●ヒヨコのかけ算九九。「ヒの段」
「ヒいちがヒ! ヒにがじゅうヒ! ヒさんにじゅうヒ! ヒしさんじゅうヒ!」
●ヒヨコ小学二年生。九九がきちんと覚えられないので、創作かけ算を大声で暗唱している。
●じゃあ、ヒ×5はいくつなの?「うーんと、ヒじゅう!」ヒじゅうって数があるんだ斬新だな。

●そこにノマド小学三年生参戦。「オレものの段言えるぜ!」
「のいちがの!のにじゅう!のさんじゅうの!のしにじゅう!」
の=5なのね。「あたり!実は5の段!ののにじゅうの!」


●あーまもなく、ゼロ年代が本当に終わってしまいます。
この21世紀最初のディケイドを、誰かソウカツしてもらえますか?
ネット環境/ネット文化を中心にスゴいコトが起こったはずなのに、それは明確に歴史化/言語化されてないような気がしますので。幕末の混乱期にジタバタした脱藩浪人が150年後英雄になってたりするように、この10年に起こった出来事がモノスゴイ価値を持つかも知れない。そしてその渦中にいたボクらの経験が後の世に価値を持つかもしれない。100年後とかにね。


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●なんだか随分くたびれているので、家に閉じこもって70年代のフォークロック/カントリーロックを聴いているのです。フォークロック/カントリーロックと言えど、アメリカ西海岸/ロサンゼルスの音楽はやっぱり洗練されてて、優雅なグルーヴが実に甘美なのであります。

LOGGINS  MESSINA「THE BEST OF FRIENDS」

LOGGINS & MESSINA「THE BEST OF FRIENDS」1972~1976年
●さてこれは、JIM MESSINA KENNY LOGGINS というオニイさん2人によるユニットです。JIM MESSINA は60年代末のフォークロックバンド BUFFALO SPRINGFIELD のメンバーだった男。このバンドもフォークというイメージを裏切るグルーヴが実に優雅でよいバンドでした。そこから独立してフリーのプロデューサーになろうとしてたトコロに、出くわしたのが無名のシンガーソングライター KENNY LOGGINS 。異常に声が気持ちよく通るヒゲメンです。
フォーク/カントリーというルーツミュージックの表現に安住することなく、華麗なコーラスワークやゴージャスなアレンジで、二人は前へ開かれた音楽を鳴らす。「BE FREE」「VAHEVALA」といった複雑な構成を持つ楽曲はサイケカルチャーの残り香すら感じます。「HOUSE AT POOH CORNER(邦題:プー横丁の家)みたいな甘美なユーモアも実に興味深い。
●そんな彼らの姿勢は、70年代前半にかけて成熟していく西海岸カウンターカルチャーの動きとリンクしてるように思えます。目の前の秩序を転覆させようとしたヒッピーカルチャーは、その後自分たちの土地に深く根付く文化と結びついて、ある意味で洗練され、ある意味でポップになっていったのです。それが70年代前半という時期。このころのロスには EAGLES がいます。LOGGINS & MESSINAEAGLES はある意味で同じポジションにいたロックバンドでした。

●1976年でこのデュオは解散します。続く80年代はこれまた異質な時代なのでありまして、KENNY LOGGINS はバリバリのポップロッカーとして大活躍。映画「フットルース」の主題歌「FOOTLOOSE」、映画「トップガン」のサントラ一曲目「DANGER ZONE」などをヒットさせます。SONG FOR AFRICA「WE ARE THE WORLD」にも参加します。

●あ、LOGGINS & MESSINA のポップソング「YOUR MAMA DON'T DANCE」はその後、POISON というメタルバンドにカバーされてリバイバルヒットしました。コレが1988年のコト。この時期、ロサンゼルスは POISON をはじめ、MOTLEY CLUE、GUNS 'N' ROSES を輩出。LA メタルというシーンを作り出す。ロサンゼルスは時代によってクルクルと表情を変えていきます。


「龍馬伝」終わっちゃった。次作は上野樹里ちゃんか…。息子ノマドにとっては、信長秀吉家康が登場する時代の方が、トッツキやすいらしい。「ツギのも見るよね?見るよね?」ノマドが楽しむならパパは付き合うよ。でもその前に「坂の上の雲」だな。

羽海野チカ「3月のライオン」5巻。コレも泣けたわ。疲れてるのかな~ボクは。

羽海野チカ「3月のライオン」5巻


自律神経失調症とのお付合い(その120)~「大成功に戸惑う」
ナイナイ岡村隆史さん復帰。よかったねえ。「重たいうつ病」ってウワサもあったから、他人事には思えなくて。入院生活のコトとか、自分の番組を見るのを躊躇する感覚とか、すごく生々しい。ゆっくりゆっくり。

●ボクは今でもクリニックに通ってる。月二回のカウンセリングは絶対に休まない。服薬も毎朝毎晩を欠かさない。安定剤も睡眠薬もボクの生活の一部に完全に組み込まれてる。9月に異動した新しい部署にはボクのうつ病を知る人は2人しかいないが、ボクは自分の病気の現実をわすれたコトなど一度もない。内臓をゴッソリ持っていかれたような喪失感が、常にこびり付いている。

でね、こんなに通院してるとね、顔見知りも出来るのよ。
●今通っているクリニックは、フツウの内科に精神科がくっついてるトコロ。そんで決まった曜日にだけ外部からカウンセラーがやってくるという仕組みなのです。結果、ピンポイントの時間に精神科の患者が集中する。だから、通院回数を重ねるコトで決まった固定メンツが見えてきて、誰が精神科の患者であるかが分かってくる。ボクも相手もね。そしていつのまにか同じビョウキを患う仲間として、顔見知りになってしまうのだ。
●待合ロビーで、同世代の○○さんがぼやく。「今年ももうオシマイですねえ。ちゃんと働けた日と、休んでしまった日。どっちが多かっただろう」○○さんは好調と不調の乱高下が激しいことに長く苦しんでいる。「今月も一週間ヤッちゃったんです」欠勤するコトをボクらは「ヤッちゃう」って言い換える。
●ボクもずっと低空飛行ですよ…朝がツラクてどうしても立てない…ビョウキになる前には全く感じたコトのナイ感覚なんだけど、ナニかがコワくて心臓がバクバクする…頭が締め付けられる…そんなトキは午前中を全部休んじゃうんですよ。デンワ一本かけるのもコワい瞬間がある…知らない人に会うのがコワい時がある。
●○○さん「アクセルを思いっきりフカせるようになるのはいつなんだろう?」うわーその感覚死ぬほど分かる。以前はアクセル全開にして走ってた。でも一回完全にアクセルベダルを踏み抜いちゃったんだよね。そのアクセルがもう一度元に戻るなんてコトが今後あるのだろうか?あの時の高揚感を味わうコトが出来るのだろうか?

