週末は、下北沢の街をウロウロして過ごす。
●いつも通りのルーチンだ。ディスクユニオンをチェック、100円のCDをまた一枚買う。古本屋とビレッジバンガードを偵察。ファストフードのお店でコーヒー飲みながらPCでメールを読んだり仕事の資料を作ったり。今日はランチにタルタル唐揚げ丼を食べた。そして日本茶カフェでマンガ読んで過ごす。その間 iPod で音楽は鳴らしっぱなし。新しいスニーカー欲しいなーと思いながら靴屋さんを見たり、イイ感じのジャケットないかなーと思いながら古着屋を見たり。DORAMA に寄ってDVD で映画を借りる。最近は Huluやネットフリックスに入ってないよな、って確認しながら借りないといけない。

今日借りて見たDVDはこれ。

「レント」

「レント」2005年
●ミュージカルドラマ「GLEE」を最終シーズンまで全部見てしまったので、そこから派生してミュージカル映画をチェックしてる。「レント」の代表曲「SEASONS OF LOVE」「GLEE」全編で一番重要な場面で使われていたからね。「GLEE」にゲスト出演していた IDINA MENZEL さんは「レント」のオリジナルキャストで舞台と映画の両方に出演してる。ボクとワイフは彼女の来日武道館公演に行こうと思ってるので、ちょっと気になってるのだ。しかしコイツは、苦手な人は苦手であろう、ほぼ「歌いっぱなしのミュージカル」だ。普通のセリフが少ししかない。本来ならボクも苦手だ。しかし、劇団四季とかを楽しむワイフ&娘ヒヨコの影響もあって、かなり大丈夫になってきた。うん、イケるよ。
●でも実際このミュージカルは面白い。舞台が1989〜1990年のニューヨークという設定。イーストビレッジで暮らす芸術家志望の若者たちを描く内容なんだけど、予想以上に社会派な時代背景をリアルに描写しててビックリ。主だった登場人物8人のうち4人が最初から HIVポジティブ、エイズに感染してるのだ。うわー1980年代ニューヨークのエイズ禍ってホントすごかったんだな。ジュリアーノ市長時代以前の危険度高めなニューヨーク、いきなり強盗にぶん殴られたり、ヘロインの売人がウロウロしてたり、ホームレスが道端で寝てたり。LBGT な方々もたくさんいて、そして町中がグラフィティでいっぱい。キース・へリングバスキアが活躍してそして死んでいった時代。ヒップホップもこの時代に育ったってわけか。へー。
IDINA MENZEL の役柄モーリーンは仲間の中では比較的キャリアを伸ばしてて、地上げ屋(←この辺も80年代バブルっぽい)の立退き強要に抗議するライブをするんだけど、シンガーとしてメジャーデビューしてるのかと思いきや、これが予想以上にアバンギャルドなパフォーマンス。しっかりニューヨーク・アンダーグラウンドな感じだった。LYDIA LUNCH みたいな人々が大暴れしてた時代でもあるってことね。ただ、IDINA さんの凄まじいボーカル能力は半端ないのもココでしっかり見せつけられる。来日公演が楽しみだ。


●DVDをもう一枚。

THE LOST PICTURES,ORIGINAL CLIPSCM’S plus TESTAMENT TFG Television Service

FLIPPER'S GUITAR「THE LOST PICTURES, ORIGINAL CLIPS & CM’S + TESTAMENT」1993年
●この前、PIZZICATO FIVE の音源を聴きながら「渋谷系」のコトをブログに書いたりしたもんだから、その流れで、FLIPPER'S GUITAR の DVD も見たりしてるのだ。こいつは1990〜1991年にリリースされたVHSのプロモ集を一枚のDVDにまとめた物件。下北沢にあったレコード屋 YELLOW POP が閉店しちゃう時のセール(一昨年の5月)で発見したものだ。確か500円くらいだったかな。活動期間が短かった彼らの三枚のアルバムの内容を網羅してる。おっ?偶然にも「レント」の時代設定とこのバンドの活動期間(1988〜1991年)はほぼ同じだ。
●こんなのを夜中に見てるとワイフが「これアナタ大昔に百万回くらい聴いてたわよね」とコメント。そうだなー確かによく聴いてたなー。大学の四年間が一番聴いてた時期だな。1992〜1996年の頃。1991年、彼らが解散する頃にボクは初めてこのバンドの存在を察知して、シッカリ聴き込んだのは解散後からなのでした。リアルタイムで進行する小沢健二+小山田圭吾それぞれのソロ活動よりも、すでに終わってしまった FLIPPER'S GUITAR の方が価値があるように思ってた。あの生意気なスノッブさは若気の至りの果てにある出口のない厭世観の裏返しで、生意気な若者になりたかったボクは彼らに憧れたのです。でもソロになった彼らは一足先に大人になって、ただのポップスターになってしまって。
●しかし、それほどヘビロテした FLIPPER'S GUITAR でも、テレビ露出の少なかった彼らの映像を見る経験は、あまりなかったなー。実はこのDVDも買ったコトを忘れてて、最近部屋の中で発見したもの。だからある意味とても新鮮な気持ちでこの映像を見てるのだけど、案の定スカしたオシャレ加減が「オリーブ少女」テイストで、見事にイケスカない。そうそう、本当に彼らはイヤミでスノッブだなー。キラキラのポップネスが、あまりに徹底的でイケスカないトコロが、これまた彼らを特別にしてたんだよね。
●その一方で、この映像集で見ると、彼らのサイケ趣味が全開で楽しい。1990年前後のサイケデリック感覚。THE STONE ROSES、MY BLOODY VALENTINE、PRIMAL SCREAM、HAPPY MONDAYS、INSPIRAL CARPETS、THE LA'S、BLUR、RIDE、THE JESUS AND MARY CHAIN などなどのUKアクトが醸し出してたサイケ感覚とシンクロする表現がギラギラグルグルのカラフルデザインで描かれる。当時最新型のドラッグ MDMA =エクスタシーにブーストされてる感覚だね。ファースト収録曲「JOYRIDE」はドラムの上に花びらをイッパイのせてる様子が THE SMITHS を連想させる。セカンド収録の「SRIDE」マッドチェスターのエレポップユニット CANDYFLIP を連想させる。CANDYFLIP 覚えてます?「STRAWBERRY FIELDS FOREVER」をカバーしてた連中。サード収録の曲は徹底してマッドチェスター風だな。大好きな曲「GROOVETUBE」のドラッギーな色彩感覚はてんかん寸前「明るい部屋で見てね」ってほどのパカパカキラキラで、ウォーホル映画のヒップスターたちが遊んでるのを見ているようだ。「THE QUIZMASTER」 THE WHO のマジックバスや BOB DYLAN のフリップ芸からイメージを拝借してる。そして「BLUE SHININ' QUICK STAR」は完全に THE STONE ROSES のパフォーマンスみたい。ドラムのアクセントとマイクとマラカス握ってユラユラ揺れてるトコロがそっくり。これほど同時代の海外のシーンにシンクロした表現を如才なくこなすセンスはやっぱスゴイと思う。


●そんな FLIPPER'S GUITAR に影響を与えた、ネオアコバンド AZTEC CAMERA を聴く。

AZTEC CAMERA「STRAY」

AZTEC CAMERA「STRAY」1990年
80年代に活躍したグラスゴー出身のネオアコバンド、というかネオアコの代表格。この手のスコットランド出身バンドを「アノラック系」とも呼んでたよね、実際このジャケでも本人がアノラックを着てるしさ。やっぱ北国で寒いのかなーと思ってた。ネオアコバンドとしてシーンに登場した FLIPPER'S GUITAR にこのバンドが大きな影響を与えたってコトはめちゃ有名。…なはずだけど、1990年のこのアルバム段階においては、最盛期を迎えてた FLIPPER'S GUITAR の二人の関心に完全に追い越されてる気がする。同じ場所に立ち止まってネオアコ続けてますって感じだから。
●それでも「GOOD MORNING BRITAIN」みたいな元気な曲は好きだね。この曲には元 THE CLASH MICK JONES が参加してるとのこと。当時は BIG AUDIO DYNAMITE をやってた頃かな。その一方で、バンドの中核 RODDY FRAME は周囲の音楽状況の変化を嗅ぎ取り、次なる音楽の方向性を探っていた模様…。今となっては四半世紀前の音源、100円で売ってた。

AZTEC CAMERA「DREAMLAND」

AZTEC CAMERA「DREAMLAND」1993年
RODDY FRAME のオレバンド化が著しくなって、もうネオアコでもなんでもない、普通のポップスになっちゃった時期。これはリアタイでボク聴いてます。注目のポイントはこのアルバムが坂本龍一プロデュースだってこと。ちょうどこの年に YMO の1回目の再結成があったコトも含め、教授ブランドに惹きつけられました。坂本龍一はこの同じ年の MADONNA のシングル「RAIN」のMVにもなぜか出演しとります。さすが世界のサカモト
●とはいえ、マジであまり聴きどころがないのも事実。あえていえばシングル曲「SPANISH HORSES」の文字通りなスパニッシュテイストが爽やかな聴きどころかな。

AZTEC CAMERA「FRESTONIA」

AZTEC CAMERA「FRESTONIA」1995年
●坂本教授とは一仕事終えたはずなのに、トコロドコロのピアノ使いがうっすらオリエンタル風味で、なんだか時差感じますのが第一印象。特に一曲目と四曲目はオリエンタルだろう。これも100円だったから最近買いました。この6枚目のアルバム以降、AZTEC CAMERA というバンドは活動を停止し、RODDY FLAME はソロ名義で活動していく。

AZTEC CAMERA「THE BEST OF AZTEC CAMERA」

AZTEC CAMERA「THE BEST OF AZTEC CAMERA」1983〜1999年
ROUGH TRADE からリリースした1枚目「HIGH LAND, HARD RAIN」から全部で6枚のアルバムの内容を網羅したベスト。でもやっぱ初期二枚目「KNIFE」のあたりまでがイイ。でも、この辺はこのブログでもすでに触れてるはずだから言及しない。あ、サードアルバムの「LOVE」1987年ってヤツだけまだ聴いてないな。これはきっと好きになれそうだ。見つけたら買っちゃおう。
●アルバムはそこそこ揃って持ってるというのになぜベスト買うの?というと、シングルB面に収録されてた VAN HALEN「JUMP」のカバーがここに収録されてるから。聴きたいけどシングルで探すのはかなり面倒だなーと思ってたら、このベストにひょっこり収録されてた。ウレシい!あの曲のシンセリフをアコギでつま弾きながら、すごくローテンションでゆっくり演奏する感じがイイ。
RODDY FRAMEソロ名義の楽曲「REASON FOR LIVING」も収録されてる。初心に戻ったようなギターポップが落ち着いてて好きな曲。この曲、昔から知ってる気がするけど、アルバムは持ってないはず?なんで聴いたことあったんだろう?




●動画をつけとこ。サイケ風味で。
●FLIPPER'S GUITAR「GROOVE TUBE」




●FLIPPER'S GUITAR「SLIDE」




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●今日は最初から音楽の話題。
ニューヨークはクイーンズの公営団地出身の皆さん。

HAVOC「THE KUSH」

HAVOC「THE KUSH」2007年
●ニューヨークのゲットーライフを描き出した伝説のユニット MOBB DEEP のビートメイカー HAVOC が初めて放ったソロアルバム。90年代以来の東海岸マナーを正統派として今なお保守するスタイルが実に硬派。スクエアなビート配置に、どこか不穏で緊張感走るシンセのウワモノ。MOBB DEEP の相棒 PRODIGY の華やかな課外活動と比べて彼の存在は確かに地味だが、その地味さ加減が堅実でイイ。
MOBB DEEP の二人はニューヨークのクイーンズブリッジ団地の出身。この場所はアメリカ最大の公営団地であり、全米の低所得者向け公営アパートつまり俗に言う「プロジェクト」の典型のような存在だ。そしてある意味でヒップホップの聖地でもある。この団地からは、MOBB DEEP だけにとどまらず、多くのヒップホップアクトが育っている。80年代ヒップホップの超重要人物 MARLEY MARL や彼の JUICE CREW の構成員 MC SHAN ROXANNE SHANTE、さらにはデュオ CAPONE-N-NOREAGA CAPONE、そして90年代ニューヨーク・スタイルの象徴的存在、NAS が暮らしていたのだ。

NAS「UNTITLED」

NAS「UNTITLED」2008年
●というコトで、MOBB DEEP のご近所さん、NAS の登場。彼がラップで「QB」「QB'S FINEST」とかいうのは、クイーンズブリッジの略だったなー初めて意味がわかった。
●彼の9枚目に当たるこのアルバム、実はリリース前から物議を醸した。NAS はこのアルバムのタイトルを「NIGGER」とすると公言。これが黒人社会の中でも賛否が分かれる議論を呼び起こす。結局は「無題」というタイトルに落ち着くも、ジャケは十分に刺激的。ムチ打たれた跡が「N」の字を示している。中身の収録曲を見るとズバリ「N.I.G.G.E.R.」って名前の曲があったりもする。
●内容というと、相変わらず密度の濃いスキルフルなフロウがストイックに聴こえるんだけど、トラックや客演に注目すると素敵にキャッチーだったりもするのですよ。女性シンガー KERI HILSON を召喚した「HERO」や、やはり女性シンガーのサビが響く「AMERICA」が特に歌心たっぷり。CHRIS BROWN が華を添える「MAKE THE WORLD GO ROUND」には THE GAME も参戦。ヒップホップユニット DEAD PREZ のビートメーカー STIC.MAN 制作の楽曲もクール。もはや仲良し SALAAM REMI MARK RONSON がきっちりビンテージ風味の良い仕事。
●このアルバムがリリースされた2008年は何の年かご存知?バラク・オバマ大統領当選の年なのですよ。「BLACK PRESIDENT」という曲のサビフレーズに「YES WE CAN CHANGE THE WORLD」という言葉が響く。そんな時でも「N」の字は重たい意味を持っていたんだね。そこから時間が経って、別の大統領が誕生したのが今月の出来事。さて、これからのアメリカと世界はどうなることやら。



