うー。大分参ってる。
●真夜中の3時というのに、突然コイケヤポテトチップスのりしお味がどうしてもどうしても食べたくなって、一気に一袋たいらげた瞬間です。なんか、完全に神経が参ってる感じがします。先週までは全然睡眠が持続しなくて、忙しさに全く食事もとれなかったのに、週末を境に、どんなに眠っても全然眠気がとれない。異常に喉が渇いて、そして空腹感が止まらない。全身の筋肉が緊張して、カラダ中が痛い。ストレスからか胃が痛い。吐き気がする。ああ、ビョウキが再発しそうだ。
ワイフの、不気味な寝言や、悲鳴のようなうめき声にも、大分疲れました。ボクがどんなにヤバいか説明しても、眠ってる本人には自覚がないので「大丈夫だ」と取り合ってくれない。でも、明らかにおかしい。つーか、ボクがおかしくなる。ワケの分からないうわ言に、いちいち目が覚めてしまうので、ホント疲れる。


地震対応の最前線部隊として、被災地に行ってきた(そして今週も再出発した)先輩。
●廊下でスレ違った時に声をかけた。いつも明るい人なのにヒドく消耗してたからだ。先輩「ヴェトナム戦争の帰還兵が国に帰ってからオカシクなっちゃったって話、もしかしたら今のオレと同じかも。夜になると毎晩涙が止まらないんだよ。ニュース見てもボロボロ泣けてくる」…返す言葉がない。

4月の人事異動で、ボクは地震対応から完全に剥がされた。
●しかし全然気持ちは落ち着かない。あの緊張状態からは解放されたが、ココロの性根にモヤモヤを抱えてしまった。ボクは、今回一般からの震災に対する意見を取りまとめる仕事に携わったが、これが実に辛かった。被災地からの切実な悲鳴が苦しかった。ボクはコレを徹夜で読んでホントに憔悴した。涙があふれて止まらなかった。被災地以外からの意見も強烈だった…詳細は書けないけど、吐き気が止まらなかった。渾身の怒り、憎しみ、憤り。なんでこんなにヒドいことが言えるのだろうという罵詈雑言も少なくなかった。数千人分のネガティブな感情を一身に受けて、アタマがおかしくなりそうになった。

●美容院に行っても、話題は地震のことばかりだ。
「スタッフの中には、国とマスコミの言ってるコトは絶対に信じない!といって、口にする全ての料理をミネラルウォーターで作ってるのもいるんですよ」と美容師のお姉さん。うわーそうなっちゃうんですか。そんなコトしたら、ホントの乳児にきれいな水が回らなくなっちゃう気がする…。それじゃ国の言うことを信じないで、どの情報を信じるんですか?「ツイッターとか?でもアレも色々なコト言っててわかんないです」美容師さんたちは気軽にチェックできる情報ソースが携帯経由のツイッターしかないので、地震当日も震災の規模が全然わからなかったそうだ。だから不安でしょうがなかったとか。
●実は、ボクにとってもツイッターは強力な不安の感染源だ。フォローを整理すべくリムーブに着手した。リツイートが多過ぎて、全く知らない人の訳のワカラナイ意見までどんどん放り込まれてしまうからだ。これはカウンセリングの先生のススメでもあった。

●カウンセリングの先生いわく。
ネットに意見をドンドン上げている人は、この混乱の中で交感神経が優位になって、世間に自分の意見を表明しなければイケナイ、という義務感に駆られてるのでしょう。それは一種の正義感から発してるから、やや過剰になり過ぎてるとしても自覚できないはず。いままで原発の話題など取り上げなかった人たちが一斉に原発一色に染まっていく。確かに本人は冷静に意見してるつもりでしょう。それはコチラがその状況を斟酌して、多少割り引いて接してあげなければならない。…まあ、シンドかったら距離をおくしかないよね。
●大事なことは、誰もが神経質になってしまうことは正常な反応であって、今回の状況が異常なんだということ。あくまで異常なのは今回の災害であって、そこにツライ悲しいと感じるのは当たり前、むしろ正常だということは分かっておかないとね。アナタは被災者じゃないが、ややその不幸に呑まれてしまってるようだ。自分はナニもできてないという罪悪感とかね。それはある意味では正常な反応だけど、状況が異常過ぎるコトにも客観的になること。


●優しく神経を慰撫してくれる、奥ゆかしいインディR&Bを聴いてる。

ERIC ROBERSON「THE VAULT - VOL. 1.5」

ERIC ROBERSON「THE VAULT - VOL. 1.5」2004年

ERIC ROBERSON「...LEFT」

ERIC ROBERSON「...LEFT」2007年
●今は、気分をアゲてくれるダンスミュージックやヒップホップを聴く気になれない。かといってダークな音響に身を浸す勇気もない。このシンガーは、ニュークラシックソウル~ネオフィリーソウルの文脈にあるソングライターでニューヨークのディープハウスシーンにも関係がある人物。単純な古典回帰に納まらないモダンかつクールな音像が00年代のスタイルだが、繊細で奥ゆかしいファルセットが実に優しくて気持ちを落ち着かせてくれる。クラブ仕様とジャズ志向の交差点が90年代のアシッドジャズに近い手触りさえ感じさせる。STEVIE WONDER をも彷彿とさせるメロディ/コーラスアレンジがチラリと登場すると、ホントに救われる気分だ。

スポンサーサイト

●あの地震が発生してから、もう数ヶ月が経ったような気分だ。

疲れた……。

●木金を徹夜で働き、終電でやっと家に帰りついた後。リビングのこたつに入った瞬間、そのまま動けなくなって失神するように眠ってしまった…。こんなにボロボロになるまで追いつめられたのは何年ぶりのコトだろう。風邪をこじらせて声が潰れた。咳と悪寒が止まらない。
●というか、体力よりも、精神的にエグラレた気分だ。正直言って「恐い」と思った。日曜日が終わる今、やっと気持ちが落ち着いてきて、ブログを更新する気力が出来た次第だ。


結局、地震発生の緊急対応に組み込まれて、ボロボロになるまで働きました。
●全く予想のつかない方向へどんどん進展していく状況。被災地から届く陰惨な情報。ポンポンと爆発する原子力発電所。続く余震。そしてなによりも辛かったのは、大量の情報に翻弄されるコト。マスコミもネットも、奇妙な熱に浮かされたように、ヒステリックな叫びを上げてる。震災直後にはその安定力が頼もしかったツイッターは、今やデマゴギーの絶叫の場所になってしまった。いくつかのデマにはホントに苦しめられた。果たして自分の対応が正しいのかどうか自信も持てず、すぐに職場を放棄して家族に会いたいと思った瞬間も。

ワイフもすごく消耗していた。ボクが徹夜勤務から帰ってきた時は、あまりに顔色が悪くてビックリした。コドモのクラスでは既に20%以上の生徒が疎開して教室から姿を消した。ママ友から渾身の善意でデマメールが届く。開店前からスーパーには行列ができて、在庫切れで早く店が閉まる。あまりの品不足に感覚がおかしくなる。ココは被災地じゃないのに。フツウの場所でフツウの暮らしをフツウに過ごそうとするコトが、間違ってるのか?


