●ボクの人生、迷子のまんまです。
●暑さのせいなのか?湿度のせいなのか?アタマがうまく回らない。
●でも最近は、仕事がなぜか薄いので、その暑さに浮かされて、フラフラと出歩いている。
●なんか、出歩くコトで、ナニかに繋がれたら、素敵だなと思ってる、ような気分。
●たとえそれが錯覚だとしても、今はそれしか出来ないし…ね。

ビビビ、というインスピレーションが欲しい。と思ってます。



●インスピレーション探し。その1。
下北沢に新しい小劇場ができてます。「アトリエ乾電池」。

アトリエ乾電池

柄本明さん率いる「劇団東京乾電池」が、今年の4月に下北沢のスミッコ、一番街/茶沢通り方面に作ったミニスペース。芝居の内容にもよるけど、多分60席程度のキャパ。実にセマイです。普通じゃ気づかない場所にあるんですが、たまたまボクがよく歩く小さな抜け道に出来たもんだから、なんとか存在を察知できました。
●で、ここで行われた7月公演に行ってみたんです。柄本明さん主演/演出、ウジェーヌ・イヨネスコ「授業」柄本さんと二人の女優さんだけの3人芝居という内容。先月の散歩の時にチラシをココでゲットしてたから、その日は芝居が初日だってコトは知ってた。でも正直わざわざ観るつもりは直前まではなかったんです。でも、いきなり気が変わった。だってさ、演出と主演を務める柄本明さんが、この小劇場の前に立ってんだもん。あの柄本さんがニコニコしながら、チケットカウンターの横に立ってるんですよ。ちょっとビックリするでしょ。あ!柄本明さんだ!と思い、ボクはついフラフラとカウンターに近寄って、そしたら当日券販売のカワイイお姉さんにニッコリされて、結果そのまま「当日券ありますか」と口走ってた。
ウジェーヌ・イヨネスコさんという人は、ケラリーノ・サンドロビッチ的なヘンテコ・ペンネームと一瞬疑ってしまったのですが、実はルーマニア系のフランス人劇作家で、サルトルカミュと同時代人の不条理系作家なのでした。シンプルな美術の前で、シュールな内容の「授業」が、柄本教師&女生徒の間で延々繰り広げられる。どんどん常規を逸脱する柄本教師の奇妙なテンション。そんで彼は汗だく。謙虚だったはずの紳士がわめき叫び頭を掻きむしる。狙ったつもりはなかったのに、キャパ60席の最前列中央に座ってしまったボクは、柄本さんの汗のニオイまで届くカブリツキで観劇。笑ってイイのかワカラナイけど、分かりやすく笑った方が演ってる人に響くだろうと思って、ついオーバーにリアクションしてしまう。コッチはお客として観劇してるけど、この距離感は、役者からも観察される間合いだもん。つまりは緊張するんです。
●カーテンコール的なモノ(つーか厳密にはカーテン的なモノがあまりない)を経て、柄本さんがアイサツ。共演者の女優さんたちの名前を失念してたのはご愛嬌だけど、小箱の緊張感を小気味よく感じてるのがしみじみ伝わる。「夜の回は結構お客が入ってくれましたが、昼の回はお客が8人だけでした。ま関係者もいたからもうちょっと席は埋まってましたが。でもソレがオモシロいのです。だって8人しかいないとお客も緊張するでしょ」あーやっぱりソコが醍醐味なんだ。こんな大御所の名優さんがこんな小箱をわざわざ作って芝居をやる理由。柄本さんはこの小空間で今後もオモシロいコトを仕掛けるつもり、ボクもボチボチ散歩がてらにココのポスターやチラシをチェックして、その仕掛けを面白がりに行きたいと思ったのでした。



●インスピレーション探し。その2。
あらかじめ決められた恋人たちへ。レコ発ライブ@渋谷 WWW。7月9日。
あらかじめ決められた恋人たちへ「CALLING」
あらかじめ決められた恋人たちへ「CALLING」2011年
●持病&体力的問題からこの数年間自分に課してきたライブハウス自粛を、ライブ:面影ダンスホール@渋谷 WWW で解禁したボク(7月2日の記事参照)。即座にライブハウス参戦第二弾を実施しました。先日ライブに誘ってくれた先輩とまたまた二人で渋谷スペイン坂へ参集です。
あらかじめ決められた恋人たちへ、というバンドは、ピアニカ奏者&トラックメイカー池永正二を中心としたユニット。ボクとしては全くの予習&予備知識なしでのトライ。先輩のMUTE BEAT みたいなダブと思えばマチガイない」とのヒトコトでもう安心。ダブ!しかもピアニカ!AUGUSTUS PABLO みたいじゃないですか!もうソレで十分ですよ絶対楽しめますね。
●しかしライブの内容は「絶対楽しめますね」予想の数十倍の迫力でありました。各所で評判な渋谷 WWW の高品質PA を限界までコキ使ったフルパワーの爆音!鉄壁のドラム&ベース隊が少々ハイテンポ&手数テンコモリの密度濃い重低音グルーヴで腹がビリビリ鼓膜ヒリヒリ。ああこの超大音量久しぶり…ライブならではの迫力だよ。サイドにはテルミン奏者がアナログ気分でロマンチックな旋律をフワフワと編み出す。そしてフロントマンの池永が、両足を大きく開いてピアニカを光線銃のように構える。一見貧弱に見えるピアニカだけど、強力にダブワイズされた音響効果の結果、轟音グルーブの中で雄弁に空間をシャープに切り裂き、センチメンタルなドラマを紡ぎあげる。バンドがステージ後方に背負った大型スクリーンにはリアルタイプオペレーションで抽象絵画のようなグラフィックが次々と繰り出される。そんでダブバンドの最高の醍醐味、ライブPA。ミキサーコンソールでせわしなく機材をいじくるオペレーターがそのライブの現場でバンドサウンドにダブ効果を施す。スネアがツカーーンと空間を切り裂く瞬間。ディレイエコーが膨張して爆発しそうになる瞬間。限界の爆音のさらに上へと突き抜けてスピーカーがバリと破れるような、またはコッチの鼓膜がパリと破れるような、ギリギリの勝負。そして終盤にはゲストギタリストが登場。ダブは野蛮ギターを取り込んで、荘厳なシューゲイザーサウンドに到達する。
●ピアニカを時に手放し、ステージ上のPCをイジくってシーケンサーを操作する池永は小柄で猫背。しかしその彼が大きく見える。古代宗教のシャーマンのよう。ナニかに憑依されたように、長い手を大きく振ってダブの波動を全身で受け止めようとする。爆音がブレイクする瞬間を捕まえて大きく身をよじらせる。ダブワイズの渦をその身に吸い込もうとするかのしているようだ。ダブの神官。
●結果として、ライブのハイボルテージなパフォーマンスを観てしまっては、CDのテンションはちとやはり見劣りがする。生バンドのケミストリーが荘厳だったのに対して、打ち込み比率が大きく見えるCDは分が悪い。そもそもは池永のソロエレクトロニカユニットだったのだから、CD音源はその出自に忠実な鳴りなんですけど、やっぱライブの方がイイワ。でも iPod を限界までハイボリュームに上げて聴けば、イイ感じのトコロまでは到達します。「Back」は古典ダブの枠を超えたハイテンポが清々しい秀作。そして旧譜もチェックね。

あらかじめ決められた恋人たちへ「ブレ」
あらかじめ決められた恋人たちへ「カラ」
あらかじめ決められた恋人たちへ「ブレ」2005年
あらかじめ決められた恋人たちへ「カラ」2008年

池永さんがノーMCでパフォーマンスしてた時に着てたバンドTシャツ(アルバム「CALLING」ジャケのモノクロバージョン)は、あまりに池永さんがカッコよかったのでその場で購入。翌週すぐに会社に着ていく。
●そんでテルミン奏者のクリテツさんが現場でミニアルバムを500円で販売してた。コレも買っちゃった。
●ちなみに、このバンドのベース奏者、剣樹人さんは神聖かまってちゃんのマネジャーでもあります。ベースカッコよかったなあ。
池永さんの別ユニット、シグナレスもファーストアルバムをリリースしてます。コレもチェックしたい!



●ニューアルバム収録、多幸感溢れるオープニングチューン「BACK」のプロモ、貼付けます。

●あ、ハナシ逸れるけど、面影ラッキーホールの新譜、やっとゲットした。

面影ラッキーホール「TYPICAL AFFAIR」

面影ラッキーホール「TYPICAL AFFAIR」2011年
●救いのナイ人間のオロカサを、無駄に華麗なファンクレビューでお届けするこのバンド。曲名が相変わらず秀逸。「ラブホチェックアウト後の朝マック」とか。「あたしだけにかけて」は元ミドリ後藤まり子さん参加でピリリとシビレル絶叫入り。「あたしにかけて いっぱいかけて 罠にかけて鼻にかけてシーツをかけて 時をかけて生命かけて生死かけて」…ギリギリというかアウトというか。



インスピレーション探し。その3。ももいろクローバーZ。いまだ底知れないポテンシャル。

ももいろクローバーZ「バトルアンドロマンス」

ももいろクローバーZ「バトルアンドロマンス」2011年
●5月くらいから、異常に気になってました。このアイドルグループ。とうとう今週ファーストアルバムをドロップ。発売日当日には新宿アルタ前広場でゲリラライブ。そんで選挙カーを稼働、都内を練り歩いて彼女ら自身がマイクで自己アピール。…「選挙」イメージはアチラ様への対抗意識か?本人たちには邪気はないけど。
●でその後、彼女たちは東京タワー駐車場で記者会見。ソレをわざわざボク見に行っちゃった。彼女たちの生身の正体を見極めたくて。でも今だに彼女たちのスゴい部分を、ボクはちゃんと言語化できる段階にないのよね。アイドルってボクにとってはアウェイな領域だし。ただね…とにかくなんかスゴいのです。その「熱量」というか、ギミック1つ1つに仕込まれた「やり過ぎ感」というか、「ベタを突き詰めた上で、ベタを超越する」、ある意味での「ハードコアな姿勢」というか。

●だって、この写真一枚で、カッコイイって思っちゃったんだもん。

ももクロゲリラライブ

なにコレ?なにこのエビ反りジャンプ?ココまでやるか?
AKB48 がやるか?少女時代がやるか?モーニング娘。がやるか?つーか、やり過ぎだよ!
●そんでさ、ナニゲに、足に履いているのがリングシューズなの。機動性から考えたら実に合理的ってこと?
●彼らのコンセプトは多くをプロレスから援用してるっぽい。
●彼らの決めフレーズがあるんです。玉井詩織 A.K.A.しおりん(黄色)「ここが、この場所が、アイドル界のど真ん中だぁー!オマエら、ついて来い!」ど真ん中じゃないよ…スゲえオルタナティブだよ…。でもコレ、プロレスちっくだよね。ファンを「オマエら」呼ばわりだもんね。…あ、でもファンはコレを楽しんでるよ。アンコールに答えて百田夏菜子 A.K.A かなこ(赤)「オマエらも好きだなあ~!」って言うんだもん。

