LINE の森川亮社長とボクが似てると、ニュースを見ながら息子ノマドが爆笑。
「見れば見るほど似てるよ!ダハハハハ!」
●似てるかな…職場の先輩にも言われたことがあるんだよね…そんなにウレシくない。
●メガネ?ヒゲ?アタマがボサボサなところ?ソコは確かにカブッテルけど。
森川社長とは7歳も年齢がズレてますので、リアルなボクはもうちょい若いですよ。
●年収がカブったらうれしいね…。

LINE の森川亮社長



●甲子園大会の中継がある日は、「あまちゃん」放送直後に「あさイチ」がないので。
イノッチと有働アナの感想ウケがないので、スッゲー物足りないモノを感じておりました。

●あと、7時30分のNHK-BSで「あまちゃん」を見ると、その後に佐藤藍子「奥の細道」の旅をしてて微妙な気分になってしまいます。

そんなこんなのスピンオフで、クドカンのラジオを楽しみに聴いております。

俺のMYミュージック

NHK-FM「宮藤官九郎の 俺のMYミュージック」8月23日(金)午後9時10分サマースペシャル
クドカンが福島の小中学生だった80年代を華麗に?彩った、数々のポップスをダラダラと披露する番組でございます。これが実にキッチュな選曲ばかり。オマケに昨日の第四回はゲスト・土田晃之と濃ユイ80年代トークも炸裂で、かなりお腹イッパイでございました。

「潮騒のメモリー」

・天野春子(小泉今日子)「潮騒のメモリー」2013年
・田原俊彦「悲しみ2ヤング」1981年
・松田聖子「青い珊瑚礁」1980年
・うしろゆびさされ組「うしろゆびさされ組」1985年
・チェッカーズ「あの娘とスキャンダル」1985年
・ 斉藤由貴「少女時代」1988年
・おニャン子クラブ「セーラー服を脱がさないで」1985年
・山口百恵「絶体絶命」1978年
・中森明菜「スローモーション」1982年
・南野陽子「話しかけたかった」1987年
・JOURNEY「ANY WAY YOU WANT IT」1980年
・ジャガー横田「愛のジャガー」1983年
・能瀬慶子「アテンション・プリーズ」1979年
・ビートたけし「BIGな気分で唄わせろ」1982年


「暦の上ではディセンバー」とあわせ、今年のビッグアンセムになるであろう「潮騒のメモリー」もキチンとダウンロードし、愛聴しております。♪ジョニーに伝えて〜千円返して〜。「潮騒のメモリー (お座敷列車バージョン)」が含まれているサントラが来週発売されるから、買わなきゃって思ってます。「南部ダイバー」「地元にかえろう」も収録されてるしね。
現代2010年代と1980年代がシンクロしまくるその軸は、秋元康とおニャン子クラブ&AKB48のデジャヴが前提ってのは明白で。その中で「夕焼けニャンニャン」おニャン子クラブの存在は、クドカン&ゲスト土田氏そしてボクにとっても巨大でありまして。ボク、「あの娘とスキャンダル」があの番組のOPだった時は小学6年生だったよ〜つまり、今の息子ノマドと同い年だったよ。
「セーラー服を脱がさないで」は、娘ヒヨコの前でラウドに聴くにはキツい曲だったわ結果として。「友達より早くエッチをしたいけど/週刊誌みたいなエッチをしたいけど」よくもまあ女子高生を集めてこんな歌を歌わせてたもんだよと感心しますわ。当時は子供だったので全然意味分かりませんでしたけど。でもあの番組には若きとんねるずがおりました…「一気!一気!」でテレビカメラ倒して破壊してましたよね生放送で…あれ、オールナイトフジだっけ?彼らはある意味でパンク/ニューウェーヴだったかと。
●後半はリスナーのリクエスト曲だったけど、なぜか1曲洋楽の JOURNEY「ANY WAY YOU WANT IT」がかかって笑った。コレ日テレのワイドショー「スッキリ!」のオープニングテーマじゃん。つまりは「あまちゃん」のウラ番組じゃん。クドカンさんこの曲知らなかったわ。ある意味当然か。ビートたけし「BIGな気分で唄わせろ」がマジでブルージーでビビる。大沢誉志幸による楽曲も、たけしさん本人の歌唱もイタナイブルースが宿ってて本物過ぎる。

「あまちゃん」クランクアップの瞬間に立ち会った感想も語ってたよ。

「能年さんやっぱスゴいね。クランクアップの時にコメント求められて『あまちゃん2のクランクイン待ってます!』だって。もうオカワリかよ、と思ってクタビレました。もうホントに若いから、橋本愛さんもいてホントに見てられなくて、ホント俺ってキタねえなって思った。」




●この番組サイトの楽曲アーカイブは、どんどん消えちゃうみたいなので、今までの紹介楽曲を記録しておきます。


●7月12日(金)午後10時00分 80年代アイドル特集 女性編

・斉藤由貴「AXIA~かなしいことり~」1985年
・松本伊代「TVの国からキラキラ」1982年
・小泉今日子「まっ赤な女の子」1983年
・河合その子「青いスタスィオン」1986年
・水谷麻里「21世紀まで愛して」1986年
・藤井一子「チェック・ポイント」1986年
・薬師丸ひろ子「あなたを・もっと・知りたくて」1985年


●第一回で、そのアイドルへの博学ぶりをはばかりなく披露したクドカン。思い入れタップリ過ぎてタマランわ。クドカンさんがそのファン愛を公言してはばからない斉藤由貴さんからは、わざわざアルバム曲からのピックアップ。この「AXIA」って曲は、カセットテープのブランド名だったしそのCMソングでもあった。もうカセットテープって段階で80年代だわ。今の世の中で CD-R や DVD-R のCMが地上波に流れることがあろうか。
「あまちゃん」キャストから小泉今日子さん&薬師丸ひろ子さんも選曲。薬師丸さん、ドラマではドオンチ設定だけど、リアルでは絶品だわ。シンガーではない、女優が歌を歌うというコトの特殊性をキチンと発揮している。同時代の原田知世安田成美がかなりのポンコツシンガーだったのに比べて雲泥の差であります。「あなたを・もっと・知りたくて」は電電公社からNTTへの民営化期のCMソング。それにしても、あの80年代最強鉄壁の清純派女優が、いつの間に「鈴鹿ひろ美」のようなコメディエンヌにシフトチェンジしたのだろう?センターから存在感のあるワキへの華麗なる転身。「三丁目の夕日」かな?ドラマ「Q10」かな?
●あー藤井一子さんは当時小学生ながらそんなにカワイくないなあと思ってました…「毎度お騒がせします」のミポリン親友役でデビューしたのね、へー。


●7月26日(金)午後10時00分 80年代アイドル特集 グループ編

・紅麗威甦「ぶりっこROCK’N ROLL」1982年
・スターボー 「ハートブレイク太陽族」1982年
・少女隊「FOREVER~ギンガムチェックStory~」1984年
・セイントフォー「不思議Tokyoシンデレラ」1984年
・シブがき隊「アッパレ!フジヤマ」1984年
・C−C−B「Lucky Chanceをもう一度」1985年
・WINK「トゥインクル トゥインクル」1994年


第一回からさらに踏み込んだキッチュな選曲に舌を巻く。ボク全然知らん曲ばっかだもんね。紅麗威甦ってナニ?これで「グリース」と読みます。横浜銀蝿の弟分ロックバンドで(嶋大輔の後輩ってコトね)、フロントマンが「あまちゃん」大吉さんこと杉本哲太さん!え、哲太さんってバンドマン上がりの俳優さんだったの?ゴーストバスターズしか歌えないのに!
スターボーも初耳だったね…存在自体初めて知った。宇宙人という設定でテクノカットを決め込んだ女の子3人組宇宙人ゆえに性別不明、だからキャラが全部オトコ視点というギミックにムチャがあり、デビュー二年でコンセプトが崩壊。「ハートブレイク太陽族」1982年もかなりキツいタイトルだけど、松本隆/細野晴臣の黄金コンビの仕掛けでした。ニューウェーヴ過ぎたね…。
少女隊は、メンバーの1人が初代引田天功の娘ってコトで印象深い…プリンセステンコーではなくて、初代の方です。セイントフォーはレオタードでエアロビ風アクロバチックダンス。C-C-Bココナッツボーイズの略だけどやはりニューウェーブすぎるルックスがイタ苦しかった気が…。


●8月9日(金)午後10時00分 ニューミュージック特集

・原田真二「てぃーんず ぶるーす」1977年
・甲斐バンド「きんぽうげ」1977年
・八神純子「パープルタウン~You Oughta Know By Now~」1980年
・オフコース「YesーNo」1980年
・白井貴子「CHANCE!」1984年
・佐野元春「Young Bloods」1985年
・LOOK「シャイニン・オン君が哀しい」1985年


●この放送回は聞き逃したんだよお。隔週のウラを聞いてしまったよ…そしたら八神純子さんの番組でかなりテンション下がった。でも「パープルタウン」は名曲だと思う。このEPはわざわざ神保町で探してゲットしたね。暁のニューヨークを歌ってるんだよね。彼女の「みずいろの雨」も同時にゲットした。原田真二さんの「てぃーんずぶるーす」松本隆作詞で、アウトロがすげえキレイ。70年代ジャパニーズメロウグルーヴの傑作の一つ。LOOK「シャイニンオン君が哀しい」1985年は、あーあったねこの曲!とハッとさせた物件だったね。あやうくアイチューンで購入するところだったけど、YOUTUBEで十分だと分かっちゃった。


●ついでに、本も読んじゃった。
宮藤官九郎「いまなんつった?」

宮藤官九郎「いまなんつった?」

クドカンさんの生活の中で見つかった、いいセリフを抜き出して紹介するエッセイ。笑えます。楽しみました。
●で、文庫本の隅っこに二カ所折り目がついている。ボク自身が気になったフレーズがあったんだろう。一つ目は、彼の師匠・松尾スズキさんが「俺は1ページにギャグを3つ入れるように心掛けている」と言ったコト。この言葉に駆け出しのクドカンさんは影響されて膨大なギャグを作品に盛り込むようになったそうです…松尾スズキさんは後年この名言について「たぶん嘘だと思うよ」とコメントしクドカンさんの敬意を転覆させるのでありますが。ただ、人間、手数の多さって大事だよね。10年に一発大ホームラン打つ人よりも、毎年ヒット打つ人の方がエラいよ。たとえ毎月空振りしまくってても。「あまちゃん」はスゲー饒舌だし、ムダな動き多いし、ギャグというか悪フザケ満載だし。手数で言えばスゲエ量。猛烈なエネルギー量。それがクドカンさんの仕事量の多さに繋がってるし、作品の密度の濃さにも繋がってる。
●もう一カ所。「つーか知らねーし」。若き日のクドカンさん、映画や本の知識が足りないコトに恥を感じず傲慢な態度をとっていたとな。でもある先輩に叱責されてから、異常に勉強するようになったという。知らないことは恥ずかしい上に悔しい。ただ、ネット上に情報が氾濫し、苦労せずとも知識を増やせる現代には、知らないことを恥ずかしいとも悔しいとも思わない感覚、「知らなくてイイコト」と片づけてしまうことが正論になってきているとクドカンさんは危惧している。億面なく「つーか知らねーし」な連中。アニメに詳しいと「なんかヒクわー」とか。昔のコトに詳しいと「昭和風って感じですか」とか。クルマに詳しいと「いいですねー高級な趣味があって」とか。なにそれ。もっと面白がれよ!世界を丸ごと!