●そんな時、自分の正気を保つために聞いてた音楽。

FRIPP  ENO「NO PUSSYFOOTING」

FRIPP & ENO「NO PUSSYFOOTING」1973年
KING CRIMSON の頭脳 ROBERT FRIPP ROXY MUSIC の奇才BRIAN ENO がタッグを組んだコラボアルバム。20分前後の長尺楽曲が2曲だけ収録された偏差値の高いプログレ実験。ENO が構築するテープレコーディング音響に、FRIPP がギターで淡い輪郭線をなぞる。ビートもリズムもない空間を、エレクトロニカな響きがただひたすら漂うだけのアンチクライマックスな抽象芸術。その後 ENO が打ち立てた「アンビエントミュージック」という概念を先取ったコンセプト。ただ、それが発表から40年近く経った現在においてどれだけ刺激的かというと、実はそうでもないかも…という意味で過小評価してた作品。
●でも、この音源が、震災に始まる激しい周囲の雑音をシャットアウトしてくれた。ENO が用意した音響風景に、FRIPP がギターでジックリとインプロヴィゼーションを展開していく。感性と感覚を研ぎすまして、今ココで選び取るべき音を即興的に鳴らしていく。ボクは目をつぶってこの音に集中し、今ココで選び取るべき自分の行為をジックリ見つめる。FRIPP のギターは張りつめた糸のように緊張している。ボクは今慎重に自分の歩くべき道を、綱渡り芸人のように探り出さなくてはならない。すごく静かな場所に意識を持っていく。
音に合わせて深呼吸する。肺のどの場所に空気が入っていくか観察する。鎖骨の裏、肋骨の端、胸骨の中、肩甲骨のそば…。肩甲骨から呼吸が抜けてソコから羽根が生えていくイメージを作る。雑音と不安をココロとアタマから閉め出し、自分の場所を確認する。ブレるな自分。不安に飲まれるな。今やれるコトを真心込めてやりきれ。


NEIL YOUNG「LIVING WITH WAR」

NEIL YOUNG「LIVING WITH WAR」2006年
●このアルバムは、息子ブッシュが大統領二期目に入ってイラク/対テロ戦争をエスカレートさせていく最中にリリースされた、ド根性の反戦ソング作品集。直球過ぎる風刺が、猛烈な怒気を込めた無骨ギターに乗せてこれでもか!とぶつけられる。100人もの大コーラス隊を背負いながら、シンプルなメッセージを繰り返し繰り返し叫ぶ YOUNG。勢いに任せて書かれた荒削り加減(レコーディングにかけた時間はたったの二週間)が、その直球ぶりに磨きをかける。
「I'M LIVING WITH WAR EVERYDAY. I'M LIVING WITH WAR IN MY HEART EVERYDAY. I'M LIVING WITH WAR RIGHT NOW」毎日戦争と共に生きている、心の中で毎日戦争と共に生きている。たった今戦争と共に生きている。そう、震災でボクらの生活は変わった。これは戦争だ。心の中の戦争だ。生きるための戦争だ。何かのために戦わなくてはならない。大切な何かを守るために戦わなくてはならない。混乱と不安に打ち勝ち、ヒステリーを押さえ込め。状況に翻弄されない、強い足腰を準備しろ。60年代から活躍するこのド根性ロックオヤジのパワーを、自分の肝っ玉に取り込むために、貪るようにこの音源を聴いた。爆音ギターの迫力に合わせて、腹式呼吸を繰り返せ。そして、下っ腹、丹田に熱を蓄積しろ。戦う勇気を奮い起こせ。
●このアルバムの最後の曲は「AMERICA THE BEAUTIFUL」。楽器演奏なし、コーラス隊の合唱だけで、アメリカの美しさを歌い上げる。YOUNG は決してアメリカに失望していない。ボクも故郷日本を諦めていない。多くの人々が東北地方の被災地に様々な形で支援の手を差し伸べ、放射能の恐怖を乗り越えて勇敢なアタックが原発の前で繰り広げられている。ボクのしている仕事が何の役に立つのか皆目見当がつかないが、とにかくやるコトをやる。迷ったら負けだ。ノイズに飲まれるな。丹田に熱を貯めて、目の前の難局を乗り越えろ。


LILAC TIME「ASTRONAUTS」_

THE LILAC TIME「ASTRONAUTS」1991年
●80年代後半から活動しているイギリスのネオアコバンド。とはいいつつ、90年代初頭のマッドチェスター/インディダンスの気配もホンノリ忍び込んでて、ラーガロックなサイケ風味がこくまろな隠し味になっている。90年代の名門インディレーベル CREATION の主宰者 ALAN MCGEE にフックアップされた時期の作品。ちなみに同時期の CREATION はまさに黄金時代で、同じ年に MY BLOODY VALENTINE「LOVELESS」PRIMAL SCREAM「SCREAMADELICA」をリリースしている。まーそこまでの過激なスタイル革新はナイが、スゴく慎ましやかで奥ゆかしいメロディとリリカルなギターサウンドがココロを落ち着かせてくれる。ウィークデイは前述二枚で神経を研ぎすましていたけど、週末はこの1枚で神経を弛緩させていた。こわばった筋肉を一本一本丁寧に緩めていく。


●つーか、マジで震災以降はホントに音楽に助けられた。


●カゾク四人で回転寿司を食べようと思って歩いたシモキタザワの街は、節電モードで商店街の照明が落とされ、不思議な奥ゆかしさを醸し出してた。そしてポッカリまんまるお月サマ。



