●うー。忙しい。しんどいよー。
●昨日、ヨガに行ったら、あまりに左右不対称なカラダの動き方にビックリした。
●右で出来る動きが、左だと激痛が走るとか。今日は特にヒドかった。
●それと、ポーズを作ってる途中でそのまま眠るとか。先生に言われる「ハイ、コッチ戻ってきて下さい」

●でも、まだ多少の余裕はあるんだろうな。
なぜなら、ハードな音楽を聴くことができるから。
●ホントに心底疲れてたら、ハードロックなんて聴けないもん。その日に聴いている音楽が、ボクのコンディションのバロメータです。自分の感情の反響が、音楽を聴く行為に見えたりするものです。皆さんも、そういうことありませんか?


AEROSMITH「YOU GOTTA MOVE」

AEROSMITH「YOU GOTTA MOVE」2004年
●今週、お付合いの食事会がありまして。そこでエラい人がロックコンサートの話を始めまして。「日本のコンサートは豪華で大動員も立派だけど、AEROSMITH のコンサートには叶わない」みたいな話。この人は本来音楽に興味もない人で、ロクにファン意識も事前知識もなかったのに、たまたま誘われたホールコンサートで激しい衝撃を食らって実に感動したという。特別の演出があるわけでもないのに、一曲目の一発目の音の鳴りだけで人を興奮に掻き立てるパワーがあった!
●つーことで、そんなバンドの2004年のライブDVDを見ることにする。ブルースカバーアルバム「HONKIN' ON BOBO」のリリースに合わせた、北米&日本をめぐるツアー、そのフロリダ/オーランドのライブを収録してます。アルバム収録メイキングやツアーのオフ風景、本人インタビューなどなども混じってます。30年のキャリアにはメンバーの不和や分裂の危機、ドラック/アルコール問題などなどもあったけど、90年代にその勢いを盛り返しトップバンドの地位を確立してる彼ら…その貫禄がたっぷり堪能できます。STEVEN TYLER は現在お酒もヤメちゃったそうです。健全なカラダに健全なパワーは宿るのです。
●ボクとしては、もちろん迫力満点のバンドも最高なんですが、ライブの随所にカットバックで差し込まれるお客さんたちの様子が最高で!アリーナを埋め尽くす数万人の中から選りすぐったナイスなリアクションのお客さん。ブロンドのロングヘアと大きなバストを目一杯強調した女の子たちがフェロモンモンと踊りまくってる。さすが南国フロリダ、スキニーなTシャツでおヘソ丸出し&ボディラインくっきり、そんな子たちがビール片手に「イェーイ!」ってやってるとかなりゴージャスですよ。全員がそれぞれ気ままに歌ったり踊ったり…そのフランクな気分がタマラン。いやーアメリカンロックッてイイですねー!ヘルシーなエロが全開です。
●でね、もうこうなるとお客さんカットばかり気になり出して。よーく見ると、別段カワイくない子も大勢いる。バストよりも5倍の迫力をもつ二の腕をボヨンボヨンさせて踊る女の子とか。よく見ると実はオバさんだとか。でも全員がすごく楽しそう!ローティーンの早熟な女の子が友達とドキドキしてる様子、メガネの地味っ子が目一杯自分を解放してシンガロングしてる様子。恋人同士でウデ絡ませてビートに身を揺する様子。オッサンだって目が離せない。ポロシャツをテッペンのボタンまで留めてるマジメな男性が絶叫しまくってる。ウデに入れたタトゥーがマッチョ気取りだが実はただの百貫デブがビールをガブガブあおってる。とにかくミンナの笑顔が眩しいね。
●実はハードロック/ヘヴィメタルは本来ボクにとってかなりの苦手分野なのです。でもこんなヘルシーなエンターテインメントとして成熟してる音楽ならば、そこにネガティヴになる理由はないよね。

VAN HALEN「A DIFFERENT KIND OF TRUTH」

VAN HALEN「A DIFFERENT KIND OF TRUTH」2012年
VAN HALEN の新譜ですよ。こんなの聴いちゃった。25年前に袂を分けた初代ボーカリスト DAVID LEE ROTH の完全復帰アルバムという触れ込み。でも「YOU REALLY GOT ME」を収録したファーストと「1984」しか聴いたコトないボクは、2代目シンガー SAMMY HAGER の声なんてそもそもロクに知らないので、そのご利益はよく分かりません。確かにワイルドな DAVID の声はとてもユニークで、ザクザクしたギターとの相性は抜群。
●これはボクの自説ですが「普段マジメな社会生活を送っている人ほど実は密かにハードロック/ヘヴィメタル好き」という傾向が世間にはあるような気がします。普段はとてもキレイな敬語を話し、気配りや礼儀を重んじ、常に贈り物やお手紙を欠かさない、ビックリするほどマジメな知人が、facebook で「久しぶりにタワーレコードで買い物をしてしまいました」と報告した時の写真が、ビックリするほどのハードロック20枚マトメ買いだったのを見て、より一層この自説の信憑性を確信しました。おどろおどろしいジャケのヨーロッパ系ヘヴィメタCDをドバッとマトメ買い……ヤバい!この人、普段の生活で溜めてるナニモノかを、このヘヴィメタで代謝してるのか…あの温厚な物腰のウラに思いっきり濃いドロドロの闇が潜んでるのね…それからその人と会うのがちょっとコワくなりました。
●実はこの VAN HALEN の新譜は、その知人が買ったCDの山の中で一番ライトなモノでした。アメリカンロックのヘルシーな痛快さは、大切なコトのような気がします。

VAN HALEN「VAN HALEN」

VAN HALEN「VAN HALEN」1978年
●久しぶりに引っ張り出して、この歴史的デビュー作も聴いてみました。ライトハンド奏法とか、そのへんのテクニカルな意義は、プレイヤーではないボクにはわかりません。でも「YOU REALLY GOT ME」はやっぱりヒリヒリしてる。うん、カッコイイ。今冷静に見ると、完全にパンク革命期にカブってるのね。あ、最新作は、DAVID LEE ROTH 復帰ではありますが、完全オリジナルメンバー集結ではありません。長くベーシストを務めた MICHAEL ANTHONY は2006年で脱退しており、その代わりに EDDIE の実子 WOLFGANG VAN HALEN が加入しております。DAVID 以外は全部家族だわ。