●日本の歌謡史/音楽史の中で、アイドル全盛ってのは別に今が初めてじゃないって分かった上で。
ボクはボクの趣味の中で、80年代的なモノを聴いてます。

NEW ORDER「LIVE AT BESTIVAL 2012」

NEW ORDER「LIVE AT BESTIVAL 2012」2013年
●ボーカル IAN CURTIS が自殺し、急遽前身バンドの JOY DIVISION から新バンド NEW ORDER へ改組しなくてはならなかったのが1980年のコト。そんなドタバタもあったし、活動休止やメンバー間の軋轢がアレコレあったりで、そくぞまあこんなに長生きしてるよなと思ってるのは本人たちではないでしょうか。今回2012年の再結成はオリジナルベーシスト PETER HOOK がいないんだけど、 NEW ORDER 改組時から合流した女性キーボーディスト GILLIAN GILBERT が久しぶりに復帰(ドラマー STEPHEN MORRIS の奥さんなんですけどね)。シンセポップの印象が強い彼らですが、ライブ盤ってコトもあって、結果的にかなりの身体性を取り込んだロックバンドな仕上がりになってます。あ、ボーカルがオリジナルCDと違って不安定なのはご愛嬌ね。それは80年代当時から言われてたことなので。
●80年代の楽曲もさることながら、90年代以降の楽曲も積極的に繰り出してるトコロがいいね。アルバム「REPUBRIC」1993年から見事な美メロの「REGRET」でライブはスタート。2002年の「HERE TO STAY」や2005年の「KRAFTY」もやってる。こと21世紀に入ってからの彼らはロック濃度が上がってるんだな。一方 JOY DIVISION の楽曲もやってるし!終盤の「TRANSMISSION」〜「LOVE WILL TEAR US APART」とか。でも、やっぱ80年代 NEW ORDER のキラメキが一番かな。「THE PERFECT KISS」とか。そんで「BLUE MONDAY」のダークな深淵。ハウ…ダズィッフィル…ハウ…ダズィッフィル…一体どんな気分だよ?

A CERTAIN RATIO「FORCE」

A CERTAIN RATIO「FORCE」1986年
●日本においてはおニャン子クラブが一大旋風を巻き起こしていた同時期、イギリス・ニューウェーヴ界隈ではこんな音源が流通しておりました。このバンド、NEW ORDER と同じくマンチェスターの出身、そして同じレーベル FACTORY から登場した連中。同じポストパンク/ニューウェーヴ文脈の中にあったとはいえ、ゴス風味すら漂う JOY DIVISION のロマン主義とは無縁の、暗黒ファンクを取り込んだ前衛的音楽実験にのめりこんでいました…彼らの初期音源に見られる作風はコールドファンクと呼ばれ、ブリストルの THE POP GROUP /その分派 RIP RIG & PANIC PIGBAG などと共振しながらアメリカ人には生み出せない奇妙なグルーヴを開発しておりました。
●それでも、80年代も中盤に差し掛かったこの時期のアルバムを聴くと、ちょいちょいポップな気配も出てきて…フツウにボーカル曲もあるし…。でもそのササクレを放置したまま異常に強調されたドラムのキックとベースラインはその不穏さをまだ隠していない。ファンクとリズム、おまけにダブの実験は彼らの中ではまだ続行中で、本当の洗練には程遠い野蛮なニューウェーヴがココに鳴っております。
●あ、でも、やっぱ70年代末の音源から聴いてもらった方が絶対イイです。ソッチの方がカッコイイ。

KELE「THE BOXER」

KELE「THE BOXER」2010年
●00年代に活躍したイギリスのロックバンド BLOC PARTY. のフロントマン KELE OKEREKE のソロアルバムであります。00年代のポストパンク旋風の中から、槍のように鋭いギターサウンドとビートの洗練された疾走感で注目を浴びた BLOC PARTY. はボクの中でも大好物でした。フロントマンが黒人さんという部分でもユニークで(しかもその後ゲイであることもカミングアウト)、それを反映してかフツウのブリットバンドに比較して圧倒的に楽曲がユニークでした…シューゲイザーのようでもあり…アメリカグランジな気分もあり…そして猛烈にダンサブル。2008年の「INTIMACY」にはグルーヴにセクシーさも加わった。
●ただ、そんな微妙な美学はメンバー間の意思疎通も大変なのか、リーダー KELE OKEREKE と他のメンバーとの亀裂が表面化。バンドはなかなか機能しなくなり…そんな中でのソロアルバムだったよう。ボクがこのアルバムの存在を知ったのはつい最近。秋葉原タワーレコードの激安ワゴンの中に290円で売られてた所を発見。KELE という略称だけじゃ、あの BLOC PARTY. のリーダーか確信が持てなかったんだけど、とりあえず買ってみたらアタリだった。
●で、聴いてみると、これが NEW ORDER のダンス感覚とA CERTAIN RATIO のファンク感覚を、2010年代にアップデートするようなスタイルで感心。彼のブラックとしてのアイデンティティと、セクシーなダンスミュージックアプローチが、アシッド風味さえ漂う弾力性の高いグルーヴを形成してます。
●あ、BLOC PARTY. は去年に新譜を出してるんだ…知らなかった。聴いてみようかな。


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半沢直樹

●ダメダメTBSが久々に繰り出したクリティカルヒットドラマ「半沢直樹」
●日曜日にガンバってまとめて鑑賞、やっとオンエアに追いついたわ。
●息子ノマドも楽しんでる!親子で鑑賞。パパは会社でココまでムチャしないけどね。

●でも、原作タイトル「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」がヒドい。
これじゃ絶対に手に取らなかったね。だってボク、バブル崩壊組だもん。



●それとね、二週間全録マシンを買ったんです。

ガラポンTV参号機

「ガラポンTV参号機」
テレビ8チャンネルを、まるまる二週間分、全部録画してくれるという機械!ただし、画質はワンセグレベル。HDじゃないから質はヒドいよ。でも、YouTube やニコニコ動画見てると思えば十分な水準。ワンセグ程度だから巨大なハードディスクも必要ない。この黒い箱、大きさにして幅15センチ程度です。で、PCとかのブラウザ経由で見る仕掛け。これでボクのテレビライフ変わりそう。
●なにしろ、ネットでバズってた番組を、さかのぼってチェックできるのがウレシイ。今までの予約録画はボク自身の強い自発性が前提だった。でも、ネットバズを察知してその評判から見るってのは予想以上に新しい感覚。グズグズの受動的な根性で世間の空気を感じ取れる。
●そんなノリで「情熱大陸・林真理子」とか「NHKスペシャル・新富裕層 vs. 国家〜富をめぐる攻防」とか「タモリ倶楽部・空耳アワード2013」とか、ハッキリ言って見ても見なくてもイイような番組をダラダラ見ることができる。え、最初からナニも見なくていいって?


●あ、またレゲエ聴いてる。

SISTER AUDREY「POPULATE」

SISTER AUDREY「POPULATE」1991年
●音楽の趣味を共有する妹婿の KEN5 くんが、またボクにCDをくれた。いつもいつもありがとう!で、いつもコレがイイ味出しまくってる渋い物件ばかりで常々唸らせられているのだ。おーこんなイイCDをボクにくれるなんて、ホント大丈夫なのだろうか?これがハズレだとするならば、彼にとってアタリ筋とはいったいどんだけの内容なのか?
●で、その数枚の中から一番最初にプレイヤーにのせたのがコレ。UKレゲエ/ラヴァーズロック!レーベルは80年代に注目を集めた ARIWA だ。このレーベルを主宰するはダブプロデューサー MAD PROFFESSOR。彼が足腰のシッカリしたダブサウンドを組み上げる。ヌケのイイスネアにビリビリと空気を振るわせるベース。その上にスウィートな女性ボーカルが乗る。それがラヴァーズロック。極上のラヴァーズロックだ。ボーカルを務める SISTER AUDREY はこの段階ですでに10年ほどのキャリアを積んだベテラン、単にスウィートなだけでなく、ホンの少しだけ憂いの気配も忍び込ませている…決して楽天的にも享楽的にもなれない UK レゲエの影がキラキラの裏側に透けて見えている感じが可憐。
●このヘンのラヴァーズロックって、探してパッと見つかるモンでもないので、ホントウレシイ。JANET KAY の1980年頃の録音を下北沢の喫茶店で聴いた時は、あまりに完璧すぎて「譲ってください!」ってお願いしちゃった…売ってもらえなかったけど。


LILY ALLEN「ALRIGHT, STILL」

LILY ALLEN「ALRIGHT, STILL」2006年
●で、このラヴァーズロックの感覚をうまいこと換骨奪胎して独自のポップに昇華してるのが、このロンドン娘 LILY ALLEN。リード曲「SMILE」の洗練されたスカ感覚、ビターに太く響くベース、そして飄々と振る舞ってみせるスカした調子のメロディが絶妙にカワイらしい。だから最近よく聴いてた。パタパタしたトラックを組んで、THE STREETS ばりのラップもしてみせる。英語のリリックはよくワカンナイのだけれども、実は大変な毒舌家。「NOT BIG」ではサビのフックで「アンタすごくないしアタマ悪いし偉くもないし、アソコもちっちゃいから」とか言い放つ勢い。一見すごくポップでかわいいけど猛毒注意。




