●トリトメのないコトを、ポツポツと。


ドラマ「妖怪人間ベム」。なんかイイ感じ。
●あのドラマを手掛けているプロデューサー河野英裕さんは、ナニゲに趣き深い作品を数々手掛けている、とても個性的なクリエーターだ。「すいか」(脚本家・木皿泉をフックアップ、以下挙げる作品は全部木皿作品)、「Q10」(主題歌に高橋優を抜擢)、「野ブタをプロデュース。」(評論家・宇野常寛「ゼロ世代の想像力」で積極的に評価してた)、「セクシーボイスアンドロボ」黒田硫黄のマンガをドラマ化)…。ウチのコドモたちも、早速主題歌を覚えようと頑張ってる。「早く人間になりたい!」


ちょっと前。ある大企業の社長秘書をやってるトモダチに会った。
●秘書、というと女性のイメージがあるけど、ソイツはボクより2歳年長のオッサン。フツウの仕事から突然秘書になって戸惑っていた…実は異動以前は自分の社長のカオも知らなかったという。まーボクも自分の会社の社長のカオよく知らんけど。
●そのボスに言われたコトがあるという。「キミは仕事より大切なモノがあるかい?…ソレを本当に大切にしなさい」。バリバリのベンチャー最前線社長、とはいえないオジイチャンだけど、有名大企業(多分ほとんどの日本人が知ってる会社)のトップとしてはワリと肩すかしな発言。意外だねーキミの会社はハードワーカーがイッパイいるトコロじゃないか。
●社長秘書のトモダチ「でさ、社長が仕事より大切にしてるモノって何だと思う?」…うーんと、家族とか?趣味とか?「それがさ、信仰っていうんだよ」信仰?「スゴく熱心なキリスト教徒の方だったんだよ。オレも秘書になるまで知りもしなかった…多分、ほとんどの社員が知らない」実は牧師さんみたいなコトまでできるほどの人らしい。週末には教会でお説教をするので、その時間にはどんなコトがあっても絶対にビジネスの予定を入れてはイケナイという。はああ……そうか、そういう生き方もあるんだね。

結婚式が相次いでる。
●実は昨日も先輩の結婚式だった。後輩先輩の区別なく、結婚式のお知らせや入籍報告がメイッパイ聞こえてくる。夏以降だけで、ボクの身の回りで6組が結婚した。同棲カップルが次々とお互いの関係をオフィシャル化したというか。311状況がカンケイしているのかな…。


音楽情報を、twitter アカウント「@amass_jp」から仕入れてます。
●プロフィールを引用すると「某音楽系サイトの元スタッフを中心に、音楽を基本にしながら、アニメ、映画、特撮なども盛り込んだニュース・サイトを新たに制作準備中。ここでは準備中だけど日々得ている情報などを、つぶやいてみたいと思います。」ここがナニゲにマニアックで、かつオトクな情報を供給してくれます。
アーティストの音源無料ダウンロードが行われてるよ、というニュースは、特に注目。アルバム一枚分の音源とか、60分程のDJプレイとか、珍しいリミックスとか。コレがオモシロい。世界各所からドンドンネットにアップされてるモノを個人のチカラで察知するのはムリ。そんな情報をコマメに拾ってくれるこのアカウントは実に助かります。…でもでも、ナカナカにパチモンクサいサイトもありますのでダウンロードはみなさま自己責任でお願い致します。

amass_logologo.jpeg(@amass_jp のロゴ。)

amass_jp キッカケで入手した、興味深い音源を一部ご紹介しますと…。

RADIOHEAD「COVERS BY RADIOHEAD」
●あの RADIOHEAD NEIL YOUNG や JOY DIVISION、OASIS、PINK FLOYD などなど20曲をカバーしてる。なんとなくダウンロードしちゃったんで由来がよくワカラン…中には音質最低のトラックもあったりして。ブートっぽいライブ音源をかき集めたモノ?
http://stereogum.com/714152/download-radioheads-20-best-cover-songs/franchises/listomania/

THE PAINS OF BEING PURE AT HEART「DAYTROTTER STUDIO 4/15/2011」
●ボクのような90年代初頭をリアルタイムに過ごしたモノにはメッチャ胸キュンしてしまう、昔懐かしいシューゲイザー/インディギターポップを鳴らすニューヨークのバンド。
http://www.daytrotter.com/#!/concert/the-pains-of-being-pure-at-heart/20054673-37382497

