●ただいま、春休みで、海外旅行に出てます。
●この年度末のクソ忙しい時期に、かなり無理矢理なネジコミ方して、職場にはちと迷惑だったかも。
●でも、しょうがない。コドモたちの春休みに合わせると、ここしかなかったんだもの。

●で、現在、どこにボクいるか?というと。
●モロッコです。北アフリカにあるイスラム王国の、モロッコです。
●モロッコの世界遺産都市、フェズです。

●つーか、見るもの全てがもうスゴすぎて、言葉も整理出来ない。
●それと、ゴハンが美味しい!美味しすぎて、すごく太ってしまいそう。
●帰国したら、徐々に旅行報告をこのブログに上げていこうと思います。今週いっぱいは、まずはこの国を満喫!






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●ヒヨコは、塾の仲間たちと、卒業旅行的な意味でディズニーランド一泊旅行。
●ノマドは、ベッドの上に引きこもってラノベの古典「鈴宮ハルヒ」シリーズ読み始めた。


ぼくは、最近もイスラム教文化の本を読んでるんだけど。
とにかくテーマがデカすぎて、とても手に負えない。
●ただ一つ、最近知ったこと。tumblr や twitter でタグ「#hijab」を検索すると、ムスリム女性の装束「ヒジャブ」をまとった女性の自撮り写真やファッションフォトがいっぱい出てくる。イスラム世界の女性観もデカすぎるテーマなのだけど、ここにはヒジャブの保守的なイメージを覆す、オシャレを楽しむ現代女性の生き生きとした生活がいっぱいあって。オチャメなティーンの女の子は、国境や宗教に関係なく全世界共通だ。

●拝借した写真は、カナダに住むイエメン系ムスリム少女ファティマちゃん16歳。
●彼女が好きだとあげてるドラマ番組は、ボクがHuluで見てる海外ドラマとダブってる。意外と話が合うかも。

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http://stilsane.tumblr.com/post/114094770663/pretty-in-pink


●Huluは相変わらずたくさん見まくってるなあ。
●でも、最初の2〜3話だけしかチェックできないのがほとんど。次から次へと面白そうなのでてくるんだもん。

●最近、おおお、と思ったのは…。

「プリズナーズ・オブ・ウォー」
●これ、イスラエルの連ドラ。言葉はヘブライ語。出てくる文字はアルファベットでもないから全然読めないよ。HULU はイスラエルからもコンテンツ輸入してんのかよスゲエな。で、これがすごくタフなストーリーで。テロリストに拉致されたイスラエル兵士が十数年ぶりに人質交換で、故国に、家族の元に帰る。本人と家族の間の戸惑い…もう死んだも同然と思ってた夫が帰ってきても、もう彼不在の別の生活(別の伴侶)があって…。
●その一方で、イスラエル軍当局は、この帰還兵が敵のスパイになっているかと疑いをかける。執拗な尋問。管理施設に入れての24時間監視。しかし、彼ら帰還兵の中にも確かに何かの秘密があるようで…。北朝鮮からの拉致被害者帰還の時も、きっと大変だったんだろうなーと、初めて想像することができた。ISISの人質交換要求やその人質殺害がリアルになっている今、奇妙なリアリティを感じてしまう。イスラエルの人々の普通の市民生活ってのも、実は新鮮。ガサに無差別爆撃してるイメージしかないからね。
●この作品はアメリカで「ホームランド」というタイトルでリメイクされてる。そっちは2話くらい見たけど全然面白くなかった。

「ハート・ロッカー」
●これはイラク戦争を題材とした、アメリカ軍の爆弾処理班の物語。イラクの戦場、自爆テロの恐怖。乱暴な軍隊生活。この映画はどこかの映画賞などなどをたくさん受賞していたはずだけど、アメリカ軍兵士は、結局地元の人とは交わらないんだね…という印象が残った。アメリカ兵にも使命感と覚悟があって危険な場所で危険な任務につく。でも、そこで暮らす人々がナニを大事にしてナニを幸せだと思っているのか、実は不勉強のままに、無関心のままに突っ込んでいく。そこが悲しいね。

「12モンキーズ」
あのテリー・ギリアム監督、ブルース・ウィルス/ブラッド・ピット出演の傑作が連続ドラマとして復活。あの映画は1995年だから、20年ぶりの復活だね。でも陰謀がディープすぎてよくわからん。

「UTOPIA - ユートビア」
イギリス製のクールな描写がたまらんSF的陰謀サスペンス。カルトコミック「ユートピア」に知られざる続編がある?ネットのチャットで知り合った男女たちが、その原画を入手したという仲間に会おうとオフで集合しようとするも、その原画に関わろうとするものには冷酷な暗殺者が追ってくる。そこに現れるのは謎の女性ジェシカ。その原画には、巨大バイオ産業の国家的陰謀が絡んでいるとな…。この手のドラマって陰謀がディープすぎて、しかも解決しないパターンがあるから怖い。「12モンキーズ」もバイオ産業が絡んでたよね…。

「ハンニバル」
「羊たちの沈黙」で天才猟奇殺人鬼として登場したキャラクター、精神科医ハンニバル・レクターを中心としたサイコサスペンス。ハンニバル役のポーカーフェイスがヤバイ。どんな所作でも静かな狂気が宿って見える。「ハンニバル」シリーズって、何度も何度もサイドストーリー的に映画化されてるのは、このあと知ったわ。でも、今のところこれが一番面白い。

「THE TUDERS 背徳の王冠」
イギリス16世紀チューダー朝国王ヘンリー8世を主役に据えた、ビッグな歴史大河ドラマ。衣装から舞台セットからゴージャスすぎてたまらん。ヘンリー8世は、ローマカトリックから離反して英国国教会を起こす歴史の教科書の有名人。その一方で、6回も結婚を繰り返した好色な王でもあって。つか、離婚を認めないカトリックが不都合だから離反しちゃったんだけど。だから、この大河ドラマ、昼ドラもビックリの女性とのメロメロドロドロがすごい。とりあえず、最初の離婚のきっかけを作るアン・ブーリンという女性を演じる女優さん(ナタリー・ドーマーさんというらしい)の個性的な演技、したたかさ、狡猾ぶり、嫉妬深さ、そして王をも惑わす妖艶さにボクもメロメロ。決して美人さんじゃないのに、引き込まれてく。こんな女性に狙われたら普通の男は身ぐるみ剥がされるね。

「寄生獣 セイの格率」
●これは最終回まで全部見た。意外とサッパリ終わってしまった…原作「寄生獣」もこんなエンディングだったっけ?「寄生獣」も原作マンガは1989〜1995年の連載で読んでたからね…もう忘れちゃったよ。「格率」という熟語が見慣れない、と思って検索したらカントの用いた哲学用語なのね。

「進撃の巨人」
●こっちは HULU で配信されてないから、スマホ動画サービス「UULA」で最終回まで見たよ。マンガでどんどん奥行きが深くなってる最中だから、アニメは復習気分だったな。「UULA」は契約関係上ボクのスマホでしか見られなかったから、ボク&ノマド&ヒヨコ3人でおでこくっつける勢いで一つのスマホを覗き込んでた。やっぱ、家族みんなでスマホ動画視聴には無理がある。あ、HULU は CHROMECAST を買ってからはテレビで見てるよ。快適。

「となりの関くん」
ノマドが学校の部室で原作マンガ読んで、見たくなっちゃったショートアニメ。授業中、誰にも知られず奇行に走る隣席の関くんに、翻弄されまくる女子・横井さん。バカなことばかりして授業を無視するダメ男子に、しなくてもいい心配をして一人ジタバタしてるお人好しの女の子。その二人だけで完結してるお話。横井さんみたいな、地味だけど周囲に気を配れる女性が、ホントはどんな美人なんかよりも価値があるってことを作者は訴えたいんだろけど、その一方で横井さんワリとバスト周りがグラマーであるという設定が、男は煩悩をやっぱり捨てきれないという証拠にもなってる。第13話「プール」では横井さんのスク水姿が見られます。


CHRISTINA AGUILERA + CHER、新旧ディーバの共演!

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「バーレスク」
●ロサンゼルスのサンセットブルーバードにあるクラブ・バーレスク。夜な夜な華麗なダンスショーを繰り広げるこのナイトクラブは経営難に陥っていた。クラブの女主人は、60年来から現役を続ける魔性のシンガー CHER。そんなクラブの危機を救う田舎娘が CHRISTINA AGUILERA。意外なほど AGUILERA が歌だダンスだで大活躍するのですよ。ストーリーうんぬんよりも、アイドルシンガーだと見くびっていた AGUILERA のパフォーマンスに目を奪われるのでした。一方、CHER もいいところで熱唱ぶちかまします。つーか、この人、貫禄がありすぎて魔女みたい…。この映画の撮影時で60歳オーバーなはずなのに。

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(貫禄の CHER。)


今日の音楽は CHRISTINA AGUIRELA と CHER を中心に。

CHRISTINA AGUILERA「BACK TO BASICS」

CHRISTINA AGUILERA「BACK TO BASICS」2006年
●映画「バーレスク」の公開は2010年なのだが、それ以前から彼女の中にはアメリカの伝統的大衆音楽全体への興味関心が広がっていたことがわかる2CDアルバム。ハッキリいって彼女の見方が映画「バーレスク」とこの作品でガラリと変わった。
●ローティーンの頃から子役活動してて1999年の19歳でデビューした彼女のイメージは、ボクの中でやっぱり完全アイドルシンガー。ちょうど BRITNEY SPEARS や沢山のボーイズグループが登場してくる時期で、アメリカのメジャーなポップスが保守化していくのを感じてた…2001年のテロ直後はホントにそんな感じだったよ…反戦歌が放送禁止になるとか、そんな雰囲気だったもん。現在のアイドルアイコンと比較すると分かりやすい。LADY GAGA のセンセーショナルな登場とは違うでしょ。もっとカワイイぶりっ子でしょ。
●とはいいながら、このアルバムは結構すごく作り込んでありますよ。華奢な体からよくぞこんなパワフルな声が出るかと思うような、ボーカルパフォーマンスの力強さは中途半端なソウルシンガーを凌駕する。その素材を前提としてうまく料理する一流プロデューサーたちの顔ぶれもすごい。まず意外なところで DJ PREMIER。彼のピークは10年前の1996年頃のような気がするが、そこから見事にアップデート、洗練されたヒップホップソウルのトラックを複数提供している。そして MARK RONSONAMY WINEHOUSE などを手がけて一躍トッププロデューサーになった彼の、博覧強記な音楽ボキャブラリーがモダンなR&Bからアーバンソウルまでを幅広くカバー。R&Bではお馴染みの RICH HARRISON も参加してる。
●この段階で、濃厚なソウルテイストが既にギッシリなのだが、真の注目はディスク2だ。なんとスタジオライブレコーディングで、1920〜1930年代ジャズエイジの雰囲気を再現しようとトライしたのだ。タッグを組んだのは、4 NON BLONDES というバンドで活躍した女性シンガーソングライターで、辣腕プロデューサーでもある LINDA PERRY。この女性に関しては JAMES BLUNT のことを書いた記事でも触れたが、CELINE DION、ALICIA KEYS、GWEN STEFANI などなど、この時期のポップアクトを片っ端から手がけてヒットさせてる。で、この音源がまさしく「バーレスク」でキャバレーな世界観を彷彿とさせる内容で。一時期はマリリンモンローなファッションにハマった AGUILERA だけあって、古き良きアメリカンエンターテインメントは憧れの対象。少々爛れた雰囲気も良し。わざわざドイツ製のビンテージマイクまで用意してのコダワリっぷり。フォーキーなカントリーもやってるよ。芸の幅が広い。アイドルから主張あるアーティストへブレイクスルーしていく瞬間。

CHRISTINA AGUILERA「KEEPS GETTIN BETTER - A DECADE OF HITS」

CHRISTINA AGUILERA「KEEPS GETTIN' BETTER - A DECADE OF HITS」1999〜2008年
●デビュー10年というキッカケでリリースしたベスト盤、といいながら、正規の英語版オリジナルアルバムはこの時点で3枚しか出してないのよね。彼女はスパニッシュ(エクアドル系の父親とアイルランド系の母親…お母さんはスペイン語教師だったとな)だからスパニッシュアルバムはもうちょっと出してるけど。
●注目、というか懐かしいなとおもったのは「LADY MARMALADE」かな。ボーカルグループ LABELLE の60年代ソウルナンバーを、LIL KIM、MYA、P!NK と共演。これも映画「ムーランルージュ」2001年で有名になった曲だね。この曲でボクは AGUILERA のことをキチンと知るのだけど、もうこの時代からキャバレー・カルチャーに彼女は縁ができてたってわけだね。この時は完全なヒップホップソウルでプロデューサーは ROCKWILDER MESSY ELLIOTT
●そしてもう一曲が「BEAUTIFUL」。ボクがこの曲を知ったのは、ドラマ「GLEE」でカバーされてたのがキッカケ。社会的マイノリティを勇気づける内容がドラマのプロットとピッタリで感動的だった。彼女はゲイカルチャーに開明的なことでも知られている。クレジット見たら、この「BEAUTIFUL」 LINDA PERRY との仕事だったわ。つか、ライター自身が LINDA だわ。「YOU ARE BEAUTIFUL NO MATTER WHAT THEY SAY. WORDS CAN'T BRING YOU DOWN. … 誰が何を言おうとあなたは美しい 言葉じゃあなたを打ちのめすことはできない」