(ボーイフレンドをとことん追い込んで、カワイくせせら笑ってるリリーちゃん。こわー)


映画「風立ちぬ」を見に行った。
●家族四人でね。

映画「風立ちぬ」

巨匠・宮崎駿の歴史観/昭和史観を描いた異色作、として話題の作品。
ゼロ戦の開発者・堀越二郎と、小説「風立ちぬ」の作家・堀辰雄がモデルにされてる…そんな部分がポリティカルに受け止められているようだ。実際に最近の宮崎駿監督はポリティカルな発言も目立つ。反原発の姿勢も震災後即座に打ち出したし、先月の衆議院選挙に際しても反改憲の立場を表明した。そして周辺もザワツイている。宮崎駿は反日だ、極右だ、反禁煙主義者だ、アレコレの書き込みがネットで飛び交っている。…日本禁煙学会のリアクションは独創的過ぎてある意味ビックリした。(映画「風立ちぬ」でのタバコの扱いについて(要望と見解)リンク→http://www.nosmoke55.jp/action/1308kazetatinu.html

でも。この映画はポリティカルに受け止める性質の作品ではない、と思った。
十分にファンタジーなアニメーションだった。

「風立ちぬ、いざ生きめやも」ポール・ヴァレリーの詩の一節を堀辰雄が訳したフレーズ。現代語風で言えば「風が立った…さあ生きていかなければならない」というところか。実際、堀越二郎の時代は、激しい風が吹き荒れていた。関東大震災が首都を焼き払い、厳しい不況と倒産、貧困、病苦が人々の生活を脅かす。ファシズムや思想統制、そして戦争の影が忍び寄る。
●しかし、主人公・二郎の周りには別の風が吹いていた。敬愛するイタリアの飛行設計士・カプローニ伯爵との夢の交流。そして薄幸の少女・菜穂子との恋愛。ここにいつも風が素晴らしい躍動感をもって描かれている。まさにアニメの醍醐味。カプローニが開発したユニークな飛行機たち、その翼の上に立って雄々しい風を受ける二郎。美しい。
菜穂子との出会いにはいつも風がつきまとう。二人が同じ汽車に乗り合わせた時に、帽子が風に舞うシーン。震災発生直後を共に非難する二人の周りで火災を煽る激しい突風。避暑地の野山を写生する菜穂子のパラソルを吹き飛ばして二郎との再会を演出した風のイタズラ。愛を育む二人が飛ばす紙飛行機の自由な軌跡はこの映画の中で最も幸せなシーンかもしれない。
●悪名高き喫煙シーンの連発も、風=空気の動きを微細に描く方便のように思えた。二郎の同僚たちがふかす紫煙は時代の意地悪い圧力に対する溜息や苛立ちの感情を象徴している。しかし、二郎はどこかそんな浮世の要請をサラリとかわしてしまっているようにも思えた…あの分厚いレンズのメガネでは世間の騒がしさは見えないようで。声優を務めた庵野秀明監督の軽く乾いた声がそう思わせたのか。
●ただ、彼の天才は別の宿命を彼に背負わせる。彼が開発したゼロ戦は美しい飛行機だったが、が故に多くの人々を死なせてしまった。愛する妻も亡くした。設計者として輝かしいはずの10年を消尽してしまった。それでも風は立っている。生きていかなければならない…。

●魅力的な飛行機たちが鳴らす様々な音が、不思議な音だった。
あれは人間の声を加工して作った音ではないだろうか?ぶるぶるぶるぶる!ぶおおおおおぉぉぉん!どこか滑稽なほど生々しく聞こえるその起動音は、ユーモラスでありながら、作り手の精一杯の思い入れが詰まっているようで楽しかった。当時のリアルなエンジン音が記録されてるわけでもなく、そしてリアルを再現したトコロでさして意味がナイ。当時の人々が未知の機械が鳴らす未知の音響を驚きを以て聞いた聴覚の衝撃を、こんなカタチで表現しているトコロがユニークでオモシロい。

映画はポリティカルではないが、いつの時代にもポリティカルな風が吹いている。
堀越二郎は、あの時代の中で、自分に与えられた仕事をした。その名が後世に残るほどの見事な仕事をしてしまった。それを彼が望んでいたのかどうなのか関係もなく。誰もが時代や社会と無縁に生きることは出来ない。堀越二郎がそうだったように。彼がゼロ戦の開発者だったことが、あの戦争に対する罪悪としてどれだけの重さがあるのか?あの時代に生きた全ての日本人があの戦争に対して完全に無責任なことがあるだろうか?
今の時代を生きる日本人の中で、今の日本に対して完全に責任がない者などはいない。原子力発電で生み出された電力をごく普通に享受してきた。かつて民主党政権を選び、今は自民党政権を選んだ。「失われた20年」の低迷に対して、職業人として、消費者として、様々な経済活動をしてきた。そんな行為の積み重ねが、現代日本を形作っている。そして結果的に、ボクの、アナタの、今行っている行為がその後の日本社会に対してどんな政治的意味を持つのか、それは未来の審判を待つしかない。
一番の心配は、今の時代が「新しい戦前」となってしまうことだ。先月の「文藝春秋」宮崎駿と対談した作家・半藤一利は、近代日本は40年周期で盛衰を繰り返していると主張する。明治維新から日露戦争までの隆盛期、帝国主義路線から太平洋戦争の敗戦までの衰亡期、アメリカ軍の占領後からバブル経済に至る戦後の復興期。そして現在は、バブル崩壊から数えて20年かけて下ってきた没落の時代。そしてこの衰退はまだ20年続く。今の状況が次なる戦争の準備期間になる、そんな可能性もないわけではないと、ボクは不安に思う。正直、ボクは奇妙な排外主義が跋扈する今に素朴な不気味さを感じている。ネットに書き散らされる「反日」という言葉が奇妙な圧力を持ちつつあるのにも違和感を感じる(かつての「非国民」と同じフレーズではないのか?)。国外のキナ臭い空気感も気になっている。
堀越二郎が、政治的に愚かな人間だったとは思わない。堀越二郎が結果的になしたように、ボクも将来のナニかを準備しているのかもしれない。いつの時代も風が吹いている。それでも「いざ生きめやも」。


「風立ちぬ」にはゼロ戦そのものはホンの少ししか描かれていなかった。
●ゼロ戦の、高性能が故の功罪は、こちらの小説が実に具体的だ。

百田尚樹「永遠の0」

百田尚樹「永遠の0」
●ちょいと前にこの文庫本を読み終わったボスから「コレやるよ」ともらって読んでいたのだ。百田作品は二冊目。もっと読んでもイイと思ってるけど、まずはコレからと思ってたトコロだった。ミッチリと取材をしてから物語を描き込む著者のスタイルはコチラでも健在。太平洋戦争の激戦地をゼロ戦と共に転戦していく主人公が体験する苛烈な作戦の様子が克明に描かれている。こうした戦記物に疎いボクには実に勉強になった。
●特にゼロ戦=零式艦上戦闘機の驚異的な性能と、その性能が故の皮肉な運命が物語の縦糸になっている。ゼロ戦の長い長い航続距離はパイロットにとって過酷な長時間飛行作戦を可能にしてしまっていた。旋回性能など格闘能力も敵国戦闘機を圧倒していたが、その能力を確保する為の軽量化の結果、防御力に難がありパイロットを守ることが出来なかった。戦争初期でこそ性能で圧倒していたゼロ戦は、末期には研究尽くされた結果その弱点を暴かれ、軍需力に勝るアメリカ軍の新型戦闘機の前に敗れ去っていった。緻密な設計が大量生産に向かなかったコトもゼロ戦の難しさであった。
●この小説は、兵士たちの感情を家族や愛すべき妻へハッキリと結びつける内容になっている。「天皇陛下万歳」という大義名分で覆い隠された兵士の個人的感情をキチンと掘り起こそうとしている。ただし、一方で世間の圧力が個人的感情の発露、素直な家族愛を兵士たちに表明させなかったコトも裏返しの事実として肝に銘じなければならない。天皇陛下の責任?当時の為政者の責任?いや世間の言説に圧力をかける雰囲気を熟成したのは社会全体の責任だ。
●現在、ネットによってあらゆる言説が簡単に世間へ流通させることができるようになった中、安部政権や野党民主党とは関係ないトコロで言説への圧力が生まれようとしているような気がする。そしてそんな無言の声、世間の圧力が、為政者すらを動かしている気がする。麻生副総理が「ナチスの憲法改正」をウッカリ口走るような前提には、日本社会は大衆煽動でどこまでも変わってしまうという気配がある気がする。


復活サザンオールスターズが突っ込んだ、ポリティカルなテーマ。

サザンオールスターズ「ピースとハイライト」

サザンオールスターズ「ピースとハイライト」2013年
「ピースとハイライト」?タバコの銘柄?曲タイトルだけしか知らない段階では何のことやらと思っていた…が、実際に楽曲を聴き、リリックを読んでみて、ある意味で強い衝撃を受けた。「ピースとハイライト」「平和と極右」のモジリではないか。尖閣諸島/竹島問題で緊張が高まる東アジア情勢は、実際に日本国内で奇妙な圧力を生みつつある。「反日」や「愛国」というフレーズが飛び交っている。ヘイトスピーチがある。カウンターも登場した。この微妙なバランスに誰もがツッコミ切れない、ツッコムことを躊躇させる気分を作っている。ソコに、このロックバンドが、五年ぶりの再結成シングルの表題に、こんなタイトルを投入した。安定したビジネスを運営するならもっと無難な選択もあったはずだ。でも、彼らは、この世間に熟成する面倒な気分に、一石を投げ込んだ。
「ピースとハイライト」は、確かに昨今険悪になるアジア情勢に言及するメッセージソングだ。しかし、露骨かといえばそんなことはない。誰が悪いのか正しいのかというコトをシロクロ付ける内容でもない。フラットに、互いの立場を理解することを希望しているだけ。ロックの言葉で言えば、ラブ&ピースだ。「絵空事かな?お伽噺かな?互いの幸せ願うなど」「色んな事情があるけどさ 知ろうよ互いのイイところ」ただし、こんなフラットさに対して「反日」と糾弾する声もネットには溢れている。たぶん、ネットの糾弾者たちは、ロックを知らないし、ラブ&ピースも知らないのだろう。JOHN LENNON「IMAGINE」も国境を否定するアナーキズム反日左翼と解釈するのだろう。だとすれば残念だ。ただ、ソコに踏み込むのがロックバンドの保守本道だ。サザンには、その伝統遺伝子を正しく後世に継ぐ為にも、正しくロックを振る舞って欲しい。
●フリーペーパー「TOWER+」のインタビュー記事から桑田圭祐自身の言葉を引用する。

