●息子は Wii U のゲーム「スーパーマリオメーカー」に夢中だが。
ボクはボクで夢中なゲームがある。

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「ステーションメモリーズ!」
●いわゆる、スマホのGPSを利用した「位置ゲー」だ。とにかく色々な電車の駅に行って、スマホ画面のボタンを押す。駅にチェックインして点数をゲットする。たくさんの駅にチェックインするほどイイことが起こる。女の子に擬人化された電車っぽいキャラのレベルが成長していく。強くなった女の子キャラは、その駅を占拠してるヨソさまのキャラにダメージを与えてその駅を乗っ取る。いずれは誰か別のヨソさまにボクのキャラも駅を乗っ取られるが、滞在してられた時間の分だけ点数も高くゲットできる。…この手のリアルな場所に出向く行為を伴う「位置ゲー」と言えば、元祖コロプラ「コロニーな生活」とか、世界中でヒットしてる「INGRESS」とかが有名でしょ。でもそれらには全然ノレなかった。こいつはノッたなあ。インターフェイスがシンブルで簡単だからかな。ユーザーが少ないから競争が激烈すぎない感じがいいのかな。「艦これ」以降の女の子擬人化路線は、まーご愛嬌ということで。
●出不精のボクが外に出るいいキッカケになると思った。電車の車窓から風景を眺めながら知らない路線の知らない駅を訪れる。なんてステキなお散歩だろう。つーことで、毎日このゲームにログインしてる。平日でも帰りの電車をわざわざ遠回りする乗り換えを選んで知らない路線を使ってみる。知らない街にレコ屋があればますますうれしい。

連休の1日を、このゲームにまるっと費やしてみた。200以上の駅にチェックイン。東京都を縦横無尽。
結果からいうとヤリ過ぎた。アホ。普段は一日12カ所しかチェックインできないルールなのだが、貴重なアイテムを使って24時間チェックインしまくり状態にしたのだ。ここぞとばかりに、電車の旅を楽しむぞ。出発は朝7時前。ワイフがビックリ!「会社でもこんな早い時間に出ないのに、連休にそんな早起きするの!?」そんな反応を尻目に下北沢駅へ。
●まずは「小田急多摩線」を制覇。新百合ケ丘から枝分かれして多摩センター方面に行くヤツ。終点の唐木田って駅、路線表示の電光掲示板ではお馴染みだったが実際に行くのは初めて。なんもない場所だった…おそらくこれがボクの生涯で最初で最後の訪問になるだろう。
●切り返して、多摩センターから「多摩モノレール」に乗り換えてみる。ボクが就職して実家の国立を離れた後、その実家の近所で工事を始めたヤツ。やっとボクの人生と縁ができたな。さて、どうしてモノレールってヤツは気分をワクワクさせるんだろう。どんなモノレールに乗っても、そのちょこっと高い視点を音静かに滑っていく感じは、男の子の未来派気分を高ぶらせる。起伏が激しい多摩丘陵に立体感たっぷりで住宅が積み重なった風景は午前中の日差しにピカピカしてたよ。そして多摩川を渡り、立川駅に滑り込む。

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「未来世紀タチカワ」…ボクが生活してた90年代までは結構なヤンキーシティだったくせして。ボクの個人史において立川って街は、90年代の大学時代に数々のバイトをやった場所だ…コンビニ、カラオケ、テキ屋さんなどなど。同僚はみなヤンキーカルチャーの住人でバイクとかトラックとかにしか関心がなかったよ。小指が欠けてるオジさんもいたよ。そんなワイルドな側面は再開発で消えてなくなったけどね。今じゃ IKEA 様まであるからなー。
●しかも「アニメ&ゲームの聖地」的プロモーションまで展開。アニメ「ガッチャマンクラウド」やゲーム「東京ザナドゥ」の舞台になってるらしい。ファルコム「ザナドゥ」の名前を含んだタイトル出すなんて…最初の「ザナドゥ」はボクが小学6年生の時にプレイしてたPC向けゲームだよ。ゲームカルチャーの歴史もボクを形成する細胞に結構しっかり染み込んでやがる、と自分で再確認。

●さて、ここから「JR中央線&横浜線」八王子経由橋本を目指す。橋本から出発する「京王相模原線」に乗るためだ。橋本も10年前に仕事で何回か通った場所…クソ遠いと思ったよ。駅前ビルの中にレコファンがあったはずだが、とっくのとうに潰れてた。本当にレコ屋の絶滅は近いな…。
橋本から「京王線」で一気に新宿まで。一服休憩してから、今度は新宿から高尾山口行きへ。往復しないと全路線は制覇できないよ。途中、高校生の頃暮らしてた調布に降りて駅前を歩いた。あの頃バイトしてたドーナツ屋は潰れたのはもう大昔のことだが、初めてのバイト経験だった駅前パルコの本屋さんは健在だった。イケダやコバヤシとダベって過ごしたマクドナルドもまだある。レコ屋「タイムマシーン」の前まで行ったが、営業してない…。看板は残ってるから営業時間じゃないだけか?それとも潰れてるのか?健在としたらこのお店も長生きだよ…25年近く営業してることになる。
●なお、調布下北沢のように電車線路の地下化を果たした街だ。で、地下化は済んだが新しい地上部分はまだ整備中。駅の南北に二つのロータリーができる予定…現況は殺風景な広場だ…手作りフリーマーケットとかやってたけどね。現在完全地下工事終了目前&線路跡地の再開発工事がゴリゴリ進む下北沢駅前の来年くらいの景色はこんな感じなのかもしれない。下の写真は、そんな無粋な調布駅入口付近の様子。

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●さて、高尾山口は、ハイキングのお客でいっぱいだ。都会人の電車乗りのボクには無縁だ。即座に切り返して高尾駅から「JR中央線」で二回目の八王子&立川を通過し、そしてそのまま二回目の新宿へ。これで「京王線&JR中央線」を制覇したわけですわ。頭の中で一筆書きで効率良く路線を回るやり方を考える。いやー不毛だわ。んーと、次は「西武新宿線」を目指すか。

「西武新宿線」の始発駅があるビル「PEPE」にもレコファンがかつてはあった。で、やっぱり消えて無くなってる。ダイソーに変わったか?ABCストアか?…「西武線」は完全にアウェイだ。ボクの東京生活は中央線以南がメインで北側は全然ワカラン。適当に快速に乗ったはいいが、もうこの辺で不自然な早起きの影響で睡魔との戦いが始まる…ブラックブラックガムをキオスクで買ったわ。車窓の景色を眺める余裕は消え失せて、スマホのゲーム画面とグーグルマップをひたすらチェックするだけ。快速通過駅にチェックインするためには、接近中の駅をマップで事前に発見するしかない。くそ!二つ駅を取り逃した!バッテリーも切れかけてるから、バックパックに積んだMACからケーブルを引っ張り出して充電しながらプレイ。ムキになりすぎ。アホか。

●で、玉川上水という駅についた。さっきの「多摩モノレール」に乗り換えられる場所だ。立川以南のモノレールは制覇したが以北はチェックできてない。「西武線」は研究不足でやりきれないから、ここは「多摩モノレール」の制覇を優先して立川に戻ろう…今日三度目の立川。あ、立川ディスクユニオンには立ち寄った。エモのCD2枚買った。ちょっと遅めの昼飯を食う。

●今度は立川から川崎に伸びる「JR南武線」に乗る。渋い存在だが、かつて30年近く前、通学に使ってたゆかり深い路線だ。知らん間に新しい駅が増えたりしててあなどれない。この路線の溝ノ口駅を通過すると、「東急線」エリアが複雑に入り乱れる地帯に突入する。これを攻めるのが目的。川崎から速攻で「JR京浜東北線」蒲田へ。ここから「東急線」系を攻める…も、実は疲れてきた。
「東急線」は複雑だ…それぞれが「山手線」のメジャーな駅で地下鉄に接続してたりしててややこしい。自由が丘とか田園調布とかセレブ過ぎて縁のない土地ばかり。とはいえ、このエリアは以前から部分的にチェックした駅も多々あるので、今回は「東急多摩川線」といういかにもマイナーな路線を狙う。蒲田から多摩川という駅までちょこっと行くだけの路線。乗換えを駆使して「東急大井町線」…これも下位ランク二〜三番目くらいか?も半分くらい制覇した。
二子玉川までやってきたので、「東急田園都市線」というドメジャー路線で渋谷へ、そんで「井の頭線」下北沢にフィニッシュと思ったが、もう疲れがドッサリ肩の上に積み重なったので、渋谷の雑踏に突っ込む根性がもうガス欠状態。三軒茶屋で降りて、チンチン電車の「東急世田谷線」に乗り、豪徳寺から「小田急線」に復帰。そして家路に。帰ってみれば19時過ぎ。ふー12時間も電車に乗り続けていたよ。クタクタだよ。

●ということで、のめり込みすぎると車窓を優雅に楽しむゲームじゃなくなるってことがわかりました。忍耐力が必要!
もっとゆっくり街巡りするための楽しみ方を考えよう。イメージでは「ぶらり途中下車」だったんだけどな…どっかで「コンプリート欲望」の効率的発想に走ってしまった。一日に200駅とかアホか!アイテム使うのもうやめよう。一日12駅のシバリは適切だわ。…でも苦労の甲斐あってこれでコンプリートした路線は24本になったよ。全東京の50%の駅にチェックしたって。うふふ。わりと懲りてない。