◇◇さんは若い女性だ。この人に驚かされた。「大成功」?
●この人は、ビョウキ以前はスゴく明るい人だったのだろう。好調の時は元気はつらつでビョウキであることなんて微塵も感じさせない。しかし不調の時はホントにマユゲがハの字に折れ曲がって「ダメだこりゃ」な顔になる。そんな人がボクの顔をロビーで見つけていきなり大声でヒトコト。「あ!unimogroove さん!ちょうどイイ所に!お願いです、その大成功のヒミツを教えてください!」…?大成功ってナニ?
「センセイに聞いたんです。イチバンちゃんと回復してる患者さんは unimogroove さんだって!成功者だって!」…そんな…ボクは成功してるだなんて感覚ないですよ…。「今度、時間作ってください!オハナシ聞かせてください!」本来元気だった人がビョウキのせいでヘンなギアに入ってしまったモードの、実に特徴あるトーンでまくしたてる。「ワタシ、また一ヶ月半ヤッちゃったんです!だからウマく行ってる人のやり方を知りたくて!」◇◇さんは一方的にしゃべって、そのままクリニックを出ていった。うわー。困ったなあ。
●センセイ変なコト言わないでくださいよ…大成功ってナンですか?「えーそんなコト言ってないよ、最近好調な人は誰ですかって聞くからちょっとナマエ出しちゃったけど」◇◇さんスゴい勢いでしたよ。「そうなんだよ、アレがあの人のビョウキなんだよ。好調だと病院に来なくなっちゃうし、完全に治ったと思い込んで仕事バリバリやっちゃうんだよ。そして大きく体調を崩す。それを繰り返してる」……◇◇さんからその後ボクに連絡はないのでホッとしてる。あの状態は直球で受け止める訳にはイカナイ。コッチもやられてしまう。病人に病人の世話は出来ない。

「大成功」って…。正直戸惑った。
●ボクはうつ病になって約2年間休職した。その2年間、アレコレの通院やリハビリを行った。そして去年6月に復職。来週の12月を迎えることができれば1年半を無事に過ごしたコトになる。9月には人事異動もあったが、環境変化にもなんとか対応している。コレは、他のビョウキの人から見れば「大成功」ってコトになるのか?
●でもね…もう元に戻るなんてあり得ないんだよ。ボクはただ、ビョウキであるコトを全部受け止めて、ソコから出来ることだけで生きていくコトを覚悟しただけなのです。イロイロな不自由を呑み込みました。自動車の運転、大好きだった旅行、コドモとのスキー、全部捨てました。


あ、でもね、今週は一つのチャレンジを課してみた。コンサート。
●音楽好きであるボクは、やっぱライブも大好きでありまして、病気になる前はかなり積極的にライブやコンサートに足を運んでおりました。多い時は週三回。でもね、ビョウキになって体力をゲッソリ失ってからは、あのスタンディングとか人口密度ギューギューのフロアとかにカラダが持ち堪えられなくなり、インストア的なミニライブを除いて100%行けなくなっていた。しかし今週は、敢えてそのコンサートへ立ち向かってみたのだ。もうね3年以上ぶりのコトだよね。
●休職以前からお付き合いのある人からお誘いがあったのだ。松下奈緒さんのオーチャードホールでのライブ。最初は今まで全てのお誘いを断ってきたように、今回もお断りするつもりだった。しかし冷静に考えてみると、松下奈緒さんのコンサートはクラシックベースの落ち着いたモノになるはずだ、会場も渋谷オーチャードホールだし。コレは行けるかも?

松下奈緒「SCENE 25 ~ BEST OF NAO MATSUSHITA」

松下奈緒「SCENE 25 ~ BEST OF NAO MATSUSHITA」
●今回のライブは、このベストアルバムのリリースに絡めて行われたモノ。「ゲゲゲの女房」でのブレイクを経て、1月もフジテレビのドラマで刑事役に挑戦するという松下さん。女優として着実にステップアップする中、ミュージシャンとしてのキャリアも決しておろそかにしない姿勢。「ゲゲゲ」にインスパイアされた曲(いきものがかり「ありがとう」ピアノカバー含む)、日テレでの仕事のサウンドトラックなどを中心にしたラインナップでした。
●ボクが個人的にこの人に興味を持ったのはナニゲに早いです。このブログを検索したら2007年段階で彼女のファーストアルバムをチェックしてました。当時は現役音大生。そして女優。なんかスゲエんじゃないの?と思ってた頃。
●でも生演奏を聴くのは今回が初めて。ピアノを弾く姿勢がキレイと素朴に感じ入りました。遠くから見ても目鼻立ちがハッキリ分かる顔…美人さんです…それと、なんかスゴく背が高い人みたいねえ。MCもこなれてて「だんだん」とか言ってました。年末の「ゲゲゲ」総集編は録画しようと決めました。バンドネオンの若手プレイヤー三浦一馬さん(弱冠20歳!)とプレイした「リベルタンゴ」が実にクール。そして彼女のオリジナル楽曲「f」。生エコーをピアノに施したバンドアンサンブルバージョンもよかったのですが、アンコールでプレイしたピアノソロの方が疾走感に加えて本来の構築美がしっかり伝わってタフに響きました。


●以前の「自律神経失調症とのお付合い」シリーズは下記の記事にまとめております。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-date-20100126.html


「メチャイケ」にムリヤリ話を戻して恐縮だけど、新メンバー重盛さと美ちゃん、本来のポテンシャルはもっとスゲエはず。ボク的には日本テレビ「PON!」での活躍が実に鮮烈で。アソコでの彼女の存在感は実にアナーキーなんです。この娘一体ナニモン?ってくらいにね。


「ほぼ日」ユースト生放送。矢野顕子さんがスカイプでNYの自宅から出演。なんてチャーミングな女性だろう!楽しいなあ。


●ハガレン最終巻を夫婦で読む夜。

荒川弘「鋼の錬金術師」27巻

荒川弘「鋼の錬金術師」27巻
●ボクはマンガの単行本を読む時は、前回のおさらいをしてシッカリ味わいたいので「前の巻を必ず引っ張りだしてソコから読み返す」という鉄のルールを自分に課しているのです。しかし!「ハガレン」26巻が家の中で見つからない。コレではこの最終巻を味わえない!そんでワイフと言い争い。「ハガレンはキミの管理のはずだよ」「アナタの汚い部屋の中に埋まってるのよ」「確かにボクの部屋は荒廃してるけどハガレンはない!」ワイフもこの最終巻をとても楽しみにしてたはずなのに、その手前で実に不毛なヤリトリ。
●で、どうしょうもないので、今回は前の巻ナシで読んだのでした。…そんでワイフと深く共感したのです。「あーん、なんか前の巻、そんなに必要ないね」ワイフ「戦って、勝っただけだねえ…あ、ゴメン、やっぱワタシの本棚から26巻出てきた…読む?」ボク「あー、なんか、もういいわ」

でもね。爽やかな最後でよかった。ちゃんとした少年マンガで終わりました。
●我が家において「ハガレン」は息子ノマドが一番最初に食いついたのです。しかし、あまりに陰惨なストーリーが登場するので、ワイフが読むのをヤメさせたという経緯があります。例の、錬金術師が自らの保身のために、妻や娘を犬と合体させて合成獣(キメラ)に変身させるエピソード。人語を解する魔法生物を生み出したとうそぶくのです。アレはアウト。コレはコドモに読ませられないとボクも思った。しかし。
あのドスグロイ路線で行くなら、もっと陰惨で残虐な結末になっても不思議じゃなかったのに。結果としてニコニコ笑ってオハナシは締めくくられました。5000万人の人命を一瞬で奪う大量虐殺システムの発動を阻止できるか否かが物語後半の最大の争点だったのに、そのスリルは26巻においてスカッと肩すかし。お馴染みのキャラクターたちはほぼ誰も死なずにハッピーエンドを迎えます。キメラのおっさんたちなんて絶対ザコのように抹殺されると思ってたのに、スゲエイイヤツになっちゃった。戦後処理まで丁寧に描かれて、新秩序新世界へと踏み出す登場人物の姿がとても爽やかであったのです。
●オトナの読み手としてのボクは、もうコレ以上あり得ないほどの最悪なカタストロフをドッカで期待してたりしてたんでしょうね。大事な人が陰惨に殺されて、大勢の命が蹂躙される破局を。だからこのハッピーエンドに「もういいわ」と思っちゃった。少年マンガにアリガチな無難な着地へまとまったと。でもこの作家さんは、健全で前向きな少年マンガであらんことを明確に選択したのでしょう。ソコには少年マンガ家としての一種の矜持みたいなものすら感じました。