CHER「THE GREATEST HITS」

CHER「THE GREATEST HITS」1965〜1999年
同じベスト盤と言っても、AGUILERA とは芸歴が違う。AGUILERA がデビューする以前だけで35年ものキャリアがある。とはいえ均等にキャリアの全時代を網羅できるわけでもない。選曲は80年代末から90年代のモノがメイン、終盤ちょっぴり60年代の SONNY & CHER 名義のヒット曲が入ってる。
●これを買ったのはこのベストが出た頃にブレイクしてたハウスチューン「BELIEVE」が聴きたかったから。オートチューンを駆使した当時最新型のフィルターハウスで、ヨーロッパのクラブ/トランスシーンで大ヒットしてた。CHER 本人にとっても久々の超特大ヒットで、過去の人物として忘れられそうになってた立場からの大逆転を果たした傑作だ。これは間違いない。1999〜2000年頃のトランス系パーティ(今は亡き六本木ヴェルファーレ!)によく行ってたボクにとっては思い出深い曲。一方、それまでの彼女は、正直ロートル歌手でしかなくて、他の楽曲にあまり魅力はない。普通のポップスだなあ。
●しかし、完全に年齢不詳の魔女みたいな存在だなあ。一体いくつなんだろ?と調べたら今年で68歳!映画「バーレスク」の段階で63歳だったわけ。まじ!ぼく写真貼ったけどこれ63歳に見える?スゲエなあ。そもそも容姿も特別だよね。いったいどういうルーツだろう?と思って検索。お父さんはアルメニア系の人、そしてお母さんはネイティブアメリカン(チェロキー族)&ヨーロッパ系(アイルランド系ドイツ系などなど)とのこと。なんか謎めいた人だわ。

CHER「3614 JACKSON HIGHWAY」

CHER「3614 JACKSON HIGHWAY」1969年
●この人のキャリア初期音源。チェロキーの謎めいた存在感は60年代のフラワームーブメントの中でも非常に効果的だったようで。奇才プロデューサー PHIL SPECTOR の元で働いていた SONNY BONO とハリウッドで知り合ったのが16歳の時。11歳も年上の彼と結婚したのが18歳、その翌年には夫婦デュオ SONNY & CHER としてたちまちブレイク。ミリオンヒット「I GOT YOU BABE」は PHIL SPECTOR 制作のサイケ風味 R&B。
●そんな彼女は、同時並行でソロ活動も開始。1969年の今作にてすでに6枚目のソロアルバム。サザンソウルの名門スタジオ MUSCLE SHOALS SOUND STUDIO で収録した野心作。アルバムタイトルも、アラバマ州シェフィールドにあるこのスタジオの住所。ジャケ写もスタジオ外での記念写真。このスタジオからは WILSON PICKET、ARETHA FRANKLIN、THE STAPLE SINGERS などの古典ソウルが数々収録され、その後はその高名からロックアクトも数多くやってくるようになる。THE ROLLING STONES、TRAFFIC、ELTON JOHN などなど。
●で、ここで彼女はアーシーなロックを渋く歌ってる。カバーがメインなんだよね。BUFFALO SPRINGFIELD「FOR WHAT IT'S WORTH」とか。OTIS REDDING「THE DOCK OF THE BAY」とか。BOB DYLAN のアルバム「NASHVILLE SKYLINE」から3曲も選んでたり。DR. JOHNスワンプロック「I WALK ON GUIDED SPLINTERS」が濃くてかっこいいね。
●ちなみに、1975年に SONNY & CHER は離婚して解散CHER はソロキャリアを積み上げていくが、この時期の活躍で1度目のピークを迎えた後に再び復活するのは、70年代末〜80年代アタマのディスコ時代だとな。そんでその次のピークが前述のハウスチューン「BELIEVE」のヒット。80年代以降は映画女優としてもコンスタントに活動。
●で、別れた旦那 SONNY BONO の方は、ショービジネスから足を洗って地方政治家になっとった!1988年からパームスプリングスの市長を務め、任期の後は市会議員を死ぬまで続けてた。彼が亡くなったのは奇しくも「BELIEVE」がブレイクしつつある1998年。スキーで木に激突してしまったそうな。

BRITNEY SPEARS「THE GREATEST HITS MY PREROGATIVE」

BRITNEY SPEARS「THE GREATEST HITS : MY PREROGATIVE」1999〜2004年
●ここで AGUILERA ちゃんと、ほぼ同期生のみなさんにもご登場を。1999年デビューってことは、AGUILERA と完全同期、しかも二人ともディズニーの子供向けバラエティ番組「MICKEY MOUSE CLUB」に出演してた子役として同時期に所属してた仲間。後述する JUSTIN TIMBERLAKE も番組メイトだったとな。みんな友達じゃん!
●でも、デビュー当時は BRITNEY の方がブレイクしまくってたよなー。「BABY ONE MORE TIME」の、今思えば AKB48 的とも解釈できる、ヘソ出しプレッピー制服ファッションは鮮烈だったわ。ファーストである同名アルバムもセカンドの「OOOPS!...I DID IT AGAIN」2000年もバカ売れ…当時リアルタイムでボク買ってるし。でも全然オモシロくなかった。かわいいアイドルちゃんでしかなかったからね。
●ただ次の「IN THE ZONE」ではブッチギリのイメージチェンジであけすけなセクシー路線に変更。エキセントリックなトラックを大々的に導入した「TOXIC」「I'M SLAVE 4 U」がクールで。このへんでは THE NEPTUNES(PHARRELL WILLIAMS)とのコラボも目立ってる。ボクとしてはこのへんは今でも大好物。R. KELLY 提供の「OUTAGEOUS」も好物。MADONNA とのコラボ曲「ME AGAINST MUSIC」もいいよね。この曲の制作は TRICKY STEWART。映画「バーレスク」の音楽にも TRICKY STEWART が関わってたな。
ただ、彼女は AGUILERA のような実力派のボーカル能力はなくって、どこまでもロリっぽいアイドル歌唱を乗り越えられない限界があって。しかもこのベスト盤以降の2004年からは奇行も目立ってきて…。酔った勢いで結婚するとか、その後の結婚も二児をもうけながらも3年弱で破局、親権も全部持ってかれるとか。いきなりバリカンで坊主頭にするとか。ドラッグやアルコールにもはまってたみたいだし。このへんにくると AGUILERA の方がずっと堅実だね。
●ボクの大好きな海外ドラマ「GLEE」では、BRITNEY 押しまくりの回があって。「TOXIC」「I'M SLAVE 4 U」「ME AGAINST MUSIC」「BABY ONE MORE TIME」などなどこのベストの収録曲がカバーされまくってる。なにしろ主要キャラにブリタニー・S・ピアーズって名前の娘がいるくらいだから。BRITNEY 本人のカメオ出演もアリ!

JUSTIN TIMBERLAKE「FUTURESEX:LOVESOUNDS」

JUSTIN TIMBERLAKE「FUTURESEX/LOVESOUNDS」2006年
●ボーイズグループ N'SYNC の中心人物であり、AGUILERA BRITNEY とは「MICKEY MOUSE CLUB」以来の子役仲間、おまけにグループ大活躍の2000年頃には BRITNEY と付き合ってたと、リア充すぎて縁がないと思ってた男のアルバム。映画「ハイスクールミュージカル」とか見てると、JUSTIN をパロッたキャラまで登場しててもはや存在自体がネタ化してるのかーなんて思ってたんだけど、MADONNA & TIMBALAND との共作「4 MINUTES」あたりの活躍が本物すぎて。そこで彼を見直してしまった。MADONNA はすごいね。BRITNEY とのコラボ「ME AGAINST MUSIC」でも、後輩のポテンシャルをぐーっと引き出してみせる。
●今の所、N'SYNC をはじめあの時代のボーイズグループには関心が持てないボク…実はまだ ONE DIRECTON もノーチェックでして…。だからソロ以前の彼をボクは知らない。でもソロ2枚目であるこの作品では、MADONNA と共に仕事した TIMBALAND とガッツリタッグを組んでエキセントリックなファンクビートを鮮やかに乗りこなしている。これは間違いなくクール。アーバンR&Bの世界が黒人の専売特許ではないと思い知らせる仕上がりになってる。単純にかっこいいダンスミュージックになってるってだけじゃない。かなり濃いダーティサウステイストのトラックでさえもファンキーにこなしてる濃くまろ仕様。アトランタの帝王 T.I. やルイジアナの奇人デュオ THREE 6 MAFIA の客演も見事に作用。THE BLACK EYED PEAS WILL.I.AM とのコラボもファンキーでいいね。ボーナストラックでの SNOOP DOGG との軽妙なダンスもクール。


●しっかし、また長く書きすぎたな。誰も読まない。
●<追記>:動画をまたつけたよ。「続き」でどうぞ。
... 続きを読む

90年代の、ストリート・ゲームカルチャー。
そしてメタ視点からもゲーム構造をもつゲーム的演劇表現。ゲームで拡張される身体演技。

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舞台「TOKYOHEAD 〜トウキョウヘッド〜」@東京グローブ座
●演出:上田誠(ヨーロッパ企画)/出演:村上絵梨・尾上寛之・吉沢亮・菅原永二・石田明(NON STYLE)
世界初のフルポリゴンCG格闘ゲームとして登場し、アーケードゲーム界に激震を走らせた傑作ゲーム「バーチャファイター」&「バーチャファイター2」。このゲームは、都市伝説的な存在として多くの有名プレイヤーを生み出した……1990年代中盤にその武名はリアルタイムで大学生だったボクにも伝わってきていたものだ…ソーシャルどころかインターネットすらなかったのに!そんな時代の息吹を、ゲームセンターを舞台に描く芝居。映画化された「サマータイムマシーンブルース」など良質なコメディを描くカリスマ劇団「ヨーロッパ企画」&演出家・上田誠の手腕にも興味があった。

●まず、舞台セットに度肝を抜かれた。マジでいきなりセガの実物ゲーム筐体が4台ならんでいるのだ。しかも、対戦方式の向き合った配置で。そしてそのゲーム画面を映し出す巨大プロジェクターがどーんとそそり立ってる。ゲーセンにありがちな「セブンティーンアイスクリーム」の自販機まであった…よく見るけどアレ食ったことないなあとか言ったら一緒に芝居見に来た女子から「なんでですか、ちょー美味しいじゃないですか!食べなきゃダメですよ」と抗議された。贅沢だからコドモにもダメって言ってるよーとかいいながら、コドモにスマホ検討してる段階で順序が逆だなと自分でも思った。アイスよりもスマホの方が100倍贅沢だ…。ともかく、アレでタバコ臭い空気の悪さが立ち込めてたら、確かに90年代のゲットーめいたゲーセンの風景になる。クレーンゲームやプリクラとかでピカピカアミューズメント化してしまう以前の、無骨で不穏な気配のゲーセンだ。懐かしいゲーセンだ。

現実を切り取ったノンフィクションが原作。実在のムーブメントが舞台化されてる!
●実は、この舞台の原作「トウキョウヘッド19931995」は、この時期の有名ゲーマーに寄り添ったノンフィクション小説だ。つまりメインの登場人物として、知る人ぞ知る伝説的存在、「新宿ジャッキー」「ブンブン丸」などなどが出てくる。そして彼らがどんな思いでゲームに青春をかけていたかが語られる。ゲーセンという奇妙な空間で、ゲーム対戦という奇妙なコミュニケーションで、仲間〜コミュニティを育てていった様子。ソーシャルゲーム全盛の現代ではワリと当たり前になっているネット〜ゲームを通じた匿名的人間関係のひな型がこの時代に発生していた。ゲーセンに入り浸り過ぎていつしか全員失業、開店から閉店までプレイを続け、夜は仲間の家に泊まり込んで、朝になったらまたゲーセンへ。「ネトゲ廃人」ライフスタイルがネット以前に存在していたのね。それぞれの拠点になる街で名を挙げたプレイヤーはその地名を乗っけた名前を名乗る。「柏ジェフリー」とか「池袋サラ」とかね。そして地域抗争とかもあったりね。新宿対町田とか。へー、あのムーブメントの中心地にはそんなドラマや事件があったのか。そして実在はしなかったであろう女性プレイヤーのトーコ(村上絵梨)が魅力的で。バーチャにハマって自分を裏切った元カレを、バーチャで見返してやる!しかも最弱のキャラ・パイで見返してやる!

●演出もユニークで面白かった。なんと役者のゲームプレイがガチなのだ!それって実に大変で、そして実にコンセプチャルだ!
●座席の配置で役者の手元がよく見えていたんだけど、役者たちはみんなガチでゲームをプレイしているのだ。それが基本そのまま大きくプロジェクションされている。普通にアリがちで無難な方法を考えれば、役者はゲームをしてる演技をする/それに当てはめるゲーム動画をあらかじめ用意してそれをタイミングに合わせて再生する、そんな段取りが簡単だろう。しかしわざわざガチでプレイさせている!当然、ゲームの勝敗はその場の偶然で決まる。大まかなストーリーの流れは決めていたとしても、ゲームの偶然の勝敗がストーリー展開が変えてしまうリスクがあるのだ。だから、そのゲームプレイの直後に、役者のアドリブがゲリラ的に入ってくる。展開をどう整えていくのか、役者たちが呼吸を合わせてたり、悪ノリしてみたりしてる。そのライブ感が面白い!
●その本気度の仕組みが観客全体に浸透するのには、実は時間がかかっていた。なにしろ「バーチャファイター」は20年前のゲームで、観客の中心であった若い女性が知っているはずがない。ボクみたいに本当にプレイしてた経験がなければ、格闘ゲームのハラハラも理解できないだろう。ただ、そんな中途半端な前半を乗り越えたら、勝敗にマジの喜怒哀楽を示す役者から、お客も「あコレガチなんだ」という空気を感じとった模様で、ゲームの結果に大拍手が起こるようになってた。クライマックスの勝負に至っては、勝った役者さん自身が舞台を跳ね回る喜び方をしてて、観客も大喜びで割れんばかりの拍手!聞くところによると、ゲーム勝敗の結果で脚本もAプランBプランが用意されてるらしい。ボクが見た回はレアな展開だったのでよりお得だったようだ。
ゲームが題材でありながら、ゲーム自身によって芝居内容すら変わるという、メタ視点でもゲームのような構造を持っている舞台。役者のスキルとしても臨機応変な対応力が要求されるし、ゲームの本気度をキチンと伝えるリアリズムも重要だ。ゲームのプレイスタイルに役の個性が反映され、役者に操作されるゲームキャラに感情が宿る。コスいヤツの操るゲームキャラは、技もミミっちいし、ダサい勝ち方しかしない。大技を出して堂々と勝つ者にとっては、生身の人間には真似できないダイナミックな技がそのまま性格付けに意味を持つ演技になる。その意味で、役者の演技がゲームキャラに拡張されてるとも言える。リアルタイムで動作するモーションキャプチャー技術を用いて、実際の役者の動きをゲームキャラに完全シンクロさせる実験もなされていた。人物の身体を拡張するテクノロジーを用いた「演技」の可能性が、非常に興味深いと思った。