●不安を掻き立てるニュースを避けるために、ワイフがDVDを借りてきた。

DVD「若草物語」

●DVD「若草物語」
ウィノナ・ライダー主演の1994年版。子役としてキルスティン・ダンストまで出てる。このタイミングで「若草物語」を選んでくるワイフのセンスは絶妙だと思った。アメリカ南北戦争の最中、慎ましやかな生活を地道に営む四人姉妹の物語。家族を大切にしたいと思った。娘ヒヨコが楽しんでくれたのがウレシかった。


今週会った人が言ってた。今の世間に飛び交っているのは「感情に乗った善意」だと。
●誰もが「正しい」と思って発言している。誰もが「善意」で発言している。ネットでもマスコミでも同じ。反原発でも親原発でも同じ。でもソコには過剰な感情が乗っかり過ぎている。冷静とは言えない。気持ちや思いを伝えるコトが、良い結果を生むとは限らない。敢えて黙るコトが、良い結果を生むコトもある。だからボクはツイッターでもフェイスブックでも発言をヤメた。ブログもしばらく放っておいた。ボクは今、地震や原発のコトを語る気にはなれない。それにはまだ早い。準備が整ってない。ボクはボクの日常を見失わないようにして、フツウに暮らしたい。


●祝日であるはずの今日も、シッカリと仕事だった。
●疲れが抜けてないのか、朝の電車で乗換えに2回も失敗し、スゴく遠回りしてやっとの思いでカイシャについた。ダメだな…ヘトヘトだ。そもそもこの記事も下書きの状態を間違って公開して一日無惨な文章を晒してしまった。ふう、とにかく少し休みたい、本当の意味で。


テレビニュースも、ツイッターもフェイスブックも、地震ばかりでちとシンドクなってきた。無駄につぶやく気力も起きない。ワイフの携帯には明らかなデマチェーンメールがバカスカ入ってくる。
●さりとて出かける気にもなれず。家族のそばを離れる気になれない。原子力発電所が気になる。


大地震の時に相応しい音楽なんて、ホントに思いつかない。

カルカヤマコト「カルカヤマコト」

カルカヤマコト「カルカヤマコト」2003年
●CMも入れずに延々と続く陰惨なニュースを垂れ流してると、重苦しい気分になってくる。テレビを消しても、沈黙が重いだけ。さりとてヤカマしい音楽も、メソメソした音楽も聴きたくない。CDの棚の前に立って、なぜか途方に暮れてしまう。
●結局、迷って選んだのが、この兵庫県出身の女性レゲエシンガーのミニアルバム。渾身の気合いを込めたルーツサウンドを従えて BOB MARLEY のカバーアルバムを放ったのが印象深い。このアルバムでも塩辛いボーカルがザラザラのルーツレゲエにドスリと乗っかって、野蛮な生命力をグラグラ煮え立たせているようだ。今は、そんな胆力が、丹田に集まる熱のチカラが必要だと思う。MARVIN GAYE から井上陽水を見事にレゲエカバー、そしてボブの名曲「GET UP, STAND UP」で魂を激しく燃焼、「REDEMPTION SONG」のアコースティックアプローチで心を優しく慰撫してくれる。


今日は近所に住むコドモのトモダチがウチに集まってトランプ大会になった。
●この子たちのお父さんは、激しい被害を受けた福島県の取引先を支援するために早速現地へ出発したそうだ。生鮮食品の物流に関わる職業だから、被災地の生活物資流通に直結するオシゴトをするのだろう。お母さんの方は兵庫出身で阪神大震災を経験してる。手際のヨイ買い出しで水や保存食を確保してた。ワイフもいろいろアドバイスを受けてるみたい。いつ停電が来てもよいように、充電機器を速やかに充電せよとのコト。電動機付き自転車のバッテリーとかはマジで大切だね。

ボクは……腰と足がイタい。金曜日の徒歩帰宅がキイた…。
●背筋がイタいよ…それとちょっと風邪ひいたかも。寒かったからなあ。葛根湯飲もう。


地震当日のコトを少し。
新橋にあるボクの会社は32階建て。地震発生直後は速やかにエレベータが停止し、29階のマイデスクと関係各所を非常階段で移動するボクはそれだけでヘトヘトになった。マジで登山の気分。階段をスレ違う人々、知ってる人にも知らない人にも、お疲れ様ですと声をかけ合う親近感が生まれちゃってた。なんかちょっとした結束感。
●アチコチの壁にヒビが入って、一部のフロアは配管が破れたのか床がグショグショに濡れてた。特殊設備のあるフロアは全自動で防火扉が閉まり廊下が閉鎖されてた。でもボクのチームは全員で会議中だったので安否確認もスムーズでケガ人ゼロ。電車は動いてないけど、歩ける場所に家がある人はすぐ帰れと指示しました…帰れないから泊まりますって子の方が多かったけどね。
●もう仕事にならんわ、という気分で夕方に予定していた打合せもバラシ。でも几帳面な先方のスタッフさんはわざわざ電話をかけてきて(よく通じたモンだ!)「今から徒歩で御社に向かいますがよろしいでしょうか?」いやいや今日はもうイイですよ、つーかコチラ来てもエレベータ動いてませんし。フツウに仕事してる人はフツウに仕事してるんだよね。みんな勤勉過ぎるほどでビックリ。……つーかこの地震で激務モードになった人々ももちろんおります。すみません、去年とは違い、今のボクはその最前線部隊からはハズレテルので、家族と合流すべく早々に失礼しました。