●今週末は、羽海野チカ「3月のライオン」最新巻がドロップされる。これも要チェック。


●…つーか、音楽ブログのはずが、音楽の話題が足らないですよね…。実は音楽の聴いてる量だけで言うと、むしろスゴく増えてるほどなんだけど、量が多過ぎて咀嚼が全然できてません。
●今気になってるのは…70年代のフィリーソウル、ベイエリアファンク、60年代末のフォークロック、00年代ニューヨーク/ブルックリン系のロック、THE CURE 関連、80年代UKダブ、ユーロビート、そして宇多田ヒカル。

あら!来週で「龍馬伝」最終回なんだ!?なんか早いねえ。
●娘ヒヨコもショックを受けてました「龍馬さん死んじゃうの?」
●そんな昨今ですが、奇遇にも今日はコドモたちと「旧岩崎邸庭園」に行ってきたトコロだったのです。

IMG_0303.jpg

●龍馬の死そして明治維新を経て、ホンモノの大富豪に成り上がった岩崎弥太郎が、新聞記者のインタビューを受けて幕末の動乱を回想するシーン。その一部はこのお屋敷で撮影されてます。だから、一度ホンモノをコドモたちに見せたいなと思いまして。大きな洋館、広い芝生の庭園。ワリと気持ちよかったです。サスガに龍馬ブームとあって、メチャメチャ混んでましたが。ゴージャスな邸内を見回してノマド「これじゃあ自分の家の中で迷子になっちまう」なんて発言も。
●あ、そうそう奥まった場所にある和館もクールでした。低い位置に設けた窓から、畳に座って紅葉を愛でるデザイン設計などが小粋。ノマド「なかなかイイ景色だったよ」…最近オマエコザカしくなってきたなあ。一方ヒヨコにとっては、奥の畳の広間で抹茶ぜんざいが売られていたコトの方が気になってしょうがなかったようです。

●ただ、冷静にチェックしますと、ここで弥太郎さん本人が生活したことはないのよね。弥太郎さんが没したのは1885年。しかしこの建物が建てられたのは1896年。弥太郎の長男で、岩崎家三代目総帥の岩崎久弥さんがここに暮らしたといいます。…なんだよじゃああのロケは時代設定に誤りがあるんじゃん。おミヤゲ屋のオジさんが「来週はドラマの中で岩崎邸がまた登場しますよ」と自慢げに解説してたのにさ。

●戦後はGHQに接収されてた時期もありました。2001年から都立公園として一般公開。その存在をフツウに楽しめるようになったのは、ワリと最近のコトだったのね。へー。

●写真の様子をボーッと見てると、EAGLES「HOTEL CALIFORNIA」のジャケにちょっとだけ似てるような気がする。岩崎邸はキレイなアイボリーだけど、「HOTEL CALIFORNIA」のジャケの建物は実はピンク色してるんですよ。

EAGLES「HOTEL CALIFORNIA」(微妙に似てる?どうです?)


全然カンケイないけど。ヒヨコの工作。「ひよこケーキ」

「ひよこケーキ」

●空き缶に色ねんどを貼付けて、ケーキを作りました。ヒヨコらしく、たくさんのロウソクと共に、ひよこが一匹のっかってます。カワイイです。


●今日は見苦しくテンパる場面があって、オタオタしてるボクに先輩がヒトコト。「まー一旦落ち着いて温かいココアでも飲んだら。スッゴイ甘いヤツをさ」素で心配されました…トホホ。今の現場ベテランさんが多いから、「よしよしダイジョウブかい?」みたいな憐憫と同情と心配の入り交じった視線にボクは日々囲まれてます。前向きに考えれば「皆さんホントありがとうございます」ですけど、後ろ向きで考えれば「スンマセン役立たずで」という自己嫌悪で窒息しそうになる。…そんでマジで自販機まで温かいココアを探しに行ってしまったが、ホット飲料はまだ用意されてなかった…もう十分気温寒いじゃん温かいココア準備してよ。結果的にいろはすになっちゃったよ。

●で、現実逃避のタメに録り貯めた「アメトーク」をズルズル見ながら、仕事のことをムリヤリ頭からぬぐい去る。有吉弘行さんの高度なキッカケ作りが見事なメリハリになってて素朴に尊敬。ボク、彼のツイッター、キチンとフォローしてます。

●そんで現在は、アキバ系のUst番組がことのほかバカバカしく、ワリと目が離せない状況。完全に無駄な夜更かし。
●しかしそれをダラダラ見てるジブンが、なんか虚しくなりましたので。
●だから NEIL YOUNG を聴きながら寝ようと思います。

 NEIL YOUNG「HARVEST」

NEIL YOUNG「HARVEST」1972年
●いや、なんとなく、侘び寂びたい気分に浸りたくて。でも芸歴長い NEIL YOUNG は時代で作風が全然チガウからなあ。CROSBY STILLS NASH & YOUNG のような伝説バンドのキャリアもあれば、グランジの元祖という再評価があったり、なんちゃってテクノに走ってしまったり。そんな有様だから、名作の誉れ高いこのアルバムのドコがいいのかは、実はそんなによく分かってない。ハイトーンの優しい声を、疲れたアタマとカラダに染み込ませるだけ。

●あ、さっきまでは MICK TAYLOR 聴いてました。

MICK TAYLOR「MICK TAYLOR」

MICK TAYLOR「MICK TAYLOR」1979年
BRIAN JONES 脱退後、THE ROLLING STONES が一番熱くなる時代に所属してたはずなのに、なぜか影が薄過ぎるギタリスト。本当に価標評価され過ぎ!ブルースが大好きで「ストーンズじゃホンモノのブルースができない!」と主張して脱退していきました…。そんな彼のファーストソロなんですけど、1979年段階においては、彼の目指すブルースはサスガにオールドファッションすぎて(だってパンク革命が始まっちゃってる時期だからねえ)、アラバマの歌をノタクタ歌ってるサマは、甚だ微妙であります。だって完全なイギリス人なのに、アメリカの深南部の気分を歌うってのはね…。プロダクションも微妙に新しくて、泥臭さをもうちょっと足して欲しい感じ。
●なお、MICK TYLOR ストーンズ加入の際には、他の候補として JEFF BECK ERIC CLAPTON の名前も挙がってたらしい。ただ、既に自分のキャリアを確立させたタレントを組み込むのはヤダなーっていう見解から、その辺のビッグネームは避けたとのこと。でも ERIC CLAPTON はマジでストーンズに就職希望だったらしい。

iTune Store で THE BEATLES が売り出されたよ。
●で、40分のライブパフォーマンス動画をタダで見せてくれちゃってるよ。
●1964年、ワシントンコロシアムって会場のライブ。アメリカ初のコンサートだってさ。
●ボクは動いてる THE BEATLES をこんなにたっぷり見たことがなかったよ。
●で、ほんのり感動しちゃってたりしてる。自分でも意外なほどに!ゾクゾク!
●ああ、明日も早いのに。早く寝ないといけないのに。


●つーか、RINGO が予想以上にユカイなヤツっぽく見える。
PA がデタラメすぎる。笑っちゃうほど貧困。ドラムにもアンプにも一個としてマイクが立ってない。ボーカルしか PA してないみたいね…コレでお客は演奏が聴こえるのかな?