●ちなみに、ボクは「バーチャ・ファイター」では金髪美女キャラ・サラを使うのが好きだった。はっきり言ってヘタクソで、ろくに技も出せなかったけど。当時のセガポリゴン技術を用いた3DCG黎明期〜普及期の過渡的時期に、こうした野心的ゲームを数々繰り出していた。レースゲーム「バーチャレーシング」も何回もやった…ヘタだったけど。「バーチャ・ファイター2」以降は、ガンダムのようなモビルスーツが格闘する「バーチャロン」がブレイク。あのかっこいいロボットはプラモデルにもなったはずでは。有名プレイヤー「池袋サラ」が活躍してたセガの大型ゲーゼン「池袋GIGO」には大学の知り合いがバイトしてたっけ。格闘ゲームは全盛期で、カプコンが傑作「ストリートファイター2」で一世風靡をしてたのも同じ時期。他にも「鉄拳」「サムライスピリッツ」などの格ゲーがたくさんあったっけ。でも3DCGは「バーチャファイター」だけ。だからこのゲームが神格化されたのだろう。

●なお、さっそくこの原作本「トウキョウヘッド19931995」&その再発本「TOKYOHEAD REMASTERED」が読みたくなってアマゾンアレコレで入手しようとしたが、すでに売り切れ、というか絶版?Amazonマーケットプレイスで4万円以上の値がついていて手が届かない。くやしい。



90年代初頭のテクノを聴く。

ORBITAL「ORBITAL」1

ORBITAL「ORBITAL」1990年
「バーチャファイター」のリリースが1993年なので、1990年リリースのこの作品はちょいと時期が早い。だけど、ゲームとテクノ、ジャンルが違えどもはやオールドスクールの古典になった名作としては同種の物件。80年代末のUKレイブシーン、アシッドテクノ全盛の熱をそのまま残して、ROLAND TB-303 のベース音を基調にガッサリとしたテクノをジェネレイトするユニットのファーストアルバム。PHIL & PAUL HARTNOLL 兄弟によるユニットで、日本ではやや過小評価されがちな気がするけど、本国イギリスでは UNDERWORLD THE PRDIGY、THE CHEMICAL BROTHERS に匹敵する存在感を誇っていた。
●とはいえ、今挙げた UNDERWORLD たちはちょっと時期が遅れたビッグビートの時代のヒーローで。1989年から活動してる彼らは僕としてはもう一枚上の先輩格。強いて言えば、THE KLF、808 STATE、THE ORB、と同格なんだよなー。強靭なダンス感覚もさることながら、インテリジェンスも感じさせるグルーヴ。まーでも今の感覚から聴くと古臭く感じるのはしょうがないかな。
●ちなみに、このアルバム「ORBITAL」は通称「YELLOW」と呼ばれるアメリカ盤だ。イギリス盤「GREEN」と呼ばれる黄緑色ジャケで曲順やミックスが違う。おまけにセカンドアルバムも同名「ORBITAL」で、こっちは茶色いジャケに由来して「BROWN」または「ORBITAL 2」と呼ばれてる。

LFO「FREQUENCIES」

LFO「FREQUENCIES」1991年
●シンセサイザー用語の LOW FREQUENCY OSCILLATOR からユニット名を拝借した初期インテリジェンス・テクノの代表格。絞り込んでスッキリさせた構成とブリープ音の多用で「ブリープテクノ」というジャンルを切り開くこととなる。これは彼らの一番最初のアルバムで、しかも純然たるテクノを鳴らしてるのに、そのグルーヴとシンセ音に豊かなセクシーさが漂っている。すごい才能だ…音響へのフェテシズムがハンパない。内ジャケの中にはこんな言葉が。「WHAT IS HOUSE ? TECHNOTRONICS, KLF OR SOMETHING YOU LIVE IN. TO ME HOUSE IS PHUTURE PIERRE FINGERS ADONIS ETC. THE PIONEERS OF THE HYPNONIC GROOVE, BRIAN ENO, TANGERINE DREAM, KRAFTWERK, DEPESCH MODE AND THE YELLOW MAGIC ORCHESTRA. THIS ALBUM IS DEDICATED TO YOU」。テクノ/ハウスのルーツはここにあり。「THE HYPNOTIC GROOVE」=催眠的グルーヴ…。
●中心人物の MARK BELL はその後プロデューサーとしても活躍して、BJORK DEPESCHE MODE などと仕事をする。BJORK のツアーにミュージシャンとして参加してた時期もあったっけ。しかし彼は2014年に亡くなってしまう。まだ43歳だったのに。残念。
●ちなみに、アニメ「交響詩編エウレカセヴン」では登場するロボットの名前を「LFO」と呼んでいたっけ(ガンダムで言うところの「モビルスーツ」ってところでね)。あのアニメは様々な固有名詞を音楽関係の言葉からたくさん借用してたし、登場キャラもテクノ愛好家が多かった。だからあの「LFO」は絶対このユニットから拝借した言葉だと思うよ。


●なんかテクノネタ、もうちょっと行きたい感じ。

CRYSTAL CASTLES「(III)」

CRYSTAL CASTLES「(III)」2012年
00年代エレクトロ旋風の中から登場したカナダの男女デュオ、CRYSTAL CASTLES の三枚目にしてラストアルバム。だって、去年ボーカルの ALICE GLASS が脱退、結果解散しちゃったんだもん。これも非常に残念。パンククイーンとしての貫禄と危なさがカリスマティックな女傑だったのに。彼らの三枚のアルバムはどれも傑作だよ。ちなみに彼らも不思議な匿名性にコダワリがあるようで、アルバムタイトルは今までの三枚全部が「CRYSTAL CASTLES」と名づけられてる。だから iTune の管理すら面倒くさいほどだった。ただ三枚目だけはあくまでカッコつきで(III)にしてくれた。
凄みのあるゴステイストのイメージとは裏腹な繊細さと、擦過傷のように音響をザラザラにするノイズエフェクトの奇妙な同居が、平凡なエレクトロとは別格の存在感を放っていたユニット。その印象は最後のアルバムでもそのまま。無機的なビートの薄っぺらい軽さとボーカルに加えた不思議なエフェクト、時に荘厳にも聴こえるシンセの分厚い壁が、儚い夢のような陶酔感さえ感じさせる。甘美なほどにキラキラと甘いシンセ世界を描き出す瞬間は、まるで COCTEAU TWINS のような美しさまで漂う。


ドラマ下北沢店の LINE アカウントがアグレッシブで。
●これ、まじでビジネスアカウントの成功例じゃないですか?

LINEドラマ下北沢

もう連日のように、セールのお知らせや、割引クーポンを送りつけてくる。「中古CD/DVD1500円以下は全品半額」とか言われると、行かないわけにいかない。そんでクソみたいな音源をついつい買ってしまう。完全にヤツらの手の内だ。見事にヤラレちゃってる。見事なマーケティングだ!


●で、そんなアホな無駄遣いの中で、すごく懐かしい音源を見つけた。

THE QUIREBOYS「A BIT OF WHAT YOU FANCY」

THE QUIREBOYS「A BIT OF WHAT YOU FANCY」1989年
このCD、100円だったのよ。でもね、すっごく懐かしーって思って。もう感動!
●このアルバムを初めて聴いてたのはリリースリアルタイムで今から25年前。ボクは高校一年生だったっけ。当時はまだ生き残っていたレンタルCD YOU & I 調布店で借りて、ダビングしたカセットテープで愛聴してたなあ。ちょうど80年代後半の LAメタル が流行していた時期で、こうしたバタ臭いカッコのハードロックバンドが人気を集めてた。GUNS 'N' ROSES が活躍し、MOTLEY CRUE がジャンキーぶりを気取って、BON JOVI が人気者になってた。一度は分解しかかった AEROSMITH が完全復活したのもこの時代。この手のハードロックの雰囲気を、バッドボーイズロックと呼んでた気もする。で、その後発組としてこのアルバムで登場したのが THE QUIREBOYS。
●今検索して知ったけどイギリスのバンドだったんだね。アメリカ人だと思ってたよ。ハードロックみたいな気分はもちろんだけど、ピアノをトトトトンとアクセントでふりまくホンキートンクなグルーヴは、フランクなブルースロックでもあって、そのアナクロな味が彼らの個性だった。当時でさえ少々古臭い音楽だと思ってたし、そしてすぐに到来する90年代オルタナティブロック(NIRVANA、SONIC YOUTHなどなど)の登場で、一瞬にして決定的に時代遅れになっていった。あげく一発屋というか一発も当たってないみたいな存在だったので、たぶん誰も覚えてもらえてないようなヤツラ。
●ただ、ボクは当時 THE ROLLING STONES とかを聴き始めてた時期だったので、ブルースロックをモダンな解釈で当時のハードロック・ブギーに引きつける感覚は結構自然に受け止めることができた。十分楽しんだのですよ。一曲目でシングル曲でもあった「7 O’CLOCK」ラフで軽妙なホンキートンク・グルーヴはよかった。ボーカルがハスキーなシャウターでもあって、その ROD STEWART みたいなワイルドさも好きだった。今聴き返すと、ホントに王道志向、古来のロックの伝統を真面目に引き受けようとしてたんだなと感じる。グラムロックのキャッチー&ファンキーさも潜り込ませてる。地味だけどよくやってるバンドだと思う。時代に合致できなかったのは不運だね…1993年に解散してしまって…でもそのあと再結成して地味に活動してるみたい。アメリカで活動するときは LONDON QUIREBOYS と名乗るらしい。確かに本家アメリカにはゴスペルクワイアグループが無限にいるもんねえ。

ROD STEWART「GASOLINE ALLEY」

ROD STEWART「GASOLINE ALLEY」1970年
●前述した通り、彼ら THE QUIREBOYS の音楽からすぐに連想したのが、ROD STEWART だった。ド派手なシャウターであって、ブルースフレイバーも、ホンキートンク・グルーヴも、バラードの美味さもみんな兼ね揃えてる。おまけに元モッズ。80年代は不振の時期もあったけど、ちょうど THE QUIREBOYS を聴いてた1990年あたりに TOM WAITS のカバー「DOWNTOWN TRAIN」でヒットしてリバイバルしつつある段階だった。そこもリアルタイムでボクは聴いていたなー。つか TOM WAITS を当時知らなかったんで ROD の新曲だと思ってた。だって高校生だもん。
●つーことで、今日は、彼の初期ソロアルバムを聴いてみた。初期の略歴をかいつまむと、彼は60年代においては、第1期 JEFF BECK GROUP のボーカリストとして活躍してた…あくまで天才ギタリスト JEFF BECK が主役のグループだから、これも高校生の頃に聴いてたのに ROD STEWART がボーカルと気づいたのは大分後になってからだった。その後、THE SMALL FACES からボーカル STEVE MARRIOT が脱退した後のポジションに就任、バンドの名前を FACES に変更してしまう。ROD が徐々にシッカリ主役になっていくのは、この FACES の時代からだろう。
●1969年に FACES へ加入と同時に、彼はソロ契約もゲット。実はバンドとソロの両輪で仕事を回していく。そんな時期に出した二枚目のソロがこの「GASOLINE ALLEY」だ。ソロと言いつつもバックを担ってくれてるのは FACES のメンバーが中心とな。のちに THE ROLLING STONES に加入する RON WOOD は、JEFF BECK GROUP、FACES、そしてこの頃のソロと、ROD と常に行動を共にしてる。
●でね、これが後の大ヒット曲「HOT LEGS」や「DO YA THINK I'M SEXY」で大暴れするような派手さがあるかと思うと実は肩すかし。なんだか地味で内省的なブルースロックになってる。しかもカバーが中心で。よそ様の曲を自流のブルースに仕上げてみました、というスタンスなのかなあ。例えば「IT'S ALL OVER NOW」は初期 THE STONES のバージョンの方が圧倒的に有名で(原曲は BOBBY WOMACK なのでした)。ぶっちゃけあまりにワイルド過ぎる MICK JAGGER に匹敵する仕上がりにはなってない。BOB DYLAN のカバー「ONLY A HOBO」はフォーキーながらも自分色に染め上げていい感じ。他にも EDDIE COCHRAN THE SMALL FACES、ELTON JOHN の曲までやってる。自作曲は地味…まあ、この地味さ加減も聴けば聴くほどコクが出てくるタイプで、全く悪くない。タイトル曲「GASOLINE ALLEY」は、故郷の街に帰りたいと歌うノスタルジックな内容の曲。ロンドンっ子である彼にとっては、ガソリン臭の漂う下町横丁が、郷愁誘う風景なのかな。

FREE「THE BEST OF FREE - ALL RIGHT NOW」

FREE「THE BEST OF FREE - ALL RIGHT NOW」1968〜1972年
ブリティッシュ・ブルースロック、もうちょっと行ってみましょう。コレもドラマの決算セールで買っちゃった。1970年の大ヒット曲「ALL RIGHT NOW」の、ワリとサッパリとしたブルースプレイが印象深いが、やっぱり一枚通して聴くと、粘っこいブルース魂がグルグルしてていい感じにドロドロしてる。60年代から活躍してたモッズの先輩 ROD STEWART からみると、一つ若い世代にあたる彼らのブルース観は、もうちょっとインプロビゼーショナルなプレイに偏ってる感じがする。でも若いんだよねー。1968年でみんなティーンネイジャーなんだもん。
FREE「ALL NIGHT NOW」でブレイクするも、メンバーのドラッグ問題などでヒット翌年に一時解散。1972年に再結成するもやっぱりまた1年ほどで解散。若いってダメね。メンバーはその後に BAD CAMPANY のボーカルを務め、この前までは QUEEN に合流してしまってた PAUL RODGERS がいたりして。1972年の再結成時ベーシストはなんと日本人 TETSU YAMAUCHI = 山内テツマイク真木ミッキー・カーチスなどのバンドを経て渡英し、FREE の後は FACES にも参加してる。彼の在籍してた時代のヒット曲「WISHING WELL」もサッパリしたロックで、とても聴きやすい。ビックリするほどモダンだ。