ノマド中学三年生の卒論が仕上がった。
●テーマは「原子力発電の未来」。おいおいデカイテーマを選びやがったな。そんなビッグイシューはボクなら手が出せない。先生からはドコカに取材に行くように、というアドバイスもあったものだから、8月にはボクとノマド二人で大洗にある「日本原子力研究開発機構・大洗研究開発センター」まで見学にも行った(それはこちらのリンク記事へ)。
●ザックリの結論をいうと「さらなる技術革新で、原子力発電を安全に運用できるようにする」。ふーん。

●原発事故以前、そして以後にもよく持ち出された「原子力発電のコスト単価は火力発電よりも安い」というロジックに関しては、ノマドは検証を通じて批判/反論している。設備投資+設備廃止コストで、LNG火力発電所と原子力発電所で比較すると、1kW単位で26万円以上も原発はコストが高い。燃料費コストでは、為替レートの変動を見込むとほとんど変わらない程度。そして廃棄物処理コストに関しては原発は「底なし」。最終処分場建築には3.7兆円がかかるとされてるが、最終処分場候補地も処分方法すら決められていないという意味で正確なコストは全く見積もれない。この手の施設はフィンランドのオンカロ、アメリカのユッカマウンテンが有名だが、アメリカ・オバマ政権は、このユッカマウンテンの建設計画を放棄してる…あの広い国土を持つアメリカでも最終処分を持て余すのか。
●ただし、温室効果ガス排出による地球温暖化のリスクの方が影響が大きい、これがノマドの見立て。どんな影響が今後の地球環境にもたらされるのか?これこそリスクとコストが全く見積もれない。温室効果ガスの排出量を削減するには原子力発電に依存するしかない。火力発電を原子力発電に全て置き換えると二酸化炭素排出量は年間5000億トン、日本の排出量の30%の削減が可能だそうな。
●そして、大洗の研究施設では「もんじゅ」のような高速増殖炉とは別タイプの新型原子炉の研究が進んでいた。日本独自の工学技術を生かしたモノだ。こうした技術革新の可能性はまだ残されている。これを発展させていくしかない。

●まーボク個人とノマドの見解は違うが、自分が生きていく時代に対してノマド自身が自分の姿勢を自分で見つけることは意味があると思うのですよ。なかなか頑張ったんじゃないのかな。

●ボクもノマドに付き合って、色々と本を読んだよ。特に内容が濃かったのは、吉岡斉「新版・原子力の社会史 その日本的展開」という本だ。日本の原子力開発の通史を、戦中の原爆開発から2011年の311まで網羅している。むしろ逆に言えば、原子力の開発史を、政治・行政・研究・経済など広い視点で俯瞰してる本はおそらく他に存在しない。大変勉強になった。
高速増殖炉「もんじゅ」廃炉に地元・福井県が反対するとか、東芝がアメリカの原発技術子会社の投資失敗で数千億円の赤字計上が見込まれるとか、マジで原発マネーは引くも進むも地獄道。そのヘゲモニー争いが泥臭く詳細に綴られている。こりゃ大変でウンザリ。アメリカの原発技術子会社はかつてその技術を東芝にライセンスしてた立場だったのに、いつの間にかライセンシーに買収されちゃってたのね。

吉岡斉「新版・原子力の社会史 その日本的展開」


●ノマドの次の課題は、あるアーティストの作風を研究して、その作家が描くであろう作品を自分で考えて描け、ってお題。ホント変な学校だなー。
●学校側は、モネとかセザンヌとかを想定してるっぽいけど、ボクはアンディ・ウォーホルとかバスキアを薦めたんだ。しかしヤツが関心を持ったのはなんと村上隆「これ、サマーウォーズの仮想世界 OZ じゃないか!」あ、そっちから入るのね。最近の DOB くんシリーズは「寄生獣」タッチでもあるしね。確かに縁があるなオマエと。面白そうだからガンバレよー。

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●しかし、こんなアニメに夢中になってるのを見ると心配になる。「幼女戦記」
MXテレビのヘンなアニメにしっかり引っかかるのがノマドだ。しかしコイツはひときわ奇妙だ。9歳少女がヒロインというロリコン気味な設定だとか、20世紀前半のドイツっぽい世界観が欅坂46みたいにカジュアルナチスになりそうで心配だったりとか、異世界とか魔法とか無神論とか奇妙なモチーフが詰め込まれて色々と渋滞してる気配が微妙すぎる。ノマド、マジでお前大丈夫か?
●ということで、監視の意味も含めてボクも見る。おいおい結局一緒に楽しむのかよ。


●ちょっと前に読んだ書籍についても、メモ的に報告しておこう。
アメリカを軸に、異文化コミュニケーション。

ドナルド・B・クレイビル「アーミッシュの謎 宗教・社会・生活」

ドナルド・B・クレイビル「アーミッシュの謎 宗教・社会・生活」1996年
●イスラム文化圏の勉強をアレコレしてる中で、ふと考えたコトが一つ。ボクのような信仰のない者は、自然科学的世界観を客観的/普遍的な世界認識の基準と思い込んでる。一方、結果としてイスラム文化圏では必ずしもそうではない、神や預言者の言葉が自然科学的世界観の上位にあるのが普通だったりもする。さて、イスラム文化圏だけでなく、他の社会でも宗教的世界観が自然科学的世界観の上位に位置する文化があるのじゃないか?…と思ったら、あった。アメリカのアーミッシュだ。キリスト教プロテスタントの一派で、18〜19世紀水準の技術を維持して現代文明の恩恵を拒否して暮らす人々だ。彼らはある意味で完璧に原理主義者なので、教会すら持たない。集落の成員の中で儀式を全て賄う。アメリカ人にとっても不思議な集団なので、彼らの暮らす集落は観光名所になったりしてる。
●ただ、彼らは現代文明を全否定しているわけじゃない。集落全体の合議をもって独自のルールで何をどう取り込むのかキチンと定めてる。もちろん今だに自動車はご法度で馬車しか使わないし、公衆電話しか使わないし、高等教育も受けてはいけない。でも、自転車の利用を緩和してスクーターはアリになった。鉄道やバスなどの公共交通機関はアリ。飛行機はダメ。細かくは説明できないが、これは彼らの信仰生活に有益か無益かで判断されてる。信仰こそ第一。でも秩序をもって彼らは外界と共存する。こんな人々の生活に、文化間ギャップの克服のヒントはないものかな。

「フランス人は10着しか服を持たない - パリで学んだ”暮らしの質”を高める秘訣」

ジェニファー・L・スコット「フランス人は10着しか服を持たない - パリで学んだ”暮らしの質”を高める秘訣」2014年
●一時期話題本として本屋さんに平積みされてたこの本、古本屋で100円だったから買って読んでみたよ。いやー衝撃の内容だった。フランス人がスゴイんじゃない。フランス人を見て驚いているアメリカ人がスゴイのですよ。
●著者の女性は、アメリカの物質主義に異を唱えるブロガーからエッセイストになった人物。でも彼女のヨーロッパ経験って大学時代にパリへ留学したというだけのもんで、あとは旦那さんがイギリス人だからチョイチョイ欧州旅行の経験が多いだけって話。なのにドヤ顔でヨーロッパ文化のシックな優雅さを語るスタンスがすでにスゴイ。
●フランス人に肥満が少ないのは街をテクテク歩くから。階段を使うから。自分で掃除も炊事もするから。一方のアメリカ人はジョギングするために自動車に乗ってスポーツジムまで通いそこのマシンの上で走る。おいおい明らかにアメリカ人のライフスタイルが不気味すぎるだけじゃないか!家の目の前の道を走れない歩けない社会なんて!こんな感じにドヤ顔のアドバイスがイチイチスゴイ。歩きながらモノを食べない。アメリカは歩き食いが普通なのか!著者自身ですら、小腹が空いたのでプレッツェルを食べながら買い物をしたい誘惑にかられる。そこを必死でこらえて「レディらしく」フードコートで座って食べたと自慢。なんかアメリカ人が不気味に見えてきたー。



さてさて、それではまた激安で買ったゴスペルレコードのお時間だ。
●たくさんあるからキチンと聴いていかないとね。
                                          
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PENNSYLVANIA STATE CHIOR C.O.G.I.C. INT'L.「HE'S READY WILLING AND ABLE - RECORDED LIVE」1976年
千葉 DROPS RECORDS で買った激安ゴスペル、無名の皆さんのパフォーマンスをホッコリした気分で聴いてます。今日は、アーミッシュが多く住んでいるペンシルバニア州の音源。レーベルはやっぱり SAVOY。ジャケも実に無造作でますますイイ感じ。ソロイストがちゃんとクレジットされてるけど、先日紹介したシカゴのクワイアよりもコーラス隊がグッと前に出てくる印象。クレジットをよくみると、バンドはドラムとオルガン、ピアノだけなのね。あとは全部人間の声。素晴らしい人間の力と豊かさがあるよこの音楽には。
●ヨーロッパかぶれのブロガーさんより、慎ましいアーミッシュの人や、教会で真摯に歌を神様に捧げてるこのクワイアの人たちの方が優雅な生活をしてるような気がする。決して裕福じゃないかもしれないけど。





●動画つけとこ。NAS feat. KERI HILSON「HERO」。
●プロデュースは、POLOW DA DON。





今期のドラマ、ナニゲに気になるモノが多い。

キムタクの新ドラマ TBS 「A LIFE 〜愛しき人よ〜」をアプリ TVer で見てる。
SMAP 関係はしばらくゴシップばっかだったけど、さあさあ、本業で見せつけてくれよー。
●初回は、浅野忠信が手堅くマッドだったコトの方が印象だったけど。

藤子・F・不二雄原作「スーパーサラリーマン佐江内氏」、演出・福田雄一がテレ東から日テレへ進出。
ムロツヨシ、佐藤二朗などなどオフザケ仲間を引き連れ、キチンと悪ノリ。
●そこに堤真一、キョンキョン、ぱるるが本気で乗っかって、悪ノリ増幅を期待。
●すでに初回から賀来賢人は真剣に悪ノリモード。彼が気になるなー。

●NHK大河「おんな城主・直虎」もモチロン気になる。
●が、主演の柴咲コウがまだ出てこないから、まだ評価できないよ。子役さんはとっても頑張ってる。

●「東京タラレバ娘」、原作比較で見るのは酷と思いつつも、チト違和感が!
●アレは30歳代女子の人生崖っぷちヒリヒリ感を、紙ヤスリでザリザリ摩擦するようなイタイタしさがキモなのに、吉高由里子/榮倉奈々/大島優子トリオのリア充感がハンパなくて全然イタく見えない。惜しい…。でも見るけどね。

●朝ドラ「べっぴんさん」実にローテンションだけど、悪くない。
●全然盛り上がらない気配のままの後半戦だけど、主演の芳根京子ちゃんの丁寧な演技はイイ。
ももいろクローバーZ・百田夏菜子も出演中。この二人は映画「幕が上がる」で共演してたんだね。あの映画好きだ。黒木華がイイ仕事してる作品。
●このドラマ、現在主人公たちは随分と年を重ねて、もう子供達が高校生になっちゃった。ストーリーにおいては、おそらく1960年あたりの設定ヒロインの娘がナイトクラブでジャズドラマーに一目惚れしちゃう。うーむ、なぜこの時代はドラマーに関心が集まったのだろう?石原裕次郎「嵐を呼ぶ男」1957年だって「おいらはドラマー」でしょ。不思議だ。


●ということで、ドラム関係の昭和音源を聴くのだ。

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ジミー竹内とザ・エキサイターズ「ドラム・ドラム・ドラム/さすらい人の子守唄」1970年頃?
●ドラマの時代設定、1960年頃からは10年くらいズレちゃうんだけど、ドラマーがバンドマスターを務めるレコードを。この「ドラム・ドラム・ドラム」はシリーズとして何枚も同名のLPレコードが出されてるみたい。当時流行った歌謡曲や洋楽ポップスをインスト楽曲にアレンジ、このジミー竹内という人物が率いるジャズバンドがカバーするというコンセプト。WIKIによるとこのジミー氏、1948年から活動、「戦後の日本ジャズ界を代表するドラマー」と呼ばれる存在とな。この「ドラム・ドラム・ドラム」シリーズそのものは1967年から1980年まで続いたというから立派なモンです。
●で実際に聴いてみると、確かにドラムがスゴイんですわ。メロディは決定的に昭和歌謡で、それをフルートやギター、オルガンなどが代わる代わるなぞっていくのですが、それをハイスピードで推進してるのはタイトでジャストなドラム。正確すぎて最初は地味に聴こえるんですが、ヘッドホンで聴いてみると結構な手数を繰り出して奔放にリズムを飾り付けていく。原曲が奥村チヨだったり由紀さおりだったりいしだあゆみだったりピンキーとキラーズだったりしてるんですが、構わず叩きまくる。THE ZOMBIES「TIME OF THE SEASON」、ミュージカル「ヘア」のヒット曲「AQUARIUS」のカバーがボクにとっては耳馴染みがよくてナイス。THE BEATLES「GET BACK」を完全に自分のモノにしてドラムソロを延々展開するトコロもヨシ!
●そして、誰もが気になると思いますが、ジャケがムダにエロいトコロも素晴らしい。栃木・宇都宮のオリオン通りにある SNOKEY RECORDS というお店で購入。日光観光の帰りに立ち寄ったんだっけ。宇都宮名物のギョーザも食べたよ。