そして帰宅。5時間の徒歩行軍。
●派遣事務の女性たちに「もう退社しなさい」と管理職が声をかけてる。確かに夜遅くの女性の一人歩きは危ない。10年来の付合いがある女性デスク・ハッシーはこれから阿佐ヶ谷の保育園に赤ちゃんを迎えに行くという。ハッシー、キミ道わかるの?「わからないけど、そのヘンで人に聞きながら歩きます」そりゃ危ないよ、イケル所までボクが付き合うよ。夜7時30分、カイシャを出発。ボクが住む下北沢と阿佐ヶ谷、微妙に方向が違うけど少々遠回りになろうとも、新宿の繁華街を越えるまでは一緒に歩きました。
街の混雑ぶりはハンパないモノだった…しかし、ある意味で秩序正しく動く人々に感心。新橋駅前はかろうじて動く都営バスに大行列だったけど、キチンと整列してるもんね。歩道も左側通行の流れがなんとなくキッチリ出来てて、信号無視する人もほとんどいない。マクドナルドにも公衆電話にもキチッと行列ができてる。そこに対応して、立ち食いソバ屋もエクセシオールもキチッと営業してたもんね。非日常と日常の奇妙な混在。自転車の盗難が目立つようになるかなと思ったけど、実際には自転車屋さんが在庫全部売切れなんて状況になってた。外堀通りを四谷まで歩き、甲州街道を新宿まで歩いた感触は、混雑ながら整然とした「初詣」の感覚に近い。メッチャ寒いのも同じね。
●新宿西口エリアで阿佐ヶ谷に向かうハッシーと別れた。その途端、イキナリ足が痛くなる。カッコつけてるウチはよかったけど、緊張が解けると突然ヘタレに戻るのがいかにもボクらしい。右足がビリビリしてビッコをヒク始末。オマケに腹ペコ、思えば昼メシも食ってない。しかし既に夜11時を回ってさすがにフツウのお店はクローズしてしまってる。初台の商店街に入って、明るく光る「松屋」を発見した時は「よかった~これで一息つける」と安心するも、店員さん「すみません!たった今ゴハンがなくなりまして、今日は営業終了でございます!またのご利用を!」元気よくマニュアル対応されてしまった。ガーン。
●トボトボと商店街をさまよって、ようやくラーメン屋に落ち着くも店は混雑、イスに座れるまで20分ほど。店員さん「本日金曜日はギューザが半額180円ですがいかがですか?」いやいやアリガタイけどそういう状況なのかな…日常と非日常の断面が微妙になる店員さんの対応に戸惑いつつも、そのまま半額ギョーザを注文しました。でもラーメンは凍える身体に優しくてホントに助かった。痛む足をユックリさすりながら、店内に流れるラジオの地震情報をゆっくり聞くのでした。…あ、この店もボクより後に入ったお客さんは「スープがなくなったので営業終了です」と追い出されていた。
●さて、もう一踏ん張り歩くか。と決意して動き始めると京王線初台駅からアナウンスが聞こえる。あ、動いてるの京王線!?痛む足を引きずりながら地下の改札まで降りると「切符は必要ありません!どうぞそのまま入ってください!」と駅員さん。わお、タダで乗せてくれるんだ。一緒にホームに降りたOLさんは「はーやっと文明社会に戻ってきた!」と明るい声を上げてたよ。「ダイヤが乱れまして大変申し訳ありませんでした」フツウのトラブルと全く同じトーンでお詫びアナウンスが流れて、危機感がメチャフラットなのが苦笑を誘うけど、動いてくれてるだけでホントありがとうです!そこから笹塚まで電車移動して家に辿り着いたのはちょうど12時ごろでした。


●さて、問題は週明けだ。計画停電ふくめ非日常は終わらないけど、一方でボクも仕事で日常のオペレーションを遂行しないとイケナイ。これからが本当にタイヘンになる…。でも頑張りましょう、被災者の人たちがイチバン大変なのだから。


大地震で、ボクの部屋のCDライブラリーが大変なコトになってるかも?
●とメッチャ不安になった。が、実はそんなに荒れてなかった。
●カイシャでユサユサ揺すぶられてた瞬間から、ボクのCD棚が一番危ないと思った。CD/レコードも7000枚集まりゃ津波や雪崩のように危険だよ。コドモがCDに潰れたりしちゃったらどうしよう。ワイフが片づけようとしてケガしたらどうしよう。それが一番心配だった。でも家族は地震の瞬間、全員家にいなかったし、棚が倒れたりはしなかった。CDとマンガが少々散らばったりしただけだ。

大地震で、ボクの部屋のCDライブラリーが大変なコトになってるかも

●…つーか、写真に撮ってみると、フツウに荒れて見えるなあ。すんませんコレがレギュラーなんです。
●そう言えば、このマンションに引っ越した8年前、この壁一面を覆う(いや実は壁三面を覆う)CD棚に6本の「耐震ツッパリ棒」を仕込んでたんだ。ナニゲにコレが効いてたのかも。備えあれば憂いなし。


ノマド、こんな地震は100年に一度だろうからよく覚えておけよ。
●と言ったら、息子ノマド小学三年生、突然「作文」を書き始めた。

「大じしん」
 今日、学校にいる時、大じしんがおきた。
 帰りの会が終わる「さような…」のところでじしんがおきた。
 一回めがいちばんはげしく長いじかんつづいた。ぼくのせきは窓ぎわだったのであぶなかっただろう。でもぼくはいがいとたのしかったと思う。なぜなら学校でハプニングがおきたことがなかったからだ。
 そのあともじしんがつづき、おさまったころに妹のひよこと母とで帰った。
 家の中ではトイレにかざってた人形がおち、父の部屋のCDがおちていた。少しじしんはおきたが、てい電やこう水にはならなかった。でもべつの場所ではこう水がおきていた。とう北地方は全部てい電になったと言う。
 ぼくは、やばいめにあわないためにくふうした。いつじしんがおきるかわからないためビー玉と水をよういし、しん動を計ったり、ひなんセットをよういしたりした。ほかにもせつ電したりした。なぜなら原し力発電しょで小さいばくはつしたから、電気がたりなくなると思ったからだ。
 母の妹は会社の53かいでたってられなかったそうだ。ぼくの友だちは水そうがひっくりかえったんだと。父は電車がとまったので5時間かけて歩いて帰ってきたのです。ぼくはひがいはかなり大きかったと思う。でもぼくの家の本だななどはくずれていなかった。
 ぼくがこわかったのは、しんげん地が東北地方のおきあい、いばらきのおきあい、長野と、東京にどんどん近づいていることです。その大じしんのせいで、くもんやバレエは休み、野球大会や日舞発表会などが中止になってしまいました。家がながされている地方もあります。
 ぼくはその日におもしろいおもちゃをつくりもした。サイコロでつくる形がかわるおもちゃです。ひなんしたあとのひまつぶしになると思って2つつくりました。できぐあいはよかったです。
 じしんがおさまったのは3月12日のことです。それからまだじしんはきてないです。」