DEERHOOF「99% UPSET FEELING」
●コチラはサンフランシスコのバンド。ポストロックのややノイジーなライブ音源。ボーカル&ベースが東京出身の日本人女性なので、日本語詞もチラリと聴こえます。
http://deerhoofvsevil.com/

PAUL WHITE「THE STRANGE DREAM OF PAUL WHITE」
●映画「アキラ」から KING CRIMSON までかき集めてサンプルコラージュする、ギークなニオイ満載のアブストラクトなヒップホップ。2分以下の短いトラックがクルクルと展開する様はとてもキャッチー。
http://paulwhite.bandcamp.com/album/the-strange-dreams-of-paul-white

REAL WORLD RECORDS
●チョイ前に、このレーベルの facebook ページが積極的に音源のフリーダウンロードをやってたんだな。今はやってないみたいだけど。PETER GABRIEL が主宰するワールドミュージック専門レーベルなので、珍しい音楽がたくさん。ウズベキスタンとかタンザニアとかパキスタンとかコロンビアとかホンジュラスとか。イギリスの民俗音楽は新鮮だったね。
http://www.facebook.com/realworldrecords

「FUJI ROCK FESTIVAL '11 Sampler」
●今年のフジロックは、先着10万人限定で出演アーティストの音源フリーダウンロードなんてコトもやってたんですねー。個人的に9月頃ハマってた、あらかじめ決められた恋人たちへの音源をはじめ、AUDIO ACTIVE AFRICAN HEAD CHARGE などなどダブ系に偏ってるのはナゼ?と思いつつ、新生 BATTLES の音源(やっぱりダブ風)などはウレシかったね。ATARI TEENAGE RIOT は昔のままで懐かしかった。第一回「嵐の」フジロック1997年で彼らのライブを見たのを思い出した。
http://www.fujirockfestival.com/news/event12.html


●なんとなく関連音源。

ASIAN DUB FOUNDATION「KEEP BANGIN ON THE WALLS」

ASIAN DUB FOUNDATION「KEEP BANGIN' ON THE WALLS」2003年
「FUJI ROCK FESTIVAL '11 Sampler」に彼らの音源も収録されてました。彼らの存在を知ったのは1996年のコトだった…当時新入社員だったボクは、同期として知り合った友人からこのバンドの存在、そんでイギリスにはインド人(UKエイジアン)のユニークなサブカルチャーがあるってコトを教えてもらった。当時隆盛の極みにあったドラムンベースのシーンから、異色の存在としてブレイク。第二回「豊洲の」フジロック1998年でパフォーマンスを見るチャンスがあったんだけど、あまりに人が多過ぎて断念した記憶が…あのヘンでMC兼フロントマン、DEEDAR ZAMAN が脱退してとってもガッカリ。
●コレはアルバム「ENEMY OF THE ENEMY」の頃のライブ盤、二人のMCをはじめ追加メンバーを補充した時期。扇情的な高速パーカッション&キック+ベースとツインMCがフロアを焼き尽くす瞬間。ボクは個人的思い入れが強い初期の作品が好き。「NAXALITE」「FREE SATPAL RAM」とかね。
●最近始まったテレビ番組「ネプイモトの世界番付」で、世界一よく踊る国民はインド人!なんて話が紹介されてた。なんか自然に納得できる…。

DEERHOOF「FRIEND OPPORTUNITY」

DEERHOOF「FRIEND OPPORTUNITY」2007年
●日本人ボーカリスト、サトミ・マツザキさんの声がチャーミングで、アレンジもツヤツヤしたポップ感満載で、ポストロックにアリガチな取っ付きにくさがありません。90年代からコンスタントに作品をリリースして、今年リリースのアルバムが11枚目になる勤勉なバンド。所属レーベルはオリンピアの名門インディー KILL ROCK STARS だ。
●日本人女性がメンバーに含まれてるアメリカのバンドっていうと、ASOBI SEKSU とか BLONDE REDHEAD を連想しちゃうね。


●マンガも読んでる。
青野春秋「俺はまだ本気出してないだけ」

青野春秋「俺はまだ本気出してないだけ」1巻
●コレ、イタ苦しいマンガだね…つづきが読めません。主人公は自ら職を捨ててニート化しマンガ書いてます。女子高生の娘はそれをただ静かに見つめてて。
●ボクの場合、本気出し過ぎて砕け散った、みたいな感じだから、よりイイワケのきかない状況なんだけど。…安定剤をしばらく抜いてみたんだけど、やっぱ無理だわ。抜けたのは10日間程。3日前から元に戻してる。

