今日の国会前の「集団的自衛権法案反対」集会はド派手だったようだ…。
主催者発表で12万人。警察発表でも3万3000人。すげえよ、みんな。古い知人が何人か参加してるのがフェイスブックで見て取れた…。
●そんなボクは、今、在日コリアンについての本を読んでる。カフェで1日そんな本を読んでて…やっぱいろいろな意味で知らないことが多すぎることを思い知らされる。あの戦争がなんだったのか?その後の日本はなんだったのか?ボクは黙って考えてるだけだわ。


●娘ヒヨコがアレコレの映画を HULU とかで見てる。で、必ず「吹き替え」を選ぶのね。おいおい、中学生になって英語も勉強してるんだから、字幕で英語に耳を慣らすのも大事じゃないか?そしたらヒヨコの答えが「英語がダメなんじゃないよー。字幕だとわかんない漢字が出てきて読めないんだよー!」おおおショック…おまえ英語じゃなくて日本語に難があるのね…。
●で、なぜか「ミッションインポッシブル」シリーズ1〜3まで見てしまった。ジョン・ウー監督の2が一番オオアジでダメという結論に落ち着いた。ディズニーの「マレフィセント」も見た。アンジェリーナ・ジョリーがこれでもかってほどの悪い魔女ぶりでビックリ。あと「アナ雪」に続いての、男性キャラ不在なストーリーにビックリ。もうヒロインにヒーローは必要ないらしい。ラストジブリ「思い出のマーニー」も男子キャラ不在だったわ。


●脈絡なく聴いてる雑食性生活。

LOU REED「ON STAGE - WALK ON THE WILD SIDE」

LOU REED「ON STAGE - WALK ON THE WILD SIDE」1972年
●ソロになって二年目、アルバム「TRANFORMER」を出した頃のブートライブ盤っぽい。ビンテージ・スポーツカーみたいなグルーブ駆動ロックンロールがいかにも渋い。一曲目の「VICIOUS」からシビレるねえ。VELVET UNDERGROUND 期の名曲もたっぷり。「WHITE LIGHT / WHITE HEAT」「SWEET JANE」そんで退廃感たっぷりの「HEROIN」…。当時は新曲だったソロ代表曲「SATELLITE OF LOVE」もエエわ。やっぱブートだけあってヘッドホンで聴くと甚だ怪しげな録音ぶりだけど、味は出まくってます。

CANNED HEAT「THE BEST OF CANNED HEAT」

CANNED HEAT「THE BEST OF CANNED HEAT」1967〜1970年
●缶詰に密閉された熱がカンカンになってるイメージから、どんな暑苦しいブルースロックが聴けるんだろう?なんて期待したら、その缶詰を開けたらシュポーポポポと白い湯気が出てきてオシマイ!みたいな脱力ムードが漂ってて、ある意味腰砕け&気負いのないグルーヴがどこか呑気で楽チン。ガナリ声攻撃かと思ったら、代表曲「ON THE ROAD AGAIN」「GOING UP THE COUNTRY」ではホワホワしたファルセットを披露しててマヌケに聴こえる。「ANPHETAMINE ANNIE」みたいな露骨なドラッグソングもやっちゃう。そんなところがなんと愛おしいバンド。
そんなブルースロックで1969年のウッドストックにも出演。一気に時代の寵児に。SLY &THE FAMILY STONE JEFFERSON AIRPLANE、GREATFUL DEAD、BUFFALO SPRINGFIELD などとともに西海岸のリベラルなヒッピー文化の象徴になる。でも、1970年、中核メンバーの一人 ALAN "BLIND OWL" WILSON が鎮静剤の過剰摂取で自殺…これが JANIS JOPILIN JIMI HENDLIX が相次いで死ぬ直前の出来事だった…このへんが60年代の夢がパチンと弾けつつある局面なんだね。バンド自体は今も活動しているが、実質のバンド創設者で、くまさんのようなルックスが愛らしいボーカル BOB HITE も1981年にコカイン/ヘロインで死亡。その後のバンドを牽引したギタリスト HENRY VESTINE も1997年のヨーロッパツアーから帰国する日に心不全で急死。初期キャリアだけで構成されてるベスト盤なんだけど、ピークを迎えるのも早すぎたのかも。

NRBQ「DUMMY」

NRBQ「DUMMY」2004年
「ニュー・リズム&ブルース・カルテット」= NRBQ。彼らも芸歴の長いバンドだ。1967年にケンタッキー州で結成、以来お世辞にもブレイクしたと言えないけれど、その結成以来40年近く、しかもほぼ同じメンツで、ずーっと全米各地/世界各地をドサ回りのようにライブし続けてる事で、ジワジワ支持を集めてきたバンドだ。PAUL MCCARTNEY、ELVIS COSTELLO、KEITH RICHARDS がファンである事を公言、BO DIDLEY、CHUCK BERRY らからご指名でライブの誘いがかかったり、R.E.M. YO LA TENGO のようなずっと若い世代を経由してそのリスナーまでに支持が到達してるという。こんな連中の日本盤が出ちゃうってのがそもそもスゲえっす。
●これもバンド名に「リズム&ブルース」と謳いながら、ジャンルミュージックにとらわれる事なくフランクで風通しのイイ音楽をやってる連中。古典のロカビリーからティンパンアレー風のボードヴィルなポップス、ピアノバラードやエキセントリックなジャズまでと芸の幅も広い。実はアニメ「シンプソンズ」のハウスバンドを務めてた時期もあったりと意外な仕事もやってる。なにしろ身軽に「なんでも楽しくやるさ!」みたいな気のイイおじさんたちってイメージ。
●ボクは表題曲「DUMMY」のチャーミングさが大好きで。どこか脱臼気味のグルーヴにぽわーっとホーンが入ってきて、そしてオッさんが楽しそうに歌う。ネットで見つけて愛聴してたんだけど、今回金沢のお店でやっとCDを発見した。いえーい!

NRBQ「ATSA MY BAND」

NRBQ「ATSA MY BAND」2002年
「DUMMY」の一枚前のオリジナルアルバム。ジャケではバンドメンバーがピザ屋さんになって、注文を電話で受けてますっていう、意味不明な内容…そういえばメンバーはイタリア系が多いかな。
●邦題は「NRBQのビューティフル・サンデー」今回は内容の半分が既存曲のカバーなのね。1972年の大ヒット曲 DANIEL BOONE/田中星児「BEAUTIFUL SUNDAY」をカバーしちゃってるのですよ。ソコ行くか〜というカバーだわー。他のカバーもことごとく渋すぎる選曲で全然わかりません。SUE THOMPSON「NORMAN」1961年、THE FLEETWOODS「COME SOFTLY TO ME」1959年、HARRY BELAFONTE「KINGSTON TOWN」1956年とか言われてもわかりません。白人ドゥーワップからカリプソ、デンマークのエレポップ、西部劇ミュージカルの劇中歌まで演ってる。芸の幅が広すぎるよー。
●この年、NRBQは来日してフジロックに出演してるとな。マジでどこにでも来るんだね。今でも公式ホームページに行くと、近々のライブの予定と「ブッキングはこちらまで」と電話番号まで書いてある。ウエストバージニアからメリーランド州までとほんといろんなとこ行くのね。

THE BRIAN SETZER ORCHESTRA「THE DIRTY BOOGIE」

THE BRIAN SETZER ORCHESTRA「THE DIRTY BOOGIE」1998年
THE STRAY CATS としての活躍で、70年代パンク革命の中ネオロカビリー・ムーブメントを牽引した男が、なんとビッグバンドジャズでスウィングするという暴挙に出た…この相性の良さがスゲえ発明!ネオロカ的疾走感とビッグバンドのドヒャーとした爆発力が痛快!20人編成の分厚いホーンと奔放な BRIAN のギターが最高にパーティな感じ。東京スカパラダイスオーケストラみたいな男前の大騒ぎが楽しめる。これは義弟 ken5 くんがくれたCDだな… ボクが以前聴いてたセカンドアルバム「GUITAR SLINGER」よりもこのサードアルバムの方がずっと洗練されてる。

COMPLEX「COMPLEX 19901108」

COMPLEX「COMPLEX 19901108」1990年
BRIAN SETZER と仲良しで共演の経験もある布袋寅泰さん、現在はロンドン在住で活動の幅ふくらましてます。そんな彼が1989年に吉川晃司と組んだユニット COMPLEX の東京ドーム公演ライブ盤。完全にBOOWY世代であるアラフォーのボクにとって布袋寅泰ソロ〜COMPLEX も重要案件。コッチもリアルタイムに聴きまくりましたよ…吉川晃司を新しい相棒に選んだってのはその瞬間は意外だと思ったけど…だって吉川晃司さんはベストテンとかに出てる歌謡ロックのカテゴリーの人だったから。でも、このライブ盤は持ってなかった。そしたら今週レンタル落ちのCDを180円で発見。
●で、聴いてみたら、あらあらスタジオ盤のCDの印象を損ねないクッキリとしたロック。布袋さんのギターも吉川さんのボーカルも輪郭線がクッキリとしてて実にスッキリしてる。実はシンセロックでもあるしね。なんとも耳に馴染む。このクッキリ感って、ワリと今の時代のロックと比べても相性いいんじゃないのかな?実はグチャグチャガリガリしてたロックの時期がアイドル全盛で一旦を強制終了されちゃった一方、再起動しようとしてるロックバンドのサウンドがこの手のクッキリとしたポップ感覚を備えてるような気がしてて。どうだろ?