●ゲーム経由から、話題を音楽に切り替えよう。

●キャラクターを前面に出す「非実在と実在の中間領域というコンセプト」音源を聴く。

●久しぶりに、カード系ブラウザゲーム、「ガールフレンド(仮)」も再開してみた。
●一時期、300日以上連続ログインというこれまたアホなハマり方をした、女の子カード集めゲームをもう一度再開してみた。業務上の必要から、フルネイティブアプリゲームとブラウザゲームの比較をしたかったからだ。表現力で限界のあるブラウザゲームの売上はどんどん下がってる模様。いっぽうネイティブアプリ系は、ワイフや娘ヒヨコが「ディズニーツムツム」とか「キャンディクラッシュ」とかで盛り上がってたり、「パズドラ」のゲーム実況をノマドがずっとニコ生 or YOUTUBE で眺めてるというほど賑わってる。だからこそのブラウザゲーム業界。撤退すべきか否かを考えるって仕事もあるわけよ。
●しかし「ガールフレンド(仮)」はまだ元気で670万人のプレイヤーがいるぞな。どんだけアクティブかは知らんが。

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数千のバリエーションを持つ女の子のカードをレベルアップさせて強く育てるゲームなんですけど…うーんと、駅と一緒で一種の「コンプリート欲求」につけ込んでるのかな。たくさんの路線をコンプしたいように、たくさんの女の子を収集したい感覚。別にカワイイとか考えてるわけじゃなくて、効率の良いやり方を考えてカードをゲットする感覚がパズルをとくような感じなのかな…。とにかく中毒性が強い…レコード/CD収集癖が強烈なボクに関しては。
●で、そういうヤツが世間には少なくないようで、このゲームはアニメ化されたんですよね一回。別にアニメになってもしょうがないからチェックしなかったけど。そしたら、人気キャラ「ミス・モノクローム」(常識感覚がズレまくったアンドロイド少女って設定)を主役にしたアニメのシーズン2が始まってるそうな。ん、今検索したらシーズン3も10月から始まるのね。すごいね。

ミス・モノクローム「私だけの物語」

ミス・モノクローム「私だけの物語」2014年
●このアンドロイドちゃんの野望は、人間社会の中でアイドルとして立身出世することらしい。でもトークが完全にボカロ風味で、おまけに常識不足でいつも失敗しちゃう。でも着々とステップをあがってるみたい。声優さんは堀江由衣さんという人…お、結構なベテランさん、音楽活動も活発じゃん。人間(しかもプロの人気声優さん)がボーカロイド風に歌うという、逆転現象がナニゲに面白いと思った。公式ページでは学祭でホログラムCGライブで実演しちゃってるよ。レンタル落ちで100円で購入。このシングルは二枚目らしいし、新譜の準備もされてるみたい。
●この前やってた「ミュージックステーション10時間スペシャル」では、初音ミクが生放送で出演。タモリさんと簡単なヤリトリまでして「千本桜」を披露してた。人間の声を再現するマシンと、マシンの声を再現する人間が同居するシーン、これが「2.5次元」ってヤツなのか。

みみめめMIMI「CANDY MAGIC」

みみめめMIMI「CANDY MAGIC」2015年
●ボカロタッチのボーカルに徹して擬似ボカロ/擬似非実在コンセプトを狙ったミス・モノクロームは、歌う人間の個性を離脱して独走を始めそうな感じ…ゲーム、アニメ、コミック、写真集、ライブ、グッズなどなどと世界観とマネタイズ領域が広がっているみたい。ではこのアーティストはどうか?
みみめめMIMIってのは、シンガーとイラストレーター(つまり今風に言って絵師)2者のユニットとして出発。音楽を歌う顔出ししない匿名的人格に、それに視覚的イメージとして絵師がカワイイ女の子のイラストを提供する。「みみめめ」は耳(聴覚)+目(視覚)を同時に刺激する、という意味があるという。顔出しせずに、イラストのイメージだけで押し切る、そのスタンスは以前にも他のアーティストでも例があったけど、視覚的タッチがソレっぽいという意味で、ミス・モノクロームからこの音源をすぐ連想した。
●しかし、去年の6月から顔出しNG路線を放棄。ボーカルは声優のタカオユキという人物で、以後はこの生身の女の子が活動を牽引している模様。イラスト要素はジャケのみ程度?これは少々いびつだなあ。バラしたらファンタジーの余地が何も残んないじゃん。
ミス・モノクロームは、最初から実態「中の人」が堀江由衣という声優が担ってると明白だったのに独自世界観を膨らませている。こちらは全てを隠していたのに、中の人が出張ってきたらなんかシラけてしまった。うーむ、似ているようで似ていない。難しいなあ。
ミス・モノクロームも、みみめめMIMIも、音楽的にはストレートなアイドルポップス。普通に声にエモーションを乗っけているみみめめMIMI よりも、擬似ボカロを演じるモノクロームの方が新鮮だったかな。

さよならポニーテール「新世界交響楽」

さよならポニーテール「新世界交響楽」2014年
●実在の人間の気配を消して、童話から抜け出たメルヘンキャラを表に出すアーティストとしては、先駆は彼らだろう。最初は低血圧系女性ボーカル3人体制だったのが、いつのまにやらミュージシャンやプロデューサーや「神さま」なんてポジションまでできて、現在12人のキャラ体制になってる。ボカロとは別次元のベクトルの中で、ウィスパー系ボーカルとメランコリーな音楽が存在の儚さをそこはかとなく感じさせて、その輪郭線を非実在にボヤけさせてるイメージが注目だった。
●ただ、このシングルにあっては、アニメ「キルラキル」というドタバタした作品のテーマとあって、珍しくアップテンポで疾走感とキラキラポップス感が増量。もっと投げやりだったイメージイラストも、クッキリしたアニメ絵になった…「キルラキル」のテイストとはまた違う気がするけど。ボーカル隊は女子5人体制になってるが、匿名的で役割分担も不明なほど均一なニュアンスのシンガーたちなので、非実在の湯気の中で陽炎のようにつかみどころがない。ちょっとメンバー(キャラ)が増えすぎた瞬間は、ウザいと思ったボクだったけど、ある意味では世界観を拡張することにきちんと戦略的であって、そしてそれに成功もしている感じがする。


●アーティストとして顔出しをしないという戦略。

ANDROP「ONE AND ZERO」

ANDROP「ONE AND ZERO」2012年
●このバンドは、2009年の結成時からこのアルバムの段階辺りまでは、自分たちの素性を全て隠して、パプリックイメージを全部このジャケにある「三角形と円を組み合わせたアイコン」に象徴させるという戦略をとってた。この記号的なイメージで最初は勝手にテクノ系のアーティストだとボクは思い込んでいたくらい…。でも、その実体は実にテクニカルな技術とエモ的ドラマを楽曲に織り込むロックバンドだった。楽曲至上主義の延長で、ビジュアルイメージがその楽曲の聴こえ方にバイアスをかけない配慮、とされてるみたいだけど、バンドの皆さんがシャイな感じもする。現在ではアー写からメンバー氏名まで男性4人のプロフィールがキチンと公開されてるけど、メジャーブレイクしてライブ映像もリリースしてく中では隠しようもないという判断か。
●バンドサウンドは実にタフなんだけど、ボーカルが透明感ある甘いファルセットで、そのアンバランスな対比関係が強烈な個性とポップネスを放射してる。清々しい炭酸水みたい、と比喩すればいいかな。マスロックのような質感さえ感じさせる緻密なリズムアクセントや端正なギターリフ、展開の複雑さは、楽曲を小難しくするもんだけど、このボーカルのスウィートネスが全ての無垢を背負って独自の世界を描いてる。そんときに、あの記号は確かにバイアスを取り払う護符のような存在になっていたかも。

AMAZARASHI「夕日進行ヒガシズム」

AMAZARASHI「夕日進行ヒガシズム」2014年
●ギターボーカルの男性とキーボードの女性の二人組ユニット。彼らはライブにおいても顔出ししないというステージ前面に幕を張りそこに映像を照射してバンドはその裏側で演奏する。これを結成以来現在でも続けているとな。GORILLAZ みたいだね。この前のライブでは、そのプロジェクション映像が3D演出になって観衆はメガネでライブを見たとな。そこまでいくとすごいね。ANDROP のボーカルギター内澤崇仁青森県八戸市出身で、AMAZARASHI のフロントマン秋田ひろむ青森県上北郡出身。青森ってそういう土地なの?秋田ひろむは現在も青森在住とな。相方の女性キーボーディスト・豊川真奈美は名前以外は何もわからないぞ。匿名性強し。
●しかし、秋田のボーカルとリリックは、暑苦しくて押し付けがましくて耳障りで…。なるほどこれは確かに「雨ざらし」だわ。世界を全部敵に回して、孤立無援の戦いを自分に強いている。徹底的に不利な戦い。世界どころかきっと自分自身すらが敵だろう。いや最強最悪の敵かもしれない。そんな場所から魂の歪みや淀みを不恰好にねじ切って投つけるような咆哮がココには鳴っている。しかし、その叫びはありがちなシャウトでごまかされてないクッキリとした日本語…ある意味でポエトリーリーディング。だからこそより一層、聴く者にとっては耳が痛い。そんなメッセージは生活のBGMにならないからね。でも、敢えて言えば、そんなメッセージだからこそ、世界に顔を晒して対峙してみてもらいたい、と思ったりもする。


