ギリシャの経済危機ってヤバいと思う?
リーマンショックみたいになると思う?
確定拠出年金で自分の退職金を運用しないといけない現代サラリーマンであるボク、とりあえず、たった今、日本株/外国株を半分くらい売却してパッシブな年金商品に振り替えたよ。今オペレーションしておけばギリシャの国民投票以前に転売が終わる。そこから始まる混乱の影響は受けずに済む。混乱があればね…デフォルト?EU脱退?

リーマンショックは面食らったねえ…。会社の中もイキナリ殺伐として、経費の使い方が恐ろしいほど切り詰められて。エライ人が独裁者のように君臨して幹部を粛清しまくってた。確定拠出年金もバックリえぐられて、退職金なくなっちゃう!と思った。…結果的には、もっとヒドイ目にあった人は大勢いた…あと1年で退職なのに今までの蓄積が半額以下になっちゃったとか。人生計画狂うわ。
●一方、リーマンショック以降、底値とみたタイミングからボクは逆張りをはじめて、リーマン発生2008年から超円高モードだった2012年までアクティブな外国株式をぐんぐん買いに入ったのですわ。それが反転超円安モード&世界的な株高&アベノミクスでここ3年でめっちゃ成長して年利10%記録しちゃった。しかしさすがにこれ以上の円安は無理って局面であろう今のタイミングで、こいつを利益確定しておいたほうがいいのでは?と思ったのだ。ギリシャ危機はそのキッカケ。そんな読み。ユーロが不安定化すれば円高モードになるだろうから、外国株は相対的に値を下げるだろうし。で、また株安になったら、徐々に買いに入る…。
●うーん。でもギリシャ自身は小さな国だから、リーマンショックほどのインパクトは起こらないか。しかしねーギリシャの人にとって今起こってるコトってすごく怖いコトだよね。銀行が営業停止させられて、目の前の銀行からお金が下ろせないって恐怖すぎる。今そんなコトがこの日本で起きたら?もう日本の銀行が信用できなくなったとして、国外にどうやってお金を移すの?金でも買うの?


一方、資格試験の過去問に取り組んでいるんだけど…。
8割正解しないといけないトコロで、6割取れない…本格的にヤバい。
●試験当日まで、あと二週間しかない。正直、ちょっとナメすぎてた。
●くっそー。残業してると勉強時間が確保できないよ…四半期末だから忙しくなるのに。


●さて話は変わって、我が家の団欒は夕ご飯を食べながらのアニメ鑑賞でして。
「サイコバス」を見終わっての、「シドニアの騎士 第九惑星戦役」も無事見終わっての。
●そこからの、「艦隊これくしょん - 艦これ」をも全部見てしまいました。

艦隊これくしょん

アニメ「艦隊これくしょん - 艦これ」
●大人気のオンラインゲーム「艦隊これくしょん - 艦これ」の存在を知ったのは、一昨年の秋。しかしあまりの人気にサーバーが混み合っててアカウントすら作れない始末。その頃の加熱っぷりたるや、このゲームを特集した雑誌「コンプティーク」が月刊誌のくせに二回増刷したほどのインパクト。いやいや大ブームだね…。と思ってたら、東京MXにて今年1月からアニメが放送された。これを香ばしいオタクに育ちつつある息子が発見して全録画。そいつを、やっとボクも全部見ることができた。

太平洋戦争で活躍した軍艦を、カワイイ少女に擬人化して、それを操って敵と戦うという設定。アニメでいうと「鎮守府」という場所を拠点として、「深海棲艦」という正体不明の不気味な連中と戦う設定。ヒロインである駆逐艦「吹雪」は、非力で不器用な少女だけど、戦いと友情の中で徐々に成長して、憧れの先輩・空母「赤城」の随伴艦になる…そんなお話。
セーラー服を着てるってのは女子学生風でいて、そういえばそもそもは水兵さんの制服が由来なんだよなー。ソースはゲーム製作者のインタビューだったかな?船は欧米では女性に例えられる事が普通だから軍艦を少女にするアイディアには迷わなかった、なんて話にふーんと思ったり。実際、いろいろなトコロでホォーッて思える表現がある。水上をスケート/水上スキーのように滑っていく艦娘のアクションはユニークだと思った…ここはゲームでも表現されてなかったから話題になったね。空母たちは弓道の弓矢を携えていて、矢を放つとそれが航空機に変身して偵察や爆撃をしたりする。なるほどねー。

●そんで関連本なんかも読んだりする。

日本海軍「艦これ」公式作戦記録

「日本海軍『艦これ』公式記録」
でもね、でもね。さすがにあの太平洋戦争の軍艦を萌え萌えのキャラクターにしてしまうってコンセプトには、ボクの心の奥底でなにかチクチク引っかかるモノがあるのですわ。考えれば考えるほどその根拠って不明瞭なんだけど、やっぱり、引っかかる。引っかからないといえばなんだかウソになる。
●予防線は製作者側からキチッと張ってある。アニメにおいては、不気味な怪物を敵に設定することで、ストーリーを史実の戦争/戦闘とは全く切り離している。史実に近づければ、この作品のイデオロギー的立場を問われるだろうし、日本海軍の行動/行為の意味を問われるだろう。そこを丁寧に回避した製作者の意図がこの姿勢に現れてるのだろうし、それは確かに無難で妥当な選択だと思う。同じ実在の艦船を題材に用いた「宇宙戦艦ヤマト」と何が違うと言われれば、同じですよと答えられる。ゲームでは戦闘で損傷した艦娘は服が破れて半裸になってしまうらしいが、アニメではそこの表現もボチボチな程度で収まってる。その意味で特別不謹慎とは言えない。でもね。なにかがボクの中で引っかかるんだな。
●アンソロジーマンガから同人本、ネットに無数にあがるイラストなどなど、無限に増殖する「艦これ」の二次的創作物。その中で、この本はある意味で一足踏み込んでいる。艦娘たちのイラストで、太平洋戦争の海戦の記録を説明しているのだ。「真珠湾攻撃」「ミッドウェー海戦」「レイテ沖海戦」などなどの大作戦や、アラスカ・アリューシャン列島の先っぽアッツ島や現スリランカ沖のインド洋と、こんなとこまで戦いに行ってたのかみたいな海戦まで網羅してる。それはそれで史実として淡々と描写されてるんだけど…敗北した作戦の説明に服が破けた女の子のイラストがあると…戦争の悲惨さに対しての想像力がボンヤリしてしまうのだ。マジそれでいいんだっけ?アニメで和気あいあいの共同生活を楽しんでいた艦娘のほとんどは、史実ではみな死んでしまった。大勢の乗組員の人命とともに海に沈んでしまった。そこをトボけさせちゃいけない。自分の想像力を鈍らせないように、注意せよ。そう自分に言い聞かせて、この本を読む。