「中国、韓国、日本という現代三国志みたいな状況があって、そういう問題を見ていて、その中の誤解とか不信とか歴史とか恨みとか憎しみがいつまで続くんだろうなと僕なりに思ったワケですよ。原発の問題もそうだけど、我々の子供たちの世代や孫の世代……これからの若い人たちにそういう問題をそのまま丸投げしていいのだろうかって。僕なんかが生きているうちに平和的な歩み寄りを政治家の皆さんがやってくれないかなという願いがありまして。<君たちどう思う?>的な世間話を歌にしたんですね。そういう僕らの呟きが歌になって広がって、どこかにうまくぶつかってほしいなっていう期待もあるんですよ」

●そもそもサザン休止前後には、桑田圭祐自身の食道がん発症という出来事もあった。彼の中では、自分が活動出来る時間はそんなに長くないという感覚があるのかも知れない。その中で1ミリもムダにできない時間の中で、この「ピースとハイライト」が呟かれた。ツイートで身を滅ぼす人もいる今の世間で、大きな呟きだ。そしてこの呟きが拡散することで(韓国や中国にも届け!)、世間に立ちこめる不穏な気配を消えてしまえばイイと、ボクは思っている。

●なお、二曲目に収録された「蛍」は、「永遠の0」映画版の主題歌。サザンは夏のロックバンドだが、日本の夏はあの戦争を悼む季節でもある。この美しいバラードに、慎み深く過去を見つめる姿勢がある。



●娘ヒヨコ、七夕の短冊に書いたお願い事。

ヒヨコの短冊

●で、今週、その発表会がありました。
8年目にして、見事なトゥシューズ・デビューだったよ。大成功でした。


長男ノマド、受験勉強で夏休みが窮屈。
なにしろ、12時間近くも塾に行ってる。つーか、12時間なんてボク自身も勉強した覚えがないわ。ふー、見るからに大変だよな。やらせておいて、そんなイイグサは申し訳ないのだが。
●それでいて、効率的とは思えないやり方をしているので気になってしょうがない。ソコはやっぱり所詮小学生、意欲と努力とがあっても戦略はない。高校受験や大学受験なら自爆もコミで本人の自己責任に任せるトコロだが、小学生には自発的な戦略を求めるのは酷だ。だから、ワイフと共に会社を半日サボって塾の先生に相談に行ったよ。
●夏休みも後半戦に入る。この数日でボクが組み立てた学習計画、苦手な国語を重点的に、時間配分を効率的に意識したプログラムをノマドはモリモリ遂行中。ノマドめ、この計画に名前をつけやがった。「PNP」=「パワーノマド計画」
●コレ、電車の車内広告でヒヨコが見つけた微妙な書籍のタイトル「パワーノマド思考」に由来。帯コメが「いじめられっ子だった著者が30歳で億単位のお金を稼げるようになった秘密とは?」ヒヨコはこれ見て一言「いじめられっ子で奥単位ていうことはー、いじめっ子なら10億円くらい儲かる?」あーソコ微妙な問題だな…。

パワーノマド思考

●カフェで仕事するだけでは稼げない…と真顔で言われても、ボクも稼げると思ったことはないよ。


●一方で、学校の宿題もちゃんとやらないとね。
自由研究はノマドの毎年の気張りドコロだ。一昨年はチチェンイツァのククルカンのピラミッドを150分の1スケールで工作。去年は、ISS国際宇宙ステーションの模型を幅一メートルで作成。
今年は太陽系の縮図を正確な比率で再現するつもりらしい。太陽からそれぞれの惑星の距離を調べて反映するとな。太陽から地球の距離1億5000万キロとして、1.5メートルに置き換えるという。ふんふん。
●で、最終的にどんだけの大きさになるの?「えーと、冥王星までの距離が、53メートル」え!オマエ、どんだけの大きさの工作をするつもりなの?「準惑星のマケマケが68メートルだから、余裕をみて70メートル」はー!準惑星って、これまたマニアックな天体まで取り込むのね…しかもスゲー変な名前。「一番遠い準惑星エリスを入れると100メートル超えるからソレは省略」…宇宙は広い…。
●ノマドのプランによると、先生にお願いして、学校の一階にある一年生の教室の前から設置して、途中階段を上がりながら六年生のノマドのクラスの前まで引っ張ってくる展示をさせてもらとのこと。「一年生の子が気になって、オレのクラスの前までやってくるって仕掛け」夏休みの工作が70メートルって、コンセプチュアルアートかよ!先生も大変だな。

準惑星

準惑星ってのは最近はイッパイあるらしい。降格処分の冥王星に始まり、楕円形がユニーク過ぎるカウレア(2003 EL61)とかとか。マケマケ(2005 FY9)はイースター島の神さまに由来する名前らしい。この図では仮称の ZENN で紹介されてる。


●それでも夏休みは夏休みのイベントが大切であって。
東京湾大華火祭。大混雑だったようだよ。写真はヒヨコによってデコられた花火。

東京湾花火ヒヨコデコ

●ヒヨコは、現場で配られていたパンフレットに注目。花火にはイチイチタイトルがついていて、それがイチイチパンフに書いてある。「はじまる!夏物語」「弾ける!夏のビッグビート」「ビッグサンダー東京湾」「ときめきサマーダイアリー」などなど。ヒヨコ「AKBの曲名みたいでしょ!」
●ノマドは花火の解説文にハマる。花火の美しい色彩は、金属が燃焼する時に出す炎の色を利用していると書いてある。そこには銅、カルシウム、ナトリウムなど、比較的聞き馴染みのある物質に混じって、セシウムストロンチウムも含まれているのだ。ノマド「バリバリの放射性物質じゃん!」うわー。化学の知識がないからマジでワカンナイけど、安全なセシウムや大丈夫なストロンチウムもこの世にはあるの?

世界で一番美しい元素図鑑

「世界で一番美しい元素図鑑」で調べたら、セシウムもストロンチウムも安全なヤツがあるそうです。てか、むしろそれがメジャー。



●で、夏レゲエ。

「BEST OF DIGITAL B3」

「BEST OF DIGITAL B 3」1992年頃
●暑くてタマランので、ダンスホールレゲエを聴く。このコンピシリーズはボクの大好物だ。DIGITAL B はジャマイカのレゲエ・プロデューサー BOBBY "DIGITAL" DIXON のレーベル。このオトコ、現在のダンスホールレゲエコンピュータライズドのスタイルを確立した KING JAMMY の直弟子。SHABBA RANKS を世界に送り出し、GARNETT SILK を発掘。数々のレゲエ・スターとともに仕事をした90年代の伝説。その音源をまとめたコンピを日本の老舗レゲエレーベル OVERHEAT が手掛けている…全部で何枚出てるんだろう?ボクはこのシリーズコンピ最低でも6枚は持ってるぞ。OVERHEAT のコンパイルは現場に対する強い敬意が漂っていて、とても頼もしい。英米のコンピよりも日本のレーベルの方がイイと思える。
ダンスホールレゲエは、人によって好き嫌いが激しい分野だBOB MARLEY 史観でレゲエを捉えてる人から見ると、BOB 死後の音楽は不可視だったりする。UK レゲエ に傾いた人から見ると、享楽的すぎてアートとしてのストイシズムが足りないらしい。実際、情報が足りなくて系統だった聴き方が難しく全体像を掴めない。7インチ単位のリリースを追いかけるのは大変で、正直ボクには手に負えない。しかしCDにまとまるのは一部のグローバルなアーティストだけで、グローバルのフィルターがかかった瞬間、微妙なバイアスがかかる場合がある。奥が深い。深過ぎる。
かつてはボクもダンスホールは苦手だった。音楽として稚拙だと思ってた。実際、スキマが大きくてアレンジらしいアレンジもない。ドラムマシーンとシンセベースだけという最低限の骨格で出来たシンプルさは、陳腐に見えるかも知れない。展開も全くない。単調で退屈。楽曲のテーマがシモネタや犯罪ネタに偏ってるという評判もヒッかかった。
●ただし、このシリーズコンピがそんな印象を覆してくれた。ここに BOBBY "DIGITAL" DIXON の技があるのだろうか?彼のシンプルなトラックは、実は異常に人懐こい。シンプルなのに異常に中毒性が強い。ユーモラスに聴こえることもあるが、その無限の反復は聴き飽きることがない。テクノやヒップホップを通過してきたボクの耳には、結局のトコロこの反復グルーヴは同質のファンクネスとして入ってくる。むしろ、人肌を一番シッカリ感じさせるフォーマットだ。野太いベースも気持ちイイしね。LOUIE CULTURE「O.P.P.」のトラックは SLY DUMBER がドラムマシーンだけで組んだという超ミニマムリディム。DIRTMAN「TEACH THEM RIGHT」も同じ系統。これは92年に流行った「ムスリム」系というスタイルらしい。
●このトラックの上に、一流のパフォーマーが乗る。GREGORY ISAACS、GARNETT SILK、SANCHEZ、SUGAR MINOTT などなど。トラックのスキマに彼らが本物のファンクネスを注ぎ込む。シンガーであったりDJであったり、そのスタイルは様々だけど、彼らがトラックを乗りこなすその振る舞いは、一流スポーツ選手のような鮮やかさ、ちょうどウサイン・ボルトのような天賦の才を感じさせる。なんて華やかなのだろう。
●ちなみに、WU-TANG CLAN の総裁 RZA が別人格として BOBBY DIGITAL と名乗った場面があった。BOBBY ”DIGITAL" DIXON とカブってメンドクサイと思った。