●動画もつけとこ。
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いつの間にか、夏、終わってんじゃん。
●気温が一気に低くなって、具合悪くしてます。
●会社も一日休んだ…んだけど、ひっきりなしのメール/FBメッセージでPCから離れられず、丸一日仕事を家でしてただけ。在宅勤務を認めて欲しい…。

虹のコンキスタドール「THE☆有頂天サマー」

虹のコンキスタドール「THE☆有頂天サマー」2015年
●最近注目してるインディアイドルグループ、虹のコンキスタドールの、3枚目のシングル。サマーアンセムになるはずだったのに、リリース時で夏終わってるから悲しい。でもライブで三回見たからいいか。カップリングの「トライアングル・ドリーマー」の方が好きだしね!
●あと、アイドルものはまだ買い慣れてないね…。とにかく同じシングルなのにヴァージョンが多くて、ドレ買ったらいいか分からない。ここでは通常盤のビジュアル貼ってるけど、実際に買ったのはDVD付きの赤ジャケ…そしたら三曲目が「THE☆有頂天サマー」のメンバーソロボーカルバージョンだったんだわ。ボクが買ったのは、ひよりんこと木下ひよりのバージョンで…あまり思い入れがない子で残念。じっくり選んで、ねもこと根本凪ちゃんか、しげちーこと重松由佳ちゃんのバージョンを選ぶべきだった…。
●先日は、セカンド・ワンマンライブ@笹塚ボウルに遊びに行った。なぜボウリング場なのか分からんけど家の近所だったし。しかしワンマンライブともなると、さすが今までのライブとは濃さが違う。ファンの皆さんのコールのテンションやオタ芸ダンスに気合が入りすぎて、とても前列に入っていく勇気が出ないほど。こんなに真剣にモノに打ち込むコトって普通の人じゃ持てないよ、君たち幸せだよーとマジで思った。あ、このライブで発表あったんだけど、11月にアルバムリリース、三回目のワンマンライブは10月@渋谷クワトロに決定とな。すげえ!ボウリング場からの飛躍!



●うって変わって、アイドル不在だった90年代渋谷系時代の音源たち。

NELORIES「INDIE POP CAR BABY」

NELORIES「AN ORDINARY MIRACLE」

NELORIES「POP☆STAR」

NELORIES「INDIE POP CAR BABY」1993年
NELORIES「AN ORDINARY MIRACLE」1994年
NELORIES「POP☆STAR」1994年
●先日の記事では、世界遺産の集落・白川郷での夏休みレポートを書いたんだけど、そこに行く手前で金沢に寄ったんですよ。で、当然レコ屋めぐりをして色々買い物をした。そこで見つけたのが、この女子アコースティックデュオ。一枚100〜200円だったんで全部買いましたわ。コレマジ懐かしい…。
●正直、リアルタイムでは好きになりきれなかった物件だったのね。80年代ネオアコを範としたギターポップだってのは理解できたんだけど、それにしてもド素人丸出しのスカスカぶりと不安定な英語詞に、ついていけなかったんですわ。貧弱なボーカルにユルい演奏。ポスト FLIPPER'S GUITAR の時代で THE BRIDGE = カジヒデキや、サニーデイサービスみたいな連中が成熟した音楽を鳴らしてるのに、このアマチュア感覚はさすがにヤバイだろ、それを良しとしてしまうのはさすがにハイプでスノッブ過ぎるだろ、と思ったんです。インディポップと見せかけて、彼女たちの所属レーベル POR SUPUESTO/SUITE SUPUESTO東芝EMIメジャー内なんちゃってインディセクションだったし。…補足すると、当時のメジャーレーベルは自社内に新規開発部門としてなんちゃってインディレーベルを抱えてたもんですわ。
●でも、今聴いてみると…大人になって80年代音楽に耳慣れした結果もあって、このスカスカな未熟ぶりも一つの価値かなと思っちゃったり。スコットランドのギターシーン、THE PASTELSTHE VASELINS みたいなことをしたかったんだなーと今なら理解出来る。本場の彼らの頑固なアマチュアイズムみたいなもんもひっくるめてね。でもその貧弱さを補うために支援がすごい。プロデューサーには THE MONOCHROME SET の中心人物 BID をわざわざイギリスから呼び寄せてるって事に今回初めて気づいた。シングル「AN ORDINARY MIRACLE」なんて、わざわざ BBC「THE PEEL SESSIONS」に出演させてその様子を LIVE 版として収録してるんですわ。シングル「POP☆STAR」なんてサポートバンドが、ASA-CHANG、會田茂一、菊地成孔なんですよ、気合入りまくってますわ。
●でも1995年にバンドは解散。ソングライターだったボーカル栗原淳はソロに転向して日本語ギターポップに挑戦。ギター久保和美KAZMI WITH RICKIES ってバンドを組んだはず。RICKIES栗原淳ちゃんの曲も一曲ずつ ITUNES に入ってる。NELORIES のシングルはあと一枚持ってるはずなんだけど今の所行方不明。アルバムは…そこまではムキにならないよ。


●夏休みのマンガ読書。

おかざき真里「阿・吽」1

おかざき真里「阿・吽」1〜2巻。
歴史マンガが楽しい…今までと違うアプローチの歴史マンガが最近目立ってる。なんとおかざき真里さんが今回選んだ主人公は、最澄と空海。平安仏教の開祖の若かりし日々の苦闘は、8世紀/平安京遷都以前の時代からスタート。

灰原薬「応天の門」1

灰原薬「応天の門」1〜3巻。
こちらは、在原業平菅原道真がコンビを組んで怪事件を解決していく9世紀平安時代ミステリー。エリート貴族としては家格が微妙な彼らが学才・文才で都の闇を斬る様子が痛快。

中村真理子/園村昌弘「天智と天武」6

中村真理子/園村昌弘「天智と天武 - 新説・日本書紀 - 」6〜7巻
飛鳥時代の歴史解釈に挑戦するような基調で、中大兄皇子大海人皇子の政権闘争を描く。朝鮮半島への派兵〜白村江の戦いでの敗退を経て百済王国は滅亡、百済王子として中大兄皇子に接近していた豊璋は、中臣鎌足に改名する…。藤原氏の起源を朝鮮半島の王家と描いて、中大兄皇子のブレインに据えた解釈に感心。

たかぎ七彦「アンゴルモア 元寇合戦記」1

たかぎ七彦「アンゴルモア 元寇合戦記」1〜3巻
実はありそうでなかった、元寇をテーマにした作品。対馬に大群で押し寄せたモンゴル帝国軍に、流れ者の武士が少数の仲間たちとともにゲリラ戦を仕掛ける。神風が吹いてアッサリと破れ去る前の、強力凶暴な侵略者の大群にどう立ち向かうのか?