●今、安倍政権が強く推進する集団的自衛権の議論や、中東地域で吹き荒れるテロや内戦の嵐に対して、太平洋戦争をこのような形で消費するボクは繊細な想像力を持てるのだろうか。「永遠の0」の著者が政治家と好き勝手な話をするような時代…あの百田尚樹さんは放送作家/マスメディア出身の人なのに沖縄メディア二紙は潰せと軽口叩いたという…あの小説を興味深く読んだボクとしてはこれもショックだったよ。ともかく、あの時代をどう捉え直せばいいのか、これは敗戦70年目を迎える今の日本人に突きつけられた大事な問いであり、何かを覚悟する場面でもあると思う。
●外国からのアレコレの指摘にはワザとバイアスがかけられていたり、ピント外れだったりしてるものも多いと思っている。それでも国内には「歴史修正主義」という名前の、ヌルい過去だけを眺めていたい人々もいる。そんな中で、自分の中に自分の歴史観を持つ。そうでなければ外国の人からの視線に胸を張ることができない。そう感じる。…ここー年で、イギリス、アメリカ、韓国、中国、インドネシアと、いろいろな国の人と出会った。そして、漢字の読み方や発音が分からない名刺をもらうと、少し緊張してしまう自分がいるのを見つけてしまった。だから、シャキッとしていたい。

●アニメを全部見たボクとしては、そしてそれをコドモたちにも見せたボクとしては、実際アニメ「艦これ」には当初違和感を抱いたものの、結論としてさして問題のあるものでもなかったと結論することにした。さっぱり言ってしまえば毒にも薬にもならないというか。基本的にはバッドテイストだとは思う。でももっとバッドテイストなものなどいくらでもあるしね…「サイコパス」の犯罪者が射殺される描写、人体がありえないほど膨れ上がって鮮血と肉塊が弾け散る表現も十分にバッドテイストだもんね。それにくらべれば「女子日常系」要素が半分以上とも言えるこのアニメは薄口でどうでもいい存在。アマゾンのレビューを見るとご不満の方々がいっぱいいるようだ。
●娘ヒヨコには日本海軍のイメージに対してバランスを取るために、人間魚雷・回天をテーマにしたマンガ・佐藤秀峰「特攻の島」を読ませた。「はだしのゲン」もウチのコドモは普通に読んでいるし、百田大先生「永遠の0」を望むのなら読ませてやってもいいと思う。これも全部バッドテイスト。コドモは無菌室で育つわけじゃないし、もう中学生だから、自分で考えろ。

●ああ、ゲーム「艦これ」については、ボクは言及できない。やったことないから。きっと面白いゲームだと思う。戦略シミュレーションゲームには、10歳代の頃ボクはよーくハマってた。第二次大戦が題材であろうと違和感はない。ゲームはそういうものだと思う。


AKINO FROM BLESS4「LOST IN TIME」

AKINO FROM BLESS4「LOST IN TIME」2007年
●アニメ「艦これ」の主題歌は彼女が歌う「海色(みいろ)」という曲だ。アニソンとしては高機能な楽曲なのではないでしょうか。すごくエモいし。でもこの音源は「海色」とは関係ない。
●このCDは、彼女としては初めてのソロアルバム。数々のアニソン楽曲が収録されてる。「創聖のアクエリオン」は彼女の代表作なのでは?この同名アニメは見たことないけど、パチンコになってTVCMが打たれた時はCMソングとしてこの曲が鳴ってたよね。「一万年と二千年前から愛してる 八千年過ぎた頃からもっと恋しくなった 一億と二千年あとも愛してる」どえらく時間的スケールのでかいリリックが印象的で。こっちもエモい。
●でもボクが注目したのは、AKINO さんの名前の後ろ。BLESS4 という言葉に反応してしまった。BLESS4 って2003年ごろ沖縄を拠点に登場した兄弟姉妹四人組グループ「ガジュマルの下で」という曲でローカルヒットしたユニットのはずだ。この曲、ボクはリアルタイムに聴いてる。たしか末の弟が変声期前のボーイソプラノでメインを張ってる楽曲で、同じく沖縄出身だったフィンガー5をどうしたって連想してしまう連中だった。あそこから十年以上。彼らはユニットを存続させつつアニソンの世界で頑張ってきたんだなーと感慨深く思える物件だよ。


●動画もちょっとつけるのです。
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●いま、INSTAGRAM で、「毎日一枚写真をアップし続ける」という決まりを自分に課している。
●周りに関心がないんだわ…。自分の興味のあることしか眼に入らない。これ元来のボクの性格。でも、もうちょっと周囲に気を配るという意味で世間を見渡しておけば、新鮮な発見が被写体として眼に飛び込んでくるだろう。でも三日坊主になりそう…。


Huluで「サイコバス」を全話見たので、次のアニメを見始めてる。

「シドニアの騎士 第九惑星戦役」

●HDDで録り貯めてた「シドニアの騎士 第九惑星戦役」(つまりシーズン2)をドクドクと鑑賞。親子三人でね。
●シーズン1では「紅天蛾」との死闘で終わってしまったが、シーズン2では少女の人格を持つ生物兵器「白羽衣つむぎ」が登場してよりホットになってきた。このシリーズはネットフリックスですでに世界配信されてて評判という。そこも注目だね。
「シドニア」のマンガ単行本はアニメ化以前から全部買ってたから、原作・弐瓶勉の他作品もコドモたちに読ませてやりたいと思ってる。でも、絶対家の中のどっかにあるんだけど、どこにしまったかわかんなくて…。おかしいなあ。「バイオメガ」とか全巻あるはずなんだけどなあ。まー冷静に考えてあんなゲロゲロに殺伐とした手加減なしのサイバーパンクをわざわざ読ます必要もないんだけど。