GREEEEN「あっ、ども。はじめまして。」

GREEEEN「あっ、ども。おひさしぶりです。」

GREEEEN「あっ、ども。はじめまして。」2007年
GREEEEN「あっ、とも。おひさしぶりです。」2008年
●顔出ししないアーティストってのは遡れば色々でてくるだろうけど、そういえばこの人たちも顔出ししてないよなー、と思ってCD棚から引っ張り出した。ご存知の通り、歯科大学の仲間によって結成され、彼ら四人は今もしっかり歯科医として働いている。そんでメディアに顔出しもしないし本名も明らかにしてない。ライブにおいてもシルエットだけしか見せてないとな。
●ボクが彼らに注目するのは、「着うた」時代にブレイクしたアーティストだからだ。以前にこのブログに書いたのだが、携帯電話とヘッドホンで聴く「着うた」的ダウンロード文化の到来が、青山テルマ、加藤ミリヤ、西野カナのような「ケータイ系」シンガーの活躍を準備した、ってのがボクの自説だ。(詳しくはコチラ→ http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-1620.html)で、これを男性アーティストに当てはめると… GREEEEN になる。と、先日音楽業界の人と会話してて指摘された。おー目からウロコ、そういえば時代的には彼らのデビュー時と「着うた」全盛期はカブってる。2007年&2008年の連続で、日本ゴールドディスク大賞「着うた/着うたフル」ソング・オブ・ザ・イヤーを受賞している。代表作「キセキ」「日本で最も多くDLされた楽曲」としてギネスブックに認定されてる。
メディアの中で本人/バンド不在においても関係なく彼らはヒット。アルバム単位よりもシングル、いや楽曲単位でのヒットの印象が強い。豪華なCDアルバムでたっぷり聴くタイプの音楽ではなく、一曲を長く愛してもらうタイプの音楽だったのだ。これが「着うた」時代のユーザーにフィットした。人を食ったようなパブリックイメージ、ジャンル越境ミクスチャーロック感覚と、ラップともとれるほど饒舌で密度過多なリリックは、青山テルマのような内省的バラードとはタイプが違うと思ってたけど、パーティモードでない楽曲となると、シリアスなリリックがバラードとしての奥行きを持つ…それが「キセキ」というメガヒットの特徴。息子ノマドが小学生の時にカラオケで最初に選んだ曲がこの「キセキ」だった時はビックリしたよ…そこまで浸透してるのかこの曲は。2009年の甲子園行進曲にも選ばれちゃってるよ。
「着うた」時代には、彼らのような「着うた」ネイティブなアーティストとリスナーが生まれた。新しい音楽メディアが音楽のスタイルや聴き方を革新することがあることを証明しているケースが、この GREEEEN という存在だ。今年日本市場で本格化した「定額制音楽配信サービス」(サブスク)からも、新しいアーティストや新しいリスナー、新しい表現が生まれることを、ボクはすごく期待している。

CLARIS「STEP」

CLARIS「STEP」2014年
●こちらは顔出ししないアニソン系女子シンガー2人組。2009年にニコ動で「うたってみた」的な活動を開始、2010年にいきなり抜擢され KZ プロデュースでメジャーデビューするも、彼女たちはなんと当時中学生、顔を出さない(出せない)ままの活動となった。2012年に中学卒業というから、現在彼女たちは高校生ってことになり、で顔出しはしないまま。去年はメンバーチェンジもあって、クララ+アリス(=だからユニット名がクラリス)からクララ+カレンになってるらしい。出さない戦略というより出せない事情をどう逆手に取るか。ネット匿名世界からのフックアップというアーティスト発掘回路の副産物みたいなものでもあるよね。ボカロPの珍名がネット匿名世界出自の名残だったりするのと同質。
●ボクとしては、アニメ「魔法少女まどかマギカ」の主題歌「コネクト」を彼女たちが担ったことが印象深くて。あのアニメはダークなエンドテーマも気になる…あっちは KALAFINA か。アニソン系、声優系、予告通り勉強始めましたよ。ちょっとづつだけど。
●このシングル表題曲「STEP」もデビュー曲を手がけた KZ の作詞作曲編曲の全面プロデュース。透明感あふれる彼女たちの持ち味を得意のキラキラビートで空に浮かべていく内容。顔出ししないコトが、声質の透明感の純度を増してる気がする。ちなみにこの曲はアニメ「ニセコイ」の後期主題歌だったそうな。カップリング曲のライター KOH CLARIS の仕事だけでなく「THE IDOLM@STER」関連の作品にも多く関わってる模様。





●さて、動画、いいのがあるかなあ?
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シルバーウィーク。有意義な事しようと思ったけど、全然できない。
●最初の金土日は、カフェとかにこもって仕事の書類作り。必死にエクセル&パワポを駆使。それが終わって、よっぽど気が抜けたのか、月曜日はナニをしても眠くてしょうがない。最近睡眠不足が続いて長い時間眠れなかったんだけど、やっと仕事から解放されて本当の意味でカラダから緊張が抜けたんだろうな…。でも水曜日は緊張性頭痛でグッタリ。PCいじるのやめるべきなんだよ…このブログ書いてるけど。

●あと、関係ないけど、今月リリースされる「iPhone6s」、予約注文してみた。別に今のスマホに不満もないんだけど。でもカメラは高性能になるんでしょ?

中二の息子ノマドが、「Wii U」「スーパーマリオメーカー」を買ってきた。お年玉の貯金から買ってるから別になんの文句もない。中二なんだから好きにしやがれ。
●旧「Wii」から新「Wii U」にデータ移行する時間、そのデータをたくさんのピクミンたちが抱えて走ってくれる演出が画面に描かれてカワイイ。データを担いだピクミンたちはロケットに乗り込んで「Wii」から「Wii U」に移民するのだった。

IMG_2969.jpg(働き者のピクミンはかわいい)
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●で。「スーパーマリオメーカー」

マリオメーカー

●この9月に投入されたこのゲーム。ボク自身は80年代ファミコン世代として「ロードランナー」とか「レッキングクルー」とかのマイステージ作成機能を思い出す…。
●これに息子ノマドも飛びついた。しかしノマドに聞くところによると、今回は自分で作ったステージをソーシャル機能として全世界に公開投稿できるとな。昨日作ったノマドのステージを、ドイツに住む「トム」くん他17人の人が遊んでいったという。でノマドも世界のどこかで誰かが作ったステージを遊ぶという。もちろん、これでもかという仕込みを組み込んだステージ作りにも余念がない。意地悪な難解ステージから、リモコンに触れずして全自動で敵の攻撃を絶妙にかわしてゴールできるステージまで作ってた(逆にリモコンに触れると必ず死ぬ)。
●娘ヒヨコが「ノマドの作ったの遊んでみたい」というと、お客の来訪を喜んでうやうやしくお出迎え。いつもはゲームもテレビも独占して迷惑だが、ヒヨコにイジらせてあげるなんて、なんと珍しい態度だろう。「Wii U」は手元のセカンドスクリーン端末でもプレイが完結するのでソレもユニーク。で、ニュース記事によるとゲームリリースで投稿されたステージは100万を超えたとな。

ノマドがまだ小学一年生くらいの頃。紙と鉛筆で「オリジナルすごろく」を作るのに激ハマったコトがあった。最初は微笑ましいと思い「お!ノマド、面白そうなすごろくだなー」とか言ってプレイに付き合ってたんだけど…。だんだん手が込んですごろくが長大かつ複雑になってきて…手に負えなくなってしまった。A4用紙7枚くらい継ぎ足して1メートルくらいになってるし、「20コマもどる」とか「スタートにもどる」とかエゲツないトラップや、ゴールにたどり着かない袋小路とか、謎のワープポイントやブラックホールとか、陰険でカオスなすごろくばかり作るようになって、誰もプレイする人がいなくなった。
●その故事を本人に説明して「ゲームデザインは、プレイヤーをおもてなしする気持ちで作れよ!オマエの作りたいモノもいいがよそ様が遊びたくなるモノが大事だ」とか言ってる。すると「全世界が相手ならオレの鬼畜なステージに敢えて挑むヤツもいるんだよ!」と反論された。………そうだよな、全世界が相手なら、日本じゃ突飛に見えるアイディアも、社会を変えるビジネスになるかもしれないよな。分別くさいことを言うのはやめよう。