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ジミー竹内とザ・エキサイターズ「ドラム・ドラム・ドラム/手紙」1970年頃?
●これもムダにジャケがエロいねーエマニエル夫人かよー。こちらは、カバー対象がボクの知らない昭和歌謡がメインで正直乗り切れない。藤圭子=宇多田ママ「夢は夜ひらく」くらいしか分からない。SIMON & GARFUNKEL「コンドルは飛んで行く」の高速カバーにややビックリ。
●こっちのレコードのインナーには、ジミー竹内のバンド遍歴が書いてあって面白い。原信夫とシャープ・エンド・フラッツ、長尾正士とブルーコーツ、鈴木章治とリズム・エース、河辺公一とオール・スター・ジャイアンツ、ジミー竹内とファイブ・スターズ、平岡精二クインテット、渡辺晋とシックス・ジョーズ。なんだか昭和の味が沁み出てくる名前。みんな1950年代のバンドみたいだね。ロック以前、グループサウンズ以前の感覚。
●最後のバンドに名前が見える渡辺晋氏は、芸能プロダクション・渡辺プロダクションの創業者。彼の作ったナベプロ傘下にワタナベエンター(ネプチューン、ホンジャマカ、中山秀征)、トップコート(杏、松坂桃李、菅田将暉)、イザワオフィス(ザ・ドリフターズ)がある。このグループは現在も日本の芸能界に大きな影響力をもつ…戦後の音楽業界〜興行業界がそのまま現在の芸能界ビジネスの勢力関係に直結してるんだな。ちなみに初期ナベプロのトップスター、ザ・ピーナッツ渡辺晋に紹介したのがジミー竹内その人だと、WIKIには書いてある。

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石川晶とザ・カウント・バッファロー「ロックン・ロール・リバイバル」1970年頃?
●こちらも同じ時期のアルバムみたい…今日はどの音源にもクレジットにリリース年月日がないんだよね。こちらはドラマー石川晶を中心に、テナーサックス、トランペット、バリトンサックスがフロントに立つジャズバンド。ギターの存在感も強くてよりファンキー。そんな連中が、1950年代〜60年代初頭のロックンロールをカバーする。ELVIS PRESLEY「JAILHOUSE ROCK」「HOUND DOG」に始まり、CHUCK BERRY、PAUL ANKA、GENE VINCENT などなどをカバー。なんだか見事にジャズロックで、ジャケが示すようにゴーゴーダンスに最適化されてる。ことこの石川晶という人物は当時にしてケニアへ音楽修行に行ったほどの人物で、そのリズム〜グルーヴ感は最先端だったらしい。

ここで、1950年代の日本を想像して見る。ジミー竹内石川晶もほぼ同世代の1930年代生まれ。戦中に少年時代を過ごし、戦後から活動を始めてる。彼らがキャリアを起こした1950年代、日本は交流が断絶してた欧米文化を一気に再輸入してた。ロックンロール登場以前であった当時の最新モードはモダンジャズ。この瞬間初めて日本の大衆社会は黒人由来のリズムミュージックに遭遇する。戦前/戦中の日本大衆音楽でこれほどリズム〜グルーヴにアクセントを置いたモノがあっただろうか?(ココで戦前/戦中の大衆音楽への勉強が必要と痛感)もしこの新しいリズム〜グルーヴ感がセンセーショナルなインパクトを与えたとするならば、そのコア部分を担う楽器はドラムであり、ドラマーこそが最先端の才能ということになる。戦中の軍楽隊マーチバンドでは、打楽器は大太鼓小太鼓などなど分担制だったのに、ジャズドラマーはたくさんの打楽器を自分の周囲に積み上げて一人で全部を演奏する。PA設備が未熟な時代では多分ドラムが一番デカイ音を出す。これはカッコイイね!石原裕次郎が演じるにふさわしいね!朝ドラの登場人物もドラマーに惚れちゃうね!
●今では、打ち込み機材に代替されちゃうほどの存在になってるドラマー。SEKAI NO OWARI にドラマーいないじゃん!いきものがかりにドラマーいないじゃん!もしいたとしても奥まった場所にいて目立ちません。そんな今の価値観から見ると、ドラマーが光り輝いている状況が理解しづらい。でも、想像力で見方を補ってみたら、ある時代ではヒーローになり得たということが理解できるかも!

BEAT STARS

ビート・スターズ(編曲:中島安敏)「君だけに愛を」1968年頃?
●今までのレコードがLPだったのに対し、これは7インチ。でも33RPMで6曲収録。下北沢ケージのフリーマーケットにて100円で購入。当時全盛だったグループサウンズのヒット曲をインストカバーしたもの。このバンドこそ正体が全くわからんけど、ジャズバンドというより、エレキギターとオルガンを前面に出した THE VENTURES っぽいバンドのイメージ。タイガーズ、ゴールデン・カップス、ブルーコメッツなどなどをカバー。スパイダース「バンバンバン」とかもやってます。まさにグループサウンズ・ブーム真っ盛り。レッツ・ゴーゴーダンス!
●現代なら既存楽曲をダンスフロア仕様に再構成するならリミックスという手段がポピュラー。2000年代はエイベックス浜崎あゆみ楽曲をトランスにリミックスして売ってたし、つい先日は宇多田ヒカル「光」 PUMPEE リミックスが ITUNEストアで全世界2位というチャート記録を達成した。だけど、当時はこうした楽曲の改変は、手練れのテクニカルなミュージシャンにカバーさせるほか手段がなかったのかも。
●バンド名より前気味にクレジットされてた中島安敏という人物は、エミー・ジャクソン「涙の太陽」の作曲家。コイツは英詞曲で洋楽のように見えるけど、湯川れい子作詞、日英クオーターの女性をシンガーにしてリリースした擬似洋楽。でも、デンデケデケデケなサーフロックギターとソウルフルなボーカルがカッコイイっす。

「discogs.com」ってサイト、今までも音源情報アーカイブとして重宝してたけど、日本のこんなジャズバンドまで網羅しててビックリしたわ。どれだけマニアックなんだろう。それでもビート・スターズはよくワカランかった。




●ラノベ読書。

「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件75

七月隆文「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
●息子ノマド中学三年生はスゴイスピードでラノベを読む。「レシートさえ持って来れば全部換金するので、本はいくらでも買って読んでイイ」という我が家の読書奨励ルールを利用して、平気で8000円分くらいラノベ買ってきて即座に読んでしまう(←さすがにキツくなってきた)。そんなノマドが珍しく映画化で話題になってるラブストーリーを買ってきたから、ボクも読んでみた。略して「ぼく明日」ホンノリSF設定ベースで、ボーイミーツガール。これ「君の名は。」と同じ構造だな。確かにたった一日、通勤電車の中で全部読めた…ラノベってマンガと同じ感覚なんだな。
●お前、なんでこんなリア充テイストな本を買ったんだ?とノマドに質問したら、同じ作者の「俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた」という作品を読んでるからであって、まさか同じ作者でこんなリア充内容は予想してなかったとのこと。ノマド…お前自身の非リアさ加減もかなり心配な領域になってきたな。このシリーズ11巻も続いてて、主人公は11巻分拉致られっぱなしだそうな。

●その他の読書。結構前に読んだ本も含めて。

山室恭子「大江戸商い白書 - 数量分析が解き明かす商人の真実」
波瑠さん主演の朝ドラ「あさが来た」は幕末から大正時代を舞台に、女性起業家の先駆けを担った女性を快活に描いたモノだった。モデルは三井物産の祖先、豪商・三井家の流れを組む人物。でも江戸時代の商人って本当はどんな存在だったの?と疑問に思って読んだ本。これによると、三井家のような創業数百年の老舗とかいう存在は激レアで、血縁相続は一割、一商店の存続期間は15年程度でしかなかったという。
●しかも、その分析方法が鮮やかで、知的パズルを解くような面白さがある。「江戸商家・商人名データ総覧」全7巻という文献をソースに、ここに記載されてる7万件超のデータを操作して、同一人物の特定とその人物の動向を時代の流れの中で把握するという緻密な作業。その他色々な研究で、「本所三笠町の伊勢屋熊吉さん」といったミクロな存在の、商売のやり方、店のたたみ方まであぶり出すことに成功してる。土地に縛られた農民や家に縛られた武士に比べ、江戸庶民は気楽に商売を起こしたり、それを人に譲ったりしてたみたい。ダイナミックな町の賑わいが匂ってくる。

浅生鴨「アグニオン」
●お堅いイメージを覆す柔らかテイストで話題を呼んだツイッターアカウント「NHK_PR1号」の中の人が、独立して小説家デビュー。感情を調整することで秩序を管理する未来社会を描くSF長編。心療内科のクスリで日常的にアレコレを調整してるボク自身には、なかなか微妙な内容だったりもして。

小熊英二・姜尚中 編「在日一世の記憶」
日韓関係がまた激しくこんがらがった状況にため息をつく。日本も韓国も歴史歴史というけれど、どっちも単純化が著しい気がする。この本で聞き取りに協力してくれた在日コリアン一世50人余の、個別事情は多様で複雑。なぜ日本に来なければならなかったのか、なぜ日本に残らなければならなかったのか、どうやって戦後社会を生き抜いてきたのか、全て生き方が違うし考え方も違う。祖国や日本との距離感も違う。ステロタイプから抜け出すリアリティが欲しい。



●週末金曜日の飲み会では、大学生スタッフ(インターン的なもの?)の若人たちと話ができてメッチャ面白かった。
●ウチの会社でインターンして、テレビ局の雑務バイトまでしてるんだから、いわゆる「意識高い」系なのかな。
●もう一人は新卒の会社を一年で退社してフリーのカメラマンをしてる若者。注目のウェブ媒体の仕事を受けてるから内情を色々聴いちゃったりして。
いつもツルンでるスタッフと愚痴をボヤくより、彼らの今の関心を追っかけてく方が面白い。
●今、ナニ聴いているの?ナンの本が面白いの?映画ナニ見た?すげーいっぱい教えてもらってウレシい。
●年末の台北旅行でディグした音源の面白さを語ったら、韓国の最先端のクリエイターを教えてくれたよ。
●そんで、お決まりは、帰りの地下鉄乗ってるあたりで彼らから facebook 申請が来るってこと。気軽なもんだよねーボク彼らとの年齢差2倍だよ。モチロン承認、もうオトモダチだよ。
●あーもっと人と会いたいな。と、思えた楽しい夜でした。

●元来シャイな性分だから、飲み会に行く前は緊張でブルーになるほど。職場の同僚の会でもそう思う。
●いつもワイフには言ってしまう。「今日は飲み会だけど、早く切り上げて来るよ」。
●でも、ハマったら朝まで帰らない。あ、昨日は学生さんが相手だから終電で帰ったよ。


●彼ら「YouTube 世代」(20歳代前半)の、音楽コンテンツへのスーパーフラットな距離感覚はやっぱスゴイね。
●話題は SUCHMOS から出発して、ニューシティホップス文脈からのはっぴいえんど=ティンパンアレー=YMOの系譜へのアーカイブ参照、そしてこの系譜の当事者による現行プロジェクトMETAFIVE がイケてると。同時に SUCHMOS のファンクテイストから D'ANGELO のようなニュークラッシックソウル、JAMIROQUAI をはじめとしたアシッドジャズ、そして STEVIE WONDER といった70年代ソウルまでを、YouTube 関連動画自動再生フローで、時代も地理も越境してコンテンツを容易に接続し理解する感覚。
●スマホのリスニング履歴を見せてもらえば、椎名林檎(東京事変)から BLUR、KULA SHAKER、SQUAREPUSHERのような90年代アクト、ネットレーベル MALTINE 系/ TREKKIE TRAX 系の現在進行形シーン、おまけに80年代の CHICAGO まで網羅してた!90年代アクトをすごく重要視してるのはビックリ。だって RED HOT CHILLI PEPPERS RAGE AGAINST THE MACHINE も好きだって言うんだよ。つまりはボクがキミら学生くんと同い年だった時に登場した連中だよ。それを今現在のエッジーな音楽とほぼ並列、というか現在の音楽よりも90年代音楽を重視して楽しんでるのがビックリ。そして、90年代育ちのボクとしてはそれがなんだか嬉しい。



「YouTubeがもたらしたフラット感覚」「90年代渋谷系状況のフラット感覚」の共通点。
YouTube が Google の傘下になったのが2006年。ここから全世界的サービスに発展していったとすれば、20歳代の彼らは小学生の頃からこのサービスに親しんでる。無料で全世界の動画/音楽を視聴できるのがデフォルトの世代感覚。ネットに溢れかえったアーカイブは、音楽から地理/時代/文脈によるバリアを剥ぎ取って、全てを均質に陳列した。
●しかし、実はこれと似た現象が90年代初頭「渋谷系」状況の中で起こっていたことは、もうちょっと評価されてもいいとボクは思っている。注目すべきは、あの時代に起こった音楽流通に対する2つのインパクト

