夏休み、山陰地方ツアーに行って参りました。
ズバリ、出雲大社!

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やっぱ、しめ縄、太いわ。強烈に。

出雲大社で日本史の奥行きを味わって。
明らかに舐めてた山陰地方の横移動に手こずって。
そんで訪れた鳥取で、和歌を調べたり、お城登ったり、砂丘行ったり。
もちろんレコード屋も見つけたよ。

●楽しい経験を目一杯してきたので。
後日、それをちょっとづつ書いてみたいと思ってます。


●そんな、サマーバケーションのBGM。

口ロロ「GOLDEN KING」

口ロロ「GOLDEN LOVE」2007年
□□□と書いて「くちろろ」と読む。だからココでは「口(くち)」にカタカナの「ロロ」って書きます。2007年に坂本龍一さんのレーベル COMMONS からリリースしたデビューアルバム。そのキラキラしたポップセンスに、雑誌で「ネオ渋谷系」なんて紹介のされ方をしてたのを覚えてます。楽しいブレイクビーツに軽快なラップとキャッチーなメロディを乗っけて歌う男子二人組。
COMMONS からの先行ファーストシングルでもあった「GOLDEN KING」がリリース当時からダイスキだった!この解放感&躍動感あるビートセンスと突抜けた勢いのあるメロディが好き。詰めの甘いボーカルでさえも愛おしい。そしてリリックが、夏休み仕様。キツい仕事をしながら「あともう少しでバケーション」と自分を励ますタメにもコレを聴きまくってた。こんな歌詞なんですよー。

 21世紀の猛暑にあがるテンション MOVE ON UP !かけろモーション!
 ファンキー&フレッシュな太陽が黄金のビートでロックする!
 ルート決めずに飛び出す航海!フル10全開!
 待ってるだけじゃ交わるはずのないカンチガイ

 そんで踊り続けて ナイト&デイズ オバカになる
 OK と貼り合って負けねーぜと飲むビール
 そんなことしたり あんなコとやったり そりゃマネーマネー足りない
 懲りない よっぱらい キリない しょーもない
 でも尽きないエナジーは愛の乱れ撃ち!ファンキードラマーのように!

 21世紀の猛暑に変わるモード オレもみんなももっと
 ファンキー&フレッシュなビートでたちまち世界はロックする!
 21世紀の猛暑に出会う男女ときめき弾む人生
 最高潮に盛り上がってそのまま世界を制覇する!
 21世紀一新しいステレオからキックこのミュージック!
 ワンワン吠えるみんなも輪になりしらけた世界をロックする!

「21世紀の猛暑」ってフレーズが気分だったねー。旅行中は、お気に入りのバンドT着て汗だくになってテクテク歩いたよ。
●このアルバムには、日本語ラップの始祖のひとり、いとうせいこうも参加。「おばけ次元」でキレのいいラップを披露。「でも逃げ出せリアルな次元の側へ 川へ谷へさらに目指せアウェイ 切れば血の出る物語を 語れ誰か歌えその形を」「夏草」はチャーミングにレイドバックしたトラックとラップフローが、今や20年前のクラシックとなった渋谷系テッパン古典曲・スチャダラパー「サマージャム'95」を連想させてしまう。カゲロウがユラユラゆらめく熱い午後が終わって夕暮れを迎えるチルアウトな一瞬。サビがキャッチーなウタモノ「STARFLIGHT」は、CORNELIUS「STAR FRUIT SUF RIDER」のようにも聴こえる浮遊感。女子2人組 HALCALI が脱力する「COSMIC DANCE」も聴きドコロ。

口ロロ「SNOWFLAKE」

口ロロ「SNOWFLAKE」2008年
●コイツは冬休みがテーマのミニアルバム。80年代ユーミンみたいなスキー場のロマンスを歌ってみた。メンバー増員でバンド戦闘力増強そしてウタ要素増量。デビュー盤でゲスト出演したいとうせいこうがリリック提供したバラード曲もあったりして。その後2009年には、いとうせいこうさん正式メンバーになっちゃうらしい。最後の曲は30分の大曲「ツアー」。組曲構成?インスト中心のプログレッシヴ。時々ウタが来る。まー冗長だけど。

DORIAN「STUDIO VACATION」

DORIAN「STUDIO VACATION」2011年
口ロロ90年代渋谷系スローバックなら、DORIAN は10年代に入ってからチラチラ登場する80年代ディスコへのスローバックだね。ジャケがもう80年代だもんね。キラキラのダンスチューンがテンコモリ。インストのエレクトロファンクやシンセポップが華麗に駆動する。
●とはいえ、実際の様式でいってコイツがホントに80年代風かと言われると、そーとは言えない。コレは完全にアップトゥデートな10年代の音楽。だけど、敢えてノウテンキに振る舞ってみせる全面的多幸感は、80年代の浮かれた雰囲気を連想させる。アルバムタイトルからして、バケーション気分もスタジオの中の人工生成物であることを隠さないし、一曲目タイトルなんて「FAKE VACATION」80年代ギミックもお休み気分も全部フェイクですって開き直ってる。それがむしろ気持ちいいし、結果的にこれが10年代の気分。
●ゲストシンガーに、一十三十一(ヒトミトイ)。彼女も夏休み&冬休みのバカンスをテーマにしたアルバム「SURFBANK SOCIAL CLUB」「SNOWBANK SOCIAL CLUB」をリリースしてる。浮遊感溢れるそのボーカルでフェイクな夏のヒトトキを演出。

DORIAN「MELODIES MEMORIES」

DORIAN「MELODIES MEMORIES」2010年
●これが DORIAN のファーストアルバム。このキッチュなまでな80年代フェイクなジャケット、鈴木英人テイストに笑っちゃうわ!80年代の雑誌「FM STATION」の表紙、それと英語の教科書「NEW HORIZON」を思い出しちゃったよ(アラフォーじゃなきゃ理解不能か?)。内容はツヤツヤのアーバンファンク/エレクトロディスコ/シンセポップ、それに AOR な落ち着き、リゾートロックなアレンジまでが濃厚。真夏の熱帯夜に気持ちイイそよ風を提供してくれる。
●80年代ギミックとして、エコーの効いたトークボックス使いが実にナイス。と思うと、アシッド体質、つまり ROLAND 808/909 使ってるみたいなトラックがあったりとかして90年代育ちのボクの微妙なスイッチをキチンと狙撃。70年代のメローソウル DENIECE WILLIAM「FREE」をカバーしてるけど、むしろこの曲を2ステップにカバーした TEI TOWA のユニット SWEET ROBOTS AGAINST THE MACHINE のバージョンをなぞる形で、丁寧にキラキラハウス化してる感じもボクのツボ。
DORIAN の所属レーベルは FELICIRY。こちらは昨今活発に内容の濃いリリースを続けるインディの雄ですわね。七尾旅人、やけのはら、サイプレス上野とロベルト吉野、前野健太、シグナレス、快速東京、アナログフィッシュ、さよならポニーテールなどなどが所属。数年前から注目しまくってます。つーか、FELICITY 注目のキッカケになった楽曲、七尾旅人「ROLLIN' ROLLIN'」のリミックスを手掛けてたコトでボクはこのアーティスト DORIAN を認知。ラッパーやけのはらの作品でも活躍。DORIANー七尾旅人ーやけのはらのトライアングルは結束が固いらしく、このアルバムでも「SHOOTING STAR」で盟友2人が参加。