小池一雄/小島剛夕「首斬り朝」2

小池一雄/小島剛夕「首斬り朝」1〜4巻
●1972〜1976年に「週刊現代」で連載されていた劇画。剣術の達人として、江戸時代の死刑執行人を務める主人公・山田朝右衛門、人呼んで「首斬り朝」の活躍を描く。江戸時代の理不尽から生み出される犯罪者たちの生死を静かに眺める武士の冷徹な視点が熱い。

石井あゆみ「信長協奏曲」12巻
●スベったと見える小栗旬主演ドラマ化「信長協奏曲」はさっぱり忘れてマンガは続く。現在1570年代。ひときわダークに描かれる羽柴秀吉は実は忍者出身。そろそろヤバイ気配が濃厚に。若き前田利家は長身の武者として今作に登場してる。このマンガでの飄々としたイメージをそのまま引っ張って、今回の夏休みは、金沢〜白川郷〜郡上八幡という観光旅行をしてしまった。どんな人物かはよく知らないのでこれから勉強。

よしながふみ「大奥」12巻
●男女逆転大奥も、徳川11代男性将軍・家斉の時代。しかし彼に政治上の実権はなく、母親である徳川治済の傀儡政権に過ぎなかった。しかしそれを乗り越えこの女帝に反旗を翻し、男女逆転社会の原因となった風土病「赤面疱瘡」の予防接種を推進させる。そして時代は幕末へ。13代女性将軍・家定が登場。

日本橋ヨヲコ「少女ファイト」12巻
●バレーボール日本代表の合宿から帰還した主人公のまわりはいつしか賑やかに。春高バレー大会で敵も味方もニューキャラ続々の群像劇に拡大。なにがなんだかわからないけど、キャラが賑やかで楽しいよ。とにかくこの人画が素敵だからね。

諌山創「進撃の巨人」17巻。
●映画はなんとなくスルー気味だけど、マンガは佳境。軍事クーデターで腐敗した王権を打倒し、巨人の謎にもグイグイと迫っている巨人出現以前の世界とは?

荒木飛呂彦「ジョジョリオン」 10巻。
●前巻はクワガタ対決だけで終始して、どんどんマニアックになってる気配。今度は大年寺山愛唱なる珍名のスタンド使いとの死闘で終始。キーワードは「震災」「フルーツ」「岩人間」…意味不明。

三宅乱丈「イムリ」17巻
過酷なファンタジーSF、ピンチにつぐピンチで、息つくヒマがない。圧倒的な機械文明カーマの実験を完全掌握した双子の兄弟ミューバの軍勢に追われつつ、イムリ文明に伝わる伝統の秘儀の謎に迫る主人公・デュルク。なんだかイムリ勢力の内部に分裂の気配あり…。

弐瓶勉「BLAME!」2


弐瓶勉「BLAME!」1〜3巻。
●アニメ「シドニアの騎士」で盛り上がったので作者・弐瓶勉 の過去作品を。1800円の大判は、バンドデシネを意識してるのか?スケールが大き過ぎるサイバーパンク世界は、大画面で見ないと楽しめないところまでいっちゃってるから。

松本次郎「女子攻兵」6

松本次郎「女子攻兵」6巻
●ますます「地獄の黙示録」みたいになってきたカオスっぷり。女子高生のルックスの大型メカに乗って異次元空間の奥地を彷徨って、そしてとうとうその使命の正体を知る。でもその正体はカオスの更に向こう側にあるようで。もうわけわからん。

市川春子「宝石の国」4

市川春子「宝石の国」4巻
とにかく表紙が綺麗。装丁も作者・市川春子さん自身がやってるんだよね。そして新型月人の出現。先生の謎めいた発言。この不思議すぎる宝石の国にはまだまだ奥行きがありすぎる。

粟岳高弘「いないときに来る列車」

粟岳高弘「いないときに来る列車」
吾妻ひでおな感じがする女の子のキャラクターが妙に萌えるオフビートが気持ち良いけど、実は結構ハードなSFで理解するのに3回くらい読み返しちゃった。でも確実に萌え。無意味無制限で、スクール水着とふんどしが出てくる。

まんしゅうきつこ「アル中ワンダーランド」

まんしゅうきつこ「アル中ワンダーランド」
キョーレツな名前でネット有名人になってた作者が、アル中体験をカムアウト。表紙のかわいっぽさに騙されてはなりません。シャレにならない、ダメ人間っぷりが自虐でグシャグシャになって描かれてるだけです。





●金曜ロードショーで、ジブリアニメ「おもひでぽろぽろ」が放送されてた。
主人公の27歳OLさんが、自分の小学5年生時代を回想しながら、都会の生活を抜け出し憧れの田舎暮らしにバケーションのつもりが…。って話。ジブリアニメは何度見ても発見があるなあ。「現在と過去の対比」「都会と田舎の対比」が物語の骨格なのに、さすがに経年劣化したのか、今の視点だとお話し全部が「過去と過去」「田舎っぽい都会と田舎っぽい田舎」になってる。それにビビった。これじゃ21世紀の娘ヒヨコには、対比されてるモノの区別がつかんわ。あげく主人公・タエ子の表情にコイツが文句をつける。笑顔にほうれい線を強調する作画に「この人おばさんじゃん!」そういうこと言うなよ…でもこの人実年齢だと幾つなんだろう?計算してみた。そしてビビった。
●ナレーションによると、主人公・タエ子(すでにこの名前でオールドスクール)は昭和41年 → 1966年 に小学5年生=11歳、だから1955年生まれ。OLだった27歳当時は逆算すると1982年。タエ子の東京のアパートにはユーミンの自分編集カセットとかあるんだよね。つまり、彼女はボクより20年近く年長で、そんで今年はもう還暦じゃないか!まじ!ちなみにこのアニメの公開は1991年で、ジブリ(高畑勲)はワザワザ舞台に近過去を選んだ。…へえ、公開の瞬間からノスタルジー要素を入れてたのか。
東京駅特急ホームの風情も民営化以前のスサミッぷり。今ではレアでラグジュアリーな存在となった寝台特急に、むしろヒヨコは興味津々。あーアレには子供の頃のボクもアガッたな。設定である1982年に東北新幹線が開業。山形新幹線が1992年に、秋田新幹線は1997年に開通。東北は徐々に秘境ではなくなっていったのかな。東京の消費圏内に捉え込まれた上での、地方/地域の衰退にはどんな風に対面したんだろう。憧れが生活になるのは簡単な事じゃないだろうしね。



で、2015年夏の unimogroove 家は今年3月に延伸した北陸新幹線で旅をした。

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●行き先は、石川・富山の県境に接する岐阜県のスミッコ白川村日本で6番目に登録された世界遺産「白川郷」。
●手を合わせて合掌している様子をイメージすることから名付けられた農村建築「合掌造り」。この建物が100軒も集まっているのが村のちょうど中央部にある荻町集落。この「合掌造り」がまとまって見学できるのは、こことここの北に20キロ自動車で移動したところにある五箇山菅沼集落というところだけらしい。
●ここに行きたいと言い出したのは中学二年生の息子ノマド。モロッコの世界遺産都市フェズに行って、その直後に次行きたいところはドコ?と聞いたら「白川郷」の名前を出した…オマエ渋いな。ずいぶん地味だよなーとその時は思ったけど、やっぱホンモノはすごい。来て良かった。

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ここの集落の素晴らしさは、集落の生活がきちんと息づいていること。
●ボクが今まで訪れた世界遺産の多くは、「遺産」というより「遺跡」というか、文明の痕跡はあれど基本的に機能は停止してました。メキシコのマヤ文明遺跡・チチェン・イツアも、沖縄の首里城/今帰仁城も、奈良の法隆寺/東大寺も、京都の銀閣/清水寺も、広島の厳島神社/原爆ドームも、歴史の重要な節目を担いながら、それを現物記録するに留めている感じで。でも白川郷は全然違うんです。ここには人が生活しているんです。
●集落の中に立ち並ぶ「合掌造り」には、そこの中で普通の現代生活を暮らしている人が住んでいるんです。建物の前に自家用車を駐車するし、BSアンテナが刺さっていてテレビが映るようになってるし。洗濯物も干すし、キレイな花を育てたり、家庭菜園を作ったり。だから、キチンと張り紙があるんです。「この建物の中には生活があります。建物の周りの野菜や草花をむしったりしないでください」。建物の隙間には水田が広がっていて、ちゃんと稲穂をつけていました。これを刈り取って集落の人は食卓に乗せるのです。その生々しさが、すごくリアルで。
1995年に世界遺産登録されてから、ここには年間100万人単位の人々が観光に訪れます。中国や台湾、韓国からアメリカ、ドイツ、フランス、そりゃもう世界各地から。観光客を呼び込んでお金を落としてもらうことも当然大事です。おみやげ屋も食堂もありますよ。でも、観光産業第一ってわけじゃない。この集落に住んでいる人は、この伝統的な建築物、そしてそれを維持するための伝統的な生活習慣を守ることが第一優先。それを強く感じたのです。

「和田家」住宅。

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●この和田家はその起源を1573年まで遡る旧家。代々、集落のリーダーとして庄屋や名主を務め、明治の白川村成立の際には初代村長に。代々の当主は「弥右衛門」を襲名。建物そのものは江戸時代中期のモノで、集落の中でも最大規模、そして国指定重要文化財。建物の中には1630年頃の調度品も展示されてる。入場料を払うことで、一階から屋根部分の内部に当たる二階〜4階の内部を見物できる。実は4階建てなんだよスゴイでしょ。
●その一方で、一階フロアの三分の一強は非公開。その境界の扉には「NO ENTRANCE ここより奥は、当家の生活の場所ですので、後悔しておりません」「ここから生活スペースなので立入禁止です。開けないでね!」…えーこの200年前から建ってるこの家に、今なお普通に和田さん一家は暮らしてるの!これにビックリ。まーこの非公開スペースだけでも我が家のマンションよりも広い気配で、現代生活には十分かと。でもスゴイねー。歴史的建造物と普通の生活住居がカブってるって。