●あ、全然関係ないけど、「半沢直樹」、アレ、オモシロいわ。気付くのが遅かった。




●音楽プロデューサー・佐久間正英さんの末期ガン告白。思わず言葉を失う…。
 http://masahidesakuma.net/2013/08/goodbye-world.html


●暑いよ…。具合悪い…。
群馬や山梨で気温40℃超えたそうだよ…。
●カラダにこたえるわ…。安定剤飲もうっと…。



●音楽で涼みたい…。

MYLO「DESTROY ROCK ROLL」

MYLO「DESTROY ROCK & ROLL」2004年
なんか物騒なタイトルのワリには、実はノーブルなエレクトロでありました。テンポもグッと抑えてあって、テンションを無理に上げない感じと、シンセフェティッシュで端正な音色が、涼しい。エレクトロ全盛の時に聴いた時はもっと批評精神溢れる攻撃性も感じたんだけどな…今はもっと普遍的なポップスとして高機能に鳴っている。「SUNWORSHIPPER」のトロケそうなエレピのフレーズがいい…「DROP THE PRESSURE」の弾むシンセベースとキックのシンプルさがいい。「OTTO'S JOURNEY」のエレクトロディスコっぷり。
ああ、思いがけず、エレクトロ/テクノで涼しい思いをした。ちょっとこの路線で涼しい音楽を探したい。
●ちなみに、「DESTROY ROCK & ROLL」は80年代に活躍したロックやポップスの聖人たちの名前をひたすら列挙しまくる…MICHAEL JACKSON、PRINCE、BRUCE SPRINGSTEEN、TINA TURNER、DAVID BOWIE、VAN HALEN、MADONNA、HUEY LEWIS & THE NEWS、THE CARS、HERBIE HANCOCK、BONNIE TYLER、STEVIE NICKS、MEN AT WORK、ZZ TOP、DURAN DURAN、DURAN RUDAN、DURAN DURAN……。

909STATE「6TRACKS (FOR MIRAI)」

909STATE「6TRACKS (FOR MIRAI)」2010年
909STATE「PIANO LESSON」2011年
端正なエレクトロ/テクノを探して、ネットレーベル MALTINE RECORDS でダウンロードした 909STATE の音源に行きつく。ユニット名はもちろん、あの90年代マンチェスターからアシッドテクノを鳴らしてたユニット、808 STATE をもじってるワケですよね。拠点は宝塚市とのことです。データしかないのに、ジャケはわざわざ12インチ風。あ、左上のマーク、808 STATE にマジでソックリ。
●で、本家と同じく端正なシンセポップなのですね。ああ涼しい。テクノ/ハウス黎明期に活動した 808 STATE って今聴くと実にポップだったりもするから。そこを範としてくれると実に心地がいい。ただ、こちらの 909STATE は、後半戦となるとアンダーグラウンドな凶悪アシッドがブヨブヨ言い出すので注意。曲名も「半殺しガール」だし。

MIRRORBALL INFERNO「SUPER SALE OUT」

MIRRORBALL INFERNO「SUPER SALE OUT」2010年
90年代アシッドを通り越して、80年代の YELLOW MAGIC ORCHESTRA まで見えてくる、実にスクエアなテクノ。端正なシンセフェティシズムが可憐だわ。イトーヨーカドーまでパクったジャケのセンスも最高。あの地下一階の食料品売場にある独特な漂泊感(&落ち着いた冷房の気分)が、キラキラしてココに音響化してる。MALTINE RECORDS オモシロい!

GIGANDECT「SUMMER」

GIGANDECT「SUMMER」2013年
●直球で「夏」!問答無用にキラキラ夏全開ですわ。硬質なテックハウスだけど、湿度をうまく吸い込んだ季節感の折込み方がハンパなく見事でナイスなビッグチューンに仕上がっております。リミキサーには XYLOID PA'S LAM SYSTEMKOSMO KAT といった MALTINE ではお馴染みのアーティストが参加。

市民プールサイド

VARIOUS ARTISTS「市民プールサイド」2013年
●今のトコロ、MALTINE RECORDS で最新の音源。「夏」をテーマにしたコンピですわ。ジャケだけで十分胸キュンですが、ボーカルを含んだエレポップもラインナップされてて、チャーミングさと人懐っこさが倍層。時にメロウにも響く。80年代シティポップ風アレンジのギミックがリゾート気分に繋がってるんだな。そんなリゾート気分を「市民プール」というフレーズで照れ隠し。もちろんシンセフェティシズムも絶好調です。参加アーティストのうち、OKADADA はこの界隈でよく名前を見るなあ。前述の KOSMO KAT も参加。最後を締めくくるレイドバックしすぎた日本語ヒップホップはパブリック娘。というアーティストだけど、キチンと野郎3人組であります。


●あ、今日の記事の前提になってるネットレーベル MALTINE RECORDS に出会ったときの感動コチラの記事に書いてます。ご参考まで。


●今日、久しぶりにビョーキ仲間に会った。駅前でバッタリ。
●予想以上に苦労しているようで、心配になった。
●名刺を1枚渡した…ボクのメアドもわかんなくなってるだろうと思って。



●NHKの番組はオモシロいな。
「ミュージックポートレイト」という番組を見つけた。
坂本龍一吉永小百合が対談しながら、それぞれの人生の10曲を紹介する番組。
坂本龍一さんの音楽を知りたいと思って観たんだけど…。
吉永小百合さんがキレイ過ぎてビックリ!
●小学生の段階で、こんなに美人じゃ困るよ!ってくらいの写真がたくさん出て来る。
●ティーンの小百合さんも美し過ぎる。ああ、昔の小百合さんの映画、見たくなってきた。
●今、「キューポラのある街」を見たらどんな風に感じるだろう?

(番組ホームページ:http://www.nhk.or.jp/portrait/index.html


アナクロめいたロックにシビレテル。

THE ZUTONS「WHO KILLED THE ZUTONS」
THE ZUTONS「YOU CAN DO ANYTHING」

THE ZUTONS「WHO KILLED...... THE ZUTONS」2004年
THE ZUTONS「YOU CAN DO ANYTHING」2008年
このリバプール出身の連中が、カッコ悪いくせして、妙にカッコよくキマってる。ドタバタしてムサ苦しいリズム隊にブガブガとやかましいサックスが絡み付いて、そこに暑苦しいボーカルが暴れ回る。まるで灼熱の夏に激辛のアツアツ担々麺を食って死にそうになるみたいな感覚だ。汗が全身から吹き出て細胞がワシャワシャ大騒ぎする。
●立ち振る舞いのイチイチがアナクロだ。ワリとイマドキのバンドのくせして、ダンスもエレクトロもポストパンクすらも1ミリの縁もナイ。クソみたいに愚直にファンキーなソウルミュージックを、暑苦しいロックンロールでド根性駆動している。宣伝文句は「ゾンビ・ミュージック」60年代ソウル/サイケや70年代ファンクを掘り起こす姿勢を、そんな風に表現したらしい。60年代や70年代の音楽を参照するアプローチなんて、まー昨今当たり前のコトだ。過去の音楽のどの部分を注目するのか、そして同時にどの部分を無視するのか、でそのアーティストの真価が決まる。THE ZUTONS は00年代の洗練された気分や、パンクの疾走感を見事にスルーしてる。THE LIBERTINESTHE STROKES の研ぎすましたガレージロック/ポストパンクで幕明けた00年代のシーンを追うカタチで登場したくせに、実はズバリ完全な裏張り。
●一方で、90年代ブリットポップの佇まいは共有されてる。イギリスのバンドはそのイギリスの匂いを絶対に脱臭できない。異端のようでいて、そして過去のアメリカ音楽を参照しているのに、明確にイギリスのバンドであるトコロが、刻み込まれたDNAの逞しさを感じる。
●それと、このバンドの紅一点、ABI HARDING ちゃんがカワイイと評判らしい。バンドの見事なアクセントになってるサックスは彼女が吹いていたのか。へー。カワイイ!

Abi+Harding.jpg



THE ZUTONS と同郷の先輩バンド。

THE CORAL「ROOTS ECHOES」

THE CORAL「ROOTS & ECHOES」2007年
THE ZUTONS と同じリバプールのバンド。アルバムデビューが THE ZUTONS より二年ほど速かったので、THE ZUTONS はこのバンドのフォロワーと思われたらしい。THE CORAL のファーストリリースが2002年。THE ZUTONS が2004年。そんで、やっぱりコイツラもアナクロなアプローチが味を出しまくってるバンド。
●ただし、コチラはソウルやR&Bの影響は薄い…どちらかといえば、60年代英国フォーク/フォークロック。もう少しでサイケフォークというトコロか。センチメンタルなメロディが、60年代ポップスの保守的な部分をそのまま受け継いでいるようにも聴こえる。メランコリーな歌は SCOTT WALKER みたいな感じにも響く。素朴に古臭い…そこに安心感があるんだけどね。若気の至りが先走る THE ZUTONS に比べると、シックリと落ち着いてる。


●ここまで来たなら、ホンモノの60年代音源を聴いてみよう。

The Hollies Greatest Hits

THE HOLLIES「THE HOLLIES' GREATEST HITS」1964〜1972年
THE CORAL のややメランコリーがかった60年代風メロディとトラッドな佇まいは、ボクのアタマの中でこのバンドを連想させた。この連中は、60年代中盤 THE BEATLES 旋風の中で、雨後のタケノコのように現れたロックバンドの一つ。この時代には次なる THE BEATLES を見つけようと全英をスカウトがウロウロしてたようで、マンチェスターでギターコーラスグループとして活動してた彼らも突如ロンドンに引っ張り出されてスターに仕立て上げられたのだ。
●でもね、初代ボーカリストは GRAHAM NASH。彼は1968年に音楽性の違いからバンドを脱退すると、ロサンゼルスに向かって、CROSBY, STILLS & NASH に参加する。そういう意味では、キチンとしたミュージシャンシップを備えていたボンドだったわけだ。
キャッチーなメロディを持つロックから、60年代末のサイケデリック不思議ポップ、70年代初頭のブルースロック、などなど、一通りの当時の流行を全部可愛らしくポップに包んだ感じが聴きやすくて、ボクはこのバンド、このCDを度々聴いてしまう。コーラスワークがキレイだったり、すこしマイナーなメロディの影に味わいを感じたり。飛び抜けてエッジーな部分はないのだけれども、バランスが整っていて馴染みやすい。









●昨日は東銀座で、イタリアンを食べてた。ナポリ風のお店、先輩にご馳走してもらったです。美味しかった!
●ああ、イタリアに行きたいなあ!ジョルノ・ジョバーナ!ジョルノ・ジョバーナには夢がある!パァァァァァァーン!


