「ネットフリックス」に突入。
●ノマドの誕生日のプレゼントとして、本人の重たい要請から携帯の iPhone 化を果たした。そしたらやっぱりソフトバンク店頭でオススメされたよ「ネットフリックス」に。いや、厳密にはオススメされてない…「すいません、このへんのサービスに最初は入会していただくのがルールなんですが、明日にでも全部解約してください、そしたら無料ですみますんで」。こんなタテマエだけの入会施策が接客の最前線で行われてるとは、アメリカ資本の経営者さん方は予想もつかんでしょうな。
●しかし、この「ネットフリックス」だけは、サービスを解除しないでたっぷり研究させてもらうわ。つーか、気づいたら娘ヒヨコが勝手に検索して楽しそうなドラマ探してみてた。「のだめカンタービレ」STARRING 上野樹里+玉木宏なんも知らん中一女子がサクサクお好みのコンテンツに到達できるユーザーインターフェイス、HULU よりずっと使いやすい。さすが世界190カ国を網羅する巨人だわ。のだめちゃんと娘ヒヨコの天然ぷりってすげー共通点多くて予想以上に楽しい。玉木宏は、現在放送中NHK朝ドラ「あさが来た」の旦那役・新次郎さまのボンボンぶりが神がかった成熟ぶりで、この時期はケツが青かったとどうしても思ってしまうが。


そうだ、スターウォーズ、この前見に行ったんだっけ。これも家族四人でね。

STARWARSフォースの覚醒

「STAR WARS フォースの覚醒」
●話題の「4DX」で見ましたよ。3Dメガネかけた上で、座席が揺れたり震えたり、目の前で水煙がプシュッと吹き出したりと、いたせりつくせりの演出で映画をディズニーのアトラクションみたいにするスタイル。大人3100円もするから値段もビビるが、なかなかに楽しみました。もう、動画配信で TSUTAYA まで行く必然性すらなくなった中、映画館にわざわざ足を運ぶ付加価値が登場しました。我が家なんて、わざわざとしまえんのシネコンまで行ったよ。

●映画の内容は…その「4DX」でおしりがブルブル震える仕掛けがないと、寝てしまったかも知れなかった…。
●伝説の大作シリーズを先代から引き継いで、既存ファンの期待を裏切らぬよう新編を作り上げた J.J.エイブラハム 監督のプレッシャーとそれを跳ね返す努力は認める。過去の馴染み深いキャラやメカのその後を魅力的に描いて、その連続性をしっかり押さえてる。反乱軍の主力戦闘機 Xウイング の後継機が、最低限のアレンジに押さえられつつカラーリングが黒や青ストライプに変わってる様子は、「機動戦士Zガンダム」第1話に登場した「黒いガンダム」こと ガンダムmkII みたいな存在感でシビれた。オッサンを通り越してジジイになってたハンソロも、イイ味出してた。

●ただ過去のスタイルを踏襲しすぎて、お話のクライマックスがまたしても「デススター破壊作戦」だったのはちょいと残念だった。デススター壊すのこれで3回目…。旧三部作(エピソード4〜6)に対して新三部作(エピソード1〜3)が登場した時1999年のワクワク感はなかったな…ジェダイ全盛だった時代/新三部作の、ジェダイの本気の強さがバキバキに発揮されまくった活躍はシビれたね。ライトセーバー一本で敵からの射撃を正確に弾き返し、その跳弾でドローン部隊を全機瞬殺するとか、どんなに分厚い隔壁に閉じ込められてもライトセーバーと気合で焼き切るとか、まじビックリしたわ。こんだけ強いと帝国軍がジェダイをスカウトしたがる気持ちもわかる。その後アナキンがフォースの暗黒面に堕ちたら、宇宙の政治秩序が転覆するほどなのだから。

●そこから比べると、ジェダイの秩序が滅びてたルーク&レイア世代を経て、さらに子供の世代、つまり今回の主人公/レイカイロ・レンは、ジェダイの素養もだいぶ劣化してて、キャラも戦闘能力もかなり線が細いわ。ストームトルーパーの脱走兵とガチで斬り合いして結構手こずっちゃうなんて、ジェダイとしては失格だわ(実際、暗黒面に堕ちまくってるのでカイロ・レンは本当に失格なのだけど)。カイロ・レンの、中途半端なゴス風イケメンの中二病的やり切れなさは、リアル中二のノマドは楽しめても、リアルおっさんのボクにはどーでもいい。
●あ、ヒロイン・レイちゃんにはまだ期待が持てる。彼女の完全無自覚からの覚醒っぷりって、素人のクセしてガンダムいきなり操縦してザク2機破壊したニュータイプ戦士・アムロレイと同じだから。おまけに名前も同じだから。
●…おまえガンダムスターウォーズを比較しすぎと思ってるでしょ。「スターウォーズ」第一弾1977年、「機動戦士ガンダム」1979年。このふたつは、同世代コンテンツだから。ガンダムだって、同じ歴史観の中、宇宙世紀0060年代(ガンダム THE ORIGIN)から0090年代(ガンダムUC)を往復しながらシリーズを継続してるんだよ。そっくりじゃないか。ちなみに、「宇宙戦艦ヤマト」は1974年でこの世界的スペースオペラより先行してる。「スタートレック」1966年には誰もかなわんけどね。

●結果的に、何十年たっても「ゔぉおおお」しか言わないチューバッカが次作に向けて新ヒロイン・レイの相棒として存在感増大しちゃうとか、BB-8 が新資本ディズニーのノウハウをたっぷりイカしたカワイさを振りまいて、ベテラン先輩 R2-D2 との師弟関係を結ぶとか、レイア姫のオバさんとしての奇妙な貫禄と安定感女性管理職こなすって大事だよね、とか、サブキャラの遊びばっかに目がいってしまった…。「4DX」も無意味にケツが震えるばかりでまだ演出が成熟してないとわかったし。ただ、旧三部作でルークが味わった冒険を巻き戻すように、40年前と同じく砂漠の惑星からスタートさせたヒロイン・レイが新しくなぞり倒す冒険がどこまで盛り上がるのか、そこはこれからのお楽しみ。