THE BLACK CROWES「THE SOUTHERN HARMONY AND MUSICAL COMPANION」

THE BLACK CROWES「THE SOUTHERN HARMONY AND MUSICAL COMPANION」1992年
THE QUIREBOYS とやや同時代に登場して活躍したブルースロックバンドだ。80年代のバッドボーイズロックの気分も漂わせながらも、南部アトランタのバンドらしいサザンロックテイストもガッツリ取り込んだ実力派として、その後長く90年代〜00年代とさかんに活動し続ける。このアルバムなんてチャートで全米一位を取っちゃってるもんね。オルタナ時代のボクのリアルタイムの評価では、堂々の王道保守路線が少々退屈でありながら、熱量の高い優れた演奏能力は無視できないという認識だった。で、流行を超えた存在感がジワジワ出てきてしまって、むしろ今ボクにとってツボにハマる音楽。

ANDREW WK「I GET WET」

ANDREW W.K.「I GET WET」2001年
バッドボーイズロックのテイストを、10年以上も時間の空いた00年代にわざわざ復活させて、そのバカバカしさに話題を呼んだソロ・ハードロッカー。本当にソロなもんだから、ハードロックのスタイルを取ろうとしながらも、このファーストアルバムは打ち込み主体の非バンドサウンド。邦題「パーティ一直線!」ということで、ひたすら暴れるだけのハイテンションで走りきる音楽でした。そんなトラックをカラオケで鳴らしながら一人絶叫してたという初期のライブパフォーマンス…ちょっとイタクないか?そこまでやるか?鼻血も出し過ぎじゃないか?ある意味ド根性のロック野郎。

BON JOVI「WHAT ABOUT NOW」

BON JOVI「WHAT ABOUT NOW」2013年
1984年にアルバムデビューしてからもう30年。コンスタントに手堅く活動して12枚目のアルバム。こんなに息が長く続くバンドになるだなんて、最初に聴いた時には想像もしてなかったなあ。
LAメタルの乱暴者たちと同時期に登場した彼らは同じグループと錯覚されてたけど、実はロスとは無縁のニュージャージー出身で真面目な人たち。かの地のダーティなバッドボーイズなポーズに、最初はやや便乗してたかもしれないけど、80年代が終わってブームが過ぎ去ると、こだわりなくムダなロン毛をサッパリさせてオルナタティブロック風にイメージ変換。1992年「KEEP THE FAITH」だなんてシングルをヒットさせて保守的な親御さんも安心のロックバンドに変貌する。これリアルタイムに眺めてて「へーこんな風に適応変化するんだー」なんて思ってたなあ。それでも逆風気味の90年代を乗り越えると、2000年にシングル「IT'S MY LIFE」がヒット。キメ曲がまだ作れるんだ…という地の力の強さを見せつけつつ、後はなんとなくの貫禄と安定性で頑張ってきましたという印象。総合的には、まー正直退屈だと思ってた。
●だってさー。最近のアルバムタイトルは「HAVE A NICE DAY」とか「THE CIRCLE」とか、ワザと主張が抜けてる言葉を選んでたのに、今回は「WHAT ABOUT NOW」=「最近どうよ?」とより一層カタの力抜けた感が出てて、もうすげえなーと。でも、これが惰性の成り行きかと思いきやそうでもない。音楽の内容もハードロックという概念が抜け去って、より普遍的なロックになってる。基本が、庶民の味方として、実直に暮らす人たちの応援歌、みたいなポジションに立ったリリック。アメリカは広い国だから、大金持ちの活躍ばかりが目立つけど、その実態はほとんどが低所得にあえぐ人たちばかり。最近はHuluで海外ドラマばかり見てるから、なんだかそんな実生活が透けて見えてきてて。そこに彼らの音楽は優しくフィットしてるのかな、なんて考えてる。「最近どうよ?」はそんな人たちにフランクな挨拶をバンドが投げかけてるってメッセージなんだね。つくづく真面目な人たちなんだね。



この前の金曜日は、久々に朝まで飲み明かしてた。
2001〜2011年の10年にわたって同じプロジェクトで日夜一緒に働いていた連中と久々の再会。中にはそれ以前の90年代から一緒にやってたヤツもいた。出会ってから約20年経つくらいの付き合いの長さ。この仲間、いわば戦友だ。1日20時間労働も珍しくなかったほどの激戦部隊の一員として、ボクも仲間もバリバリと地獄のような量の仕事をこなしてた。
それが今では皆バラバラの土地でバラバラのキャリアを積み上げている。北は青森、南は長崎に散らばったメンバーたち。競合他社に移った者も少なくない。年齢もマチマチ…みんな十分に大人になってしまったかも。上は50歳半ば。最弱年世代であるボクらがアラフォーだからね。それでいて、今抱えてる仕事にそれぞれが誇りを持ってることも頼もしいと思えた。「俺は世の中になるための仕事しかしない!そのためにフリーになったんだから!」と叫ぶ先輩。ボクも恥ずかしくて言えなかったセリフを先輩に伝えることもできた…「あの時チャンスを与えてもらったコト、ありがとうございます。あの大仕事はボクにとって最高の思い出です」。懐かしい話に花が咲く。
●あの頃から、みんな立場を変えている。これから大きく立場を変えるヤツもいる。どこまでマジかわからないけど漁師になるって言ってる。まあ、たとえ漁師になったところで、また顔を合わせれば普通に話すことができるだろう。どこにいても、何してても、生きてる限りは、きっと同じだろう。


激しい時代の移り変わりの中で、一つ所に止まっていられないのは事実。ボク自身も会社の所属こそ変えていないが、仕事の中身は一変してしまっている。というか、意図的に変えてきた、とも言える。
●昔の仲間たちに会って、改めて自分のキャリアへのスタンスについて考えさせられた。同じ現場の仲間たちとはいえ、その中には一流のプレイヤーがいれば、出来損ないもいる。ボクはナニをしても不器用で、望まれたフォーマットにカッチリ最適化したアウトプットができないダメプレイヤーだった。先輩たちの要求にいつまでも追いつかないどころか、同期や後輩にすら突き放され、追い抜かれていく有様。とても悔しいと思っていた。この仕事ホント向いてねえなあー、毎日そう思ってた。その苦い苦い記憶が引っ張り出された…。
●だから、チャンスさえあれば、誰もやったことのない仕事を買って出た。その仕事がチームの価値観から見たら蔑まれているモノであっても、評価されないモノであっても、結果失敗に終わったとしても、それがボクにチームの中に居場所を作ってくれた。前に成功例も失敗例もないのだから、他人と比較されることがない。これが一番ボクをストレスフリーにさせてくれた。元来が飽きっぽく新し物好きってコトは間違いないボクの性格に、このスタンスはフィットした。基軸は映像制作なのに、イベント企画運営から書籍出版、商品開発、楽曲制作、そしてオフィス移転事務全般までも担当、そしていつのまにやら、デジタルコンテンツ企画やソーシャルメディア運営までこなせるようになってた。まー一流プレイヤーから見れば本業をガツンと王道勝負できることが大事で、ボクの細かい芸は別に大した価値にはならないんだけど、ボクはボクでこんな姿勢の結果、仕事が全然切れない状態となったわけで。切れな過ぎての過労が高じて、病気になったほどだし。あんときはマジでこのまま失業するかと思ったわ。
流れ流れて、2015年の今はインターネット関連の事業がボクの本業になってる。仲間たちが今だに過酷な最前線任務を続けているのに比べれば、今のボクはだいぶノンビリした立場になった。傷んだ体にもちょうど良い負担だ。その一方で、これは仲間たちと語らってハタと理解したことなんだけど、そんなボクがやってることが、昔の仲間からすると新分野過ぎて、ナゾの最奥部で働いてる特殊部隊のように見えてるらしいのだ。この分野でボクがこの3年で身につけたノウハウや推進してるビジネスは、完全に正体不明。魅力であり脅威でもあり不気味ですらある。中には敵意むき出しの人もいるほどで。あわわー。なるほどねー。そんなつもりはなかったけど、外からみるとそんな感じになってるんだー。


でもさ、ボクはボクで、進化をさらに続けなければならないのですよ。
●2014年度末を迎えて、2015年度が到来する。時が経ち事業が成熟すれば、そこで王道勝負できるプレイヤーが現れる。最初はゼロだったノウハウも周囲のスタッフに拡散共有されていってる。ボクは、未知領域に踏み込んでアレコレ手探りにやってきたけど、あくまで邪道のやり方しかできないから、道筋ができれば、どこかでバトンタッチをしなければならない。そして、次の新領域を探さないと。次はね…何しようかな…?

知的財産管理技能検定

●そこで、「知的財産管理技能士」ってのに目をつけた。一応、これ国家資格なのよ。
●ネット系企業の人と名刺交換してる中で、この資格を名刺に刷り込んでる人に出会った。その時は「いったいなんだろコレ?」って認識だった。これが2年前。そんで去年。facebook友達が一人この試験を受けてることがわかった。ほー。コレってそんなに役立つのかな?で、今年の正月。受験勉強をしてる娘を見てて思った。ボクも勉強して資格を取ろう。なんの役に立つのかわからんけど、とりあえず勉強を始めてみよう。

「知的財産管理技能士」とはなんぞや?
●テキストに書いてあるフレーズをそのまま借用すると、「企業・団体などで知的財産を創造、保護し、また適切に管理・活用することを目的に業務を行う職種のこと」「具体的には創造分野における価値評価、ライセンス戦略の立案、パテントマップ作成といった業務」ってことだそうです。全然ピンとこない?ボクもまだピンとこない。
●さらに具体的に言うと、このテキストの中には、特許法、実用新案法、意匠法、商標法、著作権法、不正競争防止法、知的財産にまつわる条約、その他について色々書いてある。これらの領域はかつて資格者としての弁理士さんが担うモンだったりもしたのだけれども(で、今でもしっかりと弁理士さんの独占業務の領域もあるけど)、このヘンを勉強しておくことで、最先端技術の特許ビジネスやキャラクタービジネス、コンテンツのマルチユースビジネスの法律的ルールがわかるようになる(らしい)。
●実際ボクには、商品開発しようとした時に、商標の問題で希望の商品名を使えなかった経験がある。今でも「ネットにコレ流していいんだっけ」「ネットからコレ引用していいんだっけ」みたいなハテナに度々ぶち当たってる。IPビジネスしてる企業の人たちに会ったり、コンテンツ売買のビジネスにチロッと触ったりしてる。スタートアップベンチャーの起業家が「うちの特許なんですよコレ」って自慢げに言うのも聞いたことがある。これ、まさしく知的財産権の問題だよね。結果として、これボクの今の仕事とすごく相性がいいんじゃないか?これを著作権契約部の人といつもアレコレ相談して問題解決してるけど、体系的に勉強して自分で判断できるくらいになった方がいいんじゃないか?資格の肩書きが直接役立つかどうかはイメージわかないけど、知ってて損しない気がする。つーか、完全にマスターしたら「あー契約とか難しいことはわかんないんで…」と尻込みしてる現状のヘタレ局面を克服して、「この契約じゃあウチは飲めませんねー」とかいってバキバキ自分で裁いてお金儲けできた方がカッコイイんじゃないか?この先、食いっぱぐれない新しいスキルになるかもしれないぞ。

で、実は3月8日(日)にその試験を受けてきたのだ。
「知的財産管理技能検定」で検索すると「知的財産教育協会」なる団体が作ってる公式ホームページがある。ここからネット経由で試験自体にはすぐエントリーできてしまう。ランクは3級から始まり2級1級と続く。基本はプロ的実務経験がない限り3級から受けてひとつづつレベルアップしないといけない。1級になると、「特許専門」「コンテンツ専門」「ブランド専門」と3種類に枝分かれしていく。ボクが目指すべきはたぶん「コンテンツ専門」だと思う。試験は年3回のペースで実施。内容は「学科試験」「実技試験」受験料は3級で11000円と、シャレじゃ受けられない値段になってる(ランクが上がるとさらに高額に)が、それだけ払っておけば真面目に勉強するだろうと思った。スコンとカード引き落としでエントリー。
三冊の参考書、法律を網羅したテキストと「学科」問題集&「実技」問題集を買ってきて、細かくノートしながら内容を頭に叩き込んでいった。当然、法律用語満載なので、日常用語で使われない奇妙な熟語はその前後の文脈も含めて丸暗記するしかない。もう鉛筆をひたすら動かした。それでもよく分からない言葉は片っ端から検索して調べる。特許事務所とか弁護士事務所が一般向けに Q&A みたいなページを作ってくれてる。時には経済産業省文化庁のサイトも見たりして。
●でも無駄に気負う必要も無い。実は「学科」試験は完全にマークシート、「実技」試験もほどんどが「ア〜ウの選択肢の中から選びなさい」「適切と思われるものに◯を記入しなさい」ばっかりで、文字や数字を記入する問題はホンの4問しかない。ま、最低ランクの3級だからね。楽チンに作られている。過去問は、公式サイトからPDFでダウンロードできる。「学科」「実技」ともに問題は30問で、それを45分間で解く。三冊の参考書をこなした後は、2年分の過去問を、45分2セットを連続で解いて本番感覚を身に染み付けておいた。直前週は大きなイベント仕事があったので実はほとんど勉強できなかったのがちと不安だったけどね…。