BON JOVI「GREATEST HITS - THE ULTIMATE COLLECTION」

BON JOVI「GREATEST HITS - THE ULTIMATE COLLECTION」1984~2010年
VAN HALEN が切り拓いた80年代のヘルシーなハードロックのあり方を、ポップミュージックシーンのド真ん中で引き取ったのがこのバンドなんでしょうね。LAメタルと呼ばれた一群(MOTLEY CLUE とか GUNS N' ROSES とか)はやっぱ素行不良甚だしかった気がしますが、ニュージャージー出身の BON JOVI には親御さんを安心させる育ちのよさを感じます。オルタナティブロックが台頭する90年代の逆風時代も一応キチンとサヴァイブした理由は、やっぱこの堅実さにあるのでしょうか。
●CD二枚組の分量でブチカマされるヒット曲の数々は、特別なファンじゃなくても聴き馴染みのあるモノばかり。かつて、ちょっとダサイオールジャンル系のクラブに行った時、1986年のヒット曲「LIVIN' ON PRAYER」がフツウに EARTH WIND & FIRE などの定番ディスコに混じってプレイされてて、そんでフロアが全員で大合唱してる様子を見たのが印象的でした。ああこの曲ってそういうポジションにあるんだ…ある世代の大きな共有体験になってるってことでしょ…ちょっと感動した、意味は自分でもよく分からんけど。
●90年代に AEROSMITH が完全復活したアタリで、シーンの主導権は彼らに奪われてしまった気がしますが、まだまだ現役。がんばってくださいな。

JEFF BECK「EMOTION  COMMOTION」

JEFF BECK「EMOTION & COMMOTION」2010年
●うわ。ヤードバーズ三大ギタリストまで来てしまいましたよ。この人の長いキャリアの中では、60年代末、ROD STEWARTRON WOOD と一緒にやってた第一期 JEFF BECK GROUP に親近感があります。それとハードロックな BECK, BOGERT & APPICE とか。名作と言われる「BLOW BY BLOW」「WIRED」といった70年代フュージョンは正直ピンとこなかった…まーこのヘン聴いてたのは高校生の頃だから、今聴けば全然違う印象を受け取って楽しめるかも。
●年齢も60代後半、立派なジジイになったギターヒーローは、このアルバムにおいてオーケストラを背負ってプッチーニ「誰も寝てはならぬ」をやったり JUDY GARLAND「OVER THE RAINBOW」をやったりと、完全にハードロックとは別の領域へ突っ込んでしまっています。一方で、JOSS STONE などのシンガーをフィーチャーした曲も収録されてる。英国 R&B 女傑の JOSS STONESCREAMIN' JAY HAWKINS「I PUT A SPELL ON YOU」を渋くカバーする様子はフツーにカッコいいです。

ここまで紹介したCDは、実は全部 SHM-CD。高音質らしい。
●だから、iPod でなく PC でもなく、CDプレイヤーで聴きました。どれだけ違うかよく分からない。だけど、ダウンロードではダメという必然性/付加価値がなければ、もう音楽はパッケージメディアで買ってもらえないってコトなんでしょうかね。この買い手/売り手の発想、ムダ金持ってるオヤジにムダCD買わせるだけに留まってませんよ。韓流ファンの若い子がボヤいてましたもん。「韓流のCDって、ムダにパッケージが大きくて大変なんです。写真集とかのオマケがつき過ぎてる。片づけるのが大変」これも付加価値。ダウンロード対抗策なんだろうなー。


●読書。

樋口毅宏「さらば雑司ヶ谷」

樋口毅宏「さらば雑司ヶ谷」
●ハードボイルドな暴力小説。最近話題なのか、平積みになってたんで読んでみました。「小説界のタランティーノ現る!!」って帯コメ。新興宗教、中国ギャング、殺人殺人殺人。少々露悪的すぎる気も…。つーか、雑司ヶ谷ってドコ?こんな物騒な街だっけ?池袋と護国寺と目白と早稲田の間あたり?作者は…コアマガジン社「BUBKA」の編集をしてた人なんだね。
●本人が一番最後のあとがき?で、この作品を書くにあたっての元ネタを列挙してる所が斬新であります。「池袋ウエストゲートパーク」(ドラマ)「グラップラー刃牙」「さくらの唄」「カメレオン」(マンガ)「人間交差点」「ドランクモンキー酔拳」中島みゆき「悲劇の誕生」ランボー詩集「北斗の拳」Q・タランティーノ「嘔吐」みうらじゅん「幕張」…などなどと様々な固有名詞が続きます。コレらの要素を見事カットアップして引用編集するセンスがとりもなおさずタランティーノ的というコトなのですね。

百田尚樹「風の中のマリア」

百田尚樹「風の中のマリア」
●予備知識もほぼない中で読んで、すっごく楽しんだ小説!主人公がスズメバチらしいってコトがひっかかって読んでみたんだけど、コレが予想以上にオモシロい。確かにスズメバチばっかり、そしてその生態をしっかり描いてるんだけど、それがSF小説のようにも見えるし、ハードボイルド小説にも見える。2日間程度で読めちゃうので、是非先入観なく読んで欲しいです。それと、「ヴェスパ」ってラテン語でスズメバチの意味だったのね。モッズが愛したあのスクーターは、スズメバチだったんだ。


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●うーん。仕事が忙しい。
●毎日の終電&タクシー帰りに留まらず、土日や祝日にも仕事が忍び込んで来たぞ。
●タイムマネジメント能力がないから、残業が長いんだろうな。