●あと、うんざりするほどマンガ読んでる。
おかざき真里「阿吽」3巻:物語は修行時代の最澄から、少年時代の空海へ。
安野モヨコ「鼻下長紳士回顧録」上巻:8年ぶりの本格復帰。パリの娼館、変態と退廃の世界。
林田球「ドロヘドロ」20巻:いまだに終わりそうもない混沌ぶり。
森薫「乙嫁語り」8巻:ブキッチョ女子パリヤの花嫁修行。
太田垣康男「機動戦士ガンダムサンダーボルト」7巻:仏教カルト集団と対峙。原理主義は怖い。
たかぎ七彦「アンゴルモア 元寇合戦記」4巻:北条時宗、そして安徳天皇、登場。
石井あゆみ「信長協奏曲」13巻:映画化には興味がないけど原作は読み続ける。
市川春子「宝石の国」5巻:敵・月人の秘密、恩師・金剛先生の秘密。
尾田栄一郎「ワンピース」80巻:ドレスローザ編の気持ちいいエピローグと新章・ゾウの国。
松本次郎「女子攻兵」7巻:完結。夢オチ?もう、とんとリアルがわからねえ。
井上直久「イバラード物語 - ラピュタのある風景」:魔法使いが暮らす夢幻の国へ。

井上直久「イバラード物語 - ラピュタのある風景」

●この本は、東京都現代美術館に行く途中の古本屋で見つけたよ。

スポンサーサイト

●息子ノマド中学二年生のケイタイを、とうとうスマホ化したわ。
これで家族全員が iPhone6 or iPhone6s。
●娘ヒヨコはスマホで Hulu を操作して ChromeCast 経由のテレビでお好みのアニメをサクサク見てる。今のお気に入りは「銀の匙」。手馴れたモノだよ。スマホネイティブの子供たち。ボクが「かつて、ポケベルってモノがあったんだよ」と昔話をするように、コイツらは「かつて、ガラケーってモノがあったんだよ」と自分の子供に語るのだろう。

●下北沢のディスクユニオンで買い物した帰りに、犬のフンを踏んづけた。
●思いっきりイッタネ。ベターッとね。でも、おー久しぶりー!と、むしろ感動した。子供の頃は当たり前のようにあった犬のフンも、今じゃ激レアな存在。社会道徳なんてサクッと変わるモノだね。良い方向に変わる場合もあるけど、悪い方向にもすぐ変わったりするんだろうな。


ワイフとボクとで、海外ドラマ「GLEE」がホットになってる。
●シーズン3まで見て、しばらく打ち止めにしてたんだけど…。先月から視聴再開してすでにシーズン4をクリア、シーズン5に突入中。本来なら Hulu でサクサク先を見ることも出来る。だけど、これはどうしても「吹替」で見たくてレンタル屋さんに通っている。すごい早口でキョーレツな悪態を吐き散らかすスー校長のキツイユーモアを始め、濃ゆいキャラがコッソリ忍ばせるジョークの数々は、字幕だと省略されちゃうんでね。これは「吹替」の方が楽しい。楽曲はもちろん吹替以前で聴けて、歌詞の意味が字幕で入る仕組み。よく知ってる定番曲なのに、リリックの内容を初めて知ったりと発見も多い。

●さらに加えて、ボクら夫婦は揃って「GLEE」のゲームにも夢中になってる。

IMG_3319.jpg

IMG_3397.jpg

アプリゲーム「GLEE FOREVER !」
劇中で使われた数々の名曲パフォーマンスをそのまま使ってスマホのリズムゲームにしてるのだ。これが楽しい!
●夜中まで夫婦そろってコタツでこいつをプレイして、お互いの成績を競ってたりしてる。どんだけ仲良し夫婦だよって思っちゃうくらい。なにしろ本当に好きな曲で、CDでも持ってるサントラの音源でプレイできるって実に楽しいんですわ。ゲームの仕組みはこれまた世間(秋葉原方面)で人気の「ラブライブ!」のスマホゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」とソックリで、どーやらゲーム制作会社も同じみたい。コッチも始めたけど「GLEE」の思い入れの方が100倍以上なのでしばらく浮気せずハマり続ける予定です。

●そこで、今日はこのゲームや「GLEE」本編でプレイされる楽曲音源や、そのカバーの元ネタである原典に戻って聴いたりしてみようと思います…膨大にあるから大変な気がするけど。

●まず最初は、彼の死について。これに触れずにはおれない。

「GLEE THE MUSIC THE QUARTERBACK」

「GLEE: THE MUSIC, THE QUARTERBACK」2014年
シーズン4〜5にかけてドラマ「GLEE」は大きな悲劇に見舞われた。主演格である登場人物・フィンを演じていた CORY MONTEITH が31歳で急逝してしまうのだ。2013年7月14日。その日のこのブログでボク自身がその衝撃を綴っている(コチラの記事)。当然ドラマの現場も大変だったようで、放送スケジュールも変則対応したらしい。彼の死はシーズン4の後半あたりで起こったのだが、そこから仕切り直しに時間がかかったのか、彼に対する哀悼エピソードはシーズン5第3話で描かれた。このCDはこの回で仲間たちが彼に捧げた楽曲をコンパイルしたものだ。
●ドラマ本編は…ワイフが終始メソメソ泣いてて、ティッシュの箱を握りしめてました。フィンというキャラに奇妙な設定を作ってうまくフェイドアウトさせるような姑息なマネなど一ミリもなく、その死の理由にも潔く一切触れない。ただひたすら弔意を歌で表現する。その潔い姿勢にボクも胸が熱くなりました…。毒舌ばかりの意地悪なスー先生ですら…涙チョチョギレのセリフで彼の存在を語る。シーズン1からの深い人間関係が、俳優たちのリアルな感情と入り混じって特別な表情を見せる…もう思い出すだけで鼻がツーンとする。
●卒業生+在校生が喪服で歌う「SEASONS OF LOVE」はミュージカル「レント」からのカバー。初めて知る曲だったけど、歌詞が素晴らしかった。

「52万5600分。52万5600の愛おしい瞬間。52万5600分。
 あなたはどうやってこの一年を測るの?
 夜明けの数で? 夕暮れの数で? 真夜中の数で?
 インチやマイルで? それともコーヒーの数?
 笑った回数や、いさかいの回数で?
 愛は? 愛で測ってみたら? 愛で測るのよ!