3級試験東大駒場

試験会場は、東京大学駒場キャンパスだった。
3級&2級は北海道から沖縄まで全国19カ所で受験できる。ちなみに1級は「実技」試験に口述試験まで含まれてるので実施は東京一か所だけだ。協会からメールで受験票が送られてくるので、それをプリントアウトして証明写真を貼り付ける…証明写真なんて久しぶりだよ、アメリカ出張行く時にビザ申請して以来かも。東大駒場キャンパスはわが下北沢から近所なのでラッキーだった。近所はウロウロしてるけど、キャンパスの中に入るのは初めてだったなあ。

3級試験会場

●昼の12時に指定の席に着席しとけという指示だったので、30分前にはスタンバイしておいた。荷物や上着をゆったり置いたり、トイレの場所を確認しておくためには必要な時間だ。実は同じことを中学受験するコドモたちにアドバイスしてた…そのボクが自分の試験で実践しないわけにはいかない。で、周りをキョロキョロして過ごしてた。受験者たちは、性別も年齢も結構バラバラで。50歳くらいのオッさんから大学生の女の子までまんべんなく、という印象。技術に関する特許業務にニーズが傾いているのか、やや理系/エンジニア的な人が多い気がした。20歳代の人たちは就活/転職で資格を武器にするために頑張ってるのかな。
●案内によるとたくさんある校舎の中で5号館と7号館しか使わないというので、こじんまりしてるのかなーと思ったら、そうでもない。この会場だけで、3級受験者1500人弱、2級受験者1000人弱はいた。結構な人数だねえ。短い休憩時間にはトイレに大行列ができてたくらい…こういう時女性は大変。いわゆる大学の教室をそのまま使ってるので、テストをするには快適な空間だった。空調もしっかりしてたから無駄に寒いとかなかったし。一方で「スマホは電源を切って机の上に出しておいてください」などという指示も。スマホ隠してカンニングとか、やろうと思えば当たり前のようにできるもんね。ボールペンは使用不可なので、鉛筆またはシャーペンが必須。ボールペンしか持ってなくて困ったと試験官に相談してる男性に対して、ボクの近くに座ってた若い女の子がカワイイ模様のついた鉛筆を貸してあげてた。よかったね。ボクならお礼がしたいと言ってこの女の子を食事に誘うね…Huluの海外ドラマの見過ぎかな。
●12時から、試験官のおじさん&おねえさんが、解答用紙と問題冊子を配って必要事項の説明をチンタラやってると、実際の「学科」試験開始時間12時15分がやってくる。いざ試験が始まると一瞬で時間は過ぎ去る。30問を45分間で、ってことは、1問1分ペースでやるべしってことだからね。それで残り10分以上を残してもう一回見直しを。それでも、どうしても分かんない問題があって、めちゃ悔しかった。知らない法律用語が出てきたらもう絶対太刀打ちできない。ボクは初っ端第一問目から「冒認出願」という言葉が出てきてメチャキョドった。マジかよ初めて見る言葉だよ意味わかんないよ。わーコレ全然自信ないって問題は、答え合わせの結果、必ずバツがついた。くそー。「学科」と「実技」の間は15分の休憩。で、また15分間の説明があって「実技」試験スタート13時30分。14時15分に終了。駒場東大前駅前のマクドナルドで昼飯食って帰宅した。

翌月曜日には、とっとと公式サイトでテストの正解が発表されてしまう。
自己採点では、学科試験、77点。実技試験、83点。3級試験では合格ラインが正解率70%以上なので、多分合格!ふー、よかった。ギリだよ!30問で70%ってことは9問以上間違えたらアウトってこと。今回ボクは、学科で7問間違えた。マジで危なかった。本当は90%合格したかったのにな。正式な合格通知は4月8日ってことになってる。合格通知がきたら2級試験に即座にエントリーしよう。2級は正解率80%が要求されるので、もっと確度の高い勉強をしておかないと。次の試験は7月だからそんなに時間がたっぷりあるわけでもない。2級のテキストも買ってきたことだし、また勉強を頑張ろう!



●一応、音楽もね。

BOB DYLAN THE GRATEFUL DEAD「DYLAN THE DEAD」

BOB DYLAN & THE GRATEFUL DEAD「DYLAN & THE DEAD」1989年
BOB DYLAN と THE GRATEFUL DEAD がコラボ?これスゴくないか?楽しみ!と思って中古CD屋でまた無駄遣い。でもセールで290円だったからいいか。 で、早速聴いてみる。………ん。あんまし、ピンとこないなあ。同時期の BOB DYLAN のアルバム「OH MERCY」 DANIEL LANOIS プロデュースでもうちょっとピリッときてたような気がするのに……このライブ、全体的にシューっと気が抜けてるような印象を感じる。元来から THE GRATEFUL DEAD のライブは気持ちの良い開放感こそあれど、それがふわーっと輪郭線をトボけさせてるような感じをもたらすのも事実。彼らだけの演奏なら、おそらくその空気感で成立してただろう。実際ギターのインプロビゼーション的ソロプレイは底抜けの開放感で気分がスカーッとする。
●ただ、ここにはあの BOB DYLAN がいるわけで。彼はボーカルスタイルも含め、ガリッとしたザラツキだらけの存在で。そんな存在にはふわふわしてほしくない。カチッとしてほしい。だから、このライブ盤は結果としてなんだか中途半端な感じがする。批評家の評判もよくなかったようだ。BOB 本人も80年代は自信喪失の時期だったらしい。
●でも、何回か聴いてると味の染みてる楽曲も見えてくる。「QUEEN JANE APPROXIMATELY」がいい…そうか、とっても聴き馴染んでる感じがするのはボクが好きなアルバム「HIGHWAY 61 REVISITED」に収録されてるからか。名曲「LIKE A ROLLING STONE」が入ってるアルバムだよ。それと「ALL ALONG THE WATCHTOWER」U2 のカバーバージョンが好き。「RATTLE AND HUM」収録のライブバージョンね。これもスリル溢れるギタープレイがいい。ラストの「KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR」は名曲過ぎるからしょうがないだろう。独特のレイドバック感がバンドとちゃんとハマってる。





ホワイトデーのお返しを、あわてて買ってるんだわな。
●今年は、例年お決まりのベタベタの義理チョコをバラバラばらまいてるのをもらっただけじゃなく、なんだかご立派なチョコをもらってしまったので、これだけはお返しせねば、と思いつつ、やっぱり事前には買う余裕がなかった…。ちなみにそのチョコは、たった3粒しか入ってなかった貴重品。一粒食べて美味しい!と感動、後で紅茶と一緒に味わおう!と大事にキープしてたつもりだったのに、気づけばワイフに全部食べられてた。

●ともかく、それでもお返しを買わなくては。

THEOBROMA.jpg

MUSEE DU CHOCOLAT THEOBROMA /テオブロマ 渋谷本店。
●渋谷区富ヶ谷1-14-9 グリーンコアL渋谷1F。ボクの家からチンタラ自転車で30分弱。
●ワイフに教えてもらって、ノコノコ出向いた。手作りチョコレート専門店らしい。なんかわからんけど、立派なチョコがワリと立派なお値段でならんでるぞ。

THEOBROMA_HCAVIER.jpg

●で、買ったのがコレ。キャビアみたいなツブツブの形をしたチョコレート。
●キャビアっぽいチョコを試食したら美味しかった。でもそれ以上にパッケージがかわいくてねえ。ちょっとメツキの悪いチョウザメくんたちのイラストがよくてねえ。ホットミルクにキャビアチョコを混ぜて飲むのもイケるらしい。

あ!ヤバい!娘ヒヨコからも手作りチョコもらったんだ!忘れてた!
●くまさん型のペロペロキャンディみたいなピンク色のチョコ。こういうことを忘れてはいけない。もう一生もらえなくなってしまう。で、リクエストを聞く。ヒヨコ、ホワイトデーのお返しは何が欲しい?「うーんとね、iPhone6 が欲しい!」……。キミも春から中学生、エライこと言うようになったね。
●で、結局なぜかガンプラを買うことになった。

ベアッガイF

「ベアッガイF」
●ヒヨコがよく行くコンビニに長い間売れ残ってたという。早くしないと誰かに買われちゃうと思ってたとな。「ベアッガイF」なんてモビルスーツとしてはアリガチな型番じゃん…と思ったら、なんと親子連れのモビルスーツだったよ!「F」はファミリーの「F」なんだって。すげえな!背中に抱っこしたり、手をつないだりできるらしい。ヒヨコ、以前もこの先行機「ベアッガイ3」が欲しいって言うもんだからソレも買ったし、流れで元祖「アッガイ」「ツミコレEVO! アッガイマニア」も買って…。なんでウチにはアッガイがこんなに増えていくのか?ゆーても、アッガイってジオン軍のモビルスーツの中でもだいぶ地味な存在だよね。

ツミコレEVO! アッガイマニア

「ツミコレEVO! アッガイマニア」。今はウチのトイレで整列してます。
ベアッガイ・シリーズが登場する「ガンダムビルドファイターズ」 Hulu で配信が始まったから今度見てみようかな。太田垣康男のマンガ「機動戦士ガンダムサンダーボルト」でも4〜5巻でアッガイが大活躍中。こっちも注目。敢えて最新5巻表紙の「RX-78AL アトラスガンダム」をスルーして、4巻のアッガイ隊を挿入してみました。

機動戦士ガンダムサンダーボルト4jpg




シリアスでダイナミックなロックを聴いてる。

IMAGINE DRAGONS「NIGHT VISIONS」

IMAGINE DRAGONS「NIGHT VISIONS」2012年
●アメリカ出張行ってる友達がソルトレイクシティで彼らのライブを見たって facebook に上げてたのですよ。あーいいなー!彼らの音楽は前から気になってた。ラスベガスを拠点にした4人組ロックバンド。COLDPLAY のようなシリアスな繊細さと、それがスタジアム級に拡張されてダイナミックに躍動する感じが絶妙だと思ってた。インディバンドだった COLDPLAY 自身は、00年代から地道に積み上げたキャリアの結果、現在はスタジアム級のサウンドでダイナミズムを獲得しているわけだけど、彼らの場合は一番最初からそのデカイスケールを持って登場しているってのがポイント。ピアノやアコギのきめ細やかさとスケールの大きなドラムビート、という幅広いレンジで曲調をドラマチックにしているのが印象的。打ち込み系やハンドクラッピングのリズムでアクセントをつけてる場面もあるのがユニーク。
●シングル曲でもあり、アルバムの一曲でもある「RADIOACTIVE」という曲が不穏で。2011年以降の感覚で「俺は放射能だ」とアグレッシブに連呼する様子は、制御不能の猛々しさがある。マッシブなビートが悪魔の誕生を連想させる。「灰と瓦礫の中で俺は目覚めた…額を拭って身体を奮い立たせる…化学物質を吸い込みながら。神経を研ぎ澄まして囚人バスで移動する…これこそこのこの世の終わりだ…。俺は目覚めた…骨の髄で感じる…俺の身体が吹き飛びそうになるのを。新世紀へようこそ…新世紀へようこそ…俺は放射能…俺は放射能!」ディストピアなダークネスが巨大な深淵を出現させた。


IMAGINE DRAGONS から連想したのはイギリスのバンド MUSE。

MUSE「SHOWBIZ」

MUSE「SHOWBIZ」1999年
IMAGINE DRAGONS の音楽を初めて聴いた瞬間に連想したのは確かに COLDPLAY だったのだけれども、数回聴くうちに、一番ニュアンスが近いバンドは COLDPLAY じゃない、この MUSE だ!と思い至った。トリオ編成からはじき出される野太いロックグルーヴ、ベコベコとうねるベースに神経をかき乱すギター。これにエモーショナルなボーカルが乗っかってダイナミックな世界観を作っている。彼らもファーストからスケールがデカイ。最初から完成しているかのような佇まい。不穏な気配はゴステイストでもあるが、遡れば LED ZEPPELIN「KASHMIR」のような70年代の古典的リフロックまで連想できる。90年代ブリットポップとも異質、後続する00年代ガレージリバイバルとも全く異質。深みのある音響処理はこのファーストを手がけたプロデューサー JOHN LECKIE の技か。

MUSE「ORIGIN OF SYMMETRY」

MUSE「ORIGIN OF SYMMETRY」2001年
●この作品は JOHN LECKIE だけでなく、DAVID BOTTRILL という人物が制作に関わってる。この人がプログレ系の人っぽいのよね。収録も PINK FLOYD DAVID GILMOUR のスタジオを使ってるし。シンセもより大胆に導入されるようになって、スケールがどんどんでかくなっていく感じ。手法としてプログレッシブな要素があるわけではないが、大曲志向にどんどん傾いてる感じはする。そんで、なにしろなにしろリフロックとしての強靭さがどんどん過剰になっていく。

MUSE「ABSOLITION」

MUSE「ABSOLUTION」2003年
いやージャケまでがプログレっぽくなってると思いませんか。70年代プログレの傑作ジャケアートを多く手がけたグラフィックチーム HYPGNOSIS を連想させるというか。次作の「BLACK HOLES 〜」もシュールでプログレ風。…と思ってたら、たった今検索で知ったんだけど、この2枚はマジで HYPGNOSIS の創設者 STORM THORGERSON に発注してるじゃないか!わお!
●でも、本質的にはプログレッシブというほどの実験精神とかはないんですよねこのバンド。ひたすら大風呂敷を広げて、どデカイスケール感で聴くものを圧倒するコトに徹している。確かに、次から次へと襲い掛かるヘヴィネス、パワフルなベースラインやメリハリあるギターリフはどんどん過剰になってる。それは間違いないし、それが彼らの価値なのだろう。

