだ。「部屋聴き」じゃない典型パターンだね。ヤリのように鋭いトラックが深くオーバーラップしてジワジワテンションを上げていく。
●選曲としては、前述の KASKADE、同じくNYの重鎮 ROGER SANCHEZ(ソウルフル!なぜNYハウスはかくもセクシーなのか?)、ボクとしては REKID 名義としての方が馴染み深い RADIO SLAVE(この人、名義の使い分けがスゴくて、5つくらいの名前がある。収録曲はとってもトライバル)、日本人クリエイター KAORU INOUE とか。LAYO & BUSHWACKA ! って連中はキング牧師の演説をサンプルしてる。UK の新鋭PAOLO MOJO はクールなプログレッシブハウスを鳴らしてる。カナダ・バンクーバーの JOEL ARMSTRONG もクールなハウスでカッコいいわ。


MISIA「DECIMO X ANIVERSARIO DE MISIA - THE TOUR OF MISIA 2008 EIGHTH WORLD + THE BEST DJ REMIXES」

MISIA「DECIMO X ANIVERSARIO DE MISIA - THE TOUR OF MISIA 2008 EIGHTH WORLD + THE BEST DJ REMIXES」2008年
MISIA デビュー十周年記念 DVD+CD 二枚組盤。2008年のツアーを収録したDVDと、MISIA の代表曲を内外のハウス系DJがリミックスしたCDのセット。このハウスリミックスが豪華でオモシロい。NYハウスの重鎮、JUNIOR VASQUEZ、ERICK MORILLO、MASTERS AT WORK、JOE CLAUSSELL、HEX HECTOR とかとか、ハウスの故郷シカゴのヴェテラン FRANKIE KNUCKLES とかとか、ハウス日本代表の SATOSHI TOMIIE、 EMMA の変名ユニット MALAWI ROCKS とかとかが、リミックスを手掛けてる。最近はシアトルマリナーズイチロー選手が打席のテーマソングに MISIA を使ってるそうで、「ICHIRO 51 REMIX」なるヴァージョンもある。
MISIA ってそんなにマジメに聴いたコトなかったアーティストですが、こんなにハウスと相性がイイなんてと感心しちゃいました。ライブもアゲアゲのR&B路線でスタートを切り、スローバラードの中盤を経て、後半戦はヒット曲「EVERYTHING」JUNIOR VASQUEZ ミックスで火蓋を切るハウスパーティーへ。「INTO THE LIGHT」という曲ではその神々しい展開にみんなワーッと手を挙げてて、まさしく「ご来光!」って感じ。
●…あと余談だけど、このDVDの編集、意図的に MISIA 自身のアップのカットを避けてて、正直彼女の顔や表情が全然わからないです…。あまりテレビに出ない人という印象があるけど、自分のライブDVDでも顔を隠しているとなると、サスガに不自然かなーと。


電気GROOVE「20」
電気GROOVE「20」2009年
MISIA が10周年なら、電気は20周年だ。去年からアルバムリリースペースが異常に早いあの二人組です。8年くらいオリジナルアルバムのリリースがなかったのに、去年の「J-POP」から「YELLOW」と続いて三枚目だよ。でもさ、21世紀電気GROOVE、ナンセンス無間地獄というか、もう笑ってイイのか全然わからない領域に踏み込んでて、ハッキリ言って不気味にすら見えます。「前髪たらした知らない動物が 便所の窓から覗きこむ 電気グルーヴ20周年 死んだネズミをくわえてる」こんなリリックを延々淡々と歌われちゃうけど、ボケ倒しを通り越してドコ狙ってんだか全く意味不明なのでマジでビビります。
●そんなボクみたいなセンスの足らないヤツがいるコトを想定してか、このセットは一枚まるまるカラオケトラックばっかりのボーナスCDがついてます。ボーカルを抜くと、見事に現在進行形のエレクトロファンクが出て来ますので、それだけでも十分楽しめちゃったりします。
●あ、あとDVD収録のビデオクリップは爆笑でした!「ピエール瀧の体操42歳」!マッドの行き当たりバッタリの脱力映像アッサンブラージュは見事ですわ。満面の笑みでソバ屋の出前をする瀧が唐突に狙撃される様子をスーパースローとか。ちなみにですね、1997年ピエール瀧30歳記念パーティというマヌケな催しの際に「引き出物」として無料配布された「ピエール瀧の体操30歳」というビデオが存在しててですね、で、コレが雑誌「広告批評」最終号の特集でビデオクリエイター辻川幸一郎&児玉裕一が絶賛してるってヤツで。これまた YOU TUBE とかで見て欲しいんですがとにかく最高で。「30歳」「42歳」も、最近のCM出演とかじゃよくわからないの狂気のクリエイティブが炸裂してて、今回の一番のオモシロどころでした。