 52万5600分。52万5600の旅。52万5600分。
 どうやって女や男の人生を測るというの?
 彼女が学んだ真実の数で? 彼女が流した涙の数で?
 彼が覚悟を決めた数? それとも彼女の死に方で?

 今こそ声高らかに歌う時。物語は永遠に終わらないけど、お祝いしましょう。
 仲間たちと過ごした人生で、この一年を忘れないで。
 愛を忘れないで。愛を忘れないで。愛を忘れないで…。」

「GLEE」は傑作ミュージカルナンバーが本当に数々紹介される。この「レント」もいつか見なくちゃ。映画化されてるから、きっとすぐに見られるだろう。
メルセデスがシットリと感情を乗せて歌い上げる「I'LL STAND BY YOU」CHRISSIE HYNDE 率いる THE PRETENDERS「LAST OF THE INDEPENDENTS」1994年の収録曲。この曲は大勢のシンガーにカバーされてて、ボクとしては ROD STEWART のバージョンが馴染み深い。SHAKIRA までカバーしてるのは今WIKIで見て初めて知った。
●アメフト仲間の悪友だったパックがアコギをかきむしって歌う「NO SURRENDER」 BRUCE SPRINGSTEEN「BORN IN THE U.S.A」1984年に収録されてた曲。ボスのタフなロックを切々とギター一本で歌う男唄。親友フィンの死に特に打ちひしがれていた彼はこの歌で仲間に伝える。この悲劇にオレは挫けない。高校卒業後はロサンゼルスや故郷でフラフラしてたパックだが、卒業後フィンが亡き父を想って軍隊に入った意思を受け継いで、空軍に入隊すると言い残して街を去る。
●ドラマのヒロインレイチェルを演じる LEA MICHELE プライペートでも CORY と交際していた仲。そんな彼女が最後に歌う歌は BOB DYLAN「MAKE YOU FEEL MY LOVE」。1997年の曲だ…馴染みがなくて原曲はまだ聴いたことがない。このドラマの選曲者はホントに幅広い音楽をマークしてる… BOB DYLAN のこんな近作までチェックしてるなんて。ピアノだけをバックに切々と歌う可憐なカバー。どんな思いだったか、心中察するにも苦しい気持ちだが、気丈に歌う様子が凛々しい。

「GLEE SINGS THE BEATLES」

「GLEE SINGS THE BEATLES」2013年
●シーズン5第3話は CORY=フィンへの追悼エピソードだったが、第1話と第2話は THE BEATLES へのトリビュート回だ。細かいことに、一話は前期、二話は後期と、バンドの歴史に沿って選曲してるトコロも、ボクにはいいねえ〜と思っちゃうポイント。関係ないけど、THE BEATLES の権利許諾ってスゴくお金かかるんじゃないのかな?松山ケンイチ+水原希子の映画「ノルウェイの森」で原曲使ったら何十億ものお金が必要だったって噂聴いたことあるんだけど。
●ここでは、わりとストレートなアプローチで、「YESTERDAY」「DRIVE MY CAR」「HELP」「HEY JUDE」「LET IT BE」などなど数々の名曲をカバー。「GET BACK」 BILLY PRESTON を意識してかバンドではなくてピアノだけのアレンジにしてるのがユニーク。
●ニューヨークで部屋をシェアして暮らすサンタナレイチェル、カートは、バイト先のダイナーでレズビアンの女性ダニと知り合う。カートはゲイでサンタナはレズビアン。LGBTな話題もたっぷり出てくるのは「GLEE」の特徴。で、このダニはギター一本でミュージシャンを目指す女性という役どころで、夜明けのダイナーで「HERE COMES THE SUN」サンタナとともにいい感じにカバーする。この役を演じるのが DEMI LOVATO というシンガー…変わった名前でなんか聞いたことあるなあーと思ったら、「アナ雪」「LET IT GO」をポップロックバージョンで歌ってた人だった!日本で言うトコロの松たか子に対して MAY J. のポジションにある人ね。松たか子ポジションの IDINA MENZEL さんもこの「GLEE」の前半シーズンで重要な役で出演してたっけ。何気に「アナ雪」と縁が深い「GLEE」でした。

「GLEE THE MUSIC PRESENTS THE WARBLERS」

「GLEE: THE MUSIC, PRESENTS THE WARBLERS」2011年
「GLEE SINGS THE BEATLES」の14曲だけじゃなく、「GLEE」は要所要所で THE BEATLES 楽曲を登場させる。シーズン2でライバル校ダルトンアカデミーに転校していたカートが歌った「BLACKBIRD」の優しいカバーはボクのお気に入りだ。PAUL MCCARTNEY & WINGS「SILLY LOVE SONGS」もどこかでカバーしてたね。実にいい感じ。
●さて、その私立男子校ダルトンのグリークラブで、特徴的なブレザーに身を固めた THE WARBLERS は、主人公たちマッキンリー高校のライバルチームでありながら、見事な男声コーラスと鮮やかなダンス、センターボーカルのブレインのキャラクターでたちまち人気者に。そこでこんなCDもできてしまったし、ブレインカートの彼氏(ブレインもゲイでした)としてその後マッキンリー高校に転校してきて主要キャラになってしまうほど。
男声チームである彼らが、女性の曲をカバーすると斬新な魅力が光りだして実に楽しい。特にこのCDに収録されてる KATY PERRY「TEENAGE DREAM」 DESTINY'S CHILD「BILLS, BILLS, BILLS」のカバーなんて傑作だね。スマホゲームには彼らのパフォーマンスで NEON TREES「ANIMAL」という楽曲が登場するが、ボクはまだ THE WARBLERS バージョンしか聴いたことがない。どんなバンドなんだろう?今度原曲を探しに行こう。