MUSE「BLACK HOLES REVELATIONS」

MUSE「BLACK HOLES & REVELATIONS」2006年
●あいかわらずの MUSE 節。シンセ導入で表情を変える曲もあるけど、とことんヘヴィにドコドコやってます。クラシックっぽい雰囲気も出してきてます…彼らのプログレ趣味ってこの程度のことなのかな。実はこのヘンでボクは MUSE に飽きてきてしまってて、ここ以降はほとんどチェックしてませんわ。配信でライブ見たときとかは、やっぱロックバンドとしてカッコイイなーと思ったりもするんだけど、基本はダイナミックなロックの一点張り。ただし、単純に懐古的なヘヴィメタルにならないモダンさは評価しなければ。それはキャッチーなメロディセンスと、切なげなボーカルワークが音楽に品の良さをもたらしてるのかと思うのであります。
●アルバム最後の曲が「KNIGHTS OF CYDONIA」。これ、二瓶勉のマンガ「シドニアの騎士」の元ネタじゃないか?そう思うと、ワリと雑だった「シドニア」アニメ版主題歌よりもコッチを使ってもらったほうがよかったな。気になって「CYDONIA」って言葉を検索したら、火星の地名だった。覚えてますか?火星地表に人間の顔を形どったピラミッドがあると、オカルト界隈で有名になったあの写真。あの写真が撮影されたエリアが「CYDONIA」というらしい。あれって80年代の話題だっけ?これも調べたらバイキング1号の撮影写真で1976年だって。今の若い人は知らないかー。

CYDONIA_MARS.jpg 

●結局、のちの観測でただの岩山と判明。この陰影は偶然でした。




●動画も「続き」に貼ったよ。「RADIOACTIVE」を是非聴いてほしいな。
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●緑ラベルの「コカコーラ・ライフ」飲んでみた。

COCACOLALIFE.jpg

●別に、おいしくない…。と思ったけど、ボク、そもそもコカコーラ好きじゃないわ。
●つか、炭酸系そのものが好きじゃない。


下北沢のラーメン屋、「春樹 下北沢店」。
●この前まで、担々麺専門店があった気がしたんだけど、いつの間にか変わってた。
●サクッと昼飯と思い、つけ麺を注文したら。
●店員のお兄さんが「大盛りにします?無料ですよ」…「ああ、じゃあソレで」とボク。
そこで、でてきた大盛りサイズが、なんと麺900グラム。1キロ弱じゃん。
●つけだれお代わりしても、まだ食べきれない。腹一杯。死ぬ。
●2日間、胃もたれで苦しんだ…。


●近所の古本屋さんがクローズ。

文紀堂書店

文紀堂書店。下北沢駅から井の頭線で渋谷側へひとつ隣、池ノ上駅から徒歩30秒。線路沿いによく見える店。このお店が今月10日にクローズして、調布市仙川に移転するとのこと。
●ボクが下北沢に暮らすようになった2003年にその存在をすぐに察知し、ほんの時たまだけチェックしてた…実は数年前まではあまりにやる気レスで、お店も在庫も営業時間も荒廃しまくっててとてもマトモな古本屋さんとは言えなかった。ところがある時から、ご主人が変わったのか?(息子さんに代替わりしたのか)、なんだかスッキリしたお店になっていいお店になったのでありました。
●で、久しぶりにチェックしようとしたら、移転のお知らせがお店のドアに貼ってあって。あら、寂しい&悲しい。残念だわ。下北沢という街は本当に新陳代謝が激しくて、どんどんお店が入れ替わる。このお店は少なくとも10年以上、本当はもっと古くからあったはずなのに、とうとう撤収移転か。池ノ上には、駅から離れるともう一軒古本屋がある。そちらにはまだしばらくがんばってもらいたい。

ラストと思って、無駄にバカ買いしてしまった。
マカロニウエスタンの映画ガイド、ハワイのローカルミュージックガイド、さいとうたかを画の「太平記」、雑誌「QUICK JAPAN」じん(自然の敵P)特集、「文藝別冊」岡崎京子特集、古代の西洋音楽の研究書、スーパーマリオ/ドラクエ以前のファミコンソフトの評論本、アラビア世界の歴史書などなど…。本当にコレ読むんかなボク?


テネシー州メンフィスの、ペッタペタのダーティサウス。
●かなり粗末なトラックが、徐々にサウスの一大トレンド・クランクに進化していく。
●それと、このグループ、どんどんメンバーが減っていく。

THREE 6 MAFIA「WHEN THE SMOKE CLEARS - SIXTY 6, SIXTY 1」

THREE 6 MAFIA「WHEN THE SMOKE CLEARS - SIXTY 6, SIXTY 1」2000年
サザンヒップホップのカッコ悪さが、逆に味として美味しく聴こえてしまうようになってしまってる。彼らはテネシー州メンフィス出身のグループ。メンフィスと言えば ELVIS PRESLEY が育った場所であり、STAX HI といったサザンソウル・レーベルの拠点であり、ブルース発祥の地の一つでもある。テネシーにはカントリーの聖地ナッシュビルもある。確かにこの街はサザンの重要都市のひとつというわけ。でもね、その土地柄と釣り合うようにコイツラの音楽がキチンとしてるかというと、そうでもない。
「3つの6」ってのは、黙示録に登場する獣のナンバー666のことでしょう。悪趣味なホラー趣味と過激な暴力表現がテンコモリらしいラップが彼らの売りらしい。いわゆるホラーコアというスタイルだね。しかし良心的なヒップホップファンならこりゃ残念〜ときっと思うだろうほど、トラックが貧弱で笑える。ニューオリンズの CASH MONEY RECORDS NO LIMIT RECORDS バウンスビートがペタペタと気の抜けたショボい打ち込みに聴こえてサザンモノが苦手という人は多いと思うが、コイツラのトラックはもっとペラペラで、奥行きが全くない。どの曲をきいても、スカスカでペタペタしたスネアを打ち込みで単純に鳴らしてるだけで、トラックで全然楽しめない。そんな物件を数年にわたって聴き続けた結果、この貧弱さがクセになってもうボクの中では好物になっているのだけれども。ホラー感覚を誘う意図が、奇妙なレイドバック感を生み出して、そのルードな感じがなんともいえない味になってるのだ。
そんなトラックの上を、大勢のラッパーたちがリレーしていく。このアルバムの時のメンバーは全員で5人。グループの中心は DJ PAUL JUICY J。彼ら2人がすべてのトラックも作っている模様。そして LORD INFAMOUS、CRUNCHY BLACK、紅一点の GANGSTA BOO。多彩なメンツのリレーは、正直誰が誰だかわからないが、粗末なトラックをスリリングにするだけの価値がある。HYPNOTIZE CAMP POSSE という自らのクルーや、JUICY J の実兄 PROJECT PAT、ヒューストンの顔役 UGK などがゲスト参加。

THREE 6 MAFIA「DA UNBREAKABLES」

THREE 6 MAFIA「DA UNBREAKABLES」2003年
早速ですが、メンバーが一人減ってます。紅一点の GANGSTA BOO がいない。実は90年代には6人組だった時代もあって。このあと徐々にメンバーが減ってくのですよ。リーダーたちに人徳ないのかな。
●今回もトラックメイキングは DJ PAUL JUICY J。ちなみに、ジャケ上半分のグラサンが JUICY J でフードを少しめくってる奴が DJ PAULトラックのペタペタっぷりは基本変わらず。ややバタ臭いサンプルを用いてアクセントをつけたり、人数に任せてラップをワサワサ分厚くする工夫はあるが、ペタペタしたスクエアなスネアとチキチキハイハットだけが目立って、グッとくるベースが全然効いてないのでやっぱカッコ悪い。そしてそのカッコ悪さがそのまま愛おしい。このルーズでルードな感じは、スクリュード&チョップドと同じ感覚かも。ヒューストンから LIL FLIPPIMP C が参戦。兄貴の PROJECT PAT もいる。

THREE 6 MAFIA「MOST KNOWN UNKNOWN」

THREE 6 MAFIA「MOST KNOWN UNKNOWN」2006年
あーあ、三人になってしまった。鼻に長い針金を指してる男 LORD INFAMOUS がいなくなった模様。ただし、商業的にはこのアルバムが彼らの最大のヒットになる。ここの時期に映画サントラに楽曲提供してアカデミー賞をゲットしてるほどだもんね。それとゲストが豪華。G-UNIT 軍団のサウス代表 YOUNG BUCK、現在もノリノリのお騒がせセレブ KANYE WEST、同郷メンフィス出身の大物 8BALL & MJG などなど。どんどんリレーしていく個性の濃いフロウも聴き心地がよいね。
●トラックもサンプル使いや洗練されたシンセが目立ってきて、ある意味でイイ味を出してた貧弱さが後退しちゃった向きもある。一方で、同時期にサウス系ヒップホップのトレンドサウンドになっていた「クランク」の要素が強くなってきた。トラックの薄さに反比例して、人数に任せてガナリ系ラップを分厚くしていくフォーマット。本来の持ち味であるホラーコアテイストは、少々ながらしっかり残っています。もう苦味が旨味みたいな感覚。

THREE 6 MAFIA「LAST 2 WALK」

THREE 6 MAFIA「LAST 2 WALK」2008年
とうとう二人になっちゃったよ。CRUNCHY BLACK 脱退。本人たちもこの無様な状態を重々承知で、アルバムタイトルも「最後の2人が歩く」にしちゃった。フォーマットとしてのクランクに見事カッチリはまってきた。不穏なベースラインとシンセ音、チープなドラムマシーン、そしてそのスカスカトラックを埋めるガナリラップの応酬。二人組になっても大勢のゲストの援護射撃でユッサユッサとフロアを揺るがす洗練に到達。お馴染みになった実兄 PROJECT PAT は当然、UGK、AKON、LYFE JENNINGS などなどがゲスト参加。
クランクが最盛期を迎えるのは2003〜2005年頃で、トレンドとしてはやや遅れをとってるようにも見える。リアルタイムの感覚では、このアルバムのちょっと前の時期にアトランタを中心にしてクランクは盛り上がっていた。LIL JON & THE EAST SIDE BOYZYING YANG TWINS がガンガンにガナってた。ただ、今ウィキを見ると彼ら THREE 6 MAFIA こそがクランクの元祖だという。1995年の彼らの楽曲が最初のクランクだったとな。へー。そんな初期作品までは持ってないなあ。
●最後の二人になった DJ PAUL JUICY J だが、サングラスでいいキャラ出してた JUICY J が2009年あたりからソロにシフトチェンジしてとうとう分裂JUICY JWIZ KHALIFA とかとつるんでるみたいよ。2013年には、JUICY J 以外の初期メンバー5人が集まって DA MAFIA 6IX と名乗って再結成。でも LORD INFAMOUS が急死したり GANGSTA BOO がとっとと脱退したりでうまくいってる感じがしない。



●動画もここから先につけておきます。
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ボクは一応、職場じゃプロジェクトのリーダーやってまして。
●納品物の品質管理からコスト管理、各社との受注/発注も調整する。納品は毎週だからクオリティの維持はカッチリ締める。毎週複数のミーティングで主導的立場を担わないといけない。アレコレで数十人の人間が関わってる仕事だし、その全員と日常的に顔をあわせるわけでもないが、それぞれの進行には目を配る必要がある。その中には、ボクから見たら年上の人もいるし、キャリアが長い人もたくさんいる。
●けどね、なんか最近、そのベテランさんの仕事の杜撰さがひどい。勝手な自己判断だったり、手抜きだったり、コスト感覚の欠如だったり。新しい仕事に対する勉強不足も酷すぎる。もう、目に余る。それを見ている若い世代が呆れかえってたり、辞めたいと言い出したり。そんな時、周りの人が言いづらい事を言わなきゃいけないのがボクの立場。結局こういう人たちに厳しい言葉を浴びせるのもボクの仕事の一部だ。今週はいきなり週のドアタマからそんな事案がいきなりドカドカあって、本当に不愉快。そして疲れる。モーレツに疲れる。当たり前でしょ、年上のベテランさんにボクが「仕事マジメにやってくださいよ!一体これで何をお任せできるんですか?」「これおカネ辻褄あってるんですか知らないですよ!」とギャーギャー言うのが、気持ちいいわけがない。……実際、ボクは普段からそういうことを言うタイプではないので、今週のブチ切れぶりには先方もかなりビックリしたようだったけど。
●バブル経済破綻からリーマンショックを経て、この15年間ウチの会社の採用数は激減し、代わりに非正規雇用や待遇の違うグループ企業のスタッフが増えた。人口ピラミッドが完全に逆三角形。ボクより上はタップリいるが、ボクより下は全然いない(幸いなことに2〜3歳幅の同世代はたまたま多い)。で、いろいろなところで会社内外問わず、ガッカリするようなベテランさんに会う。よくぞフリーの立場でこんないい加減な仕事してられるよな、みたいな人には早々退場してもらったりもしたし、これからだってサヨウナラさせてもらう。若い人の方が健全だわ…それが未熟でも新しい感覚を提案してくれるし、モチベーションも高い。でも、契約上の立場はバイトみたいなもんだったりもして。委託先の派遣社員だからね、もうボクの範疇じゃないのよね。待遇良くしてあげたいよ。とかいって、あーごめん、ボクのプロジェクトじゃ予算パツンパツンでやっぱりギャラ積み増せないわ、ガクッ。「おれこのまま今の仕事続けても先が見えないんで、辞めて春から自衛隊に入ろうと思ってるんですよ」と真顔で相談された時は、ホント返す言葉がなかったわ。自衛隊だってほんの数年しか在籍していられない立場だというし、その後のキャリアが何につながるのか微妙なのに、それよりもこの職業の方が先行き不透明なわけなんだ…。
ということで、今週のボクは激しく苛立っていた。ピリピリ!