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●この囲炉裏は見学スペースにあるものだけど、かつては生活の中心にあったモノだったのでしょう。閉館時間以降は、和田家のみなさんは今でもここでくつろいでいるのかもね。
●ただ、この囲炉裏は、単純に家人が暖を取るというだけの存在じゃない。どこもかしこも真っ黒に煤けた柱や壁板は、長きにわたって囲炉裏からでる煙に燻された結果。階段の上の二階以上までに暖気と煙がきちんと流れていくような工夫も天井にちゃんと仕込まれている。これで、木材や茅葺の中に住む害虫の駆除や、階上で行われていた養蚕にまで暖房を供給することができたという。和田家ではこの日に囲炉裏に火は入ってなかったが、火が入っていた旧家では確かに5階フロアまで煙の匂いがキチンと通っていた。

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●養蚕が盛んだったのは、幕末から昭和初期にかけての時期だったという。実際におカイコさんがマユを作る様子も展示してあった。ヒヨコがおカイコの本物を見るのは初めて。まさしくマユを作ろうと自分の体の周りに糸をより集めてるのがケナゲでいい感じ。
●そんなおカイコの傍らには、和田家の御曹司?タカマサくん小学校6年生の宿題風レポートを展示。5年生の時のレポートもあったな。ノマドヒヨコ、このタカマサくんはオマエたちと年近いんじゃないか?今中学生くらいなんじゃないか?そしたら、次の彼に望まれるニーズといえば、このレポートの英文訳することで外国人のお客にプレゼンすることだな!…と思ったら、すでにタカマサくんの親戚?ユーコちゃんのレポートを名古屋の大学生さんたちによって翻訳されとった。

●こんな感じで、特に規模の大きい合掌造り建築は、内部の見学ができる。江戸後期に10年の歳月をかけて建てられた「神田家」…二階ロフトスペースみたいなところから火の番として囲炉裏を見下ろす小窓がしつらえてあったのが印象的。建築は明治時代だけど260年の家系を守る「長瀬家」は最初はお医者さんだったとか。今の名前を名乗るようになったのが1744年という「明善寺郷土館」では、今でも朝昼夕と鐘を撞く習慣がある…朝6時にその鐘の音をボクは聞いたわ。いづれもそれぞれのお家で家族が生活し続けている。二階以上はさすがに生活スペースに向かないので、貴重な古い農具や養蚕のための設備などなどが配置見学できるようになってる。センバコキとか、教科書に出てくる農具の現物とかボクも初めて見るわ。

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他にもこの建築様式に凝らされている工夫が実に面白い。
●展望台で俯瞰すると合掌造りの建物はだいたい同じ向きを向いている。これには必然があって。合掌造りは東西方向に急斜面の屋根を、南北方向に窓を設けた板張りの壁を備えてるとな。全国有数の豪雪地帯であるこの地域、屋根に降り積もる雪に均等に日光を当てるため屋根はわざと東西に向けている…これが南北方向だと北面にはまったく日光が当たらない。傾斜角度は60度つまり正三角形で強度が高い。そして南北の窓。この地域は南北方向に庄川という川が流れている。この川風に沿って空気を通すことが換気に効果的なのだという。換気も効率よくしなくては、囲炉裏の煙を制御できないからね。
●そんで、家屋の側には池がある。これは消雪池といって雪を溶かすための方便らしい。綺麗な清水にはコイだけでなく、ニジマスまでが泳いでいた。屋根の素材になる茅のために、きちんとそれを栽培しておく茅場を山の中に用意しているという。ちゃんとした茅を供給することで初めて茅葺は成立する。この茅の供給が絶えたために茅葺を止めた地域も全国には多いそうな。

そもそもで、この屋根をどうやって葺き替えるのか?
囲炉裏で十分燻された茅葺は50年も持つという。しかしこれだけ大きな茅葺屋根を葺き替えるのは、集落総出の200人規模の人足が必要という。平成13年に行われた明善寺の葺替えはボランティアも交えて500人が集まった(NHKの収録まで入った)。100軒以上の合掌造りを維持していくってことは、単純計算で、年に二軒ペースで葺替えをしないといけないってことだよね。そのために土地の人は「結」という組織を作って、共同作業を前提としたこうした工事を助け合う工夫をしているという。そして100人単位の人々を稼働させていく。村全体で2000人弱の人口なら、きっと集落全員が参加しなくては葺替えはできないし「結」も成立しない。観光産業第一ではなく、共同体維持が第一と感じたのは、こうした「結」としての単位の意思決定がそこかしこに見えたから。
●例えば、萩町集落のメインストリート(といっても実に慎ましかです)は、観光車両が朝9時〜夕方4時まで進入禁止なのですよ。庄川をまたいだパーキングに全部駐車してくれ、そこから橋で渡って集落に渡ってくれという。火災には滅法弱い「合掌造り」のために、集落全域をビシャビシャにできるスクリンプラー耐火設備が整っている…「歩きタバコ禁止」の標語掲示もスゴイしね。ゴミの分別もすごく細かい…この山深い場所から処理設備までゴミを出すのは、住民の分だけならOKでも100万人の観光客が相手では手に負えないはず。電気や電話などのゲーブルもほとんどが埋設されて電柱も少ない。これが村の風景を維持するための努力。徹底的。

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その住民の結束力が顕在化するのが、年に一度の祭事「どぶろく祭り」。
●集落の中心から少し外れた所に、「白川八幡神社」がある。ここが拠点になって「どぶろく祭り」というお祭りを10月にお行うのがこの土地のしきたり。1月の一番寒い時期に仕込んだどぶろくを10ヶ月かけて発酵させて、それを存分にお客に振る舞う祭り、なんだけど、それに伴って、集落全世帯の家長が御旗を持ち、小学生から若衆まで全員が獅子舞や神楽に参加し、集落の一戸一戸をまわる立派な行列が出てくる。神社に併設されてる「どぶろく祭りの館」でビデオを見たけど、勇壮な舞が実に立派。
子供も含んだ村人全員が民謡の演奏や舞踊の練習をみっちり仕込んで、その祭の当日を迎える。4人で操作する獅子舞の勇壮な舞を先頭に、村人全体がすべての集落の建物や田んぼを回って、今年の豊穣や幸福に感謝する。村人全員に役割があって、おそらくそれは子供の頃から成人し村を支える壮年になるまで、ステップを踏むように高度な役割を担うようになるのだろう。こうした祭の結束が、合掌造りの屋根を葺く作業を村人全員200人で手伝う結束にも繋がるのではないか。この結束が「結」の実体を作り出しているのだと思う。

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祭の中で大事は役割を果たすどぶろくは、神社の敷地内だけで造られて、祭でふるまわれるのも境内の中だけと決められているそうな。その代わり、祭の日には大勢の見物客が集まり、何杯も何杯も飲んでいくという。「どぶろく祭の館」では、見学の最後にこのどぶろくを味見させてくれる。お酒が飲めないボクは遠慮したが、混じり気のない水と土地でとれた米だけを使ったこのどぶろく、とてもフルーティだったそうな。これワイフの感想。



ちなみに、ワイフは3歳当時に白川郷を訪ねていたという。昭和51年=1976年。
この写真と同じ場所を探してみたよ。

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「親&子ショット」「子&孫ショット」に入れ替えてみました。最初は「長瀬家」かと思ったんだけど、聞き込みの結果「明善寺」であることが判明。うーん、角度の取り方が甘かったかな。建物本体はもちろん周辺もほとんど変わってないんだけど、木が成長してしまってました。40年近く前だからねえ。



●普通の観光客は、朝からやってきて半日ほどを過ごし、高山といった地方都市で宿を取るんだけど。
ボクらはわざわざ、この集落の中で民宿を探したよ。お世話になったのは「民宿・利兵衛」
ルックスは見事に「合掌造り」でしょ。でも中身はしっかり民宿でした。