●ブログを更新する余裕もないんですけど、敢えてCD一枚分の時間に区切って文章を書いてみる。

KARLA BONOFF「ALL MY LIFE - THE BEST OF KARLA BONOFF」

KARLA BONOFF「ALL MY LIFE - THE BEST OF KARLA BONOFF」1977~1988
●70年代から80年代にかけて活躍したシンガーソングライターさんですよね。バンドを立ち上げるもそちらは泣かず飛ばす。挫折を経て裏方の作曲家生活に入ることで、 BONNIE RAITTE、LINDA RONSTADT といったシンガーに評価され、初めて世に出た人とのこと。サンタモニカ出身のウエストコースト風に、当時の世間からは洗練された音楽と受け止められたのでしょうか?でもほどほどにレイドバックしたカントリーロックの気分は、土と埃の乾いたニオイがして、ボクの胸をホッコリした気持ちにさせるのです。


友達の女性に、この時代のシンガーソングライターが好きな人がおりまして。
RICKY LEE JONES とか PHORBE SNOW とかが好きなんです。そんでこの KARLA BONOFF も。そんでその友達自身もシンガーを目指してた時期があって。ボクが知り合った頃は、すでに全然違う職業で頑張ってたけど、音楽との接点は今も失ってない。先月はかつてのミュージシャン仲間と渋谷のジャズバーでライブしてた…ボクは仕事で行けなかったけど、プロのスタジオミュージシャンも参加してたそのライブはソールドアウトだったらしい。

●先日、河瀬直美さんと尾野真千子さんの映画を見て思った事(前の記事をご参照ください)。奈良ってスゴい土地だな。山と森が深過ぎて。そんでね、思い出したんです、「ああーあの子、奈良のド田舎におばあちゃんの家があるって言ってたな…」おばあちゃんの家ですよ。その友達が住んでた事はないのですよ。なのに、何度も何度もその奈良の土地をアレコレ自慢げに話して、そんで実際、何度もその奈良の土地に行くのですよ。最寄りの駅からその村までクルマで40分とか言ってたっけ。すげえ田舎。でも、その土地に大きな水害があった時には、明らかに取り乱して仕事そっちのけで東京と奈良を往復してました。「お墓が倒れちゃったの!」ボクはお墓とかあまりピンとこないよ…。
●しかししかし。あの「萌の朱雀」を見て、彼女が大切にしている奈良のド田舎は、河瀬直美さんが大切に撮り映したあの山や森と同じような場所なんだな、と思い至ったのです。ああ、あそこには確かに魅力があるし、そこに自分のアイデンティティがあるとすれば、それは大切なモノになるはずだ。引越を重ねたボクには、故郷や地元という感覚がなくて、この心情が実はわからない。でも、きっとボク自身が突然アメリカや中国に移住することになったら、きっと東京が大切な場所だったんだと思い知ることになるだろうな。



●あ、時間が微妙に余った。



佐藤秀峰「特攻の島」4

佐藤秀峰「特攻の島」4巻 …人間魚雷「回天」の狂気。
本田真吾「ハカイジュウ」1巻 …うーん、この手のパニックモノはもう飽和してる?
えすのサカエ「未来日記」1巻 …殺人ゲームもの。この手のゲームもやや飽和。
幸村誠「ヴィンランド・サガ」11巻 …11世紀デンマークの理不尽が炸裂。


●長い一週間が終わった。

久々に、ボチボチのハードワークをしている。今週は終電帰りが二回、タクシー帰りが二回。そんで最後の金曜日はやっと余裕が出来て、12時の下北沢に到着出来た。連続して朝10時からみっちり真夜中まで仕事するのは、ビョウキでカラダを壊して以来のチョー久しぶりのことだ。つまり5年ぶりくらいってことか。実はちょっと楽しい。忙しいけど、ボクはそもそも仕事が好きなのだ。
●オマケに家では息子ノマドがインフルエンザを発症している。ワイフがメールで寄こしたアドバイスは「家でゴハン食べると感染する」。だから今週は、毎晩夜中の下北沢で一人メシ。ガスト…サイゼリヤ…すた丼…松屋…金曜日はラーメンなんつッ亭。翌日の口臭を気にしないでイイ解放感でシコタマニンニクを載せる。美味しい。
●ふと気づくと、音楽喫茶「いーはとーぼ」が営業中。ヘー、このお店深夜一時までやってるんだ…初めて知った。ハイカロリーなラーメンが胃ブクロに落ち着くまで、濃いミルクティーをゆっくりいただくことにする。


●そんで、読書。

文芸誌「群像」3月号

本谷有希子「13の“アウトサイド”短編集」
●文芸誌「群像」3月号本谷有希子の短編小説13編が掲載されたのです。そんでアマゾンで速攻取り寄せて読んでたのです。相変わらずだな~この人は。自意識がヘンテコなカーブをヘンテコなラインで曲がろうとしてデタラメになる様子が贅沢にも13連発。ナニがアウトサイドなのかよくわからないけど、人生最短距離のインコースを高速で走り抜ける人には視界に入る事もない世界で起こるガッカリなお話たちに、通勤電車のボクはニマニマほくそ笑んでしまう。こんなにヘンテコな不安や心配を抱きしめて生きてる本谷有希子さんがより一層好きになるのです。
本谷有希子さんがマンガ雑誌「週刊モーニング」で書いてた連載コラム「かみにえともじ」が終わっちゃった。実はちっとも内容のない文章を、ちっとも取り繕うつもりもなく、フワフワ書いている様子が実にムダで楽しい。石田衣良さんの「R25」のコラムも大して内容ないけど取り繕う意思と技術はあったもんね。マンガ雑誌でナンで文章書いてんだアタシ?という違和感を常ににじませていたのに気づけば3年も続いた長期連載。その存在のムダさ加減が愛おしかった。絶対単行本にはならない気がする。
「群像」3月号では、舞城王太郎さんの「短編五芒星」も楽しんだ。文章とおハナシの展開に様々なリズムのバリエーションがあってオモシロい。