朝倉世界一「デモネア・ドライブ」

朝倉世界一「デモネア・ドライブ」1~3巻
●コッチは、真っ当な世間からの脱落気分を甘く包み込んでくれるファンタジーだね。ドでかいアメ車で千葉から青森まで移動するミクロでトホホなロードムービー(じゃなくてコミックか)を描きます。元クラゲという経歴を持つエチゼンくん、とてもセンチな心を持つオカマのオッサンモモヤマさん、メガネがクールなロングボーダーと見せかけて金庫破りのマリちゃん、5年前までは超武闘派ヤクザだったけど今は純真な赤ん坊のように痴呆しきった「会長」。ゆかいな仲間がチンタラ進む道の向こうには何があるんだろ?実はナニもないんだけど…でも一瞬一瞬がキラキラしてる。

森薫「乙嫁語り」3

森薫「乙嫁語り」3巻
●中央アジアの遊牧民(どうやらカザフスタンとかのアタリみたいね)の女性たちを生き生きと描きます。チラチラとロシア帝国主義の靴音も聞こえてくる。「もやしもん」石川雅之さんと画の印象が似てるような気がするのはボクだけか…でもこの人は女性作家ですから。

吉田秋生「海街diary4 帰れないふたり」

吉田秋生「海街diary4 帰れないふたり」
「帰れない二人」井上陽水の初期傑作だね…。鎌倉に暮らす4姉妹の、瑞々しい恋愛模様。末娘すずちゃんに好意をよせる風太くんの不器用ぶりが愛くるしい。女の子はどんどん大人になっちゃうから、男子は必死に追いかける。すごくミットモナイけど、コレはしょうがないんだ。

日本橋ヨヲコ「少女ファイト」8巻

日本橋ヨヲコ「少女ファイト」8巻
●女子バレーボールのイタ苦しいスポ根青春から目が離せない。主要メンバー一人一人の深刻なトラウマに手を突っ込みまくる作者の性格のイジワルさがシビレル。この第8巻でイジラレルのは表紙の人物サラ先輩。サイボーグ002みたいなルックスと無表情なキャラ設定に感情移入しにくいと思わせといて、密かに背負い込んだ痛々しい因果にグラグラ揺すられました。

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●あらあら。なんだか、ブログを更新するタイミングがありません…ご無沙汰してました。
●仕事は、ちょっと楽になったんだけどな…。

●娘ヒヨコの学芸会のお芝居。
●大勢のドロボウさんが登場するストーリーなんです。そこでセンセイが提案。「女子のドロボウさんは、キャッツアイになってもらいます!」……子供たちリアクションとれませんでした。ヒヨコ8歳「パパ、キャッツアイってなーに?」確かに難易度高いなセンセイその提案は。21世紀生まれの子供にハイブロウすぎるわ。



●今週は、RAHEEM DEVAUGHN を聴いております。

RAHEEM DEVAUGHN「THE LOVE EXPERIENCE」

RAHEEM DEVAUGHN「THE LOVE EXPERIENCE」2005年
●ニューヨークのハウスプロデューサー KENNY DOPE、そして元 WILL SMITH の相棒 DJ JAZZY JEFF のクルー A TOUCH OF JAZZ の関係者がちょいちょいトラック提供。KENNY のトラックはサスガの重たいキック、そこにシルキーな RAHEEM のボーカルが美味しく乗っかるシズル感。

RAHEEM DEVAUGHN「LOVE BEHIND THE MELODY」

RAHEEM DEVAUGHN「LOVE BEHIND THE MELODY」2008年
●より生感覚に接近した内容、オーガニックな仕上がりに思わず何回もリピート。中でも THE TEMPTATIONS「MY GIRL」を大ネタ使いする「FRIDAY (SHUT THE CLUB DOWN)」はこの時期に目立ったモータウン・スローバックな時流にシンクロして実に美味しい。KENNY DOPE のトラックもジットリ黒汁したたる高湿度。その他 SCOTT STORCH も参加、OUTKAST BIG BOI をフィーチャーしたハイテンポファンクがクール。