電気GROOVE「少年ヤング」

電気GROOVE「少年ヤング」2008年
●去年のアルバム「J-POP」に収録されてる曲のシングル盤。アレンジがアルバムバージョンと全然違うので買っちゃった。シングルの方が分かり易くキラキラしてて安心して聴ける。本当は、深夜アニメ「墓場鬼太郎」のオープニングに使われてた「モノノケダンス」のシングルバージョンが欲しいんだけど、ソッチはまだゲット出来てない。「20」には TV SIZE ミックスが収録されてるんだけど、やっぱフルで欲しいな。



台風の接近につれ、どんどん体調がわるくなる…。
●ものすごく強い台風のコトを天気予報用語で、「猛烈な台風」というのね。確かにモーレツに具合が悪くなってる。天気や気圧の変化に影響されるのがボクのビョウキ。コレ、久々にビッグウェーブ。指が震えてるよ…。ああ、ヤバい。台風コマッタ。クスリが増えるよ。
ヒヨコがウタを歌ってる。
●アニメ版「エヴァンゲリオン」エンドテーマの「FLY ME TO THE MOON」だ。このウタを気に入ったヒヨコは、耳コピとハナ唄で覚えようとするのだが、やっぱ英語なのでうまくいかない。そこで本人からリクエストが来た。日本語で歌詞カードを書いてくれと。普段はボクが作ってやるのだか、どうもカッタルイので今回はワイフに任せた。それがコレ。

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●最初はカタカナで書いたらしいが、それだとヒヨコがうまく歌えない。ワイフ「もしかしてヒヨコ、カタカナ読めないとか?」ヒヨコ「うん!」自分のムスメのアホさ加減にメマイを感じながら、ワイフはひらがなで歌詞を打ち直したそうな。そんで、出来ましたのが以下のリリックです。コレで皆さんもお手軽に「FLY ME TO THE MOON」が歌えます。

ヒヨコ版「Fly me to the moon ふらいみトゥざむーん」

ふらーいみ トゥ ざ むーん あんれ み ぷれーい あむーざ すたー
れみし わっつすぷりーん らい じゅーぴたー あん まーす
いなざわーず ほーまい はーん いなざわーず だーりん きすみー
ふぃーまいはー うぃ そーん あん れみ しーん ふぉえぼ もー
ゆーあ、おーあい ろーん ふぉおーあい、わーし あん あーどー
いなざわーず ぷりーず びー トゥるーー いなざわーず あい らーぶ ゆー



先日、そんな我が子たちの授業参観があった。
●1年生のヒヨコはクラスで一番のチビで、なのか一番前の席で、机イスも一人だけサイズが小さい。そのためクラスメイトの中でも妹かマスコット扱い的存在だ。教室にも、自分のチビぶりをネタにした作文が掲示されてた。どうやら、校内見学で給食室の見学をした時の作文のようだ。

P1001427.jpg


「しゃもじが ひよこよりも おおきくて びっくりしました。
 おなべも ひよこの おむねくらい おおきくて ひよこが はいれそうでした。」
 
(先生のコメント:こんなにおおきいとはおもっていなかったのかな?)

●クラスのマスコットとはいえ、自分のコトを示す一人称に「ひよこ」と言ってしまう所に、少々イタい天然ぶりがかいま見れる。コイツ、普段から平然と自分のコト「ぴよ」とか「ぴよっぴ」とか「ぴよちーな」とか言ってるからなー。それで、カタカナも読めないんだモンなー。実に心配でもあるが、ココまで胸張って開き直って生きるコトが出来るのは、意外な図太さも備わっているのではないかと思えてきてるのも事実だ。