●幡ヶ谷にあったレコ屋が移転しとった。「ロスアプソン」

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●最近、ヨガ教室が明大前に引越ししたコトをキッカケに、その明大前経由で自転車でちょいと遠くまで行くのが楽しい。この前は、南阿佐ケ谷〜新高円寺あたりまで行った。昔、高円寺に住んでた頃に通った駅の近くの「天下一品」でラーメンも食った。やっぱどこの「天下一品」と比べても高円寺店が一番うまい。
●南阿佐ケ谷の古道具屋などを冷やかして、HARRY BELAFONTE の古いボロボロLPとか見つけたんだけと、324円とか抜かすので買うのやめた…あの盤質じゃ買えないよ。その後、中野新町の中古ゲームショップでヒップホップのCD180円でゲットしたりして…あのへん興味深い商店街が多いね。阿佐ヶ谷/高円寺/中野は別格として、代田橋からちょいと離れた杉並・和泉明店街の「小さな沖縄生まれタウン」とか。新中野の鍋屋横丁とか。中野新町の川島通り/川島商店街とか。幡ヶ谷の六号通り商店街もそう。写真はそこの風景ね。なんかいい感じ。美味しいラーメン屋さんあるしさ。
●ここに以前まであったユニークなレコ屋「ロスアプソン」に行こうとしたんだけど、消滅してた…。あわてて検索したら、つぶれたわけじゃなかった…でも高円寺のハジっこの方に移転してた…マジかよさっきまで新高円寺まで行ってたのに。まあーこのお店はかつて20年ほど前は西新宿・小滝橋通りのレコ屋地帯にあったわけで、移転は初めてじゃない、その時の移転も「幡ヶ谷かよ!」って思ったもんね。
●とにかく在庫がユニークすぎるので普通の買い物はできない。お客としても試練だわ。この珍品でお前はナニを選ぶ?とお店からプレッシャーを受けるような気分だ。前に行った時は、THE RAH BAND のCDが激安だったので狂喜して買ったもんだ。

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RADA & MATEO「BOTIJA DE MI PAIS」1986年
このお店「ロスアプソン」の長い歴史の中でオールタイムベストの売上を誇るのがこの作品、という触れ込みで買ってみた。なんとウルグアイの音源だ!一曲目のイントロからもうぶっ飛ばされる!鼻からほわほわ湯気がたつかのようなホエホエのボーカルが聴く者のエクトプラズムを引っこ抜く勢いで脱力モードに連れ去っていく。なんなのだこの連中は?!
THE BEATLES の影響の下、60年代に活躍したバンド EL KINTO の仲間だった、EDUARDO MATEO RUBEN RADA がバンド解散から20年弱ぶりに電撃コラボ!MATEO のつぶやくような脱力フォーキーさと、RADA が醸し出すアフリカ由来の不思議なリスム「カンドンベ」のグルーヴが相まって結果として超高性能なアシッドフォークになってる。カンドンベはアフリカ・コンゴ由来でありながらタンゴの影響も忍び込んでる。だから奇妙な変拍子の雰囲気もあって侮れない。シリアスさとユーモアが奇妙な混淆を起こして、なんだか不思議な湯加減のリラックスを導いてくれる。ほわほわホエホエ。
●そんなマヌケモンド音源と思わせといて、南米においては EL KINTO そしてこの二人は巨人のような存在。ブラジル/ミナスの仙人 MILTON NASCIMENTO からアルゼンチン音響派の中核 JUANA MOLINA までが彼らのカバーをするとな。すげえな。あと、この一枚をわざわざ日本盤として再発しようとした人もスゴイ。誰だか知らんけど。

JUANA MOLINA「UN DIA」

JUANA MOLINA「UN DIA」2008年
●名前まで出ましたんで彼女の音源も紹介します。細野晴臣をして「マジシャンの域に達している」と言わしめた女性ミュージシャン。アルゼンチン音響派の旗頭として注目される人物でもあります。90年代後半のシカゴ音響派にシンクロするようかにして、00年代に新しい手法で注目を集めた南米のこの国のミュージシャンたちをアルゼンチン音響派と言ったりします…日本だけの造語のようだけど。しかし、この国にポストロックの質感と自由奔放な音楽的アプローチを駆使して新しい音楽を作る連中が同時期にたくさん登場したのは間違いないこと。その中でも彼女は結構先輩格なのかな?80年代後半にはコメディ女優さんだったのが1996年にミュージシャンへ転身。その後そのユニークな音楽が世界中で認められてこの5枚目は英国のロックレーベル DOMINO からリリースされてる。
●小鳥のように清らかなボーカルが、多重的なリズムの中で可憐に跳ねる様子…まるでピタゴラスイッチのように最初の一押しで奔放に転がり綺麗な線を描いていくかのような、ナチュラルさと緻密な計算のマリアージュ。単純なパターンの繰り返しがだんだんふくよかに拡散拡大していくグルーヴが綺麗でいつまでも聴き飽きない。
●アルゼンチン音響派といえば、他に、FERNANDO KABSACKI や、ALEJANDRO FRANOV などの名前が有名っす。でも彼らも JUANA MOLINA のアルバムに参加したりしてキャリアを伸ばしてる模様。00年代にその武名は聞いてたんだけど、やっと音源に手が届くようになってきたよ。そもそも地球の裏側アルゼンチンでナニが起こってるか、すごく興味深いじゃん。他にもこのへん聴きたいなあ。

ULISES CONTI

ULISES CONTI「LOS FRIEGOS CREIAN QUE LAS ESTRELLAS ERAN PEQUENOS AGUJEROS POR DONDE LOS DIOSES ESCUCHABAN A LOS HOMBRES」2014年
●すっげー長いアルバムタイトル。スペイン語で「ギリシャ人は、星は神が人々の話を聞くための小さな穴だと信じていた。」という意味だそうです。鳥取・ボルゾイレコードで購入。ここでの主役、ULISES CONTI は、アルゼンチン・ポスト音響派の貴公子と呼ばれてる人物だとな…しれっと次世代に移行してるのね。ピアノからエレクトロニカまで使いこなすマルチミュージシャンである一方、フィールドレコーディングで採取した環境音(鳥のさえずりとか教会の鐘の音とか)までを入れ込んでこのアルバム世界を構築。「A」から「Z」までアルファベット1文字をタイトルに掲げた27曲は、静謐なピアノと抽象的なアトモスフィアで聴く者の気持ちを清らかに浄化するかのよう。……つーか、超乱暴にいえば、近年の坂本龍一みたいな感じ?CHRISTIAN FENNESZ とコラボしてた時みたいな。



●動画、貼れるかな?
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●うーん。風邪ひいたかも。

●あと、仕事が忙しすぎて、ネットフリックスがローンチしたのに全然チェックできてない。

●最近はインスタグラムをいじってる。アレを使いこなす感覚ってなんだろなー基本非言語でいくあの感覚?と思ってね。とにかく「写真を一枚毎日上げる」をコンセプトにして、つまらん写真でもいいから日常を敢えて晒す感覚を探る。この前は週に二回も大手町のビル街を歩いたので、平将門の首塚を見に行って写真を撮った。意外なほど殺風景な感じになってるのね…ビルの工事現場に囲まれてたよ。そんな感じで、あくまでしょーもないプライベート感をたっぷり匂わせて。
●でもこの世界にもマスメディアと無縁でいながら10万単位のフォロワーを持つメガアカウントというか、強力なインフルエンサーがいるんだよね。MEGBABY とか るうこ(呂洋子)とかが気になる。

平将門の首塚

●これがあの平将門の首塚だよ。新皇を名乗った大乱の首謀者で、京都で切り落とされた首がここまで空を飛んだってーのよ。そんだけのパワーが、スクエアなビルの谷間の日陰にちんまりしてて、ちょっとガッカリした。

facebookはもはや社交。仕事のお付き合いまでを意識しながら、上げる写真のユーモアや、シェアする記事のセンスの良さまで演出しないと。この前、リアルでは一回しか会ったことないのに facebook でつながってるというだけでイキナリの急なお仕事の依頼を気持ち良く受けてくれる人がいて、このメディアのバワーを感じた。「いやいや unimogroove さんからのお願いとあれば是非ともご協力しますよ!」ホント助かった…さすがにお願いは電話にて丁寧に説明してもらってすぐに先方へ出向いて打ち合わせしたけどね。でも反対に facebook メッセージでゴツいお願いしてくる人もいて、しんどいと思うことはある。
twitter はもう関与しない。渋谷の交差点の雑踏を眺めてるような気分だ。みんながザワザワしてるがただのノイズだよ。tumblr は中毒になる。リブログの中毒。「今日の〆のリブログ」って一枚を見つけないと、いつまでも夜中じゅうライムラインを眺めてしまう。ツイキャスには興味があるがまだ追いつけてないな…気になるアカウントはいくつか見つけてるんだけど。一方 LINE はしない。押し付けられるDMめいた企業メッセージにアキアキ。ワイフと娘とだけ会話するにとどまる。SMS しか使えない人とは連絡がとれない…あの字数制限はダメ。携帯電話のメールはアドレスすら忘れた。使わないよあんなの。mixi はええわ。逆に AMEBA MOBAGE、GREE にアカウント作ったわ。業務の要請だけどね。



茨城県常総市の鬼怒川堤防決壊災害。またしても自然が持つ恐ろしいパワーを見せつけられたな…。
311の東日本大震災御嶽山の噴火災害、からの箱根山までが警戒レベル上昇。そんでこの大氾濫があって、さらに阿蘇山までが噴火。まじで日本列島はヤバイモードにあるのか?小松左京「日本沈没」的な感じ?