「GLEE THE MUSIC SEASON 5 MOVIN OUT」

「GLEE: THE MUSIC SEASON 5 MOVIN' OUT」2014年
「GLEE」には製作陣お気に入りのアーティストがいるらしく、すっごく楽曲が頻出する人がいるんだよね。BILLY JOEL もその一人で、とうとうシーズン5でまるまる BILLY JOEL 特集が出てきた。さらには、この一編をまとめたCDまでもがリリースされる。「MOVIN' OUT」「PIANO MAN」「MY LIFE」「HONESTY」「JUST THE WAY YOU ARE」のような名曲が目白押し。
●そもそも舞台が半分ニューヨークに移った段階で、ニューヨークを代表する詩人 BILLY JOEL の特集はファンからだいぶ期待されてたようだ。名曲「NEW YORK STATE OF MIND」は、シーズン4第一話でレイチェルがニューヨークで新生活を始める様子と、新キャラクター・マーリーがグリーのオーディションを受ける様子を折り重ねて歌われる。新章の幕開けに相応しい響きだったね。
●車椅子のアーティがダウン症の少女ベッキーと心を通い合わせる「HONESTY」の誠実な美しさ。「GLEE」は性的マイノリティだけじゃなくハンディキャップを持つ者のリアルも物語に組み込む。一方、明るい曲調なのに、真面目女子マーリーに対してヤンチャ者ジェイクが交際決裂を突きつける「MY LIFE」が少し悲しく響いたり。物語と楽曲が見事な組み合わせで絡み合い、奥行きを作る。

BILLY JOEL「AN INNOCENT MAN」

BILLY JOEL「AN INNOCENT MAN」1983年
●せっかくだから原曲も聴いてみる。このアルバムから「GLEE」は三曲もカバーしてる。「UPTOWN GIRL」「AN INNOCENT MAN」「THE LONGEST TIME」だ。中でもボクにとって印象的なのはシーズン4のアンプラグド特集「THE LONGEST TIME」が最後の締めに使われてるトコロ。なるほどこの曲は、指パッチンとドゥーワップ・コーラスだけで構成されてる、とってもグリー向きなアンプラグドソングだ。「GLEE」版も、原曲も大好きだ。
●これまた名曲の「UPTOWN GIRL」はシーズン3で THE WARBLERS によってガッチリカバーされてる。これもいいねえ。
●ボクは BILLY JOEL を聴くとなぜか PAUL MCCARTNEY のソロ時代を聴きたくなる。両方ともチャーミングなメロディメイカーだし、プロダクションもシッカリ作る人だからかな。

QUEEN「GREATEST HITS」GLEE

QUEEN「GREATEST HITS」1974〜1981年
「GLEE」 QUEEN のことも大好き。一番たくさんの曲がカバーされてるかもしれない。「SOMEBODY TO LOVE」「ANOTHER ONE BITES THE DUST」「FAT BOTTOMED GIRLS」「DON'T STOP ME NOW」「WE WILL ROCK YOU」「WE ARE THE CHAMPIONS」「BOHEMIAN RHAPSODY」。少なくともボクがパッと思いつくだけでもココまでカバーされてる。そんでこのベストに全部収録されてる。
●どんな美女(人妻含む)も落としてきた悪ガキ・パックが、なぜか超おデブ女子・ローレンにメロメロになってしまうも、なんと拒絶されてしまうというエピソード(シーズン2)で、「FAT BOTTOMED GIRLS」を熱唱しまくる。FAT BOTTOMED つまりケツデカ女子ってコトですか?… FREDDIE MERCURYケツデカが趣味だったんでしょうか?メッチャ気になる。
●スマホゲームでは「DON'T STOP ME NOW」「SOMEBODY TO LOVE」をプレイできる。このゲームでこの曲たちがメチャメチャ好きになったね。女性であるレイチェルにリードされる「SOMEBODY TO LOVE」も乙なモノ。
FREDDIE 亡き後のボーカルなし QUEEN に、「GLEE」シーズン5の主要キャラとして出演した ADAM LAMBERT が合体して近年ツアーを続けている。QUEEN「GLEE」、この二者はなかなかに因果が深いね。

「GLEE THE MUSIC JOURNEY TO REGIONALS」

「GLEE: THE MUSIC, JOURNEY TO REGIONALS」2010年
我がグリー部が初めて州大会に出場するシーズン1最終話。ここで登場する楽曲で固められたEP(6曲入り)。初期の強力なライバルチーム・ボーカルアドレナリン QUEEN「BOHEMIAN RHAPSODY」をブチかましてくるのだ!これが実にパワフル。一方のグリー部はシーズン1第1話で感動的に響いた JOURNEY「DON'T STOP BELIEVIN'」と、同じく JOURNEY「ANY WAY YOU WANT IT」で対抗する。…「GLEE」って躊躇なくこうした70〜80年代クラシックロックを打ち込んでくるけど、今の若い視聴者にとってはカビの生えた懐メロにしか聴こえないんじゃなかろうか?心配になってくる。アラフォーのボクですら JOURNEY QUEEN もまるでリアルタイムじゃないもんね。敢えてそのカビ臭いトコロを再評価させるために挑戦しているとしたら本当に野心的だ。
●結果はネタバレなので言及しないが、州大会の後で歌われる「TO SIR, WITH LOVE」という歌が感動的で。グリーを率いた恩師ウィル・シュースター先生への感謝の思いが込められてる。原曲はスコットランド出身のアイドル歌手 LULU の1967年のヒット曲で映画「いつも心に太陽を」の主題歌だ。アメリカにも、先生に対して感謝を歌う習慣があるんだー意外だなーなんて思っちゃって。坂本金八以来、日本でもあまりそういう習慣がなくなっちゃったからね。今だと「暗殺教室」かな?