●でもボクは、やっぱ音楽ファンだから、最初のトッカカリは楽曲だったんです。
●サウンドプロデューサー前山田健一 A.K.A. ヒャダインは、PERFUME で言うトコロの中田ヤスタカのポジション。つか、2011~2012年のサウンドシーンを牽引する存在になるかも知れない。モノスゴイ密度感で様々な音楽様式/音楽文脈をレイヤードするテクニックは、一時期の小西康陽「慎吾ママのおはロック」的な仕事をしてた頃)のド真ん中ポップテイストを、さらに突き詰めてハードコア化したような饒舌さ。今どきのアニソンスタイルを軸にしてる気分が多分2011年のリアルを感じさせるんだけど、ソコに収まりきらないスリルが満載。息つかせぬ激しい転調やアザトイブレイク、超高速BPMは百凡のアイドルポップスを突き放すテンションで、ソレに過積載で押し込まれたリリックは、言葉ヅラのバカバカしさが消し飛ぶほどのビートのスピードの中、完全に意味が剥ぎ取れて、結果彼女たちの純粋な熱量だけがビリビリ響く。シングル「Z伝説~終わりなき革命」は、いったいドコに向かう永久革命なのかサッパリわかんないけど、ブレイクビーツテクノとしては実は高性能。楽曲によっちゃキワキワのハイエナジーサウンド「行くぜ!怪盗少女」)から ASIAN DUB FOUNDATION 寸前のバングラ系ドラムンベース「天手力男」)まで援用するセンスがニクい。で、楽曲に仕込まれた様々なギミックに彼女たち自身が完全に無自覚無関心なトコロもナイス。多分、ハイテンションなダンスをやりこなす以上のコトは考えてないでしょう。
ヒャダイン名義のソロ楽曲もリリースされてるけど、やっぱ女子声の方がイイな。ダウンロードだけしてそう思った。


●ちなみに、多分ももクロと正反対のポジションにあるタイプのアイドルグループ。

東京女子流「鼓動の秘密」

東京女子流「鼓動の秘密」2011年
●コッチのサウンドは、ビックリするほどスムース。AKB48 よりもずっと洗練されてると思った。ましてやギトギトの脂っこさが売りのももクロとは正反対。洋楽のなんらかのスタイルを援用してるコトはない、あくまでジェイポップ、アイドルポップス。しかしそのツヤツヤして小気味のいいリズムが実に丁寧で、楽曲がとってもモダーン。エイベックス渾身のプロダクションだね。



インスピレーション探し。その4。満島ひかり「ラビットホラー3D」

『ラビット・ホラー』

「呪怨」シリーズなどホラー映画に定評ある清水崇監督の新作「ラビットホラー3D」の試写会まで行ってしまいました。主演の満島ひかりさんが舞台挨拶に出てくるってのがお楽しみでね。映画「悪人」そしてフジのドラマ「それでも生きていく」でもスゴい存在感を示す注目の女優さん。サントリーCM「ナチュライ」、坂道で自転車を汗だくで漕ぐ様をドアップで見せる、ただソレだけでビックリするほど画になる!
●ウサギのヌイグルミがキーアイテムになって、怪現象が発生するサイコパスホラーの本作でも、彼女はヒリヒリするような存在感を放ってる。なんなんだあの緊張感は。画面の中であの黒い瞳が動くだけで、張りつめた弦のように強い意志の存在を感じさせる。しかし彼女の魅力もまだ言語化しきれないんだよ…本当にナニモノ?
●そのワリには、舞台挨拶に登場した彼女は、年相応の若い女子としてリラックスしたフニャフニャトークで場をホワホワ和ませて、共演者の香川照之さんと「3D映画って面倒くさいね、普通の映画でイイのにね」とミもフタもない会話をしたエピソードを紹介して、うーん、あの画面を完全に支配する緊張感を感じさせない…。ん、そんなの素の場面までに期待するのがマチガイ?
●ちなみにこの映画の撮影監督は、ウォン・カーウァイとの仕事で有名なクリストファー・ドイルが担当。清水監督は「死ぬ程メンドクサイ奴だった」とコメントしてた。役者と話をしたいのに、クリスがアレコレ文句をつけてきてその打合せにメチャメチャ時間を取られたとな。

●あ、ちなみに、3D映画は、ボクも苦手です。だってメガネの上にメガネって、やっぱシンドイ!



インスピレーション探し、その5。雑誌「バーフアウト!」編集部がカフェになりました。

BROWNS BOOKS  CAFE

BROWN'S BOOKS & CAFE。@下北沢南口方面
●下北沢のカフェでブラックコーヒー飲みながら読書するのが、大好きな休日の過ごし方。そんなボクのお気に入りスペースになるだろう場所がまた増えました。コチラこの7月からオープン。本来は雑誌「バーフアウト!」のオフィスだからウィークデイは普通にオシゴト、カフェ営業は土日だけ、なんですが、お店に行けばマジで編集長の山崎二郎さんがカウンターの中でコーヒーを作っている状況。つーか、オフィススペースよりもカフェスペースの方が広いじゃん!壁一面には「バーフアウト!」のバックナンバーや数々の資料本がタップリあって、それをパラパラめくるだけでとても楽しい。もち BGM にもコダワリあり!ナイスなカフェミュージックから、懐かしの渋谷系までがウッディな店内に流れてます。
お店のメニューが、そのまま興味深い記事を掲載するフリーペーパーになってるのも心憎い演出。7月は金子ノブアキさん(俳優/バンド RIZE のドラマー。やはり下北沢在住)のインタビューを収録。これもマンスリーで更新するみたいです。今後は、ココを拠点に、様々なイベントを発信する予定とか。8月は山下達郎ニューアルバムリリース記念DJイベントを開催。詳しくはコチラ http://brownsbooks.jp/booksandcafe/


「バーフアウト!」経由で知った、オーセンティックなジェイポップ。

松千「光のピース」

松千「光のピース」2007年
●一時期の「バーフアウト!」「AUTHENTICA」というフレーズをキーワードに、有名無名を問わずポップスとして洗練されたシックな音楽を次々と紹介してた。コンピアルバムをリリースしたり、イベントを開催したり。この時期のスタンスが、ボクがこの雑誌が好きになるキッカケでありました。フリーソウル/カフェ・アプレミディ的なスタイルが世間一般に浸透した段階で、ジェイポップの中から同じ美学を共有するアーティストを発見開拓しよう、という立場が新鮮だった。
●この長崎佐世保出身の男女デュオは、そんなイベントライブで知ったユニット。時に甘く、時に渋く響く、ボーカリスト花田千草の声の貫禄。洗練されたプロダクションを経て、ブルースとしてはライト感覚に着地したけど、気負いのない軽さが爽やか。ライブじゃもっと熱い印象があったけどね。

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●そうそう、twitter のアカウントとブログをヒモづけてみました。
●でも、ボクの twitter の内容は、このブログにシンクロさせません。クダらな過ぎるから。…まーこのブログ自体もクダらないですけど。


●業務的興味も含めて、昨日今日はちょいちょいフジテレビの「27時間テレビ」を見てるのですが……なんかシンドイです。岡村さんをイジメナイで下さい。しかもボクの twitter の TL では誰も見ている人が全くいない…。

●むしろ NHK スペシャルの福島県飯舘村ドキュメントへのコメントが多くて。当然ボクもコレは見逃せなくて、録画で見てました…。原発30km圏内の外でありながら、高濃度の放射能汚染に見舞われた村。
●美しい自然ときれいな清流を売り物にした、低農薬野菜のビジネスは完全崩壊した…放射能は地域の誇りを根こそぎ奪う。25年もの時間をかけて品種改良した自慢のブランド牛を、全て売却して酪農を廃業する男性が泣きむせぶ。昨今のセシウム牛肉騒動においては、これらの牛を買い取った業者さんだって大変なはず…「オレも宮城で被災してんだ…」って語ってた、彼も大丈夫だろうか。二十代の農家男性は本来の稼業に未練を残しながらも、すでに避難させた妻子を養うために、単身いわきへ移り住んで東電の火力発電所で働くことにした。「電気に人生をここまで振り回されるなんて思っても見なかった」と苦笑。東電の下請けで働いていることは故郷の人々には言いづらいとつぶやく。実は内部被爆していることがわかっているが、数値だけが告げられて誰もその影響については説明をしてくれない。村内でも一番のホットスポットの地区長さんに、原子力委員会から派遣された官僚が事務的に説明する、「汚染物をコンクリートで保管する施設を村内に作らなければ、村には帰れない」、なんてデリカシーのない説明だろう。地区長さん「理屈ではわかっても、体がそれを許さない」…全ての地区住民の避難を見届けて、彼も土地を離れる。祖先の位牌を丁寧に梱包して仏壇をキレイに磨いて。
●今月末に飯館村は全村避難が完了する見込み。番組の冒頭では、地域の人々が集まって神社で祈祷が行われていた。あのような行事は、もう二度と行われないかもしれない。同じ場所で暮らした人々は、もう二度と集まることがない。コミュニティが壊される。先祖が切り拓いた土地と文化、人間関係を全部捨てる。


ノマド4年生、塾の宿題で、日本列島の白地図にナニカをセッセと描き込み。
●課題は、何でもイイから「1つのテーマをもって自分なりの地図を作ってみること」。地域の特産品一覧でもいい、有名河川を描き込むでもいい、全国の新幹線の路線図を描いてもいい。何でもイイのです。さてノマドはどんなテーマで地図を書くのか。

ノマドの原発地図

●ノマド「ねえねえ、キヘンに白いと書いてなんて読むの?」「柏」かな?「じゃあコレはカシワザワってコト?」あーん?ちょっと地図帳見せて。それは柏崎だよ…んん?オマエナニ調べてんの?「日本の原子力発電所がどこにあるのか全部書き出すの!」おおおっ!そう来たか…わざわざ宿題にそんなテーマを選んだか…。原子力発電所はね、みんな海沿いにあるから調べるのが簡単なんだよ!なんてコメントしてます。「つーか、日本、原発イッパイありずぎじゃね?」
●そんで翌日。ワイフに手伝ってもらいながら、日本全国の原発の稼働率をネットで調べておりました。ソコで分かったのは、定期点検などなどで、現在動いてる原子炉はそんなに多くないってコト。ノマド神妙にそれらの資料をプリントアウトし、真剣に眺める。……でぽつりとつぶやいた。「コレしか動いてないのに平気ってコトはさ、ナニゲに原発ナシでもイケルんじゃね?」……自分で調べて、自分のアタマで考える。そんで自分の立場を固める。そういう思考を今カッチリ身につけてもらいたいね。塾の宿題も、ボチボチ捨てたもんじゃナイね。


スチャダラパー「THE BEST OF SCHADARAPARR 1990-2010」

スチャダラパー「THE BEST OF SCHADARAPARR 1990-2010」
●この前、このブログでも取り上げた二階堂和美のライブ配信で、BOSE さんが気になるコトを言ってたのがココロに引っかかってて。「最近よく言ってるフレーズで『ああーあの日に帰りたい』ってのがあって。シンコとかいつも言ってるのね『ああーあの日に帰りたい』って。もうネタになってるくらいにね」……『ああーあの日に帰りたい』って率直な言葉だよね…。もう元に戻れないコトがわかってるだけに、クチにすると切ないフレーズだよね。
●そんなんでスチャダラパーが気になってしょうがないということで、棚から引っ張り出したベスト2枚組。ふと気づくと20年以上のキャリアを誇る彼ら、DISC1はリアルタイムで耳タコなほど聴いてきたので、なにげに関心が薄れてしまってた00年代作品中心のDISC2ばっか聴いてます。00年代は日本語ヒップホップがメジャー方面にもアングラ方面にも大いに分厚くなった時代なので、相対的に彼らの存在感は小さくなっちゃった感じ。
●ただ、今一度よく聴くと彼らのポジションってとっても特殊ね。ヒップホップだけでなくジェイポップ全般で必死に励ましとか勇気とか友情とか愛情とか絆とか癒しとかアレコレのシリアスなメッセージが、たっぷりと市場に投下されてきたのに、スチャダラパーのリリックにはほぼ100%意味がナイ。主張もメッセージもない。やーココまで徹底してると気持ちイイ、潔い。
●これ、当然当事者は意図してるわけですよね。陳腐なメッセージを投げるコトを粋としない美学。コレをトコトン追求している。シリアスであることを避けるのにどれだけ丁寧な配慮がなされてるか。だって彼らはスチャダラなんですもん。スチャラカでスーダラなんだもん。いつまでもダラダラしてて欲しい。『ああーあの日に帰りたい』のフレーズも、柔らかなユーモアに包んだネタにして、クスッと笑わせて欲しい。