(1)アナログレコードからCDへのメディア転換。:CDというメディア自体が登場したのは82年、CDとアナログのシェアが逆転したのが86年。この時、リスナー側に何が起こったかというと、CD以前の旧カタログも最新の新音源も、ニューメディアに衣替えして均質にピカピカの新製品としてお店に登場したということだ。この段階で、時代/地理上のバリアは無化されて音源の距離感はフラットになった。当時を知る人間としては、新譜であった THE STONE ROSES のファーストアルバム1989年と、THE BEATLES「SGT. PEPPERS LONELY HEART CLUB BAND」1967年は、等しくピカピカの新製品で、全く同じ鮮度で受け止められるものだった。

(2)外資系CDショップの上陸。1990年、英国系CDショップの MHV が渋谷に第一号店をオープンした。タワーレコードはすでにマニア向けのお店として渋谷に店舗を持ってた…タワーは一号店がなぜか札幌で1980年オープン。ここで何が起こっていたか。バリアを取り払われた新製品CDたちが、大型面積の店舗の中でABC順の秩序でレファレンス可能になったのだ。それこそまるで図書館のように。これが一層フラット感覚を促進させた。それ以前は個人経営の小さい規模のレコード屋さんが、売れ筋の歌謡曲に偏重するようなアナログ在庫を展開してただけ。しかも外資系だけに輸入盤がドッサリ入荷される。新譜入荷のタイムラグが国内外で縮まったことと、CD単価が下がったことは、ユーザーとしては激しく嬉しいことだった。

●当然、こうした流通革命は、一気に進んだものではなくて、地域偏差があった。
●極端に言えば、この特殊環境が「渋谷」でのみ整備されたから、「渋谷系」と言う言葉ができたのではないか。
タワーレコードは現在全国津々浦々のモールに点在しているが、当初は渋谷をはじめとした都心の一部でしか享受できないサービスだった。その意味で「渋谷系」渋谷という地名に結び付けられるハイブロウな都市文化だった。インターネット環境のように全国均一で享受できる文化体験ではなかった。さらに加えて、このリファレンス感覚を駆使した新型クリエイターや、そんな彼らに注目するバイヤーによって、90年代渋谷界隈はレコ屋やクラブの集積地帯に変貌。渋谷=都心を中央とした序列/レア盤を持つ持たないという序列が生まれて、どこかスノビズムすら漂う状況も醸していく。



「購入〜所有」から「体験〜参加」へ。ユーザーとしてのコンテンツに対するコミットのエビデンス。
「全てがフリー(無料)」という YouTube のフラット感覚は、学生くん当事者も「ちょっとした歪さは感じますよね」との感想は持っていた。「課金」という手続きは今も昔も重たいステップだから、そこをスキップするやましさがないわけではないようだ…彼は Apple Music という課金サービスを利用はしてたね。でも、何に「課金」するのか?という意味では、ここで「YouTube世代」「90年代渋谷系世代」違いが浮き立つ。そんな気がする。

「90年代渋谷系世代」はコレクター文化だった。DJという職業がミュージシャンと同格の地位を与えられ、彼らの選曲のセンスと選曲ソースになるアーカイブ所有が、演奏と同じだけの価値を持った。ホットな音源を物理的に所有することに価値があった。つまりコンテンツに対して深くコミットした(コミットできる)というエビデンスが、とりもなおさず「購入〜所有」という行為だった。そしてこのオールドスクールな思考から、今なおボクは自由になってない。
「YouTube世代」である彼ら若者にとって、「購入〜所有」という行為では、コンテンツに対して深くコミットしたエビデンスが担保できない。なぜなら、万民がスマホ検索一発でそのコンテンツに到達し、課金もなく瞬時に消費することができてしまうからだ。「音楽好き」と名乗るためには、それ以上のエビデンスが必要だ。彼らとの会話で普通に多く出てきた話題は、2013年のフジロックは良かった/今年は年越しライブに行った/中目黒のクラブが面白い/友人の彼氏がネットで話題のグループでDJしている/早稲田松竹で〇〇という映画を見た、などなど直接体験に紐づく要素だった。彼らにとっては「体験〜参加」の履歴こそが、コンテンツへのコミットの深みを証明するのだ。こここそ「課金」しがいのある局面だよね。
●つまりね。「モノ消費」から「コト消費」へのスライドが、ここにあったわけよ。

●ぶっちゃけ、自動車なんて動けばいいし、持ってなくてもいい。自動車の「購入〜所有」が彼らのアイデンディティを的確に証明する行為に結びつかなければ、それはコストに釣り合わない。強いて言えば、自動車に乗ってダレとドコに行ったか、という履歴の内容こそに価値があるだろう。アノ女ノ子とフジロックに行った、の方が重要な履歴のような気がする。
●うって変わって、カメラは意外と興味深いアイテムかも。かつていたカメラ機器コレクターは絶滅気味だけど(ボクの祖父がすげーコレクターだった…30年前に死んじゃってるけどね)、そのカメラ所有という事実は、カメラを用いた自己表現を実践しているというエビデンスになる。今のSNS環境(facebook、instagram から tumblr まで)がカメラを駆使した自己表現の発表プラットフォームとして最適化されてるので、彼らの行為を効果的に顕在化するしね。まーこのカメラの画像撮影機能も、スマホが飲み込んでしまいましたが。


●全然関係ないけど、彼ら20歳代の中で、欅坂46乃木坂46はホットだそうな。48グループには一ミリも興味が持てなかったけど、欅坂46「サイレントマジョリティ」はヤバイと。コレはボクも同意見。良かった、ボクの感覚ずれてなかった。ウェーイ!ここでみんなでハイタッチ。


●さー音楽を聴こう。

SUCHMOS「THE BAY」

SUCHMOS「THE BAY」2015年
●さてさて、学生インターンくんたちとの会話で盛り上がったバンドを聴こう。SUCHMOS、6人組のファンクバンド。ただ一口にファンクといっても色々な味があるわけで…彼らのエンジンは確かにファンク駆動なんだけど、ビキビキするほどのタイトなジャスト感でグルーヴを引き締めるタイプじゃなくて…イイ意味でホドけているグルーヴ感が聴く側を上手くリラックスさせてくれるタイプ。無理に過熱しない雰囲気のキーボードや、色気のあるギターが、どこか都会の洗練を感じさせてくれる。そんな気分が、いわゆるニューシティポップスの文脈へこのバンドを結びつけるのかな。

JAMIROQUAI「SYNKRONIZED」

JAMIROQUAI「SYNKRONIZED」1999年
●学生インターンくんは SUCHMOS から JAMIROQUAI へ飛躍しちゃったそうな。ちゃんとアシッドジャズってキーワードも認識してたよ、1989年頃のバズワードなのにさ。一方オッサンであるボクは1992年のデビューシングル「WHEN DO YOU GONNA LEARN」をリアルタイムで買ってるよ。当時フジテレビの深夜でやってた音楽情報番組「BEAT UK」で何回も紹介されててね。セカンドの「TOO YOUNG TO DIE」も大好きだった。
●でもね、1999年段階にはすでにこのバンドに飽きちゃってて、実はこのCDは最近まで持ってなかったんだ。このアルバムの前作「TRAVELLING WITHOUT MOVING」とヒット曲「VIRTUAL INSANITY」でブレイクしきってしまって、もうこのバンドにスリルはないなーとか思って。だって芸風でいうとそんなにバリエーションはないでしょこの人たち。だから、ついこの前、108円で購入したばっか。シングル曲になった「CANNED HEAT」は確かに聴いたことあったし、改めてかっこいいなーなんて思ってる。

JAMIROQUAI「A FUNK ODYSSEY」

JAMIROQUAI「A FUNK ODYSSEY」2001年
●つーことで、こっちも聴いたことなかった音源。シングル「LITTLE L」は聴いたことあるなー。でもこのシングルが気に入らなかったんだよ、そうそう思い出した。ファンクがシンプルになり過ぎてきていて一本調子、メロディとかコード展開のスリルがない、もうフロントマンの JAY KAY の味だけで押してると思っちゃった。「LITTLE L」に関しては今でもその印象が変わらない。ディスコ濃度が高すぎるというか。
●と思ったら、「CORNER OF THE EARTH」のようなユニークなグルーヴを備えた曲もあるんだよね。フロアで楽しいダンスチューンじゃないけど、優しいボーカルとメロディ、色気のあるスキャットがナイス。ジャズ濃度が高いよ。

THE BRAND NEW HEAVIES「BROTHER SISTER」

THE BRAND NEW HEAVIES「BROTHER SISTER」1994年
●これも最近買ったヤツ。しかもすでに持ってるのに買い直した案件。輸入盤と国内盤では曲順や収録曲が違うと最近知ったんだ。国内盤だとね、MARIA MULDAUR 1973年のヒット曲「MIDNIGHT AT THE OASIS」のカバーが収録されてるんだ。なかなか MARIA MULDAUR のレコードに出会えないでいたモンで、代わりに彼らのカバーを聴こうとしたら、二枚買いさせられることになっちゃった。でももちろん満足だよ。気持ちのイイ R&B だからね。
●このアルバムは元から大好き。「DREAM ON DREAMER」とか素敵な曲があるからさ。位置付けとしては SWING OUT SISTER みたいなポップスに一番近いポジションだったから、アシッドジャズ勢全体から見ると評価低い気もするけど、他のアルバムじゃ実験的アプローチに攻めてる場面もあるしね。

土岐麻子「WEEKEND SHUFFLE」

土岐麻子「WEEKEND SHUFFLE」2006年
さて、日本のシティポップスの系譜に立ち戻ってみましょうか。彼女は後期「渋谷系」として登場したユニット CYMBALS のボーカルだった女性。CYMBALS は完全に PIZZICATO FIVE のエピゴーネン的存在で、さほどシーンに存在感を残せなかったが、ソロになった彼女は現在に至るまでシンガーとして実直に活動している。サックス奏者である実父・土岐英史氏の影響か、しっかりしたジャズプレイヤーに囲まれて、センスのいいポップス解釈とポップな歌唱で支持を集めてる。
●このアルバムは、そんな彼女が、 大瀧詠一、細野晴臣、山下達郎などなど70〜80年代まで遡るシティポップスの名曲を数々カバーしたもの。YMO「君に胸キュン。」 SUGAR BABE「DOWN TOWN」、吉田美奈子「夢で逢えたら」にメロメロ。山下達郎「土曜日の恋人」フジテレビの80年代傑作バラエティ「オレたちひょうきん族」のエンドテーマだった曲だし、たまらんわー。ケツメイシ「夏の思い出」も殊の外素晴らしいジャジーな出来栄えでグッド。
●彼女のような存在は、90年代渋谷系と10年代ニューシティポップスを中継しているような役割を果たしているのかな。ただ、その真ん中にある時代「00年代ってなんだったのか」となると、実はボクの中で説明する言葉があまり見つかってないんだ。色々なことがあり過ぎて、そしてそれが10年代に直結してるように見えてて、2000年以降のアレコレを区別整理できてない。

PIZZICATO FIVE「女性上位時代」

PIZZICATO FIVE「女性上位時代」1991年
●ここで本物の「渋谷系」に登場してもらいましょう。PIZZICATO FIVE!しかも三代目ボーカリスト・野宮真貴の加入時期のアルバムです。彼女の存在は時代にとって重要だった!情念みたいなものを全部を取っ払ってしまった無機質でフラットなボーカルが、彼女のバービー人形のようなルックスと相乗効果を醸して不思議な立場をこのバンドに与えた気がする。彼女が歌う恋愛も約束も告白も全部意味のないフィクションです、という開き直りが、絶妙に時代感を捕まえていた。
●DJがミュージシャンに昇格した「渋谷系」の価値観では、演奏技術の高さよりも、スタジオワークやサンプリングのセンス、つまり非ミュージシャン的な才覚の方が重要だということが当たり前になった。というか、野宮真貴というアイコンが時代をそのように変えたと言ってもいいと思う。これは、FLIPPER'S GUITAR が演奏家としてもボーカリストとしても未熟だったのと相似をなしている。意味深のように見えて意味なんてないし、そもそも必要ない、大事なのは雰囲気だから。彼ら PIZZICATO FIVE が表明した以下のような姿勢が新しかったのです。これはなんらかのソースから拝借したサンプルをコピー&ペーストしてアッサンブラージュしたものであります、パクリではありません、トリビュートです、その参照元/引用元も全てマルワカリにしております。どうぞみなさん、私たちがオススメする参照元/引用元も合わせて、その雰囲気をお楽しみください。これが「渋谷系」の時代を支配していた空気だったし、こうしたアティチュードを、モデルまたはマネキンとして体現し続けた野宮真貴は、まさに時代のヒロインだった。

