唐突な話で恐縮なんですけど、ここにきて真剣にテレビを見る時間が増えている。
●まずは「あまちゃん」「半沢直樹」のせいなんです。まあこりゃしょうがない。そしてハードの技術革新。ワンセグレベルながら東京キー局2週間分のオンエアを全て収録する「ガラポンTV」を購入して以来、サクサクとストレスなくテレビ番組チェックができてしまうので、これまた視聴時間が増えた。テレビはスゴいね〜。こんなにたくさんのコンテンツをユーザー課金無料で供給し続けているんだもの。NHKもスゴいね。あれは課金モデルだけど、確かに立派な仕事してると思うよ。 

「SWITCH 達人達」

●そんで最近よく見る番組が「SWITCH 達人達」という番組。NHK ETV 土曜2200〜2300。
●トップクリエイター2人の対談番組。「荒木飛呂彦×千住明」という組み合わせを最初に見てスゲエと思った。荒木先生の肉声を初めて聴いたし。「宮崎駿×半藤一利」もシビレタ。
●でこの前見てたのが「宮藤官九郎×葉加瀬太郎」。面識のナイ二人ということだけど、クドカンの娘さんかんぱちゃん(エッセイ「いまなんつった?」でも頻出/現在8歳の女子)がバイオリンをやってるとのことでのオファーだったそうで。当然「あまちゃん」流れのクドカン狙いで見始めたのだけど、意外と葉加瀬さんの話とキャリアがオモシロくて、引き込まれてしまった。

葉加瀬太郎「THE BEST OF TARO HAKASE」

葉加瀬太郎「THE BEST OF TARO HAKASE」1997〜2011年
●このベスト盤は、彼のソロ活動20周年記念アルバムとのことで。NHK朝の連ドラ「てっぱん」テーマ、TBS「情熱大陸」テーマ、などなどCM、ゲーム、アニメ、ドラマなどなどの仕事が詰め込まれている。ストレートなバイオリン演奏を楽しむにはオーバープロデュース気味との意見が AMAZON レビューに書いてあった気がするけど、ボクのイメージですと、彼はポップスとクラシックのミクスチャーユニット、KRYZLER & KOMPANY の出身なのでそのへんはむしろ当たり前かと。
●しかし彼は、東京藝術大学入学の18歳まで、オーソドックスなクラシック音楽しか眼中になかったという。なのに他の音楽ジャンルに開眼してしまったキッカケが SEX PISTOLS。この話には根っ子がパンクスのクドカンも「ほー!やっぱスゲエんだピストルズは」とうなずく。厳密には学祭で見かけた SEX PISTOLS のコピーバンドだったとのことに、やや一同苦笑気味だったけど。でも、クラシックではあのロックコンサートのウォーという高揚感は生まれない、なんか悔しい、というのが葉加瀬の胸の中に起こった。そこで大学在学中から KRYZLER & KOMPANY の活動を始めるとな。パンクは意外なほど人生を揺さぶる。クドカンにとっても葉加瀬にとっても。
●ということで、そんな葉加瀬の音楽を聴いてみる。「情熱大陸2007」はフツウのアレンジじゃなくて、布袋寅泰プロデュースバージョンとのこと。布袋さんのギターが暴れるわけじゃないがファンクネスすら感じさせるビートの強さは異色。CELINE DION とのコラボで名を成した「TO LOVE YOU MORE」のカバーもよし。


「SWITCH 達人達」の別の放送回、「モデル TAO×菊池成孔」では、「やりたいことができないほど忙しいなんてことないでしょ。日本人はね、メールやめてSNSやめてネット接続を一日30分にしたら、もうなんでもできますよ!」菊池が喝破。はい、ムダにネットに繋がってます。すいません。

●一方、葉加瀬がテーマ曲を手掛ける「情熱大陸」の放送では AR三兄弟/川田十夢がテレビの未来を唱えていた。拡張現実(AUGMENTED REALITY)アプリを番組事前にDLさせて、生放送まで開いて、テレビの実験を紹介していた。リアルタイムAKB総選挙。ハイパーリンク文字放送。dボタン拡張。こりゃこれでホントに示唆的で、実にオモシロいね。ムダにネットとはいえど、最前線はやっぱココにある。
「情熱大陸」、今後どこかでライゾマティクス真鍋大度さんを放送するっぽい。注目。


●ウチのワイフ、突然アサイチに家出てって、TBSでコレ買ってきた。
「半沢直樹」倍返し饅頭。行列しないと買えなかったらしい。みんなテレビに夢中。

倍返し饅頭

●でも、あまりおいしくなかったという…。



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TBSドラマ「半沢直樹」最終回。
●悪玉・大和田常務を土下座で屈服させ大団円で終わると見せかけて、半沢いきなり出向辞令!TBS、続編ヤル気バリバリだわ。「渡る世間は鬼ばかり」みたいな超ロングランドラマになったらどうしよう。
●つーか、やっぱ原作読むか。

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●これ、今ネットで見つけた画像。「半沢」視聴率高すぎ。


で、来週は「あまちゃん」が最終回。
渋谷・NHKスタジオパーク「じぇじぇじぇ~展 Part3」に行ってきた。
●愛着あるセットや衣装が展示されててテンション上がるわ。これ、GMT5 の衣装ね。アキちゃんに代わって加入したブラジル出身ベロニカ「マニアックな方向にフリ過ぎた感は否めないヨネ」太巻「ブラジル人のくせして全然陽気じゃねえな!」いちいち名セリフが思い出される。

NHKスタジオパーク「じぇじぇじぇ~展 Part3」1

NHKスタジオパーク「じぇじぇじぇ~展 Part3」2

●それと「海女〜SONIC 2009」のステージ。「わかるヤツだけわかればいい!」「アキ、いいあんばいに温めておいたぞ!」花巻さん starring 伊勢志摩さんの名言がココではよみがえるね。

●いやいや、別にセットが見たくてワザワザNHKまで来たわけじゃなくて。
●スタジオパーク併設のスタジオカフェにて「まめぶ汁」が食べられると聞いて、出向いたんですよ!

「まめぶ汁」

「あまちゃんセット(まめぶ汁と江戸ケ浜丼)」900円。
●とにかく「まめぶ汁」が食べたくて!「甘さとしょっぱさが緊急会議を開く」「オヤツかおかずかわからない」「微妙だべ〜」「そばですか?うどんですか?まめぶですか?」「ケバブに負けるとは…」とドラマでは散々な扱いを受けていたあの「まめぶ汁」の正体とは?!
●確かに、お汁そのものはフツウにしょうゆベース、いわゆるけんちん汁みたい。具はニンジンやシイタケとか。ショッパイといえばその通りだが、肉が入ってないからアッサリしてて美味しい。
●で、問題の「まめぶ」。汁の中にコロコロ3つ入っている。大きさで言えばフツウの串ダンコに刺さってるヤツと一緒。見た目も白くてカワイイ。さっそくモグモグ…んッ!確かに甘い!あんこが入っている!(正確には黒砂糖らしい)さらにはクルミが入っていてコレがナイスな仕事をしている。柔らかいダンゴにコリコリとした歯さわりを与えてくれてユニーク!しょっぱさと甘さの激烈なクラッシュがあると言われるが、そこまで神経質にならないでいいじゃんフツウに美味しいじゃん、とボクは感じたのでありました。劇中にはコレに七味とうがらしを投入して「甘さ+しょっぱさ+辛さ」のジェットストリームアタックを仕掛けるのだけれども、残念このカフェには七味がなくてこの検証は出来なかった…。
●でもね、それぞれの単体で十分美味しい気がするのでね、まめぶと汁をいっぺんに食べる必要性はないのかも、と思っちゃった。まめぶダンゴ単体を、ホイホイモグモグと食べてみたい。
●ウニがチョコッと乗ってる江戸ケ浜丼ってのも岩手の郷土料理らしいんだけど、まめぶばっかに集中しちゃってあんまりマジメに食べなかった…フツウに美味しかったけどね。


●NHK には自転車で行ったんだけど、こちらも自転車でフラフラと行ってみました。

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東京オペラシティ ICC「RHIZOMATIKS INSPIRED BY PERFUME」
●下北沢に拠点があると、渋谷も原宿も新宿も自転車圏内に入るワケですよ。もっと根性ある人なら六本木や恵比寿まで軽々移動するでしょうね。日頃の運動不足を解消したいボクは、この連休を自転車に乗って過ごしたかったのです。
●で、注目したのがこの展覧会。テクノロジーとアート表現を結びつけるクリエイター集団ライゾマティクス PERFUME のコラボ仕事を紹介する内容。このチームの中心人物・真鍋大度さんの武名は、PERFUME「LIVE@東京ドーム『 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11』」2010年あたりから気になっておりました。ていうか、この結成10周年東京ドーム公演がライゾマティクスPERFUME の初めての仕事だったっぽいね。
●その後、PERFUME が世界進出をハッキリ目指した2012年以降、ライゾマティクスは全ての楽曲MVやライブ演出、そしてサイト構築などに関与。「PERFUME OFFICIAL GLOBAL WEB」(コチラ)なんてマジでスゴすぎ。文化庁メディア芸術祭で大賞を獲るだけある。
●展示としては、シングル「SPRING OF LIFE」で用いられた、LED照明を組み込んだ衣装があった。MVで使われたもの、MTVのイベントで使われたもの、そして去年の紅白歌合戦で披露されたものの3タイプ。どんどんバージョンアップされてる様子も分かる。背中に剥き出しになったケーブルの束を敢えて強調して、操り人形のようなアンドロイドという設定を持たせた最初期版から、LED灯体を衣装全体にまんべんなくタップリ配置しながらバッテリーや制御装置を完全に隠した紅白版への進化が見事。この紅白のオンエア生で見てたから感動した。もっと着てる人間に負担をかける衣装だと想像していたのに、すごく洗練されててカラダのラインに無理がナイ。美しい。アートだね。
●そして、今年のカンヌライオンで披露された、彼女たち三人のライブパフォーマンスにプロジェクションを当てる演出のデモ。モーター駆動でカタチを変える衣装が、永野護デザインの鋭角的なモビルスーツを連想させてソレだけでスゴいのだが、その衣装〜人物のカタチをリアルタイムに読み取って的確にプロジェクションを配置する仕組みがスゴ過ぎる。カンヌのステージをYOUTUBEで見た時は、人物に対してザックリ光を落してる程度と思ったが、実は人物だけにカッチリ光を当ててて、背後にほとんど光がこぼれない。こんなに厳密に制御しているのかと舌をまいた。
●こんなの見せられたら、10月のニューアルバムは買うしかないかな…。DVDも欲しいなあ。