島根&鳥取の山陰地方は、明るくて楽しい場所だった。
●なにしろ「山の陰」と書くぐらいだから、ボクの中には正直、この土地に暗いイメージがあった。ところが、そこには自分たちの土地にまつわる歴史と文化への誇り、そして、それをユーモアで包んで提案する姿勢がいっぱいあった。だから、今回の旅を、敢えてキラキラしすぎてるこんな音楽をBGMに選んでみた。

今年の春休みは、沖縄に行ってその土地のことをイロイロ調べた。ブログにもいっぱい記事を上げてみた(…詳しくはコチラの記事へ/その8まで書いたので遡ってもらえればその1から読めるはず)。明るい南国のイメージとはウラハラに、ダークな過去や歪みが透けて見えてきて大きなショックを受けた。
●現代日本の地方経済/地方生活に困難がないはずがない。それを前提に折込みつつも、島根&鳥取には不思議な前向きさがあった。なぜだろう?3日程度の滞在で何も分かっちゃいないだけかもしれない。でも、それはそれで、アレコレこれから考えてみたい。



●動画。

●口ロロ「GOLDEN KING」
●こんなビデオ作ってたのか!と検索して知った…なんでこんなことしてんの?




●DORIAN「MORNING CALLING」。
●80年代フェイク、ヤリ過ぎのビデオ。




●DORIAN feat. 一十三十一「SUMMER RICH」。
●鈴木英人テイストヤリ過ぎ。ファンタジスタ歌麿呂の犯行か?






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●お盆合わせだったプロジェクトのヤマ場を超えて、ちょっとだけ一息。
●次のピークは8月最後の土日だが、これは準備においては人に任せた。
●9月末にも一件入ったが、これも実績あるから現場にそのまま回せる。
●ただし10月第一週に稼働するプロジェクトだけは、ガチで背負う。
●時間がない…。本来なら一か月マキでスタートすべきだったな…。
●だから、ヨガのクラスが終わった後は、仕事道具全部もってWIFIフリーのカフェに行って、パワポ資料をセッセと作ってたよ。ふー疲れちゃった。


息子ノマド(中1)は、最近ボカロにハマり過ぎてる。
●ボクの使い古しの iPhone で YouTube の作業用BGMを聴いているのだろう。そんで夏休みの宿題レポートを書いてるんだけど、無意識なのか恥じらいがないのか、突然デカイ声で歌い出す。オマエはイヤホンでラウドに聴いてるかもだけど、こっちはオマエのアカペラだわ。元がオンチだからなお微妙だわ。
●この前は、学校の友達(あだ名はマックス…由来は知らない)とメールでアポ作って2人カラオケボカロ縛り2時間半を楽しんできたらしい。

息子ノマドがさらにハマっているのが、合気道。
●中学生になって育ち盛りのはずのノマドには、ちょっとでもスポーツをやって欲しいと思ってた…でも、ボク自身がスポーツに興味がないし説得力がない。むーどうしよう。
●ということで、ノマドに YouTube で合気道の映像を見せてみた。マッチョな格闘技ではなくて非力でもこなせるかもの技。高齢のオジサンがバッタバッタと若者を投げ飛ばす映像。そしたらノマド「これってジョジョの仙道じゃん!」あ、そう感じた?!そうね、ジョジョ第一部の重要人物ツェペリさんが訓練によって身につけた波紋の呼吸法みたいな不思議さがあるね。この道極めたら、指1本でワイン瓶に穴開けたり、水面を走ったり、カエルを傷つけることなくカエルが座っている岩を砕くことも出来るかもね(「メターッ!」)。
●てーな印象を持ちつつ、5月の文化祭で合気道部の演武会を親子で見学して。息子の中学校はガリ勉アオビョウタンみたいなヤツばっかな印象があるが、ここもしっかりアオビョウタンが大勢いてノマドが混じっても違和感がなさそう。なんでも売り文句は「一番ラクチンな運動部」。走り込みとか筋力トレーニングは全然やらないらしい。ただし、投げられる側の受け身の動作がノマドの想像以上に激しかったらしく「なんだか意外と生々しいなあ」とノマド。そりゃ合気道はビデオゲームじゃないんだし、あれは大きな音を立てながら衝撃を最低限に食い止めるテクニックなのだから、ビビるものじゃないだろう。

後日。ノマド、道場に見学に行ったらしい。ちょっと緊張しながら。
●そしたら奇妙な先輩が一人いて。名前を名乗ったら「1年◯組の出席番号◯番、隣の席は○○と■■だろう」と即答されたという。この高等部の先輩ナベさんは、中等部高等部の生徒の名前と出席番号を全て記憶してて、番号から逆算して教室の席配置まで把握できるという。ちょいと変人。このナベさんが胴着を貸してくれたり、練習日の案内をしてくれたりと甲斐甲斐しく面倒を見てくれて、仮入部の身分ながらノマドは結果せっせと稽古に通うようになった。ナベさんいなかったら、ノマドは稽古に通えなかったろうな…先輩に恵まれた。

で、7月。突然、大きな大会にノマド出場。
●ある日、ノマドが部長と組手をしてた時。互いに技を掛け合っている途中。「今度の大会、人が足りなくなったから、オマエ代わりに出ることになったから」と突然言われたらしい。え、7月の大会は中1は参加しないんじゃないの?この前の保護者会でも顧問のセンセイが言ってたぞ。ノマドも組手してる中に軽くフラレただけでそれ以上の情報がナイという。オマエそこは先輩にもっと質問しないと。「フツウにやってれば大丈夫って言われた」ホントに大丈夫?マトモなキャリア一か月もない気がしますが。

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「全日本少年少女武道錬成大会(合気道)」@日本武道館
ビビるほど立派な大会だった…。「全日本少年少女武道錬成大会」は、合気道だけでなく、弓道・剣道・柔道・空手道・少林寺拳法・なぎなた、そして銃剣道!の8部門から構成されてて、7月〜8月にかけてそれぞれの部門がが大きな大会を開く。参加者は小学生と中学生。合気道だけでも全国から学校/道場などなど160団体くらいが参加してるらしい。
●ノマド、この日のために合気道専門店に行って自分用の胴着を新調した。借り物の古胴着じゃなくてよかったな。ちなみに細かく規定がある柔道着と違って合気道の胴着には厳密なルールはないが、一般的には柔道着よりやや袖が短い。手首を直接取って仕掛ける技が多いからだそうな。