●たっぷり寝坊して、昼過ぎまでフトンでゴロゴロしてました。
●したらワイフもコドモたちもいつのまにか出かけてしまい、ボクは一人っきりになってました。
●だから今日はヒキコモリ。ひたすら本を読むのです。

塩野七生「ローマ人の物語・キリストの勝利」

塩野七生「ローマ人の物語・キリストの勝利」
日々の仕事に疲れた時、ボクは歴史の本を読みます。出来れば自分の生活に縁がナイ国の縁のナイ時代がイイ。日常から限りなく遠く離れた時空に、脳ミソをタイムワープさせるコトが、そのまま手っ取り早い現実逃避になるからです。ことこの本が描いている4世紀の末期ローマ帝国なんてのは、抜群の現実逃避スポット。ボクは1人カフェで紅茶を飲みながら、黄昏のローマ帝国に思いを馳せてました。
●強い猜疑心から容赦なく身内を粛正する冷酷な専制君主コンスタンティウス帝が、宮廷に巣食う宦官官僚にそそのかされて優秀な人材を抹殺していくドス黒い時代。キリスト教勢力を手厚く保護する政策を次々に打ち出し、ローマ帝国が元来持っていた価値観多様性の寛容精神がベキベキとスポイルされていく。そしてやがて到来する中世ヨーロッパの宗教制度的インフラをコツコツ準備するプロセス。うーむ、実に辛気くさい。辛気くさくて実にためになる。英雄の成功譚より愚者の失敗談の方がリアルに響くねえ。
「背教者ユリアヌス」の人生は痛快だった。由緒正しき血統に生まれながら、その血統が故に家族を粛正され自身も長く幽閉生活を強いられてきたユリアヌスは、慎ましい性格の哲学青年になっていた。しかしコンスタンティウス帝のムチャブリで、突然副皇帝という地位をあてがわれ、蛮族侵入の最前線ガリアに投入されてしまう。軍隊経験ゼロの貧弱な若者が、戦乱吹き荒れる辺境の地で、傭兵部隊の中へ身一つで放り込まれる。つまり「辺境で死ね」と言わんばかりの処遇。しかし彼の勤勉で公正な性格がいつしか周囲の信頼を勝ち得、目覚ましい戦果を挙げ、最終的にはコンスタンティウスを打ち破り真の皇帝に成り上がる。ヒーローだね。宮廷に跋扈した宦官官僚も全員追放しちゃうんだよ。
●天下を獲った彼は、ギリシャ&ローマ古来の哲学を学んできただけに、ローマ元来の寛容精神に則り、キリスト教偏重政策にブレーキをかけようとする、がコレには結局失敗。一神教の偏狭さと最後まで戦おうとしたが、その理想は既に一神教社会へ変質していたローマ社会には理解されなかった。その後、ローマ帝国はキリスト教を国教化。以後ヨーロッパはキリスト教を中心に回っていく。
塩野七生さんは、今度は「十字軍物語」というシリーズを発表していくという。第一巻がハードカバーで発売された。ローマ帝国の時代は同じ文化圏にあった中東と西欧が、この時代にはキリスト教/イスラム教によって分断され互いに戦うことになる。21世紀の現代でさえ解決困難な摩擦を、読み解くヒントになるだろう、って塩野さんは考えているようです。「この二つの一神教の世界に比べれば、わが日本の多神教の文明も捨てたものではないね」と本人談。

アミン・マアルーフ「アラブが見た十字軍」

アミン・マアルーフ「アラブが見た十字軍」
●この本は以前読んだヤツなんだけど、かなりオモシロい。イスラム教側の史料文献から見た「十字軍」の様子を、パリ在住レバノン人である著者がまとめたモノ。とかくキリスト教側から見てしまうこの歴史上の事件を、裏返して見る感覚が楽しい。
●2世紀にもわたる十字軍運動の時代は、文明の洗練で言えばアラブ世界こそが先進地域だった。産業も科学も経済もヨーロッパよりもズッと進んでいた。だから初期の十字軍は、アラブ人から見れば不気味で野蛮なエイリアンのように見えていたらしい。おまけに狂信的なんだから、実にヤバい。どんなに打ち破ってもワラワラと現れて「神の御心に」とつぶやきながら攻め上ってくる。まるでゾンビのよう。そして都市を略奪し、聖域を陵辱し、書物を焼く。大勢の民衆を殺す。
●アラブ側が十字軍に食い込まれた理由は、十字軍そのもののパワーというよりは、都市国家として分立する各アラブ諸候がお互いの利害に固執して一枚板の連動を成す事が出来なかったからのようだ。アラブの文明は洗練されていたが、支配階層の中は親子同士が殺し合うほどの権力闘争が常の状態で、外敵の対応にかまけていたら後ろから刺し殺される有様だった。西欧の世襲制度が比較的穏当だったのに比べ、アラブ側は明らかに跡目相続が残忍なトラブルへ繋がる。ココだけは劣っていたとしか言えない。「死を畏れない」自爆テロリストが今も大勢いるけど、そもそものトコロで命の単価が異常に安い気がする。簡単に人が殺される。
●十字軍運動は不毛な戦いだったように見えて、結局得をしたのは西欧社会だったようだ。後進地域だった西欧に、新しい科学技術や文物が移入され(製紙法、アルコールの蒸留技術、紡績技術などなど)、文化運動・ルネサンスが始動するキッカケにもなった。一方、アラブ社会はその後停滞の時代に入り、ヨーロッパの成長に追いつく事ができなくなった。1000年の時が流れようと、今なおアラブ社会が十字軍運動を西欧によるレイプのように受け止めているのは、無視できない感情なんだろうね。


●そんでマンガも読む。

高橋ヒロシ「WORST」24

高橋ヒロシ「WORST」24~25巻
●ネバーエンディングで続く不良少年群像劇。7代目武装戦線 VS. 安生鬼塚 E.M.O.D. の全面抗争勃発。「どーせなら歴史に残るようなケンカしようや!」痛快なケンカコミュニケーションは、ネットでは代替不可能なのよね。あ、あとレザーのライダーズジャケットと革パンが欲しくなった。
●全然カンケイないけど、「三代目 J SOUL BROTHERS」って表現、ボクには暴走族やヤンキーカルチャーに由来する感覚だと思う。

安彦麻理絵「恋は女の命の花よ」
安彦麻理絵「MEL-O-DRAMATIC REMIX」
●女子の本音がズルムケすぎてヒク寸前の笑い。安彦さん本人の自画像がブス過ぎてツライ…そこまでヒドくないのに…。

森下裕美「夜、海へ還るバス」

森下裕美「大阪ハムレット」3巻
森下裕美「夜、海へ還るバス」
●画がカワイイのに凄みのある人間模様を、大阪弁で包んで描く最近の彼女の芸風。「夜~」の方じゃレズビアンの世界に突っ込んで、自分の中にある暗がりを手探りで見つめる女性を描いています。