中学二年生の長男・ノマドの勉強してる数学が、もう完全に意味不明になってきた。
●因数分解って、高校生で勉強したような気がするんだけど…。aの三乗とかがいっぱい出てくるヤツなんてやったことないんだけど。
●それと、部活の合気道。五級試験に合格したそうな。ワリと満足げなノマド。運動で評価されるって経験、あんまりなかったもんなあ。段位まで至るのは当分先だけど、コツコツ積み上げて行きなさいな。


中学一年生の娘・ヒヨコは、学校の友達からロックバンドに誘われてゴキゲン。
●児童会館みたいな場所に行くと、楽器を貸してもらえるらしい。LINE で連絡を取り合って集合してはチョコチョコ練習してるっぽい。おースゴイねー。青春ってこうやってスタートするのね。
●でも、女子の集まりだけに、微妙なキッカケでスグに険悪な空気が発生してしまうようで。パートの分担でモメた上で、楽曲ごとに楽器を持ち替えるそうな…えー全員初心者なのにそんなことすんの?!無理だろ。
●ゴタゴタが早速メンドくさくなってるヒヨコは、もうこのバンドに飽き始めてるくさい…。



2000年代以降のブリットポップ。「ネオ・ブリットポップ」って呼んでみる。
●そもそもでさ、「ブリットらしさ」って一体ナニ?言語化できませんのです。

VIVA BROTHER「FAMOUS FIRST WORDS」

VIVA BROTHER「FAMOUS FIRST WORDS」2011年
●先日、MUMFORD & SONS のことをこのブログで書いて、英国産ロックを聴いてみようという気分になった。で、今週聴いてたのがこの VIVA BROTHER というバンド。彼らのドカドカしたギターグルーヴとシンガロングなボーカルがどこか OASIS を彷彿とさせるような気がするんだ。そもそものバンド名は「BROTHER」のただ一語で、大味過ぎるから後から「VIVA」がついてきた。そんなザックリした感じもボクの中では OASIS っぽい。その一方で BLUR っぽいフレーズも聴こえてきたりで。つまりは90年代のブリットポップみたいに聴こえるんだ。
●1994年の OASIS デビューに本格開花したブリットポップのムーブメントは、1995年「BLUR VS OASIS のシングル同日発売対決」などなどのスキャンダルを振りまきながら、90年代の大きなトピックになった。00年代に入ってガレージリバイバル/ポストパンクリバイバルの時代になっても、ブリットポップの遺伝子はそこかしこで芽を出して今なお生き残っている。VIVA BROTHER の音楽を初めて聴いた時も、ブリットポップ野郎がまたしても出てきたぞと思ったよ。
●その一方で、このブリットポップの、根源的な「ブリットらしさ」ってなんなのか?実はコレが言語化できないままでいる。聴けばハッキリと「あーなんてブリットな感じなのだろう」と思うのに、それを言語化できない。「ブリットらしさ」って一体ナニ?
VIVA BROTHER のファーストアルバムにあたる本作は、BLUR、THE SMITHS などを手掛けた人物 STEPHEN STREET がプロデュースを担当している。ある意味で、直系としてのサウンドの繋がりもあるわけだ。「ブリット」の系譜ってヤツが間違いなくあるんだわ。うまく説明できないんだけど。
●その一方で、OASIS 兄弟が今ではケンカ別れしているように、このバンドも兄弟を名乗りながらこの最初のアルバム一枚きりで解散してしまった。そもそもアルバム自体も世間からは酷評だったようだ。オリジナリティがないとかクリシェだけで出来てるとか歌詞が幼稚だとか。歌詞のことはよくわかんないけど、このバカ騒ぎぶりは悪くないと思うけどね。

MUMM-RA「THESE THINGS MOVE IN THREES」

MUMM-RA「THESE THINGS MOVE IN THREES」2007年
●ボクにとっては彼らの音楽もブリットポップの後継的存在だ。いわば「ネオ・ブリットポップ」だ。端正なギターサウンドと実直なグルーヴ感、シリアスなボーカルとコーラスワーク。オーケストラアレンジがドラマティック。ドカドカと攻める VIVA BROTHER が OASIS 型とした上で、MUMM-RA は BLUR 型と位置付けたくなる。2007年当時は「ニューレイヴ」と呼ばれたダンスロックのムーブメントが台頭してたし、ガレージロック勢も依然とパワーを持っていた。ソコにきての彼らの存在は古風なほどの佇まいだったな。「ブリットらしさ」ってそんな保守っぽいイメージも持ってるんだよね。…直接関係ないだろうけど、彼らも VIVA BROTHER と同じく、このデビューアルバムをリリースした翌年に解散してしまう。今は再結成して二枚目のアルバムを去年リリースしたらしいけどね。

KAISER CHIEFS「YOURS TRULY, ANGRY MOB」

KAISER CHIEFS「YOURS TRULY, ANGRY MOB」2007年
MUMM-RA の前述のアルバムと同じ年にリリースされたこのバンドのセカンド。2005年にメジャーデビューした彼らは、その登場の最初から BLURPLUP など90年代ブリットポップとの共通点を指摘されまくってた印象がある。ボクにとっては「ネオ・ブリットポップ」の遺伝子を明確に嗅ぎ取った最初の存在だった。
●キャッチーでクッキリしたメロディラインや実直なグルーヴは確かに BLURPLUP の直系を感じさせる。その一方で、タフなバンドサウンドは独特のムサ苦しさがあるOASIS の高圧力高密度な音の壁とはこれまた異質な… アメリカのロックのような野放図さとももちろん質が違う…
パワーと熱を完全制御して的確に放出するような強さ…。
当時のガレージロックやダンスロックの乱暴さには飲み込まれない存在感の強さにつながるような…。
●ちなみに、ここにもプロデューサーとして STEPHEN STREET が参加している。彼らの前作&出世作「EMPLOYMENT」も彼のプロデュースだ。彼はブリット職人なのか? GRAHAM COXON のソロ、MORRISSEY、BABY SHAMBLES も手掛けているぞ。