●あ、今思い出した。スチャダラパーと同じポジションにいるのは、電気グルーヴだ。彼らにも100%意味がナイ。
●そんな彼らも、今は「節電」中らしいのですが。Tシャツが。

節電気グルーヴ


スチャダラパーとシンクロしたニュースクールのヒップホップ。

JUNGLE BRITHERS「STRAIGHT OUT THE JUNGLE」

JUNGLE BRITHERS「STRAIGHT OUT THE JUNGLE」1988年
●88年はスチャダラパー結成の年。アメリカにおいても、この年にヒップホップ新世代が登場しました。ハードな自己主張が目立ったミドルスクールのラッパー(PUBLIC ENEMY、RUN-D.M.C.、L.L.COOL.J、EPMD といった連中)とは一線を画す新世代。人呼んで「ニュースクール」ナヨナヨした文系キャラとピースフルなメッセージ、アフロセントリズム(アフリカ中心主義)に基づく思想とファッション、ジャジーな質感を持つトラックなどなど、新時代のスタイルを共有するアーティストが数々登場します。中でも注目すべきは THE NATIVE TONGUE というアーティスト集団。DE LA SOUL A TRIBE CALLED QUEST らを中心としたこのチームが「ニュースクール」運動を牽引していきます。JUNGLE BROTHERS もこの THE NATIVE TONGUE の中核メンバー。特にこの彼らのファーストは、一派としても初めてのアルバムリリース。この新スタイルに誰もが驚いたのです。
●とはいいつつ、既に20年以上前の音源なので、今のヒップホップの質感に慣れてる人が聴くと、トラックの密度がなんかスカスカしてて物足りないって思っちゃうかも。レイドバックしたラップの質感とサンプルのザックリ感覚が日曜日のケダルイ気分にピッタリかも。お茶飲みながら聴いてます。
●……それと、JUNGLE BROTHERS がユニークなポイントをもう一つ。彼らは一部のトラック制作をハウス系のプロデューサーに依頼したという事実。「I'LL HOUSE YOU」は80年代末の原始ハウスなトラック。高速BPMトラックを軽妙に乗りこなす彼らのパーティラップはナニゲにユニーク。ヒップホップもハウスもまだジャンルとして固定化してなかった幼い時代。こんな越境コラボもやろうと思えば出来たのね。…とはいいつつこのハウス路線はその前にも後にも誰もやらなかった。異端なアプローチなのでした。

BRAND NUBIAN「IN GOD WE TRUST」

BRAND NUBIAN「IN GOD WE TRUST」1992年
BRAND NUBIAN THE NATIVE TONGUE の一翼を担ったユニット。アフロセントリックな主張はこちらの方がより濃い。オマケに皆さんイスラム教に改宗しちゃってますからね(ネイションオブイスラム/5%)。一曲目のイントロから、アラーの神へのお祈りをサンプルしちゃってます。野太いベースとジャジーネタを基調にしたトラックに、ちょい社会派なラップを乗せてます。ラガDJを召喚してる曲もあるねえ。
●しかしこのセカンドアルバムには、ファーストアルバムで活躍した音楽的リーダー GRAND PUBA が脱退しちゃって少々地味な印象。ファーストが「ONE FOR ALL」というタイトルだったのに、イキナリ脱退しちゃうのはズルいよね。

ALI SHAHEED MUHAMMAD「SHAHEEDULIAH  STEREOTYPES」

ALI SHAHEED MUHAMMAD「SHAHEEDULIAH & STEREOTYPES」2004年
●90年代から一気にワープして、2004年の作品。これは、やはり THE NATIVE TONGUE 一派の中心ユニット、A TRIBE CALLED QUEST のトラックメイカーとして活躍した男の初ソロ作。硬く乾いて結晶化したようなビートが地味なはずなのに実にクールかつ艶やかに響きます。ああ、独特のグルーヴと奥ゆかしいアーバン感覚がタマラン。音の鳴り1つ1つがキレイだわ。
●さてこの人。ATCQ の同僚 Q-TIPJAY DEE と共にプロデューサーチーム THE UMMAH を組織し、ニュークラシックソウル/オーガニックソウルを牽引。RAPHAEL SAADIQ DAWN ROBINSON(元 EN VOGUE)とで結成したスーパーR&Bグループ LUCY PEARL も話題になりました。完全に職人気質/裏方気質な人でございます。そんで名前からハッキリ分かります通り、彼もムスリムです。
●裏方気質はこのソロでもしっかり滲み出てて、自分はフロントに出ずままに、フィーチャーシンガー/ラッパーを立てるスタイル。THE BRAND NEW HEAVIES のシンガー SY SMITHMINT CONDITION のシンガー STOKLEY WILLIANMSFU-SCHUNICKENS の高速ラッパー CHIPS、デトロイトのキーボーディスト AMP FIDDLER などなど、渋い人選が心ニクい。あ、TOSHI(久保田利伸)もいるぞ。ALI 本人のラップも少々は聴けます。

THE BEATNUTS「THE BEATNUTS STREET LEVEL」

THE BEATNUTS「THE BEATNUTS: STREET LEVEL」1994年
●一応彼らも THE NATIVE TONGUE の一派とされています。そんな彼らのファーストアルバム。でも作風だけで言うと「ニュースクール」を別の角度から牽引した DIGGIN' IN THE CRATES 一派の方に近いような気が…。何万回聴いても聴き飽きない完璧なループを目指す美学。その磨き上げたループをトコトン繰り返して作り上げる陶酔感。ある意味で硬派。純粋主義。「NUTS」には「夢中になる」「アタマが変になる」という意味がある。つまり彼らはビート狂。徹底的に突き詰めたビートミュージックを堪能する。
●ジャケに踊るグラフィティ調の矢印マーク。グルリと回転する矢印にはターンテーブルの上でうねるグルーヴの強さが象徴されてるのかな。元ネタは50~60年代に活躍したサックス奏者 HANK MOBLEY の1965年のアルバム「THE TURNAROUND」のジャケ。初期キャリアにおいて、THE BEATNUTS はこのマークをかなりしっかり使ってました。

The Turnaround!(HONK MOBLEY「THE TURNAROUND !」1965年)




為替が一気に円高モードになったので。特に英ポンドが127円台ってのは死ぬ程安い!
ここぞとばかり海外のアマゾンに発注かけました。もうヤバいってくらいの量のCDを。ぶっちゃけ、もう聴き切れないCDがワンサと溢れてるんだけどね。でもさ、イギリスアマゾンに発注したCD31枚は、送料コミでも単価にして680円。アメリカアマゾン24枚は送料込み単価で560円。これ安いでしょ!それと英 SOUL JAZZ RECORDS はレーベルのサイトに直接注文しました。これも20枚くらい。これは少々高めで単価1600円くらいになっちゃう。でも日本では入手がメンドクサイのと、どうやっても2200円くらいするのでやっぱり割安にはなる。
●でもまだ手加減してます。マジでマニアックなヒップホップは流通量そのものが小さいからムコウでも安くない。だから今回はスルー。オマケに業者を選ばないと本当にババを引かされる。ボクの経験上ではヒップホップ系の方がロック系のお店より、アレコレが全部ルーズ。あと、イギリスでヒップホップは無駄に高い。得意分野を持つ信用できるお店を見つけよう。




●あ、そうだ。今週は、中村とうようさんが自殺してしまった。
●そして AMY WINEHOUSE が死んでしまった。ショック。
●さらには、地上波アナログ放送がご臨終。ウチはデジタル化してしまっていたので、あの青い画面のメッセージは見られなかった。そんでこれから流れる砂嵐も見られない。


なでしこジャパンの、澤穂希さん。
●彼女、ピッチ上、試合をしている間には全然気にならなかったのだけれども。
●帰国会見とかで見せた、髪の毛ほどいた状態が、あまりにバサバサなロングロングヘアーなもんですから。

70年代の「ヒッピー」というか「フーテン」みたいな空気が漂ってて。化粧っ気もないしね。
●だから、ベロッと広がったベルボトムジーンズに、サイケな絞り染めのタンクトップとかが似合いそう。
●などと1人妄想してしまったのです。

優勝を果たしサポーターの声援に笑顔を見せる澤穂希選手=成田国際空港で2011年7月19日午前9時6分、岩下幸一郎撮影 SuperflyA-465x697.jpeg(ほら雰囲気似てるよ)

結果、スゲエ前向きに評価すれば、さん、SUPERFLY みたいになれる!マジで!
●髪の毛とか、ワリと共通する部分がありそうじゃん。
●だれか、適切なコーディネイトを彼女に指導して下さい!
●そんで、ファッション誌でグラビアしてください!

●ついでに、さんのお母さん。彼女も適切なコーディネイトが必要な気がする。
●若い頃は、きっとグラマーな美人さんだったかもしれない…深く想像したくないけど。

「穂希」って名前は、ユニークでイイね。今年は「ホマレちゃん」が増える年になるかも。




関係ないけど。香港?のキレイなおネエさんがナイスなカバーを演奏している。
LING KAI さん。スレンダーな肩が色白で、なんか艶っぽい。そんな彼女が、LADY GAGA「POKERFACE」をアコギ一本で弾き語り。リラックスしたタッチに遊び心を潜ませて。コッチもニッコリしてしまう。



●こちらはバンド THE KINGS を従えて、FOO FIGHTERS「BEST OF YOU」をアンプラグドで演奏。深い声でシットリと歌い上げるコトで、原曲の持つ凛としたテンションをキチンと継承してる。ナイスカバー。



フェイ・ウォンのカバーや、オリジナル楽曲も YOU TUBE で披露してる。ちょっと注目したい人です。



※追記:LING KAI さんは、シンガポールの人みたい。http://www.lingmusic.com.sg/



●連休疲れか…。具合が悪いです。予定に入れてた外出ができなかった…ショック。
●最近はアレコレ動いても体調を崩さなかったので、少々油断してたかも…。
●かといって、一歩も外に出ないと一層具合が悪くなる。行き付けのカフェでコーヒーを飲む。

暑いわね…。誰でもこの暑さには参るわね。カフェの奥さんにそう言われた。
●そうそう、暑いんです。ボクは参ってますけど、誰でも参るんです。奥さんそのコメントありがたいです。気分を切り替えるキッカケになる。
●具合が悪いことを自分のビョウキのせいにしないよう、なんとか自分の気持ちをそらす。コレ落ち込まないようにするテクニック。この状況は、誰でもキツい、誰でも疲れる、ボクだけがキツいのではない、ボクだけが疲れているのではない。自分に言い聞かせる。…でも結局クスリ足しちゃったけどね。