昨日の金曜日は、シモキタザワでお刺身食べてました。
●先週の金曜日は、六本木でカレー鍋でした。でも何を食べたかってのはそんなに重要じゃなくて。先週も今週も、かつて一緒に仕事をしてた人たちとの数年ぶりの再会でありました。ボクがうつ病を患って休職する以前のパートナーたち。今はそれぞれが新しい職場、新しいステージでとてもイイ仕事をしているようで、それが素朴にウレシいと思いました。
●かつての仲間と話すことで、病気以前のボクの感覚を客観的に捉えるコトが出来ました。かつては、とくに4年前あたりは、ボクはカリカリに緊張していて、メチャメチャ仕事に対して気負っていたんだなあと。あの頃は人と会うにしても食事をするにしても、ドコかピリピリしてたような気がする。昨日の食事は44歳の先輩とサシ飲みだったから、自分がことのほか甘えモードでリラックスしてるコトにちょっと感動。ボクはお酒を一滴も飲まないから知らないんだけど、本来はこのリラックスを得る為に人はお酒とおいしい食事を求めるのだろう、と今更ながら納得しました…。
●話の内容はそんなに明るくない…。業界全体の不景気、あのカイシャが倒産した、ダレダレが解雇された、フリーの身のつらさ、仁義を欠いても生きる為の自己主張を通す逞しさが必要、一円株主で会社を作って節税をするテクニックなどなど。糖尿、ヘルニア、健康の心配。奥さんが結婚してから20キロ太ったなどなど。
●それでも、今挑んでいる新しい分野の仕事を誇らしげに語ったり、6歳になった一粒種のムスコさんの写メを見せてくれたり、同居してる義理のお母さんと夜遅くに二人で日本酒を飲むのが楽しいと笑う様子は、ボクにとっては癒しでありました…ボクこの先輩に初めて会ったのは15年近く前なのに、こんな気持ちで語り合ったのは初めてだな…かつてはギスギスしてたナニかが今は存在していない…。


●息子ノマドは、ジジババの家に一人で遊びに行っちゃった。「ケーブルでカートゥーンネットワークがあるからね!「ギャラクシー渡辺のバトスピ講座」を見るんだ!」
●娘ヒヨコは児童会館のこどもクッキング教室へ。おいしいクッキーを焼いている。
●ワイフは、水槽のグッピーが突然出産したもんだから、あわてて赤ちゃんグッピーを別の水槽に移し替えてる。大人グッピーと同居させとくと赤ちゃんは速やかに大人に食われちまう。
●そんでボクは、いつも通り。音楽を聴く。


ツイッターで評判だった宇多田ヒカルの新曲PVを YOU TUBE で鑑賞。

「GOODBYE HAPPINESS」http://www.youtube.com/user/hikki#p/u/0/cfpX8lkaSdk

●YOU TUBE で自分の演奏を公開する素人さんと同じ気分で、ワンカメノーカット演出で仕上げました、ってのが本人初カントクのこちらのPV。カワイいって評判でした。
●でも、宇多田ヒカルは、同じワンカメノーカットアプローチをシングル「光」でやってたよね。こっちの方が素っ気なくて、むしろ潔く見える。曲&PV、共に大好きな曲でした。

「光」http://www.youtube.com/user/hikki#p/u/14/kOSNIIx5u_U

(見りゃ分かるけどね、蛇口をヒネるタイミングが音合わせなのです。オシャレなコダワリ。)


流行りのカバー物を聴いて楽しんでる。

UA「KABA」

UA「KABA」2010年
●今週はこの1枚に徹底的にやられた。UA までがカバーアルバムを出してるんだー程度の認識で手に取って、その濃密な音楽に圧倒されました。
●個人的には HIS「夜空の誓い」1991年にノックアウト。細野晴臣忌野清志郎坂本冬美が学ラン/セーラー服を着て歌うというユニットが歌ってたシングル。もちろん原曲をリアルタイムでよく聴いてた。20年近く隔ててカバーされたこの曲では、故・忌野清志郎のヴォーカルパートを、なんと甲本ヒロトが担当。これが実に感動的な仕上がりで。なんか涙が出てくる。
松任谷由実「きっと言える」1973年も、甘苦い仕上がりにシビレル。実はボク、ユーミンのアルバム全部持ってます。そのウチジックリユーミンについてもこのブログで語りたいと思ってます。
RED HOT CHILLI PEPPERS「UNDER THE BRIDGE」1991年、BJORK「HYPERBALLAD」1996年みたいなボクにとっての青春ソングも素敵だけど、「蘇州夜曲」1940年、笠置シヅ子「買い物ブギ」1950年、ピンクレディー「モンスター」1978年、薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」1981年などなど、日本歌謡史を突き通すような選曲にも唸らされる。バックバンドには LITTLE CREATURES青柳拓次&鈴木正人などなどが参加してるみたい。
UA がNHK教育の番組の延長でリリースした童謡カバーアルバム「うたううあ」2004年を思い出したなあ。コドモとワイフと一家四人でドライブをしながら、みんなでこのCDを鳴らして一緒にウタを歌った。「アイアイアイアイおさーるさんだよー」って。

杏「LIGHTS」

杏「LIGHTS」2010年
●あのさんがシンガーデビュー。そう、あの渡辺謙さんの。トップモデルで女優の。でコレがまたカバー曲なのよ。収録曲に KAN「愛は勝つ」、槇原敬之「どんなときも。」などなど…。どよよーかなりベタなジェイポップ選曲ですな。表題曲も DEBBIE BOONE「YOU LIGHTS UP MY LIFE」1976年の日本語カバーなんですって。
●ところが、これが意外なほど聴ける。女優の余芸と見くびれない説得力。スローでオーガニックなトラックをじわりじわりと丁寧に歌う彼女の声は、素朴なようでスッと耳に染み込む気持ちよさがある。ボクは「愛は勝つ」「どんなときも」みたいな押し付けがましい「励ましソング」がダイキライだったのだけれども、音の粒立ちが見事なアレンジ/プロデュースで、元来のバタ臭さが完全脱臭されてる。よく見ると半分は亀田誠治さんの仕事。ギターは佐橋佳幸さん。超一流。

新垣結衣「虹」

新垣結衣「虹」2010年
●女優の余芸のカバー物をもう一つ。新垣結衣ちゃんのアルバムなんて、音楽マニアとしては絶対期待するような物件と思えないでしょ。ところがコレがアナドレナイ!彼女の声は本来弱く細くてレンジも狭いと思う。ただしソコを逆手にとってウイスパーな透明感としてムリヤリでも仕上げ切る製作陣の根性がスゴい。多分カガクのチカラを用いてパズルのような編集もカマしてるかも知れない。でも結果としては立派に仕上がっており、ボクにとっては十分聴き堪えのある物件になってる。
●でサードアルバムである本作では、MONGOL 800「小さな恋の歌」のカバーが収録されてる。このパンク名曲のジェイポップカバーが素敵…。「ほらあなたにとって大事な人ほどすぐにそばにいるの ただあなたにだけ届いて欲しい響け恋の歌」この有名サビから「ほら…ほら…ほら…」って続く場面があるでしょ。この「ほら…」ジワーッとエコーで滲ませていくんです。ジワーーッとね。このエコーが素晴らしい。そうきたか、とヒザを打つアプローチ。もうこのエコー処理だけでゴハン三杯食えます。
●ついでなので、ガッキーの他のアルバムの聴き所にも言及しておきましょう。セカンド「HUG」2009年。これの初回限定盤Bってヤツが二枚組でして。でDISC 2 が通常盤13曲のアカペラを全て収録してるというド根性な規格。製作陣側がどれだけ彼女のヴォーカルに惚れ込んでるかがココに見て取れます。実際、この「NAKED VOICE VERSION」と名付けられたアカペラはガッキーの息づかいが生々しく記録されてて非常にフェティッシュなアイテムになってます。…普通に「うつし絵」「MAKE MY DAY」など高機能なジェイポップもちゃんと聴いてくださいね。
●ファースト「そら」2007年も、本人画によるドラッギー色彩な爬虫類ジャケが衝撃でした。楽曲提供にクラムボンミト、スネオヘアー、古内東子、つじあやの、安藤裕子、PE'Zヒイズミマサユ機(A.K.A. H ZETT M)などなど豪華なメンツが集結。ボクはミトのトラックが一番好き。

新垣結衣「HUG」(「HUG」初回限定盤B)