●コイツ、ちょっとワクワクしてやがるな。

ワイフが PTA の役員を務めているので、たまたま小学校にいたのが幸いだった。
●コドモ二人はスムーズにワイフにピックアップされ帰宅できた。しかし共働きの家の子は何時まで学校に待機したことだろう。学童保育の子供たちはすみやかに別室に案内されて、すぐに親が迎えに来る子供と一緒にならないように配慮されたという。子供の不安をヘンに煽らないナイスな判断だったと思う。
●たまたま前日に避難訓練があったとのことで、娘ヒヨコもスムーズに机の下にモグれたらしい。「テストの途中だったの!そしたら地震がきて、センセイがツクエの下にはいりなさーい!っていうの。で、テスト途中でイイから集めまーすになって、そしたらまた地震で!ツクエの下に何回も入ったよ!」防災ズキンを被ってコドモ二人帰宅。リアルにこのズキンを使うシチュエーションってボクも生まれて初めてだね。


●あー足が痛い。足の筋がイタい。タマラン。
2011.03.10 落語 ROCK ME !

「スゴい落語は、サザンのライブに匹敵する熱さがある」という。
●少し前のハナシ。音楽業界の人と食事する機会があって、楽しい話をした。その人は5000枚のアナログを保有し、その重さでリアルに床が抜けた経験を持つほどのロックフリーク。そんで時間を作っては、アメリカやヨーロッパへ飛んで海外の大物アーティストの巨大公演を生で見てくるほどのアグレッシブな人。ストーンズエアロスミスも世界各地で何回も観ているという。音楽トークがひとしきり盛り上がったその後に。
●この人にはもう一つの趣味があるという。それが「落語」「落語の寄席ってのはね、東京なら毎日必ずどこかしらでやってるんです。調べればいくらでも出てくる。だから時間ができたらサッと寄席に行ってみて下さい。ダマされたと思ってね」ロックと落語、これは簡単には結びつかない。なんで落語なんです?「最初はボクも人に薦められたんですよ。で、行ってみたらスゴかった。ロックバンドのコンサートと同じモノを感じたんです。スゴいモノはね、サザンオールスターズのライブに匹敵しますよ。もうね、毛穴が開くのがわかる!」えーサザンと同じなんですか!スゴい比喩ですね!
●そっかー落語か…。一度行ってみようかな…。などと思いつつもなかなかそんなチャンスは見つからない。我が街シモキタザワでは、立川談笑さんとかが北沢タウンホールで公演をしたりしてるんだけど、チケットも入手困難くさくて。むー。この時はそこで止まってしまった。

先日。カイシャで隣のデスクに座る先輩が落語のCDを。
●9月以降カイシャでデスクを並べてる先輩とは、オリコンデータを毎週チェックしながら注目のジェイポップアーティストを品評し合う仲。オタクとは完全別目線のマーケティング観点で AKB48 の動きとかセールス枚数を細かくチェックするこの先輩と話してると実にベンキョウになる。ことお笑い芸人やアイドルのマーケティングに関してはメチャメチャアンテナが高い。重盛さと美のブレイクを一年以上前から予言してたもんね。
●そんな先輩が4枚のCDを握ってデスクに戻ってきた。今度はナニを聴いてるのかなーと思ってそのCDを覗き込むと、それは意外なことに落語のCDだった!へー先輩、落語も聞くんですか?「お、オマエ興味あんの?」いやーちゃんと聞いたコトないんですが、以前人に薦められて、気になってたんです。「よし、じゃあこの4枚オマエに貸してやる!いいかこの順番で聞くんだぞ…」ワンポイント解説まで添えて、先輩はCDを貸してくれた。そんでボクはコレを iPod に格納して、先輩おススメの落語を、イロイロなトコロで聞き耽っているのであります。

桂文珍「らくだ 朝日名人会ライブシリーズ8」

桂文珍「らくだ 朝日名人会ライブシリーズ8」2000年
「コレを一番最初に聞け。一番の初級編だ。古典を題材にしながら、ココまで崩してイイんだ~、と思うほど大胆に現代風に解釈してるトコロがスゴい。だからスゴく取っ付きやすい」文珍師匠なのですから、当然上方落語。しかし滑らかで陽気な関西弁は、ダウンタウン以降のお笑いが骨の髄まで染み込んだ現代感覚と完全に密着してて、100%関東育ちのボクでもフツウに笑えてフツウに楽しい。テンポの良さに、散歩で近所をフラフラしながら最後まで一気に聞き入ってしまった。

柳家小三治「落語名人会29 らくだ」

柳家小三治「落語名人会29 らくだ」
「そんで敢えて同じ演目を聞き比べてみろ。コレが笑えない。始めに聞いたら絶対退屈に思える。だがコレが古典だ。今の感覚だと馴染めないが敢えて聞け」柳家小三治さんという人は、ビッグネームすぎてボクには全然イメージがわかない。マクラの部分で出てくるエチオピアでのバイクツーリングの話を聞くと、ジャケ写の気分も含めて粋なオジさんなんだなと思える(ウィキで調べたら、750ライダーでした)。……ただ、たしかに渋いなあ。文珍さんに比べて展開が遅いし、楽しげな気分がない。お客さんの笑いも部分部分に留まってて気分が乗らない。本来のバカバカしい話が、少々押し付けがましいトーンで聞こえる。

柳家小三治「落語名人会40 鼠穴」

柳家小三治「落語名人会40 鼠穴」
「でもな、コレがスゴい。古典のルールに則って、じっくりイイ話を聞かせてくれる。落語はただ笑うだけじゃないんだ。この人がスゴいってのがコレでスグにわかる」聞いていて気持ちがキレイになった…通勤電車の中で聞いていたにも関わらず、話のディテールに気持ちがスッとノメり込み、会社で待ち構えるヘドが出るほどの些事に対するココロのコワバリを、さっと忘れさせてくれた。話の筋にビックリするほどの展開があるわけじゃない、ああやっぱりそうなっちゃうのねあららーっていう先読み可能なストーリーなのに、登場人物たちの感情にピットリ寄添える気持ちになれた。うーん実にチルアウト。テンポ感でイタヅラに速度を上げず、訥々とジックリとペースをしっかりと掌握して気分を熟成してくる感覚は、極上のアコースティックライブを目の前で観てるかのような臨場感。落語、コレは素晴らしい、と素朴に感じてしまった。江戸時代のウンチクについても子細に解説してくれるのもウレシいと思った。