PIZZCATO FIVE「COULPLES」

PIZZCATO FIVE「COULPLES」1987年
そんな PIZZICATO FIVE にもキャリア初期には苦労がありまして。CBSソニーからリリースされたこのアルバムが事実上のデビューアルバム。クラブミュージックを連想させる野宮真貴時代とは印象の違う、生演奏主体のアレンジが意外な感じ。
●彼らはこれ以前の1985年に、細野晴臣主宰のレーベル、NON-STANDARD から二枚のシングルをリリースしてる。つまり、土岐麻子がなぞった日本のシティポップスの系譜に実際直結している存在なわけです。しかし細野氏にとっては YMO 散開直後のプロジェクトであった NON-STADARD、その影響かこの頃の PIZZICATO打ち込み濃度の高いテクノポップだった。ただ、この細野晴臣/NON-STANDARDとの関係は長続きせず、1986年にはCBSソニーに移籍。新天地での活動は、それ以前の反動か、基本的にしっかりとした生楽器演奏にこだわって作られている。
そもそもバンドメンバーが違う。ボーカリストは佐々木麻美子という女性で、鴨宮諒というキーボーディストも在籍。小西康陽+高浪慶太郎というメインの布陣はその後も変わらなかったが、このアルバムのセールス不振を理由に、この佐々木+鴨宮両名はその後脱退。初代に代わり田島貴男(ORIGINAL LOVE)が二代目ボーカリストとして召喚される。まーフロントメンバーが男性になっちゃうのだから、いわば第二期ともいうべき田島貴男時代はかなり気分の違うバンドになりますわ。野宮真貴の登場は、さらなるレーベル移籍(日本コロンビア/TRIAD)の時の事件。田島貴男も自分のバンド ORIGINAL LOVE渋谷系文脈で見事ブレイクしちゃったもんね。

●ともかく、そんな黎明期/第1期の音源をちゃんと聴こうと思うと……なんか、とてもいい感じ。60〜70年代のソフトロックやフレンチポップス、はたまたボサノヴァのような甘いアレンジが実に愛らしい。優雅なストリングスに柔らかいホーンやハープまで駆使してる。佐々木麻美子さんのウィスパーボーカルに寄り添う高浪慶太郎の存在感ある歌唱もナイス。アイコンとしての磁力は野宮真貴にはかなわないが、このバンドが目指している「雰囲気の音楽」を演出するにはこの佐々木麻美子さんも劣るものではない。ただライブの能力に難があったと言われてますが。

●さて、ジャケを見てみると気になる言葉が。「COUPLS; PIZZICATO FIVE TAKES TWELVE NEW DIRECTIONS」。12ってのは収録曲12曲のことだろうけど、彼らは明確に「NEW DIRECTION」=「新しい方向性」を目指してたということ。これって渋谷系の重要な潮流「フリーソウル」とシンクロしてるんです。
橋本徹氏が何枚も繰り出したコンピシリーズ「FREE SOUL」の内ジャケには、必ず「THE NEW DIRECTION OF ALL AROUND SOUL MUSIC」という言葉が記されているのだ。「NEW DIRECTIONS」! 見事なシンクロ。この「COUPLES」はセールス的に失敗したとされているけど、あまりに方向性が新し過ぎた。当時にはまだ日本市場には存在しなかったソフトロック/フレンチポップス/ラウンジミュージック文脈をど真っ正面から提起したのだから。橋本徹氏も「FREE SOUL」では既存ソウルマニア/ジャズマニアから批判を受けたというのだから、メジャーアーティストとしてはかなりの困難があったに違いない。1987年はBOOWYを筆頭にバンドブーム全盛だからね…ロックじゃなきゃ理解不能。でも、結局この新しい文脈が「渋谷系」時代には支持されて彼らはスターダムを獲得する。



●あー。全く唐突の話だけど、とうとうiPadが死んだっぽい。コイツ初代だからな。もうダメかな。


●SUCHMOS「PACIFIC」。





●夜更けにゴスペルを聴くだけ。

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LUVONIA WHITTLEY AND THE CORINTHIAN TEMPLE CHURCH OF COD IN CHRIST RADIO CHOIR「SATURDAY NIGHT "LIVE" IN CHICAGO - GOING TO BE WITH THE LORD」1980年

●千葉駅前の DROP RECORDS で買ったゴスペルのLPレコードに針を落とす。一枚120円だったから、勢い余って12枚買っちゃったんだけど、やっぱ聴き切れる量じゃないわ。だから、時々、一枚づつ、少しづつ聴いてる。

ハッキリ言って、ドコのドチラサマ、なんて情報はないのですよ。とあるシカゴの教会の合唱団ってだけですよ。ジャケだって無造作な写真の貼り合わせってだけじゃないですか。録音だってそんなに良いわけじゃない。なのに、スゴくアグレッシブな歌が聴こえてくる。ホントに歌がうまいなあー。
●大勢のコーラスに支えられて、ソロイストが堂々とメインのボーカルを担う。決まった主役がいるってわけじゃなくて、曲ごとに別のソロイストが次々に登場してくる。アメリカには、こんな感じに歌が上手い人がゴロゴロいるのかー。そんで教会で毎週歌を歌ってるのかー。日常生活に歌があるってスゴイな。今はドラマ「GLEE」なんて見ちゃってるから、歌が上手い人に憧れちゃうよ。

●このレコードをリリースしてるのは SAVOY RECORDS。アメリカの老舗ジャズレーベルだ。お店でゴスペルレコード10枚以上を束で買うようなマネをしたのは、値段がクソ安いってだけの理由じゃないんです。おいおい、このレコードたち、みんな SAVOY のマークがついてるじゃないか!結構シッカリした内容なんじゃないか?!と予想したからなのです。そんでもって今のところその予想は裏切られてない。まだ全部聴いてないけど。とにかく楽しい。

●レコ屋の店員さんにはちゃんと質問したんですよ。なんでこんなに安い値段をつけてるんですか?って。そしたら「いやあの…オーナーがこの程度でいいだろうって…スイマセン!今度もっとゴスペル補充しておきます!」だって。いや別にスイマセンって話でもないんですけど。ただ、誰も見向きもしない音源をいきなり12枚買ってく変人には、どうリアクションしたらワカラナイという気持ちもわかります。ボク自身ですらオカシイと思うし、千葉からセッセと持ち帰るのがめっちゃ重たかったし!


●あとね、LPレコードのジャケットの中身の匂いを嗅ぐとね、アメリカの香りがする!レコードジャケットに鼻を突っ込むとね、少しだけカビ臭くて、そんでアメリカ特有の香りが嗅ぎとれるのですよ。比喩じゃなくてね。この匂いが好き。アメリカから取り寄せたCDの封筒や、洋書や洋雑誌からも同じ匂いがするよ。


●すいませんね、今日は内容もないし、意味がわかんないね。




●HULUで配信されてたAKBドラマ「キャバすか学園」が最終回を迎えた。

キャバすか学園

つーか「キャバすか学園」って…。
AKBメンバーがスケバンヤンキーに扮して武力抗争を繰り広げる「マジすか学園」もかなりムチャな設定でシビレルが、そのシリーズ第6弾がタイトル改めて「キャバすか学園」って!!ヤンキー軍団がいきなり全員で「キャバ嬢」に転身って設定がますますの悪ノリで爆笑!ボクはこのある意味ステバチな攻撃ぶりに、秋元康先生は乃木坂46に夢中すぎて AKB48 に関しては飽きちゃったのではないか、と思っちゃったね。ドラマとしてほとんど内容ないのも含めて。

●でもねー。この前海外ドラマ「GLEE」をブログで取り上げた時、「GLEE」ではある種のビザール感漂うアメリカンアイドル(BRITNEY SPEARS、MADONNA、LADY GAGA)に価値を見出してるみたいなコトを書いてて、ハッと気づいたのですわ。AKB48 も結成10年を超えて、成熟から爛熟の段階に入り、いわゆるビザール感を醸し出したのかと。ここでいうビザール=「BIZARRE」って、奇怪な、異様な、ヘンテコな、けったいな、グロテスクな、なんて意味のつもりで言ってますけど、夜の歓楽街に輝くキャバ嬢のヤリ過ぎなギラギラ感は、やっぱビザールですわ。しかも普段のアイドル稼業では見せてない、露出の激しい衣装(肩出し、足出し、背中出し、谷間出しアレコレ)が、なぜか意外なほど違和感ないのがますます面白くて。国民的アイドルグループとキャバ嬢の素晴らしい相性の良さ!
●ある意味のヨゴレに踏み込んで、ハードなヤンキー市場まで食い込む根性。止まらない止められない巨大化=肥大化の暴走ぶりが、ここに象徴されてる気がする。そこだけでもこのコンテンツ十分価値あるし、お酒飲めないしお金ないけどこのキャバクラの常連になりたいと思ったわ(←バカ)。

●事実上の顔役として長期政権になってきた指原莉乃のバラエティ戦闘能力の高さが、グループのイメージを変えてる感じもあるよね。彼女がレギュラーを務めるトークバラエティ「今夜くらべてみました」じゃ、チュート徳井&フット後藤という今キレキレの芸人を相手に全く引けを取らない存在感を発揮。彼女をカワイイと思ったコトないけど、頭の回転が早いバラエティ職人として素朴に敬意を表する。

AKB48「ハイテンション」

AKB48「ハイテンション」2016年
●このドラマの主題歌も聴きましたわ。劇中でも何度もかかるアゲアゲのダンスチューン。これがまた大味な作りでして。2016年のダンスものにするなら EDM みたいなギミック仕込んでもいいだろうに、そういうオシャレや時流は無視して80年代ハイエナジーの出来損ないみたいなアレンジを敢えて採用。MVでは久しぶりの歌舞伎町・ロボットレストランで踊ってたり、昨今漂う80年代再評価のバブル風味を入れて、極上のビザール感を盛り込んでおります。
●そもそもでコレ、島崎遥香 AKA ぱるるの卒業ソングなんだよね。「塩対応」と呼ばれたローテンションぶりで武名を馳せた彼女の最後に、秋元先生が贈るメッセージか。彼女までいなくなると、あとは誰が残るのか。世代交代問題だな。
●ドラマのキャストは、もう知らない子が多くて戸惑った。ここに次世代がいるのかな。向井地美音とか高橋朱里とか朝長美桜とか中井りかが注目なんですか?もうわからん。

AKB48「GREEN FLASH」

AKB48「GREEN FLASH」2015年
●このシングルの<TYPE-A>に「マジすか学園4」の主題歌「マジすか FIGHT !」が収録されてます。この辺から宮脇咲良をグループの中枢に置こうという動きがハッキリして来て、ドラマの主演を彼女が担ってるわけです。なんだか氣志團の劣化パロディのように聞こえる内容ですが、「マジすか」シリーズ外伝においてその後ホントに氣志團と共演するので初志貫徹です。格闘センス抜群のヤンキーより、使命感持って夜のキャバ・ハスリングに勤しむ宮脇咲良ちゃんの方がマシな気がするのが現在の感想ですが、いやいや彼女に関しては普通にアイドルしてるのが一番イイ。ビザール感ナシでイイです。
●表題曲「GREEN FLASH」にはほとんど関心なかったのですが、今聴くと、乃木坂から兼任出向してた生駒里奈ちゃんとか、今では卒業してしまった松井玲奈、川栄李奈、高橋みなみが普通にいて、たった一年でグループの中身は激変してるんだなと改めて思うのでありました。


●動画。
●「ハイテンション」。乃木坂のソニーなら作らない、キングレコードならではのプロダクションかと。



●「マジすか FIGHT !」。このスケバンスタイルをビザールと言わずして、なんというのですか。



●「キャパすか学園」予告。キャバ嬢っぷり、イイ感じにビザールです。





●TUMBLR 経由で、相互フォローしてる人から新年のメッセージが来た。
「! FELIZ 2017,ESTIMADO !」…ああ、気にしたコトなかったけどこの人、スペイン語圏の人だったんだ。いきなり知るとビックリするわ。


●外は寒いようなので、この休日は、家でアナログレコードに針を落とす。

KING TUBBY : VIVIAN JACKSON「KING TUBBY MEET VIVIAN JACKSON (YABBY YOU)」

KING TUBBY / VIVIAN JACKSON「KING TUBBY MEET VIVIAN JACKSON (YABBY YOU)」1977年
●こんなレコード持ってたんだ…買ったの忘れてた。どこで買ったんだっけ…金沢のレコード屋さんだったような…。部屋の整理をしたら出てきた、実に渋いルーツレゲエ。ジャマイカの PROPHET RECORDS ? ペラペラ気味のジャケ、そしてなんとA面B面のラベルが間違えて逆に貼られてる。ビックリするよ。
いやー、ドスの効いたレゲエだなあ。YABBY YOU こと VIVIAN JACKSON の低い声が、重心の低いグルーヴの上でゴロゴロ蠢いてる。ラスタマンのヴァイブスがスゴイよ。そしてダブもスゴイよ。ボーカルがいなくなったら、主役となって歌い出すのはベース。ブンブンとウネって雄弁な表情をハッキリさせるKING TUBBY は実直な仕事ぶりで、サウンドはアーシーかつシリアス。あ、娘ヒヨコが勝手に歌い出した…「ぶんちゃかぶんちゃかぶんちゃか…」天然中学二年生。
●クレジットを読むと、スタジオは、CHANNEL ONE JOE GIBBS STUDIO。確かに1970年代のルーツ系としては間違いない。エンジニアには JOE GIBBS の右腕だった ERROL THOMPSON の名前が。バックのミュージシャンには、SLY DUMBER、ROBBIE SHAKESPEAR、EARL CHINO SMITH、TOMMY MCCOOK とか。SLY & ROBBIE のコンビは一緒には演奏していない。この辺は JOE GIBBS のハコバン THE PROFFESIONALS CHANNEL ONE のハコバン THE REVOLUTIONARIES の関係者つーことか。
●LP裏ジャケの短いインタビューによると、YABBY は12歳で学校やめて釣りして暮らしてたそうな。ゲットーのシングルマザー家庭ではありがちなこと。だから曲名に「GO TO SCHOOL JAH JAH CHILDREN」という言葉があるのか。その後エアコンの仕事を覚えたりして、ミュージシャンになったとな。音楽のインスピレーションを得るのは、やっぱり釣りをしてる時なんだって。ただこのインタビュー、アイメ〜ン!とかジャマイカ訛りのパトワ英語をそのまま掲載してるから読みづらい!