●彼はワシントンDCのシンガー。ニュークラシックソウルの延長線にあるネオソウルの歌い手だ。さて、なぜ今週彼に関心を持ったか?デモに参加していたこのアーティストが警察に逮捕されたからだ。「ウォール街を占拠せよ!(「OCCUPY WALL STREET」)」運動に繋がる動きの中で、彼が身柄を拘束された、というニュースが月曜日に流れた…ツイッターとフェイスブックでね。

「ウォール街を占拠せよ!(「OCCUPY WALL STREET」)」運動がヒートし続けている。
●新聞も読んでないボクが、こんな現在進行形のニュースなんてどーもこーも言えないんですけど、やっぱ気になる。「反貧困」を掲げたデモが資本主義の牙城ニューヨークのど真ん中で展開されてる。完全なるホットニュースなのに、WIKIPEDIA でどんどん経緯が更新されている。そんでこの運動は次々に全米・全世界の諸都市に伝播し、ここ東京でも集会が行われた。…そしてシンガー RAHEEM DEVAUGHN は自分の地元ワシントンDCでこの運動に参加、最高裁判所の前に座り込んで、同志18人とともに警官にしょっぴかれたのです。

逮捕直前のデモの様子

●コレ、逮捕直前のデモの様子。中央のマイクを向けられてる人物は、CORNEL WEST 教授。人種問題や市民権問題の論客。なんと映画「マトリックス」シリーズにザイオンの指導者として出演している。RAHEEM DEVAUGHN はその隣に立ってるメガネ&ニットキャップのオニイさん。プラカードには「貧困は暴力の最悪の形態」

そんで逮捕の瞬間

そんで逮捕の瞬間。CORNEL 教授も一緒に逮捕されたという。このあと丸一日拘束されて、その後解放されたとのこと。ソースは全て本人のフェイスブックから。フツウの報道はほとんどナンもナイね。


アメリカで「占拠せよ!」運動が膨らんでいるコトって。
デモの様子が変わった気がする…。誰もが片手に記録機器(デジカメ?ビデオ?携帯?)を持ってて、スグにネットに情報が上がる。現場で起こるコト全てが見えるわけじゃないけど、見たこともなかった状況が国境を超えて生々しく伝えられるようになった。CNN や 大手通信社の配信映像じゃない、違う視点を持てるようになった。
●例えば、この映像。0分50秒あたりを見て下さい。警官がデモ隊の1人を警棒片手にねじ伏せる時、周りで大勢の人間がソレをジックリ記録するのです。この多くの記録がそのまま世界に繋がってる。1分40秒あたりも見て下さい。ロングヘアの人物(性別が分からない…女性だったらタマランな)が思い切り警官にブン殴られる。全部さらしてしまえ。



そんで、ボクの心は、デモにザワザワしている。日本では、311以降の反原発デモ。アメリカで「占拠せよ!」運動。ユーロ危機でギリシャがゼネスト。去年だとチュニジアのジャスミン革命~そして中東の反政府デモ。JOHN LENNON「POWER TO THE PEOPLE」と歌ったが、ネットツールはキチンと人々にチカラを供給している。21世紀の巨大な発明を駆使して、人々は確実に行動力を高めている。今まで聴き取れなかった声が、少しずつボリュームを増してる。そんな時代に生きてるってコトに、心がザワザワしている。


john lennon power to the people the hits
JOHN LENNON「POWER TO THE PEOPLE THE HITS」
●去年リリースされたベストだよん。ジョンのベストとしては今まで「SHAVED FISH」を愛聴してました。ソレよりさらに曲が多い、というのがコイツの特徴であります。まージョンのアルバムはほぼ全部持ってんだけどね!



●唐突ですが、気になる動画。



●ベラルーシの街角で、ブルースするおバアちゃん。
●ボトルネックならぬ、裸電球でスライドギターしまくる。渋い。




●アフリカはボツワナ。ロニーくんというオニイさん。
●ギターの弾き方ってホントはもっと自由なのね。



●こちらアメリカ。両腕がない人がつま先でギターを弾いてます。
●TOM PETTY のカバー。カッコイイ。



●ブラジル。一本のギターを二人で弾きます。
●なんだかセクシーで、とってもチャーミング。


●ここのところ、仕事で赤坂見附に行くことが多いんですけど。
●地下鉄駅の中の売店で、こんな貼り紙がしてあって。いつも気になる。

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「毎日おつとめごくろうさまです」

●なんだかコレだけで、ホッと温かい気持ちになる。手書きのお習字風なのも含めてね。

「伝説のすた丼」下北沢店。スタミナをつけないとね。

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板垣恵介「範馬刃牙」×「伝説のすた丼」コラボTシャツ。「強き者たちよ食らえ、伝説のすた丼」