●そんな感情に、形を与えることで昇華をする行為を、無意識にしてたのか。
●今週は、00年代の、エモを中心に音楽を聴いてた。パンクのフォーマットにエモーショナルな表現。ガーッと上がる感情が、いつの間にか前向きなパワーに変わってく、そんな音楽たち。

MIDTOWN「LIVING WELL IS THE BEST REVENGE」

MIDTOWN「LIVING WELL IS THE BEST REVENGE」2002年
エモいヤツ、いっぱい下さい。もう自分の中の燃料がエンプティで、モーター駆動できません。エモーショナルなロック、エモで活力を注入。じゃないともう立ってられない。もうそんな気分だった。
●このバンドは、00年代前半に活動してたバンド。出身はニュージャージーだけど、レーベルはカリフォルニアの DRIVE-THRU RECORDSDASHBOARD CONFESSIONALNEW FOUND GLORYTHE STARTING LINE といった、ポップパンクエモのバンドをいっぱい扱ってるトコロ。で、このバンドもマッシブなギターサウンドと疾走感で突っ走る。不安も憂鬱も全部突き抜ける勢いで。4人のメンバーのうちドラマー以外がみんなメインボーカルを張る点、そんなボーカリストたちがコーラスを添えながら織りなすキャッチーなメロディもナイス。
●アイディア一本勝負で押し通すパンク体質だけでは説明できない、曲調やアレンジの多彩さ、ヒネリのある展開、コーラスやメロディの美しさ、などなどが、いかにもエモ体質。バンドのフォーマットやギターのガリッとした感覚はあくまでパンクテイストだけど、そこだけ見たのでは消えてしまう個性がキラリ光るのかエモの特徴。エモコアといえばパンク要素が濃く聞こえるが、この00年代からはエモはハードコアから切り離されて、独立したジャンルになる。そんな時期の一品。

RELIENT K「MMHMM」

RELIENT K「MMHMM」2004年
●こちらはオハイオのバンド。軽く硬く乾いて速い。まさしくポップパンクの要素がしっかり入ってる。でもそれだけでは解決しない、パンクの名前に隠れてしまうには惜しいメロディや展開の妙技、そしてキャッチーなポップネスがこのバンドにも備わっている。2000年にアルバムデビューして脂が一番乗っている時期かも。
●英語のWIKIをみてると「クリスチャンロック」という位置付けになってたりもしてて。なんとこの一つ前のアルバムではグラミー賞で「ベストロックゴスペルアルバム」部門にノミネートされてもいるのだ。つーか「ロックゴスペル」などという部門があるのかグラミーには!しかし、この「クリスチャンロック」ってくくりは、やっぱボクにはよくわかんないな…。このジャンルは幅が広くてクリスチャンメタル、クリスチャンヒップホップ、クリスチャンハードコアもあるとな。歴史も1960年代末まで遡るというし。でもね、イスラム教やキリスト教などなど、宗教全般の問題について、今ボクはISIS日本人人質殺害事件以来ちょっと混乱してしまっていて、ちょっとそこに突っ込む気になれない。

RELIENT K「FIVE SCORE AND SEVEN YEARS AGO」

RELIENT K「FIVE SCORE AND SEVEN YEARS AGO」2007年
●4枚目だった前作「MMHMM」から少しブランクを空けての5枚目のアルバム。軽く硬く乾いて速い、洗練されたパンクのフォーマットを維持しつつも、ドラマチックな展開やハーモニーワークはさらに高度になって、実にポップな内容になってる。ロックの痛快なドライブ感と陽性の開放感が耳と胸を貫いて熱い!通して聴くと、あまりの耳障りの良さに普通に聴き切ってしまうが、一曲一曲には様々な技が仕込まれていて、そこに引っかかり出すとその引き出しの豊富さと鮮やかなポップネスに息を呑むような思いになる。ピアノが軸になるピアノエモもやってるし。このアルバム大好き!もっと聴かれてほしいバンドだなあ。

I HATE KATE「EMBRACE THE CURSE」

I HATE KATE「EMBRACE THE CURSE」2007年
●このバンドは、90年代末〜00年代に活躍してたポップパンクバンド ZEBRAHEAD のフロントマン JUSTIN MAUIRIELLO 人気絶頂を迎えてた時期にわざわざ飛び出して作った新バンド。ハードコアパンクからラップコア、スカコアまでをカバーしてた ZEBRAHEAD の印象からガラリと変わって、真摯にメロディへ向き合ったエモいロックを追求するシリアスなバンドになってしまった。ファストなビートとソリッドなギターという意味では十分にポップパンクとしてのカタルシスも得られるだろうが、なんだかもっと丁寧に整えられたサウンドはぐっと耳に馴染みやすい。ファストにこだわらずミドルテンポにも挑戦。ちなみにバンド名 I HATE KATE はタダの語呂合わせだったのだろうけど、ケイトさんという一般女性からマジでフザケンナ的なクレームを受け取った結果、今は DARLING THIEVES と改名されてる。あ、ちなみに、彼らの出身はカリフォルニア州オレンジカウンティ。00年代のエモ勢力は全米を席巻しており、バンドの分布は国内全土に及んでいる。

QUIETDRIVE「WHEN ALL THATS LEFT IS YOU」

QUIETDRIVE「WHEN ALL THAT'S LEFT IS YOU」2006年
●こいつらは北部カナダ国境に面したミネソタ州出身のバンド。疾走感と焦燥感で胸が熱くなるファスト&ラウドなパンクロック。そこにエモーショナルなボーカルが乗る。ガツンと気持ちをアッパーに持って行ってくれる上昇力、困難に負けない不屈の精神を奮い立たせてくれるパワー。エモとして重要な要素がしっかり備わっていて頼もしい。CYNDI LAUPER の名曲「TIME AFTER TIME」のエモカバーなんかもやっちゃってる。
●このアルバムだけでメジャー契約が終わり、インディでもう一枚アルバム出した以降は活動が低迷気味。なんとクラウドファウンディング KICKSTARTER で出資を募ってアルバムを自主制作したりしてる。

MOTION CITY SOUNDTRACK「COMMIT THIS TO MEMORY」

MOTION CITY SOUNDTRACK「COMMIT THIS TO MEMORY」2005年
●前述 QUIETDRIVE と同じミネソタの中心都市ミネアポリス出身のバンド。パンクの名門インディ EPITAPH からリリースしたこのセカンドアルバムで全国区の人気を獲得。エモバンドとしてダイナミックなメロディを、ソリッドなギターサウンドで炸裂させる。隠し味にムーグシンセサイザーを使ってるのもこのバンドの特徴らしいが、このアルバムではその存在感はあまり感じられないかな。楽曲の痛快さは他のバンドに引けを取らない確実さ。
●プロデューサーはポップパンクでの人気バンド BLINK-182 のベーシスト MIKE HOPPUS が担当。この男は NEW FOUND GLORY のような直球パンクから、先日このブログで触れたエレポップユニット OWL CITY まで手がける広い芸風の持ち主。一曲でボーカル参加もしている。

WAKING ASHLAND「COMPOSURE」

WAKING ASHLAND「COMPOSURE」2005年
●今日は2005年あたりを軸にした、エモ系音楽をどんどん紹介してる。エモシーンの源流は80年代まで遡るし、90年代にも重要バンドがたくさんある。でもエモが一番大衆受けしてたのはこの2005年前後だと思う。エモはファッション化し、若者のライフスタイルとして定着し、音楽表現も拡散し始めていた。このバンドは2003年に西海岸サンディエゴで結成、自主制作でリリースした最初のシングルがネット経由でブレイクしてあっという間にこのファーストアルバムに結実する。パンクフォーマットにとらわれないピアノの大々的導入が、エモも成熟したもんだ、みたいな印象を感じさせる。そのキャッチーさは「10年に一度の逸材」などともてはやされたようだが、さすがにちょっと甘口すぎるかな…。この後2007年にセカンドをリリースするもその直後に解散する。

THE GET UP KIDS「ON A WIRE」

THE GET UP KIDS「ON A WIRE」2002年
エモシーンを大きなムーブメントに盛り上げた大立役者バンド!彼らがいなければ、エモはいつまでもハードコアパンクのサブジャンルに過ぎない存在のままだった。彼らがいなければ、ボクはエモという音楽を察知することもできなかった。アメリカのど真ん中、カンザス州カンザスシティ出身の彼らは、1997年にファーストアルバム、1999年にセカンドを発表。奇妙な貧弱さと繊細さ、そしてメロディ本位のアレンジを打ち出して、パンクの一亜種としてエモコアと呼ばれてた音楽を、ハードコア文脈から切り離すことに成功。「エモではあるがコアではない」新ジャンル「エモ」を世間に知らしめることになるのだ。
●で、ボクはリアルタイムでこの動きを察知し、彼らのCDを買って聴いてるんだけど……実は当時の段階で理解できなかった!なんか中途半端だなぁ、何がしたいの?メロディとかにコダワってるってある意味反動だよね、もっと逸脱した表現に突き抜けていけないの?…みたいな受け止め方をしちゃった。ノイズとかポストロックとかエレクトロニカとか、90年代後半って過激な実験が進みすぎちゃってる気配もあって、音楽マニアしか楽しみようがないイカれた音楽が奇妙に支持されちゃってた場面があったのです。で、ボクはそんなイカれた音楽を好むタイプだったから、彼らの繊細なポップネスはダメだと思ってた。
●ただし、90年代が終わり、911テロが起こり、アフガン/イラクでの戦争とともに21世紀が始まってみると、ヒネくれた実験性よりも実直なポップネスをキチンと見定める、若いアーティストが次々と現れるようになった…エモ以外の領域でもね。不安定な時代がシッカリ根を下ろした表現を求めたと思うのですよ。その状況を織り込んで、ちょっと苦手意識のあったこのバンドの音楽を見つめ直してみると、なるほど確かな価値がキチンと見えてくる。まーそれでもこのアルバムは、彼らのキャリアの中でもパンクから一番遠くに離れたラフさが目立つ作品で、なかなか掴みづらいモノでもあるんだけど。やっぱこの作風の変化とかとかアレコレが彼ら自身にも結構負担だったのか、この2005年に一回解散しちゃうんだけどね。終盤の「CONVERSATION」という曲のゴリっとしたロックチューンとサイケ風味の入り混じったテイストだけは、ボクは大好きですよ。

JIMMY EAT WORLD「CHASE THE LIGHT」

JIMMY EAT WORLD「CHASE THE LIGHT」2007年
00年代エモシーンで最も影響力を持ったバンドが、この JIMMY EAT WORLD だったのだろうと、ボクは思っている。このバンドが繰り出した1999年「CLARITY」と2001年「BLEED AMERICAN」の二枚はロック史全体に残る大名譜。バンドの出発時期でいえば THE GET UP KIDS と同世代で、エモシーンは彼らの動向で成長してきた。でも本当のブレイクスルーは前述の二枚のアルバムの商業的成功で、結果的にそれがエモを全国区、いや全世界に知らしめることになる。
●で、その大成功を受けての2004年「FUTURES」は、ボクの中では不発気味でちょいとガッカリだったんだけど、そこからちょっと時間を空けての今作は、彼らが持つ天真爛漫な陽性のピュアネスと、パンクフォーマットへの硬い信頼感、そして小細工ナシのダイナミックかつキャッチーなメロディセンスが炸裂していてとても気持ちがイイ。これもまた傑作。
JIMMY EAT WORLD に先行する90年代のエモバンドには、SUNNYDAY REAL ESTATE がいる(以前彼らについて記事を書いています)。JIMMY EAT WORLD は彼らと彼らが1994〜2000に残した4枚のアルバムを模範にしながら音楽を作っていったという。ただ SUNNYDAY REAL ESTATE90年代オルタナが抱き続けた歪んだ闇を手放さなかったし、それが故に90年代のうちにその役目を終えてしまった。彼らの作品も間違いなく90年代を代表する傑作なのだが、JIMMY EAT WORLDそれを裏返す圧倒的な明るさで独自の道を切り開いた。その姿勢は、このアルバムにも一貫してる。

WEEZER「MALADROIT」

WEEZER「MALADROIT」2002年
エモの源流をさらに遡れば、80年代のハードコアパンクシーン、特にワシントンDCのシーンにまで至る。ここでヤケクソのハードコアを鳴らしていたバンド MINOR THREAT のカリスマ IAN MCKAYE が、後継バンド FUGAZI においてもっとエモーショナルな表現を切り開こうと挑戦したのが元祖と言われている。ここから、エモーショナルなハードコアパンクというジャンルが80年代に出来上がる。略称エモコア。BOB MOULD のバンド HUSKER DU そしてその後継バンド SUGAR とかも十分にエモーショナルだと思う。これが90年代グランジ/オルタナティブロックの時代に突入することで、全米各地のパンクバンドが様々なアプローチでメロディックな楽曲を作るようになる。メロコアという言葉もあったよね。そんな気分から SUNNYDAY REAL ESTATE は登場したし、ちょっと遅れて、THE GET UP KIDSJIMMY EAT WORLD が登場。そして00年代を迎えることとなる。
一方で、別の流れの潮流が、エモをさらに補強している。90年代にあったパワーポップの流れだ。ハードコアとは別の文脈で、ラウドなロックを鳴らしていたバンドは多かったし、その中でキャッチーなメロディ志向のバンドも数多くあった。特にこのバンド WEEZER はデビュー盤からその泣き虫なメロディでブレイク。ロックバンドらしからぬオタクっぽい風貌も含めて独特の立場を作った。彼らの存在が、エモというシーンに多様性のある豊かさを供給した。マッチョなハードコア文脈から逸脱してもエモは成立すると証明したからだ。
●結果的にこのアルバムは彼ら WEEZER にとっては大分ハードなサウンドに振り切った内容になってる。1994年デビューで予想外の大ブレイク、その反動からの内省的テーマの1996年セカンドでの失敗。そこから紆余曲折でバンド活動の実質休止まで追い詰められた時期もあった。でもこの段階のバンドはラウドでソリッドなギターサウンドに固く武装してる。その堂々とした姿勢がなんとも雄々しい。そしてその分厚いサウンドでチャーミングなメロディを包んでいる。ちょっとセンチなヤツもあって、従来の WEEZER らしさも残ってはいるが、どちらかといえばヘヴィネスに突き抜けた新しい彼らの姿勢に惹かれる。パワフルで、エモーショナル。 シングル「DOPE NOSE」のプロモなんて最高!昭和日本のヤンキールック暴走族が改造バイクで爆走しまくってる。