実は、大会前日に顧問のセンセイから電話があって、初めて概要が掴めた。
●センセイ「あのお子さんから聞いてます?」いやー、本人からの話では正直要領を得ないので後でネットで検索するしかないと思ってました。そもそもでウチのヤツで大会大丈夫なんですか?「実は中3部員が直前で辞退しまして、急遽出場となったんです。彼は中1の新入部員の中でも一番熱心に稽古に参加してますし技術的にも十分だと思っています」ウチのヤツはスポーツの経験もなければ先輩後輩の人間関係も初めてなので、ホントにみなさんと噛み合ってるのか心配で…「いや、ウチは上下関係も厳しくありませんし、本人もいつもニコニコして楽しそうですよ。あ、ただ全然しゃべりませんけどね」やっぱり!コミュ障っぷり出しちゃってるじゃないか。あの、せっかくだから見学しようと思ってるんですけど、他の保護者の方々も来るんですか?「いや、基本的には誰もいらっしゃいませんが、コッソリ見に来る人もいます。私たちの席のソバに座っていただいてもイイですよ」ああ、じゃあコッソリ見に行きます。
●ちなみに、顧問のセンセイは女性。合気道歴は30年近く、段位は五段というから実はスゴい人なのかも。竹を割るようなサッパリした語り口と大きな声量が、武道の達人オーラを感じさせる。本業は物理の先生で(いや、もはや合気道の方が本業なのか?)、ノマドが胴着をいれるトートバッグが「国際リニアコライダー加速器」のデザインをあしらったものだと、一番最初に気づいてくれた。

●この大会は小中学生対象だから、本物の達人の演武が見られるワケじゃない。むしろ小学校低学年のチビッコたちがカラフルな帯を締めて楽しそうに広い武道館でバッタバッタと投げ合う様子が微笑ましいくらいだ。各団体は数分ほどの持ち時間と割り当てられたスペースの中で、それぞれのやり方で稽古の結果を演武という形で発表する。組手の仕方も違うし、技の難易度も違うようにみえる。最初と最後は正座して一礼ってトコだけ一緒。
●観客席はそのまま参加者の控えゾーンになってて、胴着のチビッコがワラワラ、ボクが座る場所を見つけるのも大変なほど。折り目正しい武道の世界でありながら、バックヤードの子どもたちはスマホや3DSで遊んでたりしてるから、まーなんとなくちゃんとイマドキ。九段の坂を上がって汗かいたボクは、冷えた缶コーヒーを売店で買ってスミッコに座る。思えば、ロックコンサート以外の武道館、ホントに武道やってる武道館って生まれて初めてじゃないか?

合気道の不思議。
●合気道には、試合という概念がなく、従ってフツウの格闘技のように勝敗という概念もない。が故に「演武」組手を組むパートナー同士は、最初に繰り出す攻撃、それがどう捌かれるか、そこからどんな技が仕掛けられるか、全部段取りを理解している。「取り」と「受け」という言葉で攻守?を区別して、お互いに立場を交替していく。その意味では、ノマドのような未熟者でも段取りさえキチンと飲み込んでその型を練習しておけば数分なら大丈夫かもしれないし、先輩がうまくリードしてくれれば組手は成立する。…でも実際にノマドの演武が始まったら、先輩の方が段取りを忘れて、動きが止まっちゃったりしてたけど。ノマドいわく「次、右手首からです、って先輩に言った」
●合気道は、相対する対象の動きに合わせて、その動きを最小限の力で操作しバランスを崩したりする、非常に合理的なシステムが体系化された武道だ(と思った…ホントはよくワカランけど)。理詰めで物事を考えるノマドにはなんとなく相性がイイっぽい。
●一方で、合気道・創始者の植芝盛平大本教出口王仁三郎と関係が深かったということもあり、スピリチュアルな側面も強いらしい…「呼吸法」という言葉も使われるようでホントにジョジョみたい。実践的格闘技と全く違う価値観を持つのもココに由来があるのか?
植芝盛平は大正末期〜昭和〜戦後にかけて活躍した人物で、合気道の最大派閥「合気会」道主は植芝一族の世襲で繋がっている。この演武会でも最後に、植芝充央なる人物が模範演武を披露していた。さすがにこれはスゴかった。きっと植芝一族のプリンスなのだろう。あ、あとウィキ読んで気になったのは、ドラマ「花子とアン」で主人公・村岡花子の親友として登場する葉山蓮子のモデル・大正三代美人の柳原白蓮も合気道と深い交流があったという。

●さらに余談。ノマドの中学校が演武をするトナリには、ボクでも名前を知ってる名門女子高がいた。
●通常、初段になるまで黒帯と袴の着用はしないものだが、女子は初段以前にちょいと早く袴がはけるらしい。袴をはいて長い髪をポニーテールにまとめた彼女たちは毅然としててイイ感じ。ほうほう、こういう大会では男子校のノマドたちも女子と縁ができるんじゃないか?と思ったものだ。しかしノマド「あーあの女子高のひとたちね。先輩たち遠くから写メ撮ってた」ダメじゃん!それじゃお知り合いになれないじゃん!全員ヘタレじゃないか。しかし、小中学生対象のこの大会には関係ないはずの高校生ナベさんは、なぜか突然会場に現れて関係ない学校のカワイイ女子中学生たちにカッコよく稽古指導をしてたらしい。さすがだナベさん!ノマド、ナベさんにどこまでもついていけ!



●ノマドに対抗してボクもボカロを聴くか。

渋谷慶一郎+初音ミク

渋谷慶一郎+初音ミク「ATAK 020 THE END - EU EDITION」2013年
パリ・シャトレ座にて公演されたオペラ作品「THE END」歌手も演奏家も一切登場せず、ボーカロイドとエレクトロニカだけで演じられた世界初のボカロオペラ、という触れ込みなんだけど、うーん、オペラがよくわからないから実はあまりピンと来てません。アレア?レチタティーボ?
シリアスなエレクトロニカとしての作り込みは十分。ビートに重心がない場面ではフォークトロニカ風味でもあって。きめ細かい金属光沢がキラキラするような音像がマブしい。ただ、全編全体で初音ミクが大活躍するわけでなく、いつものミクちゃんみたいに過剰に詰め込まれたリリックを早口にまくしたてるような演出もないので、ミクちゃんファンには物足りないような気が…。少なくとも息子ノマドにとってはゼロ関心。ボクとしては、初音ミクは一旦忘れて、PENGUIN CAFE ORCHESTRA の質感に親しみを感じてしまってた…それじゃ80年代じゃん。
実体のない人造人間=初音ミクが、THE END = 死 を歌う、という筋立て…実際に渋谷慶一郎氏は愛妻を若くして亡くしているそうで。ボクの耳が老いたのか、ミクちゃんの歌う歌詞がうまく聴こえないので、メメントモリと向き合ったミクちゃんが一体ナニを見つけてナニを感じたのか、実はよくわからなかったというのが本音。



●動画…じゃないけど。
●「ARIA FOR DEATH」。






●諸般の事情があって、フジテレビの加藤綾子アナ AKA カトパンのファンになりそう。
●NHKでまた注目の番組が始まった。「ニッポン戦後サブカルチャー史」。ホストは宮沢章夫さん!
●最近、また TUMBLR 中毒がヒドくなってきた。