KAISER CHIEFS「OFF WITH THEIR HEADS」

KAISER CHIEFS「OFF WITH THEIR HEADS」2008年
●時をおかずにリリースされたこのアルバムでのプロデューサーは、AMY WINEHOUSE などの仕事で武名を上げていた MARK RONSONDJ 出身ながらビンテージな世界観を作ることにかけては天下一品の腕前を持つ男。彼の助力あってか、ムサ苦しいタフなバンドサウンドの圧力はさらに高まっている。それでいて、ブリット的な端正な表情も失われていない。オルガンシンセやストリングスアレンジも実にブリット、それ以上にやっぱりメロディラインに特徴的なキッチリした節回しが何しろプリットらしいのだ。…全然その内容を言語化できないままだけど。

THE YOUNG KNIVES「VOICE OF ANIMALS MEN」

THE YOUNG KNIVES「VOICE OF ANIMALS & MEN」2006年
●コイツを「ネオ・ブリットポップ」と呼んでいいのかちょっと微妙なんだけど… ササクレ立ったギターのカッティングが少々ポストパンク風味でね… そりゃそうかプロデューサーが GANG OF FOUR ANDY GILL なんだもんマジモンの80年代元祖ポストパンク世代だわ… でもややヒネクレたメロディラインがボクの中で「ブリットらしさ」を感じさせるのですよ。ちゃんとキャッチーなサビラインが仕込んであるトコロが立派にポップでね。KAISER CHIEFS と同時期に登場して、ちょうど同時期に聴いてたから特にそう思えるのかもしれない。彼らにとってはコレが出世作。

THE YOUNG KNIVES「SUPERABUNDANCE」

YOUNG KNIVES「SUPERABUNDANCE」2008年
●微妙な変化だけど、バンド名から THE がとれてた。今気づいた。性急なビート感覚は残ってるけど、実直なグルーヴ、そして分かりやすいメロディラインとコーラススタイルがこれまた「ブリット」っぽいのだ。アレンジもシックになってて落ち着いてる。結果、BLUR っぽい雰囲気がたっぷり漂ってると思うんだよね。特にアルバムの後半がね。
●ただ、ナニをもって「ブリットらしさ」といえばいいのか、ココまで書いてもそれは実はあまりわかってないんだ…。


ということで、本家の「ブリットポップ」世代に登場してもらいましょう。

Blur「NO DISTANCE LEFT TO RUN」

BLUR「NO DISTANCE LEFT TO RUN」2010年
●HULU で配信されてる BLUR についてのドキュメンタリー。デビュー時代の様子からブリットポップの寵児へ。しかしそのブームの喧噪の中で離れていくメンバーたちの心。そしてもう一度4人で結集しての再結成へ。そんな物語が描かれてる。

●田舎のチンピラ風情むき出しの OASIS 兄弟に対して、都会の洗練された美大生というイメージが漂ってた BLUR。フロントマン DAMON ALBERN のイケメンぶりもアイドルとしてのキャッチーさに拍車をかけてたと思う。ただ、バンドの内側での DAMON ALBERN はナカナカのヤンチャ野郎で、バンドのキャリアをグイグイと引っ張り上げていく辣腕家だったことがなんとなく伝わってくる。
●1991年のファーストアルバム「LEISURE」は当時流行していたマッドチェスターシューゲイザーの要素を取り入れたスタイルで、アメリカの美学であるロウファイ感覚さえも備えたサイケ風味も組み込んでいた。それは当時の最先端な表現を絶妙にポップに落とし込んだモノだった…リアルタイムで聴いた瞬間から「渋谷系」風ギターポップともシンクロしててオシャレだなーと思ったよ。彼らはこれで世界中から注目を集め、アメリカツアーにも出向く…のだけれども。
●このアメリカツアーで、BLUR、特に DAMON ALBERNグランジ旋風吹き荒れるアメリカのシーンに辟易してしまった。そして、自らのアイデンティティーである「英国らしさ」にもっとフォーカスすべき!と開眼するのだった。大西洋の対岸アメリカでは NIRVANA をはじめとしたグランジという破滅的なロックが席巻している。そこから自分たちをハッキリと差別化するための戦略が、イギリスの伝統を武器とすることだったのだ。このコンセプトの延長で生まれたのがセカンドアルバム「MODERN LIFE IS RUBBISH」1993年。スバリの「ブリットポップ」がココに完成した。実はボクの中では BLUR の作品でコレが一番好き。リアルタイムで入手して一番聴き込んだ。「FOR TOMORROW」は今でも名曲だと思ってるよ。

●ここから「ブリットポップ」は巨大なブームとなって、彼らはアイドルのような人気者になってしまう。シングル「BOYS & GIRLS」の頃から妙な軽薄さがハナについてしまい、ボク自身がやや引いてしまったほどの勢い。ドキュメンタリーによれば、渦中の当事者から見たら完全にアンコントロールなモミクシャ状態。一方、後発の1994年に OASIS がデビュー。とっても対比的な性格の2バンドをライバル扱いして周辺メディアがヒートアップ。根っからケンカ腰の OASIS サイドは露骨に挑発してくる。BLUR の内部はどんどん混乱していく。NMEが煽りに煽った「THE BRITISH HEAVYWEIGHT CHAMPIONSHIP」1995年のシングル同時発売勝負は、BLUR「COUNTRY HOUSE」が勝利するも、OASIS のシングル「ROLL WITH IT」が収録された歴史的名盤アルバム「(WHAT'S THE STORY) MORNING GLORY ?」BLUR「THE GREAT ESCAPE」テンションで完全に負けてた。もうこのあたりでボクは一旦 BLUR に興味を失っていたね。