●そんなヒヨコが最近こんなことを言ってるらしい。「パパ、さいきん、ゲンキになったね!」


自律神経失調症とのお付き合い(その108)~「ここで卒業もアリ?」編

●ヒヨコ「パパ、さいきん、ゲンキになったね!よるおそくまで、カイシャにいってるから、パパとはあさしかあわないしー、それにこのまえ「たたかいゴッコ」してくれたしー。」ワイフの報告である。
●確かに「たたかいゴッコ」は久しぶりであった。ただベッドの上で、息子ノマドとヒヨコを投げ飛ばしたり、パンチやキックを浴びてやったりするだけなのだが、こんなことする体力も失われてたので長らくこのテのスキンシップはやったコトがなかった。2年ぶりの「たたかいゴッコ」は、ノマドのパンチが強くなってかなりイタいコトをボクに教えてくれた。
●そんで、会社の滞在時間も伸びている。気づくと20時頃になってる。18時30分には退社するのがルールになっているのだが、週の半分はもうそのルールが破れている。


うーん……それでもコンディションがイイんだか悪いんだかワカラン日々が続いている。
●仕事は、ぼちぼちコナシている。クスリを飲めばフツウに過ごせる。それでも週後半はシンドイ。木曜日くらいになると、実はかなりクタビレてて、会議の合間にデスクで一人居眠りをしてたりしてる。今週は天気が不安定で、時々頭痛を起こしたりしている。でも、以前に比べればズッと平穏に過ごせている。相変わらず体力が足りなくて、歩ける範囲や活動時間に限界がある。今週は久しぶりに鍼灸治療を受けて足も背中も痛くてしょうがない。つーことで、医者やカウンセラーに会っても、自信を持って話すことがない。「えーと、悪くないけどよくもないです…以上」みたいな。

その一方で、ボクは次に通う心療内科の病院を探している。
●先日の記事に書いたが、主治医のオバさん先生の診察がなくなるので、ボクは今月を最後に、今まで通ってたクリニックに通えなくなる。だから、ネットでアレコレ都内の心療内科を検索しては、電話をかけて雰囲気を探ってたりしている。診察時間はボクの仕事のペースに合ってるか?アクセスは簡単なバショにあるか?規模は?混雑状態は?診察のスタイルは?それでも、実際に行ってみないと、医者とウマが合うかはワカラナイ。コレ、結構悩みのタネ。
●産業医のセンセイに奨められたクリニックは、心療内科と内科/循環器科/皮膚科が併設されてる。イロイロな分野を扱うクリニックなんだなあと思って、期待して電話をすると、一人のセンセイが、内科から皮膚科までゼンブカバーするのだと言う。…うーむ、心療内科と皮膚科を同時に看るってちょっと大雑把じゃないか? ボクは水虫の患者と一緒に並んで診察を待つのか? 微妙な気分になった。
●そんなネット検索の合間に、「うつ病セルフチェック」的なアンケートテストがあったので、自己分析してみたら、ボクはハッキリと「健康な人」ってコトになった。…あー、ビョウキじゃないの?ボクは健康なの? ココでボクはよくワカラナクなった。新しい医者に向かってボクはナニを言うのか?フツウの患者は「ココが悪いんです、ココが痛いんです」という。ボクは、自分のドコがどのように悪いのかワカラナクなってきた。新しい医者にナニを求めるのか、ドコを治してもらうのか、イメージできなくなってきた…。

このギモンを、主治医のセンセイにそのままブツケル。
「あのー、ボクはドコまで行ったら治ったことになるんでしょう? ムカシみたいなハードコアなワーカホリックに戻るコトが「治る」ってコトじゃないですよね? でもドコまで行ったら「完治」なんですか? クスリがゼンブ抜けるまでですか?」
●答えてセンセイ、「それは、再発しないようになる、ってコトなんだけどね……あなた、よくなると思ったら悪くなるを繰り返してたでしょ。ああならなくなるコトが大事なんだけど…」……センセイ、この日は歯切れが悪い……。そんでしばし迷った上でこう言った。「うーん、まあ、コレをキッカケに卒業するっていうのも手よね!」
卒業ってのは、通院が終わるってコトですか!センセイ曰く、ボクの会社の診療所はある程度のクスリ(安定剤/睡眠薬)は十分出せる体制だし、心理カウンセリングの体制も整っている。だから、無理して新しい病院に行かなくても平気かも知れない。だから、今月いっぱいコンディションを崩さなかったら、通院終了。…おおお…!そんな思い切った提案があるなんて予想もしてなかった。はっきり言ってビビったが、悪くない提案だ。ホントにそれで済むなら大歓迎だ。さっそく会社の産業医とも相談してみよう。

●とはいいつつ、台風の影響で天気が悪くて、頭痛を起こしている今日のボク。こんなんでホントに平気なんだろうか?