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16畳のお部屋に通されて広々。でも障子と襖だけでカギかかりません。障子も襖もない我が家と比べてコドモはオモシロがってましたが。トイレ・お風呂共同で、ご飯だけ囲炉裏のある居間で他のお客さんとテレビを見ながら食べる。川魚の塩焼きに飛騨牛のバター焼き、たくさんの山菜が美味しかった。お客の部屋が一階に4〜5部屋程度?たった一人で全てを切り盛りしてるかのような女将さんは、一階のスミを仕事部屋にして、プライベートは二階なのかな。
●実は畳のないベッド中心生活が20年以上になってるボク、久しぶりの畳&ふとんが、実はツラかった。寝苦しくて何度も目を覚まし、朝になったら体がイタイ。自分でも意外だったわ。畳で眠れない人間になってたなんて…。

●あ、あと「白川郷の湯」って温泉が集落の真ん中にあって。そこまで歩いて行きましたわ。16時を過ぎると一気に人気がなくなるってのがわかった…終バスの時間なのか?街灯もないから日没後は懐中電灯を持つことがオススメされてる。



●ちょいと脱線しまして…DVD「ひぐらしのなく頃に」

ひぐらしのなく頃に 第1巻 初回限定版 [DVD]

実はここ白川郷はゲーム/アニメの題材になった場所。同人ゲームから出発して、ラノベ・コミック・アニメ・映画へスピンアウトしていったコンテンツ群「ひぐらしのなく頃に」は、その舞台「雛見沢」という村を、この白川郷・萩町集落をモデルにして描いているみたいだ。
「ノベルゲーム」という、文章を読み進めるようなタイプのゲームとして傑作の誉れ高いこの作品は、同じ登場人物が何度もループする物語に関わって、毎回最後は必ずバッドエンドになるという、気味の悪いミステリーホラー。「おやしろさま」と呼ばれる神社の祟りがストーリーの軸になっているようなのだが、前述の「白川八幡神社」を見た時はそのソックリぶりにビックリしたもんだ。社殿の前にある石段はアニメに登場するものと同じ。熱心なゲーム/アニメファンがキャラクターを描いた絵馬がたくさんかかっていた。聖地巡礼ってヤツだね。…ただ、ゲーム/アニメが漂わせる不吉さとは無縁な、清浄な空間がそこには広がっていて、そこの印象は全く違うモノだった。見上げれば杉の大木が夏の太陽を遮ってくれて、気持ちの良い風を呼び込んでくれている。

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●10月の「どぶろく祭り」を連想させるかのように、アニメにも夏祭りの描写が何度も出てくる。そんでその祭の前後に必ず殺人が起こる。しかしやっぱり本物の祭の迫力にはかなわない。村人全員が役割を担う祭りの最中に殺人なんかしてる場合じゃないもんね。ゲーム/アニメに「鬼」の存在がホラー的に仄めかされるのだが、「どぶろく祭り」の鬼とは位置付けが違うようだね。実際の祭りの鬼は「露払いとして行列の先頭に立ち、神に対して不敬の人々を追い払い、不浄な人々を退散させて神の尊厳さを知ろしむもの」とされているからね。
●聖地巡礼のお客さんに対して、なにかグッズでも売ってると思ったら、ここ白川郷は完全スルー。アニメファンの息子ノマドはちょっとガッカリ。そのスルーっぷりは、ある意味潔くて、ボクには気持ちよいと思えたけどね。




●音楽は、ジブリにちょっと関係するヤツで。

PRISCILLA AHN「WHEN YOU GLOW UP」

●PRISCILLA AHN「WHEN YOU GLOW UP」2011年
ジブリ最後?の長編映画となった「思い出のマーニー」で主題歌を担当したのが、このアメリカ人女性シンガーソングライター。1984年生まれだから「おもひでぽろぽろ」に彼女も間に合ってないね。その彼女がまだジブリと縁を作る前のセカンドアルバム。レーベルはなんとジャズの名門 BLUE NOTE。シンプルかつ端正に整理されたアコースティックギター&ピアノによる、彼女の弾き語り。甘い声がやさしくて、まるで妖精のようだね。「ELF SONG」なんて曲もあるし。
●日本盤ボーナストラックに JOHN LENNON「LOVE」のカバーと、ジブリアニメ「耳をすませば」の主題歌「TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS」のカバーが収録されてる。「TAKE ME 〜」はフォークシンガー JOHN DENVER 1971年のヒット曲だが、これをワザワザ彼女はジブリバージョン(歌:本名陽子)の日本語訳詞でカバーしている。これもマッスグで凛々しい歌声が綺麗で。
●ちなみに、「おもひでぽろぽろ」の主題歌は BETTE MIDLER の名曲「THE ROSE」都はるみが日本語詞でカバー。改題して「愛は花、君はその種子」。訳詞は高畑勲監督自身が担当。テレビ放送では残念ながらカットされてた。


つじあやの「恋恋風歌」

つじあやの「恋恋風歌」2003年
ジブリソング、ついでにもう一つ。このアルバムに「猫の恩返し」の主題歌「風になる」が収録されてる。
●陽気な痛快チューンである「風になる」は大好きなんだけど、彼女自身に対しては凛としたアコースティックスタイル〜ウクレレと訥々としたボーカルが少々陰気でツンデレ過ぎではないかと思ってた。メガネ女子みたいな自己イメージのコントロールも含めてしっかりしすぎてる学級委員長みたいな感じ。京都人ってのもちょっと怖いよね。でもそれを乗り越えても、彼女のポップスはしっかり計算された実直な構築美が結局耳に優しくて。その居心地のよさに今は浸っていたい。

つじあやの「COVER GIRL」

つじあやの「COVER GIRL」2004年
●しっかりとアレンジしたスタジオレコーディングを「TOKYO SIDE」、プライベート感ある地元京都でのライブレコーディングを「KYOTO SIDE」と名付けて、数々の名曲をカバー。ライブの空気感がオーガニックな「KYOTO SIDE」がいいねえ。ウクレレ弾き語りの選曲も渋くって。吉田拓郎「結婚しようよ」とか西岡恭蔵「プカプカ」とか。その流れでの YEN TOWN BAND「SWALLOWTAIL BUTTERFLY 〜あいのうた〜」とか。
●もちろん「TOKYO SIDE」のカッチリしたカバーもいい。スガシカオの初期2枚目のシングル「黄金の月」のグラマラスな感じ!サザン「シャ・ラ・ラ」奥田民生デュエットしちゃうトコロもたまらん。メロウなメランコリーが絶妙。

つじあやの「つじベスト」
つじあやの「TSUJI GIFT 〜 10TH ANNIVERSARY BEST」

つじあやの「つじベスト」2000〜2006年
つじあやの「TSUJI GIFT 〜 10TH ANNIVERSARY BEST」2000〜2009年
●そんな彼女も芸歴にして約15年、2015年に結婚を発表したそうです。ベスト2枚組を2セット。重複曲も多いんだけど、まとめて聴くと本当癒される。目立つのが他のアーティストとのコラボだね。ギターロックバンド GRAPEVINE と共演したタフなリフロック「SHINY DAY」10-FEET FEAT. つじあやの名義の「愛の真夏」ミクスチャーロック風味が新鮮。THE BACK HORN のボーカル山田将司とデュエットしたピアノ曲「15歳」もいい…。



ロサンゼルスのコンプトンから2枚の音源。

DR DRE「COMPTON」

DR. DRE「COMPTON」2015年
DRE 師匠15年以上ぶりの新作アルバムが、サブスクリプション音楽配信サービス・APPLE MUSIC & ITUNE STORE のみでエクスクルーシヴに公開された。マジかよ…こんな重要作が、サブスクサービスに加入してないと聴けないなんて。時代が早く進みすぎ!どこでどんな音楽が聴けるのか、アンテナきちんと立てておかないと見失うモノが出てきてしまうよ。
●ロスのダウンタウンを遠くに望む街並みが、悪名高きゲットー、サウスセントラルのコンプトン地区なんでしょうね。そこで80年代後半からサヴァイブしてきたこのド根性ファンクが、15年のブランクを感じさせずにドカドカ鳴っております。

KENDRICK LAMAR「GOOD BOY MAAD CITY」

KENDRICK LAMAR「GOOD KID, M.A.A.D CITY」2013年
●寡作な DR. DRE 師匠がシーンの中で不在を感じさせないのは次々と才能をフックアップしてトップスターに仕上げていくからだろう。最初は SNOOP DOGG、次に EMINEMTHE GAME も彼がフックアップ。そして最近での注目はこの若者でしょう。ロス・コンプトン地区出身でありながらギャングスタに身を崩すことなく、音楽に打ち込んでチャンスをつかんだ男。アルバムタイトルも「狂った街のよい子」だもんね。フックアップされるにあたり、DRE師匠との対面で2時間フリースタイルを続けたという伝説さえある…そのリリックの妙技は高く評価されてる。けど日本人のボクにはわかんない…ただ彼が抑えたトーンのユニークなフロウを得意とすることはわかる。質感はやや違うが Q-TIP と同じ印象を抱いたね。