頭文字D

ゴッ ブン シャアアア ギャン
ゴオオア ギャアア
ズドッ ギャアアア ドギャ ゴッド ゴアアア ギヤゴゴ ギャア
ゴツ ゴオア ギャアアア 
ギヤン ドシッ ゴッド ドギヤ ゴワ ズッド

●これ、ヤングマガジン掲載、しげの秀一「頭文字D」に登場する擬音語/擬態語の数々。
「ジョジョ」に登場する「ドドドドド」「ドギャーン」といった奇妙な擬態語たちが評判だけど、ボクは常々「頭文字D」の擬音語/擬態語もかなりクレイジーな表現だと思ってた。クレイジーでしょ!?
「公道最速伝説」のサブタイトルが示す通り、関東一円の走り屋がイリーガルな峠のレースで最速を目指す物語。このマンガが1995年の連載開始から18年、とうとう最終回を迎えた。95年はボクまだ学生でしたよ。ボクがサラリーマンになってコドモが二人生まれても、主人公たちは関東各地の峠を爆走しまくっていた。
●自動車の趣味がないボクには、深夜の峠道で繰り広げられる公道バトルでどんな音響が鳴らされてるのか全く想像がつかない。だから、ギヤン!とかゴオオア!とかドシッ!とかの擬音語たちが、果たして現場の客観的写実表現なのか、全く確証が持てない。つーか、ボクが知ってるカーレースじゃこんな音鳴ってない気がする。
●だいたいこの作品全てが、ボクの知ってる世界の外だった。主人公は群馬のど真ん中で、真夜中の峠道をただひたすら走り続ける。そんな彼が磨いた天性のドライブテクニックが注目されて、栃木・日光、埼玉・飯能、茨城・つくば、神奈川・箱根などを転戦していく。関東平野が終わる場所をグルリとまわっていく…そこはもうボクの住んでいる場所ではなくて(東京だけキレイにスキップされてる)、ボクが愛する音楽もマンガもなくて、ボクが信じる世界観もない。ただひたすらスピードに没入し、夜の闇を爆走するだけの世界。昼間の生活は無価値で描かれもせず、真夜中の非合法行為こそが全て。がゆえに純粋。純粋に心打たれる。1ミリも共感すべき拠り所がなかったが故に、その純度の濃さで最後までキチンと読み切ってしまった。その意味では、ドギャ!シャアアア!という不思議な擬音語/擬態語は、純粋な理解不能空間を絶妙に象徴する表現だった。
●かつてロックは既存体制に対する反抗の象徴だった…いつしかその役割は終わってしまったような気がするが。しかし、このスピードの世界はいまだ常識/良識の世界の外に位置して、その生き様はどこまでいってもアウトサイダーだ。そのキナ臭い佇まいが、若者を吸い付ける。だから18年もの長い時間を走り続けることが出来たんだろう。

   頭文字Dcover

(ヤングマガジン2013年35号。巨編完結!伝説は速いんです!)


●マンガの中では音楽は聴こえないが。
どうやら、スピードはユーロビートと相性がいいらしい。

「SUPER EUROBEAT PRESENTS JGTC SPECIAL 2003 - NONSTOP MEGAMIX」

「SUPER EUROBEAT PRESENTS JGTC SPECIAL 2002 - SECOND ROUND」2

「SUPER EUROBEAT PRESENTS GTC SPECIAL 2001 - NONSTOP MEGAMIX」

「SUPER EUROBEAT PRESENTS JGTC SPECIAL 2003 - NONSTOP MEGAMIX」2003年
「SUPER EUROBEAT NONSTOP MEGAMIX 133」2002年
「SUPER EUROBEAT PRESENTS JGTC SPECIAL 2002 - SECOND ROUND」2002年
「SUPER EUROBEAT PRESENTS JGTC SPECIAL 2002 - NONSTOP MEGAMIX」2002年
「SUPER EUROBEAT PRESENTS GTC SPECIAL 2001 - NONSTOP MEGAMIX」2001年
ユーロビートはカーレースと相性がイイらしい。このCDは、GTC、ないしは JGTC、つまりは「日本GT選手権」?というカーレースを盛り上げる企画モノシリーズコンピらしい。後援スポンサーのオートバックスのロゴもマブしいわ。2001年当時はボクもまだ自動車に乗ってたから、東雲にあった(今でもあるのか?)スーパーオートバックスに買い物とかしてたし、ソコにユーロビートのCDがタップリ置かれてたのも覚えてる。おまけに、YOUTUBE のドライブ動画などを検索すると、これまたユーロビートをBGMにハメ込む人が大勢いる。よっぽどなんだなードライブ感覚とユーロビートの相性のよさは。
●ましてや、フツウの運転じゃないしなー。限界スピードや峠とかの特殊環境でドライブテクを突き詰めたいような感覚とつながるんでしょー。BPM200 のハイスピードと自動車の物理的なハイスピードが相互反響して特殊なアドレナリンを分泌させるのかな。容赦ない乱打ビートにブーストされた危険運転の臨界点を全神経を研ぎすまして制御する緊張感覚にハイとエクスタシーがあるのか?今では自動車に乗らなくなってしまったボクには想像でしか到達出来ない感覚だけど、興味を感じるよね。
●そこまで妄想を突き詰めていくと、マンガ「頭文字D」の奇妙な擬声語/擬態語感覚は、ユーロビートとドライブ感覚が融合する向こう側の領域で聴こえる特殊聴覚が、作家の想像力フィルターを通過して表出される脳内音響なのかも知れない。ああ、やっぱこのマンガ、スゲエよ!

ユーロビートは、日本のストリートミュージックか?
●2001年頃は、ボクの記憶ですとパラパラの時代なんですわ。90年代のクラブシーンが一区切りついたタイミングで、コギャルカルチャーがさらに進化/コア化してギャルサーなどに組織化され、神楽坂 TWIN STAR みたいな新型ディスコや、エイベックス直営のオオバコ・六本木 VELFARRE が新しい若者を集めてた。ボクはこの当時エピックトランスダッチトランスの方が気分だったけど、社会現象化してたパラパラはお茶の間テレビにも登場して世間の注目を集めてた。、そのパラパラのBGMがユーロビート。この日本の特殊なパラパラ習俗に合体したユーロビートは、完全にローカライズされて1ミリもユーロな感じはしなかった…。
●さらにさらに。この頃には日本にローライダー文化も入ってきた。巨大なウーハーを後部座席に詰め込んだ加増車両が夜な夜な横浜・大黒ふ頭パーキングエリアに集まり、ドデカイ音でベースミュージックをブチ鳴らしてたりしてた。前輪や後輪がボヨンボヨンと弾む本格的なローライダーもいて、カッコイイ!と思ってた。しかし、その一方では鳴らしてる音楽がローライダーと関係ない人たちもいて。微妙な違和感ですよだって浜崎あゆみとか鳴らしてる。で、そこにはユーロビートもあったんですよ。ユーロビートを爆音で鳴らして、そのスピーカーの前で4〜5人の男女、ギャル&ギャル男(死語)がパラパラを踊ってる。うーん、珍奇な風景。彼女らの中では、ユーロビートがエッジーなジェネレーションミュージックに聴こえてるのか?実感の部分は20歳代後半になってたボクには全然わからなかったんだけど、文字通りのストリートミュージックとして路上で鳴っちゃってるワケだから、無視するワケにはイカナイ。
●そんなコトを思い出しながら当時の音源をこうして聴いてると、 BPM200 みたいな極端なハイスピードとか、ブリブリしたシンセベースの乱打とか、クルクル展開する甘ったるいボーカルとか、ことごとくが過剰演出で、強烈に奇形的な音楽に聴こえるのですよ。その狂いっぷりは壮絶でホンモノ。手加減ナシ。ブロステップボルチモアブレイクスゲットーベースバイレファンキジューク/フットワークも、見事な過剰演出で十分に狂気を孕んでいるけど、バランスが崩れてる案配においては、他の国のストリートミュージックにヒケをとらない狂気がこの時期のユーロビートにはあったと思ってしまうのです。


で、2013年。カーシーンとユーロビートは狂気が続行中。
●話は2001年前後のユーロビートから飛躍して、2013年の「ニコニコ超会議2」へ。ここでボクは、「痛車」カルチャーに出会いました。まー話には聞いてたけど、現物を肉眼で見るとスゴいですよ感動しましたよ。

痛車1 痛車4

痛車3 痛車2

痛車5

●わかりますよね?ごらんのとおり「痛車」とは、クールジャパン?なキャラクターを自動車にこれでもかと盛りつける美学ですわ。若者の自動車離れがバブル世代に嘆かれる昨今、おっとドッコイ、自動車はちゃんとユースシーンに愛されています、こんなカタチで。
初音ミクまでは認知出来ても、もうそれ以上のキャラはボクには分かりません。東方プロジェクトとかワカンナイんですゴメンナサイ。でもこの熱意と気迫はパッと見だけでも十分伝わります。伊達や酔狂だけじゃココまでイケナイよ。スゴいスゴい、素晴らしい!
●で、最後の写真で分かるように、この痛車も強力なサウンドシステムを搭載してるんですよ。音楽を鳴らすんです。ナニを鳴らすのか?アニメソングです。…なるほど、アニメで自動車を飾ってアニソンを鳴らす、これ首尾一貫してるよね当然の帰結だよね破綻してないよね…はあ。