WEEZER「WEEZER (THE GREEN ALBUM)」

WEEZER「WEEZER (THE GREEN ALBUM)」2001年
●失意のセカンド「PINKERTON」1996年以降の活動休止から5年のブランクをおいての復活作。このアルバムを受けて前述の「MALADROIT」へとつながる中継的存在の三枚目。ソリッドなギターサウンドと痛快なメロディは健在。初期 WEEZER に影響を受けたエモ世代がいつのまにかに大きく成長して、停滞していた彼らの復活を暖かく迎えてくれた。突き抜け具合では、次作「MALADROIT」に譲るが、パワーポップとしては優秀な一枚。

SCOTT MURPHY「BALANCE」

SCOTT MURPHY「BALANCE」2009年
ALLISTER というバンドとソロ名義で日本語ポップスやアニソン、アイドルソングまでをカバーしてきた親日ポップパンクロッカー。その日本語の達者具合に、登場の瞬間は誰もが驚いたはず。そんな彼が初めて全曲オリジナル(つまり同時に英語詞でもある)で勝負したアルバム。一曲日本語詞オリジナルもある…あいかわらず日本語達者だなあ。
●ジェイポップカバーという枠を超えて、直球の本心をぶち込んだ彼の楽曲は、やっぱり起伏の激しいエモーショナル表現で楽しい。彼自身のスウィートなボーカルも心地よい。とはいえ、パワーポップでありエモでもある以前に、もう完全にジェイポップ的ロックにもなっちゃってる感じもある。これって録音の仕方?最後の仕上げ方?音の粒だちがきめ細やかで日本のロックっぽい。渦巻くギターのエフェクトも丁寧でかっちりとゴリゴリしている。
「ドラえもんのうた」などなどで名を挙げた彼から連想するに…。エモって拡大解釈していくと、そのエモーショナルな展開テクでいえばアニソンですら十分なエモになりうるのよね。短い尺(2分ないはず)のオープニングで視聴者のハードを一瞬でワシ掴みにする必要があるのだから、そのギミックの密度感たるや半端じゃないと思う。
●ちなみに、ここであえて SCOTT MURPHY を記事に加えてみたのは、WEEZER の音楽的頭脳 RIVERS CUOMO とユニット・スコットとリバースを結成して、日本語オリジナル楽曲に挑戦しているからだ。ボクが聴いているのは「HOMELY GIRL」という曲。RIVERS CUOMOSCOTT MURPHY も見事な日本語で歌っててスゲえ。あー今検索して知ったけど、RIVERS CUOMO の奧さんは日本人なのね。このプロジェクトでのアルバムリリースにふたりは4年かけたというよ。マジだね。



蛇足。「スコット・ピルグリム」シリーズ。
ボクはこれで、エモがなんたるか、やっと理解できた。カナダ人が描いたマンガで映画化もされたヤツ。

ブライアン・リー・マオリー「スコット・ピルグリム VS ザ・ワールド」

ブライアン・リー・オマリー「スコット・ピルグリム VS ザ・ワールド」
ブライアン・リー・オマリー「スコット・ピルグリム & インフィニット・サッドネス」
ブライアン・リー・オマリー「スコット・ピルグリム VS ザ・ユニバース」
●2010年に公開された映画「スコット・ピルグリム VS 邪悪な元カレ軍団」の原作マンガ。この映画、素朴にバカっぽくて面白そうだなーと思ってたら、渋谷ツタヤで分厚い原作マンガが積んであったのを発見。本筋でいえば、マヌケなダメ男が謎の彼女を射止めるために、その彼女の元カノ軍団(このヘンから既に意味不明)と戦うハメになるという話。先に言えば、映画はストレートにB級感満載の愛くるしいバカ作品。でも原作はチョー楽しい。全3巻とはいえ、一冊のボリュームがデカイから読み応えもタップリ。
●で、ここで描かれている主人公たちの生活ぶりが、もはやこの段階で完全な習俗に定着していたライフスタイルとしての「エモ」だった。髪の毛を無駄に赤だの緑だのスットンキョウな色に染めて、テロテロのTシャツと履きっぱなしのジーンス、いけてるのかよく分からんバンド活動、ゲイの友達との貧乏ルームシェア、プレイステーションのゲームに夢中、ゴスファッション、スケートボード、スターバックスでバイト、ライブハウスが社交の場、将来への展望なし、就職活動興味なし。エモ全盛期には30歳になってたボクには、アメリカの若者のリアリティなんてもうイメージつかなくなってたんだと思う…けど、このマンガで一気にエモ当事者のイメージがフォーカスされた。エモってこんな場所から鳴ってる音楽だったのね!意味が分かったわ。この等身大のチッポケサやこの等身大の恋愛感情がエモの源泉だったのね。この2010年のタイミングから、それまで意味も分からず買ってたエモ系音源を聴き直すようになって、普通に楽しめるようになったわけ。
●彼らのライフスタイルは2015年と時代がもう一周りするような時間経過を経ても、tumblr のタイムラインとかで「#soft grunge」みたいなタグとともに(この「ソフトグランジ」ってキーワードも意味深だけどね。90年代再評価?)、おバカな若者のルードな美意識としてダラダラ流れてきてる。

「スコット・ピルグリム VS 邪悪な元カレ軍団」

●こちらがDVD版「スコット・ピルグリム VS 邪悪な元カレ軍団」ね。
●残念ながら映画はイケテナイ。マンガ原作のタッチが圧倒的に日本人好みのカワイイキャラで、そのイメージを覆すトコにイケテナイ。シャア・アズナブルを実写化できないのと一緒ね。作者ブライアン・リー・オマリーは中国系カナダ人らしく、その意味では日本のマンガタッチと相性がいいのかもしれない。もうね、マンガにでてくる女の子がみんなチャーミングで!単純な輪郭線だけの素朴なキャラ造形なのに、イキイキとしてて惚れそう。戦闘シーンですらカワイイ!
ブライアン・リー・オマリーはあとがきで、執筆時のBGMとかもメモしてて。それがエモだけじゃないからまた面白い。そのヘンの音源もボクの手元にあったりするので、いつか紹介してみたい。



●動画も、「続きを読む」につけました。
●WEEZER「DOPE NOSE」は見て欲しい!この昭和ヤンキーテイストは是非見て欲しい!
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●下北沢をウロウロして過ごす週末が、一番ココロ落ち着く。

cafe hou-hou1

●CAFE HOU-HOU:世田谷区北沢2-7-3 ハイツ北沢1-A
●下北沢駅から南口のヴィレッジヴァンガードの前を通って、そのままシェルタへ向かう小道の途中。お隣はハードコアパンクのお店。以前はストロングに甘いベトナムコーヒーを出す本格ベトナムカフェだった場所。実はオーナーさんが芸人 COWCOW の片っ方の人とのことで(ごめんなさい、どちらかわからない)、あーCOWCOWだからHOU-HOUなのかー、とか妙な納得をしたもんだ。実はホーホーと読ませて、フクロウがトレードマークになってるんだけど。以前のベトナム時代もそうだったけど、今でも小ぶりの店内は品が良くて気持ちイイ場所。

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●先日、テレビ(日テレの「火曜サプライズ」)でカレーが名物のお店として紹介されてたとウワサに聞いたもんだから、ヨガ教室の帰りに立ち寄ってみた。850円でオシャレな感じのカツカレー。カツカレーというからボリューム満点かと思ったら、女性向けのチンマリしたハムカツ感覚でしっかり品のいいカフェメシになってた。おいしかったですよ。



シンセ/エレクトロの手法を、ロックバンド的文脈に引き込んでて感心したアーティスト。
エレポップといったらすぐにダンスミュージックに直結してしまう印象があるけど、エレクトロ機材をタップリ使いながら、ダンスとは関係ない表現に着地させるシンガーソングライターがいて、とても楽しい。

THE SECRET HANDSHAKE「ONE FULL YEAR」

THE SECRET HANDSHAKE「ONE FULL YEAR」2008年
●最近のボク自身の気分がエモに偏ってる。だから、エモ聴きたいなあと思って、コレをプレイヤーに載せてみた。ジャケの雰囲気からエモのロックバンドだと思ってたんです。ゴリッとした感覚は薄いけど、ちょっと切ないメロディの気分やロッキンなボーカルのスタイルがエモピアノのアクセントも、実にピアノエモっぽい。
●でも、冷静に聴いてみると、アレンジがシンセ偏重で。最後の方はオートチューンっぽいボーカル加工まで出てきて。実はリズムトラックも打ち込み主体だなあ。なんでこんなにシンセ依存が激しいんだろう?と思ったら、こいつはバンドではなくて、LUIS DUBUC という男のソロユニットだった。実は制作手法としては完全にエレクトロ駆動のダンスミュージックと同じだったわけだ。アルバム終盤の「MAKE YOU MINE」まで行くとシンセ大導入のイマドキのヒップホップみたいなほどだったりもする。トークボックスみたいなボーカルエフェクトまで入れちゃってるからね。
●でも、この男が単純なダンスミュージックに流れることなく、たった一人というのに、ボーカルに軸をもたせたエモーショナルなロックにこだわったトコロがむしろ嬉しかった。エモは、遡ればハードコアパンクの中に源流があるムーブメントだ。でもそこからギターをゴリゴリ言わせなくともエモい表現は可能だと、ここまで鮮やかに、かつキャッチーに証明されると、なかなかに痛快だ。
THE SECRET HANDSHAKE というユニット名での活動は一旦締めくくり、この男は現在 MYSTERY SKULLS という名義で活動してるとな。そっちはまだ聴いたことがない。

OWL CITY「MAYBE, IM DREAMING」

OWL CITY「MAYBE, I'M DREAMING」2008年
●そこで、完全に打ち込み手法を用いながらもダンスミュージックに流れずにロックバンドのようなポップスを描くユニットの話へ。OWL CITY もまた ADAM YOUNG というたった一人の男で構成されてるユニットだ。彼の音楽に関してドリーミーポップなんて形容詞をよく見かける。確かにドリーミーはもちろんではあるけど、それ以前に見事に可愛らしいギターポップみたいな骨格と甘いボーカルを持っていて、メロディに集中しているとシンセポップだということを忘れてしまうような感覚に至る。このCDも数回聴いてるうちに徐々に気づいた…あ、バンドじゃないんだこの音楽、みたいな感じで。ギターもあんまり使ってないな…完全にギターポップだと思い込んでたのに。エモというには甘すぎるかもしれないけど、ダンスミュージックとは捉えないでほしい。そうすると一気に残念な印象になってしまう。多くの実りが見えなくなってしまうから。実際、この男は別名義 SKY SAILING でアコースティックスタイルの音楽も作ってる。
●ちなみに、このCDは、神楽坂から矢来町交差点方向に歩いてく途中で見つけた古本屋のCDコーナーで見つけたんだっけ。もう一昨年のこと。500円でお得!と思った。

OWL CITY「THE BEST OF OWL CITY」

OWL CITY「THE BEST OF OWL CITY」2009〜2014年
OWL CITYメジャーデビューしてからの3枚のアルバム、一枚のシングルから寄せ集めた日本独自企画盤。前述「MAYBE I'M DREAMING」はインディ盤、というか自主制作盤だったらしい。メジャーになったらエレクトロ度が一層増してる。相変わらずのキュートなメロディラインとポップスセンスだけど、完全なシンセポップになってる感じ。ふわふわ加減がもっと進んだらチルウェーブのジャンルに入るほどかもだけど、EDM 気分もガッツリ入ってきたね。CARLY RAE JEPSEN とのコラボ「GOOD TIME」ともなると完全に EDM 要素の入った多幸感ダンスミュージックに。でも新しい順番で曲が並べてあるから、アルバム終盤はメジャーデビュー直後の奥ゆかしいドリーミーポップも出てきてくれる。
OWL CITY、去年は SEKAI NO OWARI ともコラボしてるんだよね。

CARLY REA JEPSEN「KISS THE REMIX」

CARLY REA JEPSEN「KISS - THE REMIX」2013年
OWL CITY が彼女とコラボしたシングル「GOOD TIME」が3種類リミックスされて収録されてる。完全にアゲアゲの EDM になりました。リミキサーは…知ってる人は誰もいない…。その他収録曲は彼女の代表シングル「CALL ME MAYBE」「THIS KISS」「TONIGHT I'M GETTING OVER YOU」。これも日本独自編集盤で、本来は12インチシングルだけの音源を初めてCD化したらしい。
カナダ人の、よーくみると地味目のおネエさんである CARLY は、アイドル歌手ってわけでなくて、ちゃんと詞曲を自分で書くシンガーソングライター。27歳まではカナダローカルだけでしか評価されてなかった苦労人。こんなダンスミュージックじゃなくて、普通に聞いた方が良さそうだな。

DEBBIE GIBSON「ELECTRIC YOUTH」

DEBBIE GIBSON「ELECTRIC YOUTH」1989年
こいつは、80年代モノですわ。エレクトロポップという流れで今日はCDを紹介してるので、こいつも並べてみる。タイトルが「ELECTRIC YOUTH」だからね。実は僕の妹がリアルタイムの中学生の時にこれをカセットテープで聴いてた。うわ〜懐かしいねー。だから思わず買ってしまった…下北沢ドラマの決算セール、290円也。
●この時期って KYLIE MINOGUETIFFANY といった白人アイドルシンガーが登場しまくってた時期だった。CMソングに BELINDA CARLISLE が鳴ってたりもしてた。80年代の大先輩としては MADONNA CYNDI LAUPER とかもいて。あー BANGLES も人気者。そんな中に彼女もいた気がする。まだティーンだったのに見事ブレイク。しかも今知ったのだけど、彼女は詞曲全部を自分で書くシンガーソングライターでもあったのね。今でいえば KATTY PERRY みたいなポジション?
●結果的に、このアルバムはそんなにエレクトロポップな気分は表題曲「ELECTRIC YOUTH」以外はなくて、楽しいバブルガムポップを若い女の子の身の丈感覚で作ってる感じ。このアルバムから一番ヒットしたシングル「LOST IN YOUR EYES」もバラードソングだしね。
●アイドルブームが過ぎ去った後は、名前を本名の DEBORAH GIBSON にしてミュージカル女優に転身。地道に活動してるそうです。


●動画は「続きを読む」から。
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