●先週は都内でも大雨で、土砂災害警報?的なものが、会社のある港区で発令された瞬間はオフィスのフロア全体でスマホから警報音が一斉に鳴りはじめてビビった。しかもコレが実に「爽やかな」警戒音このチャイムは何かのお祝い社内放送のイントロなのか?と思ったほどの気持ちいいメロディ。当然初耳。緊急地震速報がある意味PTSDを引き起こすコワイ音になっちゃったので、今回の警報音は思いっきり爽やかテイストへと配慮されんだろうね…。
●そんでダメオシに日曜早朝の調布で震度5弱の地震。「社員安否情報システムで安否を報告しろ!」という指示が上司から繊細にメールやソーシャルで届いた…もうこのソーシャル経由の連絡で十分安否確認OKになってんじゃん。




コラボレーションって視点で、いろいろな組み方があるんだなーって思いながら聴く音楽。

LIVETUNE ADDING FUKASE (FROM SEKAI NO OWARI)「TAKE YOUR WAY」

LIVETUNE ADDING FUKASE (FROM SEKAI NO OWARI)「TAKE YOUR WAY」2013年
KZ (LIVETUNE) といえば、メジャーレーベルから初めて初音ミクを用いてCDをリリースしたボカロPの先駆的存在だ。2008年のことね。初音ミクが最初に世間に出たのが2007年だから本当に早い時期のアーティスト。しかし、2015年の熱心なボカロリスナーである我が息子ノマド中学二年生は、なんと KZ を知らないという。んー誰それ? SUPERCELL (RYO) と同世代くらいの人なんだけど…えーマジで知らないの!ボカロもすでに年月を重ねてて、第一世代の先駆者はキッズから忘れられてしまってるのか…。コンテンツの消費スピードが速すぎるのか、単にノマドの探究心が足りないのか。3時間カラオケボカロ縛りとかで盛り上がる中学生だよー古典を勉強しとけよ。
●しかし、当の KZ はすでにボカロ卒業なのか。2013年リリースのアルバム「と」からガッツリ生身の有名シンガーとのコラボを展開してる。そこからのシングルカットを180円で購入。コラボの相手はセカオワフカセくんだ。ボカロ時代と変わることのないキラキラっぷりのトラック。フカセくんの声もキラキラトラックと相性のいい甘い声だからナイスペア。

LIVETUNE「TRANSFER」

LIVETUNE「TRANSFER」2012年
●ここで組んでるシンガーは声優さんである中島愛さん AKA まめぐ。彼女、スウェーデンのキラキラハウスクリエイター RASMUS FABER とコラボがあるとのこと、ここでもよりストレートなハウストラックが走ってる。…ボク個人の反省としては、ボカロ世界の研究不足が目下のデカい問題なんですが、さらに進んで声優さん世界となるともう完全にアウェーで。ボカロは息子と音源をシェアし合ってるんだけど、アニソン&声優はさすがに手が回らないんだよなあ〜。気になるシンガーはいるんだけど、結構中古市場でも値崩れしないからね。このまめぐさんの存在は初めて知った。
●カップリングで収録されてる AVEC AVEC によるリミックスは、走るハウスをグッと抑えて、ボーカルにフォーカスを当てたエッジーなジェイポップになってる。彼女のシンガーとしての実力がより浮き立ってナイス。ネットレーベル MALTINE RECORDS で活躍してる AVEC AVEC にココでご対面ってのも嬉しい。KZ LIVETUNE 自身も RE:NDZ の変名で MALTINE に音源出してるもんね。
●もう一人のシンガーは、YUN*CHIきゃりーぱみゅぱみゅで有名な事務所アソビシステムに所属、という意味で、きゃりーと同系統のハラジュクスタイルのカラフルな女の子。スウィートネスなミドルレンジのボーカルがキュート。トラックも四つ打ちが痛快。
●180円だからバラ売りで買ったけど、結局アルバムで聴いた方が楽しそうだな。金爆・鬼龍院翔とか、クラムボン・原田郁子とか、9MM PARABELLUM BULLET とか、ニルギリズとか、興味深いコラボがたくさんなんだもん。

m-flo「SQUARE ONE」

m-flo「SQUARE ONE」2012年
LIVETUNE のアルバム「と」「LIVETUNE ”と” 誰かさんのコラボ」の意なのだそうな。初音ミクと組んでた彼が好きなシンガーと組むとしたら…という夢想が現実になったわけだ。そんで、このコラボのイメージは、m-flo が展開してた「LOVES」のシリーズが根底にあるそうな。「m-flo LOVES 〜〜」という名義での活動は、初期の女性ボーカリスト LISA が所属してた3人組体制から TAKU TAKAHASHI + VERBAL の二人体制になった2003年からスタートして、2008年まで続いてた…その後もベストでこれらのリリースは続いてたから2010年過ぎまで存在感を放ってたけどね。
●で、このアルバムは、その「LOVES」路線を終えての新段階だとな。「LOVES」真っ盛りの頃のアルバム「COSMICOLOR」から5年も明けてのリリース。2012年のタイミングでギンギンだった、EDMマナー満載のハードなフロア仕様のダンスミュージック。DAVID GUETTA AFROJACK みたいな、角が尖ったシンセフェテシズムとヒステリックに展開してフロアを煽るギミックが満載。ゲストシンガーは当然招かれてるんだけど、あまり強調されてないのが「LOVES」時代と違う…CREAM というユニットの MINAMI という子がマイクを握ってます。それよりも、SFアニメ風のスキットが随所にあったりしてのコンセプトアルバムだったりもして。最後はアニメの放送予告編になってるもんね。
●一曲だけ個性的なコラボが。唯一のパンクロック/エモテイスト楽曲「DON'T STOP ME NOW」はシンガーが元 HI-STANDARD 難波章浩。もう一曲上げれば「SURE SHOT RICKY」エステーの脱力CMソング「消臭力」のポルトガル少年ミゲルくんの歌唱をまるまるサンプル。笑える。きっとフロアも盛り上がる。

安室奈美恵「CHECKMATE !」

安室奈美恵「CHECKMATE !」2003〜2011年
●ローティーンから始まる長いキャリアでありながら、常に鮮度の高いエッジーな表現を繰り出して最前線の存在感を保ち続ける女王。元来からシャイな彼女はテレビでペラペラと安く自分を晒したりしないので、結果的にその神秘のベールが劣化しないのだ…どんなにレタッチされてようと、時々一斉に女性誌の表紙を独占してしまう彼女はやっぱ美しいと思うのですよ。
●で、彼女は音楽においても常に最前線なトライに挑んでいる。小室哲哉プロデュース時代から脱皮した2000年代以降の彼女が選ぶトラックは、ジェイポップとしてはマジで難易度の高いビート感覚ばかりでいつも敬服する。コラボパートナーも厳選してこれぞというホンモノと組む。この「CHECKMATE !」というアルバムは2003〜2011年の間に収録された様々な名義での彼女のパフォーマンスをまとめた物件。彼女/安室奈美恵が必ずしも主体というわけではない。むしろフィーチャリングシンガーとして客演してるトラックの方が多い。ポスト小室哲哉期に彼女自身がメンバーとして所属したアーティスト集団 SUITE CHIC 名義で発表した楽曲も収録。ここでの ZEEBRA、VERBAL、AI らとの交流が、彼女を今のエッジーな路線に踏み込ませたキッカケになったにちがいない。
●2003年ともなると、もう10年以上の楽曲も含まれてることになるが、やはり劣化してない。ジェイポップ世界では誰にも似てないトラックで彼女は歌っているからだ。彼女の存在感がなければ成立しない難易度が実にクール。その中でも m-flo は彼女に積極的に絡んでいる。「LOVES」シリーズの楽曲「LUVOTOMY」は展開にメリハリあるクールなジェイポップダンサー。安室ちゃんのクールネスを丁寧に料理。トラックメイカーチーム RAVEX の一員として TAKU TAKAHASHI が関わった「ROCK U」EDMブーム爆発時代直前のワイルドなエレクトロVERBAL のソロ仕事として、なんとあの LIL WAYNE と共に彼女が客演に加わった「BLACK OUT」はいかにもな VERBAL 風のハイスピード・ヒップホップ。さすがの LIL WAYNE、このハイスピードにしてコッテリしたファンクの脂っこさをキチンとフロウに刷り込むも、これに寄り添う彼女のサビフックラインが艶やかでナイス。そして強烈に個性的なハイスピード・ダンスホールレゲエ「WANT ME, WANT ME」が注目。このアルバムでだけ VERBAL が客演してるバージョンが聴ける。オリエンタルテイストとフューチャリスティックなバウンス感覚と珍しいほど饒舌に詰め込んだリリックを機関銃のように歌う安室ちゃんがスゴイ。ハッキリ言ってこの一曲だけのインパクトで「2000年以降のアムロからは目が離せない」とボクは開眼した。
●一方 ZEEBRA 兄さんと AI ちゃんがガツンと来る。兄妹かのように慕い合う二人の日本人離れしたファンクネスと存在感の太さは、クールな彼女と好対照をなしてる。ここに RHYMESTER・MUMMY-D がテクニカルな速射砲ラップを交えるファンクダンサー「DO WHAT U GOTTA DO」がすごく熱い。