●以前の「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。ご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-557.html



●「モダンジャズ」じゃなくて「プレモダンジャズ」。

FRANK SINATRA「NOTHING BUT THE BEST」

FRANK SINATRA「NOTHING BUT THE BEST」1962-1984年
●ヒヨコが大好きな「FLY ME TO THE MOON」も彼の重要なレパートリーだ。ヒヨコが好きになったから聴いてみた。エヴァ版「FLY ME TO THE MOON」とアクセントが全然違うので、ヒヨコは SINATRA バージョンに戸惑いまくってたけど。
●ビッグバンドを従えてポップソングを朗々と歌う FRANK SINATRA、基本はほとんどが60年代音源。でも「東京大学のアルバート・アイラー」菊地成孔さんに言わせれば、40年代発祥のビバップジャズと比べて「前近代的」「プレ・モダン」な種類の音楽なのでしょう。…結構目からウロコだったんだよねー!だって、シナトラもチャーリー・パーカーも同じジャズって言われちゃうと、そりゃホントかよ!って思うでしょフツウ。全然違うもん!やっぱアレコレ違うんだなーと納得したわ。あの本読んで。詳しいことは、実際にホンを読んで、皆さん各自で勉強してください。
●その一方で、「プレ・モダン」なジャズも決して「モダンジャズ」に負けない魅力もある。それは菊地成孔さんもハッキリ言ってます。COUNT BASIE のビッグバンドを従えての演奏とか立派だもんね。気分がゴージャスだしさ。あーあと、ANTONIO CARLOS JOBIN と共演したボサノヴァクラシックス「THE GIRL FROM IPANEPA」がイイ。そうだ、リオ、オリンピックおめでとう。

●それと、このベストの解説読んで初めて知ったんだけど、REPRISE RECORDS というレーベルは、シナトラが自分で設立した会社なんだってね!メジャー系と思ってあまり気にするコトもなかったのですが、しょっちゅう見るマークではあります。GREEN DAY とか、ERIC CLAPTON とか、はたまた DEVENDRA BANHART みたいなヤツも所属してるのです。

Reprise_records.jpg REPRISE RECORDS のマーク。

カードゲーム「バトルスピリッツ」、ノマドに完敗。
●先日、息子ノマドと折半して、「バトスピ」カードをハコ買いしてしまった。

バトルスピリッツ 【皇騎】 ブースター [BS05]バトルスピリッツ【皇騎】ブースター [BS05]

●これ、アマゾンに注文したんだけど、一箱に8枚入りのパックが20コ入ってるんです。ホントはお店がパックをバラ売りするためのパッケージなんだけど、それをハコ買いしちゃったわけね。結果160枚のカードを一気買い。大人げない買物だが、強力カードをゲットするにはもうこうするしかない。そんで、ノマドと公平にパックを半分に分け合ったのでした。
●パックの中にどんなカードが入っているかは開けてみてのお楽しみ…。ソコが一番のワクワクしドコロ。しかし開封してみてガッカリ。ノマドは超強力なエックスレアカードを三枚もゲットしたくせに、ボクはマスターレアカード一枚しかゲット出来なかったのだ。しょぼーん。マジショック。一方ノマドはガンガンに盛り上がってましたよマジで!
●コレが決定的な戦力差になって、どう逆立ちしても、もうノマドに勝てない。今まで集めてきた数百枚に及ぶカードコレクション(←つーかオマエそんなに集めてんのか)の組み合わせをイロイロ操作しても、雑誌「ケロケロエース」の特集記事を読みながら日夜カード研究をジックリやってるノマドのデッキ構成には対応できない。ボクが新しい戦術を考える前に、ヤツが新戦法を繰り出してくる。その上でトドメの最強&最凶カードを出す。で、ボクは死ぬ。マジ悔しい。大人げないが本気で悔しい。ボクは相手が小学二年生でもゲームは本気勝負なのだ。
●で、コレがノマドの今イチバン自慢のカード。

聖皇ジークフリーデン

「聖皇ジークフリーデン」
●コレが出たらもうオシマイだ。今のボクには成す術なし。ゲームを知らない人にはチンプンカンプンでしょうが、コレがどうにもこうにも強い。「レベル3」の特殊効果とか、もう反則だよと言いたい。この前までBB弾の空気銃で戦ってたのに、対戦車ロケット弾が配備されたようなインパクトだよ。
●ノマドがこのカードを使う瞬間ってのは、遠くの方からロケット弾が煙を吐きながらギューンと飛んできて(アメリカの戦争映画だと「RPG!」と叫んで味方に危険を知らせる場面ね)、着弾するまでに中途半端な2,3秒があって、「ヤベエ、死ぬよ死ぬよ!」とピリピリの恐怖に逆毛立ちながらも、何一つ対応できずに結局ドーンと吹っ飛ばされる感覚に近いのよ。一、二の三!ってテンポでゲームオーバーなのよ。だから、ノマドにコレを使うスキを与えない戦術を、今必死に考えてます。