●時々訪れるこのお店、いつもカベに暑苦しいメッセージが掲げられてて、微妙な気持ちになる。
●この日に見つけたフレーズは、「蝉を想え。一分一秒を死に物狂いで生きてるか。」

●…セミも気づけばいなくなっちゃったね。そりゃそうだ10月だもん。秋です。


秋ロック。アラフォーは人生の秋なのか。

ARCTIC MONKEYS「SUCK IT AND SEE」

ARCTIC MONKEYS「SUCK IT AND SEE」2011年
●最近、コレが沁みるのです。ARCTIC MONKEYS の4枚目、今んトコロの最新作。リリースは夏だったけど、ジワリと滲む渋みが、秋にこそ馴染む。今、とても耳に馴染む。
●実は、前作サード「HUMBUG」が正直よくワカランかった。ファースト、セカンドでバリバリに押し出されてた持ち味、キレのイイガレージサウンドとスリリングな展開が、サードにおいてはトボケてしまったように思えた。60年代音楽回顧、と言われてもあまりピンと来なかった。この4枚目はその前作「HUMBUG」の延長にある。60年代音楽回顧という流れを汲んでおり、従ってキレキレのガレージロックは登場しない。しかし、今回はピンと来てる。ピンピン来まくってる。
急くことなくジックリとビートを刻む質実さが、甘く苦い。ジワリとエコーに滲むギターの音が、甘く苦い。よく磨かれている古い木製テーブルのように、地に足が着いた存在感。25歳前後のバンドメンバーたちが放つザラついた緊張感はファーストの時代から全く劣化してない。しかし、ビートの速さや激しい展開といった勢い任せだけに依存しない貫禄が、今まで以上に音を分厚くさせている。小細工ヌキで響くロック。

実は、このアルバムを進めてくれたのは、44歳の先輩だ。
●一曲目「SHE'S THUNDERSTORM」が素晴らしい、とその先輩は言った。でも、どんな風に素晴らしいか、なんてハナシまではしなかった。だから、ココからはボクの想像。そしてボク自身がこの音楽から感じ取った甘さと苦さ。
44歳という年齢にとってロックがどんな風に響くのか?…アラフォーという地点も過ぎようとしているタイミング。かつてロックに憧れてた時代に比べ、見た目は随分変わった…顔はシワっぽくなったし、体重も増えたし、髪の毛も少なくなった。しかし、仕事人としても、男としてもまだ枯れるつもりはない。まだ子供のような無邪気さも、十代の頃のようなイキガリも、この胸の中に残っている。チリチリと燃えるモノが残ってる。
ARCTIC MONKEYS の今の音楽には、誰もが持っているはずのチリチリと燃える炎が備わっている。しかしその情熱の炎をこれ見よがしに見せびらかすのを彼らはヤメた。グッと内面に密度濃く押し込めて、その熱が滲み出る様で音楽を聴かせている。そんな彼らの、急がずにジックリとうねるグルーヴが、44歳の先輩、またはボク自身が抱えている情熱の炎の今のカタチを思い起こさせる。かつては大きく無軌道に燃焼していた情熱の炎。年齢を重ねた分だけその炎のカタチも変わった。その距離感を想う時、胸の中はノスタルジックな甘さと、遣り残した後悔の苦さでイッパイになる。エコーが淡く音を滲ませる時、胸に広がる景色が淡くセピアに滲む。

人生を四季に喩えるならば、アラフォーは晩夏なのか初秋なのか。熱い夏休みは終わり、二学期がいつの間にか始まる。淡々と日々は続く。やるコトはあるし、するコトはする。でも少し涼しい風が吹く。太陽は明るいが、空気は乾燥していく。大きな実りを得る季節。でも収穫の大きさを知ってしまう季節。甘く苦い季節。
●……25歳ほどの若者たちが鳴らす音楽に、ココまでオッサンがココロ揺さぶられるなんて。ARCTIC MONKEYS はソレだけで十分素晴らしいバンドだと思う。




ARCTIC MONKEYS「SHE'S THUNDERSTORM」
●様式とかスタイルの話をするとヤボになるような気がする。けど、敢えて言えば、こりゃモータウンだね。トトトトトトトトタタタタタタタタと刻まれるビート。どこか甘美なメロディ。キチンと60年代の香りがしてる。