そうそう、芥川賞も読んだんだっけ。

田中慎弥「共食い」。スゴミのある下関弁が飛び交うデストロイな物語。どうにもこうにも。ニッチもサッチも。ホントにどうしょうもない。会見のコメントが話題になったけど、こんな風に煮詰まった世界を描く人だったんだ。
円城塔「道化師の蝶」。初めて知った作家さんであり、初めて読んだタイプの小説だった。オモシロい!とても精緻なパズルの世界に潜り込んだような、奇妙なダマし絵を見せられている感覚。で、なんだかキチンとダマされる。ワザとトボケたり、肩すかしを食わせたり、ケムに巻いたり。「難解だ」って論評があって「あ、ボクだけじゃなく、大勢の人が難しいと思ってるんだ」と知り安心しました。明らかに取っ付きにくいけど、刺激的だった。

ハンバートハンバート「さすらい記」
ハンバートハンバート「ニッケル・オデオン」
ハンバートハンバート「さすらい記」2010年
ハンバートハンバート「ニッケル・オデオン」2011年
円城塔さんのインタビューを読むと、最近の興味は「ロリータ」で有名な小説家ナボコフだという。このロシア生まれの小説家は40歳でアメリカに亡命する。結果、ロシア語と英語の両方で小説を書くのだが、それってスゴいことだよね、という話。「道化師の蝶」も多くの言語で小説を書くナゾの作家が出てくるんですよね。
●そんで、このインタビューの中で初めて知った事実。小説「ロリータ」の主人公の名前はハンバート・ハンバートっていうんだそうです。お恥ずかしい事に「ロリータ」なんて読んだコトなかったもんで。で、スグに思い出したのがこの男女2人ユニットの存在。シンプルなアコースティックサウンドに透明感溢れる女子ボーカルがキレイな音楽を奏でる人たち。そのユニット名の由来がナボコフだったとは。クラムボン宮沢賢治由来なのと一緒だね。
中里依紗さん&光浦靖子さん&珍しいキノコ舞踏団のダンスが楽しい「アセロラ体操のうた」のパフォーマンスも彼らです。かといってあの手のユカイでユーモラスな音楽ばかりをやってるわけではありません。もっとフィドルが活躍するアイリッシュトラッド風味が強かったり。そんで明瞭な日本語詞がもっとシリアスだったり。

トクマルシューゴ「PORT ENTROPY」

トクマルシューゴ「PORT ENTROPY」2010年
ハンバートハンバートと同じような質感を持つ、シンガーソングライターの音楽。凛とした歌唱とリッチなアコースティックサウンドが清らかな気持ちを運んできてくれる。こんな音楽みたいな、無垢といつまでも戯れていたい。




「カーネーション」。尾野真千子さんから、夏木マリさんへ。

●主役が変わるコトでナニが起こるだろうと注目してたが、それどころかキャストがほぼ全部入れ替わるという暴挙にビックリ。愛着ある脇役たちが全員死滅したことになりました。北村のおっちゃん(ほっしゃん。)までもが死んでるなんて。三姉妹も全然出てこない。ぶっちゃけオモシロくなくなっちゃった。
●それでも、オシトヤカ女の子イメージの小島藤子ちゃんを、80年代「積木くずし」風ツッパリ少女にしたのはちょっと楽しくて。

●そんなんで、尾野真千子さんの映画を観る。

「萌の朱雀」

「萌の朱雀」1997年
尾野真千子さんが中学3年生の時、地元中学校で靴箱の掃除をしている時にスカウトされて、そのまま主演女優としてデビューしてしまった作品。やはりこの作品で長編デビューした河瀬直美監督による直々の抜擢。ロケ地の奈良・西吉野村はビックリする程の素晴らしい緑。ガラスもサッシもない縁側からパッと広がる豊かな山並みにただただ見惚れて、実は寂しいこの物語の正体を忘れてしまうほど。ティーンの尾野さんは、ショートカットとセーラー服がマブし過ぎて、奈良の美しい風景と同じ無垢をスクリーンに放射していました。

「もがりの森」

「殯の森」2007年
●デビュー作で仕事した河瀬直美監督と10年ぶりにタッグ。そんでカンヌ映画祭グランプリ受賞。新人介護士の真千子さんと認知症のお年寄りの交流、そして、奈良の深い深い山。亡き者へ捧げる思い。この映画もそうだけど、尾野真千子さんの本来の仕事は、実は暗いキャラクターの方が多いのかな。「カーネーション」が異例なのかも。
「殯」(もがり)って難しい漢字。変換しようにもナカナカ出てこない。本葬までの一定の期間、死者を悼み別れを惜しむ時間を設けた日本古代の風習とのこと。映画の主人公たちは近しい人を亡くし、その感情の取り扱い方を見失っている。あの大きな災害から一年。我々の殯はいつ終わるのか?放射性セシウムが半減するまで?




●息子ノマド10歳はインフルから立ち直りつつあって、せっせと「マリオカート7」の修行に夢中。
●すでにノマドのドライブスキルは、ワイフやボクの及ぶ領域ではなくなって、対決プレイに付き合えなくなってきた。結果、ボクが貸してやった WI-FI を駆使して、アメリカ人やブラジル人と共に通信プレイを楽しんでいる。さすが21世紀少年。

●うー。最近はマジで仕事が忙しいなー。
朝9時に出て終電まで働いてるー。ブログも週末しかいじれないです。
●むー。

●あ、TUMBLR だけはイジくってる。
TUMBLR 見てると、ミンナなんでこんなにムキになって、カワイい女の子画像をシェアしまくっているのだろう?と思ってしまう。特にアイドルの画像がスゴいね。
●とりわけ目立つのは、小池里奈ちゃん。深夜のゲーム番組「夜遊び三姉妹」でヘンなコントしてる小さくてスレンダーな女の子。そして篠崎愛ちゃん。小池里奈ちゃんと同じくらいのロリータフェイスだが、スゴく巨乳なのでマンガ誌のグラビアで話題になってる。奥仲麻琴ちゃんは、新進写真家・川島小鳥が撮影した写真集「RUN RUN まこと」が気になる。元々はアイドルグループぱすぽの一員とのことだが、知識がない…。乃木坂46のフロントメンバー生駒里奈ちゃんも気になる。