●ちょっと前の話になるけど、おなじ新宿オペラシティの展覧会。

梅佳代展

東京オペラシティアートギャラリー「梅佳代展」
●行ったのは今年の4月だね。これはなんと娘ヒヨコがどうしても行きたいとリクエストしてきたのだった。ヒヨコ、学校の図書室で梅佳代の写真集「うめめ」を読んで感動。こんな写真集が作りたいと、自分で「ひよよ」というオリジナル写真集まで作ってしまったほどなのだ。「わたしのオススメの本」という課題でも「うめめ」を推薦。クラスのみんなにプレゼンしたらバカウケだったと満足げだった。ヒヨコいわく写真集「じいちゃんさま」もオススメと付け加えたらそのタイトルでまたウケたらしい。
●娘ヒヨコ小学5年生が梅佳代に魅かれるワケは、その撮影対象全てに平等だからだろう。赤ちゃんや動物、親戚のオジちゃんオバちゃん子どもたち、そして故郷の自然に向ける視線は、常に明るくて楽しい。そして平等に敬意を払っている。子どもには子どもの視点で、ネコにはネコの視点まで降りて世界を眺める。娘ヒヨコは、徐々にイジワルくヤヤコシくなっていく「女子の世界」に入っていきながらも、近所のイヌやネコ、学校の敷地に立つコブシの木やそこに飛んでくるヒヨドリ、道端に落ちてる木の実や庭に生える雑草などを、大切に眺めている「天然」系でもある。そんなヒヨコの世界観が梅佳代の切り取る写真と共振するのは納得出来る。そんで、さらに父親として頼もしいのは、そんな梅佳代を、ヒヨコが自分の力で発見したコトだ。
●そんなヒヨコのフェイバリットな作品がコチラだ。砂場のネコ除けネットにひっかかってパニクってるネコを「オマエなにやってるの」と眺める仲間のネコたち。ちなみに、小学5年生にもなって今だにヒヨコは真剣に砂場遊びが好き。「三丁目の公園に行ってくるね!アソコの砂場が一番オモシロいし!」…要は、まだ幼いんです。あ、「じゃがりこ」ブチまいちゃった子の写真も大スキだって。

梅佳代「うめめ」ネコ写真

●ボクは、梅佳代の、決定的瞬間を見事つかみ取る能力に畏怖を感じる。えも言われぬユーモラスな瞬間を、まるで報道写真家ばりの注意深さで察知発見し切り取っている。偶然の神様が舞い降りるその瞬間を動物的センスで捕まえる。つーか動物も撮るしね梅佳代は。そしてその価値観があまりにオリジナル。そのおかしみおもしろみは、他人では見過ごしてしまう微妙なモノばかり。でも彼女はそこにわずかな微熱をかぎ取り価値を見出す。日常を見渡す感受性が特殊過ぎる。ある意味で完璧なストリート感覚
●そして、撮影対象との距離感が見事。小学生男子のアホな生態を写し取る「男子」、アレを撮影してた彼女は当時タダの専門学校生で、なんのために撮影してたのかもよくワカラナイ状態だったのに、ハンパない信頼関係がソコにはガッチリ成立してる。写真集出版のために男子たちを再訪したのは7年後、でも高校生になってた彼らは梅佳代をフツウに迎えたという。やはり古い時代に撮影された「女子中学生」のシリーズはもっとスゴかった。ムジャキにパンツやブラジャーでふざける女子たちはあまりにワイルド。そんな秘めたる悪フザケの現場に潜入出来る梅佳代の浸透力がスゴい
●彼女の最新写真集のタイトルは「のと」。彼女の出身地・石川県能都町に由来した名前だ。そのタイトルをヒヨコに教えてやったら、「のと!」と叫び右手を上げて手首をカーブさせた。…なにそのポーズ?もしかして能登半島のポーズ?「のと!」

梅佳代展男子

「男子」展示の様子。ワイルドギャングテイスト全開の「男子」もクスクス笑って楽しんだヒヨコ。もちろん「じいちゃんさま」のコーナーもね。パパと娘のデートの場所としては最高でしたよ「梅佳代展」は。




PERFUME 的な音楽。つまりは中田ヤスタカ的な音楽。エレクトロ。

MAA「MONKEY KINGDOM」

MAA「MONKEY KINGDOM」2010年
PERFUME がブレイクした2007年の「ポリリズム」以降は、彼女たちのエレクトロ路線を追いかけるフォロワーが大勢登場した。アイドルの甘さを鋼鉄のエレクトロで包むギャップが有効とされた時間だ。たぶんこの MAA というシンガーもその一人とボクは思っている。米日ハーフとのこと、そのルックスから「和製ガガ」というキャッチフレーズがついていた気がする。でも、さすがにちょっと遅かったかもね…ネクストレベルとして2011年にきゃりーぱみゅぱみゅが登場してこのヘンの市場を全て根絶やしにしてしまうから。

80KIDS「LIFE BEGINS AT EIGHTY」

80KIDZ「LIFE BEGINS AT EIGHTY」2008年
中田ヤスタカに牽引されるカタチで多くのエレクトロなトラックメイカーも登場した。二人組のエレクトロユニットである彼らはその代表格ではないか?この6曲入りEPが実質上の彼らのデビュー盤。フレンチエレクトロのハブであったレーベル KITSUNE のビリビリとしたエレクトロ感覚に見事共振し、結果日本人として初めてコンピシリーズ KITSUNE MAISON に収録される。また、海外アーティスト(SIMIAN MOBILE DISCO、CSS、CAZALS)から国内ジェイポップの大物(浜崎あゆみなど)まで数々のリミックス仕事を手掛けている。詳しいプロフィールがないからワカンナいけど、やっぱ80年代生まれなのかな。
●でも、新橋ツタヤで100円だったんだよね。

RATATAT「RATATAT」

●RATATAT「RATATAT」2004年
●こいつらはニューヨークのエレクトロデュオだね。エレクトロでありながら、このロッキンなジャケ。すげークールだと思ったし、エレクトロがギターに代表されるロックのエッジーな破壊力を担うパワーを持つ時代が到来したコトを象徴的に示した好例だと思った。2000年代は、初頭にニューヨークで起こったムーブメント・エレクトロクラッシュとレーベル DFA、そして中盤から勢いを増していくフレンチエレクトロ KITSUNE ED BANGER RECORDS がハブになっていた。もちろん90年代にビッグビートという名でダンスロックの嵐を巻き起こしたイギリスのレーベルも健在。で彼らは THE PRODIGY などで名を馳せた XL RECORDING の所属。
●ただこのファーストアルバムでは、ダンスミュージックというより、ポストロックの理知的な気分が強く出ている。スクエアなビートにクールなシンセ演奏。時々ギターがザクザク。

GOOSE「BRING IT ON」

GOOSE「BRING IT ON」2006年
●こちらはイギリスのビッグビートレーベル SKINT の所属アーティスト。SKINT の看板といえば FATBOY SLIM だね。でも出身で言えばこいつらベルギー人。元々はロックバンドだった名残かボーカル曲主体で、大味なリフのワンアイデアで押し切る勢い任せで若さ炸裂。ややニューレイブ風味でもある。

VHS OR BETA「LE FUNK」

VHS OR BETA「LE FUNK」2002年
「VHSか?ベータか?」ってバンド名だけでもう大好きになりました。もう両方とも滅びてるわ!アメリカのバンドなんだけど、洗練されたエレクトロディスコテイストがバンドサウンドから弾き出されてて実に熱い!ロボットから人間回帰している DAFT PUNK の現在を10年以上前に目指しちゃってる気分。ファンキーなギターカッティングにアナログシンセのヴィンテージな味付けがもうタマラン。この甘いダンス感覚は、エレクトロと位置付けちゃイケナイのかもしれないけど、あまりにも評価が低いような気がして残念なのでココでスゴいと強調しておく!後半に収録されてるライブレコーディングもカッコよ過ぎる!

VHS OR BETA「BRING ON THE COMETS」

VHS OR BETA「BRING ON THE COMETS」2007年
●前述の実質上のファーストシングルがキッカケで、THE CHEMICAL BROTHERS などを世に出したアメリカのレーベル ASTRAL WERKS と契約してのセカンドアルバム。本格的にエレポップなロックバンドに変貌してる感じですわ。DURAN DURAN のツアーに帯同したりしてるコトもあったようで。「LE FUNK」のディスコ感覚の方が好きかもなあ…。

THE CHEMICAL BROTHERS「FURTHER」

THE CHEMICAL BROTHERS「FURTHER」2010年
●さあ、御大登場。ファーストアルバム「EXIT PLANET DUST」1995年から15年も活動してきたベテランの、今のトコロの最新スタジオアルバム。00年代エレクトロの文脈よりも古くからシーンを牽引してきた彼らをエレクトロと簡単には呼び習わすことはできないかもしれない。アルバムアーティストとしての貫禄なのかな?だって一曲目5分がオフテンションなミニマルビートの序章、そこから二曲目12分をタップリ使って焦らしまくるロングブレイクの展開、3曲目もチルアウトな甘いスローテンポ。なかなかダンスさせないというストイックな演出が別格の空気を出してる。ただし後半の「HORSE POWER」「SWOON」「K+D+B」あたりは、スーッと違和感なくダンスさせる気持ちの良いグルーヴが漂ってる。それと、キャリア駆け出し時代にマッドチェスターを通過してる彼らには、どこかサイケな持ち味もあって。超現実に突き抜けていくワープ感覚が、ただひたすらロッキンするだけのエレクトロとは別質。終盤「WONDERS OF THE DEEP」には KRAFTWERK の引用まで出てきちゃって…そして多幸感へ。ボーナストラックの「DON'T THINK」もカッコよし。

CAPSULE「WORLD OF FANTASY」

CAPSULE「WORLD OF FANTASY」2011年
●さて、ここで中田ヤスタカ氏本人の登場。PERFUME、きゃりーぱみゅぱみゅ、その他のお仕事と、自分のユニット CAPSULE を彼がどう差別化させるのか。PERFUME はすでにだいぶ硬質なテクノ強度を備えてしまったし、きゃりーぱみゅぱみゅではポップアンセムを作る果敢な冒険がなされている。さて、そんな中こしじまとしこという女性ボーカリストを備えたこのユニットの任務は?最近はよく分からなくなってきた。
●聴けば相変わらずの鋼鉄エレクトロで、今回は全てが英詞。ボーカルの役割は低め。新味といえば「I JUST WANNA XXX YOU」ムーンバートンっぽいアプローチを用いてるトコロ。あの安っぽいフワンフワンしたアレンジは確かに中毒性が高い。それとホーンアレンジを使ってファンキーハウスにトライしているトコロ。これがダッチハウスのスタイルってヤツなのかな。「I CAN'T SAY I LIKE YOU」とか、気分だねえ。



PERFUME「SPRING OF LIFE」LIVE@武道館。MVで使われたバージョンの衣装が光りまくる。初期バージョンだから背中がゴツいけどね。
●冷静にこの動画を見てみると、ビートと寸分違わずに衣装のLED演出が同期しまくってるコトにトリハダモノのスゴさを感じる。オマケにメンバー三者三様別々の演出が組み込まれてるし。ちょっとでも同期がズレたら全くの興ざめ。フツウに見えてスゴく高度な技術が使われてるのかな?