「痛車グラフィックス」vol16

「痛車グラフィックス」vol.16
「痛車」専門雑誌もあるんだね。1500円もしたけど買っちゃった。もう雑誌創刊から五周年って書いてある。自動車とキャラを軸に、コスプレイヤーからカーカスタムテクニック、痛車イベント報告、パーツ情報、アイドル、ゲームミニ四駆、サバゲー、レース業界までを網羅。ボクの中では今まで繋がってなかった文化領域を「痛車」というヨコ串で一気通貫させる世界観の広がり。

「SUPER 痛G BEAT」

「SUPER 痛G BEAT」2012年
●で、「ニコニコ超会議」の現場で速やかに購入しましたよこのCDを。アニソン、ユーロビートアレンジカバー、ノンストップミックス!超高速BPMで繰り出すビートの乱打とアニソンのフック溢れるメロディ展開がジェットコースター的にスリリング。予想以上の危険な香りにクラクラします。これがユーロビート最新アップデートバージョン…完全にユーロじゃないよねー。
●知ってる曲なんて3曲しかナイんです、「みっくみくにしてあげる♪【してやんよ】」中川翔子「空色デイズ」「残酷な天使のテーゼ」だけですよ。アニメタイトルもわかんない。「絶対可憐チルドレン」「魔法少女リリカルなのはStrikersS」「侵略!イカ娘」?…残念、さっぱりワカラナイ。でもね、説得力があるのは理解出来るんです。常々感じてるのは、アニソンってメロディ展開が高密度でオモシロいってコト。アニメのオープニングって放送上は60秒程度しか取れないから、その60秒でファンの心を掴まないとイケナイ。その意味で、短い尺の中に盛り込むフックの強さはかなり研ぎすまされてると思ってる。ココにあるのはオリジナルシンガーでもない人(そんでやっぱり誰1人知らない)のカバーでアレンジも激しく改変されてるのだろうけど、勢いはある!それはマチガイナイ。…あ、「創聖のアクエリオン」は聴いたことがある…コレ、パチンコになってCM打ってたでしょ?「一万年と二千年前から愛してる!」

「涼宮ハルヒの憂鬱」
谷川流「涼宮ハルヒの憂鬱」
●このCDには「涼宮ハルヒの憂鬱」の曲も収録されてるのよね…しかも4曲も。「冒険でしょでしょ?」とか「ハレ晴レユカイ」とか。音楽は知らないし、アニメも見たコトがない。でも、原作のライトノベルはガンバって読んでみた時期があるんです。最初の「憂鬱」から始まって、五冊目の「涼宮ハルヒの暴走」まで。「涼宮ハルヒの消失」はちょっとオモシロいと思った気が…。ライトノベルってボクには未知の領域なので、手っ取り早く一番有名で一番売れてそうな、このシリーズに手をつけた。正直言って、どんなに読み進めてもナカナカ馴染めなくて、そこで挫折してしまったんだけど。
●変わり者の女の子、涼宮ハルヒちゃんと、彼女の周りに集まってくるこれまた曲者ばかりの仲間たちが繰り広げる高校日常生活グラフィティ。でも、マジで日常生活すぎて、なんにも起こらなかったりするので(一応SF小説なはずなんですけど)ツライ。かきふらい「けいおん!」も日常生活すぎて何も起こらないので、これが時代の空気とすればしょうがないのかも。
●でも、一番馴染めなかったのが、小説の一人称主語を担う主人公の少年キョンのポジション。彼は変人ハルヒちゃんのツッコミなので、ひたすら常識人として立ち振る舞う。結果、基本がヒキのポジション。ハルヒちゃん変人観察だけに終始して彼には主体的行動がない。ちょっと待て!今の状況において、ソレはナイ!ネットやSNSの中で島宇宙のように様々な「常識」が並列に存在する中で、変人観察の客観的視点なんて欺瞞にしかならない。変人観察の向こう側から見たら、こっちが変人なのだ。どんなに理性的であろうとも(実際、キョンは理性的であろうとしてるけど)、状況はそんなことお構いナシに変貌し、奇妙な理屈が世間を圧倒する「常識」になったりする。そんな時代に、主人公キョンくんは実に線が細くて臆病に思えて仕方がない。理屈も道理も無視して、状況を自分で作り出す変人ハルヒちゃんこそ実は正しく逞しい。
●結局「実際には現実的じゃない変人少女が目の前に突然登場して、ムリヤリ引っ張り回してもらいたい、そしてオレの退屈な毎日をどうにかしてもらいたい」というタチの悪い願望をスカしたカタチで描いているようにしか思えないようになってしまった。なんて受動的な姿勢だろう。ダメ。そんなことなら自動車買って、痛車にカスタムしろ。「イタい」と分かって状況に自分を放り込んだ痛車オーナーがアニソンを爆音プレイしながら深夜の群馬山中を爆走する方がどれだけ痛快か。ボクはそう思ったのでした。





(アニソン・ユーロビートの猛威。)

●最近は、どんどん体重が増えてる感じがする。
●でもしょうがない、食べ物がナゼかとても美味しく感じるのだ。
●先週は銀座一丁目で中華料理。「天津飯店」というお店だったかな。「鳥肉の唐揚クルミ入り甘酢辛味」が美味かった…。
●それと浅草の焼肉屋さん「本とさや」。分厚いお肉をミディアムレアでいただきます!ワイルドな味わいが至福。
●新橋の「重慶府」。楽しい会食だった…かつて一緒に仕事した先輩後輩が集まってワイワイガヤガヤ。
●秋葉原で食べた久しぶりの「九州じゃんがらラーメン」。懐かしい、昔よく食べてた。明太子のトッピング。
●鎌倉で食べた「生しらす丼」も美味しかったねえ。
●下北沢のトンカツ屋「かつ良」。久しぶりだったけど、相変わらずウマい!
●お中元でもらったが美味しかった。実家がくれたメロンがデカクて甘い。
●渋谷で食べた「すしざんまい」。ノマドが大好きな赤身をホイホイ食べる。その食いっぷりに幸せ。ボクは「富山のしろえび」を注文…。
●渋谷で見つけたつけ麺「ちっちょ極」。この前、腹減ってないのに入っちゃったよ。そんくらい病み付きになれる。
●ココにきて、食への関心がググッと高まる。エンゲル係数が上がってしまうよ。



新代田のライブハウス「FEVER」でフリマ。買い物しちゃった。

新代田のライブハウス「FEVER」

「ROCK市ROCK座」。なんだか誘われるままに行ってしまったんだけど、出店している人たちはみんな名のあるバンドの人たちだったみたい。THE NEAT BEATS とか THE 5678'S とか。どーりで濃ユイ品揃えだったワケだ。気になるモンがイッパイあって目移りしちゃったよ。

●一番バカバカしい買い物はコレかなあ。

「ROCK市ROCK座」「ROCK市ROCK座」2

キモイキャラクター。「JIMMY OF THE FUTURE」って書いてある。
このマヌケヅラ、どっかで見たことがある!と思って買っちゃった。500円。売ってるお姉さんに聞いてもコレが何のキャラクターかワカラナイってコトだったけど、こいつ BJORK のシングル「I MISS YOU」1997年のプロモに出演しているはず。家帰って検索したらやっぱり出てきてた。箱に書いてあったコイツのカトゥーン作家さんとプロモ監督の名前も一致してるし(JOHN KRICFALUSI という人)。ほどよくサイケで気持ち悪いプロモだったから、よく覚えてたんだ。
●そんな説明をしても、ワイフにとっては邪魔なゴミがまた増えてしまっただけ。すんごくウンザリされた。



(BJORK「I MISS YOU」1997年。キモカワアニメがキュート。)


●さて、レコードもいっぱい買っちゃったよ。

MADNESS「IN THE CITY」

MADNESS「IN THE CITY」1981年
あーコレ懐かしい!ホンダの小型車 CITY のCMに使われてた音楽だ!CITY のフォルムはまさしく80年代を代表するデザインだったねえ。そんでこのユニークなデザインをコミカルなCMで彩ったのが、MADNESS 自身だった。CMに出演してクルマのまわりでムカデダンスして「シティ!ホンダホンダホンダホンダ」って歌うたってた。これ当時小学生だったボクでも今だよく覚えてるほどのインパクトだったよ。ホンダ CITY そのものが時代のデザインとして取沙汰されてた。鳥山明「DR.スランプ アラレちゃん」でちょいちょいこのクルマを描いてたし、ジャレコがリリースしたファミコンソフトの「シティコネクション」はこのクルマが飛んだり跳ねたりするゲームだった。
●その後、2トーンスカの代表的バンドとして彼らを認知するにあたって(その頃はもうハタチ超えてたよ)、初めて、あーあの時のバンドが MADNESS だったんだ〜と関心したもんだ。でもね、音源はまだ持ってなかった…この曲はサードアルバム「7」に収録されてるんだよね。ムカデダンスしてるジャケのファーストアルバムには入ってない。で、この日7インチシングルとして巡り会えた!よかった!しかも100円だったしね。

MADNESS「IN THE CITY」2

(中ジャケにはホンダ CITY も写ってるよ!そしてムカデダンスも!)