古今亭志ん朝「落語名人会13 お直し」

古今亭志ん朝「落語名人会13 お直し」1980年
●前述の柳家小三治師匠の音源がいつの時代の録音かよくわからないけど、多分このCDと同じ80年代の頭なんだろうなと思う。ポストパンクの時代。先輩に言わせれば「最後にコレを聞け。古今亭志ん朝は天才。古典のよさと、現代感覚が同居してる。もう完璧だな。でもこの人は早くに死んじゃうんだけどな」2001年に亡くなってます。さて、内容と言えば勢いのイイ江戸弁が気持ちよくストトーンと響き、メリハリの利いた展開が実にキャッチー。設定が「廓話」つまり吉原遊郭の話題というメチャ古典的な題材なのに古くささを感じさせない。録音自体も30年以上前なのに、なんとまあライブリーなこと。笑う所はアッケラカンと笑わせてくれるし、話のトーンもバカバカしいことなんだけど、夫婦のつながりの温かみをチョッピリ心の中に残してくれる後味のよさがタマラナイ。

結果、落語にやられました。スゲエな、日本にはこんな娯楽文化がフツウに継承されてるんだ。もっと注目しないと。それと、CD4枚コンボ攻撃を紹介してくれた先輩のカッコよさ。あーこういう趣味人でありたいね。印象とかウンチクじゃなく、文脈でモノを語れる。そこまでコンテンツを愛したいね。




●飛行機が遅れた上に欠航になって、ブチ切れそうになってるお客さんを、アナウンスマイクで一ウタ歌って一気に落ち着かせた CYNDI LAUPER @アルゼンチンのブエノスアイレス空港。粋だねえ。


●この MADONNA のライブも、たしかブエノスアイレスでのツアーの様子が収録されてるんだっけ。
ブエノスアイレスってなんか楽しそうだね。

Sticky  Sweet TourCD+DVD

MADONNA「STICKY & SWEET TOUR」2008年
●アルバム「HARD CANDY」発表を受けて行われた世界ツアーの様子がパワフルでスゴいです。ダンスのキレとか、無駄のナイ筋肉とか。ジョジョ第二部での名セリフを引用して一口に表現しますと「リサリサ!ち…ちょっと待て…おおおお おめェ~~ッいったい年いくつなんだァ~~ッ!?」的な感動があります。このツアーの時点で50歳だもんね。スゴいんだわ。再びジョジョの言葉を借りれば「『波紋』は『生命のエネルギー』…若若しさを保つというが…でもどーりで!態度や物腰はぜんぜんキャワユくないと思ったけど」。むしろ貫禄がありすぎてコワいです。山吹色の波紋疾走!
PHARRELL WILLIAMS TIMBALAND に制作されたビート、JUSTINE TIMBERLAKE KANYE WEST の客演を折込んだステージ演出がめっちゃクールです。ブエノスアイレス公演だからのタップリサービスなのか「DON'T CRY FOR ME ARGENTINA」の熱唱も気分です。バックステージの特典映像も、生々しくて見応え十分。クールにこなしてるように見えて、MADONNA 自身もかなりタフに自分を追い込んでハイパフォーマンスを極めようとしてるのがわかるのです。夜中に時々これ観て、ゲンキ出そうと思ってるボクであります。


●80年代の歌姫といえば、この人もよく頑張ってる。

KYLIE MINOGUE「APHRODITE」

KYLIE MINOGUE「APHRODITE」2010年
●80年代ユーロビートの時代にオーストラリアから登場したポップディーヴァ。でも時代の流れに劣化せず今も現役感を放ってるのは見事なものね。MADONNA「獲って食うわよ」的な肉食系のパワーではなく、どこか可憐な品の良さを漂わせる安心感が、何回もコレを聴かせてしまうのです。甘くてチャーミングなボーカルが、クールなダンスビートの疾走を心地よい癒しの波紋に変えてくれる。「女神」に相応しい魔法です。今度来日するんだよね?
●制作総指揮は STUART PRICELES RHYTHMS DIGITALES の名前でフレンチハウスシーンで活躍(といってもフツウにイギリス人ですけど)、その後 MADONNA「HARD CANDY」の1枚前「CONFESSIONS ON A DANCEFLOOR」の制作で活躍。SCISSOR SISTERS から THE KILLERS まで扱う辣腕プロデューサーとして大活躍するオトコ。こちらも注目。

カメラ少年ノマド。
●ある日の午後。駅前で買い物してたワイフの携帯にノマドからの留守電が入ってた。「ちょっとオレソト行ってくるからね。じゃねー。」なんか知らんがどっかに行った。ノマドの小さなカメラがない。ヤツは写真を撮りに行ったのだ。

●どんな写真を撮ったのか。夜中にカメラメモリーをこっそり見てみた。
カワイイわんちゃんがいた。

P3040358.jpg

P3040359.jpg

ノマドはガッコウ帰りの道草で、一人でこのワンちゃんを発見したようだ。コレはカワイイ!と思ったノマドは最高のフォトジェニーと考えたらしく、帰宅後カメラを握ってこの現場に折り返したようだ。スゲエイッパイ写真を撮ってる。
●ヤツは動画もたくさん撮ってる。ヘンテコなレポートを撮ってるんだよね。自分でカメラを握ってその場で実況してる。「え~今はイヌのサツエイをしています。かなりカワイイです。…とてもちいさいです…体調はおよそ50センチありません…毛が長そうです…」誰に向けての敬語なのか?普段は誰にも敬語使わないくせに。
「こんなカワイいワンちゃんがいるバショ、誰でも知りたいですよね?このバショの周りをみてみましょう!」ヤツはそのまま現場の周囲をレポートする。「こっちに行くと、みんな知ってますね、いつもの道です」近所の小学生がみんなで歩く通学路だ。ヤツのトモダチがカメラを持つノマドを見つけたのか、画角の外から声がかかる。「あー、ノマドだ!」でもそんな友人を無視してスタスタ駆け回りレポートを続けるノマド。「コチラに行ってもいつもの道に出ます」激しい手ぶれで画面はグチャグチャ。狭い道の徐行速度とはいえ車が走ってて、撮影に夢中で周囲が見えてない小学生にはキケンな感じもタップリ。コイツバカなことしてるなあ。
●それでも、1メートル20センチと学年でもイチバン小さいヤツの視点から見える町内の風景は、ボクが見てるよりもアレコレが全部大きく映ってて、曲がり角の向こう側に未知のフロンティアが広がってるように感じられる。学校と裏山と空き地バッカリの、のび太やドラえもんの生活が毎日ハプニングでイッパイなように、ノマドにとってもこの平凡な住宅街がかけがえのナイ世界として光って見えてるようで、ボクはとてもニンマリしてしまう。ヤツにカメラを持たせてよかった。