ウチのグッピーが大量死。せっかく16匹まで繁殖してたのに、なぜか連続死。
●サバイバーはわずか5匹。娘ヒヨコが絶句。



●えーと、今週新しい iPhone がリリースされてます。
●まずは差し当たりボクは、手持ちの iPhone iPad たちを早速 iOS7 にアップデートしてあげた。
●でも、なんだか新しいユーザインタフェイスにボクが馴染まない。新鮮な気分ではあるけど。
●一方、iPhone5S とかにすぐ飛びつくのはヤメとくよ。facebook のTLには夢中で行列してる人がたくさん。

●さて、息子ノマドはボクの古い iPhone 3G や iPhone 4S をこっそりベッドに持ち込んでる。
●そんで、ヤマしい検索を夜中にしてるらしい。「エロマンガ」検索とか。これが21世紀少年の「ヰタセクスアリス」というワケだ。まー小学生6年生だからね。同じオトコとしては、まーそろそろそういうコトって感じですわ。ワイフが目くじら立てて糾弾するのはちょっとカワイソウ…そこまでツッコマナイでやって。でもね、夜中のスマホは目が悪くなるぞ!ボクもファミコン/パソコンゲームをヤリ過ぎてメガネになったからね。


●そんな感じで、ニュースを賑わすデバイスの進化がザクザクと昨今ありまして。

●で、ボクはそんなデバイスで到達できるフリーコンテンツの膨大さに、ちょっとお腹イッパイ気味。

●最初に言っておくんだけど、人生は短いんですよ。どんなにオモシロいことがあっても、時間は有限。なのに、ネットの向こう側から大量にコンテンツが押し寄せてくる。ボクはその津波洪水に溺れながら自分の楽しむべきコンテンツを選択しきれないままに翻弄されてる。


●先日の記事で聴き放題音楽配信サービス MUSIC UNLIMITED のお試し無料登録をしたって書いた。それで「ROCKIN'ON」「MTV INTERNATIONAL」「UK TOP100」「菊池成孔の粋な夜電波」といった選曲チャンネルをイヤホンでパラパラ聴いている。楽しいし、名前だけしか知らないアーティストの音楽をチョイ聴きできて発見もあった。オモシロい。
●一方で同じスマホで、KINDLEアプリの電子書籍・和辻哲郎「孔子」を読んでいる。「青空文庫」提供のパブリックドメインなのでコレも無料だ。オモシロい。

YOUTUBE も今週は大きな仕掛けを打ち出している。「YOUTUBE エンタメウィーク」
●お祭りっぽく盛り上げてアレコレの映像コンテンツを出してる…とはいえなんだか全容がわかりづらい…結果ボクが見てるのは、日本テレビのT部長こと土屋敏男さんの「100時間うらどりプレス」100時間生中継で、ひたすら土屋さんがダラダラしゃべってる。声かけやすい人に登場してもらってトークしまくってる。カラテカ矢部とか。水道橋博士とか。ドワンゴ川上量生会長とか。いとうあさことか。元日テレアナ永井美奈子とか。オモシロい

100時間TV

土屋敏男さんと YOUTUBE クリエイターの MEGWIN さんが対談するって場面が初日夜中にあって興味深かった。ヤケクソなコメディネタで武名を上げたプロのユーチューバーである MEGWIN 氏、意外なほどアグレッシブな主張を展開して土屋さんと論戦。テレビバラエティの枠を壊す芸風でキャリアを成した土屋さんと、テレビという文脈からそもそも関係がない MEGWIN とは微妙に論点がズレテル気がするのよね。MEGWIN は元々は芸人を志した人だったのね。そこから完全インディペンデントで映像作りを始めて、なぜかタニタ社長に出資してもらって法人化、今では8人のスタッフを従えてるとか。
●で、MEGWIN は自らのコンテンツへのスポンサードやマネタイズにハッキリと意識的でかつ戦略的。で、日本市場が成熟してないとするならば海外進出も射程距離に入れる。クリエイティブとマネタイズが組織分業されてるテレビ局でクリエイター専任で来た土屋さんの方が実はモノ作りに没入してる感じが高いかも知れない。「電波少年」では松本人志さんと「アメリカ人を笑わせよう」って企画もやったしね。市場がナイから海外に出ていきたい MEGWIN と、日本の才能を海外に問いたいと思った土屋さんの動機付けの差異はデカイ。ただテレビにはテレビの限界があって。とかなんとかでオモシロい。午前3時頃まで粘って寝落ちした。
●つーか、近年は金髪がトレードマークだった土屋さんが髪の毛黒いだけでオモシロい。視聴者数が2ケタとかでもったいないよ。最低の場面では視聴者数2人しかいなくなって、ヤバい、これは見るのをヤメてはならない!とヘンなプレッシャーを感じたりもした。

でんぱ組.inc のライブ&トークも別のチャンネルで始まったぞ。コッチも見なくっちゃ。最上もが最高。ビデオハングアウトで繋がるファンに外人さんがイッパイ。ある意味でコッチが先に海外進出か。オモシロい

●ということで、目まぐるしいほどに興味深いコンテンツがネットの向こう側から押し寄せている。オモシロい。でもね、ちょっとお腹イッパイになるんです。


●この音楽にも、オモシロいコトが起こってね。

TOFUBEATS「LOST DECADE」

TOFUBEATS「LOST DECADE」2013年
●リミックスやネット配信などで注目を集めてきた気鋭のサウンドメイカー TOFUBEATS がドロップしたファーストアルバム。で、ボクは速やかにCDを2100円で購入したのです(Amazonで)。そしたら今週になって iTune store でプライスダウンの600円になっちゃった。あげくネットレーベル MALTINE RECORDS からリミックス15曲がフリーダウンロードになっちゃった。おお、せっかくフィジカルで買ったのにココまで安くなると動揺するわ!インターネットのフリー配信からキャリアを起こした TOFUBEATS らしいといえばその通りなんだけど、エンターテインメントにコストを投入すべき金銭価値がよくワカンナくなるようなケースだわ。
●今まで彼がネットで配信してきた強度の高いダンスミュージックの集大成と考えるより、実は高性能ジェイポップアルバムと思った方がシックリくる。MALTINE やネット音楽の世界でお馴染みな、シンガー仮谷せいらちゃんや、ラッパーオノマトペ大臣、PUNPEE、メジャー経験もある G.RINA A.K.A. グディングス・リナなどが参加。それにしても「失われた10年」とは直球なタイトル…TOFUBEATS は1990年生まれだからね、生涯全体が失われてる。

TOFUBEATS「LOST DECADE REMIXES」

TOFUBEATS「LOST DECADE REMIXES」2013年
●ネットレーベル MALTINE RECORDS は新しい音源が出たらボクはすぐさまダウンロードするし、関連アーティストが SOUNDCLOUD とかでアカウント持ってたらスグにフォローしちゃう。このレーベルの存在を通じてホント世界が広がったと思いますわ。MALTINE TOFUBEATS と関係が近いアーティストが数々参加。OKADADA、PARKGOLF、AVEC AVEC、IKKUBARU などなど。

TOFUBEATS「水星」

TOFUBEATS「水星」2012年
TOFUBEATS という名前をスゲエアーティスト!と認識したのはこのシングルがキッカケでした。コレはフリーでは入手できない…未聴の方は YOUTUBE で視聴していただければ。もうね、アチコチで言われてますけど、これは2010年代の「今夜はブギーバック」ですわ。やや粘り着くディスコティークなトラックに、素朴なボーカルをフィルターにクルんで盟友オノマトペ大臣とマイクを交換する佇まいが、あまりにメロウで甘酸っぱい。女子にも響くよ。仮谷せいらちゃんバージョンもあるから聴いてください。

Ikkubaru - Hope You Smile

IKKUBARU「HOPE YOU SMILE」2013年
●こちらも MALTINE で紹介されてたフリー音源。なんとインドネシアの6人組バンド。彼らがなぜか TOFUBEATS「水星」をカッチリ日本語でカバーしている。クリスタルな気分を吸い込んだクールなファンクに、甘く若いボーカルが謙虚に佇む様子は、ある意味で思想が原曲に忠実。


●加えて、濃ゆいネットコンテンツとして、今月は iTune FESTIVAL が全世界にライブをフリー配信してる。コレがこれまたボクをオナカイッパイにさせてる。オモシロいんだよ内容はマチガイなく。超一流アーティストばっかだし!コッチも後日内容に触れたい。

ITUNEFESTIVAL.png



●でもね、とにかく結論をヒトコトで言っちゃうと、オモシロそうなコンテンツが、手に届く場所に大量にバラまかれてて、もう、こなし切れないってことなのよ! オナカイッパイなんですよ!