DVD「清瀬会議」

DVD「清瀬会議」

三谷幸喜作品、やっぱ楽しかった。柴田勝家、羽柴秀吉、丹羽長秀、前田利家、お市、黒田勘兵衛、堀久太郎、織田信忠・信雄・信孝、織田信包…。教科書や歴史小説で見てきた戦国武将の厳めしいイメージが、一流の役者たちの演技で、なんとも人間クサく、チャーミングに書き換えられる。戦う武将ではなく会議をする武将。その会議の前に根回しする武将。粋もあれば野暮もあり、小賢しさも愚かさも野望もある。同じ建物の中あの手この手で駆引きが行われる数日。織田信長というカリスマの下で共に戦った仲間が、この会議を境にライバルになる。皆がヒザを付き合わせて語り合うも最後。笑えて、セツナイ。
●ココにでてくる登場人物たちは、様々な作品の題材になってて本当に馴染み深い。石井あゆみのマンガ「信長協奏曲」では、信長勢力成長時代の家臣団として全員が若く描かれてる。宮下英樹「センゴク」は連載開始10年目で本能寺〜清洲会議も描き終わり、秀吉×勝家の戦いに突入しつつある。山田芳裕「へうげもの」では、織田信長に近い縁者として織田長益 aka 織田有楽斎が登場してる。「清洲会議」には登場しない人物だが、織田信長の弟でありながら自分の甥にあたる織田信忠・信雄に仕え、その後は秀吉、家康と時の権力者にピッタリと寄添ってる。「へうげもの」の主役・古田織部の友人ということもあり、ナカナカの達者な粋人として描かれてて興味深い。茶人として有名で、東京都千代田区有楽町という地名は彼の名前に由来しているとな。
●最終的に織田家当主となる少年・三法師の母親・松姫、彼女を剛力綾芽が演じてる。ショートヘアじゃない剛力って、つか超ロングヘアの剛力が、意外とシンプルな美人さんでビビった。そして秀吉の妻・寧を演じた中谷美紀。田舎クサいナマリを丸出しにして、部下の宴会を率先して盛り上げる様子がかわいらしい!素晴らしい身のこなしでクルクル踊って喝采を浴びてる!女性も見逃せないな。

●それと、「劇場版 SPEC 〜結〜/漸ノ編・爻ノ編」も見たんだけど…。コッチはちょいとね…。ドラマが好きだっただけに、風呂敷を広げ過ぎて収拾しきれなかったというか。



沖縄出身のダンナさんと意気投合!
●今、銀座コリドー街には、コインパーキングのあった空間を利用したバーベキュー場が出来てる。アウトドアグッズが全部ひとそろいあって、お客は自由に食べ物飲み物を持ち込んで…例えば銀座8丁目のハナマサで生肉たっぷり買ってきたりして、焼くなり飲むなりして楽しむことが出来る。もちろんお店で普通に注文も出来るらしい。
先週のウィークデイに、そんな場所でのバーベキューに誘われて。しかし最近仕事が全く片付かないボクは、集合時間から2時間ディレイの大遅刻、もう時間切れ「お客さんそろそろお会計を」みたいな状況から参加。アディショナルタイムの最後のワンプレイ程度の時間しかないから、余ってしまった肉を一気に全部テッパンにブチまけて、そのままトングで拾い上げて直接食ってた。ハシもないしコップもないから2リットルペットボトルを直でウーロン茶をあおったり。
そんなボクのブザマな様子を不憫と思ったのか、初対面の男性がセッセと肉を焼くのを手伝ってくれて。彼は丁寧にも塩コショウで味を整えてくれて、焼肉タレすらない状態のボクをフォローしてくれた。「どうぞサザエも余ってるんで、食べて下さい」サザエはトングじゃ食えないからツマヨウジを用意してくれた。サザエ、美味い!

そんな好青年は、最近結婚した知人女子が連れて来たダンナさんであった。
●おお!アナタがウワサの結婚相手!話では聞いてたけど、ナイスガイ。COLEMAN のロゴTシャツを着てる彼はこの手のアウトドア系はお手のモノらしく、料理の段取りも後片付けも非常に要領がイイ。ボクは…アウトドアも料理も無縁だからただ食うことしかできないけどね。ただ、ヒゲでメガネってポイントでは容姿がボクとソックリ。「初対面なのにオマエら兄弟みたい」と先輩がボクらをからかう。
●ただ、少しトークを交わしただけで、実は趣味も似通ってることが判明。ボクはその時、たまたま下北沢の個性派アパレル「CUNE」のシャツを着てたんだけど、コレにかれが食いつく。「CUNE、好きなんですか?オレも原宿店出来たときはオープン前に行列して記念のトートをゲットしましたよ」おまけに音楽も好きらしい。日本のロックバンドをイロイロ聞いてるみたい…バンド経験もあるのかな。

沖縄・那覇出身という彼に、ボクは沖縄で大好きなブランドの話をする。HABU BOX。
●彼が沖縄・那覇出身で、実家も国際通りのソバと知ると、4月に沖縄旅行したばかりのボクは沖縄トークで弾みまくる。沖縄独自のファストフードチェーン「A&W」(愛称はエンダー)に始まり、そこで飲み放題で売られてる珍味ドリンク・ルートビアのサロンパスみたいな味に盛り上がる。「ルートビアなんて家で作れますよ。コカコーラにガムシロとバニラエッセンス入れて、サロンパス巻くんです」やっぱりサロンパス出てくるんかい!
●で、ボクは思い入れタップリの沖縄オリジナルアパレル HABU BOX の話をした。もう十年前以上の沖縄旅行で偶然発見したお店。沖縄のアイデンティティをユーモアタップリに、そして時には風刺を込めてTシャツデザインに落し込んだセンスに感動。その時は、ハブの骨格をあしらったアロハシャツに、基地移転問題で話題になった大型アンテナ施設・通称「象の檻」をプリントしたTシャツを買ったっけ。
以来、沖縄に行けば必ずそのお店で買い物をしてくる。沖縄県内ではすでに30年以上の歴史があるブランドで現在は県内に4店舗も展開してるのだが、県外に経営を拡大するツモリは1ミリもない。Eコマースサイトも開いてるけど、店舗限定品の方が明らかにカッコいいので東京からではその本質がなかなか理解できない。しかし一方で、沖縄県人にとってはもはや空気のような存在になってるみたいで。だって 今年4月の旅行では、今まで直営店でしか買えなかったはずの HABU BOX ブランドが、首里城公園のおみやげショップや、ブセナテラスリゾートにも売ってたもんね。4月の旅行時も、国際通り店でシャツを数枚購入。ポロシャツ生地でかりゆしウェアを作った「ぽろゆし」などなどユニークなアイテムをゲットできて感動だった。
●ちなみに、こちら、HABU BOX 那覇店(国際通り)の店構え。

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●加えて嬉しかったのが、今回の買い物では、HABU BOX のグラフィックブックを買うことができたこと。
「HABU BOOKS - POETIC GRAPHICS GRAPHIC POETRY」
「HABU BOOKS - POETIC GRAPHICS & GRAPHIC POETRY」
●実は、オミヤゲ屋さんにまで品物を並べるようになった HABU BOX の今のデザインは、政治的メッセージの側面がかなり後退したのかな、と正直感じた。初めてこのブランドを発見した10年前はナニゲにドキツい表現にまで突っ込んでたのが、ボクにとってはスゴく刺激的だったので、この後退はちょっぴり寂しかったり。ただこの本には、ちょうどボクがこのブランドの存在を知った頃のデザイン画が収録されている。そうそう、こんな感じの HABU BOX にボクは惚れたのよ。