「AKIBA カルチャーズ ZONE」の続きの話。

「AKIBA カルチャーズZONE」

●前回の記事で紹介した、アイドルグループ・バクステ外神田一丁目が拠点とする常設ステージ「バックステージPASS」はこの建物「AKIBA カルチャーズ ZONE」の最上階にある。実際、マップで確認すると、建物の住所はキチンと外神田一丁目にあった。ふーん、秋葉原って神田の仲間なんだ。
●一方で、この建物の地下一階も、インディアイドル活躍の場所になっている。「AKIBA カルチャーズ劇場」というライブハウスになってるんですね。座りメインのキャパ約300人のハコ。ここでちょっと前にインディアイドルのライブをみた。虹のコンキスタドールというリアルインディなグループだ。

虹のコンキスタドール「にじいろフィロソフィー」

虹のコンキスタドール「にじいろフィロソフィー」2014年
虹のコンキスタドールは、巨大なトラフィックを抱える一大画像投稿SNSサイト「pixiv」によるプロデュースで、「つくれるアイドル」=「つくドル」をコンセプトとしたチームだ。もうそれだけでボクはテンション上がるね、超注目だね。で、出自が「pixiv」とあって、それぞれが声優だったりイラストレーターだったりとクリエイティブな才能を備えた女の子たちによって組織されてる…と思いきや、全員がいまだ10代(一番若い子で中学生)とあってソコまでの実力はまだ備えてない…。ただ、いずれは消費消耗してしまうアイドルという一過性の職能で、その後のキャリアが全部消尽してしまわないために、常にクリエイティブな視点を持って活動に臨め!というのが、運営から彼女たちに課された使命みたいだ。
●で、このシングルが pixiv 本体からリリースされた事実上のデビューシングル。「にじいろフィロソフィー」は平均年齢15歳のローティーン女子が初めての恋愛感情に戸惑って、古代ギリシャの哲学者の名前を歌に盛り込むチャーミングなアイドルソング。「ソクラテスも悩んでいたみたい」「助けてアリストテレス」「プラトントン!」甘いトラックとロリータな歌声をポップスに包んでるけど、ゴツい哲学者の名前が出てきてフックになる。カップリング「LOVE MAKES ME RUN」は、ちょいと EDM のトラックにビターなトーンのボーカルを選んで、やや上から目線で女の子が男の子をピシャッとシメる内容。

虹のコンキスタドール「やるっきゃない!2015 : ブランニューハッピーデイズ」

虹のコンキスタドール「やるっきゃない!2015 / ブランニューハッピーデイズ」2015年
●二曲ともアッパーなアイドルポップスで、しかもアンセムめいたビッグチューンの気配すら漂う力強さがあるんだわ。主要メンバーのラップリレーがあったり、デカイメッセージを繰り出す大サビがあったりと、引っ込み思案でインドア志向のファン&自分自身をひたすら陽性のオーラで鼓舞するリリック。
●昨今のアイドルシーンでは音楽性での差別化、ヘヴィメタやパンク、ディスコ、ギターロックなどなどで個性化を計ってるスタイルでこの飽和状況を突破してるグループが多い。けれども、このグループに関して言えば、完全にロリポップな王道アイドルイメージで押し切ろうとしている。インディながらど真ん中なんだよね。すげえよその覚悟。
●あ、あとね、虹のコンキスタドールのクリエイティブディレクションをしているのは、ライブハウス・ディアステージやDJバー MOGRA でアキバカルチャーを発信し、でんぱ組inc. を見事ブレイクさせたプロデューサー、もふくちゃん aka 福嶋麻衣子さんなんです。

虹のコンキスタドール「1st ワンマンライブ『革命的XXX』2015111 at 新宿 BLAZE」

虹のコンキスタドール「1st ワンマンライブ『革命的XXX』2015.1.11 at 新宿 BLAZE」2015年
虹のコンキスタドールが始動したのはホント最近のコトで、主要メンバーが固まりお披露目されたのが去年8月。そこから「AKIBAカルチャーズ劇場」での月例公演を重ねて、初めてワンマンライブをやったってのが今年の1月ってわけ。(月例公演とワンマンライブの差異って実はわかってないんだけどね。ボクが見たのは5月頃の月例公演@「AKIBAカルチャーズ劇場」。予科性とか二期生も加わって楽曲ごとに歌うメンバーも違ったりするみたいなんだけど、アイドルとしての基礎戦闘能力は意外なほど高い!当然口パクなしの生ボーカル、複雑なフォーメーション転換を交えたダンスパフォーマンス、ローティーンの未熟さは否めなくともそれぞれのキャラ立ちも成長中。むーあなどれない。
●でこのライブDVDも買ってみてしまうわけですよ。特に、8月発売予定のシングルに収録される「トライアングル・ドリーマー」がカッコイイ。初期のライブからキラーチューンに位置付けられてた楽曲のようで、三角形の陣形をメンバーがくるくる入れ替わりながら、サビである「三角形!三角形!三角形の恋は不安定!一瞬で!一瞬で!崩れるバランス!」をファンと共にシンガロング。ロリポップ・サウンドに、キャッチーで耳に残るフレーズが実に憎いほど効果的。
●ということで、しっかりファンになったボクの推しメンは、お姉さん的ポジションのクールビューティ、重松佑佳 aka しげちー、と見せかけて、女の子というより小動物系のカワイらしさがセンターポジションで存在感を放つ根元凪 aka ねもちゃんであります。もう息子ノマドと2歳しか変わらないちゃんには、娘のような思いすら感じるね。


そんな、虹のコンキスタドールがインタラクティブライブを展開。
「BAPA LIVE」@渋谷ヒカリエ 7月20日
●ウェブインタラクティブを駆使した広告表現で世界から評価されているクリエイター集団、バスキュール PARTY が合同で生徒を募り「BAPA」なる学校を組織(とは言っても生徒は30歳前後の現役クリエイターばっか)。4ヶ月の豪華講師陣のレクチャーを受けさせた上でインタラクティブのライブステージを演出させる!そんな試みが行われていたのでした。そのコラボパートナーが、虹のコンキスタドールだった。

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「BAPA」と虹のコンキスタドール。このお見合いはどうなるのだろうか?
●話を聞いた時は、ワクワクもしたが不安も感じた。「BAPA」はウェブ表現では超一流のプレイヤーが揃っているがリアルのステージ演出はさすがに未経験領域虹のコンキスタドール pixiv が運営母体といえどメンバーは若くパフォーマンス能力は未知数。。うまく噛み合うのか?ライブ表現は成功するのだろうか?そんなハラハラすらもが、注目のポイントだった。
●当日の開演前。虹コンのハードコアなファンはあくまで一部。むしろITクリエイティブに関心のあるお客がメインの客層。おそらく虹コンの名前すら初めて聞くであろう人々がほとんどだったろう。一体どんな盛り上がりが生まれるのだろう?…という心配は、しかし、結局杞憂に終わる。スマホを操作したり、エントランスで配られる簡単な装置を使ったりして、お客はグイグイと演出にリードされ、ロリポップな虹コンの世界観にスイスイと入り込んでいく。とにもかくにも虹コンのメンバー自身がインタラクティブなギミックを存分に楽しんでいるのがヒシヒシと伝わり、それがフロアに伝播していくのだ。なんとも幸せな空気感が生み出されていた。新しい表現が、次々と生まれていくその瞬間に立ち会えた。それがなによりも嬉しかった。


音楽業界「アイドルの時代」を嘆く人は多い。実際、粗末な表現も多いしね。でもボクは実は絶望していない。アイドル世界そのものの中にも音楽そのものをイノベーションするキッカケがあるからだ。そこに耳を塞いだら、リスナーとしてもう進化できないだろう。だからこのへんも掘り込んでいきます。なにせボクの音楽の趣味は本当に雑食性なので、聴くのを我慢できないんですわ。