ブリットテイストにこだわった三枚のアルバム「MODERN LIFE IS RUBBISH」「PARKLIFE」「THE GREAT ESCAPE」の三部作の時期を通り越えて、BLUR はやや内省的な気分が漂う「BLUR」&「13」の二枚のアルバムをリリースする。この90年代後半の二枚はよかった。アレンジ面ではアメリカのオルタナ/ロウファイのテイストも取り込んだ内容で、ギタリスト GRAHAM COXON の主導権によるものだったらしい。しかしバンド内ではメンバー間の摩擦が拡大していき、最終的には GRAHAM の脱退に至る…。00年代に入ると DAMON も自分のユニット GORILLAZ の活動を開始。BLUR の存在感は薄れてゆく…。三人だけの BLUR「THINK TANK」も話題にならなかったなあ。そしてバンドの分裂&事実上の活動停止がしばらく続く。
2009年。GRAHAM COXON がバンドに復帰。BLURハイドパークでの再結成ライブを行う。この様子も HULU では「LIVE AT HYDE PARK」として収録配信しているから是非みてもらいたい。大きく遠回りして、一番最初に出会った頃の絆を取り返した4人の友情が、ドキュメンタリーの結末と、このライブのパフォーマンスに現れている。素朴に感動してしまう…。

BLUR は明確に「ブリットらしさ」を自分たちの表現の核にしようとした。結果的にそれは一種の流行り物として消費されてしまったが、その「ブリットらしさ」は確かに人々を熱狂させるに足る力を持っていたわけだ。ただし彼らがナニをもって、これが「ブリットらしさだ」と定義づけしていたのか?それはよくわからない。英国音楽史の様々なレイヤーから絶妙な編集をしているのは間違いない…戦略家の DAMON にそのへんの知恵はタップリあっただろう。もちろん、ボクだって、いくつかの先行アーティストやバンドの名前も思いつかないわけじゃない。
●しかし、一方で BLUR は英国独自と思われるスタイルを敢えて一部無視してたりもしてる。ブリティッシュ・ハードロック/ブリティッシュ・ブルースロックの伝統や、プログレッシブロックの文脈(プログレって基本が欧州の文化で、アメリカにはそんなに根付いてないもんね)、80年代ニューロマンティクスはほぼスルーしてるよね。「90年代ブリットポップ」はあくまで90年代から見て価値ある伝統だけを抽出して再提起したということなのだ。ここでいう「ブリットらしさ」英国音楽すべてを網羅するものじゃないわけだ。一口に「ブリットっぽい」ってナニ?という問いに答えられないのは、この言葉は「イギリスっぽい」「英国っぽい」と同義ではないからだ。だから、難しいのだ。


一方で、OASIS の事情は?

BEADY EYE「DIFFERENT GEAR, STILL SPEEDING」

BEADY EYE「DIFFERENT GEAR, STILL SPEEDING」2011年
●1994年、OASIS の最初のシングル「SUPERSONIC」をリアルタイムで買った瞬間は今でも覚えているよ。渋谷ディスクユニオンの12インチ売場で、全く無名の新人バンドとしてこのシングルを見つけたんだ。LIAM の面構えが IAN BROWN に似てた…THE STONE ROSES のようなバンドなのかな?そう思って買った。ここまで巨大なバンドになるなんて想像もしなかったけどね。ファースト「DEFINITELY MAYBE」とセカンド「(WHAT'S THE STORY) MORNING GLORY ?」は傑作だった。しかし、ここでもう品切れが起こった。後から続く彼らの音楽は、どれもこれも似たり寄ったりで全然進化しない。ノリと勢いはイイのだが、全部同じにしか聴こえない。そりゃもちろん BLUR の全アルバムを聴いてるように、ぼくは OASIS の全アルバムも聴いている。イイ曲もあるし今だによく聴く曲もある。でも懐が浅い。BLUR の方が結果的に音楽性に奥行きがあるバンドだったと思う。
●度々ヘンな話が伝わってきていた GALLAGHER 兄弟のケンカが取り返しがつかないところまで到達。奇しくも BLUR が再結成した2009年に、兄貴の NOEL GALLAGHER が脱退して OASIS崩壊した。ソングライティングの中核を欠いてどうするんだ?と思ったら、それでも構わず、弟 LIAM と旧バンドメンバーたちは新しいバンドを始動した。これがこの BEADY EYE。正直、今まで全然関心が持てなかったのでスルーしてたんだけど、新橋TSUTAYA でレンタル落ちCDが300円で売ってたんで買ってみたという次第だ。
●聴いてみた印象を率直に言えば、彼らの音楽は、BLUR よりもずっとシンプルだ。彼らの「ブリットらしさ」は完全に THE BEATLES THE ROLLING STONES のコトだけを指しているからだ。だって直球で「BEATLES AND STONES」って曲が収録されてるくらいなのだから。とにかく THE BEATLES を最高の規範に設定して、そこを目指した音楽になっている。まるでデジャヴを誘うような、ギターの鳴り、ベースの響き、ボーカルの唸り。憧れへの徹底した開き直りぶりが、兄貴の脱退でより明白になった気がする。あ、それで立ち振る舞いは THE STONES ね。永遠の悪童。
OASIS 時代にしても彼らには DAMON が思案したような「ブリットポップ」に対する戦略はなかっただろう。だって THE BEATLES 以外はほぼ眼中になく、そんな音楽を鳴らす他に彼らにはやれるコトがないのだから。ある意味で潔い。そしてそこに支持が追いついているのだから、ますますスゴイ。