●お願いだから、コレは聴いて。「水星」




「めくるめくミラーボール乗って水星にでも旅に出ようか
 いつか見たその先に何があるというの
 きらきら光る星のはざまでふたりおどりあかしたら
 もっと輝くところに君を連れて行くよ」

松井珠里奈

●第四回じゃんけん女王は、松井珠里奈ちゃんらしい。
●今、ガラポンTVの録画でチェック中。

●しかし、彼女に関しては、AKB48公式チャンネル「AKB映像センター」が YOUTUBE に公開している「ラジオ体操」動画がスゴすぎて。この演出考えたディレクターえらすぎる。

「珠理奈のラジオ体操」http://www.youtube.com/watch?v=byK5AFzKKXI

へそが主役。裾の短いセーラー服から見えまくるおへそとおなか。ときどき肋骨。それしか見せない。顔、認識出来ません。それでもワリとシッカリしてる YOUTUBE のエロコードをキチンとクリアしてる鮮やかさ。爆笑しました。



●一方で、ろくでなし子の動向、コレ目が離せない。ゆでたまごのエビソード爆笑。こちらは完全なシモネタ。エロかというと突き抜け過ぎてカテゴリーを突破。見事。あ、でもこのネタ会社の会議で披露したら周囲にドン引きされました。オモシロいと思うんだけどな。

「ろくでなし子のまんコラム~MankoBoatProject」http://mess-y.com/archives/3019




●あ、音楽の話しなくっちゃ。
「MUSIC UNLIMITED」というサービスが30日間無料お試しを始めたので、登録してみたのです。
●この手の「定額聴き放題」サービスってのは最近たくさん出てきてるでしょ。海外で2000万ユーザーを誇る「SPOTIFY」とか APPLE がこの秋に始めようとしてる「iTune RADIO」とか。日本じゃまだ利用できないけど。聴き放題じゃないけど音楽配信として DeNA「GROOVY」とかもチト話題になってる?とにかく、このサブスクリプションってのを体験してみよう。

musicunlimited.png

●スマホとPCでインターフェイスがだいぶ違うみたいで、まだ使い勝手がよくわかんないけど…なんか検索とかやりづらい気がする。どちらかというと、ラジオのように偶然の巡り合わせの方に感覚が近いかな?「NEW WAVE」のボタンを押したらいきなり STRAWBERRY SWITCHBLADE「SINCE YESTERDAY」が流れてきて、ウレシくてニヤニヤしちゃった。
ボーカロイド系を3000曲の在庫で取り揃えたのもトピックらしくて。このヘンは勉強になるね。いろいろ聴いてみよう!


「風立ちぬ」に出てきたお菓子「シベリア」

「風立ちぬ」に出てきたお菓子「シベリア」、たべてみたい。
●ようかんをカステラで挟むって斬新すぎるわ。

「ワタシ便秘なんですけど、朝にタバコ1服すると出るんですよ」
●って、この前ゴハン食べた女性に言われた。ホントかよ。

●Kポップが大好きな昔の同僚に「今から新大久保のKポップクラブに行こうよ」って誘われて。
●最近の新大久保は物騒じゃナイの?って聴いたら…在特会デモのコトを知らなかった。
「ネトウヨ?…へえ。ワタシそういうの別に興味ないし!」へーそういうもんなんだ!

「青空文庫」が無料で提供してくれてるパブリックドメインの古典から、KINDLEアプリ堀辰雄「風立ちぬ」を読んだ。けど、あまりオモシロくなかった…。確かにジブリ「風立ちぬ」を連想させるシーンもあるんだけど。恋人を看取るその姿勢はちょっと捩じれてる気がして共感出来ないというか。
●むしろ同じ Amazon の売場にあった夢野久作「少女地獄」の方がオモシロくて。で、今は和辻哲郎「孔子」「古寺巡礼」を読み始めてます。つーか、昔は岩波文庫でせっせと買ったり図書館で借りたりしてた古典がタダでドコドコとダウンロード出来ちゃうってスゴいね。漱石も鴎外も坂口安吾もみんなイケちゃうよ!おい息子よこのへん全部読んどけよ!

堀辰雄「風立ちぬ」夢野久作「少女地獄」

藤野可織「爪と目」

藤野可織「爪と目」
●そうそう、この前の芥川賞も読んだんだっけ。美人で若い作家さんでしたっけ。自意識がポッカリと空白になっているかの女性「あなた」を、幼い少女「わたし」が眺める奇妙なバランスの二人称小説。その不安定不均衡が物語の推進力になってるけど、チョイと線が細いと思った…。



アメリカン・ポップアート展@国立新美術館。

アメリカン・ポップアート展@国立新美術館2 アメリカン・ポップアート展@国立新美術館

国立新美術館、今回初めてだった。六本木から歩くと思うとスゴく遠いけど、乃木坂から駅直結と聞いたらスゴく近く思えて。そんでアメリカン・ポップアート。
●学生時代のボクはポップアートに夢中でして。ウォーホル、ロイ・リキテンシュタイン、ロバート・ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズらがボクにとってのヒーローでした。「ポップ」という軽い口当たりでありながら、ジャスパー・ジョーンズには記号の意味がゲシュタルト崩壊する瞬間の観念的な重厚さがあって。ロバート・ラウシェンバーグはダダイズムや一時期のキュビズムが持っていたものと同質なアナーキーなコラージュ感覚がパンクっぽく鮮烈で。ロイ・リキテンシュタインの透徹した様式美とそのスタイルから世界を通過させる批評眼がクール過ぎて。「ポップアート」は戦前近代美術の系譜を見事に抱きしめながら、大量生産大量消費の新型大衆社会の問題を理知的な批評意識で分解した表現で、結果としてまるで甘くない。ポピュラー音楽のような意味での「ポップ」とは完全に意味が違う、とボクは思っています。
●でも、アンディ・ウォーホルだけは別格で。彼だけは消費社会に溢れる記号に徹底して戯れ続ける。前後の文脈も批評意識もない。その白痴的ともとれるような記号との反射的なヤリトリには、不気味なニヒリズムすら感じさせる。ある意味で怪人。だからこそ、彼に強く魅かれた時期もありました。
ジェームズ・ローゼンクイスト、トム・ウエッセルマンのカラリとしたグラフィック感覚とそこに溶け込むエロスは実にアメリカ的というかハリウッド的というか。クレス・オルデンバーグのソフト・スカルプチャーは初対面。クッションみたいにふわふわしたドラムセットのユーモラスなこと。

国立新美術館企画展をハシゴ。アンドレアス・グルスキー展。

アンドレアス・グルスキー展

●1980年代から活躍するドイツの写真家。その作品はデジタル技術で緻密に編集されて、まるで1枚の抽象絵画のような構築美を組み上げたり、または一大パノラマの群衆劇を紡ぎあげたりします。フライヤーにも使われた上の写真は美しいビーズの連なりに見えて、日本が世界に誇る巨大施設スーパーカミオカンデなのでした。素粒子ニュートリノを捕まえるセンサー群を、純水の上に静かに浮かぶボートから静かに見上げる人物2人が、右下隅に小さく写ってます。ココでドラマ発生。抽象美に人間の物語がすっと忍び込む。
●騒然とする東京証券取引所、マドンナの巨大コンサート、ツールドフランス、平壌のマスゲーム、フランクフルト空港の出発カウンター、巨大クラブ・コクーンのダンスフロア、F1のピットストップ、香港・上海銀行、アジアの家具工場…。巨大な空間を埋め尽くす米粒のような存在感の人々がそれぞれの物語を抱きしめている。それを一気に俯瞰する高い視点から、全てにフォーカスを正しく定めて記録定着。時にそれは牧場の畜牛であったり、クフ王のピラミッドを構成する積石であったり、広大なスーパーマーケットのカラフルな商品群であったり、バーレーンの砂漠に造られたサーキットの軌道だったり、バンコクの川面にゆらめく光の反射だったりもする。世界は美しい。



●音楽。湿気がヒドいので、乾燥した音楽を。

54-71「54-71」

54-71「54-71」2000年
●乾いたドラムとシンプルなベースに時々ノイジーなギター。単純なリフレインがひたすら続いて、そこに絶叫調のラップ?が乗る。ハードコアパンクの質感が不穏さを漂わせているけど、ただ苛立ちだけが立ち尽くしていて、いつまでたっても爆発しない。その煮え切らなさ、寸止め感の中で窒息させられているような気分に。


秋の夜長の“あまちゃん”ライブ

NHK「秋の夜長の”あまちゃん”ライブ 〜大友良英と仲間たち大音楽会」を観る。
「あまちゃん」もあと残すところ2週になって、アキちゃんと北三陸の仲間たちともそろそろお別れ。そんな中、こんな番組もわざわざ見ちゃう。ガラポンTVになんでも録画してあるからね。
●さて、脚本・宮藤官九郎さんが番組のインタビューの中で、本来フリージャズ〜ノイズ世界の住人だった大友良英さんがドラマの劇伴なんてやるのが意外、と語るんだけど、やっぱりボクも同意見。あの楽しい「あまちゃん」世界を彩るサウンドトラックたちには、耳馴染みの良さの向こうに何かが隠されてるのではないか?と勘ぐって聴いてしまう。
●で、改めてこの番組みたら、タブラ奏者の U-ZHAAN さんとか加わってて。あーたしかにタブラの音が混じってるわと思い至る。こんなふうに勘ぐってみれば、異色のキャリアを持つ大友良英さんのルーツと「あまちゃん」の間にイロイロな連想が出来るかもね。
「あまちゃんクレッツマー」という曲タイトルに、あーなるほどクレズマーかーこの東欧系ユダヤの民謡スタイルも確かに入れ込んであるんだなあーと感心した。高速ブラスアンサンブルが楽しいこのドタバタ感は、東欧系ロマの気分にも近いと思う。エミール・クストリッツァ監督のユーゴスラビア映画「アンダーグラウンド」のサントラを思い出した…アレはロマ民族の音楽チョチェクというスタイルをドッサリ投入していた映画だった。チョチェクFANFARE CIOCARLIA というルーマニアのバンドが有名…たしかボクもCD二枚くらい持ってるぞ。こうした東欧民俗音楽は、ユダヤ文化としてアメリカに伝播してて。おそらく DJANGO REINHARDT がヨーロッパから移入したスウィングジャズもこの位置にあったに違いない。そしてそのカッティングエッジな部分が90年代のニューヨーク・ニューウェーヴシーンでフリージャズとして取り込まれたという。このヘンの担い手は、JOHN ZORN のバンド MASADA とか…なるほど直球でこのあたりの人はユダヤ人だしね。そんでフリージャズ〜ノイズの文脈で大友良英さんのキャリアまで繋がってくる。なるほどなるほど。
大友良英さんの醸し出す大らかな性格&ザックリとした楽譜、高いミュージシャンシップとバンドへの信頼感、 別線から聞こえてくる「プロジェクトFUKUSHIMA!」の活動&活躍(彼は福島県出身)、ETV「スコラ〜音楽の学校」で紹介された、楽器が出来なくても誰もが参加出来るオーケストラ演奏と指揮のスタイルなどなど、彼のスタイルに一貫している偶然性と即興性を大人数のうねりで豊かにしていく様子がなんとも頼もしい。「あまちゃん」はこうした大人たちの本気の悪フザケがグルーヴをなして盛り上げているんだなと確信する。

 FREEDOMMUNE 0 2013 大友良英&あまちゃんオーケストラ1
 FREEDOMMUNE 0 2013 大友良英&あまちゃんオーケストラ2

●こちらは FREEDOMMUNE 0 2013 大友良英&あまちゃんビッグバンドでの勇姿。こちらもネットでしっかり見ちゃった。シャツが一緒だなあ…一張羅なのか?