●動画もつけとこ。
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息子ノマド中学二年生、池袋アニメイトに友達と遊びにいく。
すくすくとオタク化してるな。部活メイトに電話で誘われて、嬉々として出発するも、池袋に到着してからアニメイトの場所知らないと気づきボクに電話してくる…アホめ。えーと「乙女ロード」のどっかにあるんかな?もうボクもずいぶん行ってないから忘れちゃったな…東口にでてサンシャイン通りをまず探せや。ん?検索すると今は豊島公会堂の近所にあるんだなあ。池袋も変わったねえ。ストリートビューでみるとガストが近所にあるから探してみな。
90年代後半の数年、ボクは池袋の西側、要町ってトコロに住んでて。だから池袋はアレコレと親しんだ街だった。当時はレコ屋も結構あったし、アングラな古本屋もたくさんあって、おもろかったよ。その中で新しいムーブメントとして同人誌系のお店が目立つようになった時期があった。「乙女ロード」って名前がついたのを知ったのは、池袋から西新宿に引っ越した後のことだったけどね。
●ノマドの報告によると、>池袋のアニメイトは地上9階建ての立派なビルで、全部はチェックしきれなかったらしい。なぜか>佐野菜見「坂本ですが?」を買ってきやがった。その後、友達三人と5時間カラオケ。アニソンとボカロ三昧だったそうな。


●ノマドはノマドで自分の道を行け。
ボクはボクで、ボクの視点からインディアイドル世界を観察してる。

バクステ外神田一丁目「バイトファイター」

バクステ外神田一丁目「バイトファイター」2013年
●秋葉原のアキバカルチャーが結集したようなビル「AKIBA カルチャーズZONE」。ここ以前から気になってたんだわー。で、なぜか去年仕事でこの建物に用件ができて。そこで衝撃を受けましたよ。アニメイトが一階にバキッと構えてて、階を昇っていくごとにディープな世界に突き進んでく感じ。コスプレ屋さん、フィギュア屋さん、トレカ屋さん、アイドルグッズ屋さん…。アイドルメインのユーズドCDを取り扱うお店「TRIO」は、中野ブロードウェイにも支店がある縁もあってか、今ではボクのレコ屋巡りコースに組み込まれてる。
●そんでこの最上階にあるのが、このアイドルグループが拠点にしている「バックステージPASS」という常設ステージである。普段は一見メイド喫茶みたいな感じに女の子が接客してコーヒー飲んだりできるんだけど、そのフロアの接客女子たちがそのままこのグループ「バクステ外神田一丁目」のメンバーなのだという。はー。すごいね…つまり、ここはアイドルがバイトしてるお店で、がゆえに「バイトファイター」ってわけなのね。この曲のリリックにもある。「学校じゃまだ誰も知らない大きめの決断 バイトしながらステージに立つ画期的なルート」…確かに画期的だと思ったわ。
●しかも、インディアイドルと言ったものの、彼女たちはこのシングルをメジャーレーベルであるワーナーからリリースしてる。本来はつんく♂さんが経営にかかわる事務所の傘下にあるプロジェクトでもある。ただ、つんく♂さんもご自身の病気で大変なのか、メジャーデビュー以来は深く関与してない模様で、アップフロントとも微妙に別系列とあってハロプロとも関係がないみたい。

バクステ外神田一丁目「美少女黙示録」

バクステ外神田一丁目「美少女黙示録」2013年
●あえてジャケを大きめにしてみました。なぜボクがこのグループに興味を持ったか?それはこのジャケの左上にいる子の存在。「バイトファイター」のジャケにも同じ位置にいるよ。…気になるでしょ!初めて見た彼女たちのビデオにボクはクギ付けになったよ!失礼ですけど直球でいいますよ!「ナゼアイドルにおデブのメガネが混じってるのだ?」つーかこの子、名前は ADなぎさ ちゃんっていうんだけど、ハッキリ言ってこの子以外に印象が残らないわ!冷静に言ってトビキリカワイイ子がいるとも言えないこのグループに、強烈な磁場作ってるのはこのおデブの子!彼女をスカウトした人えらい!彼女を応援しているファンがえらい!そしてなによりも彼女がえらい!
●まぎれもなくポッチャリスタイルなんだけど、健気にキレのいいダンスを見せるというし、若さゆえにお肌つやつやのプリプリだし、黒縁メガネも見事にハマってる。見れば見るほど彼女の魅力に呑まれてる自分を見つけるのよね。MVでも彼女が何してるかしか見えてこないもん。すごい存在感だよね。この裏張り感覚が素晴らしい。
●ちなみに、なんで ADなぎさ って名乗っているかというと、テレビ収録時にボスであるつんく♂さんに勘違いされて「ADさん」って呼ばれたかららしいよ。まー確かにいるね、こういうADさん!一見したら、アイドルだとは思えないわ。

バクステ外神田一丁目「OH MY DESTINY」

バクステ外神田一丁目「OH MY DESTINY」2013年
ADなぎさちゃんがセンターにいるバージョンのジャケを選んでみました。愛されてるねえ!ボクが買った「店舗限定盤」なぎさちゃん完全スルーされてて裏ジャケ内ジャケまったく露出ナシで残念。
●ボクはこのなぎさちゃんジャケバージョンじゃ収録されてないらしいカップリング曲「アイドルがクラスメイトなのに、気付かないキミ達は情弱乙でしょ」が好きで。男の子視点で、クラスメイトの本性がアイドルだってコトに気づいた感動とウキウキを描く楽曲。アイドルのハードルが下がってきてもサスガにラノベでもなきゃありえないシチュエーション。しかし実際に常設のお店でいつもステージをやってるグループの子たちに、身近な感覚を寄せるのはこの「アイドル戦国時代=アイドルデフレ時代」にカッチリハマる視点だよね。AKB48「会えるアイドル」を謳って10年が経つけど、そんなAKB48さえもがマスメディアの非現実世界に溶けてしまった今では、彼女たちのようなブレイクはしないっぽいけどソバに居続けてくれる女の子の方が親近感が持てるのかもね。



●一応、動画を。「バイトファイター」。さあ、ADなぎさちゃんを探そう。





●そうそう、この前の、土用の丑の日、我が家の食卓に久しぶりのウナギ。
「コレ、一枚で1300円よ…」とワイフ。ゲ!そんなに高いの!CD買えるだろ…。
●ワイフ「特売品でこの値段…。普通の値段だと1980円。」マジかよ…。
●ノマド、オマエの時代には、本当にウナギ絶滅しちゃうかもな…。


ASH「SOUNDTRACKS MORE - MUSIC FOR 逃亡くそたわけ」

ASH「SOUNDTRACKS & MORE - MUSIC FOR 逃亡くそたわけ」2007年
オルタナ風味のギターロックを基軸にしたサントラモノ。ザラザラした質感が90年代グランジで。時にもっと素朴にロウファイフォークで。無造作なギターが少々シューゲイザーでもあって。そんな音楽が、ちょっと自己主張を押さえたサントラとしての佇まいでひっそりとしている様子が、絶妙に優しい。映画「逃亡くそたわけ」ってのはどんなお話かよくわからない…精神病院から若い男女が逃げるみたいだけど。それ以上に、この ASH って人物についてはもっとよくわからない。ただギターへのこだわりようはスゴイ…。テンションが上がり過ぎてしまった夜を丁寧にチルアウトしてくれる。







●更新のスピードが落ちちゃって、なんだか後ろめたいです。
●とにかく忙しい…。しかもその難易度や挑戦は全然周囲に理解されてない。むしろ社外の人が応援してくれるという始末。「いつもみてますよ!がんばってくださいね!」なんだかわからんけど、きっと将来のボクに価値がある、そう信じて前を向くしかない。