FOREIGNER「4」

FOREIGNER「4」1981年
●ということで、「GLEE」がピックアップした70〜80年代モノのクラシックロックを探ってみる。まずは FOREIGNER。彼らの代表曲「JUKE BOX HERO」がシーズン4でカバーされてる。グリー部OBとしてコーチ扱いになったフィンが、新キャラクター・ライダーをスカウトする時にケシかけるハードロックナンバーだ。ロックンロールの初期衝動を煽る名曲。
●とは言いながら、この曲以外にボクは今までこのバンドの音楽を知らなかった… JOURNEY FOREIGNER みたいな80年代「産業ロック」はなかなか手をつけられなかったよ … でも「GLEE」をキッカケに随分とこのへんの領域にも足を踏み込めるようになった。今回初めて知ったけど、このアルバムまでは元 KING CRIMSON IAN MCDONALD も所属してたとな。音楽的中枢は SPOOKY TOOTH というバンドをやってた MICK JONES という男。このあたり、70年代中盤まではシリアスでアングラなバンドをやってた連中が、時代の流れとともにポップな曲調に転向して商業的成功を手にしていく様子を、やっかんだ表現が「産業ロック」なんだろうね。このアルバムは1500万枚も売れたというし。ホドホドのハードロックな感じと、アメリカンな大味感は、分かりやすくて聴きやすい。

RICK SPRINGFIELD「BEST OF」

RICK SPRINGFIELD「BEST OF」1981〜1988年
●シーズン1の頃にこの人の出世作「JESSIE'S GIRL」フィンのボーカルでカバーされた。まーこの人の音楽もこの曲以外全く知らなかったのでベストを買ってみました。実は70年代から活動してたんだけどサッパリ売れず、やっと芽が出たのが1981年の「JESSIE'S GIRL」。このベストもこの1981年以降の仕事しか網羅してません。80年代気分がより濃いので、シンセサウンドとハードロックアレンジがいかにもペラペラで非常に味がある…この時代ならではというか。音楽としてのキャリアはやはり80年代前半までがピークか。一方イケメンさんでもあるので俳優業もやってる彼は、今でもドラマで活躍してるみたい。

A-HA「THE SINGLES 1984-2004」

A-HA「THE SINGLES 1984-2004」1984〜2004年
●いましたねーこんなバンドも。ノルウェーからやってきた三人組で80年代にヒット曲をいくつか出してた。「GLEE」がカバーしたのはもちろん彼らの出世曲「TAKE ON ME」1984年。この曲はスマホゲームでよく聴いてるんだけど、ドラマではまだ観てないシーズン6での登場なのでどんな扱われ方をしてるのかはボクにとってもお楽しみ。ゲームで聴く上ではすごく原曲の印象にソックリなアレンジ。
●このバンドは「TAKE ON ME」だけの一発屋とは言えないかも。ボクの印象だと、映画「007 リビング・デイライツ」ジェームズ・ボンド役はティモシー・ダルトンの時代。今のボンドに比べると優男だね)の主題歌「THE LIVING DAYLIGHTS」1987年も印象深い。あと「HUNTING, HIGH AND LOW」とか。
●このベストは2004年までのシングルを網羅してて、あららこんなに長く活動してたんだ、と正直驚いた。が、そこからさらに2010年まで活動して一旦解散、去年再結成してアルバムを作ったとな。ノルウェーじゃ国民的ヒーローのようだよ。録音も新しいモノが多くてシンセポップとしてプロダクションが丁寧。キレイなボーカルが耳に優しい。

CROWDED HOUSE「CROWDED HOUSE」

CROWDED HOUSE「CROWDED HOUSE」1986年
●このオーストラリアのバンドの出世曲(ていうか唯一のビッグヒット?)「DON'T DREAM IT'S OVER」「GLEE」はカバーしている(シーズン4)。正直このレコードは結構前に買って聴いていたんだけど、実は全然ピンとこなかった。つーか今でもピンと来てない。
●ただ、このアルバムに収録されてる「DON'T DREAM IT'S OVER」は、ことのほか歌詞の内容がシンミリとしたモノだったということを、「GLEE」バージョンの字幕で知ることができた。顧問のシュー先生は長期出張、留守を任されたフィンは必死にグリー部を率いるもマンマと部室を取られて解散の危機に陥れられる。雪降る寒い野外で練習しようと呼びかけても、それに応えたのは新メンバー・マーリー一人だけ。途方にくれてこの歌を歌う。「紙コップで豪雨を受け止めるようだ…この先戦いが待ってる…随分と負けているけど。でも終わりはまだ見えないよ…僕らが一緒に旅するかぎりは。終わりだと思ってはダメ。時が来たよ…奴らがやってくる…僕らの間に壁を建てるために。でも僕らは負けない。」その歌に引き寄せられるように、グリーの仲間が集まってくる。感動のシーン。