煮詰まったアタマに、ブラジル音楽。

ANTONIO CARLOS JOBIM「JOBIM FOR APRES-MIDI GRAND CRU」

ANTONIO CARLOS JOBIM「JOBIM FOR APRES-MIDI GRAND CRU」
●ブラジル音楽の巨人 ANTONIO CARLOS JOBIM のキャリア、60年代から80年代にかけての名演をふんだんに使ったコンピレーション。そのゴージャスさがモイスチャリング効果たっぷりの瑞々しい高湿度で、この鬱陶しい暑苦しさを見事忘れさせてくれる。JOBIM はボサノヴァのオリジネイター/伝道師として注目された60年代もイイけど、ボサノヴァという様式を超越した領域に突入する80年代の音源も素晴らしいのねーと感じ入るのでした。サスガ、SUBURBIA SUITE / CAFE APRE-MIDI 橋本徹さんの選曲だ。

●今日カフェで読んでたのは、橋本徹さんが1990年代前半に発信してたフリーペーパー「SUBURBIA SUITE」をまとめた本「SUBURBIA SUITE; EVERGREEN REVIEW」「SUBURBIA SUITE; FUTURE ANTIQUES」。かのフリーペーパーは渋谷系時代を牽引した重要なディスクガイドで、その後の「FREE SOUL」「CAFE APRE-MIDI」などのコンピに継承される美学がテンコモリ。90年代リアルタイムで二十歳前後だったボクにはハイブロウすぎて、そこに紹介されてる音楽など一生縁がないと思ったものでございます。

Suburbia Suite; Evergreen Review Suburbia suite; Future Antiques

●その後、そんな「SUBURBIA SUITE」の足跡をガッツリまとめたこの二冊の本が2003年にリリースされました。紙質にコダワったシャレオツな大型本は発売当時も高額でしたが、現在の古本市場でもボチボチのプレミアがついてて今だに敷居が高い物件。2003年段階においてまだこのオシャレスタイルに劣等感を感じていたボクはそのままスルーしてしまって(マジでこのコンプレックスを克服したのはごく最近、2008年のコトであります。参考記事 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-425.html)結局、この本の内容を全く知らずママに過ごしてました。だって高いんだもん下手すりゃ4000円するよコレ。
●しかし、今日はたまたまこの本がカフェの本棚にヒッソリ入っているのを発見。あらあら珍しいなあこの本久しぶりに現物見るよ、なーんて感じに、なんの気なしにペラペラめくってみたのでした。

●したらね、ボクもやっぱ37歳にもなりましてね、90年代初頭のガキンチョから少しは経験値が上がったのか、なにげにココに紹介されている音源を、無意識に買い集めているコトに気づいてしまったのです。あら、このレコードもあのレコードもボクは持ってるぞ聴いてるぞ。無駄に毎日アレコレダラダラ音楽を聴いてるワケじゃない、ナニゲに見聞を広げているのねボクは。かつてはオシャレ仮想敵国とさえ思っていた「SUBURBIA SUITE」にココまで接近しているとは、とても感慨深い。特にここ近年の勉強が効いているのは、ブラジル音楽の領域よね。ジョビンの音楽とかを普通に聴けるようになったんだもんね。

TOM JOBIN  ELIS REGINA「ELIS  TOM」
TOM JOBIN & ELIS REGINA「ELIS & TOM」1974年
JOBIM と、60~70年代のブラジルを代表する歌姫 ELIS REGINA が共作したアルバム。ボサノヴァから MBP にかけての時代を駆け抜けたELIS REGINA のハッキリした輪郭線を持つ歌声と、JOBIM らによる奥ゆかしいトラックが、ボクの荒れた神経を優しく撫でてくれる。
ELIS REGINAボサノヴァ世代の国民的歌手として尊敬を集めつつ、サイケデリックロックの影響をブラジル音楽に取り入れた新世代 CAETANO VELOSO らのトロピカリア運動に積極的に関与、64年のクーデターで成立するブラジル軍事政権へ批判的な立場を取った。なかなかの気骨あるアーティストだったのですね。少々エキセントリックな性格でもあったようで、最後はヘロイン中毒で1982年に死去。時に優しく、時にパワフルソウルフル、時にチャーミングな彼女の歌は、これからもっと研究したいトコロ。

joao gilberto brasil

JOAO GILBERTO「BRAZIL」1981年
JOBIM に並び立つボサノヴァのオリジネイター JOAO GILBERTO。ジャケットの写真には彼を囲むように CAETANO VELOSO、彼の実妹 MARIA BETHANIA、そしてGILBERTO GIL がいる。3人はトロピカリア運動の中心人物。ボサノヴァ世代/トロピカリア世代の両巨頭がそろい踏みでコラボレート。JOAOCAETANO たちも軍政を逃れて海外へ亡命していた経験を持つ。しかし時代はブラジル軍事政権は徐々に傾き民政へ移行していく頃。一度は祖国に失望した彼らが敢えて祖国の名前をタイトルに据えた。80年代の新しい伝説が生まれる。
JOAO こそボサノヴァ・ギターの創始者。これぞボサノヴァという小気味いいギタープレイに、甘く優しくウタが乗る。大先輩の前に少々遠慮気味なのか、トロピカリア世代はあまり出過ぎたマネはしてなくて、結果実にオーセンティックな路線のボサノヴァアルバムに仕上がってる。ふーむ、リラックス。音がヤワラかい…。
●ボサノヴァそのものについては下記の記事をご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-488.html
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-936.html


Milton Nascimento : Minas

MILTON NASCIMENTO「MINAS」1975年
●ブラジルという国はとっても広い。ヨーロッパの主要国を全部合わせたぐらいの面積はある。奥深い熱帯雨林には未だ現代文明に接触したことのナイ少数民族が潜んでいるし、様々な風土とソコに根差した文化がモザイクのように集まって成り立ってる国。音楽だって、地域によって多種多様。ボサノヴァリオデジャネイロという都会の洗練された中産階級が作り出した音楽。トロピカリアは北東部(ノルデスヂと呼ばれたりします)バイーア州の出身アーティストが主導権を握っていた。そんで、この MILTON NASCIMENTO。彼はここでアルバムタイトルにしてます、ミナスジェライス州の出身でございます。アルバムの中で何回も登場する子供たちのワラベウタのようなテーマコーラスが、素朴な土地柄を感じさせます。
●独特の浮遊感溢れるファルセットと幅の広いレンジが早くから海外アーティストの注目を集め、彼は70年代には WAYNE SHORTER などアメリカのジャズ界と最先端なコラボを経験。結果この段階において、実に複雑な展開を持つプログレッシブな音楽に到達してしまっています。もうブラジル音楽というククリとは関係ない、優れた音楽だけが持つ一流のスリルが奔流となって激しくうねっている。それでも彼の声は、一種の神々しささえ感じさせる澄み切った芯の強さで、音楽が難解になる一歩手前でトビキリの普遍性を持たせてくれてる。ああなんて美しい生命力。自由。

DJAVAN「DJAVAN : ALUMBRAMENTO」

DJAVAN「SEDUZIR」

DJAVAN「DJAVAN / ALUMBRAMENTO」1978年/1980年
DJAVAN「SEDUZIR」1981年
トロピカリア世代からもう少し遅れて登場したシンガー DJAVAN。そのキャリアの初期をまとめて聴く。時代は完全に MPB(=ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ)。アメリカのR&Bやロック、ジャズフュージョンの影響がブラジル音楽と混じり合い、独自の洗練を成したスタイルが確立。DJAVAN の音楽も、泥臭いファンクネスを漂わせつつも、徐々に都会的な洗練を身につけていく。彼もトロピカリア運動のチームと同じくノルデスチの出身。ポルトガルの植民地支配が早くから始まったこの地域には、奴隷貿易経由で渡来したアフリカ起源の文化が色濃く染み付いているのかも。その強いリズムの躍動がコシになって、ポルトガル語独特のメロディ感覚がシナヤカなハリを持って響く。



トロピカリア運動/「トロピカリズモ」は、簡単に言及できない一大ムーブメントなもんですから、また別の機会に。

●ああ、なんかだんだんココロが落ち着いてきた。ブラジル、偉大だわ。


●今週はセンセイの都合でヨガはお休み。
ですので、近くの区民プールに泳ぎにいく。

ノマドとアイス

●そんで、プールの後はアイスクリームの時間。ノマドはブルーハワイが大好き。ベロもクチの周りもドクドクしい程真っ青になります。



●昨日は友達とシチリア料理を食べてました。

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「シシリア料理 MUNIRO」@下北沢 http://www.muniro.com/
●下北沢というか、下北沢と笹塚の中間地点、井の頭通り沿いにあるイタリアンのお店。車線拡幅工事でイマイチ殺風景な井の頭通りにポツンと存在するこのお店は、コドモがこちら方面の幼稚園に通ってた頃から気になってたんだけど、実際にゴハンを食べるのは初めて。テンコモリの前菜盛り合わせ、セロリのサラダ、シラクサ風のリングイネ、子羊肉のグリル……本当はワインを飲めたらバッチリなんだろうけどボクはアルコールは飲めない…でも予想通りおいしかった!今度はワイフと食事に来よう。
●あ、ドン・コルネオーネが愛したというドルチェがあった。名前が思い出せない!当然注文していただきました。「みなさんゴッドファーザーがお好きなんですね!」なんて言われちゃいました。いやーいつかイタリア旅行に行きたいなあ。

●今はちょっとお休み中のこのお店もよかった。

下北沢熟成室@下北沢北口 http://shimojuku.blog8.fc2.com/
●ココはヨガ教室の人たちに教えてもらったフレンチのお店。やっぱりワインが飲めればより楽しいのだけど、料理もスゴくオイシかった。こじんまりした店内はテーブルが4つだけ、ご主人とフロアのお姉さんの二人きりで切盛りしてる様子。あ、このお店ではご主人を「熟長」と呼ぶんです。一見「魁!男塾」風ですが、ご本人は小柄でほっそりした方なので安心して下さい。「ワシが男塾塾長、江田島平八である!」とは違います。
●実は、相棒であるフロアのお姉さんがお店を去るとのこと、「熟長」もこのタイミングに合わせフランスに研修へ行くということで、このお店7月は営業してません。でもブログを見ると旅先フランスで見聞きしたコトを現場からこまめに更新なさってて、休業のブランクを感じさせない雰囲気。営業再開が待ち遠しい気持ちになります。いやーフランス各地を巡る旅も楽しそうだなあ。


●そうだ、地球は広いなーと感じさせる、あの映画を見ちゃった。

LIFE IN A DAY

「LIFE IN A DAY」。これの試写会行ってきました。
●去年の今頃、YOU TUBE で公募してたあのキャンペーンが、とうとう一本の映画として完成したのです。
「7月24日、あなたの日常の一コマを記録しませんか」それを YOU TUBE に投稿して下さい、こうして世界中の人が撮り集めた映像を一本のドキュメンタリーにします。プロデューサーはリドリー・スコット&トニー・スコット…ああ、この告知、覚えてる!なんかオモシロそうビデオでなにか撮影しようかなーと思ったモンね一瞬だけだったけど。あーアレはどんな仕上がりになったのだろう?と思って試写会に行ったのです。
●ネット経由で全世界に発信されたメッセージに呼応して、なんと世界192カ国から素材が集まったといいます。その数80000本!合計4500時間!うわーこれチェックするだけでも大変。コレを細かい編集で実にテンポよくそして感動的に繋ぎあげてる。ああ世界は広い、そんでイロイロな人がイロイロな思いで生きている、と素朴な当たり前を今一度強く感じることが出来た。ウクライナの農村のオジさんたち、ペルーの靴磨きの少年、女の子に見事にフラれるシカゴのオタクくん、ベルリン名物ラブパレード、そんで満月。世界中の人が一緒に眺めた満月。
YOU TUBE には全世界から投稿された素材がアーカイブとして残ってます。やっぱりヘボヘボ映像もテンコモリで、よくぞこんなゴミゴミ素材の中から美しいカットを選び出したもんだと、本当関心します。http://www.youtube.com/user/lifeinaday