あの3.11以降を描く、最終段階の「あまちゃん」は、ある意味で微妙。
1980年代と2010年代のミッシングリンクをアイドル狂騒時代という縦糸で結びつけて反復横跳びし、同時に東北と東京つまり地方と都会という対立概念を横糸にガチャガチャと振幅するやり方で、ユカイな人物が仲良く暮らすユートピアを描いてきた「あまちゃん」東京育ちの平凡な少女が北三陸の濃密な滋養(人間も自然も)を吸い込んでアイドルになる成長物語と、かつてその故郷・北三陸を捨てた女性がそのルーツを回復し、たった1人で対峙した東京(つまり芸能界)という怪物ともう一度決着をつける解放の物語。そこには確かにカタルシスがあって、そこにボクは魅せられてきた。
●ただ、このユートピアにはタイムリミットがあった。2008年から描き始めるこのドラマ、時限爆弾のようにあの2011年3月11日が近づく。様々な因縁や伏線が解消して、主人公たちのキャリアも頂点に向かうその瞬間に、震災はふりかかる。その演出は本当に巧みだった…実際の震災映像や陰惨な廃墟セットなどを1ミリも使わずして、あの震災の大きな破壊を描いてみせた。今の日本を生きる国民全員が忘れられないトラウマとしてあの悲劇の様子を刷り込まれているのだ…象徴的な表現だけでナニが起こったのか子供でも理解出来る。あのデリカシー豊かな表現に、ドラマ制作者たちが大切にしている配慮を感じた。しかも震災発生の放送をわざわざ「防災の日」にあててきてる。
●とはいいながら、この震災以降の「あまちゃん」をボクはどう捉えたらイイかワカラナイ。被害は大きく失われたものは大きいが、主要人物たちは全員無事。よかった…と思う。で次は?ワカラナイ。どうあって欲しいのか?東京でのキャリアを捨ててしまったアキちゃんがまた地元アイドルとして陽気に振る舞えばカタルシスに至るのか?様々な不運に翻弄されたユイちゃんがアキちゃんと潮騒のメモリーズを再結成すればイイのか?北三陸鉄道や海女の海や、アキちゃんがプランした海女カフェが復旧復興すればイイのか?
●しかし、このワカラナイ感覚は、実はドラマの問題ではなくてボク自身の問題であることに思い至った。ボク自身の中での東北復興のスタンスがトボケているからこそ、描かれて欲しい今後の「あまちゃん」世界が見つからないのだ。ナニをもって復興なのか?どうあれば東北は幸せになれるのか?フクシマはどうなるのか?汚染水はどうなるのか?日本の地方経済の疲弊、エネルギー政策、「フクシマと東京は無縁でございます」と言わんばかりの五輪パフォーマンス、みたいなビッグイシュー。一方で、ボクの仕事の伝票処理を煩雑にしてる復興税の計算、地方企業の人たちと食事をしながら聞く故郷のグチ、生まれ育ち全てが東京近郊というボク自身の見識の狭さ、みたいなミクロな問題。などなどを総合して実は結局スタンスが見つからない。これはボク自身の問題だ。
「あまちゃん」の震災以後が「平和」に見えているとして、それは共通意識の欠落が前提の誤解だったらどうしよう思うと空恐ろしくなる。震災の瞬間を象徴的表現にまとめた演出を、一応ボクはキチンと大災害として受け止めることができた。しかし、この震災以降の「平和」が、困難と絶望の象徴的表現を前提とした描写なのに、その絶望部分をコチラがキャッチ出来ていなかったら?だとしたら大きなショックだ。主人公・アキちゃんが帰郷を決意する前の段階、つまり東京の中での震災以降の表現には納得がいく部分があった。現場のリアルが伝わらないじれったさ。祖母・なつばっぱにメールしても返事がハンパでアキちゃんは動揺する。北三陸の仲間の消息がよくわからない。「絆」とか「がんばろう」とか「自粛」とか「売名」とか「節電」とかフワついたキーワードが転がっていくだけ。そこから物語が北三陸に踏み込んで現場と被災当事者の中に入ったタイミングで、ボクのリアリティは限界に達する。岩手では当たり前が、もうボクの当たり前ではなくなっている。アキちゃんに置いていかれた…種市先輩もミズタクまでもが北に行ったのに。
●残すトコロあと二週間の放送を見て、結論をつければ十分なのだけれども、あえて今この違和感に言及しておく。自戒の念を込めて。


   さんてつ日本鉄道旅行地図帳 三陸鉄道 大震災の記録

吉本浩ニ「さんてつ: 日本鉄道旅行地図帳 三陸鉄道 大震災の記録」
●そんなリアリティ不足をドロナワのように埋め合わせるために、こんなドキュメンタリーマンガを読んだ。「あまちゃん」北三陸鉄道の被災エピソード〜稼働中だった二便は幸いにも津波の被害を避け、けが人一人出なかったコトは、実在の三陸鉄道の被災状況をなぞったものであると知った。あのトンネル内でのブレーキもそうだ。そこでこんな本を探したというワケだ。このマンガの作者は、運転手、社長、様々な鉄道スタッフ、沿線の住人の方々までに、しかも震災発生後半年経たぬ2011年8月にインタビュー。まだ混乱の渦中にあった人々の言葉は生々しい緊張感を持っており、ソレがマンガの筆致に影響している。
三陸鉄道・望月社長の判断が立派だった。即座に自動車で路線と駅舎のダメージを自ら確認。現場経験の感覚がハッキリとした確信に結びついたのか、震災5日後には出来る範囲で運転再開と決断!しかも運賃はタダ!結局震災発生の3月中に北リアス線の半分までで運転を始めることができた。しかし停電下での踏切管理は全て人力。ケーブルが切れている場所は無線や手旗信号で安全運行を確保。そのため会社で借り上げたアパートでスタッフが3泊4日のルーチンで業務に就くなど、通常では考えられない過酷な運営が取材時の8月〜9月まで続いていた。その緊迫感がこのマンガには描かれている。
●その後の三陸鉄道が気になって公式ページを検索すれば、北リアス線に関しては島越駅の前後だけが不通区間になっている。マンガによるとこの島越周辺は津波の被害が激しく、駅周辺にあった集落約100世帯のうち高台にあった一軒以外が全て破壊されてしまったという。一番頑丈に作られていたハズのコンクリートの高架線路も、宮沢賢治の童話に由来するカワイらしい駅舎も流されてしまった。ただし、公式ホームページではこのカワイらしい駅舎の写真をあえて残している。完全復旧を願う…。
●しかし、この三陸鉄道公式ホームページを眺めると、地域の良さを生かした様々な工夫が凝らされていて頼もしい気持ちになる。久慈市の業者とコラボした「さんてつサイダー」がチャーミングだし、「鉄道ダンシ」なるキャラのイメージソングを展開してるし、「鉄道むすめ」三鉄キャラ・久慈ありすちゃんがねんどろいどのフィギュアになってるし。「あまちゃん」でも重要なシーンとなったお座敷列車も運行(ウニ丼もあるよ)。他にも震災学習列車、ランチ&スイーツ列車なんて企画もある。「さんてつジオラマカフェ」なんてのも実在するのね。久慈じゃなくて釜石だけど。「あまちゃん」風に言えば、KDTOK3RKDNSPMMMYOGBだ。「転んでもただでは起ぎねえ北三陸を今度こそ何とかすっぺ目に物見せてやっぺゴーストバスターズ」だ。

・「三陸鉄道」http://www.sanrikutetsudou.com/




音楽。大友良英さんのトコロでユダヤの音楽に触れたので。

MATISYAHU「NO PLACE TO BE

MATISYAHU「NO PLACE TO BE」/DVD「LIVE IN ISRAEL」2006年
ユダヤ系のレゲエシンガー。ていうかユダヤ教徒であることを全面に打ち出したレゲエシンガー。ユダヤ教徒とラスタ信仰って共存しうるものなの?でも完全にユダヤの伝統装束でステージに立つもんね。生バンドを率いたレゲエの上を見事なマイク捌きでラップ(ディージェイングっていうのかな?この場合でも)してみせる様子は立派で違和感ないのですが、この古風なユダヤ装束はなんだかスゴいね。実際ニューヨークに出張した時には、予想以上にこのユダヤ装束のオジさん達は街にフツウに歩いていたモンで、当地には珍しくないのでしょうけど、若い人でレゲエシンガーとして登場するのはだいぶ異色かと。ただし、ユダヤ人の受難、出エジプトやバビロン捕囚を、ラスタ信仰は奴隷貿易の子孫である自分たちにアイデンティファイしてるキライもあるから、ワリと相性がイイのかも知れない。THE POLICE「MESSAGE IN A BOTTLE」をカッコよくカバーしてるセンスは好き。
●でも、ネットで今の MATISYAHU を見ると、すでにヒゲもそってスキンヘッドにしててフツウにTシャツ着てて、ソツのナイ白人レゲエをやってるフツウの人になってる感じなんですけど。あの立派なヒゲは、ラスタ気取りでダラダラ伸ばしてたらたまたまユダヤのオジサン風になってしまった、だけの延長にあった芸風だったらどうしよう。