AILI「FUTURE」

AILI「FUTURE」2010年
m-flo「LOVES」という言葉でコラボの相手に敬意を払ったが、彼女はこのアルバムで「THANX TO」という言葉を使う。AILI THANX TO MAY J. とか、AILI THANX TO SOWELU とか。あの手この手ってのをみんな必死に考えるんだね。
●このシンガーに興味を持ったのは、以前ソバのデスクに座ってたキラキラ系デスク女性(熱心な EXILE ファン)が、注目のアーティスト!って主張してたのを聴いたから。これ5年前のリリースだけど、確かにこの会話をしたのも5年前。この人はエイベックス RHYTHM ZONE 所属のシンガーソングライターで、アレンジもプロデュースも手掛ける裏方メインの実力派だったらしい。で、EXILE に楽曲提供したとキラキラデスク女性は言ってた…本当かどうかはウラとってないけど。
アルバム一枚通して聴くと、本人の存在、ちょっと線が細いのが微妙…。声が低くレンジが広くないので地味かもね……スタイルも00年代後半・着うた時代風の内省的バラード気味でややテンポ感に欠けるかも。客演シンガーやラッパーが加わって完成する感じ?コラボパートナーは、m-flo VERBALから始まって、MAY J.、KEN THE 360、TWENTY4-7、EMI MARIA とかとか。そんでこれから後述するシンガー JAMOSA も参加してる。

JAMOSA「LUV - COLLABO BEST」

JAMOSA「BEST OF MY LUV - COLLABO SELECTION」

JAMOSA「LUV - COLLABO SELECTION」2006〜2010年
JAMOSA「BEST OF MY LUV - COLLABO SELECTION」2010〜2012年
●プロフィールを見ると台湾系ハーフさんだそうな。声がややスウィート、あと2歩進んだらアニメ声かも知れない特徴が耳を引く。しかし敢えて濃ゆいメンツとコラボすることで、その甘さが絶妙なバランスでコラボレーターのゴリゴリした味と溶け合っていい感じ!反対にコラボを組む側も安心して猛烈にゴリゴリできるってことか。若旦那 from 湘南乃風、MEGARYU、INFINITY16、CORN HEAD、LECCA、DABO from NITRO MICROPHONE UNDERGROUND、ZEEBRA の実弟 SPHERE OF INFLUENCE などなど。ナオト・インティライミとかもいるね。
●ボクが一番思い出深い曲は、JAY'ED & 若旦那をフィーチャーした「何かひとつ」という曲。この曲を聴いたのが2011年の311・東日本大震災の直後。全てのテレビ局が自粛モードでバラエティ番組を一掃し、福島から悲観的なニュースをどんどん流し込んでた時期。CMだって全部 AC 日本広告機構に差し替えられてた…そんな時、日本テレビの「PON!」という情報番組が、この曲をラジオのように鳴らしてたんだよね。実はVTRもろくにキチンと作ってない低予算番組、芸能情報とアットホームなレギュラーパネラーがゲストを招いてユカイなトークをしてるだけの番組だから、バラエティ要素を封じられたらやることがないし、やれるだけのお金もない。後半の通販コーナーも休止だから時間が余りまくってる。そこでこの番組、ラジオのように、元気が出る曲を選んで、ひたすらミュージックビデオを流しまくる作戦に出たんだね。その時、この曲が聴こえた。若旦那と、甘さがやや抜けた JAMOSA パワフルなサビラインが力強くて。仕事も非常時モードで神経が参ってた時、アレは響いたよ。
●今聴くと、あの時流行りまくった「絆」とか「助け合い」とか、そんなメッセージとはまるで関係ないのね。「何かひとつでも 夢中になれるモノを 何かひとつ 胸に持ってみろよ 過去の傷跡を鼻で笑う大人に何がわかる ハートで生きてみろよ」そんなサビフレーズ。震災以前にリリースされてたモンだからその文脈とは関係ないのは当然。ただ、とにかく真剣に生きろ!そんなメッセージが声そのものの響きで伝わってきた。これは純粋な声のチカラなんだね。この国全体が大変なことになってしまうかもしれない、放射能で人が住めなくなってしまうかもしれない。でも、微々たる事でもいいから今やれることをやれ!無駄かもしれないが自分の仕事を全うしろ!あの時のボクにはそう聴こえてたんだな。そういう意味で、この曲はボクの中で大事なモノになってるね、今でも。

BENNIE K「THE 22BESTEST22 BENNIE K SHOW」

BENNIE K「BEST OF THE BESTEST」

BENNIE K「THE "BESTEST" BENNIE K SHOW」2003〜2008年
BENNIE K「BEST OF THE BESTEST」2002〜2008年
●さすがに何がどのようにベストなのか訳ワカらないタイトルだが…「THE "BESTEST" BENNIE K SHOW」ヨソ様とのコラボトラックを基本に編集されたベスト。で、この女性シンガー+女性ラッパー2人だけの純粋 BENNIE K 楽曲で編集されたのが「BEST OF THE BESTEST」って位置付け。うーんタイトルよくないね。で、シンガー YUKI と ラッパー CICO という編成が崩れたのがこのベスト連発直後の2009年。今は YUKI はステージから引退、現在はアメリカ人シンガー BECCA が彼女の代わりを務めているとな。そっかー YUKI ちゃん辞めちゃったんだ…知らなかった。伸びのいいあの声好きだったけどなー。
●でもね、ボクは彼女たちがメディアで目立ってきた2005年ごろは結構夢中になってて、渋谷 O-EAST のライブとかも見に行った覚えあるよん。今だに女性ラッパーといえば、このユニットの CICO のことを一番最初に連想してしまう。ちょいとハスキーでセクシーなラップ。シンガーがラップするんじゃなくて、ラップにこだわってる女性って日本人じゃ数が多くないからね。
●それと、コラボの相手が良かった。2003年ごろから台頭し始めた名古屋系のヒップホップアクトの中でも一番ユニークだった SEAMO A.K.A. シーモネーター とのコラボがユーモラスで。後に紅白まで行ってセルアウトする以前の SEAMO は、ホントに下品ネタばっかの文字通りシモネタ男で、股間に天狗のお面つけて他ハダカでステージに立ってた。このベストに入ってる楽曲「天狗 VS 弁慶」では BENNIE K「全裸になりなさい」とラップで説く客演ぶり。他、m-flo、SOFFet、2BACKKA、アルファ、DEF TECH など、ヒップホップを軸足にしながらも、スタイルに独特な変化球要素がある連中を選んでコラボしてる…王道というよりか少し異分子混入系を志向してるというか。BENNIE K 自身も純正ヒップホップとは言えないポップス感覚が軸足だったからね。




●また追記に動画つけとく。
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●報告したっけ?……7月に受けた「知的財産管理技能士2級(管理業務)」の試験、 正式に合格通知が来た。
●受かるか不安だったけど、試験直後の自己採点ではバッチリと確信してた。フタを開けたら二教科で95点と87点!やったー!次は何の資格にチャレンジしようかなー。

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●浅草でラーメン食ってたら「まくり、ありがとうございました!」とお店全体からお礼を言われた…ビビった!「まくる」って「ラーメンスープを飲みほす」ことを指すんだって。知ってます?こんな隠語。で、おまけチケットまでもらった。しょうがないなー浅草行ったらまたこのお店に行こう。

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夜遅い時間の浅草って、奇妙な味があるんだよな…。
松屋浅草。昼間の喧騒でよく見えないクラシカルな造形が夜に浮かび上がるんだよ。



●とはいえ、今日ものどかに音楽を聴いて過ごす…しかない。具合悪いんだもん。

DAVID CROSBY「A THOUSAND ROADS」

DAVID CROSBY「A THOUSAND ROADS」1993年
●前の記事で HEAT WAVE の厳かな和製フォークロックを聴いて、引っ張り出してみた音源。リアルタイムで聴いてもピンとこなかったのは、当時ボクはまだハタチだったからだろう。1960年代半ばの THE BYRDS にはじまり、CROSBY, STILLS, NASH & YOUNG西海岸フォークロック/ヒッピーカルチャーを代表する存在になるも、70年代以降はバンドは解体、活動は停滞、長年のドラッグ中毒でカラダはボロボロ、80年代以降は刑務所暮らしとドラッグ後遺症を治療するための生体肝移植手術を2回も経験することになる。一方、その天然キャラはみんなに愛されているのか、テレビ番組の変な場面でMCをしたりもしてる…特になにもしゃべってなかったけど。映画のカメオにも声をかけられることがあるっぽい。
●ということで、凸凹した波乱の人生を歩んできた結果、そして90年代レコーディングの成果か、恐ろしくサッパリ、毒気の抜けた清々しさが気持ちの良い内容になってる。澄み切って優しい。まーその一方で、この人の美声やハーモニーワークスはキャリアの最初 THE BYRDS 時代から完璧で、別に年取ったから丸くなりましたってモンでもなさそうで。だって、ジャケがやっぱりドラッギーなんですもん…懲りてなさそう。