BEADY EYE「BE」

BEADY EYE「BE」2013年
THE BEATLES を目指してる、と言ったって、別に彼らは THE BEATLES のコピーバンドじゃない。「I AM THE WOLRUS」を時々カバーするけど、真似だけしてるわけじゃない。THE BEATLES の中にあるロックンロールのイデアを追求しているだけのだ。ギミックの上ではサイケ風味だったりギターロックだったりと、その手法をかのバンドから拝借はしても、LIAM の声は LIAM のモノだし、ドカドカと力強く渦巻くグルーヴもこのバンドのオリジナルだ。
●そして彼らは別に「ブリットポップ」を背負わない。メディアは彼らを「ブリットポップ」と呼んだが、多分 LIAM GALLAGHER 本人は基本的に「ブリットポップ」なぞに興味がない。好きなようにガナってお終い。一本気でブレもない。その無頼さがそのまま魅力。彼らのフォロワーは「ブリットポップ」と呼ばれてしまうだろうが、彼ら自体は「ブリットポップ」と言えないかもしれない。やりたいことに純粋。だから表現もいつも同じ。しかしそこに「ブリットらしさ」の戦略はなし。それでいて説得力のあるパワーを楽曲に込めるのだから、神業だわ。ロックとして普遍的にかっこいいよ。さて、このアルバムで、BEADY EYE は活動を停止した。兄貴との再合流の準備という噂もある…さてさてどうなることやら。
●蛇足ながらついでに言及すれば、マンチェスターの地元仲間をリストラして1999年から雇い集めた OASIS の中途加入メンバーは、かつて自らバンドを率いていたツワモノ達だ。OASIS ではベースを、BEADY EYE ではギターを務めた ANDY BELL はシューゲイザーバンド RIDE の音楽的頭脳だった人物だ。OASIS、BEADY EYE でギターを担当し続けた GEM ARCHERHEAVY STEREO というバンドでグラムロックのようなハードなブギーをかき鳴らしてた男。OASIS 以前からボクはこれらのバンドの音源を聴いてたので、雇われミュージシャンのような扱いをされつつも、いつか彼ら二人が LIAM に対してクリエイティブな貢献を始めるだろうと期待していた。BEADY EYE では全楽曲が三人の連名クレジットになっているが、大分の比率でこのギタリストたちが貢献をしているようだ。このバンドの説得力は、彼ら影の存在の実力に負うものと勝手に思っている。


でさ、結局は60年代に到達するのですよ。

BADFINGER「NO DICE」

BADFINGER「NO DICE」1970年
●いわゆる「ブリットポップ」の模範って、90年代から遡っていけば、THE STONE ROSESTHE SMITHS、80年代ネオアコ/ネオモッズ(THE JAM 含む)、XTC、パンク以前のパブロック、ELVIS COSTELLOT. REX、グラム期までの DAVID BOWIE、モッズムーブメント、THE WHOSMALL FACESTHE KINKS、そして、THE BEATLESTHE STONES だと思うのですよ。
●反対に「ブリットポップ」が避けて通ってると思われるのは、IRON MAIDENOZZY OSBOURNE / BLACK SABBATH のようなヘヴィメタルの文脈、THE POP GROUP のようなブリストル派ニューウェーヴ、WHAM !、DURAN DURAN のようなニューロマンティクス、80年代ハードコアパンク、アメリカ化した ROD STEWART & ERIC CLAPTONHUMBLE PIE のようなブルースロック、KING CRIMSON、PINK FROYD、YES から始まるプログレ全般。 あと QUEEN もちと違うのでは。ね、「英国的全般」って非常に多様で多義的なもんで。手に負えないのですよ。

●その中から、敢えて手を突っ込んでピックアップしてみたのが、BADFINGER というバンド。THE BEATLES が設立した APPLE RECORDS に所属したロックバンド。きっと契約した時は成功は約束された!と喜んだことだろう。しかしこのセカンドアルバム、1970年というキナ臭い年のリリースで。つまり THE BEATLES 解散の年。本家バンドが分裂という時に、誰が新人バンドなんて構っていただろう。おまけに悪徳マネージャーに騙されたりして踏んだり蹴ったりの運命を強いられることになる不幸な人たちなんです。すったもんだの APPLE から大手ワーナーに移籍するもその摩擦に板挟まって詰められたり。あまりに不遇すぎて、バンドの中核メンバーが二人も自殺してるほどなのだから。
●それでもまだ希望を持って音楽を作ってた時期がこのセカンドアルバム。THE BEATLES たちが見込んだバンドだけあって、落ち着いたポップさとロックのフィーリングがバランスよく溶け合う耳に優しい音楽を鳴らす。ブルーステイストが香るギターやピアノが腰の座った感じを出していて、それでいて輪郭のハッキリしたメロディを鳴らす。アレンジのバラエティにも幅があって飽きさせない手数の多さが頼もしい。録音はさすがに古臭いと思うけど、その味をひっくるめて、この音楽にボクは「ブリットらしさ」を感じる。先輩たちが積み重ねた60年代の様々な実験の収穫を、ポップスとして刈り取っている感じが、煎じ詰まって「ブリット」要素に結実してる気がする。
●そして、このアルバムには名曲「WITHOUT YOU」が収録されてる。NILSSON MARIAH CARRY に後年カバーされる名バラードだ。見事にポップなこのバラードは確かに傑作なのだけど、プロモーションに失敗したのか本家の彼らは全く注目されることなく、1971年に NILSSON がカバーした途端に大ブレイク、シングルが全米全英で1位を奪取してしまう。BADFINGER の連中はどう思ったろう?自分たちの曲が、次の年には他人の大ヒット曲になってるなんて。とことん不幸。そんな不遇の彼らのポップネスが「ブリットポップ」の源流になってる。まずはそれを覚えておこう。




●今日もたっぷり無駄なこと書いたけど。
●一応、動画も貼っておこう。
... 続きを読む


●最近、ブログ更新をサボってる。
●睡眠時間を削ると、本当に仕事に響くからなあ。ボク体弱いし。

●異動した後輩から引き継いだ新しい仕事にはまだ慣れてない。契約書をさかのぼって読みまくって、ビジネスの構造を探ってる途中。
●他にも新担務があるんだが、全然手が回らないね…。他にもしたいことがあるのにな。今まで抱えてた仕事を徐々に誰かに渡してくか…。