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「流れ星」2004年 / 戦場の土足。
●この2004年の8月に沖縄国際大学キャンパスに普天間基地所属の米軍ヘリが墜落事故を起こす。幸いにも死者は出なかったが、校舎のカベは真っ黒く焦げた。そんな事件に機敏に反応し HABU BOX はデザインに落す。

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「枠外」2005年/日本には、47種類の地図がある。
●テレビの天気予報でも、学校の日本地図でも、南に長い沖縄県を折り畳んで別枠にする表現はアリガチだ。ここにドコが中心でドコが周縁か、という無意識で無邪気な認識が普通にのさばっている。

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「眠る不発弾」2009年/人間は自分たちの不幸のためにも、ものをつくる。
2,500 TONS UNEXPLODED BOMBS SLEEPING 64 YEAR'S UNDER OKINAWA - 苛烈な沖縄地上戦が現在も生きていること、それをガジュマルの樹が優しく包んでいること。HABU BOX のデザインには風刺だけでなく、沖縄らしいユーモアと柔らかさが溶け込んでいる。

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「アメリカーのはたらくのりもの」2008年/戦車は戦で血を流し、オジーは畑で汗流す。
M1A1エイブラムズ ひっさつレッカウランダンでなにかからなにかをまもる - 劣化ウラン弾ね…。質量比重が大きく貫通力が強い劣化ウランは、砲弾だけでなく戦車の装甲素材にも使われている。M1A1劣化ウラン弾劣化ウラン装甲も装備できる戦車。沖縄に配備されてるかは知らないけど。普通に被爆を心配しなくちゃならない放射性物質が、砲弾や装甲に使われて、戦場にまき散らされるって不思議だわな。


●沖縄出身のダンナさんとは、音楽の話もしたわ。
●そんで、今はこのバンドの音楽を聴いてるって答えた。
グシャリと崩れた輪郭線が、凝り固まった心をほぐすロック。
SUNNY DAY REAL ESTATE。初期エモ。

SUNNY DAY REAL ESTATE「DIARY」

SUNNY DAY REAL ESTATE「DIARY」1994年
●ナニゲに20年前の音源なのでリアルタイムに聴いてたとは言えないが、ここ10年近くは愛聴してきたアメリカのロックバンド。ただ彼らの音楽を言葉で説明するのがスゴく難しくて。このブログに紹介しようと何度もトライしてきたけど頓挫してきた。
●でも、今なら書ける気がする。今のボクの状態なら。目下、健康がやたら不安定でいつ機能停止するかメチャ不安なのに、そんでデパスほか安定剤各種が絶賛増量中というのに、仕事が激増してパンク寸前まで追いつめられているというのに、その上で天然なのかイヤガラセなのか更に仕事をオッカブセようとしてる空気の読めない先輩の無邪気で無造作なフリコミに、ガリガリと神経を削られて、ムダなイライラを掻き立てられて。結果今ボクはボロボロに痛みながら猛烈にササクレだっている。
NIRVANAKURT KOBAIN が自殺した年に、同郷シアトルのバンドとして NIRVANA を輩出したレーベル SUB POP からこのファーストアルバムをリリース。やや殺伐とした空気を反映したのか、ボーカル JEREMY ENIGK の偉大なる個性なのか、なんだかヨレヨレヨタヨタしているのだ。ややヒシャゲた声で無理にシャウトする様子が少々ブザマ、しかもそれがギターやドラムの音に埋もれがちでよく聴こえない。パンクのように安易にビートを走らせないバンドなので、溜めたグルーヴや静謐なピアノイントロ、メリハリしっかりしたブレイク展開が多彩だが、それがなぜかグシャリとねじれ曲がっているかのように聴こえる。意図してるのか各パートの役割をシッカリ分化させた録音じゃないので、メリハリもメロディもパッと聴くとなんだかよくわからん。つまり、微妙に混乱している音楽なのだ。
●なのに、コレが今のボクにバキッとハマる。ムダな元気や陽気を押し付けてこないし、ネガティヴな感情の渦巻きをグズグズしたバンドサウンドが肯定してくれるような気分になる。そしてコレは10年聴いて耳が馴染みきった結果であるが、そのグズグズの中に猛々しく脈打つ熱情が籠っているコトもわかっている。同時代のオルタナティブロックと比較して、このバンドは圧倒的にメロディアスで、スグには伝わりヅライがその美メロは馴染むと実に心地よい。根性が萎える瞬間、苛立ちに身が燃える瞬間、悔しさで吐きそうになる瞬間、その負の感情を、不器用な腕でグイッと抱きしめてくれる。そんな安心感すら、この音源とボクの間には芽生えている。

SUNNY DAY REAL ESTATE「LP2」

SUNNY DAY REAL ESTATE「LP2」1995年
SUNNY DAY REAL ESTATE、を日本語に訳せば「おひさま不動産」とか「ポカポカ不動産」なんてコトになるだろう。しかし重ねて言うが、このバンドの音楽はグズッと形が崩れており、どうヒイキ目に見ても日本語訳みたいなカワイイ印象にはならない。カワイくないのになんでピンク一色ジャケなんて選ぶんだ?(結果、このアルバムは通称「THE PINK ALBUM」と呼ばれる)このセカンドはグズグズ度がファーストからより増幅したテンションで、彼らのキャリアの中でも地味度は高い。その地味を今のボクは全面的に愛せるけどね。バンドサウンドとボーカルの不器用さ、ぶっきらぼうさ、投げやりさが、イチイチにボクのネガティヴな感情にフィットし、バランスをとってくれる。
●彼らの音楽は、この後、エモという名前でカテゴライズされる。パンクというには繊細で、グランジというにはメロディやアレンジがクッキリしていて。SONIC YOUTH PAVEMENT、BACK らが実験的挑戦を繰り広げたり、KORN、LIMP BIZKIT、LINKIN PARK が新しいラウドロック表現を切り拓いたり、JON SPENCER BLUES EXPLOSION などがロックンロールへのルーツ回帰を目指したりと、シーンで目新しいアプローチが目立つ中、ウタゴコロやメロディをオーソドックスなバンドサウンドで紡ぐ彼らのような音楽は、ぶっちゃけ特徴がなんにも見当たらず、当時のボクの耳には保守反動のようにも思えた。ただ、彼らはその表現が圧倒的にエモーショナルだった。音楽的なギミックに依存せず、古典的手法で感情を迸らせる。このエモーショナルな表現が、エモと呼ばれるに至ったのだ。00年代にシーンの中心となるエモの中で彼らは先駆的存在として後にリスペクトを集める。ただ、後のエモと比較しても、圧倒的に彼らは非ポップで、洗練度が低く、グズグズしている。愛らしい意味でね。
●オマケに、このアルバムでバンドは一旦解散状態に陥る。このアルバム制作時には既に人間関係が崩壊してて、ベーシストとドラマーは、NIRVANADAVE GROHL が立ち上げたバンド FOO FIGHTERS に移籍する。まーソッチの方が売れそうだよね。DAVE GROHLNIRVANA にいたとは思えないほど陽性のグランジロックを骨太にブチ鳴らして一気に最前線へ復活したもんね。