旅をしたい!旅をしたい!こんな文章書いてたら、なんか旅情かき立てられてきました。


●今まで体調を慮って旅行を控えめにしてたボク。しかし今年は夏休みをガッツリとって、家族旅行を楽しむ予定です。久しぶりの海外旅行!まだ行き先はナイショにしておきますけどね。
●ワイフが「EXPEDIA」http://www.expedia.co.jp/?rfrr=Head:Nav:Multi:Home を駆使して直接エアチケットやホテルの予約をサクサクやっちゃってます。うわーこのサービスすごいねー。価格もかなりリーズナブルになるし、お店に出向いて煩雑な打合せをする必要がないからね。
●CMでも気になるクマさんのキャラは「エクスベア」という名前だそうです。「自由を愛する、かしこい旅人」。胸には星が5つ。三ツ星ホテル以上しか泊まらないというコダワリ。

こんにちは。エクスベアです。


旅情、キューバ。

キューバ★トリップ―“ハバナ・ジャム・セッション”への招待 (私のとっておき)

高橋慎一「キューバトリップ “ハバナ・ジャム・セッション”への招待」
●著者は写真家/ライターとして世界中を旅する一方で、キューバ音楽のレーベルを立ち上げて現地で音楽制作を手掛けている人。そこで出会ったキューバの街と人々の生活がキレイな写真と共に綴られている。
●キューバの人は粋だね。モノがなくとも、パリッと決めるキレイなシャツは持っている。電力不足は日常茶飯事、停電のショックで楽器や録音機材がバキバキ壊れるんだけど、誰もとりたててビックリしたりしないのがスゴい。市場の果物や野菜は妙に小ぶりでショボイんだけど、それは当たり前のように普及している有機農法の結果。日本みたいにピカピカのプリプリな食べ物だけが並んでる状況が実は特殊だと思い知る。
●3.11以降、エラい人たちが死ぬほど怯えている「原発停止」=「日本経済の衰退」という状況は、キューバのヒトにとっては当たり前の日常なんだわな。キューバが慢性的な物資/エネルギー不足に悩まされてるのはアメリカによる経済封鎖が遠因にあるわけで、ココにも国際政治経済の黒い影が見える。キューバ人の暮らしを今の日本人に受け止めろ、と言ってもソレは難しいかも知れない。しかし、まだ工夫の余地はいっぱいあると思う。「脱原発」を口にすると総理大臣ですらバキ打ちに会う社会って、偏狭でしょう。


旅情、ルーヴル。

荒木飛呂彦「岸辺露伴、ルーヴルに行く」

荒木飛呂彦「岸辺露伴、ルーヴルへ行く」
「ジョジョ」第四部に登場するスタンド使い&エキセントリックなマンガ家、岸辺露伴を主人公に据えた全ページフルカラーの短編。ルーヴル美術館が展開する「バンドデシネ」プロジェクトの第五弾として、荒木飛呂彦に作品の書き下ろしが依頼されたという。バンドデシネ=フレンチコミックは、アメコミや日本のマンガとも違った美学を持つ表現形態で、本国ではアートの領域として捉えられている。ルーヴルが押し進めているのはこの美術館の魅力をバンドデシネで表現するという目的。日本独自の「マンガ」の手法や、日本美術のモチーフなどを忍び込ませながら、世界の読者を意識して丁寧に描かれる荒木ワールド。今回の主人公・岸辺露伴「世界一黒い絵」と呼ばれる謎の作品を追って、ルーヴルの非公開エリアに入っていく。
バンドデシネ。うーむ、もっと読みたい。ルーヴル美術館、ぜひ行きたい。ポンピドゥーセンターも行きたい。絵本シリーズ「リサとガスパール」リサは、ポンピドゥーセンターに住んでるって設定。それとケ・ブランリ美術館。アフリカ/アジア/オセアニア地域の民俗美術を取り扱う美術館。あ、これでフランス・パリに行きたいという動機がしっかり固まった。
「ジョジョ」はとうとう第八部がスタート、ジョジョリオンが登場するらしい。しかも舞台は第四部/岸部露伴が活躍した杜王町。これもチェックしなくちゃ。それと荒木先生執筆の新書「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」もチェックしなくちゃ。


旅情、イビザ。
●この前、職場のデスクの配置換えがあって、みんなが自分の荷物を整理しておりました。そこで顔見知りの後輩がヒトコト「unimogrooveさん、このCDあげます。おミヤゲついでに買ってきたんだけど、結局誰にもあげないままでズッとデスクの肥やしになってまして。unimogrooveさんなら聴いてくれるかも」ナニナニなんのCD?あ、イビザのCDだね!

Sounds for the Magic Island Ibiza Vol

「SOUNDS FOR THE MAGIC ISLAND - IBIZA VOL.4」2002年
イビザは、地中海に浮かぶスペイン領バレアリス諸島の1つ、世界遺産にも指定された歴史的建築物と豊かな自然が息づく島。地中海屈指のリゾートでもあり、ヨーロッパ各地から観光客がワンサカやってくる。そんで元来独自のヒッピー文化が70年代から根付いてたモンだから、その上に独特なダンスカルチャーが乗っかって(バレアリックハウスというコトバが生まれました)、結果として90年代以降には世界最大規模のクラブがたくさん立ち並ぶ享楽の島になってました。ココも十数年来、一度は行ってみたい憧れの場所として、ボクのアタマにこびりつく存在であります。行きてーな!
バレアリックハウス(=バレアリス諸島のハウス)ってのは、1つの様式を示す音楽ジャンルではないようです…実はあんまりボクもイメージ出来てません。ただし、アメリカ、ヨーロッパ各地、日本などなど、DJが世界各地からやって来るこの島は、結果独自の音楽異種交配がなされて、実にジャンル横断的なDJスタイルが編み出される雰囲気があるみたい。おまけに海岸で静かに日没を眺める時のセットとして、アンビエント/チルアウトミュージックも進歩しているらしい。そんな空気をそれぞれのDJが持ち帰り、各々のシーンにフィードバックする、そんな磁場を持つ場所になってるようです……このおミヤゲCDもさまざまなスタイルを横断する内容で、チルアウトなダウンテンポから高速ドラムンベースまで多彩な音楽が折込まれてます。

Subliminal Live at Pacha Ibiza 2002 Mixed Live By Jose Nunez  Harry choo Choo Romero

「SUBLIMINAL LIVE AT PACHA」2002年
「AMNESIA SESSIONS VOL.FIVE」2002年
●しかしこの後輩くん、2002年にイビザ旅行に行って、2011年に至るまでこのおミヤゲCDをデスクに封印してたっていうんだからかなりのズボラさんですね。9年もほったらかしになってたワケだから。ただポイントはしっかり押さえてある。コチラの2枚のCDは、PACHA、AMNESIA、というイビザの中でも歴史ある名門クラブのコンピ。あれ!ココに行ったの?うらやましい!「行きました…けど、ウチの奥さんがくたびれちゃって、あまり満喫できなかったです…」だってココ、あの有名な「泡パーティ」のハコだよね!
イビザでも特に有名なクラブ AMNESIA の名物は「泡パーティ」ダンスフロア目がけて大量のアワアワが落ちてくる。シャボン玉とかそんなノリじゃなくて、雪崩のようなイキオイでアワが押し寄せる。小柄な女性の身長を超える量で押し寄せるからマジで溺死注意、自信のない人は逃げた方がイイホドのテンション。そんでみんなビシャビシャになってもガンガンに踊り続ける。ねえねえあの「泡パーティ」は体験したの?後輩くん「アレは朝方6時頃にやるんですよ。サスガにそんな時間までアゲアゲでいられないッス。やっぱヨーロッパ人は体力がチガウと思い知らされました」



イビザ AMNESIA「泡パーティ」の様子。ビシャビシャ。



●吉祥寺にかつてあったと言われる「ペンギンカフェ」に思いを馳せて。

PENGUIN CAFE ORCHESTRA「PRELUDES AIRS AND YODELS」

PENGUIN CAFE ORCHESTRA「PRELUDES AIRS AND YODELS」1976~1996年
半人半ペンギンの怪人が必ずジャケに登場する PENGUIN CAFE ORCHESTRA は80年代のイギリスで活躍した音楽ユニットでございます。つーか、ボクに言わせれば「早過ぎた音響派」。ピアノや弦楽器によるアンサンブルに交え、電話のコール音や輪ゴムを楽器として駆使したりしながら、可憐で洗練された音楽を組立ててた。ソレはあまりにも耳馴染みがいいからそれはカフェの BGM みたいに謙虚で奥ゆかしく聴こえてしまう。しかし、実はもっと雄弁で、チャーミングでユーモラスで、多彩な表情を持つポップミュージック。ヨーロッパのフォークロアからミニマリズム系現代音楽までを射程距離におく彼らのインスト音楽スタイルは、時にオーセンティックで、時に実験的。90年代後半に登場するポストロック~音響派の姿勢に近いモノを感じる。
●このアルバムは、このユニットの活動20年を振返るベスト的編集盤なのですが、この翌年にユニットの中核を担っていた男 SIMON JEFFES が脳腫瘍で亡くなってしまう。残念。90年代のクラブミュージックと接続すれば、より一層広がりのある音楽が生まれていたに違いない。実際このアルバムには THE ORB のリミックスが一曲収録されており、そのダブサイケな音響はかなりシビレル内容になっております。


ジブリ「海がきこえる」ってこんな話だったんだ。

「海がきこえる」

●昨日の金曜ロードショーでやってたジブリアニメ「海がきこえる」。…初めて見た…そもそもコレ劇場用作品じゃなかったのね、よくわかってなかった。
●冒頭と結末の場面は、主人公たちが大学一年生になった1992年の吉祥寺駅。92年に大学一年生なら、彼らはボクやワイフと同い年である。そしてあの吉祥寺駅のホームの様子は、ボクやワイフにとってはとても懐かしい風景。今は亡き「ロンロンヤング館出口」とか。北口方面に見える「TAKA-Q」の看板とか。南口側の映画館の看板とか。ワイフはあの頃トナリの三鷹駅在住だったし、ボクも1991年は吉祥寺の予備校に通ってた。あの頃はシッカリとシャツをズボンにインしてたんだっけ?まん中ワケのサラサラヘアだったっけ?ワイフは淡いパステルカラーのピンクを着てた。それは覚えてる。確かあの頃は吉祥寺のペニーレインにアナログレコードの店があって(名前忘れた)、レンガ館のレコファンはもっと大きなお店で、ディスクユニオンも別の場所にあったはず。ロンロンヤング館一階にあったCD屋さんはなんて名前だったっけ?新星堂だったかな。南口駅前にワルシャワがあったんだよね今は下北沢に移転したけど。……そして劇中に出てくる、カセットテープのCM、机の上のCDラジカセ、主人公が無造作にカオに乗せてたのはFM雑誌。映画本編で回想される中学高校生活はザクリとボクの胸に刺さる80年代の風景で、ネットも携帯電話もない時代。