2020年のオリンピック/パラリンピックの開催都市は東京に決定。

2020年のオリンピック/パラリンピックの開催都市は東京に決定。

フクイチの汚染水問題については、安部首相が「抜本解決に向けたプログラムを私が責任を持って決定し実行していく」と言及。コレ、マジで守って。世界中に約束したんだからね。あの汚染水問題はもう看過出来るレベルを超えている。というか、そもそものフクイチへの取り組み様が甘い見越しだったと思える。政府が直接決着をつけるつもりならもっと早くやって欲しかった。東電を国有化しようと八つ裂きに解体しようと構わない。いまだグラグラと煮えたぎるあの深淵に決着を。

●実際に、2020年に無事な大会を迎えられるとするならば、パラリンピック競技が見てみたい。人間の身体が持つ底知れぬポテンシャルと、それを努力と研鑽で削り出した世界一流のアスリートの姿を生で見たい。



宮崎駿監督引退会見。ニコニコ生中継のライブで観た。一番印象に残った言葉は。

宮崎駿監督引退会見

「僕は児童文学の多くの作品に影響を受けてこの世界に入った人間ですので、いまは児童書にもいろいろありますけれども、基本的に子どもたちに、この世は生きるに値するんだということを伝えるのが自分たちの仕事の根幹になければいけないというふうに思ってきました。それは今も変わっていません。」
●ボクはこれまで二回、「こんな不当でムゴい世界にコドモを育てることができるのか?」と思い悩んだのを覚えている。第一子誕生の直前に起こった2001年9年11日の後、そしてそこから10年後の2011年3月11日の後だ。
●この宮崎駿という人は、単純な夢想家でもなく楽天家でもない。不屈の闘志で世界と時代に対峙してきた。その証拠としてボクが注目するのは、実はこの人が描く世界があけっぴろげに幸せだったことは希だということだ。社会の矛盾や摩擦、滅亡の影に脅かされていることの方が多い。「ナウシカ」は腐海という猛毒生態系に人類の生息地が狭められていく世界が描かれていた。そして、衰亡していく文明の中で人々は戦争を止めない。「未来少年コナン」も最終戦争で大陸の多くが水没した世界がバックグラウンドだ。「ラピュタ」は痛快な冒険活劇のようでいて、超高度な文明を保持したラピュタがなぜか滅亡したという前提に成り立っている。「もののけ姫」は人間の産業活動と自然のエコシステムがズバリ直接的/象徴的に戦争状態になった物語だ。「紅の豚」はあの不安定な大戦間期/ファシスト台頭の中、人間を止めて豚になることを選んだ男の話。「ハウル」は厭戦主義者だが、戦争は容赦なく彼を当事者にしようとする。結局、世界が幸せなのではない。その世界に生きる人間、少年少女が自分で生き方を選び取り成長する様子が、我々を幸せにしてくれるのだ。
「風立ちぬ」は、ハッピーエンドではなかった。時代は過酷だった。登場人物たちはそれぞれの選択を生きて全うした。それが幸せかどうかはわからない。ゼロ戦は美しい軌跡を残して、死んだ飛行機乗りが集まる高い空の上に登っていった。人生はハッピーエンドでは終わらない。だからといって「生きるに値しない」と言えるだろうか。
●新しい困難がこの先に待ち受けていようと、我々は生きる。生きてこの時代を漕ぎ渡っていく。そしてそのオールを子供たちに渡す時に、これでもベストを尽くしたんだと苦笑いできるトコロまで持っていく。それしかない。そして今の子供たちには、宮崎駿という先達から少年時代のボクが多くの滋養をもらったように、彼の作品を繰り返し見せていく。



八谷和彦 個展「OPEN SKY 3.0 - 欲しかった飛行機、作ってみた - 」@千代田3331

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●実際に行ったのは7月だったと思う…でもまだこのブログに報告してなかったので書いてみる。
八谷和彦さん…肩書きはメディアアーティスト。一番有名な作品は90年代の電子メールソフト「POSTPET」とそこに登場するピンクのクマちゃんモモだと思う。その後「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」に登場する空中浮遊スケボーを開発しようとするなど、ヘンテコな人だなと思ってた。そんな彼がこの10年をかけて取り組んでいたのが、「ナウシカ」に登場する軽飛行機(いや、凧というべき?)メーヴェの開発だ。この制作と実験でなんらかの事故事件が起きて本家ジブリに迷惑がかからないように、今はもうメーヴェという言葉はひとつも使われなくなった。でも一目瞭然にあのメーヴェだ。で、ボクのような人間はノコノコ見に行ってしまったのであった。

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●ね、見事にメーヴェでしょ。で、こいつがちゃんと空を飛ぶ。今までは地上からゴムひもで牽引して離陸するグライダーのようなあり方だったけど、最新機はジェットエンジンを搭載して自力で離陸する。
●ちょうど作家ご本人の作品レクチャーがあったので、ジックリ話を聞いた。正直、無茶メな願望を行動にしてしまうとあってデタラメな突進力や悪フザケ感があるのかと思いきや、航空技術への真摯な勉強、実際の航空行政との折り合い、パラグライダーでの訓練飛行、資金繰りの難しさなどなど、真面目で実直な語りぶりにボクは飲み込まれてしまった。「夢を本当に実現する」というアリガチなフレーズが持つ実際のコトの重みを思い知らされた。

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堀越二郎を含めた戦前日本の航空機開発は戦後大きくは発達しなかった。それはGHQ下の占領政策でもあったのだけれども…。一度は YS-11 に結実した旅客機産業は、結局その後が続かなかった。あとは軍用機のライセンス生産がメインだ。その意味で考えると、八谷和彦さんの挑戦、このユニークな飛行機制作は、宮崎駿という偉大な想像家を経由した、堀越二郎からのバトンタッチにも思える。「美しい飛行機を作りたいと思っています」と語った堀越の夢は、戦争という現実に絡めとられたが、宮崎駿が描いた飛行機を純粋に美しいと感じた芸術家が、ただ一機その飛行機を現実に作り上げようとしている。

千代田3331

●この、千代田3331という場所はオモシロい場所だね。居心地もよかった…夕立に降り込まれてしばらく閉じ込められたのだけれども、ゆっくりコーヒーを飲みながら読書をして過ごすコトが出来た。元は学校だったのかな?




●オーセンティックな女性 R&B を聴く休日。

ALICIA KEYS「SONGS IN A MINOR」

ALICIA KEYS「SONGS IN A MINOR」2001年
●風邪で体調は最悪なのだけれども、熱は下がってくれたせいか、音楽を聴く余裕が出来た。ここはグッとオーセンティックな女性の R&B で艶めいたエナジーをもらうしかない。そこで ALICIA KEYS 20歳のデビュー盤を。クラシック教育をキチンと押さえて育てられた彼女は、ほぼ全ての楽曲の作詞作曲プロデュースアレンジから主要楽器の演奏まで全部の過程に携わっている。そして見事な歌唱力。ミドルローでグッと抑制させるところからハイレンジでドラマチックに展開させるところまで、ワザが行き渡る。恐るべき早熟さ。
●2001年段階では、AALIYAHTIMBALAND のサイバーな変則ビートの上を泳いでいたり、DESTINY'S CHILD がトビキリバウンシーにキメていたり、というのが一般的で、ALICIA KEYS のアプローチはオーセンティックすぎる、古くさ過ぎる、とさえ思ったものだ。ソウル復古主義を掲げたニュークラシックソウル/オーガニックソウルのアプローチとも異質の真っ当さ、直球さがあって、正直退屈に思えた。今となっては、彼女自身が奏でるピアノに彩られたストレートな R&B 表現が、とても落ち着いて耳に馴染む。

ALICIA KEYS「THE DIARY OF ALICIA KEYS」

ALICIA KEYS「THE DIARY OF ALICIA KEYS」2003年
ALICIA のセカンド。基調はデビュー盤と変わらないオーセンティックな R&B で、落ち着いたジャジーさ加減がササクレた神経を慰めてくれる。前作同様、彼女自身がソングライティングのイニシャティブを大きく握っているのだが、一部では外部プロデューサーを採用してる。TIMBALAND、KANYE WEST、EASY MO BEE、DWAYNE WIGGINS(TONY! TONI! TONE!)など。しかし彼らも彼女の持ち味を尊重してか、出張った仕事はしていない…そもそも彼女のオールドソウルへの憧憬を丁寧に料理出来る職人ばかりだから心配ない。フューチャリスティックな TIMBALAND でさえ、手数の多いドラムで70年代ソウルを連想させる見事な疾走ファンクを構築してる。KANYE WEST も見事なサンプルコラージュで彼女の歌に華を添える。

ALICIA KEYS「AS I AM」

ALICIA KEYS「AS I AM」2007年
●外部のヒップホップ/R&Bプロデューサーとコラボした前作とはさらに方向転換。デビュー作のように自分プロデュースの比率が高くなる。オーセンティック度もかなり上がった…というか R&B だけじゃない領域に近づいている。もっとヴァラエティに富んだ普遍的なアーバンポップスに拡大しているというか。そこは LINDA PERRY という作家とのコラボが関与か。三曲のライティングとプロデュースにこの女性が関わっている…P!NK、SHERYL CROW、GWEN STEFANI、CELINE DION、CHRISTINA AGUILERA を手掛けた人物だ。そもそもは 4 NON BLONDES のボーカルだったとか。コラボ曲のひとつ「SUPERWOMAN」は確かな説得力がある。全体的にピアノ基調のアレンジ構成がより端正。もちろんジャジーだしゴスペルの力強さもある、少しだけハスキーになった声の引っかかりがブルージーに聴こえたりも。JOHN MAYER がコーラスを添えるコラボレーションは可憐な印象。
●どーでもいいけど、彼女美人さんだよね。お父さんはジャマイカ系、お母さんはイタリア系とイギリス系のハーフとのこと。2010年にワリと大味な作風で知られるヒップホッププロデューサー SWIZZ BEATZ と結婚、一子を儲ける。彼女みたいな正統な音楽教育を受けたタイプと、「指一本で弾ける」とまで言われたザックリトラックで成り上がった SWIZZ のカップルって不思議ね、と素朴に思う。