THE BEAT「THE BEAT」

THE BEAT「THE BEAT」1979年
●そんな勢いの中、このフリマでこのレコードを買いました。500円。THE BEAT といえば、MADNESS の盟友!そして THE SPECIALS THE SELECTER とともに、70年代末期から80年代にかけて2トーンスカと呼ばれたシーンを盛り上げた重要なバンド。パンク旋風吹き荒れるイギリスにレゲエ/スカという新しい文化潮流を呼び込んでムーブメントを作り上げた連中です。MADNESS 聴いて、そのあとこの THE BEAT のアルバムLP聴いて…なんて考えてたら。
あら?全然スカじゃないぞ。むしろイタナイパワーポップというか、ムサ苦しいロックというか…? THE BEAT にスカじゃない時代があるなんて知らなかったぞ?というかそもそもジャケに写るメンバーの雰囲気もだいぶ違うなあ。
●で、検索してみたら、こいつら同名だけど全然別のバンド。2トーンスカ THE BEAT はイギリスのバンドで、国外では THE ENGLISH BEAT とか THE BRITISH BEAT って呼ばれてるという。で、コイツラは全く関係のないアメリカのバンド。リーダーの名前をとって THE PAUL COLLINS BEAT と呼び、イギリスの THE BEAT と区別するんですって。うわ、初めて知ったわ!紛らわしいよ、活動時期も完全にカブッテルんだもん、難易度が高いよ。でもしょうがないか、両方の THE BEAT が今だに活動してるんだもんな。
●ただ、この若気の至りめいた勢いはワルいモンでもない。ジャカジャカせわしいギターロックの推進力と暑苦しい明るさは、CHEAP TRICK の系譜みたいなトコロにいるような気がする。

DR FEELGOOD「LET IT ROLL」

DR. FEELGOOD「LET IT ROLL」1979年
●ということで、今日は1979年を軸にしてその前後にリリースされた音源を聴いていこう。コレもフリマで400円で買ったヤツ。70年代中盤にソリッドなロックンロールを追求して「パブロックの帝王」と呼ばれた連中。彼らの活躍が後のパンクムーブメントに火をつけたと言われる。有名なメンバーは WILCO JOHNSON。鬼気迫るギタープレイはマシンガンギターと呼ばれ、今年のフジロックにも登場。ガン宣告されるも治療を一切拒否してツアーを続けるロックの鬼神だ。
●ところがだ。これもよーく見てみると、その WILCO JOHNSON が脱退してしまった時期のアルバムなのよね。ジャケのお人形さんにゴマかされちゃったよ。この人形のどれが WILCO なんだろう?なんかイメージ違うなあ?ってうっすら思ってたもん。あらら。
●パンクシーンど真ん中の1979年にあっては、少し落ち着いてて古めかしい気分が漂っている。けど、時流に媚びない姿勢で自らのロックンロールを鳴らしてきたのがこのバンドのアイデンティティだ。ブルースの気分を漂わせつつも、ザクザクと推進するグルーヴは説得力がある。

IAN DURY THE BLOCKHEADS「DO IT YOURSELF」

IAN DURY & THE BLOCKHEADS「DO IT YOURSELF」1979年
●さて、同じ時代のレコードを引っ張り出してみたよ。IAN DURY!小児麻痺で左半身に不自由を持ちながら、味のありまくるパフォーマンスでパブロックシーンを牽引、パンク革命を準備した傑物であります。こちらのセカンドアルバムは、ガムシャラなロックンロールだけじゃなくて、ファンク〜ソウルやレゲエも飲み込んで、洗練された気分。ニューウェーブでございます。ただ、IAN のホッコリしまくってるボーカルが奇妙な湯気を立ててるので、アク抜きが全然できてません。結果、とってもイイ感じ!
●このアルバムリリース直後に、ソングライターを務めていた CHAZ JANKEL が脱退、その後の IAN DURY のキャリアはやや低迷してしまうとな。あ、CHAZ の代わりに加入したのが WILCO JOHNSON なんだ…すぐ脱退しちゃうけどね。IAN DURY & THE BLOCKHEADS の前身バンド KILBURN & THE HIGH ROADS のアルバムもカッコよかったなあ。アレは沖縄出張行った時に地元のレコード屋さんで見つけたんだよね…。

JOE JACKSON「IM THE MAN」

JOE JACKSON「I'M THE MAN」1979年
●これも1979年だね。JOE JACKSON はこのあとスウィングジャズや R&B を巧みに取り入れた音楽で洒落たニューウェーヴ世界を描くミュージシャンになるんですけど、このセカンドアルバム段階では、性急でツンノメルようなロックンロールを突進しまくる芸風で、そのパブロック的なラフさワイルドさに見事な価値があると思っております。レゲエも組み込んでますが、溜めたビートの中に焦りと怒りが滲み出る気分がタマラン。ホンキートンクなピアノプレイもスカした感じでタマラン。そもそもジャケ写の人を食ったようなチンピラ風情がタマラン。ちなみにコイツは広島のレコ屋にて400円で採取。

ELVIS COSTELLO「MY AIM IS TRUE」

ELVIS COSTELLO「MY AIM IS TRUE」1977年
パブロックがイイ感じに響いているので、ELVIS COSTELLO までイッチャイマス。で、コレがメガネロックのヒーローデビュー盤。ミスチル「シーソーゲーム」のプロモでこのジャケットのモチーフをまるまるパクったのは有名な故事か?ちょいとだけ塩辛い声とほんのり甘酸っぱいメロディの絶妙なブレンドが全くもってチャーミング、勢い任せのパブロックとは一線を画してます。むしろなんでパブロックに関連づけられるの?あ、プロデューサーが NICK LOWE だからか。
●古典的なノリノリロックから、有名なバラード「ALISON」、レゲエアプローチ、などなど変幻自在のセンスをデビュー段階から備えていた天才。だからこそ現在に至るまでジャズやR&Bなどなどへと次々にフィールドを拡大して活躍し続けられるのでしょう。ただココでは、散漫にならないタイトさで手堅くまとまったロックンロールの突進力をともかく味わいましょう。ちなみに、こいつは下北沢フラッシュディスクランチにて800円で購入。

ELVIS COSTELLO「THIS YEARS MODEL」

ELVIS COSTELLO「THIS YEAR'S MODEL」1978年
●はい、コチラが COSTELLO のセカンドアルバム。ここで初めて彼のバンド THE ATTRACTIONS が組織されます。プロデューサーはやっぱり NICK LOWE。タイトなロックンロールに、オルガン/ピアノが加わってチャーミングさに磨きがかかった印象。しかし性急なツンノメリ感覚はココにもあって、なんだか分からないけど1970年代末には切羽詰まった空気があったんだ、ってコトが分かる。
●あ、前述の KILBURN & THE KING ROADS のレコードを買ったお店の名前は GET HAPPY RECORDS という名前だったと、今思い出す。これ、COSTELLO の4枚目のアルバムタイトル「GET HAPPY !」に由来してると思われます。

STRAY CATS「BLAST OFF」

STRAY CATS「BLAST OFF」1989年
●コレはフリマで100円で買いました。1981年デビューのネオロカビリー、STRAY CATS。パンク革命吹き荒れる70年代末に、50年代ロックンロールまで原点回帰するってある意味スゴい戦略。同時代にはネオモッズが60年代モッズ回帰してたけど(THE JAM とか)、フォーカスがさらに10年昔にズレテルもんね。そんでリーゼントまで決めちゃうんだからタマラン。この系譜が日本でも当時発生してて、横浜銀蝿「ツッパリハイスクールロックンロール」1981年みたいなトコロに行くワケですね。なに?このシンクロ?
●で、コイツは時期としてはこれまた10年ズレテて1989年の作品ですわ。一度解散した上での再結成アルバム。でも芸風は全く変わらず、EDDIE COCHRAN BILL HALEY みたいなロックンロールをタイトにカマしています。プロデューサーは DAVE EDMUNDSNICK LOWE に並ぶパブロック期の代表的プロデューサー。

TALKING HEADS「TALKING HEADS 77」

TALKING HEADS「TALKING HEADS: 77」1977年
ニューヨークから登場したニューウェーヴ・バンド、TALKING HEADS のデビュー盤。ギクシャクした痙攣的ビート感覚が聴くモノに言いようのナイ不安定感を与えております。今まで取り上げたバンドがイギリスのパブロック系、つまりパンク以前の色が濃いタイプがメインだったのに対し、彼らは最初から確信的に既存ロックを乗り越えるパンク以降の音楽を鳴らそうとしてた。そして最終的に多国籍ダンスミュージックを取り込んで特殊グルーヴを獲得するのだけれども、このファーストアルバムは4ピースバンドとしてのシンプルなアレンジ、というかスカスカして骨張ったイメージが先立って聴こえる。トロピカルなグルーヴを目指そうとしているみたいだけど、仕上がりは固くてトゲトゲしいのだ。それが結果的に他のバンドが持っているの同じ性急なツンノメリ感になって、同時代の音楽になっている。DAVID BYRNE の神経質な声とユニークな節回しのメロディも、パンクの野蛮さに繋がっている。
●たぶん、このアルバムで一番有名な曲は10曲目に収録されてる「PSYCHO KILLER」だと思う…ジョナサン・デミ監督のライブドキュメンタリー映画「STOP MAKING SENSE」でも一曲目にプレイされてた。この曲が一番スカスカで、一番ツンノメッてる気がする。そんで一番スキだ。

JONI MITCHEL「MINGUS」

JONI MITCHELL「MINGUS」1979年
1979年のイイ音楽をもう一枚見つけた。今までの音源からは大分異質だけどね。JONI MITCHELL は60年代から活動している女性シンガーソングライター。そのキャリアたるや、1971年の傑作「BLUE」の段階で完全に確立されてる。そんな彼女がベースであるばすのフォーク世界から大きく踏み出して、70年代後半からは本格的にジャズフュージョン世界にアプローチした。今回のレコーディングメンバーは、ベースに WEATHER REPORT で大活躍中だった JACO PASTORIUS、ピアノに HERBIE HANCOCK、サックスに WAYNE SHORTER などが参加している。メンツだけ見たら完全かつゴージャスなジャズアルバムだ。
●そんで、このアルバムタイトルはもちろんジャズ界の伝説的ベーシスト CHARLES MINGUS に由来している。あの「PITHECANTHROPUS ERECTUS(邦題:直立猿人)」の男だ。このジャズ巨人が1979年に没する。彼女とのコラボの直前であった。そこで彼女は生前の彼の声、会話の様子を挟み込みながら、遺された彼の曲に歌詞を付けて歌った。
●ココにロックの痕跡は全くなく、ジャズとしてもかなり抽象度の高い仕上がりになっている。音数を絞り込んでスキマの空間を大きく感じさせつつも、ワザの手数と緊張感はハンパない。当時一流のジャズマンたちが JONI の歌にピッタリ寄添いながらも、付かず離れずの距離を置いて最小限の音だけを優しく手渡していく添えていく様子は、まるで歌姫を紳士たちが丁寧にエスコートしていくようだ。そしてその音は、夜中に聴くには最高過ぎる。特に JACO PASTORIUS のベースの響き、この甘さと優しさはタマラナイ。





(「ホンダCITY」CM。モトコンボという小さなバイクもついてたね。)



(映画「STOP MAKING SENSE」からTALKING HEADS「PSYCHO KILLER」。ラジカセと痙攣。)