SUNNY DAY REAL ESTATE「HOW IT FEELS TO BE SOMETHING ON」

SUNNY DAY REAL ESTATE「HOW IT FEELS TO BE SOMETHING ON」1998年
●えー、チョッピリのブランクを空けて、バンドは再結成しました。ベーシストは結局 FOO FIGHTERS から帰ってこなかったけど、他のメンバーは再結集&ベースは新メンバーで補充。サウンドも成熟しました…って言われてます。コーラス使いが洗練されて、頼りないグズグズのボーカルにちょっとしたメリハリが生まれている。バンドサウンドにも洗練と楽器の役割分化が発達してアレンジがキレイに整うようになった。ボクはそれでも一部で見える彼らのグズグズ具合をココでも楽しんでいるけど。ロートーンのメランコリーがより濃厚になったトコロも好き。再結成の前後で評価が割れても不思議じゃないかもね。
エモオルタナ/パンクの文脈から登場したこともあって、一番最初はエモコアと呼ばれてた時期もあった。メロコアとかスカコアみたいにパンクが分化していった時期にね。ただこの段階の SUNNY DAY REAL ESTATE はもはやパンクの影響下から完全離脱してしまっている。「コア」(=ハードコア?)の部分が全くない。エモが完全にエモになった時期がこのヘンなのだろうか。

SUNNY DAY REAL ESTATE「THE RISING TIDE」

SUNNY DAY REAL ESTATE「THE RISING TIDE」2000年
●このバンドのラストアルバム。そして、今の気分においてボクにとっての最高傑作。陰鬱なジャケと一曲目のタイトル「KILLED BY AN ANGEL」が象徴するように、アルバムのトーンはどこか重苦しい曇天モード。しかしながら、グズグズした手触り感を残しつつもバンドサウンドはシリアスな重厚さを手に入れてネクストレベルに昇格。いつしかボーカルスタイルはウラ声を駆使して優雅にメロディを描く可憐さを獲得している。ギターはブッキラボウなようで、実は見事にダイナミックで起伏豊か、そして饒舌。グズグズのザラツキはこのギターサウンドに起因しているが、ドラマチックな展開に契機を与えているのも、苛立ちや切なさの感情を具体的に体現しているのも全てこのギターの仕業。ここに手数の多いドラムが彩りを振りまきながらも、ジックリと溜めるグルーヴを着実にキープしている。そう、このバンドは成熟したのだ。
●ファーストから一枚づつ聴き進めてこの4枚目に到達する時、苦痛やネガティブな感情は、いつのまにか前向きな闘争心に入れ替わる。明日の理不尽や困難と戦う勇気を奮い立たせてくれる。初期エモ古典に位置づけられるこのバンドは、確かにそのエモーショナルな表現でボクの感情を揺さぶった。00年代に入るとエモはシーンの中核を担う主流派になるが、その時代を迎える前にこのバンドはシーンから退場。そしてそのまま伝説になる。エモ主流派の時代はポップで陽気な連中も登場するが、そんな時期には関与せずに彼らなりのシリアスさを貫き切った引き際の美学にも敬服。


●ちなみに、ボクの手元にあるファースト「DIARY」は。
●アメリカAmazonのマーケットプレイスで、2ドル+送料という激安価格で買ったのね。

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●そしたら、写真の通り。ケースが割れて外れちゃってる上に、ジャケが見えないくらいベタベタと大きなシールがビッチリ貼られてる。「NO LONGER THE PROPERTY OF THE SAINT LOUIS PUBLIC LIBRARY」とデカイ文字。どうやらセントルイスの公立図書館の所蔵品だったんだけど、廃棄処分にされちゃったみたいね。貸出し記録のデート印が無造作に上下関係なく押されてるけど、2006年から2009年の4年間で6回しか貸出されてない!誰も聴いてねえ!
でもボクは、数週間経て船便で届いたこのCDに、めっちゃ愛着を感じちゃってる。アメリカ・セントルイスの図書館から東京シモキタザワのボクのウチにはるばるやってきたコイツの余生、ボクがタップリ聴いて上げるよ、って思った。ベタベタのシールも割れたケースも、このCDの個性。このまんまにして、そのまま大切に保管してあげよう。



●動画。
●「SEVEN」。
●ファーストアルバム一曲目。この曲は普通に聴こえると思う。スゴく分かりやすい佳曲。折り目正しくエモイ。




●「TWO PROMISES」。
●サードアルバムから、メランコリー漂うメロディが印象的なこの曲を。




●「SNIBE」。
●ラストアルバム収録曲。サビの力強いコーラスが聴く者に力を与える。




先日。白人の若いお姉さんに英語で話しかけられた。
●泥酔して地下鉄の通路で寝てる学生を指差して「彼をどうにかすべきでは?」って言ってるみたい。うわ、ボク、こういうのワリと引くのよね。目と目が会っちゃって気さくに声かけられるのよね。でも終電間際だからカマってられないのよ。あ〜あ〜あ〜英語でこういう時どーしたらいいの?
●で、出て来た言葉が「ノープロブレム!」キャリーバッグを引いてるお姉さんは日本についたばかりの旅行者のようで、日本のスタンダードがわかんないようです…ほっといても問題ないんですよたぶん。お姉さん「WHY? LEAVE HIM HERE?」あーあーなんて言えば納得してくれるかなー?ボク「ステーションクローズスーン。ステーションスタッフイズカミングヒア。ノープロブレム。」駅員さんに任せましょう。とにかくボク終電が気になってるんです。「ラストトレイン!アーユーオーライ?」おー!お姉さんそこでビックリしてあわててキップ売場に走っていった。で、ボクもホームに走っていった。…結局、途中の乗り換え駅で見事電車はなくなった。はー。
●そんなのが先週あったのに、明後日仕事でイギリスからお客さんを迎える。通訳係がいてくれるとは聞いてるけど、なんにもお話できないのは悔しいなあ。英語、出来るようになれたらいいなあ。




●ここのところ、体調が厳しい。仕事も厳しい。
●そんな時に、耳に注ぎ込んでたロック。

WEEZER「PINKERTON」

WEEZER「PINKERTON」1996年
●ジャケは安藤広重。英語のクレジットを見ると "KAMBARA : NIGHT SNOW” って書いてある。マンチェスター大学のギャラリーの収蔵品らしいよ。真っ暗闇の雪。一日中オフィスから出ないで、地下鉄で家路について、暗い夜道、マブしいコンビニを眺めながら歩いて帰るボクの生活みたいな風景だ。背中丸めてトボトボ歩く人物たちと、ボクはそんなに変わらない生き物だ。
●とはいえ、このロックアルバムは、静謐な夜とはウラハラに、ガリガリとギターが唸るパワーポップ。やや健康が不安定で弱っている最近のボクを、なんとか支えてくれた音楽。終電が気になる時刻にオフィスを出て地下鉄に乗ったらイヤホンを耳にブチ込み、このバンドのギターサウンドを脳ミソに注ぎ込む。一旦忘れたい、ちょいと目の前の心配事を忘れて明日に持ち越したい、電車の中くらいは仕事のコトを忘れたい、そんな時、ワリと無造作に録られたガレージテイストが、凝り固まった脳ミソと眼精疲労を少し揉み解してくれる。