●コドモの遊びにムキになるアホではありますが、大人らしく読書もします。テーマは、ジャズの歴史。


菊地成孔+大谷能生「東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編」

菊地成孔+大谷能生「東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録・歴史編」
●この本がホントオモシロくて、今週は会社帰りに必ず一時間お茶を飲みながら、キッチリ丁寧に読んでます。菊地成孔さんの文章は、ちょっとカッコツケ過ぎててスノッブ過ぎる印象があるので、ボクは今まであまり読むことがなかったのですが、この2004年に行われたこの講義は、二十歳前後の学生さんが対象だからか、実に噛み砕いた表現で、テンポよく簡潔に、ジャズの歴史を説明してくれてます。目からウロコな解説に「なるほどー!そうだったのかー!」的な感動がイッパイあります。
●実はまだ読んでる途中なんです。けど、この人が捉えている「モダンジャズ」、特に「ビバップ」世代の黒人ジャズプレイヤーたちの立場と、たまたまボクが今週ハマってよく聴いているデトロイトテクノに、ある意味での共通点を見つけちゃったような気がして、そんな勢いでキーボードに向かってます。


DJ ROLANDO「THE AZTEC MYSTIC MIX」

DJ ROLAND「THE AZTEC MYSTIC MIX」1999年
●アメリカ、ミシガン州デトロイト。この街は、黒人音楽の歴史で重要なポジションを担っている。何てったって、黒人独自資本のレコード会社として初めてヒットチャートにシングルを送り込んだR&Bレーベル MOTOWN の発祥の地なわけですし、GEORGE CLINTON 率いる P-FUNK 軍団もココに拠点を置きました。60年代R&Bや70年代ファンクなど、ブラックミュージックの一番濃い黒汁がこの街には滴ってたはずなのですわ。
●ところが80年代後半になると、この街の若い黒人DJが新型のダンスミュージックを開発します。デトロイトテクノと呼ばれるスタイル。少々型落ちした日本製のドラムマシーンなどを駆使して、純粋に踊るためだけの部品のような音楽を量産し始めます。中でも活躍したのが MAD MIKE JEFF MILLS という若者が立ち上げた UNDERGROUND RESISTANCE という組織。彼らが作る音楽は、従来のポップスをブッチ切る硬質な打ち込みサウンドで、ブラックミュージックの伝統からは大きく逸脱した、鬼子のような存在でした。従来のテクノは、むしろ黒人というよりヨーロッパの白人文化(ドイツの KRAFTWERK とか)や日本(もちろん Y.M.O.)のイメージが強くて、なんで突然変異のように黒人文化からこんな音楽が出来ちゃったんだろう?と、ボクは素朴に思ってました。
●このミックスCDは、その UNDERGROUND RESISTANCE (略して UR)の音源をふんだんに盛り込んだ内容。強いビートに少ない展開、決して派手ではない上モノ、ナイも当然のメロディラインなど、ストイックでハードテックな楽曲が矢継ぎ早に発射、そのままマッハのスピードで地球の重力を振り切り銀河の果てまで聴くモノを吹っ飛ばしてくれるシロモノです。DJ ROLANDO 自身はヒスパニック系で、アステカ帝国を連想させるジャケやタイトルは、彼のメキシコ的なルーツを意識したものかも知れません。アステカのピラミッドから観測される神秘の天文学が、UR のターンテーブル渦巻き銀河を見せてくれます。