新垣結衣「そら」(「そら」初回限定盤)


オトナモード「雨の色/風の色」

オトナモード「雨の色/風の色」2010年
オトナモードってバンドは一度ライブを見たことがある。線の細い草食系男子5人組だったっけ。その線の細さを繊細さと言い換えて優しくプレイしてるのは、松本隆トリビュート。70年代初頭のはっぴいえんどまで遡って松本作品を丁寧にトレースしていく。「風をあつめて」、太田裕美「木綿のハンカチーフ」、原田真二「てぃーんずぶるーす」(←原曲が大好き!印象的なアウトロ!和製フリーソウル!)から、安田成美「風の谷のナウシカ」、山下達郎、松田聖子、アグネス・チャンまで網羅。そんでオリジナルが1曲。ボーカルの透明感を松本さんが気に入ってるみたいです。…あ、今ネットで検索したら、5人組のはずが今年6月からボーカルのソロユニットになってる。
オトナモード、綾瀬はるかによる松田聖子カバーのプロデュースもやってるようです。新垣結衣のアルバムでもインタールードの小品を提供してました。

YMCK  DE DE MOUSE「DOWN TOWN」

YMCK & DE DE MOUSE「DOWN TOWN」2008年
●2007年の PERFUME「ポリリズム」爆発でエレクトロがメジャー市場で注目を集めてた時期に、ジェイポップの王道とは違う場所で特殊エレクトロにこだわってたアーティストたちのスプリットミニアルバム。YMCK8ビットミュージックと銘打たれた初代ファミコン的ローテックビートを展開。DE DE MOUSE もダンスミュージックの様々な文脈を組み込んだハウスの鬼子のようなポジションを握ってた。そんな彼らがカバーするのが SUGAR BABE の表題曲や、ユーミン、ゴダイゴ、大貫妙子、そしてはっびいえんど「風をあつめて」。←この曲は本当にみんなに愛されてるね。
●そして「DOWN TOWN」。ボクにとってこの曲はリアルタイムの1975年ではなくて、80年代のお笑い激震地であったテレビ番組「オレたちひょうきん族」のエンドテーマであったことの方が印象深いのです。「暗い気持ちさえすぐに晴れてみんなウキウキ」そんなコジャレた歌詞がナカナカにアナーキーだったギャグの暴風(タケちゃんマン+ブラックデビルだもんね伝説ですよ)と絶妙にフィットして、とてもハイブロウな気分を演出してたんですよ。そんで土曜の9時に番組が終わると母親が風呂に入れと言う。それが我が家の習慣でした。そんな曲を聴くだけで条件反射が発生し、鼻腔の中が温かい湯船の匂いでイッパイになるという錯覚が起こるほどなのです。

浜崎あゆみ「CROSSROAD」

浜崎あゆみ「CROSSROAD」2010年
●このシングルの表題曲にはあまり興味はなくて、カップリングのカバーに引っかかりました。TM NETWORK「SEVEN DAYS WAR」!1988年の映画「ぼくらの七日間戦争」の主題歌。これ思い出深い映画なんだよね。中学生が管理教育に反抗してバリゲード封鎖を仕掛ける物語。ボクはリアルタイムで中学生でありましたので、この映画のアジテーションにモロに煽られました。ロックンロールに感電するのもちょうどこの時期。
●しかも宮沢りえ初主演作品でもありまして。「サンタフェ」も激ヤセも知らないピカピカの美少女の登場にマジで衝撃を受けました…実は彼女とボクは同い年。あの頃の宮沢りえさんを思い出すと、「ああステキなオンナノコはどんどんオトナになっちゃって、惨めなボクはチッポケ過ぎて気が遠くなる」と思春期のぐるぐるモードを初めて味わった時の奇妙な感情を思い出します。…20年以上経った現在でも「惨めでチッポケ」であり続けていることは、今はツッコマナイで下さい、死にたくなりますから。
●表題曲も「SEVEN DAYS WAR」も、小室哲哉楽曲です。小室哲哉さん、着実にキャリアを再建しつつあります。トコトンまで堕ちたヨゴレの印象も徐々に薄まってきたのかも…ツイッターでの彼の人当たりは好感度が高くて、根っコは真面目な人なんだろうなと感じます。90年代メガヒット期のエイベックス歌謡を形作った彼の音楽が、ガチでリバイバル評価されそうな予感がします……90年代リアルタイムでもボチボチのヨゴレだったとボクは思ってたので、素で賞賛されるとちょっとヒクかも。



●最近は、自分でも違和感のある音楽ばかり聴いてるような気がする…ボクが素朴に好きな音楽じゃないよなコレ?って思いながら、ソレでも聴いてしまうヘンテコな生理。不安だわ。



●本当に観たい映画はコッチでした。

「マザーウォーター」

「マザーウォーター」
●先日は「十三人の刺客」を観たなんてハナシを書きましたが、コッチの方がより楽しみでありました。「かもめ食堂」から始まるシリーズ第四作。トモダチは「なんにも起こらない映画だった」と言ったけど、このシリーズは、スクリーンの中で何かが起こるコトを期待する作品じゃないですから。むしろ、観るコチラのココロの中で何かが起こるタイプの映画。小林聡美さん/小泉今日子さん/市川実日子さん/もたいまさこさん、この四人の女性の、凛とした立ち振る舞いを観て、ココロがソヨソヨ動き出す感じが心地よいのです
●とにかく、女性たちの「地に足がつく感」が立派すぎて。小林さん=ウイスキーしか出さないバー。小泉さん=コーヒーしか出さないカフェ。市川さん=豆腐だけを作りつづける豆腐屋さん(当たり前か)。もたいさんに至っては、完全にナゾの人。文字にすると現実感がさっぱりナイ、オトギの国の存在にも思えますが、ウイスキーの水割りを作る動作、コーヒー豆を煎る動作、豆腐を水からすくい上げる動作が実にきめ細かくて、ドッシリとしたリアリティを持つに至っているのです。もたいさんは、ナニも作りませんが、もうね、歩いてるだけ、モノ食べてるだけで、十分説得力が出来ちゃってます。
●そんな「地に足がつく感」で、自分の生き方をガッチリグリップしている女性たちの、清々しい生活を見てると………うわボクちっこいコトでウジウジしてるよなあーって気分になるのです。男性キャストたちは、女性陣に比べたら少々頼りない感じ。加瀬亮さんは小林さんにちょいちょいボヤイてるし、光石研さんは小泉さんにポーッと見とれてるし。そんな調子にボクは自己投影して、もたいさんに説教してもらいたいなーなんて気持ちになってくる。「アンタ若いのにつまんないこと言うね!」男子はいつもブレブレのヨレヨレだから、しっかりした女性に調整してもらいながら、うまくバランスをとって走っていかないといけないんだろうな。あ、小林さんのセリフで気になったヒトコトが。「青少年がそのまま年取っちゃうとタイヘンだよ」ど、どのようにタイヘンなんでしょうか?幼形成熟でココまで来ちゃったボクには、ナニゲに不安なコトバでした。
●映像のペースは実にゆったりとして、かつシンプル。カットひとつひとつが実に長くて、カメラも極力動かさない。空間を広く写して、俳優よりも風景を優先、空気感を目一杯吸い込ませてます。そして音。細かい音を丁寧に録音してます。トーストを齧る音。グラスの氷を転がす音。コーヒー豆を煎る音。天ぷらを揚げる音。日常にありふれてるはずの音が、キラキラ輝いて聴こえます。カントクは新人・松本佳奈さん。1981年生まれ。