WEEZER はアメリカのロックバンド。RIVERS CUOMO というオタクっぽいシンガーソングライターが中心になって、90年代のオルタナティブロックのシーンに突然現れた連中。ファーストアルバム「WEEZER」1994年には見事にうだつの上がらない風体が晒されてて、その存在感でモノの見事にロックスター幻想を脱臼させてくれた。なんら特別なオーラを持たない田舎のニイちゃんでも、なんだか有名になれるらしいってのは、実は都合のイイ夢想で、結果ただのメガネ学生だったボクに根拠のない自信をくれた…もしかしたらヒトカドの人物になれるかもしれない可能性は、ボクにだってチョッピリはあるかも?まーそいつはホントに夢想でしかなかったわけだけど。
WEEZER「WEEZER」1994年のジャケはこんな感じね。左から2人目のチビが RIVERS CUOMO ね。

WEEZER「WEEZER」

●1994年にアメリカ旅行した時に、彼らの音楽がMTVで激押しされてたのですよ。「BUDDY HOLLY」という曲。文字通りに50年代のロックンロールをパロディしたかのような、メロディのクッキリした楽曲とソリッドなギター、そんでレトロ風味なプロモビデオ。洗脳寸前までヘビロテされてたので買ってしまった。

●ただ、最近聴いているセカンドアルバム「PINKERTON」は、あれから20年たった今、初めて聴いてる。20年前には WEEZER そのものには関心を持続させられなかったんだよ、だってチビじゃん。でも、今は…安藤広重に引き寄せられたのかな。そんでセルフプロデュースで収録されたザックリなガレージ風味に、肩の力が抜けたラフさ加減を感じて安心したのかな。歌詞の意味もよくわからずフラフラ聴きまくった。決して耳に優しくないよ、結構ラウドだから。でもヒネクレテナイから、何回も聴ける。そんで、ちょっとでも元気をもらう。
●この記事を書こうと思って、歌詞を読んでみたら、へんな感じのウタが多かったのね。一曲目「TIRED OF SEX」で毎日いろいろな女の子とセックスして飽き飽きしてるとうそぶく内容から始まって、あの手この手で無理メな女の子にデカイ音でラブコールを叫んでるようなウタが続く。「ACROSS THE SEA」というウタは、日本人の女の子からのファンレターをもらって海の向こうの彼女へ思いを馳せてる。日本人のハーフの子に翻弄されてるウタもあるなあ、GREEN DAY のライブに誘って「それってどんだけクールなわけ?」とフラレちゃう。ああ、このチビにますますの愛着を感じる。

●ファーストは大ヒットしたのに、この「PINKERTON」は結局50万枚程度の凡打で終わる。
●失意の CUOMO ハーバード大学に進学する(頭イイ!)も、ベースの MATT SHARP というヤツ(「WEEZER」ジャケの右から二番目ね)が自分のバンド THE RENTALS(このバンドもとっても90年代的でよいよ!)の活動に専念するためバンドを去るとベッコリ凹んでバンドは休止状態へ。おまけに大学ライフでは恋人ゼロ&友達ゼロのコミュ障状態をコジラセてさらに人生がグダグダ。ああ、このへんのダメさ加減が、なぜかボクを安心させる。ダメ人間がダメ人間を吸い付けるような「同類相哀れむ」的な奇妙な引力を感じる。WEEZER が次のアルバムをリリースするのは5年のブランクを空けて、CUOMO が大学を中退した後の2001年。その後のお話は、また別の機会に。


●動画。
●「BUDDY HOLLY」。
●狙いでレトロだけど狙い通り過ぎて恐ろしくダサダサ。これを見て20年前のボクはCD買いました。WINDOWS 95 にこの曲のプロモビデオが付録についてたってのは、ウィキで初めて知った!




●「EL SCORCHO」。
●時代で言えば、BECK の登場と時期と感覚が近いのかな。脱力気味のテンポ感が独特でマヌケ。




●「ACROSS THE SEA」。
●プロモがないなあ。だからこの手話でこの曲のリリックを伝えようとしてるぽっちゃり姉さんの動画を選んだ。ある意味で WEEZER にピッタリだ。センチメンタルでそしてちょっとトホホだ。





●先週今週だけで六本木ヒルズに3回も来たぞ。来週も行くし。
●もちろん全部仕事。でも、未来のネコ型ロボットが大量陳列されてて、なんかめっちゃテンション上がる。

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だいぶ健康を取り戻したぞ!
●一時はマジヤバいかと思った。が、今週アレコレのクソめんどくさい仕事をなんとかこなして、上司や先輩後輩に励まされたりして、懐かしい仲間に会ったりして、初めて仕事するパートナーとのツッケンドンな関係がうっすら信頼に変わったりして、ヨガでカラダをキチンと調整して、漢方薬めいっぱい飲んだら、持ち直した!

ヨガ教室のあと、8月の日差しの下、自転車で渋谷までサイクリング。
●代々木上原、代々木八幡の商店街をゆっくり走りながら、NHK放送センターの裏手・神山町へ。お気に入りのつけめん屋さん「ちっちょ」でホルモンつけめんを食べた。うーん、美味しいなあ。
●その後、やはりお気に入りのカフェ、FULGEN TOKYO で休憩。ここでPC開いて FACEBOOK でチェックインしたら、お友達からおすすめコーヒーの情報がコメントで入ってきた。エアロプレスって方法で豆を絞るやり方がナイスらしいとな。店員さんにメニュー見せてもらって、おすすめのエチオピアの銘柄を選んでみた。そしたら、美味しい!コーヒーというか、もっと薄口で紅茶みたい。ハーブティのような香りがする。ふー。リラックスだわー。


フィリーソウルな気分だよ!