ALICE COOPER「SCHOOLS OUT」

ALICE COOPER「SCHOOL'S OUT」1972年
●蛇を首に巻くなど、おどろおどろしいショー演出で、70年代グラムロックのムーブメントの一翼を担った男。「ショックロック」と呼ばれるシアトリカルな演出とハードロックなスタイルは、1990年代のバンドまで影響を及ぼしてるMARILYN MANSON とか完全にこの系譜でしょう。ALICE とかいうカワイイ女の子の名前のくせして、その正体は目の周りを真っ黒に塗るパンダメイクの男…。こういう倒錯した過激さ、時代としてはかなり先行してたはず。
●この ALICE COOPER のブレイク曲「SCHOOL'S OUT」「GLEE」シーズン3で歌うのはマッキンリー高校一番の不良パック。学校完全否定の曲だけど、試験の成績が悪すぎてパックは卒業不可能の危機だったりしてるんだよね。
●芝居がかった演出で異彩を放った ALICE COOPER、なんとミュージカルへの目配せもきちんとしているらしく、このアルバム「GUTTER CAT VS THE JETS」は、傑作「ウエストサイド物語」から「JETS SONG」のフレーズを拝借してる。実にワザアリ。一方、「GLEE」「ウェストサイド物語」へのトリビュートをしてる(シーズン3)。レイチェルによる「TONIGHT」、生粋のラティーナであるサンタナのイカした「AMERICA」などがナイスすぎる。


●音源がいっぱいありすぎて、まだまだ語りたいことがイッパイ。
●でもひとまずこれで今日はおしまい。

●動画もつけるね。
... 続きを読む

●悲しい出来事があった。

IMG_3585_201601132256229a0.jpg

「現代 HEIGHTS」閉店。
●下北沢の住宅街の中にコッソリと存在した、素敵なカフェ兼ギャラリー「現代 HEIGHTS」。ボクはこのお店が好きだった…。遠目に見ると普通の古い木造アパート。その名も「現代ハイツ」。その地下一階が、実はけっこう広々としたアート空間になっていて。まさに秘密基地の趣き。外からは一見想像できない奥行きで、ボヘミアンな雰囲気を醸し出していた。ボクはその空気が好きで、一時期はほぼ毎週のように週末をこのカフェで過ごしてた。
●ゆったりくつろげるテーブル席と、おしゃべりを楽しめるカウンター、アート本がギッシリ詰まった書架、LPレコードから流れるユニークなBGM、お店の入口にはプログレ〜アバンギャルド系のCDショップが併設、そしてギャラリースペースが大小2つあって、途切れることなく多くのアーティストさんが作品を展示していた。時には音楽ライブも催されたり…縁あってエレクトロニカ系アーティスト JIMI TENOR もココで演奏してるという。
●ボクは、ここに両手に持てるだけ目一杯のマンガや雑誌や書籍を持ち込んで丸一日読書に浸ったり、iPodで心ゆくまで音楽を聴いたり、PCを開いて仕事をしたり、友達と楽しい会話をしたりして過ごしてた。ギャラリーに作品を展示している作家さんと盛り上がって話し込んでしまったこともあったっけ。18時以降はバータイムで照明を落とすのだけれども、読書しているボクに読書灯を貸してくれたりと、お店のみなさんにもとてもよくしてもらった。時々コドモも連れてきて、ジュースを飲ませたり。ボクはいつもマイルドブレンドをブラックで。ソーサーにオマケで乗っかっているピスタチオが美味しかった。あと、特製カレーライスも、とても美味しかった!

●けれども、去年暮れは、個人的に少々テンパってて、お店に行く余裕がなかった…。で、お正月明けにお店の前を歩いていたら…!ナニ!閉店しちゃったの!?ああ、なんてことだ、そんな気配全然察することができなかった。本当にショックだった。

●この前の成人式の連休。
●たまたまお店の前を歩いていたら、お店のみなさんが荷物をまとめて後片付けをしていた。ボクは思わずお店を覗き込んで、ご挨拶をさせてもらった。あんなにお世話になったのに、お別れの一言も言えないのは悲しかったので。本当にありがとうございました。とっても残念です。聞くと、この木造アパート自体が取り壊されることになったらしい。しかも急な話だったらしく、バタバタと閉店へ…。この場所では17年営業をしてたという。本当に本当に残念。
●下北沢という街は本当に苛烈なほど新陳代謝が激しい。若い人が新しいアイディアを持って次々に新しいお店を開き、そしていつのまにか消えていく。近年はそのスピードがどんどん加速していくかのようだ。その一方で、グッと腰を据えて実直に何年もお客を受け止めているお店もいっぱいある。「現代 HEIGHTS」は、時代の流れとは無縁に、マイペースで独特のオーラを放ちながら存在していくお店だと思っていた。でも、不本意ながら、退場しなくてはいけない場面もくるのだ。ああ、ボクは今後どこでくつろげばいいのだろう?これ以上居心地のいいカフェはもう登場しないだろう!

●全てが片付いてしまったお店の前には、不用品ながらゴミにするにはもったいないモノが「ご自由にお持ちください」の張り紙とともに並べられていた。グラスやカップとかもあったけど、早々にピックアップされていった。ボクは何冊かの画集や本をいただいた。大切に読むとしよう…ああ、場所はどこで?

IMG_1245.jpg

「現代 HEIGHTS」、在りし日の店内の様子。



●音楽。

POP LEVI「THE RETURN TO FORM BLACK MAGICK PARTY」

POP LEVI「THE RETURN TO FORM BLACK MAGICK PARTY」2006年
DAVID BOWIE 死去のニュースに衝撃を受けたまま、グラムロックの雰囲気を持つ音楽を探ってた…。そこで行き着いたのがこのアーティスト。雰囲気は DAVID BOWIE というより完全に T.REX 風、または TYRANNOSAURUS REX 風という感じ。ポップなギターブギーと甘ったるくビブラート気味に響くボーカルが蠱惑的で、かつ同時に奇妙なサイケデリアも感じさせる。フォーキーなアプローチとなると本当に呪術の気配が立ち込めてきて、TYRANNOSAURUS REX みたいになってしまう。「黒魔術パーティ」と言っちゃってるんだから、その怪しい気配は確実に狙いですわな。そしてなんだか密室感も漂う…実は彼はマルチ演奏家で作詞作曲ほとんどの演奏もプロデュースも全部一人でこなしてしまったらしい。
●しかもこのファーストソロアルバム以前は、クールなエレクトロニカユニット LADYTRON でベースを弾いていたとな。今WIKI見て知った。全然テイスト違うじゃん。最初に発見した数年前からヘンテコでチャーミングな音楽だと思ってたけど、聴けば聴くほどワザアリすぎて、面白くってしょうがない。こんなにグラマラスでサイケデリックで、ポップなようで深刻にヒネくれてるヤツって…まるで DAVID BOWIE のようじゃないか!。