この前、後輩の結婚式に行ったのです。R&B が大好きな後輩ちゃん。
●かつての部下でありました新婦フユミは、その後音楽ライターやレコード会社のアーティストマネジメントに転身していくほどの音楽好き。根本の部分で一番好きなのは、アメリカの男性 R&B の世界なのであります。なので、挙式から披露宴まで全てのBGMが R&B に染められており、しかもそれらが完璧に本人の手によって1000枚以上の本人所蔵音源から選曲され、オマケにその100曲以上にも及ぶ選曲表が列席者のテーブルに配られるほどのコダワリぶり。スゲエ。引き出物にまでもCDがありました。
●故郷・山口県岩国市の米軍ベースから漏れるラジオでアメリカ文化に目覚め、英語と音楽を完全に自分のモノにしたフユミ。絶対音感を持つ彼女は、地元の仲間とともに「NHKのど自慢」に3回もエントリーしてたというエピソードもこの時知りました。初めてお会いするフユミのお父さんにも納得。彼女のファザコンの気配は感じてましたが、実は ALLMAN BROTHERS BAND などをこよなく愛す見事なロックオヤジでギターを何本も持ってるカッコイイお父さんでありました。ダンナも実は元ボクの部下。30歳手前なのにツルピカハゲチャビンのちょいヘタレな男。しかし頭髪がない弱点が逆にマスキュリンな魅力と迫力にフユミには映ったようで。まー顔がバタ臭いからチカーノ系のギャングスタに見える気もする。
フユミ R&B 世界へのトッカカリは、1990年チョイ前のニュージャックスイングであります。彼女のリアルタイムとしては幼稚園~小学校低学年の頃。まあ早熟!特に夢中だったのは BOYZ II MEN。ここをキッカケにボーイスグループの魅力に取り付かれる。そこから様々な R&B、フィリーソウル、モータウン、ディスコなどなどブラックミュージック全体にへ興味が拡散していったと言う訳です。

「A JOURNEY THROUGH HITSVILLE JAPAN」

●これ、会場でいただいたCDね。トモダチに本職のデザイナーさんがいるとのことで、異常にデキがイイです。内ジャケに列席者全員一人一人へ直筆メッセージが書いてあった。「A JOURNEY THROUGH HITSVILLE JAPAN」というフレーズは、BOYZ II MEN のアルバム「MOTOWN: A JOURNEY THROUGH HITSVILLE USA」に由来してるんだな。黄金のモータウン産ヒット曲をカバーした内容のアルバム…彼ら自身は MOTOWN を離脱して久しいのにね。


そんな新婦フユミが愛する、R&B の世界を、今日はたっぷり漂ってみようと思うのです。
実はボクにとって、R&B は馴染み深い分野ではありません。オンチなので本来のコーラスワークやウタのスゴミってのは、あまり理解できないのです。そんで英語もワカラナイので歌詞の意味も理解できない。絶対音感と英語を解するフユミのアプローチとは聴き方が必然的に違うような気がする。でもでも、彼女の R&B 愛はボクには大変刺激的で、彼女に初めて出会った6年ほど前から結構な分量の R&B アルバムを買って聴くように務めてきました…。まー上手く行くか分かりませんけど、この世界をボクなりのやり方で探ってみようと思います。
●基本的に、今日取り上げるCDたちは、フユミが自分の結婚式で選曲したアーティストの関連物件です。自分のCD棚を見回して、彼女の選曲表と付き合わせた結果出てきたCDたち。


ニュージャックスウィングから成熟を果たした特濃 R&B 世界。
●80年代末に登場したニュージャックスウィングは既存の80年代R&B、特にブラックコンテンポラリーと呼ばれてたシーンに対して、新しいストリート感覚とダンサブルなポップセンスを投入しました。しかしそのシーンから出発したシンガーたちも今や立派な成熟を果たして、90年代末から00年代にかけては実にオーセンティックでコッテリ濃い味の R&B を描くに至っております。そのヘンのCDがコレ。

LSG「LEVERT, SWEAT, GILL」

LSG「LEVERT, SWEAT, GILL」1997年
●70年代フィリーソウルの代表的グループ THE O'JAYS のメンバーを父に持つ2世シンガー、そして80年代のボーカルグループ LEVERT の中心人物だった GERALD LEVERT。70年代から活動、80年代末以降のニュージャックスウィング期にブレイクを果たしたソロシンガー KEITH SWEAT。やはりニュージャックスウィング期に活躍した R&B グループ NEW EDITION のリードシンガー JOHNNY GILL。3人の頭文字を並べて LSG。既にキャリアをそれぞれに確立したシンガーが結集した、R&B 界のスーパーグループですね。
●自作自演自己プロデュース能力を持つ GERALD LEVERT、KEITH SWEAT が実に骨太でオーセンティックな R&B を描きます。スローなバラードがビシャビシャのシズル感。濃厚な果肉入りフレッシュジュースを冷やして一気飲みみたいな感じ。客演プロデューサーには SEAN "PUFFY" COMBS、JERMAINE DUPRI、JAZZE PHA。その後売れっ子に成長する JAZZE PHA にとっては、このアルバムが初めてのプロデュース仕事であったという。ゲストシンガー/ラッパーには、FAITH EVANS、MISSY ELLIOTT、L.L.COOL J、BUSTA RHYMES、THE LOX など。
●ちなみに、このアルバム自体は下北沢レコファンにて100円でゲットしました。R&B は旬を過ぎるとすぐに安くなっちゃうのが切ない。

LSG「LSG2」

LSG「LSG2」2003年
●しばらく時間を空けてのセカンドアルバム。クレジットを見る限り GERALD LEVERT のイニシャティブで作られてるような気配ですが、相も変わらず王道のスローバラード路線でございます。三人の声が次々と入れ替わる様子は確かに贅沢。客演もほとんどいないので、その美学はますます研ぎすまされてます。リリース当時の流行とか、ほとんど取り入れるつもりがありません。しかし、この後の2006年。40歳の若さで GERALD LEVERT突然の心臓発作で死去GERALD の実弟で、LEVERT のメンバー、そしてこのアルバムでソングライティングに関わった SEAN LEVERT JR. も2008年に亡くなります。ブラックミュージックの世界は、若くして突然亡くなっちゃう人が多いのはナゼだろう。これは残念でしたねー。