「ムカシは普通に原作を読めてたはずなのに、今はこのコにすっごくムカムカする」とヒロイン・リカコのワガママぶりに腹を立てるワイフ。その一方で、この才色兼備のワケアリ転校生にニマニマしてしまってる息子ノマド小学4年生。メンドクサイ状況に巻き込まれつつも微妙にワルい気してない主人公男子・杜崎の詰めの甘さはタダのマヌケ&お人好しにも見えるんですが、ノマド&ボクはそのマヌケな男子ゴコロに妙に共感してしまって「キツいコと分かってても、やっぱカワイイ女子とは絡みたいよねえーヌフフフ!」と笑ってしまうのでした。ノマドも一回はこういうコにアタックしてみたら?「高知弁を話す男子なんてゾッとする!」なんて最悪なフラレ方するかもしれないけど。ノマド「オレ、東京弁だから一応ダイジョウブ」全然ダイジョウブじゃないぞーオマエ大変だなこのテのコトこれから全部やらないといけないんだからなー。

ノマドはクラスの「お楽しみ会」でトランプマジックを披露する。
●実はヤツは「この中からカードを一枚引いて下さい」好きな女子にやってもらうためには、どういうトークの流れにしたらイイのか必死に思案してるのです。そんなのは、イキナリそのコを指名しちゃえばイイだろ?「ダメだよ、仕込みがあるって思われちゃうだろ!」じゃあ「この手品には魔女のチカラが必要です。誰か魔女のチカラに自身がある人はいませんか」ってのは?コレで男子は出てこないよ何しろ「魔女」だから。ほほーんいいアイデアだと思ったのかノマドまたニマニマし始めました。


●それでは1992年頃の音楽を。

ST. ETIENNE「FOXBASE ALPHA」

ST. ETIENNE「FOXBASE ALPHA」1991年
●このCDは、ぼくにとってはかなり甘酸っぱい、実に1992年的な一枚です。大学1年生のボクが、サークルで知り合ったキレイな女の先輩に貸してもらったCD。この先輩には BLUR のファーストも貸してもらったね。THE MONOCHROME SET EVERYTHING BUT THE GIRL も貸してもらったね。あ、それとフリッパーズギターも。渋谷系の時代だから。
●フランス語の古いラジオ番組のサンプル(サッカー中継?)をオシャレに切り取ってスタートするこのアルバム。60年代のガールズポップみたいなキュートなアートワークと、90年代初頭のクラブミュージックを前提としたドリーミーなトラック、女性ボーカルのアンニュイな空気感、そしてホンノリのサイケな味付けがとてもオシャレさん。ロンドンの女の子ってみんなこんなにオシャレなのかなと、1人夢想に耽ったのを覚えています。
●アルバム二曲目「ONLY LOVE CAN BREAK YOUR HEART」は、実は NEIL YOUNG のカバーなんだけど、ナニも知らなければ同じ曲とは思えないホド気分が違います。やや倦怠感漂うグラウンドビートなトラックが無限にループしていく感じ。実際、NEIL YOUNG のバージョン聴いたのはスゴく後のことだったなあ。

ST. ETIENNE「YOU NEED A MESS OF HELP TO STAND ALONE」

ST. ETIENNE「YOU NEED A MESS OF HELP TO STAND ALONE」1993年
●なぜかジャケが毛沢東。セカンドアルバム「SO TOUGH」が出た頃にリリースされたアルバム未収録シングル&B-SIDE トラック集。ドリーミーでふわりとサイケなシンセポップ。そうそう彼らが所属してたレーベル HEAVENLY も実に渋谷系的なオシャレ存在でしたね。CREATION の関係者がノレン分けのように設立したインディレーベル。あ、今でも ST. ETIENNEHEAVENLY なんだね。


「涼宮ハルヒの憂鬱」はあっという間に読んでしまって。
●そんで、続くシリーズ第二弾「涼宮ハルヒの溜息」もさっくり読んでしまいました。
●マンガ感覚で読めるから、すぐ終わっちゃうね。「ライトノベル」ってその軽さを示すコトバなの?

「憂鬱」は確かにSF小説でした。しかし「溜息」は中盤の130ページあたりまで行かないとSF的展開が全く発生しない。ちょっとシビレを切らしそうになりました…文化祭の準備をただひたすら続けてるだけなんだもん。でもコレ、SFチックな、学園コメディなんですね。そう納得するのに時間がかかりました。

●超自己中心的で、超エキセントリックな性格の美少女・涼宮ハルヒちゃん。周囲の仲間たちに無理難題を押し付けてイイ気分になっては、ハナウタを鳴らしてドコかへスタスタ消えてしまいます。実はこのハナウタが、なかなか渋い選曲。とっても気になる。「大脱走」とか「ロッキー」のテーマをフンフンしているトコロは、まーそんなに気にならなかったんです。けど、「時間通りに来るのよ!来ない人は私刑の上に死刑だからねっ!」なんてコトバを満面の笑みで友人たちに吐きつけて、朗らかに歩み去る時に口ずさんだ曲にシビレタ。MARILYN MANSON「ROCK IS DEAD」!グラム調ブギーなゴリゴリのリフロック。ハルヒちゃん素晴らしく悪趣味だね!コレ確か映画「マトリックス」のエンドテーマ。ナイス選曲です。
●それと BRYAN ADAMS「18 TILL I DIE」を声高らかに歌う場面もある。渋いねえ~ボクこの曲は知らんでした。検索したら1996年の曲。死ぬまで18歳、と歌うハルヒちゃんはまだ高校一年生。
VANGELIS による映画「ブレードランナー」エンドテーマを気分よくハミングするシーンもあるんだけど、これまた実にハミングに向かない曲だよねー。ほんとイイ趣味してるよハルヒちゃん。久しぶりに「ブレードランナー」のDVDを引っ張り出して見たくなっちゃった。サイバーパンクディストピアとなった未来世紀のドシャ降りロサンゼルスで、ハリソン・フォードいきなりウドン注文するシーンがボクは好き。



MARILYN MANSON「ROCK IS DEAD」。彼と LADY GAGA のメイクセンスって似通う場面があると常々思う。




BRYAN ADAMS「18 TILL I DIE」。なぜかバングラデシュのクリケット大会でライブ。




VANGELIS「BLADE RUNNER END THEME」。ハンソロよりもインディジョーンズよりも、この映画のハリソンフォードが好き。




●そうそう、ボクの中で涼宮ハルヒちゃんのイメージは、いとうのいじさんのイラストとはどうしてもズレてしまっていて、ウマく馴染めない。多分コレはライトノベルの読み方としてはシッパイしているんだと思う。みんなあの作画を大切にしてるもんね。
●でも敢えて言っちゃうんですけど、ボクの中のハルヒちゃんは、女優・吉高由里子さんみたいな感じなんです。…ナニコレ?ちょっと恥ずかしい妄想告白?


今日はキチンと仕事を切り上げて、家に8時キッカリに帰ってきました。
「ほぼ日刊イトイ新聞」のネット中継で、二階堂和美さんのライブがあるもんだから。テレビは録画できるけど、ネット中継は自分じゃ録画できないもんね。ん?録画する手段あるの?ボクがわかんないだけ?最近はツイッター経由でハッとするイベントを知ったりして、ソレがボクの行動をパキパキ動機付けする。
二階堂和美「にじみ」
二階堂和美「にじみ」2011年
この人のウタ、小細工ナシ。ウタのドマンナカで勝負する人。なんて天真爛漫で、純真無垢で、猫のように表情豊かで、風のように自由。ジックリ聴けば澄み切った気持ちになれる。輪郭がクッキリしているようで、それを裏切るようにカタチやイメージを次々に変化させていく。イタズラな少女のようにオドケてみせたと思えば、人生の影をしっかり背負った大人の女性がスクリと立ちあがる。ソウルフルにガツンとパンチをカマす時もあるし、渋く昭和歌謡~ディスイズ演歌を唸ってみせたり、シガーに煙るシャンソンを決めてくれたり、サンバでワクワク浮かれたりもする。しかしスタイルは激しく横断しようとも、どんな場合でもマチガイなく「ニカさん」(彼女の愛称)の個性を刻み込む。素朴ながら研ぎすましたアレンジの中に凛と佇む彼女の姿がとても神々しい。
●チャーミングで朗らかなニカさんの表情、身のこなし、語り口は、陽気で底抜けの明るさがある。誰もを安心させるお母さんのオーラまでが出てる。ご実家がお寺で、ご自身も尼さんなんだそうです。そんな彼女から迸るウタとコトバがとても豊かで、思わず涙腺が緩むほど。「めざめの歌」があまりに眩しくて。「この世の全てはどうにもならない。それでも生きる。私は生きる。」今日の配信ライブでも、MCを勤めた BOSE さんが「魂が開いていくような声」って表現してた。ソレが的確。ステキ。


●ピースな気持ちでありたいのです。こんな今だからこそ。
LITTlLE TEMPO「太陽の花嫁」
LITTLE TEMPO「太陽の花嫁」2011年
日本のダブ。ルーツレゲエの逞しさと独特の洗練が清いスティールパンと溶け合って、なんて明るいんだろうと感じる。7月の強い日差しが爽やかに思える清々しさ。今日の夕ごはんに出た春雨の炒め物の中には、娘ヒヨコが学校の先生と摘んできたバジルが入ってて、その爽やかな香りがなんだがシアワセに思えた。今日は早く家に帰ったから、息子ノマドの漢字の勉強に付き合ってやれた。左利きだから字がヘタクソ。でも「パパ、今日返ってきた漢字テスト、全問正解だったぜ!」と嬉しそうに自慢してくる。ただ、もうソレだけでもイイのかも知れない。



そんで七夕。コドモたちは夕ごはんの後に外へ出て、夜空を見上げておりました。東京/世田谷のソラにはナニが見えたのか?「パパ、北斗七星が見えたよ!」とノマド。

明日は七夕。ヒヨコ3年生、ワイフとともに笹を買ってきました。

ヒヨコ七夕のお願い「たからづかに入れますように」

そんで短冊に書いたお願い事。「たからづかに入れますように。ひよこ」。
●え!マジ!オマエ宝塚に行きたいの!?……ベンキョウしたくなーい、中学ソツギョウしたらもう学校オシマイ!と言ってたヒヨコ。そんなアホムスメに以前テキトウなコトを言ってしまった。学校の中にはな、ヒヨコの好きな歌と踊りの練習をイッパイするトコロもあるんだぞ、宝塚って名前のガッコウ!コレがコトノホカ本人の中で大きく響いてしまっていたらしい。ヤツが最近異常にミュージカルや歌に興味津々なのも、ユーチューブでその辺の動画を見ているのも、実は宝塚という世界が念頭にあったらしい。うわ。
●ヒヨコさん、宝塚は遠くは神戸にある学校でして、入学したらウチを出て寮生活になりますよ?ヒヨコ「うーん」いうなればハリーポッターがやってるみたいな生活よ。「でも夏休みにはおうち帰れるでしょ」まーハリーも休みは帰るからな。「じゃあヒヨコ平気」平気なの?!兄ノマドなら寮生活なんて絶対イヤっていうのに、アナタは躊躇ないんですね。むむむむむ。宝塚ってどういう世界なの?研究せねば。