AMERIE「ALL I HAVE」

AMERIE「ALL I HAVE」2002年
RICH HARRISON による完全プロデュースでリリースされた R&B アルバム。個人的には、2005年リリースのセカンド「TOUCH」とそこに収録されてた「1 THING」という曲にクリーンヒットされての、遡りチェックだ。ヒップホップソウルのモダンな密度感をカッチリ保ちながら、同時にメロウな味わいと潤いを迸らせてるワザをたっぷり堪能。特にコーラスアレンジの優雅さがタマランです。

LEELA JAMES「A CHANGE IS GONNA COME」

LEELA JAMES「A CHANGE IS GONNA COME」2005年
●アーシーなホコリ臭さが一気に高まる女傑のデビュー盤。ニュークラシックソウル/オーガニックソウルという文脈に、コンセプトとしてもスタッフ面でもキチンと当てはまる音源かと。メインを張るプロデューサー COMMISSIONER GORDON という人物の詳細はワカラナイ(BATMAN に登場する刑事さんの名前を拝借してるね)のだけれども、このムーブメントのまん中にいた RAPHAEL SAADIQ JAMES POYSER もソコソコに関わっているからね。KANYE WEST も参加しているし、WYCLEF JEANS もアグレッシヴなファンクチューンを提供している。


●深夜にカミナリと雨。


●うまく眠れない日が続いている…。

今朝、軽くパニックを起こして、会社を休んだ。
●8月末からずっと体調が悪かったのは事実で、ナカナカにメンドクサイ案件の重要局面を昨日突破したが故に、緊張が破れてカラダとココロがグシャッと崩れたのだろう。


●このブログは音楽メインと見せかけて、来訪者の方にはナニゲにメンタルヘルス関係で検索ヒッカケて到達してる人も多いようなので、「パニック」について説明してみる…あくまで個人的な見解だけど。

●今や医者には「緩解」状態といわれ、デパス&メイラックス程度のポピュラーな安定剤ぐらいしか飲んでないボク。でも、まーしんどい時はしんどい。そもそも自律神経失調症なのでカラダの緊張がうまく抜けず、常に筋肉がイタい。最近は足全体、そして腰〜背筋だ。肩コリと眼精疲労に苦しんでいた昔とはチト場所が違うが、どんなに休んでも抜けない披露に辟易する。

●その延長に「パニック」がやってくる。これを一般的な「パニック」と同じといっていいのか?医者じゃナイからワカランけど、当事者本人の主観からいうと、理性がバラバラになって冷静な価値判断がまるで出来なくなる状態だ。別に「ギャー!」とかわめき出すほどのコトじゃない…ただ、思考が細切れになって、周囲の状況に反応ができなくなる。他人から見るとフリーズしているように見えているかも知れない。ナニかをしなくちゃいけない状況では、より一層困る。携帯電話をドコに置いたかわからなくなる、外出するにも着ていく服が選べない。何時に出勤すべきかは分かっているが、それに絶対間に合わないコトも分かって、感情的になってしまう。

●カントの「純粋理性批判」とかデカルトの「我思うゆえに我あり」といった近代的自我は、一貫性のある理性的思考が人間の基本的スペックと規定してきた、とボクは思っていたし、その基本スペックはボク自身にも搭載されてると素朴に信じていた。病気になる以前までは。ところが、その基本スペックは非常にモロくて簡単に細切れになるということが体験的にわかってしまった。その瞬間「〜すべし」「〜しなければならない」「〜したほうがいい」は全部バラバラになって優先順位や一貫性を失い、結局なにをしたらイイのか真っ白にわからなくなる。ココにフィジカルな痛みも混乱に拍車をかける…腰が痛い、アタマが痛い、胃が痛い。ガマンできないのかと言われれば特別スゴいわけじゃない救急車呼んでくれってほどじゃない。でも、ずーっとイタい、起きている間ずーっとイタいとホントに消耗する。

●そんな有様で、仕事が務まるのか?資料や書類が作れるのか?打合せがこなせるのか?甚だヤバい。数分ならこなせるかも知れないがまる一日はこなせない。一貫性が持続しないから。結局は会社を休んでも、メールをさばいたり資料を作ったり電話をかけたりはしてるのだ。ただ同じくらいベッドに横になって、デパスの2錠でも入れて、思考を落ち着かせなければならない。
今日は神経の緊張を解きほぐしたいあまりに、4時間くらい風呂につかってた。4時間もー?冷静な価値判断ができないって、結果的にそういうヘンテコな行動に繋がるわけですよ。これがいきなりラッパの練習を始めるとか、ネットショッピングをずっと続けるとか、他人に電話しまくるとか、人によっては様々なパターンで奇妙な行為が飛び出すわけですが、理性が細切れになった思考の結果、本人はソレが最善だとホントに思ってたりしてるのです。ボクには経験がないけど、幻聴や幻覚を抱えちゃってる人はホントにご苦労ですわ。由来不明の外野からアレコレ言われたら思考制御できないでしょ。ホント大変。

●久しぶりに、メンタル系の過去記事リンクを張っときます。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-category-7.html





ソーシャルに気をつけよう。
●娘が「ドリトル先生」シリーズに夢中。動物と楽しく暮らすドリトル先生と、結婚したい!とまで言い出した。それなら「ドリトル先生」の本をAmazonで買ってあげるよ、と言ったらぴょんぴょん小躍りして喜んでる。購入ボタンポチッ!
●…ってな内容を、ソーシャルにつぶやいてしまった…。ボクは病気で会社休んでます。コレ見て「会社休んでるのにアイツはナニやってるんだ!」と怒る人がいるんだよね…。ああ,失敗した。ある一定の健常者には、病人には病人らしくふるまうポーズが必要なんだわ。それがプロトコルなんだわ。

「ドリトル先生」

「ドリトル先生アフリカにいく」
●ドリトル先生の本職は医者で、結構な収入もあると見せかけて、動物にハマって度々破産してるらしい。娘の結婚相手には、ちとだめんず要素アリにて注意が必要。日本にもムツゴロウさんという、破綻経験のある動物の専門家がいるよ、って教えようと思ったけど、なんか夢が壊れそうな気がして説明はヤメた。



●そんな、オカシイ夜中に聴く音楽。

JAMES BLAKE「OVERGROWN」

JAMES BLAKE「OVERGROWN」2013年
●もはやポストダブステップとかのくくりが関係ない領域まで到達してる、見事なボーカルアルバム。彼の歌唱から迸る水気はダブ音響の中で即座に結露結晶して、うっとうしい残暑に参っているカラダの体温をスッと下げてくれる。うまく眠れない真夜中に効く1枚。



●ここ数日、神経が参っているのは、「あまちゃん」が3/11の震災を描いたのがキッカケなのかもしれない。
秀逸な演出で、実際の被災映像も、具体的で大袈裟な表現も、ナニもなかったのに。
それでも、あの日の、あの日以降の、不安をマザマザと蘇らせてくれた。
●主人公たちが歌った GMT「地元に帰ろう」は、チープなスロウで退屈だと思ってたけど、この震災以降モードに聴くと実に沁みる。「地元に帰ろう 地元で会おう」の素朴なリフレインに、メンバーが故郷の名を元気よく叫ぶ時、なぜか涙がこみ上げてくる。「埼玉!沖縄!仙台!佐賀!ブラジル!岩手!…岩手!」
●残念ながら、シャレにならない汚染水流出でフクイチは全く予断ならない状況。毎時1800ミリシーベルトってなんだよ?!てか単位が違うよ1.8シーベルトだよ!1999年の東海村JCO臨界事故じゃ6シーベルト被爆した人が一年持たずに亡くなってるんだよ。これもう死人が出るよ。世間が汚染水慣れしてんのもヤバいよ!

あまちゃん 歌のアルバム

●こんなことでガタガタいってるのも、ある種パニックのなせるワザですので、話半分で。
天野春子バージョンではなく、未熟さあふれるアキちゃんユイちゃん潮騒のメモリーズバージョンの「潮騒のメモリー」を聴いて落ち着こう。



ある食事会で。問われた質問。
「アナタにとって、グーグルはどれ大事か?」
●2つのうち片方を捨てなくてはなりません。グーグルと自動車。これアナタにとってドッチが大事?
●あー。なるほど。ボクはそもそも自動車に乗らないから、グーグル
●片方を捨てなくてはなりません。グーグルとエアコン。これドッチが大事?
●あむー!エアコンかー。でもグーグルないと仕事にならんもんなあ。エアコンなしで!
グーグルとラーメン。ドッチが大事?
●これ比べる性質のモノなの?ラーメンガマンするわ、最近太り気味だし。
グーグルとマンガ雑誌全て。ドッチが大事?
●うわー。これは困った…マンガかな…。

ということで、グーグルはボクらの生活に染み込み過ぎている。
●グーグル以前はどんな暮らしをしていたのか、パッと思いつかない…。
●この質問をした人はボクより10年ほど若い人だだったから当然想像もつかないだろう。
●ボクの先輩はそこにヒトコト。「昭和の金持ちの象徴、百科事典。何万も大金をはたいて本棚にドンと並べることがステータス。あそこに人類の英知はアーカイブされてた」
●続けてボク。「現代用語の基礎知識」って毎年の刊行物がありましたよね。あの新語を一年ごとにアップデートしてく感覚は、最新の情報をかき集めるグーグル検索っぽい気分がある。
●それと、特殊な図書館。大学のレポート書いたりするために八幡山の「大宅壮一文庫」に通ったことがある。戦前戦後からの雑誌を網羅する専門図書館だ。のその後仕事の調べものにも利用した。早稲田の「現代マンガ図書館」も行った。大学図書館の院生向け研究室の論文誌とかも借りて読んでた。本当に特殊なモノにアクセスするためには物理的に特殊な場所へ行ったものだ。特殊なレコード屋/古本屋/ビデオ屋の所在や在庫傾向を知っていることは、そのまま仕事のスキルに結びついてた。