KEITH SWAET「JUTS ME」

KEITH SWEAT「JUST ME」2008年
「LSG2」からたっぷり時間を空けての KEITH SWEAT のフルアルバムがこちら。基本はひたすらオーセンティック。R&B のど真ん中であり、KEITH SWEAT 自身もただひたすらそのど真ん中を目指している。プロデューサー陣は ROY "ROYALITY" HAMILTON"WYL-E" MORRIS という男。KEITH SWEAT は活動拠点を1993年からアトランタに移しており、ここでもそのアトランタ人脈がタップリ登場する。アトランタ出身のガールスグループ KUT KLOSE のメンバーも参加。このグループは KEITH のプロデュースでデビューしたんだっけ。前述のJAZZE PHA もボーナストラックで仕事してます。彼もアトランタのプロデューサー。90年代後半から00年代にかけてアトランタは音楽都市として巨大な存在感を持つに至ります。
ニュージャックスウィングのサウンドを開発した TEDDY RILEY が一曲のプロデュースで参加。ボコーダー使いでスクリュー気味にレイドバックしたトラックを粘るように歌う KEITH SWEAT の濃厚さにウットリ。…1987年、26歳だった KEITH SWEAT と20歳だった TEDDY RILEY が低予算で繰り出したデビューシングル「I WANT HER」が世界で初めてのニュージャックスウィングと言われています。ブラックミュージック界全体に革命を起こした二人の、そこから20年を経てのこの成熟したサウンド。
●2007年あたりから、KEITHクワイエットストーム専門のラジオ番組でホストを務めているらしい。クワイエットストーム…このジャンルの R&B もボクにとってはまだ未踏破の領域。音楽の世界はまだまだ奥深い。


ニュークラシックソウル~ネオソウルの時代。
●90年代に入り巨大ビジネスに成長するヒップホップの影響下、R&B も大分変化するのでありました…。それでもオーセンティックな R&B は廃れる事はありません。ネオソウルと呼ばれるアーティストの一群が合流し、実に賑やかなシーンを作ります。

JOE「GREATEST HITS」

JOE「GREATEST HITS」1997~2008年
●さて、「JUST ME」発表後のKEITH SWEAT はほどなく KEDAR ENTERTAINMENT という事務所に移籍します。ココのトップ、KEDAR MASSENBURG はブラックミュージック史の中では重要人物。D’ANGELO、ERYKAH BADU を発掘し「ニュークラシックソウル」という言葉を作った男。結果的に1995年から2001年あたりまでにかけて業界に大きな影響力を持った人物であります。
●そんでこの事務所にキャリアの初期から現在まで籍を置いているのがシンガーの JOE。このベストは RODNEY JERKINS にプロデュースされビッグヒットとなったセカンドアルバムから、2007年にリリースされた6枚目のアルバムまでを網羅したモノ。彼は前述の ROY HAMILTON TEDDY RILEY とも仕事をしてる。やはり R&B の王道を突き進む男。フユミのウェディング選曲100の中にも JOE は含まれてるね。
●特濃仕様の声でビショビショの KEITH SWEAT と違って、爽やかテイストのノドを持つ JOE のボーカル、なんだかとてもエロチックなテーマを歌ってるみたいだけど、結果イヤラシく聴こえない。「君のカレにはデキナイコトをしてあげる…カレが知らない君が感じる場所に触れてあげる」うわ文字にすると結構露骨だな。もっと露骨なコトも歌ってる… R. KELLY プロデュースの「MORE & MORE」なんて完全にその行為を直接歌ってる。「THE LOVE SCENE」も直球すぎる…「顔を近づけて君の窪みをすすってあげよう、愛の泉を君に飲ませてあげよう」。うわースケベ。爽やかにスケベだね。
●そんな爽やかエロのスロウジャムの一方で、アゲアゲなヒップホップソウルも大分イケル。G-UNIT 軍団をフィーチャーした「RIDE WIT U」BIG PUN とのマッシュアップコラボ「STILL NOT A PLAYER」。そして一番シビレタのが「STUTTER - DOUBLE TAKE REMIX」での MYSTIKAL との共演。PHERCYDE「PASSIN' ME BY」をネタ使いして、スムーズな JOE とアゲアゲ野蛮な MYSTIKAL が渡り合う感じがクール。

ERIC BENET「LOVE  LIFE」

ERIC BENET「LOVE & LIFE」2008年
●このネオソウル系シンガーの楽曲もフユミは選曲しました。ERIC BENET のアーティストとしての特徴は、黒人シンガーでありながらその音楽志向がかなり白っぽいという点。TOTO「GEORGY PORGY」をカバーしたり、プロデューサーに DAVID FOSTER を召喚したり。R&B というより、完璧なアダルトオリエンテッドロックに聴こえる場面がある。ニュークラシックソウル~ネオソウルの系譜にありながら、ちょいと個性的。しかし、このアルバムにおいてはかなり意識的に R&B 路線へ攻めて来た。軽やかなファンクフレイバーがオシャレに決まっております。
●関係ないけど、この人は女優ハル・ベリーの元ダンナでもあります。ハル・ベリーが天候を自在に操る超能力者ストームを演じる「X-MEN」シリーズを、先日コドモたちとまとめて3本見ました。いやーオナカ一杯。