一方の兄ノマド。「オレ、オサム病にかかってる」。
●ノマド小学4年生、手塚治虫作品を読み耽る。「火の鳥」「ブラックジャック」「どろろ」に始まって、「三つ目がとおる」「アトム今昔物語」を通過、さらに激しくマニアックな方向に進んでます。
「バンパイア」1966~67年、「ドン・ドラキュラ」1979年、「ふしぎなメルモ」1970~72年、「ザ・クレーター」1969~1970年、「アラバスター」1970~71年、「ユフラテの樹」1973~75年、「日本発狂」1974~75年、「ゴブリン公爵」1985~1986年、「くろい宇宙線」1956~1957年…。スゴいオールドスクールものをモリモリ読んでる。実は、ボクが昔買い集めてた「手塚治虫漫画全集」シリーズを徐々に与えているのだ。…まとめてドサッとマンガを見せるのではなく、それとなくポロリ一冊づつリビングのテーブルに置いておく。するとサカナがエサに食い付くように、パクッと息子ノマドがそのマンガに吸い付く。モリモリ読む。何度も読む。そんで数日おいてその続編を与える。また真剣に読む。その様子は、ハタから見てるボクがオモシロいと思う程の夢中ブリ。
「ドラえもんよりも、オレはオサムが好き!」マンガの神様を「オサム」呼ばわりというのもいかがなモノかと思うが、下手すりゃ50年前の作品だって楽しんじゃうのは、手塚作品の普遍性がスゴいのか、ノマドがチトヘンな趣味の持ち主だからなのか。最近は古本屋を親子二人でチェックしちゃったりしてる。オサムの本探しに行くかノマド?
70年代の手塚作品は、オカルトだとか超能力だとか超古代文明だとか疑似科学だとか、ちょっと前には「トンデモ系」として分類されてた領域にインスパイアされたモノが多い。今はこの手の想像力って消えてなくなっちゃったみたいだ。宇宙人とか超能力とか心霊現象とか、マユツバな物件をテレビが怖がって扱わなくなったからだろうな。実はこのヘンの「トンデモ系」って、硬直化する主流文化に対する、オルタナティブな世界観を提示する基盤だったはず。ソレがなくなっちゃうって、想像力としては貧困だと思ったりもする。……あ、そうか、1995年のオウムショックが日本社会からこの辺の「トンデモ系」を排除しちゃったのか。

「アラバスター」

「アラバスター」は、あまりに救いのナイストーリーに、後年の手塚本人が「この作品はキライだ」と語っていた物件。執筆時には、軽いうつ状態に陥っていたと言われている。読後のノマドの第一声、「…うわ、なんてコトだ!」



コドモたちに「ぼくらの七日間戦争」を見せる。

「ぼくらの七日間戦争」

DVD「ぼくらの七日間戦争」
●我がワイフは、ビデオ屋に行ってはコドモたちに見せたいDVDをジックリ選んでくるのが1つの趣味みたいになってる人間。ヒヨコにミュージカルを見せたりノマドに名作モノを見せたり。…で、やっぱりボク&ワイフの世代が子供の頃に見た映画が安心できるのだろうか、80年代映画がナニゲによく選ばれる。「グーニーズ」とか「インディジョーンズ」とか「スタンド・バイ・ミー」とか。そんで今週選んできたのが、多分初めての邦画となる「ぼくらの七日間戦争」1988年。原作:宗田理。音楽:小室哲哉。そんで13歳の宮沢りえが映画初主演!ボクは宮沢りえと同い年でして、この映画もリアルタイムで劇場にて鑑賞。うひょースゴいの選んだね。ワイフの読みは正確で、見事にウチのコドモたちは大爆笑&大喝采。
●舞台は「ゆとり教育」以前の管理主義教育下の公立中学校。先生は横暴で高圧的で暴力的。保護者にもヒドい言葉を吐き付ける。そんな体制に風穴を開けるべく、中学一年生11人の仲間たちは廃屋に立てこもりを決め込む。現代のガッコウにこんな先生も生徒もいないかもしれない。今じゃこんな先生モンスターペアレンツに免職へ追いつめられるだろうし、こんな生徒は学級崩壊の原因として排除されちゃうから。明白に凶悪な権力が見えないと、明白な反抗心は発生しないような気がする。ロックとかレベルミュージックとか、ありとあらゆる反抗文化はソコが温床であり震源であるはずだ。現代の若き反抗心は一体ドコに流れ出ていくのだろうか?反抗心なきレベルミュージックは、ただのファッションか、古びた伝統文化になるだけだ。
●11人の登場キャラで一番好きなのはどのコ?とノマドに聞いた…。「うーんと、メガネで設計図かいてるヤツ」えーっ!あのガリ勉くんキャラがイイの!(大沢健くんが演じてます…彼は今ナニを?)「なんとかゼミナールっていう塾に通ってるコ」あーオマエが最近塾通ってるからアイデンティファイしちゃったのね。じゃあオンナノコは?「うーんと、メガネかけてるコ」えーっ!宮沢りえじゃないんだー!中学生当時のボクはりえちゃんにメロメロだったよ…。



そんでボクは、雑誌「SWITCH」の「ソーシャルカルチャー ネ申1oo」特集を読み耽ってます。

SWITCH Vol.29 No.7( 2011年7月号 )特集:ソーシャルカルチャーネ申1oo

●ベンキョウすることが多過ぎる…困った困った。


気になる女性その1、LADY GAGA。

レディー・ガガ、“玉ねぎ衣装”で『徹子の部屋』初出演!

レディー・ガガ、“玉ねぎ衣装”で『徹子の部屋』初出演!

 人気歌手のレディー・ガガが、11日(月)放送のトーク番組『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に初出演することが3日、わかった。日本のトーク番組に初挑戦となったガガは、まるで洋服が土台、頭が“芽”という黒柳徹子の“玉ねぎヘアー”を体いっぱいに表現したかのような全長2m超えの気合いの入った衣装で登場。さらにうず高く巻いた髪からキャンディを取り出し逆プレゼントするなど、終始徹子を圧倒した。(オリコンスタイル)

GAGA さま、日本を楽しみまくりましたな。
GAGA さま来日時は、ナニゲにワイドショーニュースをキッチリチェックしてたボクでした。かつて「POKER FACE」のピアノソロ歌唱をスタジオで披露した朝のワイドショー「スッキリ」にはやはり今回も生出演。ご本人の結構な遅刻でコーナーMCのウエンツ瑛士くんが大慌てしてる様子が他人事としてオモシロかったです。
●露悪的なパフォーマンス演出ばかりが先行してるイメージの LADY GAGA。でも震災支援について言及したり、各所でキティちゃんをもらったり、アニメアイで周囲の苦笑を誘ってたりという様子を、日本人は寛容で前向きに受け止めてたような気がするし、その空気感に GAGA さま自身がリラックスしているような気がした。「アメリカからユカイなセレブがやってきた、ワケがワカランけど奇妙なコトをやらかしてくれて楽しい、それに日本が大好きみたいでチャリティまでしてくれる」そんな空気があった。日本人は優しいな。


●ここまで歓迎されてても、音楽についてはナニも語られない。ソコもスゴい。日本人は徹底してるな。

LADY GAGA「BORN THIS WAY」

LADY GAGA「BORN THIS WAY」2011年
●出世作「THE FAME」から大幅にスタイルを改変したニューアルバム。もち発売と同時にゲットして聴いてました。しかしコレが実に問題作。というか評価に戸惑う物件。だから困っちゃった。しばらく放っておいて時間を空けて聴き直したほど。
●むー。敢えて言っちゃうのですけど、コレは劣化が速いタイプの音楽だなあ…。あっという間に古びてしまう。つーかそもそもが古いポップス、80年代アメリカのダンスポップを連想させる場面が多過ぎて。本当に MADONNACYNDI LAUPER の全盛期の音楽みたいに聴こえちゃう。もしかして、グルリと一巡りして新しい、という解釈なのかな?前作の方がヒネクレたエレクトロポップなスタイルで耳に新しい感覚があったんだけど、痛快でアップテンポな楽曲ばかりの今作は、明らかにポップで取っ付き易い代わりに、あまりにフツウ過ぎて聴き飽きが早い気がする。前作の大部分を手掛けたサウンドメーカー RED ONE は4曲関与に留まり、今回は FERNANDO GARIBAY DJ WHITE SHADOW という人物がメインを担ってる。前者はメキシコ系のプロデューサーで、ENLIQUE IGLESIAS BRITNEY SPEARS を手掛けてる。ふーん。
●でも、それでもイイのかな…。強烈な四ツ打ちとクッキリしたメロディライン、そして最高にキャッチーなサビで、力強い自己肯定を高らかに歌い上げる「BORN THIS WAY」は、不屈の闘志でブレイクをモギ取った自分の足跡に GAGA 自身が感極まって絶唱しているようで、そのビートの強度と同じだけ感動的だと思う。シングル曲「JUDAS」「THE EDGE OF GLORY」はCMとかで耳タコで聴いてるから、聴き飽きとはカンケイなくアタマに刷り込まれちゃったしね。どの曲も贅沢なキラキラアレンジで、ゲイハウスみたいな現場だと豪快に駆動するんだろう。2011年という時代と結びついて記憶される曲になるんだろうね。もしポップソングがそういうものだとすれば、GAGA のやってるコトは全く間違っていないと思う。彼女は常にギリギリの最先端を走り続けるのだから。「I'M ON THE EDGE, THE EDGE, THE EDGE, THE EDGE, THE EDGE, THE EDGE, THE EDGE ! I'M ON THE EDGE OF GLORY ! I'M ON THE EDGE WITH YOU !」




LADY GAGA「THE EDGE OF GLORY」&「BORN THIS WAY」@MTV JAPAN AID RELIEF
●なんか、GAGA さま、ちょっとポッチャリした?この前まではもっと痩せてたような?



気になる女性その2、本谷有希子。

本谷有希子「ぬるい毒」

本谷有希子さん、3度目の芥川賞候補に。「ぬるい毒」。
●この作品をボクは、文芸誌「新潮」3月号に掲載された時点で読んでたんです。これまたくねくねヒネクレた女性が自分の感情とプライドがキリキリキリキリ裏返って何が狙いかワケ分からないのか分かってるのかジタバタ無言で悶絶しながら悪党の男と向き合い続ける、実に微妙な温度感の作品でした。それが「ぬるい」といえるのか?熱くもナイが寒くもナイ、でも禍々しい「毒」であるコトはマチガイない。こんなに込み入った男女関係は実経験にナイボクは少々乗り切れなかった、というのが正直な感想。今年ノミネートされてた三島由紀夫賞は結局受賞できず。その流れで芥川賞候補とは?果たしていかなる結果に?三度目の正直?二度あるコトは三度ある?