それと、光石研さん、最近気になる。
●ドラマ「Q10」佐藤健くんのお父さん役。「十三人の刺客」でもカッコ悪い官僚武士として登場。「悪人」でもチョイと出てた。印象的なのは「紀子の食卓」園子温監督作品。壮絶な家族間摩擦を父親として戦い切る様子がスゴかった。ちなみにこの「紀子」でボクは吉高由里子の存在を知りました。


「マザーウォーター」の主題歌は、大貫妙子さん。

大貫妙子「コパン」

大貫妙子「コパン」1985年
●ということで、大貫さんの音源をゴソゴソ探し出した。380円で入手して放置してた物件。映画主題歌は地に足ついたスローなスタイルでしたが、このCDはサスガに25年前リリースとあって感触のチガウ、80年代ニューウェーヴ・ポップスでございます。アレンジャーに坂本龍一。ゲストミュージシャンに THE BRECKER BROTHERS OMAR HAKIM などが参加。予想以上にファンキーな80年代フュージョン・グルーヴに彼女の透き通った声がフワリとノッかってます。結果、キュートでポップ。……実はこの人の音楽は今まであまり聴いてこなかった。元を辿れば SUGAR BABE の一員としてキャリアを起こした人、もっと研究してみたい。


今日はシモキタザワの隣の駅、池ノ上周辺の文化祭。
●商店街はフリーマーケットで大賑わい。有志のオジさん達が焼きそばを焼いています。近所の公民館ではビーズ作りや射的コーナーに子供たちが大集合。ノマドやヒヨコのクラスメートが参加してる、小学生ゴスペルサークルのパフォーマンスを見て(OH ! HAPPY DAY !)、PTA のお母さん達が作る豚汁50円を食べました。
●そんでお買い物。ヒヨコはピンクのイルカのぬいぐるみを、ノマドはVガンダムのフィギュアを、ワイフは山岸涼子「テレプシコーラ」の単行本を、ボクはLPレコードを2枚買いました。ヒヨコに「パパ、レコードの買い過ぎには気を付けて」とたしなめられました。


●そんで今日の収穫。各500円。超お買い得。

ROSA LUXEMBURG「ROSA LUXEMBURG II」

ROSA LUXEMBURG「ROSA LUXEMBURG II」1986年
●うっひょーローザ・ルクセンブルグだよ!オリジナルLPだよ。これが500円だよウハウハ。素晴らしい掘り出し物に感激。こういうのが見つかるからフリマはたまらないねえ。
BO GUMBOS ~ソロで独自の雑食性音楽を紡ぎながら00年に急逝したどんとの、最初のキャリア。もちろん同じ名前の社会主義運動家ローザ・ルクセンブルグが名前の由来。世界史の教科書のスミッコに出てきた、官憲の手にかかって殺される人ね。とは言いながら、実はボクはこのバンドの音楽を聴くのはコレが初めて。80年代って連想から、もっとササクレだったニューウェーブサウンドだと思ってた。予想以上にファンキーだったり、ドゥーワップやレゲエっぽい意匠が振りまかれて実にカラフル。もちろんストレートな80年代風ロックのテイストも気分としてとても楽しい。どんとのチャーミングなボーカルはこの時代から健在。「さわるだけのおっぱい」ってサビフレーズとかイイね。
●1983年に京都で結成された ROSA LUXEMBURG は1984年 NHK のコンテストで細野晴臣らに賞賛され、1986年にこの作品を含めた二枚のアルバムをリリースする。しかし翌1987年には音楽性の相違でバンドは分裂。ルーツミュージック路線を突き詰めるべく、どんととベース永井利充BO GUMBOS を結成することとなる。

IGGY POP「LUST FOR LIFE」jpg

IGGY POP「LUST FOR LIFE」1977年
ローザ・ルクセンブルグの発見にトキメイて、ついでに勢いで一緒に買ったもう一枚。やっぱ500円。THE STOOGES で大暴れした時代を通り超え、DAVID BOWIE とつるんでいた頃の時代の IGGY POP。数曲を BOWIE と共作、バックバンドに BOWIE もしっかり参加してるんです。つーか、DAVID BOWIE のアルバムを聴いてるかと錯覚するほど BOWIE 色に染まり過ぎてます。THE STOOGES の狂気と比べてしまうと、うーん、微妙です。
●表題曲「LUST FOR LIFE」は映画「トレインスポッティング」でガンガンフィーチャーされたロックンロール。まだボンクラ大学生だったボクには、甘い思い出のある青春映画でしたねイアン・マクレガーもまっさらな新人だったし。


●そうそう、今週は映画を観ました。
●ワイフとコドモたちは祝日に「怪盗グルーの月泥棒3D」を観に行ってました。祝日も変わらず仕事のボクは、一人で最終回の血みどろ映画を堪能。

「十三人の刺客」

「十三人の刺客」
●本来はもっと観たい映画が他にあるはずなんだけど、ついつい観に行ってしまった三池崇史監督作品。コレは映画監督・金子修介氏が早くからツイッターで賞賛してたモンで、そこで気になっちゃった。その他でもツイッター各所で評価高かったです。金子修介さんは少女時代の熱心なファンでもありまして、彼のツイートでボクも韓流アイドルを冷静に認識できるようになりました。
●でコレ、実にシンプルな暴力映画です。十三人の侍が、200人超の大名行列を皆殺しにする。ソレ以上もソレ以下でもない。潔いですよ。伊勢谷友介「龍馬伝」での高杉晋作よりもコチラでの野人な演技の方がカッコよかったです。…しかしコレ外国の人が観たらどんな風に思うだろうね。「侍」とか「切腹」とか「主君への忠義」とか「使命に殉ずる」とか、登場人物たちの思考様式は、時代劇全般で当たり前のように消費されてる価値観の延長(極端な延長ではあります)だけど、その前提を100%知らない人が観たら、純度の高いサドマゾ的「狂気」にしか見えないよね…。

ツイッターの迫力。なんだかんだでツイッター情報に振り回されてる。
「十三人の刺客」は完全にツイッターが動機付けになって観てる。「美術手帳」村上隆特集も、ツイッターであまりに評判だから買っちゃった。おまけにその前の号の佐藤雅彦特集は、村上隆さん自身のツイートがキッカケで買っちゃった。実はツイッターがボクの消費行動を操ってる。
●尖閣ビデオ流出も、批評家・東浩紀のツイートで知ったんだよね。アレは結構早かったはず。終電で帰宅中だったボクが彼のツイートを察知し、家に到着してPCで検索した段階で sengoku38 氏の動画再生回数はまだ300回程度だった。ヤバいヤバいこれは誰かに知らせねばと思って、深夜一時でも絶対起きてるはずのトモダチ一人に直接電話した…で、ゆっくり風呂に浸かったタイミングで、あれ冷静に考えてこれこそツイッターで拡散すべき情報じゃね?と初めて思い付き、あわててジブンでつぶやいたがその時には大手新聞社がネットに記事を上げてました。ボク自身は全然ツイッター使いこなせてないねえー。


●コドモはコドモで一生懸命ですね。

「こびと観察入門1」

なばたとしたか「こびと観察入門1」
●ノマドに頼まれて、ヴィレッジヴァンガードで買って来ました。ノマド小学三年生の周辺では、マジのマジで、真剣な「こびと捜索」が行われているのです。チッチやタッちゃんが捜索隊を組織して、アレコレの道具を準備して放課後の町内を走り回っているとのこと。そして衝撃の最新ニュース。ノマドによると「シュイが、ホトケアカバネの羽根を見つけた」らしい。これで「あんなの子供っぽい」と最初は実在を信じてなかったノマドも「もしかしたら本当にいるかも知れない」と思った模様。「アリエッティよりもコッチのこびとの方が本当にいるんじゃないか?」とノマド真剣考察。「でもこの写真、なんかフィギュアっぽいんだよなあ」その印象はやっぱ否めないよな。