R-「20TH CENTURY DEB-WISE」

DEB PLAYERS「20TH. CENTURY DEB-WISE」1978年
同時期のダブ系音源をもう一枚。これも金沢の同じ店で買ったんだと思う。レゲエシンガー DENNIS BROWN がイギリスに渡って立ち上げたレーベル DEB MUSIC からリリースされたモノ。プロデュースはもちろん DENNIS BROWN(でもボーカル曲は1つだけ)、ミックスは KING TUBBY に弟子入りしてた頃の PRINCE JAMMY。バンドの名義は DEB PLAYERS だけど、中身のミュージシャンには、SLY DUMBER、ROBBIE SHAKESPEAR、EARL CHINO SMITH などなど前述 YABBY YOU のアルバムとすごくカブってる。レゲエ業界だと、CEDRIC BROOKS(ホーン)という人や LLOYD PARKS(ベース/ギター) って人もよく見るかな。
●イギリスのレーベルとはいえ、結局生々しくジャマイカ産のワイルドなルーツサウンド。低い重心で這い回るグルーヴ。3拍目だけに鳴らされる強いスネアの一打、つまりワンドロップ奏法が、運命的な響きすら感じさせる。そこに露が滴るようなダブエコーがジットリとかぶさっている。80年代中盤にはダンスホールレゲエで革命を起こす PRINCE JAMMY もこの段階では堅実なダブ職人。歴史の流れで言えば、まずはクールなUKダブ〜ラヴァーズロックがこの後に続くんだろう。

MATERIAL「MEMORY SERVES」

MATERIAL「MEMORY SERVES」1981年
●打って変わって、お次は80年代ニューヨークのアンダーグラウンドジャズファンク。鬼才ベーシスト&プロデューサーとして名高い BILL LASWELL のバンドのファーストアルバムだ。へー、ヒップホップから前衛ジャズまで横断していく彼のキャリアの始まりってこんな感じなんだー。中核メンバーは、フランスのプログレバンド GONG(=DEAVID ALLEN)のバックバンド(=NEW YORK GONG)として結集した連中。そこに、ニューヨークに蠢いていた地下人脈が吸い寄せられていく。BILL の周辺は、JOHN ZORN、BRIAN ENO、FRED FRITH などなど濃ゆい連中ばっか。
ベースがうねる高速ファンクに、様々なプレイヤーが乗っかってフリーな演奏を展開する。コルネットをフリーキーに吹きまくってる OLU DARA という人物は、ラッパー NAS のお父さんじゃないか。彼をはじめ、ロフトジャス系の黒人ミュージシャンや MILES DAVIS のグループにいたような手練れが多数参加。そして英国プログレ出身の FRED FRITH のユニークなギタープレイがスゴイ。お、バイオリンも弾いているのか。カントリーフィドルみたいな演奏を披露してる BILLY BANG というヤツはジャズの枠に収まらず、サルサなんかもプレイするらしい。プロデューサーは MARTIN BISI という男。MATERIAL の影のメンバーと呼ばれ、その後 BILL LASWELL とともに歴史的名盤 HARBIE HANCOCK「ROCK IT」の制作に関わる。
●このアルバムをリリースした CELLULOID RECORDS という名前も覚えておいた方がいいかも。このあと BILL LASWELL がハウスプロデューサーを務めるレーベル。

THE HUMAN LEAGUE「TRAVELOGUE」

THE HUMAN LEAGUE「TRAVELOGUE」1980年
●この流れで、80年代インダストリアルの方面へ。これは THE HUMAN LEAGUE のセカンドアルバム。このバンドといえば大ヒット曲「DON'T YOU WANT ME」の大味なエレクトロディスコなイメージが強烈だけど、そのヒット以前では全然雰囲気が違うんですよ。すっごくダークで地味。
●というか、マジでバンドそのものの中身が違うんです。バンド創始者で音楽的主導権を握ってたシンセ奏者の二人 MARTYN WARE + IAN MARSH と、彼らがバンドに誘ったボーカリスト PHILIP ORKEY 今後の路線で対立。もっとポップに振りたいボーカルの意見が通って、結局、電子音楽純粋主義の創始者二人が脱退してしまう。もう一人のメンバー ADRIAN WRIGHT はビジュアル担当とかいう役目で楽器ができないので、バンドは実質上一度カラッポになるのですわ。そこから巻き直して「DON'T YOU WANT ME」の大ヒットをその後モノにするのだから大したモンだけど、純粋にダークな音楽を追求してた時代も、それはそれで価値がある。
●脱退した WARE + MARSH の二人組は、その後 HEAVEN 17 というバンドを結成する。そんな彼らが主導権を握ってた時期の THE HUMAN LEAGUE は、インダストリアルな情景を連想させる怪しいエレクトロサウンド。冷えたシンセの響きは、冬の寒さと相性がイイかも。「TOYOTA CITY」なんて曲もある。彼らの地元である工業都市シェフィールドと、愛知県豊田市はイメージがカブるのかな?静かな曲でシンセのフレーズにちょっぴりのオリエンタリズムが香る。シェフィールドといえば、同じインダストリアル系として CABARET VOLTAIRE もいるな。今度聴かないと。
●このアルバムからのヒットシングルは「BEING BOILD」という曲。強いシンセリフとハンドクラップ、ダークなボーカルが怪しい。この曲だけプロデューサーとして JOHN LECKIE が関与。この時代から JOHN LECKIE って活躍してんのか、はーさすが THE STONE ROSES を手がけた辣腕プロデューサー。
●このレコードを買った場所は覚えてる。江東区東陽町のレコ屋 DOWNTOWN RECORDS だ。免許更新の講習に行った帰りに立ち寄った。400円だったっけ。



1月成人式の連休は、横浜へ夫婦デート。
●年末の台湾旅行の流れを受けて、中華街で食べ放題ランチしてました。中華料理ってパワーが出るよね!仕事始めだってのに全然調子が出ないから、ガツガツ食べて栄養補給しました。
●そして、みなとみらい・横浜美術館へ。

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●あ、関係ないけど、美術館の奥に見えるオフィスビル「みなとみらいグランドセントラルタワー」、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のロケ地ね。聖地巡礼!横浜市は今積極的にテレビドラマの撮影を受け入れてるね。フィルムコミッションってヤツ?こうして場所のプレゼンスを向上させるって立派。

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「篠山紀信展 写真力 - THE PEOPLE BY KISHIN」@横浜美術館
●チケットをいただいたので、夫婦でコチラも行っちゃいました。ただ、なんか既視感ある内容だなーと思ってたら…ボク、これと全く同じ展示を2012年に東京オペラシティで見てるわ。このブログに書いてるモン(コチラの記事)。なんだ、おかしいなと思ったら納得だ。
●更新されてる部分は、最後のブロックで東日本大震災の被災者のポートレートを付け足したトコロだけだと思う。でもそれはイイモノだった。ガレキの残る荒野を背景に小学生の兄妹が立っている作品に、自分でも意外なほど心がユサぶられた。7歳の妹ちゃんが履いているクロックスがとてもリアルなんだ。普通にボクの娘も履くであろうクロックスを経由して、ボクらの生活と彼らの生活がそのまま地続きで連結してるコトを今更思い知る。気仙沼の27歳女性が手首に巻いている品の良いブレスレットがとてもオシャレで、すごくリアルなんだ。
巨大なプリントでデティールが異常に拡大されるコトで写真は確かに「力」を得る。スマホの画面に閉じ込めたママじゃ、伝わらないこと、ワカラナイことがある。

篠山紀信「アサヒカメラ増刊/ハイ!マリー」

篠山紀信「アサヒカメラ増刊/ハイ!マリー」
●美術館併設の「美術情報センター」という図書館に立ち寄ったら、篠山紀信さん関連の70年代の写真雑誌を閲覧することができた。この写真集は、日系のティーンモデルちゃんたち姉妹3人+10歳の弟くんを、彼らの暮らすハワイで撮影したものだ。ビーチで屈託なくノビノビと立ち振る舞う女の子たちの明るさが気持ちイイ。古雑誌のペラペラした紙質や印刷の感じが軽いのもイイね。他にも古雑誌はたくさんあって、むしろ展示そのものより新鮮な気持ちで楽しめた。
●ただ、大人のボクにはライトな表現でもお子様にはチト刺激的。やっぱヌード多いしさ。ボクの隣席でマックス・エルンストの宿題レポートを書いてた真面目な中学生くんが、ボクがニヤニヤしながら眺めてるオッパイの写真にギョッとした瞬間を見ちゃった。はーい、堕落したダメなオジサンが、少年の真面目な宿題を邪魔してまーす。





●わお!すごく嬉しい!
HULUで、「GLEE」最終シーズン(SEASON 6)の配信が始まった!

●言わずと知れた、海外「学園モノ」ドラマの傑作!しかもミュージカル仕立てで劇中にたくさんのポップ・ミュージックのカバーパフォーマンスが挿入される!キャストは厳選された若き実力派ばかりで、ゲスト共演者も含めメチャメチャ歌が上手い。「学園モノ」と「ミュージカル」は完全にワイフの趣味だが、ボクも完全にノまれた。このブログを遡ると、2012年から言及が始まってるね。「スクールカーストの現実と、個性の多様性の尊重」がテーマであるこのドラマにハマった頃は、ちょうどボクは息子ノマドの中学進学に悩んでた時期(当時の記事はコチラ:コロンバイン高校銃乱射事件にも関連づけて文章を書いてました)。一時期は「GLEE」のスマホゲームにまで夫婦でハマってたっけ(それはコチラの記事)。…なんか、ブログも10年以上書いてると、参照記事が色々出せるようになってきたな…。
しかし、このドラマの最終シーズンは配信されるまでジックリ待ってた。急いで見るにはDVDレンタルで十分できたけど、「GLEE」の仲間たちとお別れするのが惜しくて、ひとまず時間を置こうと。そこまでの入れ込みよう。ああ、最後は一話一話大切に見なくては。


「GLEE」の関連CDは、結局、24枚買っちゃったな。コンプリートまであと2枚か。
「GLEE」がキッカケで、新しい音楽世界に触れることができたよ!これも収穫。
●このブログでもたびたび紹介してきたけど、それでもまだその音源の半分に触れてない。というか、どれに触れたかワカンナクなってるほど。ダブって2回目の紹介になってたらゴメンなさい。でも紹介しないではおけない気持ちだ!

「Glee The Music CELEBRATING 100 EPISODES」

「GLEE: THE MUSIC, CELEBRATING 100 EPISODES」2014年
●このサントラは、シーズン1から数えて100話目のお祝い記念だ。ちょうどシーズン5の中盤に当たる頃で、エピソードとしても100話をお祝いする内容になってた。その頃グリークラブの主要メンバーはほぼ高校を卒業してて、自分たちの夢を叶えるためにニューヨークに出てきている。シーズン4〜5は、地元オハイオ残留組とニューヨーク進出組を同時並行に描く内容になってたが、この100話と101話でオハイオ編はとうとう終了。ニューヨーク編に一本化される。みんな故郷を巣立ってしまうんだね。そんな場面。
●このCDの内容は、そんな100話の中からの代表曲を、リメイクする形でアップデートした楽曲で固められてる。もちろんボクの大好きな曲がいっぱい。MARK RONSON & AMY WINEHOUSE「VALERIE」カバーは特に好きだね!原曲よりもスピードアップされて独自の軽快さを備えている。スマホの音ゲーでも必死にこの曲と格闘したね。PHARRELL WILLIAM「HAPPY」もここでカバー。ホリー・ホリデイなるノーテンキな名前の先生として出演した GWYNETH PALTROW が久しぶりに出てきてセンターを務めてるよ。

「GLEE」の制作陣は本当に音楽文化に造詣が深い。おそらく中核のプロデューサーであり脚本も手がける RYAN MURPHY 氏の手腕によるものだと思う。選曲センスだけじゃなく、ストーリーや演出に楽曲をマッチさせる巧妙さがハンパない。ただ今はCDの話題なので、選曲部分でココでボク個人が特に刺激的と思ったのは主だって以下の3点。

(1)ブロードウェイ・ミュージカルへの造詣の深さ。
●この100回記念では、ミュージカル「ウィキッド」の代表曲「DEFYING GRAVITY」が収録されてる。ミュージカルはとんと苦手だったボクに、この手のジャンルへ手を出すキッカケになったね。ファンの誰もがそのくらいのインパクトを受けたのか、初出はシーズン1だったけど、好評につきもう一度シーズン5でリメイクと相成った。ヒロイン・レイチェルと、彼女の親友であるゲイ青年・カートの掛け合いが素晴らし過ぎる。ニューバージョンには黒人女性のメルセデスも参戦。こうした王道/古典のミュージカル楽曲を多く教えてもらったね。
●そしてそんな舞台文化への敬意が相思相愛の関係となったのか、ミュージカル「ウィキッド」の初演キャスト、KRISTIN CHENOWETH IDINA MENZEL の二人もドラマに重要な役としてゲスト出演してる。IDINA MENZEL 「アナ雪」で雪の女王・エルザを演じ、あの「LET IT GO」を歌った名女優ですよ!確か彼女、3月に武道館でコンサートやるよね。KRISTIN CHENOWETH は女優さんとしてはさらに格上なのか、ワリとチョイ役だと思ってたらその「GLEE」出演でエミー賞もらってたよ。