今週末は、息子ノマド、合気道の大会があったとのこと。
●最近、リビングのゴロ寝からスタンディングポジションまでの身のこなしにキレが出てきやがったノマド。稽古をサボるほどの度胸もないので夏休みもセッセと練習してるみたい。
●ご存知の通り、合気道は、試合という概念がない。勝負も勝敗もない。気を合わせ、相手の攻撃を無力化するステップを修練する。つまり専守防衛。攻撃手段の訓練は重んじられてない。「試合」という言葉は使われず「演武」という言葉が使われる。大会でもその「演武」を披露する。そこでボクはノマドに質問した。決まったパートナーと演武するにあたって「最初にオレはこう仕掛けるからこう捌いてくれ」みたいな打合せをしてるのか?そうすればこの「演武」は、ある意味決められた段取りをなぞる「演舞」になる。
●しかし、ノマドに言わせればそんな打合せはないとのこと。今回の演武では持ち時間が90秒間なのでそこにドレだけ内容を詰めるか程度しか考えてないとな。ふーん、90秒ね…意外と短いね。そこにどれだけ技を入れ込むの。「オレが受けを8回、取りを8回を目指す」え?90秒に16回技を出し合うの?技一つに5~6秒じゃねえか!できるの?「いやー頑張る」…結果、この演武で見事目標の16回(とカウントするのかも知らないが)は達成されてノマドは満足げに帰ってきた。
●合気道で決まっているフォーマットは、「取り」という立場の人間が最初の攻撃を繰り出す。「受け」という立場の人間がその攻撃を合気道の技術で捌く。基本これだけ。攻撃した「取り」は「受け」によって見事に吹っ飛ばされる。高齢の達人が屈強な弟子を投げ飛ばす様子が不思議にも思うのだが、実はこれしか決まりごとはない。段取りは決まっていない。「演武」は「演舞」ではないのだ。
●演武者ノマドを「受け」とすれば、ノマドは相方である「取り」がどんな攻撃をしてくるのか知らない。ただ攻撃がなされた瞬間にその攻撃にふさわしい処理を選択してこの「取り」を投げ飛ばす。攻守交代してノマドが「取り」になれば、相方である「受け」が自分の攻撃をどのように処理するかわからない。ただし処理された瞬間にはその反撃のダメージを最小限にするための挙動を選ばなくてはならない。この攻守のコミュニケーションをなんと5秒のペースで繰り返すのだ。達人になれば攻守のバリエーションも増えるだろうが、5級になったばかりのノマドも出来る範囲でその場判断の対応を反射的に繰り出す。その意味で「演武」は真剣勝負。
●ただ、この相手の動きによる選ぶべき挙動は、結構システマチックらしく「4×4×2×…の組み合わせの中から選びとればイイんだ」的な言い方で、ノマドに説明された…ノマド理系思考だからな…文系のボクにはよくわからんかった。ただこのロジカルなシステムがノマドには相性が良いようで楽しいらしい。普段無口なノマドが饒舌に技の名前を並べ立て、この技に左右前後の場合分けがあって…なんて一気にニコニコ説明するなんて珍しいことで…オマエ格闘家か!って突っ込んじゃった。ともかく、取り〜受けの流れから次の取り〜受けの挙動へのつながりも含めてテンポを作って、「90秒に16回」の目標達成はなされたという。あ、これは「合気道」、訓練されたもの同志の「気の合わせ方」が前提になってる。素人相手ではこうは成立しない。
●もちろんこれはスポーツ、武道であるので、理屈だけでは成り立たない。5秒単位でぶん投げられるって、ジェットコースターのペースの比じゃないですよ。それを安全に受け身をとって即座に体勢復帰〜姿勢維持へと移るには体幹を成す筋肉の力が必要で。特別な筋トレはしてないみたいだけど、日々の稽古の結果、ノマドの腹筋は今6つに割れてる。ワリとスゲエ。

●今回の大会では、会場中央に、合気道「道主」植芝守央氏がいたそうで。つまり合気道で一番偉い人ですよ。ゴッドですよ。たまたまの配置でノマドはその「道主」が座る席の目の前で演武をすることになったそうな。世間知らずのノマドでも、このゴッドの目の前の演武は結構ビビる経験だそうな。今回はなかったが、大会によっては「道主」の演武も見ることができる…65歳が若者三人をブンブンにぶん投げまくる様子が。その代わり、いずれは「道主」を世襲するであろう彼の三男・植芝充央の模範演武が代わりにあったそうな。ボクも一度この人物の演武をみた…三人を相手にしてぶん投げまくってるんだけど、ただ人数ってだけじゃなく「相手が武器携行」まで想定するのよね。木刀や木製の短刀もガツガツ処理するのよ。すげえ。
それと、もう一点の大事なお楽しみが。男子校であるノマドの学校では、こうした大会が、ほぼ唯一の他校女子の交流の接点になるのですよ。最後に参加団体全体が入り混じっての稽古の場面があって、各々が自由に相手を選んで組む。ここで女子競技者と組めると、部の中でヒーローになれるわけですよ。以前の大会をみたボクから見ても、道衣に袴という出で立ちの女の子はかなりテンション上がりますよ。そのへん女子対応力の未熟なノマドは全然ダメな上に、我が合気道部はノマド級に全員ヘタレなのでいつも空振り全滅。なのに、今回はたった一人女子と手合わせした先輩がいたようで。「先輩!どんな感じでしたか?」とみんなから質問責めだったそうな。
つまりは、息子ノマド中学二年生、青春スタートしてます。


字が読めるって、中学生のうちに養うべき技術。
娘ヒヨコは最近、よく本を読むようになった。「ハリーポッター」原作を全部読んで、ホグワーツ魔法学校の先生の名前をフルネームで言えるようになってる。アルバス・ダンブルドアとかわかる?それと、宮部みゆき作品を10冊ほど?深作欣二監督最末期の作品となった映画「バトルロワイアル」の原作本も読んだそうな。中一女子が中学生の殺し合いを読むってどーよって話だけど、不健全なコンテンツは全部ボクの本棚から出てきてるからしゃーない。「デスノート」の原作マンガも読んでたな。今放送されてるドラマよりも面白いらしい。あのクソ理屈っぽいマンガをゆっくり読んでる。
長男ノマドは?ラノベ読みまくり。クラスの誰よりもラノベに詳しくなってるらしい。ボクから見てラノベってどうなの?という気持ちがないではないが、中二のノマドがラノベを読むのを妨げるつもりはない。コドモたちの読書奨励政策として、ボクは「レシートさえきちんと持って来れば全部精算してやる、本ならば無限に買っていい」と公言している以上、どんな本だろうと拒むのはルール違反だ。ラノベでも文字を読む習慣を今備えないと、こいつらは文字文化に永久にキャッチアップできない。そちらの方が大きな損失だ。あ、でも本音では予想以上の金額になってチトびびってるけど。こんなに遠慮なく本買ってくると思わなかった。毎週のように新宿の紀伊国屋に立ち寄ってるらしい…。

●あと、もう一点付け加えれば、親のボクが「なんじゃこりゃ?」と思うサブカルチャーにノマドが突っ込んでいくのは、健全なことだ。ボクが中学/高校時代にハマっていったサブカルチャーに対して、ボクの両親は完全に理解不能だったはずだ。それが父親になった自分の身に今ふりかかってるってわけね。だからボクの息子が、ボクの理解をブッチ切る領域に突っ込むのはむしろ頼もしい。そっからマジで面白い場所まで自分を連れて行け。




●パラパラと、最近聴いてる音楽を。

THE PRESIDENTS OF UNITED STATES OF AMERICA

THE PRESIDENTS OF UNITED STATES OF AMERICA「THE PRESIDENTS OF UNITED STATES OF AMERICA」1995年
シアトルグランジ〜オルタナティヴロック。やや後発のルードなトリオ。リアルタイムでは職場の同僚が聴いてて、わりと凡庸な音楽だよなーなんて思ってた。先日コイツが100円で売られてた時、その同僚の顔を久しぶりに思い出してレジに持って行ったわけです。
年齢も同じ、社会人になったばかりでよくわからないことばかりだったボクと彼は、いくつものプロジェクトでペアを組んで仕事した…何日も家に帰れないほどの仕事を分担しながら確実に捌いていった…戦友みたいなもんだよね。当時はなかった言葉だけどまさしく「ブラック」な時代だった。今は別々の会社で働く関係、彼の結婚式以来、もう10年近く会ってない。かつては凡庸と思ったロックは、ボクらの地味な下積み時代を象徴するような、華々しさと無縁で、泥臭くて、日の当たらないタイプの実直さを感じさせる。あのころのボクのメチャメチャな仕事の仕方が、今のボクに意味を持ってるのか甚だ微妙なんだけど、この音楽は、あのころの奇妙な情熱をホロ苦い感情とともに思い出させてくれる。

BEN FOLDS FIVE「BEN FOLDS FIVE」

BEN FOLDS FIVE「BEN FOLDS FIVE」1995年
●これも、仕事仲間を思い出す音楽だな。新入社員としてボクの下につけられた子がフェイバリットとして挙げてたバンド。ボクとしてはそんなに気になる存在じゃなかったんだけど、まあ時間が経ってコレも叩き売られるようなモノになったので聴いてみた。今聴けばピアノが可憐でかわいらしいね。若かったボクには軟弱に聴こえてたよ。
その新入社員の子、本人が完全に無自覚なんだけど、ビックリするようなセンスのよさを持ってた。仕事の飲み込みもすごく速かった。だから目一杯難しい仕事を振り込んだね。期待以上の仕上がりで返してくれるのが楽しくてなー。3年くらいボクの下にいた後いくつかの異動をへて、今では念願の部署で活躍している。後年、一緒にメシ食った時「いろいろ大変な仕事してきてキツイと思うこともありましたけど、UNIMOGROOVEさんの仕事に比べればこんなの全然ラク!って思う瞬間あるんですよ、いまだに」と言われた。そのつもりはなかったんだけど、ボクは鬼教官だったのかな。