●でも、とにかく手ぶれがヒドくて、ピントが全然合わないんだよね…そこだけ教えてあげようかなあ。「『つゆで』ってなに?」って聞かれた時は「コレは露出って読むの」と言って教えてあげたけど。


高校生は先週が卒業式だったみたいね。
●ボクが勝手にチェックしてる高校生ブロガーの人たちが、みんな卒業式のコトを書いている。
●すっごく対人関係に鋭敏過ぎるあの男の子も、すっごく感受性が豊か過ぎるあの女の子も、みんなポコンと次のフェイズに押し出されて、さてさてコレからどんな風になっちゃうんでしょう?夢も未来も希望もキチンと携帯してるかな?夢も未来も希望も、実利的には全く役に立たないと思う。だけど、コレを持ってないと人生はホントにキツい。多分、今日ボクが一人観てたDVDもそういう感情で出来てるんだと思う。


DVD「ソラニン」

DVD「ソラニン」
●4月に人事異動でまた別の担当へ移ることが決まってる。つーか、9月から関わってるプロジェクトが閉鎖と決まってしまったからね。皮肉なことに閉鎖と決まってから業績はウナギ登りに上昇中、史上最高記録を更新しまくってる。まあ別にイイけど。
●そんでよく知ってるW先輩と共に新しいプロジェクトのスタッフさんにアイサツに行った訳です。どうもよろしくお願いします。そのW先輩がヘンな紹介をするんですわ。「コイツ、ソラニン風でしょ。浅野いにお原作のソラニン。そういうキャラだからよろしく!」えーなんすかその紹介。意味ワカンナイっすよメガネだけじゃないですか。高良健吾くんみたいにカッコイイならイイけど、全然ダメですよ。
●そんなコトいわれたモンだから、今週はDVD借りてきて「ソラニン」観たんですよ。いや原作マンガは全部読んでるからスルーでいいかと思ってたんだけど。……でも観てハッキリした。高良健吾くん演じるバンド青年・種田のヘタレ具合は見事に深刻で、モラトリアムの延長手続き失敗にクシャクシャになる弱さ、「草食系」という便利なコトバとヘタレメガネで言い訳しながら無難無難に逃げ道を探す弱さは、彼より人生十数年先行してるはずのボクにも見事に巣食ってるモノと同じなわけで。まーW先輩の慧眼に感服しました。主人公・宮崎あおい「カイシャ辞めたーい」とか言ってる弱音とか、ボクを月曜日の朝に折り目正しく悶絶させるモノと完全一緒だもんね。15年も今の仕事続けてるけど、自分の本来の性質に向いてると思えたことがナイね。さりとて他の仕事も勤まる気がしないのも事実だけどね。
●そんで登場人物達は、音楽とバンド活動に、ナニかを求めるのですわ。ソレが正しいのかカッコいいのか、ソレはワカランです。ただ宮崎あおいちゃんが緊張に顔をこわばらせながら、必死にギターボーカルを務める最後のライブパフォーマンスは、華奢な彼女の今にもポッキリ折れてしまいそうなココロが、ロックに必死にすがって人生に立ち向かう勇気を振り絞ってる奇跡の瞬間として、あまりに美しくて震えてしまうのです同質の弱さを抱えて生きる人間の一人として。
桐谷健太くんは「BECK」のミクスチャーボーカリストと同じワイルドさでタフなドラマーを演じてる。意外なほど見事な演技を見せたのはベーシストを演じた近藤洋一サンボマスターのファンキーベーシストが初俳優業挑戦でここまで見事な演技をみせてくれたのが痛快で。つーかほぼ等身大をそのまま演じてるこそからの名演?ルックスで言えば田口浩正さんが10歳若くなった感じですけど、わざとらしくないヘタレ具合が最高でした。宮崎あおいちゃんは言うことナイです。彼女、ボク大好きですから。


サンボマスター「音楽の子供はみな歌う」

サンボマスター「音楽の子供はみな歌う」2008年
●映画「ソラニン」の主題歌/挿入歌は、近藤のバンド・サンボマスターでなくて、ASIAN KUN-FU GENERATION が担当してるんです。主人公達の線の細さから連想すれば、この映画の雰囲気に近いのはアジカンであってその判断は正しいと思う。サンボマスターの音楽は太いですから。ゴシック体をさらにボールドするって感じ。
●劇中で近藤がバンド志望の中学生に「デブがベースやってナニが悪い?」とスゴむ場面があるんだけど、サンボの3人は自分の無様さをとっくの昔に全部開き直って、ソレを武器に変えてしまってる強さがある。そのズルムケ具合がそのまま音楽の強力なグルーヴに直結して、キャリアが進んでも洗練/漂泊しない野蛮がダクダク鼓動しているのが見える。
●その一方で荒削りに見えるサウンドは、なにげにボーカルギター山口隆のテクニックがピカイチだったりして(つーか原則トリオの一発録りでレコーディングしてるんだって…そんな風に聞こえないでしょあの完成度は)、よくぞあんなにフリーキーに絶叫しながらあんなに自由なギターフレーズを奏でられるのか実にビックリする。モチロンベース&ドラムも、パンクと見せかけてスゴくファンキーだしね。頼もしいロック兄さんなのです。…ああ、今月ベスト出るんだよな…買わないとダメかなあ。