(2)80年代ポップスへの憧憬。
これは RYAN MURPHY 現在51歳の世代感覚なのか、80年代のポップスへの愛情がハンパない。現在43歳のボクは実は80年代音楽(特に洋楽)はリアタイ経験してなくて、実は勉強のつもりで遡って聴いている。元来の趣味趣向である90年代オルタナティブロックは80年代のアンチテーゼにある関係もあって、こと80年代ポップスにはザラつきすら感じてるのがボクの本性だ。でも「GLEE」の優れた翻案カバーによってその偏見を取り払うことが出来た。
●このアルバムでは BONNIE TYLER「TOTAL ECLIPSE OF THE HEART」のカバーが収録されてる。1983年のヒットバラードだ。本来なら聴けないし、買えない。自分で BONNIE TYLER のレコードを探してキャッシャーに持ってくイメージがわかない(わかな過ぎるから、わざとムリヤリやってみるか?)。でも、愛着あるシンガーが歌ってくれると、音楽の本質の美しさに気づくことができる。初出はシーズン1のレイチェル・バージョンだが、このアルバムだと前述の KRISTIN CHENOWETH 扮するエイプリルとグリー顧問のウィル先生のデュエットで収録。すげえイイ曲じゃん。
●もう一曲の80年代モノがシブい。「PARTY ALL THE TIME」はなんと EDDIE MURPHY の楽曲。映画俳優 EDDIE MURPHY が音楽活動してたってコト自体が初耳。WILL SMITH JAMIE FOXX っぽい感じか?しかもこのディスコダンサー、RICK JAMES の楽曲提供だぞ。知らねえ〜。あ、全米2位のヒット曲らしい。でもこれホント世代感覚でしょ。
●そして、このドラマのテーマに近しい存在、JOURNEY「DON'T STOP BELIEVIN'」がまた収録されてる。ズバリ80年代産業ロックって感じだけど、もうボクのフェイバリット。えーと、今回で4バージョン目になるのかな。

(3)リアルタイムのヒットソングを先取する感覚。
●デタラメにオールジャンルを聴いてるボクでも、さすがにアメリカンアイドルまでを全部キャッチアップするのはシンドイ。ゴシップネタ含めて話題のタレントってアメリカにも日本にもいるけど、アメリカのゴシップ事情までボクは知らないし。でも、そこは一流のテレビマンとして、世間の注目を浴びてる若きタレントを先取の感覚でピックアップしてる。
BRITNEY SPEARS のヒット曲「TOXIC」が収録されてる。ぶっちゃけ彼女はもうヨゴレタレントな感じしてるけど、それもコミで話題は集めるよね。ドラマでも彼女へのトリビュート回があって、一瞬だけ本人カメオ出演があった
P!NK もこのドラマお気に入りのアーティスト。ヨゴレじゃないけど、ただのポップスターと思ってた。やはりこれで認識変更。カバーされた「RAISE YOUR GLASS」は、シーズン2の初出においては敢えて男性グリーチーム・ウォブラーズ に歌わせてる…ウォブラーズ はゲイ含有率が高い設定で、女性楽曲のカバーをクールに決める連中だったな。このアルバムではエイプリルとウィル先生がメインを張る。

 WICKeD pink greatest

ORIGINAL CAST「WICKED」2003年
P!NK「GREATEST HITS... SO FAR !!!」2000〜2010年
「GLEE」にインスパイアされて、本家の音源もいっぱい買って聴いてるんだよ。さすがに「WICKED」はミュージカル本編を観てないから意味わかんないんだけどね。P!NK は他に「F**KN' PERFECT」という曲がカバーされてる。カート&ブレインのゲイカップルによるデュエットラブソング。このドラマを通じてゲイカップルのあり方を普通に受け止めちゃうようになってる自分に、今振り返るとビックリする。このドラマでは LBGT の様々なバリエーションが出てきて、当たり前のように彼らなりの恋愛を謳歌するんだよ。


「GLEE」音源を(1)ミュージカル(2)80年代(3)リアタイポップスの先取、の3点で総チェックしてみよう。

Glee The Music Vol2

「GLEE: THE MUSIC, VOLUME 2」2009年
●さあ、いきなり初期音源まで立ち戻ってみたぞ。シーズン1の二枚目サントラだ。
(1)ミュージカルの部分で言えば、BARBRA STREISAND が重要だ。ドラマのヒロイン・レイチェルはユダヤ系で、黒髪で鼻筋が野暮ったくてチビで自意識過剰でファッションセンスもズレてる。スクールカーストの頂点であるところのアメリカンな金髪慧眼女子とは縁遠い。そんな彼女が劇中何度も何度も憧れの人物として名前を出すのが、レイチェルと同じユダヤ系の特徴的外見でありながらショービズの世界で大成功したこの人物 BARBRA STREISAND だ。ここでは BARBRA の出世作になったミュージカル「ファニーガール」から「DON'T RAIN ON MY PARADE」をカバー。チャーミングで楽しくアレンジされてるから今やボクのお気に入り。だが、1964年のミュージカルでウキウキする現代女子高生ってフツーじゃないね。スクールカースト底辺だね。ウチの娘ヒヨコが「男はつらいよ」でウキウキするみたいなモンか…。
(2)80年代での聴きどころはイッパイ…。VAN HALEN の大ヒット曲「JUMP」の有名なシンセリフをグリーのコーラスワークで表現するトコロは最高にクール。CYNDI LAUPER「TRUE COLOR」も原曲と等しく素晴らしい。THE POLICE「DON'T STAND SO CLOSE TO ME」もたまらん。本来ならボクの趣味じゃない有名バラード曲、DIANA ROSS & LIONEL RICHIE「ENDLESS LOVE」も普通に聴けちゃってる。
(3)リアタイポップスの先取のポイントでは、スゴイ早い仕事が見て取れる。KELLY CLARKSON「MY LIFE WOULD SUCK WITHOUT YOU」を即座に採用してるトコロだ。この曲は2009年1月リリースの曲なのに、同じ年の放送でカバーしてCDにまでしてしまってる。KELLY CLARKSON はご存知「AMERICAN IDOL」の初代優勝者。そっか、「GLEE」「AMERICAN IDOL」は両方とも同じネットワーク FOX の番組なのか。

The Essential Barbra Streisand KELLY CLARKSON「STRONGER」

BARBRA STREISAND「THE ESSENTIAL BARBRA STREISAND」1962〜2001年
KELLY CLARKSON「STRONGER」2011年
BARBRAの芸歴はレコードデビューからカウントしても50年以上。まだボクのようなヒヨッコにはナニがなんだかわかりません。でも頑張って聴いてるんだよ!(←なんのために頑張ってるのかは、もはやボクにもよくわからない)一方、KELLY CLARKSON は今後「GLEE」お気に入りのアーティストになっていく。このアルバムからも別のシーズンで2曲カバーされるくらいだからね。「DARKSIDE」なぞはウォブラーズによる女声→男声変換カバーだったけど印象を変えない完璧ぶりだったよ。

Glee The Music Volume 3 Showstoppers

「GLEE: THE MUSIC, VOLUME 3 SHOWSTOPPERS」2010年
●シーズン1の4枚目のアルバム。「VOL.2」と「VOL.3」の間にはミニアルバム「THE POWER OF MADONNA」ってのがあって MADONNA ゲキ押ししてますわ。ちなみに「SHOWSTOPPER」とは、あまりの名演技で喝采を誘ってしまい、お芝居を止めてしまうほどの才能、を指す言葉らしい。英語の勉強でした。
(1)ミュージカル部門はどんどんプッシュされてるぞ。前述の KRISTIN CHENOWETH と IDINA MENZEL らバリバリの舞台女優がガンカンフィーチャーされてるからね。ミュージカル楽曲はいくつかあるけど注目すべきは「レ・ミゼラブル」の代表曲「I DREAMED A DREAM」でしょう。2012年の映画では ANNE HATHAWAY が歌い、日本では華原朋美「夢やぶれて」の邦題でカバー、そしてスコットランドの素人オバサン SUSAN BOYLE を一気に世界的有名人にした曲でもある。「GLEE」では、IDINA MENZEL 扮するシェルビーとヒロイン・レイチェルのデュエットとして披露。シェルビーはライバル校のグリー部コーチという関係でありながら、レイチェルと生き別れた実母であることがココで判明ブロードウェイを夢見て娘を養子に出した過去、しかし夢破れて今はその娘の前に立ちはだかる存在。なんと皮肉なことか。
●そして、お互いの存在をしっかり認識した母娘シェルビーとレイチェル。が、この関係は他人に知られてはならぬ。顔を合わせてもポーカーフェイスで。そのヤリトリを LADY GAGA「POKER FACE」をシンプルなピアノアレンジにして表現する。なんと素晴らしい演出だろう。(3)リアタイポップスの先取としては、このタイミングの LADY GAGA 抜擢はそれこそ目を見張るスピード感。2009年原曲のシングルリリースから一年置かずに、こうした高度な演出の場面に大胆アレンジで応用しちゃうんだもの。GAGA のナンバーはその後ドラマで度々大活躍。また「夢やぶれて」SUSAN BOYLE ブレイクだって2009年、これも一年置かずに取り込んだワケよ。一方、アメリカンアイドルとしては、ボク個人では初めて CHRISTINA AGUILERA の楽曲に触れた場面でもあった。「BEAUTIFUL」って曲。ドラマの筋にピッタリハマってた…。
(2)80年代の爆笑演出があった。OLIVIA NEWTON-JOHN「PHYSICAL」のプロモビデオを完全にパロディにして面白がってる!グリーの強敵・意地悪なスー先生と OLIVIA ご本人(還暦越え)が登場。これが細かいトコまでよく出来てるんですわ。ご本人出演はその後エスカレートして、シーズン1終盤の地区大会審査員として、OLIVIA 本人が本人役を演じちゃう。しかもこれがロクデモナイ審査員っぷりで最高に笑える。そうそう、JOSH GROBAN まで本人役で審査員してたな。それとマニアックな選曲としては MAN WITHOUT HAT「SAFETY DANCE」が秀逸。車椅子の少年アーティが妄想の中で立って踊りまくるという設定。原曲のショボすぎるテクノポップぶりを、そのショボさを残しつつ現代風にアレンジした技がナイス。

OLIVIA NEWTON-JOHN「40:40 〜 THE BEST SELECTION」 JOSH GROBAN「ILLUMINATION」

OLIVIA NEWTON-JOHN「40/40 〜 THE BEST SELECTION」1970〜1998年
JOSH GROBAN「ILLUMINATION」2010年
OLIVIA のベストは2枚組、芸歴40周年記念を40曲+ボートラで構成したアルバム。清楚な初期アイドル路線から1981年「PHYSICAL」エアロビお色気路線に転向したのは当時ホントに衝撃的だったみたい。アラフィフの先輩が「俺にとってフィジカルのオリビアこそがセックスシンボルだった」とまで語ってたから。同時期1980年に ELO と組んだ「XANADU」も好きだよ。JOSH GROBAN の方はドラマに対する音楽的貢献ゼロだけど存在感は笑えた。彼のようなクラシックオーケストラとのクロスオーバーって正直まだ楽しめないジャンル…秋川雅史「千の風になって」と同じ世界でしょ。ただこのアルバムは意外なことにプロデューサーが RICK RUBIN。へー。ヘヴィな音楽しかやらない人だと思ってた。


●やっと、シーズン2だよ。

Glee The Music Vol 4

「GLEE: THE MUSIC, VOLUME 4」2010年
●なんだかんだでこれが「GLEE」関連CDは8枚目。クリスマスアルバムとかミニアルバムが色々あるから、もう網羅するのが大変。スキップした音源はこのブログで既出なもんで割愛。ドラマは学年末の大会を終えて、心機一転新メンバーの募集から始まります。第一話、ニューヨークの全国大会を目指そうと全校生徒に呼びかける時の JAY-Z & ALICIA KEYS のNY讃歌「EMPIRE STATE OF MIND」パフォーマンスが大好きです。
(1)ミュージカル&(2)80年代要素は後退気味なんだけど、1987年の音楽満載映画「ダーティ・ダンシング」の主題歌「(I'VE HAD) THE TIME OF MY LIFE」が選曲されてる。コレがソコ行くか!という狙い目でナイス。映画「ゴースト」1990年で活躍した PATRICK SWAYZE の主演映画ですわ。この映画好きだったなー。ダンスが不謹慎とされてる保守的な60年代上流家庭で、ティーンの女の子がダンスに魅せられて行く様子が、この時代のR&Bに彩られて描かれる。コイツのサントラもおすすめです。
(3)リアタイポップスの先取として注目すべきは BRUNO MARS の採用だね。今やトップスターの彼がファーストアルバムをリリースしてブレイクしたのがこの放送と同じ2010年。このCDではそんな彼の楽曲を3曲も収録。「JUST THE WAY YOU ARE」は痛快なカバーだね。アメリカンアイドル方面では、BRITNEY SPEARS への思い入れをタップリ表明。MADONNA を召喚した「ME AGAINST THE MUSIC」をはじめとして3曲を収録。BRITNEY SPEARS MADONNA、LADY GAGA などなど、ある種のビザール感覚を備えたアイコンを「GLEE」は好物にしてる気がする。KATY PERRY もその路線かも。このCDでは「TEENAGE DREAM」をカバーしてるがドラマ全編通せば9回も取り上げてる。