JIMMY WEBB「TEN EASY PIECES」

JIMMY WEBB「TEN EASY PIECES」1996年
60〜70年代に活躍したソングライター。ボクの中では60年代に活躍したポップスグループ THE 5TH DIMENSION の最初のブレイク曲「UP, UP AND AWAY」の作家としての印象が強くて。あの明るくて楽しい雰囲気がキャッチー!そんな作家が90年代に自作曲をセルフカバーするという。
●ところが、「UP, UP AND AWAY」みたいな曲はここではゼロでして。本人のピアノソロと朴訥としたボーカルだけの、ある意味イージーなスタイルで、シットリとしたバラードを歌ってる。不勉強ながら、誰に提供した曲か全然わからん。大部分が GREN CAMPBELL というカントリーシンガーに提供したモノが多いようで。彼の代表作とされている「MCARTHUR PARK」 RICHARD HARRIS というシンガーに提供。最初はソフトロックグループ THE ASSOCIATION に提供される予定だったのだけど、当時のポップス感覚では、長すぎる、構造が複雑すぎるなどなどで、バンドに拒否されちゃったそうな。
●ただ、この「MCARTHUR PARK」はその後 DONNA SUMMER のディスコとしてカバーされたりと大活躍。その他の曲も大御所に数々カバーされる…FRANK SINATRA、LINDA RONSTADT、BARBRA STREISAND、BILLY JOEL、JOHNNY CASH、THE SUPREMES、CASSANDRA WILSON、R.E.M.などなど。スゴイね。それぞれの時代の音源を聴きたいわ。

THE ALAN COPELAND SINGERS「IF LOVE COMES WITH IT」

THE ALAN COPELAND SINGERS「IF LOVE COMES WITH IT」1969年
●気分がフォーキーなところからソフトロックになってきたわ。レーベルが A&M RECORDS だったことと時代が1969年だということだけで買いました。ボクの「ジャケ買い」は、スミッコに書かれたデータで内容をイメージできることが大事!だってこの音源だって、ジャケにいるオネエさんなんて100%登場しないし、それを承知で買ってるし。下北沢 MONA RECORDS で新譜3000円が1000円にディスカウントされてたコトもポイントね。あ、これは今知ったけど前述 JIMMY WEBB の楽曲「WICHITA LINEMAN」もカバーしてるわ。
●中心人物 ALAN COPELAND さんが作曲やアレンジで活躍、男声ハーモニーの華麗さとゴージャスなアレンジは厳密にはロックバンドじゃないな…シンガーグループにこれでもかと分厚いスタジオワークでアレンジを重ねてる。しかしこれが実にポップでめまいがするほど。スゴイ手練れだなあ…と思ったら、実は芸歴が長かった。この人1926年生まれで、音楽業界に入ったのが第二次大戦の兵役から帰ってきた1940年代後半。シンガー兼アレンジャーとして50年代にはラジオやテレビの仕事もこなしている。当時のテレビショーにコーラスシンガー隊が配置されるのは珍しいことでなく、このグループもそこで集まったメンツから成り立ってるっぽい。つまり、ロックの文脈が出来上がる以前からこの人は音楽業界でプロ仕事してるベテランだったと。この熟れっぷりはそんなキャリアの厚さに由来してるのだねえ。
●それと、この時点で実験的なマッシュアップにも挑戦してる。一曲目「CLASSICAL GAS / SCARBOUROUGH FAIR」メドレーは、実はメドレーではない。トラックは「CLASSICAL GAS」を演奏し、その上のコーラスボーカルは「SCARBOUROUGH FAIR」を歌い切る、という手法をとってる。それでいて、違和感なし。別の音源では THE BEATLES「NORWEGIAN WOOD」「MISSION IMPOSSIBLE」をマッシュアップしてるとな。神業か!あ……全然関係ないけど、娘ヒヨコがハマったトム・クルーズ「ミッション・インポッシブル」シリーズ、結局、第4弾の「ゴーストプロトコル」まで見たよ。

THE FOUR FRESHMEN「TODAY IS TOMORROW」

THE FOUR FRESHMEN「TODAY IS TOMORROW」1968年
●彼らも ALAN COPELAND と同じく、40年代後半から活動している、ロック文脈とは違う筋のジャズコーラスグループだった。むしろ彼らのコーラスワークが BRIAN WILSON などを経由してその後のアメリカンポップスに影響したと言ってもいいほどだ。ALAN COPELAND と違う点は、彼らは歌うだけでなく楽器演奏も同時にこなしたバンドだったってこと。これがロック世代には親近感を持って迎えられたようで…。それでもその活動のピークは1954〜1964年まで。そこまでで19枚アルバム作ったというからスゲえ。しかし一旦パッタリ活動休止。そんで久々の復活作がコレというわけ。
●1964年の、THE BEATLES をはじめとしたブリティッシュインベーションの嵐を突破して、このジャズコーラスのグループはロックの感覚を導入してリバイバル。THE BEATLES「LADY MADONNA」、LOVIN' SPOONFUL「DAYDREAM」などなどをカバー。JIMMY WEBB「UP, UP AND AWAY」もカバーされてる。オシャレ過ぎるほどのモダーンなジャケの裏側にはメンバー写真としてハゲオヤジ含むオッサン4名が写ってて非常に不安になるが、音楽においては全く問題ない。それと、ジャズコーラスというジャンルをもっと掘り下げてみたい、って欲求が芽生えてきたよ。

SAPODILLA PUNCH「STEEL SOUL」

SAPODILLA PUNCH「STEEL SOUL」1968年
●コイツを含めた3枚のソフトロックが MONA RECORDS のディスカウントで買った物件。その中でも一番謎深いのがこのCD。三枚ともご丁寧に日本のレーベルが再発し日本の解説が入ってるんだけど、この「STEEL SOUL」はその解説文が「由来不明です」と匙を投げてます。こいつら何者なのか?正確な制作年月日は?英国産か米国産か?裏ジャケに写ってる連中がバンドメンバーなのか?全然わからないらしい。
ここでの主役は、カリブ海の楽器スティールパン。そのポヨンポヨンとした陽気な響きでカバーをこなす。ここにアグレッシブなエレキギターを中心としたバンドが絡み、女性コーラスグループが絡む。一曲目から SAM & DAVE「HOLD ON I'M COMIN'」でソウル汁がプシャー!中盤のゴーゴーダンサーチューン「GET READY」は女性コーラスが大活躍。このシンガーたちは出自がわかってる。THE BARBARA MOORE SINGERS という英国のグループなんだって。モータウンの名曲「MY GIRL」をほどよい湯加減に変換、ラテン界の帝王 TIETO PUENTE「HONG KONG MAMBO」なんてモンド風味も放射。そんで THE BEATLES「DAY TRIPPER」。最後は直球のカリプソチューンが走りまくってます。

HARPERS BIZARRE「THE SECRET LIFE OF HARPERS BIZARRE」

HARPERS BIZARRE「THE SECRET LIFE OF HARPERS BIZARRE」1968年
●ジャケからしてバッキリ決まっていますが、幻惑的なアレンジと美しいハーモニーが見事にサイケデリックなポップスとして完成しちゃってます。甘い人工甘味料をたっぷり使って、極彩色に塗り固められたケーキの上でグルリと世界一周旅行するような感覚…ニューオリンズから大西部の荒野、メキシコ、そして不思議な東洋〜日本、そのまま天国へ。現実離れした浮遊感が最後までフワフワと続く完璧なポップ世界。WIKI によると PIZZICATO FIVE 小西康陽氏が「最高のロックアルバム」と言ったとか。ボクの買ったCD(いつの再発かはわかんない)はその小西康陽さんが解説を書いてる。
60年代中盤のアメリカ西海岸、特に WARNER BROTHERS / REPRISE LENNY WARONKER というプロデューサーが牽引してポップの音楽実験が行われていた…ここに様々なソングライター/アレンジャーが集められ、才能を開花していく。VAN DYKE PARKS、LEON RUSSELL、RANDY NEWMAN、NICK DECARO、ROGER NICHOLS …。そんな連中がこのバンドや音楽に関わっていく。ロサンゼルスの北側、エンタメ産業が集まる地区の名前から、バーバンク・サウンドと呼ばれるようになるスタイルですわ。ここに加えて THE BEACH BOYS / BRIAN WILSON がいて、ソフトロックの深化が進められるのですわ。

THE TURTLES「20 GREATEST HITS」

THE TURTLES「20 GREATEST HITS」1965〜1969年
バーバンクサウンドの系譜とはちょっとだけズレるけど、同じ時代、同じスタイルのロサンゼルスのソフトロックバンド。美しいハーモニーと優雅なポップス性がチャーミング。BOB DYLAN「IT AIN'T ME BABE」をキャッチーにカバーしてブレイクしたところは DAVID CROSBY が所属した THE BYRDS「MR. TUMBLING MAN」と共通してる。
やっぱ一番気になるのはこのバンドの最大のヒット曲「HAPPY TOGETHER」かな。ウォン・カーウァイ監督の映画「ブエノスアイレス」1997年の挿入歌に使われてたのが印象深くて。FRANK ZAPPA & THE MOTHERS がカバーしたバージョンも好き。90年代のウォン・カーウァイは当時とても好きだった…香港に行ってロケ地巡りしたほど。彼は必ず映画に象徴的な曲を挿入する…それがとても好きで。「恋する惑星」 THE MAMAS & THE PAPAS「CALIFORNIA DREAMIN'」「天使の涙」 THE FLYING PICKETS「ONLY YOU」。どれも映画の中でウットリするような使い方をする。