●資格試験のノートは、勉強を始めてから6冊目に突入。しかし次の試験はクリアできる自信がない。ヤバイ。

●ヨガの先生が妊娠しておめでたい。が、赤ちゃん準備で自宅兼スタジオを引っ越してしまって明大前へ。遠いよー。通える自信がこれまたなくなってきた。


かつて一緒に仕事してたOくんがわざわざボクを訪ねて下北沢へ。お互い飲めないのに居酒屋「都夏」に入って語り込む。ボクの仕事は常にこんがらがってて人に説明するのがしんどいのだけれども、そのこんがらがりぶりに興味を持ってくれてちょっとウレシい。
●おそらく最初に知り合ったのはもう10年以上前か。BボーイだったOくんに声をかけてボクのチームに入れてしまったキッカケは、着メロがボクと同じ KANYE WEST「THROUGH THE WIRE」だったからだ、と久しぶりに思い出した。まーボクとの仕事は彼のキャリアにとってはとんだ寄り道だったと思うけど、今を生き生き働いているようで、それもウレシい。あーいやいや一つ訂正。数年ぶりにあったOくんは今なお現役でBボーイで、バックパックにスケボー縛り付けてるスケーターだった。過去形ではない。

学生時代を共にジタバタ過ごした仲間二人Iさん&Sくんと新宿でメシ。アディダスのジャージに迷彩のパンツで会社に通うボクと違って、めっちゃ大人な仕事してていつも感心する。事業計画の立て方と会計の知識って?ボクの一番の苦手分野だ。出勤が朝7時?ボクが起きる時間だ。こちとら平気で11時ごろ出勤してるよ。みんな肩書きが管理職になっててすごいなと思う…きっとボクは偉い人には呆れられてるんだろうな。でも管理職になるとギャラ下がるからな…これ以上の出世とか興味ない。
「意識高い系」の若者〜学生くんたちの話で盛り上がった…今の学生くんは大人に対して物怖じせずドシドシと突っ込んでくる。インターンみたいに仕事をフってるボクの周りの学生くんも実に意欲的。ボクら、学生の頃は大人にはびびりまくってたよねー赤字ギリギリのイベント企画するので精一杯だったよねー。
●……ただ、今から20年以上前、バラバラの大学に通うボクラを結びつけてくれたのは、とあるレコード会社の人たちだった。オフィスにボクラがたむろす場所を作ってくれていたんだ。そんな人たちに導かれながら、なかばインターンみたいなことをしてボクラは企画をアレコレ立ち上げてたんだよね。90年代「インターン」なんて言葉はなかった時代だったけどさ。携帯電話もインターネットもなかったね。
そんなボクが今、いろいろな学生を集めて仕事してもらってるのは、ある意味で昔のボクがしてもらったことをそのまま下の世代にしてあげているといえるかも。チラッとそんなことをIさんに言われて、初めて自覚した。若い彼らから見てボクは意味不明な大人かもしれないけど、ボクは学生くんの尖った感性が今とても楽しくて。あのころボクラを集めてた大人の人たちもそうやって面白がっててくれてたのかな?


夜更けに聴く音楽は、スローバックでイタないフォークロック。

MUMFORD SONS「BABEL」

MUMFORD & SONS「BABEL」2012年
懐古主義の英国ポップとスルーしてたバンドだったんだけど、中古セールで安く買えたもんだから何の気なしに聴いてみたら、悔しいほどシックリくる安定感に思わず唸る。イタなくゴロつくボーカルのゴツイ骨っぽさが、おっさん気分には親しみやすい。バンジョーやアコギの折り重なるバンドの音は、時を重ねてこなれた結果に座り心地が抜群になってしまった古いソファのよう。アイリッシュ趣味のような弾むテンポのアレンジがみずみずしい。フォーキーな質感は野外フェスで気持ち良さそうなジャムバンドの気配すら漂わせてる。結果キラキラしてるよ。
実は今、ボクは仕事でワチャワチャしすぎる音楽を聴き過ぎてるんだよな。だから、プライベートで、夜中に、シックな音楽で安心したいと思ってる。でもこれ見よがしに落ち着いてみせるオトナ音楽はちと退屈だ。彼らは、スタイルこそフォークロックにスローバックして見えるけど、実は普遍的なモダーンさを漂わせてるよ。
●一曲、カバーが混じってる。SIMON & GERFUKEL「THE BOXER」。うん、あの二人のみずみずしさと同じ場所に立ってるんだなこのバンドは。ちなみにプロデューサーは、MARKUS DRAVS という男。COLDPLAY、ARCADE FIRE などを手掛けてる男なんだってさ。

DANIEL LANOIS「SHINE」

DANIEL LANOIS「SHINE」2003年
BRIAN ENO のコラボレータから出発して、いつしか名高いプロデューサーになったこの男のソロ音源へ。80年代に、U2、BOB DYLAN、THE NEVILLE BROTHERS、PETER GABRIEL などの名譜を数々手掛けた職人気質。あくまで裏方に徹するような彼の長い音楽人生の中での、3枚目のソロ。2枚目とは10年も離れてる…寡黙な職人さんだね。
●彼のプロデュースは、美しいエコーの響きが特徴的。一つ一つの音が研ぎ澄まされて、それぞれの残響を描いていく。闇の中にキラリと光って尾をひくライトのよう。決して多くない音の要素を、それぞれ粒立たせて、慎ましやかに、ゆっくりと揺さぶって深みのある音響を導き出す。ダークなようで清らかな演奏は、重心を低く構えて、やや不器用な彼のボーカルをそっと優しく包んで丁寧に床に並べていく。地味だけど、深い。そして夜に似合う。