ノマド「こどものくに」に憤慨。
「こども」というネーミングから「子供ダマシだ!」と完全に斜に構えてたノマド。渋々秋の遠足で行ったところ、よりプライドを傷つけられたという。なんとゴーカートに身長制限があり、チビのノマドは運転不可!トモダチが楽しくドライブするのを尻目に、二人乗りの後部座席という屈辱的な立場に甘んじた。「パパ、来年までに10センチ背が伸びるかな?」10センチはさすがに大変だな。「身長制限まで10センチあるんだよー四年生になっても運転できなくて、三年生の後ろに乗ることになったらサイアクだよー」そりゃ確かに最悪だ。


実は金曜日、久しぶりの飲み会で朝四時まで六本木をフラフラしてました。
●今日の「龍馬伝」では、龍馬が飲んだくれて朝帰り。あわてて帰ったらお龍さんがピストル握って怒ってる。ワイフ「ワタシもこのくらい怒ってるんだけど」龍馬「すまん!一生の不覚じゃった!」ワイフ「まだ謝ってもらってないんだけど」ボク「すみません」ヒヨコ「すみませんだけじゃダメだよね」ボク「ノマド、オマエも気をつけろよ!オンナノコへの謝り方、勉強しておくように。不覚じゃった!」



●むー、風邪気味っぽい。
●クスリを飲む。……でも、調子悪い。
そうだ、なんかオイシいものを食べよう!体調が悪い時、ケミカルなクスリばかりに依存してるのがよくない。好きなものを楽しく食べると、気分が晴れるような気がする。…という当たり前の事実にハッと気づく。

稲庭うどん

●そんでランチは、新橋駅ビル二階「七蔵」の、稲庭うどん。
●暖かい季節にはゴマだれスープの薬味にふきのとうを刻んでくれるんだけど、今の時期はなめこが入ってる。ランチセットで海鮮系どんぶりも付く。
●今までナニも考えず食べてたけど、今日初めて知った知ったことが。稲庭って秋田県にある地名だったんだ…。
ボクは今まで食生活に無頓着すぎたんだよね。だから不健康なんだろう。今度から体調悪い時は、美味しいモノを探そう。そうすると元気になれるような気がする。
●夕ごはん、ワイフが作ったカボチャの煮転がしもオイシかったよ。


●マンガ生活。

山口貴由「シグルイ」15巻

山口貴由「シグルイ」15巻
●どこかキワモノ感たっぷりの露悪的な陰惨残酷表現ムキダシでビリビリしてたこの作品。しかし物語の完結に向けて、血みどろの武士たちの闘志は浄化/純粋化されて、透明感あふれる美しさまで感じさせる境地にまで至った。ソコに来て、最後の結末がこんなに苦いなんて…。グッサリヤラレタよ…。
●なお奇才・山口氏の新連載は「エクゾスカル零」とな!なんと出世作「覚悟のススメ」の続編なり!超期待!


武富健治「鈴木先生」10巻
文字が多い…読むのが大変。ただでさえ細かい感情の機微を子細に理屈っぽく説明するこの作品、文化祭のお芝居を巡って鈴木先生の演劇理論&演出メソッドが炸裂!普段はソワソワ心配&自問自答ばかりしてる鈴木先生が、見事なアジテイターとして生徒をブンブン振り回す。演目が「ひかりごけ」ってのもタフだよね。
●巻末の解説がオリエンタルラジオ中田敦彦。シリアスな文章に好感。最後まで読むべし。



●居心地のイイヒップホップ。

LORD FINESSE  DJ MIKE SMOOTH「FUNKY TECHNICIAN」

LORD FINESSE & DJ MIKE SMOOTH「FUNKY TECHNICIAN」1990年
●やっぱボクにとって一番シックリ来るヒップホップって、90年代初頭モノだなあ。ブロンクスを根城にしたクルー D.I.T.C. 一派は特に重要。DIGGIN' IN THE CRATES、つまり「エサ箱の中を掘る」という美学は、クソ音源を味わい尽くすボクの音楽嗜好に深い影響を及ぼしました。
LORD FINESSE はこのクルーのリーダー。少し高い声で小気味よくラップしてくスタイルがイイ。トラックメイキングは D.I.T.C. の盟友 DIAMOND D や、その後 GANGSTARR で活躍する DJ PREMIER が担当。JAMES BROWN などをサンプルして組まれたループは、一万回聴いても飽きない洗練の極み。独特のファンク臭を残したまま硬く黒く結晶するグルーヴは、90年代ヒップホップの真髄。
●…むむ?今ウィキ読んで知ったんだけど、FATBOY SLIM の一大ヒット「ROCKAFELLER SKANK」の超有名リフライン「RIGHT ABOUT NOW, THE FUNK SOUL BROTHER !」LORD FINESSE の声なんだって!

SHOWBIZ  A.G.「PARTY GROOVE : SOUL CLAP」

SHOWBIZ & A.G.「PARTY GROOVE / SOUL CLAP」1992年
●2006年に再発されたこのヒップホップデュオのシングル編集盤。もちろんコイツらも D.I.T.C. の中核メンバー。SHOWBIZ がトラックメイカーで、A.G. がラッパーです。ジャズサンプルの軽やかさと硬いスネア、ファットなベースラインが実にクール。SHOW & A.G. 名義でも名作を出してますのでチェックしてね。

ED O.G.  DA BULLDOGS「LIFE OF A KID IN THE GHETTO」

ED O.G. & DA BULLDOGS「LIFE OF A KID IN THE GHETTO」1991年
ED O.G.ボストンを拠点としたラッパー。90年代以前の黎明期ヒップホップはニューヨークこそが圧倒的優位を誇っていた。そんなヒップホップの首都と微妙な距離感にあるボストンのシーンはどんなモンだったのだろう?ココに聴こえるのはミドルスクールのファンクネスと地続きに繋がる迫力と、ニュースクールに見えるどこかユーモラスで柔らかなグルーヴの同居状態。ニューヨークの影響を絶妙な加減で自らの血肉に変えた印象。

X CLAN「TO THE EAST, BLACKWARDS」

X CLAN「TO THE EAST, BLACKWARDS」1990年
●ミドルスクールとニュースクール、80年代と90年代初頭のヒップホップを区切るトレンドの境目には「アフロセントリズム」(アフリカ中心主義って訳せばイイの?)があると思う。ブロックパーティを賑わすラップやゲットーからの戦闘的な異議申し立てを乗り越えて、アンチ人種差別運動の理論的裏付けを音楽にオトし込むパフォーマーが数多く登場したのがこの時代の特徴だ。メダリオンを首から下げて、アフリカの民族衣装を身にまとうようなファッションが流行った。ブラックナショナリズム、アフロセントリズム、イスラム教への改宗などなど、ホワイトアメリカに対する理論的&実践的批判がヒップホップカルチャーに浸透してきた。X CLAN はそんな音楽を鳴らしてる。
●かといって、別に音楽そのものが難しいワケではない。むしろファンクとしての打力は今日の音源の中で一番シンプルで一番強いかも。FANKADELIC の大ネタをそのまんま投下するし。ゴツいキックと太いベース、そして大味な四つ打ち。ときどきアフリカチックなサンプル。



全然カンケイないけど、ナイスな動画を発見。
iPhone 4つを駆使して LADY GAGA「POKER FACE」を演奏するオンナノコ。キュート!技術革新が若い才能にどんどんチャンスを渡してる!