●今年のオスカー作品賞「英国王のスピーチ」、見てみたいなあ。



この前の日曜日は、カゾクで日本舞踊を鑑賞したのであります。
●ノマドが自慢のカメラで撮影してくれたので、その写真を貼ります。

P2270222.jpg

P2270190.jpg

実は、我が娘ヒヨコは、日本舞踊を習っておりまして、その発表会があった訳ですね。

●アレは去年の4月頃。ワイフが近所の道端で「日本舞踊をタダで教えます」というチラシを発見。最初は何のことやら?ちょっとアヤシいかも?と思ってたのだが、「文化庁委嘱事業の伝統文化子ども教室ナンタラ」という位置づけで、お役所から助成金が出るので生徒にはオカネがかからない仕組みというのだ。月2回渋谷区の公民館的なスペースでお稽古をつけてもらえるという。着物をキレイに着て踊るという感覚では、バレエが大好きなヒヨコのオヒメサマ趣味と完全に一致しているので、本人はたちまちやる気マンマン。去年6月からコツコツと渋谷までお稽古に通っていたのだ。
●告知で集まったオンナノコたちは十人ほど。保育園のチビちゃんから中学生まで幅広い年齢層。センセイは若い女性で、実は生徒を指導するのは初めての経験だったらしい(それと、近所の道端にチラシを掲出してたのは、ソコがセンセイの自宅だったからとのこと)。正座の経験すらアヤシいチビッコたちは、足がシビレて大変そう。そこでボクが足ダイジョウブか?と聞くとヒヨコ「タイヘンなのをガンバルのが楽しいんだよ!」と朗らかに返した。センセイの師匠筋の教室から応援でやってくる女子高生のお姉さん達も頼もしく、ナニゲに楽しそうであった。

そんで、教室が始まって9ヶ月。発表会が行われるコトとなった。
●ノマドが撮影した上の写真の踊り手さんたちは、小学3年生から高校生の、しかし結構な経験者のコだ。日本舞踊を生まれて初めてシッカリ鑑賞するボクにとっては、ドコがポイントなのか全然わからない。しかし、ダンスの内容が想像以上にアグレッシブだったコト、しかもその上で着物がまったく着崩れないコトに素朴に驚いた。身体そのものの動きやカタチ、というより、着物という「武器」の上に出来る動きやカタチを華麗に見せるのが日舞の美学なのかなーと感じた。ちょいとエスタブリッシュ過ぎてた感じは否めないけどね。

で、問題のヒヨコのパフォーマンスだ。ビックリした。ヒヨコはタヌキだった。

P2270183.jpg

●演目は「証城寺のたぬきばやし」「♪しょ しょ しょじょじ!しょじょじのにわは!」でお馴染みの童謡です。あ~日本舞踊ってこういうのもあるのね!コレはエスタブリッシュから大幅に逸脱してるわ。爆笑。しかもスゴくザックリしたタヌキスーツだね。おヘソ、バッテンだもんね。つーか「しょうじょうじ」って「証城寺」って書くのね。「負けるな 負けるな 和尚さんに 負けるな ぽんぽこぽんのぽん!」いやー、もうちょっとはんなりとしたダンスが見られると思ってたけど、予想を裏切る斬新なアプローチにパパ爆笑したよ。幼稚園のお遊戯的な雰囲気満載でしたが、実際に未就学児メンバーもいるんだからしょうがないよね。4月で小学三年生になるヒヨコは、見かけは幼稚園児みたいなチビなので、全然違和感なく年少メンバーに混じって立派にダンスしてた。一応「タヌキさんリーダー」という名誉あるポジションも頂いてたという。

P2270180.jpg

●左から2人目が我が娘ヒヨコです。ヒヨコ緊張してたの?「バレエの発表会より緊張した!」だってバレエの時より顔が緊張してたもんな。「チガウよ、日舞は笑っちゃイケナイの!」あ、そうなの、でもヒヨコがかわいかったからパパ十分だわ。

P2270136.jpg

●最後にみんなでお辞儀。七五三の衣装が役立って良かった。3月も公演があるんです。楽しみだ。




ポストパンクとダンスロックの間に軋む音。

NEW ORDER「LOW LIFE」

NEW ORDER「LOW-LIFE」1985年
●なぜか今週聴きまくってる80年代の NEW ORDER。これは JOY DIVISION から改組して3枚目のアルバム。シンセポップのダンサブルなアプローチがしなやかで鮮やかで、でもポストパンクの青ざめたメランコリーと、どこか荒んだギター&ベースの弾みがその音像に色濃い影を落としている。でもコレがなぜか今一番居心地がイイ。ゴスの暗黒を漂うような場面もあって、好きなだけ自分のネガティブな内面に意識をヘバリツカセてくれる。明るいのか暗いのか、その境界面を大きく往復しながら感情をジットリ冷めた場所に持っていく感覚がたまらない。
●2010年代の耳で聴けばスカスカのペラペラのナヨナヨで、どこもオモシロく聴こえないかも知れない。実際彼らの演奏能力はグズグズで、電気 GROOVE石野卓球は当時の来日公演を見て「ニューオーダーの二軍が来日したのかと思った」と自署に書いてた(気がする)。でも、それがそのまま味なのよね。ちなみに、新橋のツタヤのレンタル落ちワゴンで300円にて入手。


FRIENDLY FIRES「FRIENDLY FIRES」

FRIENDLY FIRES「FRIENDLY FIRES」2008年
●ぐーっと時代が下って、現役バリバリのダンスロック野郎たちです。コレはボクの音楽トモダチが彼らのライブでクーパー靭帯(←検索してください)が切れるほど踊りまくったとツイッターでコメントしてたので、その気分に合わせてモリモリ聴いた物件です。いやー今の若い人は実に器用だヨン!折り目正しくダイナミックなロックバンドでありながら、奥行きあるシンセ音像がキラキラ。そしてすっげーファンク/ラティーナなネバリが利いた陽気なリズムトラックがめっちゃゴキゲンでございます。アルバム冒頭「JUMP IN THE POOL」からフルートとコーラスがユニゾンする「IN THE HOSPITAL」、そして彼らの代表シングル「PARIS」まで、ディスコ本能をバリバリに刺激されまくり。コレは踊るしかない。クーパー靭帯切ってでも。


●動画を貼ります。
●NEW ORDER「THE PERFECT KISS」



●FRIENDLY FIRES「PARIS」。ボーカル君の腰の振りがサイコウ。