●動画。「SUGAR ASSAULT ME NOW」。NINJATUNE のチャンネルから出てるぞ。



●ダンスが…バカっぽい。






●あ、本当にどうでもいいけど、SMAP って本当に解散するのかね?
●いつか、まとめ聴きしたいと思ってたんだよね、SMAP を。

DAVID BOWIE が亡くなった。1947ー2016年。69歳。

20160112_BOWIE_HP-slide-DMXR-videoSixteenByNine1050.jpg

18ヶ月のガン闘病の末に、死去。ついこの前の1月11日は69歳の誕生日に合わせて新譜「★ (BLACKSTAR)」を発表したばかり。最期まで創作活動を続けていたんだね。ロックの歴史を切り拓いた巨人がまた一人堕ちた。
今時は、こういうニュースも、スマホのブッシュ通知ニュースで知る。下北沢のモスバーガーで休日の読書をしてたボクの、スマホの画面にアプリ「スマートニュース」「ヤフーニュース」が同時に短い速報を投げ込んできた。「英ミュージシャン、デヴィッド・ボウイさん(69)死去。」ああ。

●常にスタイルを変貌させ、世間を驚かせてきた BOWIE。その時代時代でずっと挑戦を続けてきた。
●今日はそのキャリアの中でも一番陰鬱な時代だった、70年代後半「ベルリン三部作」を聴こうと思う。

DAVID BOWIE「LOW」

DAVID BOWIE「LOW」1977年
●タイトルからしてド直球でテンションが「低い」ZIGGY STARDUST など数々のキャラクターを生み出してグラムロックの英雄となった BOWIE は、アメリカに渡ってソウルミュージックに接近。フィリーソウルのスタイルを拝借した「YOUNG AMERICAN」1975年で新境地を開いていた。しかし、奇抜なパフォーマンスやバイセクシャルな表現が物議を醸してバッシングに会うことも。この時期の直前にはなんと「ナチズムへの傾倒」と批判されてた(ファンへ手を振る挨拶がナチス風の敬礼に見えたみたい)。おまけにガリガリに痩せるほどの薬物中毒も問題に。心身ともに疲弊した BOWIE はヨーロッパ回帰を宣言して、フランスの古城への引きこもり、そして西ベルリンでの静養に入ることとなる。
当時はまだ冷戦下で東西ドイツは分裂状態。今では首都のベルリンが東西に分割され、飛び越えれば撃ち殺される壁が存在していただなんて、ボクのコドモたちはビックリするような事実だろう。共産主義の東側陣営の中で陸の孤島として存在していた西ベルリンは、政治的にもイビツな存在として、奇妙な退廃のムードを醸し出していたそうな。
●ここで BOWIE は創作のパートナーとして BRIAN ENO と組む。ROXY MUSIC のメンバーとして同じグラムロックのシーンから登場しながら、現代音楽を通過した全く新しいアプローチで創作活動を開始していた彼とのコラボは、BOWIE に大きな刺激を与えた。具体的にはシンセサイザーを駆使したアンビエントミュージックへの接近だ。ENO の代表作である「AMBIENT」シリーズは翌1978年にリリースされる。
●このアルバムは、今までの BOWIE の音楽と違って、饒舌な物語がない半分がインスト曲で、残りも歌詞が実に短いENO と共作した「WARSZAWA」をはじめ、シンセサイザーを駆使した抽象的なアンビエント楽曲が後半を占めている。様々なキャラをまとってきた彼の、全てを剥ぎ取った無言の素の佇まいをここに読み取るのがふさわしい態度かも、とも思える。思い切りローテンションだけど、ここは故人を追悼する気持ちで、そのテンションの低さに深く沈んでみる。
●シングル曲「BE MY WIFE」が美しい。言葉少なげに「PLEASE BE MINE, SHARE MY LIFE, STAY WITH ME, BE MY WIFE」と歌う BOWIE は、ここで全てのペルソナを捨てて、完全に武装解除してる。

DAVID BOWIE「HEROES」

●この流れで、傑作「HEROES」1977年に行くべきなのに、なぜかボクの部屋の中で、この LP が見つからない!ああ、なんてこった!何年も前に買ってよく聴いてたのに。申し訳ないけど、スキップ。「WE CAN BE HEROES!」が聴きたいのに!

DAVID BOWIE「LODGER」

DAVID BOWIE「LODGER」1979年
●このCDは、このニュースに際して慌てて下北沢ディスクユニオンに飛び込んで、まだ持ってない BOWIE のカタログから選んだモノ。BOWIE のキャリアは60年代から始まって本当に長いから、全部はコンプリートできてない…。00年代以降はほぼチェックしてないし、60年代のグラム以前の最初期もない。その間もあと2〜3枚抜けてる。これでやっと「ベルリン三部作」を全部聴けたわけだ。…まあ、陰鬱な感じはそんなに変わらないみたい。
●ここでの BOWIE は、エキゾチックなワールドミュージックのアプローチにチャレンジしている。「AFRICAN NIGHT FLIGHT」といったタイトルから直球なアフリカン・エキゾ趣味が完全にニューウェーブ気味。「YASSASSIN (LONG LIVE)」という曲では、レゲエとトルコ風アレンジが陰鬱に合体BRIAN ENO が連れてきた辣腕プレイヤーたちが活躍。特に後に KING CRIMSON に合流する ADRIAN BLEW のエキセントリックなギターがスゴイ。「RED SAILS」「BOYS KEEP SWINGING」の奇妙なギターグルーヴや、「LOOK BACK IN ANGER」のスピード感など、ポップな佇まいも復活しつつある。同時に鋭敏に尖ったポストパンクの気配すらも感じるね。
「LODGER」「間借人」の意。異郷・西ベルリンの中で過ごした時間はここでおしまい。あくまでここでは「間借人」の立場だから。アメリカに戻って1980年代に突入した BOWIE「LET'S DANCE」の大成功を経て本物のポップスターに変貌する。映画出演も増えて、メジャー感が増す。もうジャンキーのカルトスターではなくなるのだった。