DONELL JONES「WHERE I WANNA BE」

DONELL JONES「JOURNEY OF A GENIMI」

DONELL JONES「WHERE I WANNA BE」1999年
DONELL JONES「JOURNEY OF A GENIMI」2006年
●このシンガーの曲もフユミは選んでおりました。90年代 R&B の名門レーベル LAFACE RECORDS からフックアップされたオトコ。今もシンガーとして活躍する KENNETH "BABYFACE" EDMONDS とその後たくさんの大手レコード会社の経営に参画する ANTONIO "LA" REIDアトランタを拠点にして立ち上げた LAFACE は、その設立の1989年以来、本当に多くのアーティストを発掘してきました。TLC、TONI BAXTON、OUTKAST、GOODIE MOB、P!INK、そして USHER!その中の1人がこの DONELL JONES でありました。自作自演のシンガーソングライターであるこのオトコはプロデュースまで自分でこなして、シンプルながらも甘く味わい深い R&B 世界を描いております。「WHERE I WANNA BE」は彼のセカンドアルバムでプラチナに輝いた出世作。ジャケで自身が抱えているギターのアコースティックな調べがスムースな音楽空間を描いて実に気持ちイイ。客演にレーベルメイトだった元 TLC のメンバー、故・LISA "LEFT-EYE" LOPEZ が参加。
●しかし、2000年以降の LAFACE はドンドン元気がなくなってゆきます。BABYFACE がアーティストとしての本業に専心、LA REID はさらに出世して親会社の ARISTA 社長に就任、という事情で空洞化が進行するのです。そんな中、ガンバって自己プロモートを続けていた DONELL JONES もこの作品「JOURNEY OF A GENIMI」を最後に LAFACE を去ることになります。 外部作家や外部プロデューサーの力も加わってトラックはゴージャズに変化。JERMAINE DUPRI、THE UNDERDOGS、TANK、SEAN GARRETT などの名前がチラチラ見えてくる。でもスムースで落ち着いたイメージは損なわません。

DAVE HOLLISTER「CHICAGO 85... THE MOVIE」

DAVE HOLLISTER「THE BOOK OF DAVID VOL.1 THE TRANSITION」

DAVE HOLLISTER「CHICAGO '85... THE MOVIE」2000年
DAVE HOLLISTER「THE BOOK OF DAVID: VOL.1 THE TRANSITION」2006年
フユミはボーカルグループが好きで、TEDDY RILEY が好き。というコトはフツウに考えますと、TEDDY RILEY が組織したボーカルグループ BLACKSTREET は大好物なわけです。ホントに3~4曲選ばれておりました。そこで BLACKSTREET に行くかと見せかけて、ボクはそこから脱退してソロキャリアを積上げたこのシンガーのアルバムを聴くことにします。DAVE HOLLISTER。この人実は兄弟デュオ K-CI & JOJO の従兄弟でもあります。ニュージャックスウィングから登場したグループ JODECI ~ K-CI & JOJO もやっぱりフユミの大好物であります。
●グループから脱退した1999年にリリースしたソロ一枚目「GHETTO HYMNS」はゴールドディスク認定。そこに続いて繰り出したセカンド「CHICAGO '85... THE MOVIE」は自叙伝的内容ということで。1985年のシカゴで何が起こってたのか?歌詞などがジャケに記載されてないからよくワカラン…でも、ファーストと同じオオゲサなほどのダイナミックな王道 R&B の迫力は意味がわからなくても伝わってきます。
●その後いつしか彼はゴスペルに接近して、2006年の「THE BOOK OF DAVID: VOL.1 THE TRANSITION」は完全なゴスペル専門レーベルからリリースされることになりました。まー歌詞が分からないボクには、R&B とモダンなゴスペルの区別はつきません。スケールの大きい彼の迫力あるパフォーマンスは全然変わりませんです。ちなみに、近年の彼は TEDDY RILEY とともに BLACKSTREET を再結成してツアーをしてるとか。


ヒップホップソウルの過激な実験と進化。
●00年代に入ると、R&B とヒップホップの境界線はほとんどなくなって、もうちょい言い足すとヒップホップR&B のクリエーターに境界線がなくなって、ある意味でアナーキーな音楽実験がドメジャーなシーンで活発に行われるようになります。それがスリリングでボクは面白がって聴いているトコロであります。それでも R&B の美学は完全に失われる訳ではない…ソコを注目してみるのです。

OMARION「O」

OMARION「21」

OMARION「O」2005年
OMARION「21」2006年
BLACKSTREETに続き、フユミの好きなボーカルグループをもう一つ紹介。B2K。そのリードシンガーだった OMARION のソロ転向アルバムを二枚。ジャケだけ見るとオトナな感じもしますが、セカンド「21」の段階で21歳ってワケですから、声もまだ青く甘ったるい。とはいえ、モダンなプロダクションはそれなりにクールでございます。THE NEPTUNES、THE UNDERDOGS、RODNEY JERKINS、MARQUES HOUSTON、TIMBALAND、ヒップホップの現場でも活躍する一流の制作陣が集まっております。THE UNDERDOGS というプロデュースチーム、コレが気になるんだよね。イロイロなトコロで活躍している…前述の JOE とも仕事してるしね。王道 R&B の真っ当さとモダンな先鋭性をうまく盛り合わせたサウンドデザイン。そして L.T. HUTTONSNOOP DOGG 犬将軍の仕事でクレジットされてたこの男の、オリエンタルで妖しいトラック「FIENING YOU」も不思議でイイ。「TOUCH」「OBSESSION」はイツモ通りのテッパン THE NEPTUNES 印で満足。

BOW WOW  OMARION「FACE OFF」

BOW WOW & OMARION「FACE OFF」2007年
●ラッパー BOW WOW OMARION の合体アルバム。彼らは R. KELLY & JAY-Z の合体アルバム「THE BEST OF BOTH WORLDS」を念頭においてこのアルバムを作ったらしい。R&B とヒップホップの距離がどんどんなくなる潮流を象徴してるのかもね。この BOW WOW というオトコ、6歳で SNOOP DOGG のステージに立ち(BOW WOW という芸名もこの時にもらった)、JERMAINE DUPRI のプロデュースでアルバムデビューしたのが13歳と、超早熟。OMARION とは仲良しで、2005年のシングルでフィーチャーしたりもしてた関係。映画出演仕事が多いのも二人の共通点。「FACE OFF」と聞くとジョン・ウー監督/ジョン・トラボルタ&ニコラス・ケイジ出演の映画を思い出すけど直接の関係はありません。英語で「対決」って意味の慣用句なんでしょ?
●音楽の内容は、王道の R&B とは言えず、やっぱり当世風のアトランタ型ヒップホップという印象。売れっ子プロデューサーであり、もはや一流アーティストでもある THE-DREAM、クロアチア出身の KOOLADE というプロデューサーの仕事が印象に残るのでありました。
●ちなみに、このアルバムは義弟 KEN5 くんにもらったヤツだと思う。どうもありがとー。