JEAN CARN「WHEN IN FIND YOU LOVE : SWEET AND WONDERFUL」

JEAN CARN「WHEN IN FIND YOU LOVE / SWEET AND WONDERFUL」1979/1981年
●義弟 KEN5 くんからまたCDのお裾分けをもらったよ。最近はめっきり直接顔を合わせる機会がないんだけど、それでも彼はボクの妹や両親経由でCDを渡してくれる。今回もこれまたシブい物件で実にウレシイ。ズバリ、フィリーソウル=フィラデルフィアソウルだよ。ジャケの左下に「...FROM THE CITY OF BROTHERLY LOVE」って書いてある。フィラデルフィアという地名はギリシャ語の「兄弟愛」に由来してるからね。そんで、その下にある紫色のマーク。これが PHILADEIPHIA INTERNATIONAL RECORDS のレーベルマークだ。もう純血種のフィリーソウルってことが一目瞭然!JEAN CARN というシンガーは完全に初耳なんだけど、もうこのマークひとつで期待値上がっちゃうね。

JEAN CARN という歌姫。
優雅なストリングスアレンジと、ゆったりとグルーヴするディスコサウンドの上にノビノビと歌唱する彼女の声は可憐だ。典型的なフィリーソウル。5オクターブと言われるレンジを存分に使って、洗練された音楽を鳴らしている。ジックリと溜めるバラードもジャジーでスムース、彼女のボーカルは上質のテンションを維持して緊張感を切らさない。耳に優しいし、心に優しい。うわーまたいいものを教えてもらったよ。
●ウィキで調べると、彼女のダンナさんは DOUG CARN!彼は70年代に活躍するジャズピアニストで BLACK JAZZ RECORDS というインディレーベルを立ち上げた人物。黒人資本だけでレーベルを立ち上げるのが非常に困難な時代に、それに敢えて挑んだ傑物だ。まだこのブログに紹介していなかったけど、彼のレコードの再発や、BLACK JAZZ 関連のコンピは買い集めてる。おお、なんともいえない奇縁。彼女の初期キャリアは夫である DOUG のプレイにボーカリストとして参加するものだった。
●このCDは、JEAN CARN がフィリーソウルの名門レーベル PHILADELPHIA INTERNATIONAL RECORDS に残した代表作の2枚のLPを1枚にまとめたもの。この2枚の後は MOTOWN などなどに移籍して80年代ソウルのシンガーとして活躍。特にイギリスで人気を博したようだ。


THIS IS PHILADELPHIA SOUL

「THIS IS PHILADELPHIA SOUL」1972〜1974年
●そもそもで、フィリーソウル/PHILADELPHIA INTERNATIONAL RECORDS が一体どんな代物なのか、整理しておこう。60年代はデトロイトを拠点とした MOTOWN RECORDS がバブルガムな魅力に溢れるR&Bを大量生産し、白人も黒人も巻き込んでヒットチャートを賑わせていた。ただしこれが70年代に入ると、より洗練された表現を追求する動きが現れる。その一端がフィリーソウル。このフィラデルフィア出身のソングライター/プロデューサー KENNETH GAMBLE とその相棒 LEON HUFF がチームを結成、GAMBLE & HUFF として知られるコトになるこのコンビは1971年にレーベル PHILADELPHIA INTERNATIONAL を立ち上げる。またサウンド面においては、この街のスタジオ SIGMA SOUND STUDIOS が拠点となり、多くの優れたミュージシャンが集結。彼らの洗練されたアレンジセンスとグルーヴ感覚は「ディスコ」という新しいダンスミュージックを発明することになる。でも、フィリー=ディスコとは言えない。フィリーの洗練美はスローでもアップでも多彩に機能する。ただ、フィリーのマイルドなダンス感覚は、別の文脈から発達したファンク・ミュージックとは異質のグルーヴを生み出し、結果、ファンクの収穫を取り込んでディスコへと昇華させる作用を果たす。

●これはそんな PHILADELPHIA INTERNATIONAL の音源を2枚のLPレコードにコンパイルしたモノ。1975年ごろに日本のCBSソニーからリリースされたみたいで内ジャケには「これがフィラデルフィア・ソウル」と題された日本語の解説が入ってる。先日紹介した JACO PASTORIUS の音源と同じように新橋駅前SL広場の古本市で見つけた。400円だったね。もうね、有名曲がいっぱい入ってます。
●一曲目の MFSB「TSOP」は邦題「ソウルトレインのテーマ」。あの有名なテレビ番組「SOUL TRAIN」主題歌はアラフォー以上なら絶対耳に染み込んでいるはずのビッグアンセム。華麗なストリングスで包まれた優雅なダンスビートは、ディスコとはナニか?を見事に体現している。曲名は「THE SOUND OF PHILADELPHIA」の略で、同時にフィリーソウルがナニか?も象徴。ユニット名 MFSB は、MOTHER, FATHER, SISTER, BROTHER の略。フィリーソウルの居城 SIGMA SOUND STUDIOS のハコバンドで、フィリー系アーティストのバックトラックのほどんどを彼らが手掛けている。コーラスは女性トリオ THREE DEGREES。彼女たちは日本でライブ盤を収録したことがあるほどの親日派だったようなイメージが。
THE O'JAYS もイッパイ収録されてる。ディスコファンク「BACK STABBERS」(邦題:裏切り者のテーマ)はじめたくさんあるなかで、個人的には一番思い出深いのは「SHIP AHOY」(邦題:暁光の船出)。90年代育ちのボクとしては、アシッドジャズ時代にこの曲を MARXMAN というUKヒップホップな連中がサンプルしてて。奴隷制度/人種差別を重厚なファンクで糾弾する内容がタフ。70年代は、音楽の洗練進化だけじゃなく、R&B/ソウルが社会的メッセージにより深く強く言及するようになるのよね。そもそもソウルという呼称が一般化するのも70年代だし。
●そして BILLY PAUL「ME AND MRS. JONES」で有名なシンガーだけど、ここでは SIMON & GARFUNKEL「MRS. ROBINSON」 ELTON JOHN「YOUR SONG」の軽快なカバーが気分。フィリーソウルの登場〜ディスコサウンドの確立で黒人音楽と白人リスナーの距離はグッと縮まったとボクは思ってます。
●他にも HAROLD MELVIN & THE BLUE NOTES、FORCE OF NATURE、THE INTRUDERS、EBONYS などが収録されてる。FORCE OF NATURE ってグループはココでの初耳グループだった。ここはもっと掘り下げたいかも。


●ちなみに、フィラデルフィアについてもうちょいウンチクを。
ここはアメリカの歴史の中でも最も古い街の一つ。アメリカ大陸への移民時代1685年に建設された。ウィリアム・ペンという人物に率いられたクエーカー教徒というプロテスタントの一派が開いた土地で、このペンさんという人物の名前がペンシルベニア州「ペンの森」の意)という名前にバッチリ残っちゃってるほどだ。この時代のヨーロッパはカトリックVSプロテスタントの宗教戦争が激しくて、信教の自由を求めて新大陸に移民するという動機付けが大きく作用してた。だから「兄弟愛」なんて仰々しい名前がついているんだね。その後もペンシルベニア州は信教の自由に強くこだわる土地となり、様々な宗派の信仰を認め、結果として現在も実にリベラルな気風を備えている。で、独立戦争ではアメリカ大陸軍の拠点になり、独立宣言、第一回大陸会議の舞台にもなった。今のフィラデルフィアは、人口の40%を黒人さんが占める。豊かな黒人文化を今も発信している。
●アメリカの歴史、成り立ちを、もっと細かく勉強したいね。



●動画。
●JEAN CARN「WAS THAT ALL IT WAS」。
●1979年と、ディスコの様式がカッチリした時期だけど、フィリーらしい優雅なアレンジとノビノビとした JEAN の自由なボーカルが華麗でタマラン。




●MFSB feat. THREE DEGREES「TSOP」。
●1974年。この曲でフィリーソウルは全国区/全世界の認知を集める。動画の中のダンサーたちも楽しそう!