VAN DYKE PARKS「TOKYO ROSE」

VAN DYKE PARKS「TOKYO ROSE」1989年
バーバンクサウンドの中核をなしたソングライター VAN DYKE PARKS にこんなアルバムがあるなんて、下北沢ディスクユニオンで発見するまで存在を知らなかった。奇才として知られる彼は、自分のアルバムにアメリカの古い音楽やカリプソをはじめとしたカリブ音楽を取り込んで文化批評的アプローチをする男だ。しかしココで描かれる日本は、日本人のボクから見ると、やっぱモンド・エキゾ趣味のヘンテコ世界になってる。
●とはいいながら、アメリカがペリー来航で開国&貿易を迫ったのに、今では立場が逆転して日米貿易摩擦で煮え湯を飲まされてる、みたいな時流を皮肉ったコンセプトが面白い。1989年の日本だからね、バブル絶頂期で日本経済が世界をワサワサ揺るがしてた時代。今じゃその立場を中国に奪われましたけど。VAN DYKE PARKS の視点はいつも外部から見たアメリカとは?という問いになってるんだろうね。この作品にも優雅なカリプソやカウボーイが登場する。確かにあの大国は自分たちの客観的な見られ方に無頓着だから、彼のような存在が貴重なのかも。
●最後の曲「ONE HOME RUN」は終盤に日本語の歌詞が登場する。「ボクの願いはただひとつのホームランを1発うつだけさ」最後に両国の共通の重要な文化になったベースボール=野球の話題で爽やかにアルバムを締める。これもなんだが象徴的で。おもしろいなあ、この人。




●動画、ちょっぴりつけました。
... 続きを読む

娘ヒヨコいわく、iPhone にはオスとメスがいるという。
●音声認識機能の「Siri」がこちらの指示に応答する時、男性の声でしゃべるヤツと女性の声でしゃべるヤツの二種類がいるという。うーん、ボクの iPhone は女性だったしそれ以外の種類がいるなんて考えたことがなかった。でも、ワイフの iPhone は確かに男性が応対してくれる。ほえー。


この前旅行に行った白川郷がモデルになってるアニメ「ひぐらしのなく頃に」。
●息子ノマドがせっせと見たがるのでDVDに付き合ってたら、「鬼隠し編」「綿流し編」「祟殺し編」「暇潰し編」「目明し編」まで来て最終章「罪滅し編」までたどり着いてしまった。でもこれあくまで第1期アニメの最終章で、実は全部でアニメは第5期まであるそうな…。長すぎる…。しかも、なんだか微妙に陳腐で、でもとても陰惨な殺人がオチにやってくる。とにかく一番納得いかないのは、ヒロインの一人・魅音は制服から私服に着替えると、短銃が入ったホルスターを肩脇から常にかけてるのに誰もツッコまないことね!殺人にも使われないこのギミックどうしたらいいんだよ!


●昨今、殺人事件がアチコチで起こってる…そのワイドショーのニュースっぷりで驚くのは、街中至る所に防犯監視カメラが仕掛けてあって、被害者や疑わしい人物の様子がイロイロなところで撮影されてるってことね。警察の証拠資料ってだけじゃなくてその映像が普通にワイドショーにも出てくるほどだもんね。本当はもっと色々な映像が色々な事件に役立てられてるにちがいない。
「監視社会」というフレーズで、こうしたカメラに拒絶反応を表明する人たちが90年代くらいまでには大勢いた気がするんだけど、ここまでヌルッと増えちゃってたら、もう抵抗できないでしょう。別に行政や国家が設置してるんじゃないんだもん。コンビニやマンション、商店街、電車の駅とかが自衛のために付けてんだもん。冷静に考えるとウチのマンションにも少なくとも二台ついてるわ。
イギリスで監視カメラ=CCTVが設置された時、反骨のバンド HARD-FI はアルバムタイトルに「STARS OF CCTV」って名前をつけたね…2005年のことか。テレビスターにはなれなくても、CCTVの中ではスター扱いの要注意人物だよ、ってね。HULUでみる海外ドラマやアメリカの映画じゃ、デフォルトでこのカメラがリアルタイムで犯罪者の追跡に大活躍するもんね。



日本橋・三越、吹き抜けホールの立派な立像。「天女(まごころ)像」。
●このウルトラバロックな迫力、いつみてもホレボレするわー。

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●この高さ11メートルの巨大彫刻、作者は佐藤玄々という人物。三越百貨店創立50周年記念として、制作に10年をかけ、1960年に設置されたという。作家・武者小路実篤「日本人はもちろん外国人はそれ以上にこの彫刻をみて驚き、いつまでもこの彫刻を三越と結びつけて忘れぬだろう…語りついで東京にいる人、東京に来た人は恐らく一度はこの「天女」を見に来ないではおさまらないであろう」と書き寄せている。

●でも、この日は別に「天女」が見たくてここに来たわけではない。お目当は「ネコ」だった。

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「岩合光昭の世界ネコ歩き写真展」@日本橋三越本店/5月20日〜6月1日
岩合光昭さんといえば、世界的にも有名な動物写真家だ。アフリカのサバンナでライオンの写真を撮ったりと、凶暴な猛獣相手に全世界を忙しく駆け回っている人物。その一方でライフワークとしてネコの写真をずっと撮り集めている。スケールのデカい野生動物と、日本の道端に暮らすネコ。岩合さんの中ではナゼか同じランク、いやネコの方が重要なのかもしれない。
●そんな岩合光昭さんのネコ好きに注目したテレビ番組が NHK-BS で放送されていた。「岩合光昭の世界ネコ歩き」。当時は朝ドラ「あまちゃん」ブームの頃で、朝にBSで「あまちゃん」を見るとその流れでこの番組がイイ塩梅で始まるのだ。これを娘ヒヨコが楽しみにしててね…。で、その岩合さんの写真展があるというのでわざわざ出張ったというわけだ。
「世界ネコ歩き」と銘打っているだけに、撮影現場は世界中。ハワイ、沖縄、台湾に始まり、エーゲ海、シチリア島、フロリダ、そして、ノルウェー、イスタンブール、マラケシュ、ベルギー、ブルガリアまで行ってしまうのです。モロッコのマラケシュは、今年モロッコ旅行に行った我が家には親近感溢れる風景…ボクラの訪れた街フェズもネコが多かったねえ…アラビア圏はネコを大事にしてあげる傾向があるそうです。
●実はネコに一ミリも興味がないボク(つか、生き物全般にあまり興味なし)。ヒヨコが楽しんでくれりゃいいや、程度の関心。ただ、その写真の内容が、あまりにも「これどうやって撮ってるんだ?」みたいなスゴイものばかりなので、そこに感動。子ネコが完全に岩合さんに警戒心を解き、岩合さんの頭の上に座っちゃってる写真とか、スゴイわ。屋根と屋根の間を雄々しくジャンプするネコ…一体どうやったらそんな瞬間をベストポジションで待ち構えることができるのか?

「岩合光昭の世界ネコ歩き 番組ガイドブック」

「岩合光昭の世界ネコ歩き 番組ガイドブック」
●この本は、素晴らしいネコたちの写真にとどまらず、岩合さんがネコたちにどのように向き合っているか、という内容についても番組のスタッフの視点から触れられている。で、それが結果的にハンパない。撮影対象のネコにまずは挨拶、みたいなトコロから始まります…しかもその国の挨拶じゃないと通じないとか。ネコ目線にカメラを向けるために、超低空の三脚を特注で作ってもらったりもしてます…岩合さんも完全に地面に寝そべる…そこが街の往来のど真ん中であろうと。ネコの気持ちになりきれば、ネコがその土地のどこにいるかもわかるようになるといいます。とはいえやっぱりナマモノ、撮影は日の出から日没まで連日の長期戦。その土地のボスネコの消息が絶えて、必死に地元の人々に聞き込みをする場面もあるそうで…ヨソの場所で別の名前でかわいがってもらっていたり…残念ながら死んでしまっていたり。「ネコのためのネコ番組」と言い切ってるスタッフもいます…実際、テレビの前のネコが画面に反応しまくり、テレビのネコにパンチをかましたり、テレビの後ろにネコがいるんじゃないかと探したり。やっぱ、スゲえなー。突き詰めるってこういうことなんだなーと思うのです。


●また、体調を崩したので、おとなしくベッドで音楽を聴いて過ごしている。

HEAT WAVE「1995」

HEAT WAVE「1995」1995年
●ソーシャルでこのCD買ったら友人に意外と言われた。まー自分でも意外かと。福岡めんたいロック系、嫌いじゃないけど得意でもないので、ちゃんと聴いてないから。ただ、タイトルでハッと来ましたわ。311以降で薄まってるかもしれないけど、1995年も悲劇があった…阪神淡路大震災。ボクは、まだ日本の世間に馴染みがなかった災害ボランディアって身分で、発災2週間後の神戸に入って10日ばかり活動させてもらった。学生だったボクには、ショックな経験だった。アレがなかったら、ボクは世の中を舐めたダメな人間になってたと思う。
●このアルバム、あの震災を歌った名曲「満月の夕」が収録されてる。SOUL FLOWER UNION 中川学と HEAT WAVE 山口学の共作なんですよね… SOUL FLOWER バージョンの方が有名な気がするんですけど。アイリッシュトラッドを連想させる北風にさらされて透き通る純粋さが持ち味のこのバンド、そのアレンジでこの曲を聴くと SOUL FLOWER バージョンの祝祭的生命力とは異質の、冷徹な死生観が見えてくる。それはこの曲に続く「棘 - THE SONG OF HIROSHIMA」の悲劇にもつながっていく。九州男児、骨が太いね。


●「満月の夕」2005年のツアーより。