JAGGED EDGE「JAGGED LITTLE THRILL」

JAGGED EDGE「JAGGED LITTLE THRILL」2001年
●またまたボーカルグループの音源。アトランタの重要人物、JERMAINE DUPRI によってフックアップされた4人組。DUPRI のレーベル SO SO DEF に所属、彼らとしては最大のヒットとなったこのアルバムも DUPRI の完全統括プロデュースであります。ジャケだけ見るとかなりワイルド系のポーズで、客演にも LUDACRIS、NELLY、TRINA といった、アトランタ~サウス系のワイルドなラッパーを多数召喚してますが、ナニゲに押さえる所は押さえた、オーセンティックなハーモニーも聴かせてくれます。これは グラミー賞を何度もゲットしているプロデューサー BRIAN-MICHAEL COX の手腕なのかも。この人は、USHER、MARIAH CAREY、MONICA、MARY J.BLIGE とも仕事してるシッカリ者。

TYRESE「2000 WATTS」

TYRESE「2000 WATTS」2001年
●フユミはこの人の楽曲もいくつか選んでるんだよな。TYRESE は、R&B シンガーでもありながら、積極的に映画やテレビで俳優の仕事もしてる。そもそもはファッションモデルで、MTV の VJ の仕事もしてた。著述業もやってるみたい。なんとも器用な人。アルバムのクレジットに登場する名前も一流ぞろい。THE UNDERDOGS、RODNEY JERKINS、BABYFACE、JERMAINE DUPRI、TRICKY STEWART…。SNOOP DOGG も客演してる。
●アルバムタイトルは電力単位のワットを意味してるのかと思ったら、ちょいと違った。彼は1965年「ワッツ暴動」の名で知られるロサンゼルス市ワッツ地区、コンプトンにも近いスラム街の出身。この土地に絡んで、CHARLES WRIGHT & THE WATTS 103RD STREET RHYTHM BAND という60年代のファンクバンドもいるね。ジャケ写の背景に映るのは、この土地の名物になっている WATTS TOWER というシロモノで、かつてこの地に住んだ左官のオジサンがたった1人見よう見まねで組み上げた14本の塔なのです。なんとなくガウディサグラダファミリア聖堂の尖塔骨組みにも見えるアウトサイダーアート…これを TYRESE「自由と歴史、苦闘、独立、力、そして高い信頼の象徴だと思っている。この塔が高くそびえている限り、オレはこの世界に対して真っ直ぐ前を向いていられる」と語っています。

TYRESE「ALTER EGO」

TYRESE「ALTER EGO」2007年
●2枚組の大作!ディスク1はオーセンティックな R&B アルバムだけど、ディスク2は完全なラップ/ヒップホップアルバム。器用な TYRESEココでラッパーとしてデビュー。わざわざ BLACK-TY という別人格を用意、結果アルバムタイトルは「ALTER EGO(分身)」。アメリカ人はなぜこの別人格ゴッコがこんなに大好きなのだろう?
R&B 面、レンジがそんなに広いとは言えない TYRESE のボーカルですが、落ち着いて聴ける内容であります。THE UNDERDOGS、TRICKY STEWART、R. KELLY を召喚。R. KELLY は客演としてサッと姿を現すだけで気分が変わる…やっぱスゴいな。珍しいトコロではアトランタのアゲアゲ大将 LIL JON がワリと真っ当なスロウジャムを提供。それと、THE UNDERDOGS 関係者としてのソングライター TANK。この名前もイロイロなトコロで見る。
●ヒップホップ面。R&B よりもヒップホップに馴染んでいるボクの耳にとって、コッチのグルーヴの方が単純で明らかに居心地がイイ。TYRESE、思った以上にノビノビラップしてます。そんでここぞというフックでは見事にウタってみせるので実にイイ感じ。やはり西海岸出身だからか客演はウエッサイ関係者が多い。犬将軍 SNOOP DOGG に始まり、DOGG POUND のメンバー KURUPTG-UNIT から離脱した THE GAME が参加。ダーティサウスからは、MANNIE FRESH、DAVID BANNER、LIL' SCRAPPY。NYからは METHOD MAN が飛来。

USHER「HERE I STAND」

USHER「HERE I STAND」2008年
●とっても地味系の DONELL JONES と同じ LAFACE のアーティストながら、生まれながらのトップスターとしてキャリアを作ってきた USHER奥ゆかしさなど1ミリもないド派手な R&B を展開します。たった13歳で、レーベル経営者だった LA REID に見出され、ファーストアルバムでは PUFF DADDY と、セカンドアルバムでは JERMAINE DUPRI、BABYFACE、TEDDY RILEY と共同作業。まさしく R&B のエリート街道を歩んできたオトコ。
●このアルバムでも力の限りの豪華なメンツが製作陣に加わっております。地元アトランタ人脈としては、TRICKY STEWART、THE-DREAM、POLOW DA DON、JAZZE PHA、JERMAINE DUPRI、JOHNTA AUSTIN、BRIAN-MICHAEL COX、BRIAN CASEY(この人は JAGGED EGDE のリードシンガー)などなど。その他にも STARGATE、SWIZZ BEATZ、NE-YO、WILL.I.AM などこれでもか!と言わんばかりの有名な作家/制作者が投入されてます。客演でも YOUNG JEEZY、BEYONCE、JAY-Z、LIL WAYNE だもんね、豪華過ぎる。
THE-DREAM らが手掛けた「MOVING MOUNTAIN」とか STARGATE「WHAT'S A MAN TO DO」、WILL.I.AM「WHAT'S YOUR NAME」華麗でトランシーなシンセ使いは、あくまで人力でエモーショナルな感情を演出する R&B の文脈を大きく覆す新しさに漲ってます。ここまでイっちゃうとなんだか笑えてくる。もっとこの路線が聴きたくなっちゃった。



R&B 世界の探求の旅フユミの結婚式キッカケで、たくさんの音源が楽しくなっています。まだまだ続けてみたいなあ。