デトロイトテクノと、モダンジャズ、ビバップ革命の接点。
デトロイトテクノの突然変異的発生と、ビバップジャズの誕生は、実は似通っているコトに気づきました。ココで言うビバップってのは、CHARLIE PARKER などのビバップ第一世代のコトね。連中はまだ20歳代の若造だったのに、第二次世界大戦に従軍することもなく、夜な夜なアングラなナイトクラブに集まって、ヘロインとかを決めながら驚異的なアドリブ技術をセッセと磨いておりました。もうその感覚は、菊地さんに言わせれば、音楽の「ゲーム化、スポーツ化」ってくらいの勢いで。
●で、このビバップは、あまりにも曲芸のような演奏にパッと見「コイツらやってるコトが意味わかんね」的に見えます。ただし、実は「ゲーム化、スポーツ化」というだけあって、厳然たるルールがあるんですわ。「楽曲のコード進行に注目して、このコードにあてはまる限りは何してもイイ」っつーのがビバップのルール。ビバップ以前の大衆音楽は、メロディがあってアレンジがあって全てが楽譜によって構築されていたわけです(手っ取り早く言って、いわゆる「クラシック音楽」をイメージしといて下さい)。しかし、ビバップは、そういうお約束をゼンブ剥ぎ取って、そんで西洋/白人的大衆音楽の伝統を断ち切って、コードのみに導かれて自分たちの黒人アイデンティティを構築していく、そういう運動となっていく訳です。さらに、当時の大衆音楽では当然のフォーマットだった、オーケストラをまねたビッグバンド形態を放棄して、少人数のコンボ編成でセッションする、そしてその時、楽器の役割分担にヒエラルキーを作らない、というようなルールが、突然変異的にストリートカルチャーとして出現したのです。菊地さん曰く「殆ど破壊的な切断作業を通して初めて、黒人たちは自分たちの音楽的歴史を形成していくことができるようになった」というコトです。
●……そしたら、デトロイトテクノも一緒じゃん!黒人の自発的な運動として「殆ど破壊的な切断作業」をした結果、恐ろしくシンプルでストイックで、外から見たら「意味がわかんね」的な音楽が出来た。アコースティック楽器に依存してたジャズは、複数の人間が集まって演奏されるモンですが、ビッグバンドに比べれば、コンボ編成は恐ろしくシンプルでストイックですわ。ソレが自動演奏のテクノロジーをゲットしたら個人一人で楽曲制作出来るようになった。コレが文字通りのテクノ。でコイツを黒人音楽の根底にあるリズム/ダンスという機能に純粋に特化させる。コレがテクノの最低限のルール。そして演奏としてのケミストリーは、二台のターンテーブルの上で起こる。ビバップ、モダンジャズ誕生の瞬間と一緒じゃん。

●テクノもう一枚。

MILLSART「EVERY DOGS HAS ITS DAY」

MILLSART「EVERY DOGS HAS ITS DAY」2001年
●このユニットは、UR の創始者の一人 JEFF MILLS が使う名義の一つ。他にも PURPOSE MAKER という名前でもリリースしてます。「THE WIZARD」とも呼ばれる彼のDJプレイは学生時代に何度も聴きに行ったもんです。そりゃもう最高でしたよ。3台のターンテーブルを駆使して編み出されるBPM160超えの高速ビートを大音量で浴びると、脳みそがギンギンになります。彼の黒い肌はクラブの暗い照明の中で怪しく艶めき、まるでプラスチックの樹脂で出来てるんじゃないかと思うほどでした。90年代で一番未来に近い音楽家の一人でした。
●彼が地元デトロイトでDJ稼業を始めたのは1983年といいます。そこから20年近く経った段階のこの音源。非人間的なストイックさが特徴だった彼にしてみると、少々意外なほど人間味を感じます。シンプルなテクノであることは間違いないのですが、スピードも落とし気味、少々ツタない手引きのキーボードが味になって聴くモノをリラックスさせます。彼の後輩にあたるデトロイトテクノのクリエイター、MOODYMAN THEO PARRISH のソウルフルな質感も連想させます。
●曲のタイトルには「THE NOMAD OF NIGER」(ニジェールの遊牧民)、「PLACE DE LA BASTILLE」(バスティーユの場所)、「PACIFIC STATE OF MIND」(心の太平洋)、「NIGHTS OF AFRICA」(アフリカの夜)、「SHIBUYA-KU」(渋谷区!)なんてモノが。テクノが民族や国境を越える普遍性を持っているコトを暗示するかのようなタイトル群。実はビバップも、コード進行に関わるルールさえ理論として呑み込めば、人種や民族に関係なく演奏出来るという特徴がありました。1950年代当時、被差別人種だったアフリカ系のアンダーグラウンドミュージックが急速に人気を得て、世界のポップミュージックの地図を塗り替えたのには、こうしたルールに基づく普遍性ってのも一因にあったと思えます。うーん、テクノとビバップ、意外と近い!