●動画。「BE MY WIFE」。





新年がスタートしてしまいました。2016年。
●実はこのブログを最初に始めたのって2004年頃なんだよね。すげえ、10年以上やってた。
●ただ、最近は、違うスタイルにしたいなと思ってて…更新頻度を下げてました。
●10年間を通してみると、今までもスタイルは時期に応じて結構変えてるので。
●しかし、さりとていいアイディアもないので、まーこのままいくか。

●だから、ダラダラ書きます。誰も読まない文章を。


モダンジャズを聴きたい気分になってる。CDもアレコレ買ってる。
●そしたらサブスクサービス「AMAZON PRIME MUSIC」で結構このへんが聴けちゃうことが判明。
●サブスクサービスは、一瞬盛り上がったんだけど、結局全部有料会員にはならなかった…AWALINEAPPLEも。映像系で HULU に入会してて、さらに音楽系でもう一つってオカネとしてシンドイよね。
●しかし、スピード配達の方便で、従来からアマゾンのプライム会員にはなってたから、そのまま映像&音楽のサブスクにオマケサービスとして加入したことになっちゃった。まーサービスが後から出来たのだから拒むもんでもないし。で、いざチェックしてみたら、ボチボチとボクの関心にまたがる音楽が置いてある。今は SONNY ROLLINS を聴いてるよ。映画もいろいろありそうだ。もっとチェックをしてみよう。

SONNY ROLLINS「SAXOPHONE COLOSSUS」1956年

SONNY ROLLINS「SAXOPHONE COLOSSUS」1956年
●最近は、植草甚一さんのジャズに関するエッセイ集「バードとかれの仲間達」を、古本屋で見つけて読んでました。恥ずかしながら植草甚一さんの文章は初体験。1970年代の文章だけど古臭くは感じない。自分のコダワリや趣味を自分の言葉で軽妙に語る大人の洒落っ気がなんともチャーミングで。こういうオッサンになれたらな、と思った。
●そこに「ソニー・ロリンズのモヒカン刈り」という名前で一章を割いて、このジャズ巨人の一人についてアレコレを書いている。引退や復帰を繰り返したり突然モヒカン刈りにしたりと奇行の目立つ人だったけど、そんなコトにはあまり触れず、ストイックな芸術家として紹介している。行方をくらましていた時期、とあるジャズ評論家がニューヨークの人気のない橋の真ん中でサックスを一人吹く男を見つける。評論家は瞬時に察知するのだ…この音はあの男じゃないか?しかし、その孤独で真摯な練習の様子に声もかけられないほど。とある日には、指だけ動かして音はちょっとしか出さないとか。目は開けていても周囲はまるで見えていないよう。凛々しいアーティストの姿。

植草甚一さんは、この本の中でこんなことを書いている。「誰かある一人の演奏者を特別すきになるには、決定的瞬間といったものがあり、そのときの感動がものをいうのだとおもいます。だいたいモダン・ジャズがすきになるのは、あるとき急に決定的瞬間がやってくるからであって、こんなときの気持を経験しないと本当にモダン・ジャズがすきになれないものです」そして、彼にとってこの瞬間は、このアルバムの収録曲で代表曲でもある「MORITAT」だったというわけ。このアルバムは植草甚一をモダンジャスにハメた名盤。
●この「何かをすきになる決定的瞬間」は別にモダンジャズに限ったことではなく、別の音楽でも同じことが言えるはず。いや映画やドラマ、アニメ、小説やマンガ、ゲーム、絵画や芸術一般にも言えることでしょう。ボクはこの手の領域の大量消費者なので、そこまで作品に踏み込めるかどうか、微妙なトコロだ。ただ、ここのブログに書いてる物件に関しては、間違いなく楽しんでる。今後も楽しんでいける人間でありたい。

●おまけに言えば、実は、植草甚一さんが初めてジャズを聴いたのは、1956年、CHARLIE PARKER が死んだ翌年のことだ。しかも彼は48歳だった。ジャズ評論で名を鳴らした植草さんは、なんとモダン・ジャズの熱い時代は聴かずままにスルーしてしまった上に、新興ユースカルチャーだったジャズの世界へ圧倒的に遅い年齢から入って行ったのだ。彼は映画評論や英米文学の評論家としてすでに十分な社会的地位を持っていたが、そんな彼がわざわざユースカルチャーにアラフィフから没入していったとは。この逸話には勇気付けられる。アラフォーのボクも新しい領域にもドンドン踏み込んでいきたい。たとえ理解が出来なくとも。息子娘たちのカルチャーも興味深いし、過去にさかのぼって知らない領域に踏み込んでいきたい。
●ちなみに、ボクにとっての「SAXOPHONE COLOSSUS」は、一曲目の「ST. THOMAS」のユーモラスなくらいに軽々しいテーマの方が好き。大学時代、ジャズ好きの友達に聴かせられたよ。だからコイツはボクにとっては懐かし案件。

「バードとかれの仲間達」

●本当は題名通り、この本には”バード”こと CHARLIE PARKER の逸話がてんこ盛りだ。その話はまた別の機会に。
●ちなみにこの本を入手したのは井の頭線東松原駅前の古本屋「瀧堂」。200円。この本屋さんは注目。