●まー、そんな過去の話はどーでもよくて。
「グーグルが自動車分野に参入」という新聞記事を見つけた息子ノマド。「あれ?オレ、グーグルの自動車みたことあるよ」それって、ウワサのストリートビューカーじゃねえの?でグーグル画像検索したら「そう!コレコレ!小学校の近所走ってた!」おまえ、つまりはその瞬間、グーグルに撮影されたってことだよ。ストリートビューにそのうち登場するんだよ。
●やはり10歳若い後輩クン。ITスキルが猛烈に高くてメチャメチャ頼りがいがある期待のホープだが、死ぬほど方向音痴で十数年住んでる実家の近所でも迷子になるという。女子か!?「だから、絶対に遅刻出来ない打合せで外出るときは、事前にグーグルストリートビューでルートの様子を全部確認するんです」そのITスキル、無駄な気がする!
●中学時代の友人と電話で会話していた時、ボクの住んでいた建物が解体されたという話を聞いた。確かにグーグルマップで確認すると、団地だった場所一帯が建売り住宅になっている。コレをボクの両親に伝えると「ナニ言ってるんだ、まだ残ってるぞ。グーグルで見たぞ」グーグルマップで見るとなくなってるのだが、ストリートビューでは確かに団地が見える…でも撮影が2009年だよ古いんだよ。でも60歳オーバーの人々もグーグルストリートビューを使いこなしてるのねーと感心する一幕だった。
●ともかく、今やグーグルはボクらの生活の隅々に入り込んでいるのです。実際、明日の予定もグーグルカレンダー見ないとボク自分の出勤すべき時間もわかんないし。



PORTISHEAD「ROSELAND NYC LIVE」

PORTISHEAD「ROSELAND NYC LIVE」1998年
正直、体調が悪い。脳ミソの中に粘土が詰まっているような気分だ。黒くて腐臭のする粘土。クスリを飲んでもこの粘土が消えてくれない。会社で仕事しているウチはフツウに振る舞っていられるが、家に着く頃にはガックリ消耗している。実際、不用意に踏み込んだ慣れない仕事が思った以上に高カロリーでストレスになっている。まあ、一番のキモの場面は今日でなんとか乗り越えたはずだけど…。
●そんなバッドコンディションで、こんなCDを聴くのは逆効果か?90年代UKトリップホップの代表選手、PORTISHEADオーケストラを率いてニューヨークでライブ。ターンテーブルの上に暗黒のループを乗せて、聴く者の耳にゆっくりジックリ擦り付けていく。鋭い金管楽器のアンサンブルが尖った神経をキリキリと切り刻む。ぬるいメランコリーの池の底で、濁った水のトロみを指で感じるような気分。



●ガラポンTVの録画で。
「プロフェッショナル 仕事の流儀」宮崎駿監督密着ドキュメントを見てた。
「風立ちぬ」は、関東大震災から戦争の時代を描く。ただそれは宮崎駿が今日の状況から反射的に題材を選び取ったものではない。関東大震災のコンテを描き終えた時に東日本大震災が起こった。ゼロ戦に関与した人物を描く中で尖閣諸島にはじまる東アジアの緊張状態が生まれた。なんという巡り合わせか。かの巨匠ですら、動揺した。迷い苦しんだ。
その録画を見ている最中に、監督の引退報道がネットで流れてきた。これも巡り合わせか。



●夏休みもオシマイだね。
●小学六年生の息子ノマドは塾の模試。ガンバってたっぷり勉強したはずなのだけど、成果は出たのだろうか?

●まだ五年生の娘ヒヨコは、夏期講習においては、今までの塾とはチガウトコロに通ってみた。新設の塾で、まだ人気が足りないのか、行ってみたらクラスの生徒がなんと2人。で、もう1人の相方がちょくちょく休むので、結果的に先生と生徒の1対1個別指導になってしまった。いやいや。ホントだったらお値段高いのでおトクと考えればイイか…ヒヨコ本人にとっては甚だ微妙らしいけど。



●最近の仕事がワリとキツくて、じつはカラダとアタマが参っている。
●先週の徹夜仕事前後から明らかにオカシイ。
●華原朋美みたいにクスリが増える。

●そんな時に聴く音楽に相応しいのか?アタマがオカシクなる音楽か?

GANG GANG DANCE「SAINT DYMPHNA」

GANG GANG DANCE「SAINT DYMPHNA」2008年
ニューヨークアンダーグラウンドで生まれた、摩訶不思議な音楽。昨今流行のダンスミュージックとは全く異質の、それでいて確実にグルーヴする音楽。未知の、または未来の民族音楽が、捩じれた時空の向こう側から響いてくるかのよう。地面から沸き立つ泡のようなノイズと、華麗な閃光を煌めかせて虚空を舞い踊るシンセの調べ。そして巫女として祝詞を唱えるかのような女性ボーカル。アフリカは言うまでもなく、中近東〜極東のトライバル表現までをも貫いた、21世紀グローバルの呪術。サイケ。
●UKラッパー TINCHY STRYDER を迎えた高速ビート「PRINCES」がもろグライムでスリル。全体的に難易度高めながらも、最もキャッチーなシンセポップに聴こえる「HOUSE JAM」は、ボーナストラックとして SPANK ROCKHOT CHIP のリミックスを収録。要素を限界まで削ぎ落としてエレポップとしての純度を高めた HOT CHIP のヴァージョンは極上。基本に立ち戻ったシンセフェティシズム。

SANTOGOLD「SANTOGOLD」

SANTOGOLD「SANTOGOLD」2008年
GANG GANG DANCE もこの女性アーティスト SANTOGOLD も、このヘンの音源は2008年のリアルタイムでほぼ入手していた。だけれども、彼女たちの音楽を形容する言葉がボクになかった。当時はエレクトロ旋風の中でボルチモアブレイクスが話題になったりバイレファンキが紹介されたりダブステップが注目を集めたりニューレイヴが流行語になったりと、なにかと目まぐるしい時期でホントにナニが起こってるのかよく分からなかった。今、やっと客観化できるようになったのか。
GANG GANG DANCE 同様ニューヨークアンダーグラウンド出身とあって、ブラック系というルーツから安直に連想しがちな R&B のテイストなぞは全く出てこない。ニューウェーヴ風のバンドサウンド「L.E.S. ARTISTES」で幕明けて、2曲目の「YOU'LL FIND AWAY」では切羽詰まったポストパンクでグイグイと聴くモノを責め上げる。一方でボルチモアブレイクスの中心人物 SPANK ROCK とのコラボ「SHOVE IT」ではダブ/レゲエ系のゴツいベースを見事に乗りこなす。UK の女闘士 M.I.A. のプロデュースを担った SWITCH のトラックはシンセがウネウネと振動するルーディなエレクトロで、SANTOGOLD の野蛮さを引き立てる。SWITCH はリミックスも含め大分乱暴で野蛮だわ。カッコイイ。

LADYTRON「VELOCIFELO」

LADYTRON「VELOCIFELO」2008年
●同じ2008年ものだが彼らはイギリスのエレクトロバンド。中国系男子、ブルガリア系女子を含む4人組。ネイティブのブルガリア語ボーカルの披露もある。コイツは最近義弟 KEN5 くんからもらったCD。キラキラしたエレポップが深いエコーに漂う女性ボーカルをつつむ。分厚いシンセのレイヤー群がシューゲイザーと同じ陶酔感を生み出す瞬間も。過去作に比べてキャッチーになったかも?

LADYTRON「LIGHTS MAGIC」

LADYTRON「LIGHTS & MAGIC」2002年
●この頃、2002年にはこのバンドの音は聴いてた。コレの前作「604」もほぼリアルタイムだった。当時の感覚では、ニューヨークアンダーグラウンドを賑わせていたエレクトロクラッシュのムーブメントと関連して聴いていた。パンク精神とエレクトロが結合したエレクトロクラッシュの勢いと、この段階の彼らの未熟に由来する?チープなシンセポップが奇妙に共鳴していると思えた。それでいて、音楽の表面にややザラツキがあって。過激なギミックに欠ける彼らの音楽は長く聴かれるモノではないかもしれない。それでも、ここに響くシンセのザラツキには価値がある。


●忘備録として読書報告しとく。

ヤマザキマリ「スティーブ・ジョブズ」

ヤマザキマリ「スティーブ・ジョブズ」1巻。あーこの人だいぶ難物だわ。変人だわ。マリファナや LSD も常習だわ。技術革新の聖人じゃないんだ。
林田球「ドロへドロ」16〜18巻。本格的にドロとヘドロに突っ込んできた。
貴家悠/橘賢一「テラフォーマーズ」6巻。どうでもイイ格闘マンガになってきた気がするが、息子が気に入ったようで買うのをヤメラレナイ状況。
末次由紀「ちはやふる」21巻。コレもクサレ縁かも…と思いつつ、青春モノとしていつもキチンとほろりとさせられる。
諫山創「進撃の巨人」11巻。ナゾだらけの世界観にアレコレ伏線が効いてきた感じでオモシロくなってきた。ガラポンTVでこの前初めてアニメも見たし。
岩明均「ヒストリエ」8巻。アレキサンダー大王の側近、エウメネスが主人公の歴史マンガ。少年から青年期にさしかかったエウメネスの表情にニヒリスティックな影が差すようになる。
幸村誠「ヴィンランドサガ」12〜13巻。11世紀北欧のヴァイキング世界。戦争と殺人が当たり前の社会で、ナニをヨスガに生きていけばイイのか。
日本橋ヨヲコ「少女ファイト」10巻。この作家のクッキリした輪郭線は大好きだ。絵が好きだと素直に言える作家は実は他になかなかいない。もちろん、読者を揺さぶる青春エモーションも見事。
本谷有希子「あの子の考えていることは変」。これだけマンガじゃありません。だいぶ笑えましたけど。どこもかしこも変ですが、必死に生きるというコトは多かれ少なかれ、変なコトに突っ込むことだと思う。


●あ、そうだ。島耕作が会長になりやがった。今後は「財界活動」に勤しむそうだ。顔も老けた。

 島耕作が会長になりやがった。



●ガラポンTVで見つけるテレビ番組は、オモシロいね。
「LIFE! 〜人生に捧げるコント〜」を観た。内村光良さんのコント番組ね。気付くとNHKばっかだけどね。