先日、本谷有希子さんのトークショーにも行ってしまったのです。
「平山夢明のヤリボンこきまSHOW!」というシリーズイベントがありまして。たまたまツイッターで見つけた催しで、「ラジオデイズ」という音声コンテンツサイトが銀座のカフェ・アンデパンダンという所で仕掛けているモノらしい。この平山夢明さんは作家さん?コラムニストさん?とにかく朗々とよくしゃべる人でゲストである本谷さんの3倍はしゃべってた。あ、このイベントはゲストのお話を聞くのではなく、平山さんのシャベリをゲストと共に聞くイベントだったのかと途中で気づいた。まーそれはいいとして。
初めて見る生の本谷有希子さんは、ヤバい、普通にカワイイのでした。ナニかと手のひらを口元に運ぶ仕草とか、年相応にマルマッこい声とか、普通に女子じゃん!美人でカワイイじゃん!コレは見た目にダマされる。ご本人も困ってるようですけど、作品とか文章の気分とパッと見の印象にギャップがあり過ぎてビックリする。このチャーミングな女性が、役者の中でも評判の血も凍るようなダメ出し演出指導をするのかーあのデストロイに歪んだ登場人物が激しくモガキ合う小説や舞台を描くのかーシニカルでつかみ所のないコラムを毎週書いているのかー、と思うと実に不思議な気分になる。そんな見た目が災いを呼ぶのか、下北沢の飲み屋で演劇のハナシをしてるだけで芝居の世界の先輩がイキナリイチャモンを吹っかけてくる。よく知りもしない人が突然「本谷!おめえオモシロくないんだよ!」と怒鳴りつけてくるという。妬まれるって大変ね。もうちょい時間をかけてお話を聞けば、暗黒のフォースが顔を出すのかもしれないけど、その気配はトークショーじゃまだ感じ取れなかった。
●ただチョイチョイオモシロい話も聴けて。本谷さんいわく、小説と芝居は、書き方が全くチガウとのこと。小説は、手元の紙に向かって直接書くことができる。しかし芝居は、この瞬間芝居を見てるお客さんは何を考えているだろう?というコトを想像して書くのだそう。自分が書いたモノを一度お客さんという鏡に写してみて確認する。手元の紙を鏡に写してソレを見ながら書くというイメージ。そんなコト考えて芝居って書くもんなんだ!スゴい。

クレイジーハニー

●あー!今度の本谷さん演出作「クレイジーハニー」@パルコ劇場のチケット、まだ取ってなかった。
●今回は、長澤まさみ&リリーフランキーが出演!スゴくオモシロそう。そしてモーニング連載のコラム「かみとえともじ」で度々語られてた、そんでこのトークショーでも話題になったワークショップから選抜されたメンバーも参加しているという。…でもサスガに8月の予定なんてわかんないよ。どうしよう?
本谷さんによると、演劇のワークショップは宗教のセミナーに似ているらしい。自分のワークショップと宗教が同じものになってしまわぬよう細心の注意を払いつつも、ここで「ほめる」コトのスゴさを思い知ったと言う。ドコにも出す予定にない芝居をワークショップの中で行った時、まあお客もいないから重たい責任もないと思って珍しく役者をほめてみた。するとみるみる演技が良くなっていく!あれれ、ワタシ今まで芝居をよくしようと思っていつも厳しいダメ出しをしてたのに、ほめたらこんなにも芝居がよくなってしまう!それがオドロキだったという。…一方で、本谷さん、公演を数秒見ただけで、役者がどれだけ本気かスグ分かるとな。お客と噛み合ずココロが折れる瞬間も手に取るようにわかるとな。

「乱暴と待機」

●そうだ、「乱暴と待機」映画版をまだ見てなかった。美波さんの演技がどんなコトになっているのか?気になる。原作小説はニヤニヤしながら楽しみました。



気になる女性その3、涼宮ハルヒ。

谷川流「涼宮ハルヒの憂鬱」

谷川流「涼宮ハルヒの憂鬱」
おまえ、今さらのアト乗りでどうするの?!という物件にとうとう手をつけてしまいました。すいません、ボクにとってライトノベルって本当に未開拓エリア。ナニが待ってるか全然予想がつきません。そこでこの元祖ツンデレ女子に先導役をお願いしたトコロです。小説を読んでてボクの脳内にイメージされるハルヒちゃんのルックスが、このイラストと激しく食い違うので、どうしたらいいかよくわかりません。


フヌケた日々を過ごしています。
●大した仕事もしてないのに、カラダがシンドイ…。やる気も起こらない。腰が痛い、肩が痛い、アタマが痛いと自分にイイワケして、ナニもしない。ブログの更新もサボってました。だから、そんな自分がワリとキライになってます。自己嫌悪モード。



「うつ病」ってのは、ドラマや映画の題材として、やたら深刻ぶった扱いではなく、もっとチャーミングに描かれてもいいんじゃないのかなあ、と今日バスに揺られながら、ふと考えた。
●病気というモノは、1人の人間の身体の中で起こってる現象だから、1人の人間の問題として描かれるパターンが多いような気がする。でも、ココロの病気は、1人の人間にふりかかる現象でありながら、その解決には複数の人間が関わらないといけない。患者、家族、友人、同僚、医者、ご近所、病気を通じて出会う人々。ココロは、コミュニケーションによって編み出される織物みたいなもので、その縦糸横糸は、全て他の人と繋がっている。1人じゃ回復できない。縦糸横糸を絶たれてしまったら、ココロは本当に死んでしまう。


●なんでこんなコト考えてるんだろ?

新宿でレイトショーを見た帰り。本当のひとりぼっちはコワいと感じた。
テアトル新宿で若手クリエイター3人による短編映画3本の公開をやっとったのです。「movie PAO」という企画。久万真路監督「ファの豆腐」/真利子哲也監督「NINIFUNI」/黒崎博監督「冬の日」。キャスト最小限で描く低予算映画というシバリのせいか、登場人物が少なくて息苦しい程の密室感を感じた。その密室感が、濃厚な絆として処理されていればソレは希望や未来につながることができるのだけど、塗り込められたような孤独と密室感が結びついたら、ソレは絶望と虚無ですわ。ナニも起こらないしナニも伝わらない。物語としてもオモシロくない。
●3本の映画は共に、挫折を前提とした若者が主人公に据えられてる。「挫折を前提」というのは、挫折の過程を描くのもほぼ必要ないホド、当然のデフォルトとしてキチンと挫折している、という意味なんですけど、つーかソコ前提からしか物語が始まらないってのが今の若者の心象風景なのですか本当大丈夫?(←オマエにそんなコトいう資格ないでしょビョウニンめ!)…とにかく、そんなもはや万人に共有されちゃってるかのようなヘコミ感覚を、細かくヨリ手繰ってナントカ希望に辿り着く道があるのかないのか誰か教えてくださーい、と3人の監督さんはみんな考えてるのか、いやボクが1人でそんな妄想に到達してしまったのか、静謐でフレッシュな作品だったはずなのに、やたらボクはココロ掻き乱されて、結果こんなアホなことを考えている。
「NINIFUNI」の背景として描かれた、死ぬ程没個性な地方のバイパス沿いの、パチンコ屋やファミレスやコンビニやガススタンドや工場や中途半端な空き地や中古車屋や、その多もろもろが片道二車線道路とデストロイな退屈に串刺しにされて時が無限に止まっているような感覚が、実にアンチドラマチックな破滅と共に描かれてて、コッチが死にそうになりました。ももいろクローバーが出演すると聞いて期待してたのに…彼女たちはデストロイな郊外文化をより一層強化する装置としてしか機能してませんでした。ま、ソレが監督さんの偽らざる意図なんですけど。


●話がソレてしまって、よいですか?デストロイ郊外の物語、面影ラッキーホール、のライブ。
面影ラッキーホール「代理母」
面影ラッキーホール「代理母」1998年

面影ラッキーホール「Whydunit?」

面影ラッキーホール「Whydunit?」2008年
●尻!尻!なぜこんな尻オシなジャケなのか?まーそんなジャケからのご想像を全く裏切らず、この音楽は、えも言われぬようなお下劣さをドコまでがマジでドコまでが冗談か分からないような悪趣味加減でフニャラフニャラと歌う性質のモノです。その歌詞世界のセンスは、下品でデストロイで、でも現代日本人の誰もが共有してしまっている一番暗い感情をわざわざえぐり出して赤裸々に描くモノであります。曲のタイトルだけで内容がある程度わかっちゃうと思うので、いくつか紹介してみます。「パチンコやってる間に産まれて間もない娘を車の中で死なせた…夏」「中に出していいよ、中に出してもいいよ」「あたしゆうべHしないで寝ちゃってごめんね」「好きな男の名前腕にコンパスの針でかいた」「あんなに反対してたお義父さんにビールをつがれて」「俺のせいで甲子園に行けなかった」「私が車椅子になっても」「あの男(ひと)は量が多かった」「ピロウトークタガログ語」「コレがコレなもんで」「たまプラーザ海峡」…後半の方は意味がわかんないですけど、まーロクデモナイ歌に決まってると簡単に想像できますね。そんでその有様がボチボチに注目されちゃってるほどであります。なんてったってそのライブに糸井重里さんが来てたくらいだもん。

●余談。ボクはビョウキで求職して以来、この4年間、ライブハウスに行ったコトがなかったんです。座りのコンサートは行けた、芝居も行けた、しかしオールスタンディングのライブはボクの体力的限界を超えているのでムリ。そう考えていました。2~3時間立ってるだけで限界なのに、あの人口密度や環境の悪さは致命的だと。しかし、そんな事情をよく知らない先輩が、たまたまボクをこの面影ラッキーホールのライブに誘ってくれた。実は先約してたお友達が急遽ライブに行けなくなっちゃったので、代わりにボクに声がかかったのだけど。それでも先輩はこのバンドの魅力を自信たっぷりにボクに語ってくれたし、バンド活動の傍らそれぞれがフツウの職業を持ってる彼らがライブをするのは結構レアな場面だというコトも教えてくれた。気ゴコロの知れた先輩なので「ライブの途中でボクがおかしくなってもヒかないで下さいね」なんて正直なハナシができたし、コレでライブハウス参戦が可能となればボクの活動範囲はグッと広がる。昔のようにイロイロなライブに行けるようになる。そんなコトを考えて出かけたのがたしか先々週のコト。会場は、渋谷WWWシネマライズ渋谷の地階を改装して出来た比較的新しいライブハウス。当然ボクは初めての場所。元映画館だけあって、フロアが階段状になってるのが特徴的。その分寄りかかる場所が多くてボクには助かる。フロアが一枚になってる方がダンスしたい人/暴れたい人には都合がいいだろうけど、このハコはチョイ大人向けに作られている。一言でいうと糸井重里がくるような場所。

面影ラッキーホールは、90年代中盤から活動している大所帯ファンクバンド。元ヴィブラストーンのドラマーさんが所属してて、見事なファンクグルーヴを巻き起こしながら、ソコに乗っかるリリックが実にデストロイ。そんな歌を披露するのはボーカリストの ACKY さん、中年太りのブサイク男42歳独身。ドン小西もビックリの全身ピンクスーツとティアドロップのデカイグラサンで決める歌謡ショー。そんで最後に服脱いで汗だくビキニパンツ。極上のグルーブに醜悪なシンガーが醜悪な歌詞を歌う確信犯的悪趣味世界。
●ライブに誘ってくれた先輩いわく、面影ラッキーホールの世界は、国道16号線よりも外に広がる、北関東の郊外バイパス沿い文化、いわゆる「ファスト風土」な光景を切り取ったモノ。低学歴、低所得、低希望、低未来。どんづまりな現実に痛めつけられたココロのスキマに、苦く滲みる塩をさらに擦り込み合うような男女の愚かな情愛がモクモク負のフォースを巻き起こしてヒドいことになる。そんな様子をネタにしてるような悪趣味さを笑うしかない。不健全ですか?そうかも知れない。少なくとも渋谷のオシャレなライブハウスでそんな音楽をニヤニヤ笑いながら聴くのは、なんかスノッブでイヤラシいかも。でも、実はそんな詞曲を書くボーカル ACKY さん、本業はその国道16号線以遠の市役所に勤める公務員なんですって。つまりこの音楽世界は「ファスト風土」のニヒリズムのドまん中から掬い取られてる風景なんです。

●ていうか、四の五の言わずに、聴いてみて下さい。最新アルバム「ティピカル・アフェア」2011年に収録されてる「ゴムまり」という曲です。幼児虐待です。本当にデストロイだなあと思います。気分を害したらゴメンナサイ。でも、ボクは世界観の徹底ぶりに笑ってしまいました。明らかにヤリ過ぎなんですけどね。






●あ、ボクは仕事もしないで、フラフラしてるだけなんだな。そんで勝手に消耗してるだけなんだ。今気づいた。




●それと、明らかに一般的な需要のナイはずの、ノマドとトカゲのオハナシ(前回の記事)に、多くの拍手を頂いたコトにビックリしました。ありがとうございます。