音楽の定額制配信サービス時代の到来で、ボクの音楽の聴き方が揺さぶられている。
●考えの整理がつくまで時間がかかりそうだ。


●似た感覚でいうと、90年代末、フィルムカメラからデジタルカメラに変わった瞬間の印象に近い。


●Hulu に新しいアニメが追加された。コドモたちと見る。

PSYCHO-PASS~hulu

「PSYCHO-PASS」
●注目すべきことに、定額制動画配信サービス Hulu に、「ノイタミナ」シリーズが入荷された。つまり、日本テレビが買収したこのサービスに、TBS、テレビ東京、NHK、テレビ朝日、そしてフジテレビと、キー局すべてがコンテンツを出した。アメリカから全世界に進出を目指す巨大サービス NETFLIX 上陸前夜に、呉越同舟でテレビ局が結集したわけだ。dTVといい、動画配信サービスにいっぱい楽しそうなコンテンツが出てくるので、いろいろ目移りしてしまう。
「PSYCHO-PASS」は話題になってたのに見逃してたアニメ。やっとまとまって見られる!うれしい!そんで予想以上の作り込まれた世界観に引き込まれてる。バーチャルリアリティやソーシャルメディア、そして IOT 技術が導き出す近未来社会の犯罪のあり方があまりに鮮やかで思わず唸ります。そして主人公たちが持つ「ドミネーター」という銃の、メカ・フェティッシュなデザインもイイ…。モバイルでオンラインにないと役に立たないトコロとかマジ素敵…。で、そんな銃をぶっ放された犯罪者が、肉塊として弾け飛ぶ様子も実にフェティッシュだわ。ヒロイン・常守朱(つねもりあかね)の初々しい佇まいは、「攻殻機動隊」草薙素子に新人時代があったらこんな感じかと連想させる気分もある。これでしばらく楽しめそう!
●脚本は、虚淵玄(うろぶちげん)「魔法少女まどか☆マギカ」を担当した人物として注目してた。ここでもイイ味出してるなーやっぱすごいなー。


●主題歌もクールだった。そのバンドの音源に注目。

凛として時雨「FEELING YOUR UFO」

凛として時雨「FEELING YOUR UFO」2006年
「PSYCHO-PASS」の後半(1~11話)のオープニングテーマ「ABNORMALIZED」を担っているのがこのバンド、凛として時雨。バンド名が鮮やかな日本語ってのは、椿屋四重奏と並んで印象深かった…2000年代真ん中あたりには、エッジーでシリアスなロックバンドがたくさん登場してきて、マスメディアやチャートとは関係無いところでジワジワと存在感を高めている時期だったと思う。ELLEGARDEN「RIOT ON THE GRILL」で一気に武名を高めたのが2005年。9MM PARABELLUM BULLET が最初のインディアルバムをドロップしたのもこの年。椿屋四重奏の最初のアルバムは前年の2004年。凛として時雨もこのあたり2005年に最初のアルバムを自主レーベルからリリース。その次にリリースしたミニアルバムがこれ。
男女のツインボーカルによるハイスピードなエモロックがキレキレにエッジー。男女の区別がつかないほどのハイトーンボイスで歌うギタリスト・TK のヒリヒリする歌唱が実にスリリング。トリオのシンプルなバンド構成ながら、手数の多いドラムと生々しいギターが醸すピリピリした緊張感がクールで、本当に凛々しい。

凛として時雨「MOMENT A RHYTHM」

凛として時雨「MOMENT A RHYTHM」2008年
メジャーへの移籍シングル。なんだけど、実に野心的なアプローチ。16分超えの長尺曲を一つだけ収録。加えてDVDサイズの変形ジャケットには、バンドリーダー TK によるイギリス撮影の写真集を収録。フィルムのざらついた粒子の質感が風景写真をより一層ひんやりと冷やす。楽曲もそれまでの持ち味であったキレキレのスピード感を封印して、メランコリーとポストロックアプローチで叙情を描く作風へ突入。
●メジャー進出後の音源は、この特殊シングル以降は聴いていない…そこでの「PSYCHO-PASS」での再会。今後は彼らの近作にもっと注目していこう。

NOTHINGS CARVED IN STONE「A SILVER FILM」

NOTHING'S CARVED IN STONE「A SILVER FILM」2012年
●こちらは、「PSYCHO-PASS」の後半(12~22話)のオープニングテーマ「OUT OF CONTROL」を担ったバンドのライブDVD @ ZEPP DIVERCITY TOKYO。このバンドは、元 ELLEGARDEN のリーダーだったギタリスト・生形真一と、STRAIGHTENER、ZAZEN BOYS、ART-SCHOOL などのバンドで活躍したベーシスト・日向秀和を中心に2009年に結成。キレッキレのエッジーなギターサウンドと、ファンキーなベースライン、そしてエモいメロディ。カミソリのように鋭利なガレージロックが疾駆する。
ELLEGARDEN が分解してからは、バンドの詞曲のほとんどを担っていた細美武士の作ったバンド THE HIATUS に目がいってしまってたけど、生形真一こそが ELLEGARDEN を組織した男であって、あのバンドのスリリングなギターサウンドを体現してたのもこの男だったわけで。もっと生形の存在と動向に注目しなければ。

ELLEGARDEN「ELEVEN FIRE CRACKER」

ELLEGARDEN「ELEVEN FIRE CRACKER」2006年
2008年に解散する ELLEGARDEN の最後のオリジナルアルバム。この作品の前作にあたる5枚目のアルバム「RIOT ON THE GRILL」でブレイクを果たすも、当事者たちにとってこの立場の激変は大変なストレスになったそうで、その流れを継ぐこのアルバムの制作はナカナカに難航したそうな。特に詞曲ソングライティングを担当する細美武士の負担は重く、苦闘が続いたという。そしてその後、ほどなくしてバンドは解散。1998年結成なので10年一区切りといえば収まりがいいが、バンドはそのままの形では存続不可能になってしまったようだ。
●しかし、アルバムの内容に関しては十分に充実している。よりハードになったパンクサウンドにエモいメロディ、そして細美武士のボーカルにわずかに漂う甘さが実にキャッチーで力強い。

THE HIATUS「ANOMALY」

THE HIATUS「ANOMALY」2010年
ELLEGARDEN 解体後に細美武士が組織したバンドのセカンドアルバム。今までのようにソリッドなハードコアサウンドの曲もあれば、ピアノをメインに据えた可憐なナンバーや静謐でメロウな楽曲も盛り込んでいる。より自由度の高い音楽を追求する細美の姿勢が、大きく翼を広げているよう。プロデュースを細美と共同で担ったバンドのキーボーディスト、そして NEIL & IRAIZA 名義で渋谷系アーティストの制作に関わってきた堀江博久が活躍しているようだ。



●ちなみに、Hulu。テレビ朝日提供の「時効警察」も最近入荷してる。
●やっぱこれも傑作だな。脚本&監督の三木聡さんがキレまくってるね。ムダ要素をムダに入れ込んで目が離せないもんね。一時期、これをキッカケに三木作品見まくった時期があったよ。