BRUNO MARS「UNORTHODOX JUKEBOX」 KATY PERRY「PRISM」

BRUNO MARS「UNORTHODOX JUKEBOX」2012年
KATY PERRY「PRISM」2013年
●この二人はもはや全米を代表するポップスターになっちゃってるね。2014年のスーパーボウルのハーフタイムショーは BRUNO MARS が担当。翌2015年は KATY PERRY が担当。象徴的だと思うでしょ。BRUNO MARS JAMES BROWN を連想させるオーセンティックなR&Bショーを展開して、MJ すら消えた後の王道ソウルはオレが担うと宣言してるかのようだった。このアルバムタイトルは非オーソドックスだって話だけど、流行り廃りが激しいR&Bの世界で敢えて新奇なスタイルに依存せず、奇をてらうようなギミックを排除する姿勢は、王道を目指すポップネスだと思う。KATY のスーパーボウルはこのアルバムからのヒット曲「ROAR」が印象深かったな。歌詞の通り、巨大なトラの山車に乗っかって絶叫しまくってた。この曲は「GLEE」もカバー。「東の GAGA/西の KATY」みたいなポジション?「GLEE」では両者の対決をテーマにしてエピソードを作ってたよ。

「GLEE THE MUSIC LOVE SONG」 GLEE THE MUSIC DANCE PARTY

「GLEE: THE MUSIC, LOVE SONG」2010年
「GLEE: THE MUSIC, DANCE PARTY」2011年
●この二枚は、6曲だけ収録のミニアルバム。アメリカのスーパー大手「TARGET」だけで販売されたエクスクルーシブアイテムって位置付けで、結果日本での入手がメンドくさい。結局アメリカAMAZONで発注したんだけど、まーアマリモノを寄せ集めた感じでアリガタミが薄いです。実は日本盤でサントラを集めていれば、ボートラである程度網羅できる内容とか。ジャケの手抜き加減から事前にその気配は察知できたけど、それでもまずは聴く。
「LOVE SONG」の方は、なんと THE DOORS「HALLO, I LOVE YOU」からスタート。原曲のヘンテコ感をシッカリ表現して本当にヘンテコ。BRANDY & MONICA の同世代シンガー対決ソングだった「THE BOY IS MINE」は、女子メンバーのケンカソングとして使われてたっけ。
「DANCE PARTY」は、BRITNEY の傑作「I'M A SLAVE 4 U」から。THE NEPTUNES プロデュースの原曲も大好きだし、もちろん「GLEE」が直球でカバーしてくれたのも嬉しい。でもその他の曲は印象が薄くて。USHER「YEAH !」のカバーは、全国大会でチラッと出てきた他校のパフォーマンスだった。USHER の曲を女子が歌うのは新味だけど…やっぱアマリモノかな


●一旦、ここまでにしておきますね。果てしなくて、いつまでも終わらないから。


●さて、サントラCDを全て集めたとしても、ドラマ「GLEE」で歌われた膨大な楽曲は、網羅しきれないのです。しかし。
●今や、ITUNE で6シーズン全部の膨大な楽曲が全てダウンロード購入できるようになっております。1曲200円、1シーズンまるまる購入すれば100曲で1万円で割安とか。シーズン6まで全部ダウンロードすれば6万円?なんてコト考えてたら、ワイフに「DVD全巻買った方が安いし映像も付いてきてマシ、加えていえば、HULUで見られるんだから両方とも買わないでイイ」と諭された。至極真っ当な意見だ。でも将来、気になる曲は単品で買うよ。シーズン6は逆に配信のみでCDがないんだもん。


●「GLEE」は動画がアレコレあって楽しいから、この後に貼っとくね。
... 続きを読む

●あー仕事始めだよー。
●仕事したくないねー。


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●三が日最後は、一応、初詣にも行ったよ。
生まれて初めての葛飾柴又帝釈天だよ。
●30歳代までは1ミリも興味が持てなかった場所に、ふと目が行くようになったのは40歳を超えてオッサンになったから?うーん、おそらく好奇心の向きが自分に都合のいいテリトリーの中に留まり続けては自家中毒になってしまうので、自然とアウエーな領域に関心が移っていくんだろうな。歳をとったら渋い趣味に傾くのは、若い頃の趣味にちょいと飽和したからなんでしょうな。
●だから、今回の外出もワイフと二人の夫婦デート。コドモたちは好奇心の方向が手近な場所にたくさんあるからね。コドモら諸君は、まず自分の基礎になる文化的ルーツを形成してなさい。ソコがなきゃ、どこにもいけないし、何も始まらないよ。

IMG_5913.jpg(柴又駅前・寅さん像)

葛飾柴又帝釈天といえば、やっぱり「フーテンの寅さん」でしょうね。
●もうこれこそ1ミリも縁がないわー。子供の頃、なんかの同時上演で見なくちゃいけなくて、でも意味わからないから爆睡したのを覚えてる。台湾・九份に出向いて、ロケ地としてこの場所を有名にした映画「悲情城市」をこの観光客の何%が見てるんだろ?なんて、すげー上から目線なコト考えてたんだけど、今回ボクは「男はつらいよ」見たコトないのに柴又来てるって訳で、上から見下ろされるダメ客だわなー。
●せっかくなんで、門前商店街の「とらや」というお店で昼飯食べる。たまたま入ったお店だったけど、「男はつらいよ」第一作〜第四作で寅さんの実家ロケ地に使われてた場所だった。「焼き草だんご」がめっちゃ美味しかったし、「とら特製味噌ラーメン」ていうのも美味しかった。台湾旅行直後、やっとホッとできる日本の味覚に出会った気持ち。

動画配信 HULU では「男はつらいよ」がアーカイブされてる。
●さすがに本編ガツガツ見るヒマはないけど、予告編だけ見てみても実に新鮮だわ。テキ屋である寅次郎の口上が意味わかんないけど切れ味が良くて痛快。「四谷赤坂麹町、チャラチャラ流れるお茶の水、粋な姉ちゃん立ち小便、白く咲いたか百合の花、四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水臭いときやがった!」何コレ何コレ、昭和のテキ屋さんってこんなフレーズをフリースタイルで喋りながらセールスするの?昭和カルチャーの中に初めてヒップホップ的なグルーヴを見つけた気分だよー。
●それと、妹さくら役の倍賞千恵子さんが美人!1969年の映画第一作の時はすでにアラサーだったようですが、この当時の彼女、のちに声優を務める「ハウルの動く城」の主人公「ソフィー」にそっくり&ビックリ!宮崎駿さんが自作で倍賞千恵子さんをヒロインに抜擢したのは、「男はつらいよ」シリーズ48作の全てに出演して、嫁入り前からアラ還まで齢を重ねても芯がブレない彼女の様子を全部見てたからなのかも。呪いによって少女と老婆を往復するヒロイン「ソフィー」は、約30年もの歳月の間、「さくら」というキャラクターに一貫性を与えてきた彼女の技能なくしては演じられなかった気がする。


●さて、ボクの好奇心は、別に懐古的な昭和カルチャーに向かってるだけじゃなくて。
●未知の土地のポップカルチャーにも、ビンビンにアンテナが反応している。
冬休みに遊びに行った台湾で、たっぷり買ったCDを毎日楽しんで聴いている!



台湾ミクスチャー・ヒップホップがスゴすぎる!

Kou Chou Ching 拷秋勤

拷秋勤(KOU CHOU CHING)「發生了什麼事 ? (WHAT'S HAPPENING ?)」2012年
●えー、年末で台北三泊四日の旅行に行って現地のCDをたくさん買ってきたんですけど、どれもド肝を抜くユニークネスでアタマが混乱してます。こんなに豊作な収穫になるとは!台湾おそるべし!
●その中でも、抜群のユニークさを見せつけてくれるのがこのバンド(?)かと。複数ラッパーと楽器演奏メンバーの5人組。ヒップホップを軸にしながら、サンプルネタに伝統音楽や伝統楽器をふんだんに盛り込んで、完全に台湾独自のミクスチャーサウンドを作り出してる。イントロ&アウトロで中国琵琶のおじいちゃん演奏家をフィーチャー。SUBLIME のようなアメリカ西海岸のレゲエミクスチャー風のファンクネスを参照しつつも、中国伝統楽器〜チャルメラのような笛、琴、太鼓などなどをアザといほど駆使して、オリエンタルなアクセントを楽曲全体に振りまく。そこに中国語ラップの不思議なフロウが絡むと、もう異次元の領域に突入。スゴい。
●しかも、ゲストMCや客演シンガーなどを含めて、様々な声がどんどんマイクをリレーしていく。単純に中国語ってだけで耳に新鮮なのに、ラッパーごとに確かな個性がそのフロウにピカピカ光っていて、スリリングすぎる。しかもこのラップにさらにヒトクセ仕掛けがあって、北京語(標準語)/台湾語/客家語(台湾人のルーツ・中国福建省方面の言語)そして英語までを使い分けてるとな。もうその辺の区別なんてボクには全然ワカランけど、彼らバンド自身が、台湾の歴史が持つ多重的なルーツにすごく自覚的だ、ということは間違いない。
●ジャケ画像をわざわざデカく貼り付けてみたのは、台湾特有の特殊判型なCDパッケージであることをイメージしてみたいから。このCDパッケージは、普通のCDよりもかなりデカくて、ちょうど7インチEPレコードと同じくらいの大きさなのだ。…でもベラベラとジャケットをめくってみても、抽象的なグラフィティアートが続くだけで、クレジットも曲名やリリックの記載もない。なんじゃこりゃ?

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●と思ったら、専用アプリ「AR! KOU」を IPHONE に仕込んでスマホ越しでのぞくことで、このグラフィティからARが立ち上がる!…なんて手が込んでるんだ…。なんだか色々なもんが出てくるぞ。いきなり表ジャケをのぞくと、世界各地の大新聞のロゴが流れてくる。映写機とスクリーンが出てくるページをタップすると、彼らのYOUTUBEチャンネルへ。戦車がゴロゴロ登場するページでは、バンドメンバーと思しき人影をタップすると戦車が爆発。メガネの男性の写真が出てくるページでは、二人の人名が出てくるのでタップしてみると、この人物の WIKIページへ。なんと台湾の民主化と表現の自由のために1989年に抗議の焼身自殺を遂げた運動家なのでした。もー君達すごくシリアスだよー。
BUBBLE-B という人物が一曲でリミックスを担当してるけど、この人はナードコア系の日本人クリエイターさんとのこと。MYSPACE経由で仲良くなっちゃったらしい。ナードコア系の気分は全然なくて、むしろシックでジャジーな仕上がり、中華歌謡な女性ボーカルのサビが妖しくメロウに響いてかなりの美味。
●なんだか、このアルバム一枚だけで、たくさんのレイヤーからモノを問われてるぞ。ヒップホップというフォーマットを独自の形で内在化・ローカライズする方法、言語的アイデンティティの多重性、伝統音楽/伝統楽器への軽妙なアプローチ、ARアプリまで駆使したジャケットの特殊演出、そこで政治的メッセージまで含ませる信条。これ、今の日本のアーティストで網羅できてる人いるのかなあ。


●台湾ヒップホップ/レゲエ、奥が深すぎる…。

大支「硬」

大支(DWAGIE)「硬」2016年
「大支」というステージネームを「ドゥアギー」と発音するのは、北京語ではなく台湾語なのだという。彼は台湾ヒップホップの開祖的存在。同時に台北ではなく南部の都市・台南をレペゼンする男でもある。台湾の北京語化を推進してきた政治的中心地・台北よりも、そこから離れた、台湾語が日常レベルで色濃く残る地方都市で台湾ヒップホップは生まれたというワケだ。ローカルのスタイルを大事にしろ、それがヒップホップのリアリティだ。台湾には台湾語のリアルがある。
●そんでアルバムタイトルが「硬」文字通り、ハードコア過ぎる。ラップのスキルは超一流で超高速。密度の濃いラップを緻密にトラックへ注ぎ込む。これってスゴイ情報量じゃないか?漢字を用いて高効率に情報圧縮する中国語、漢文の授業で教わった「五言絶句」はたった20文字で全ての詩情を盛り込んじゃうんだよ。なのに16分音符も駆使してラップされたら「五言絶句」の情報量はたった2小節程度でこなしちゃう計算。その超絶技巧にひたすら戦慄する。
●加えて、トラックが実にハードコア。ヒップホップはダンスミュージックであるはずだが、彼のトラックはストイックに研ぎ澄まされた結果、ダンス要素がすっごく薄まってる。重苦しいビートと不穏なアトモスフィア、必要最低限ギリギリまで削ぎ落とされた音の数、フックラインやサビフレーズにも甘さがない。ただひたすら彼のラップに意識を集中させる構造で、息が詰まりそう。強いていえば、00年代のクランクやスナップの系譜につながるスタイルかも。アブストラクト系のアングラヒップホップのダークさと同じと解釈もできる。でもファンクネスがあまりに薄い…中華文化圏においてはファンクネスは重要じゃないのかな。ある意味で目からウロコの衝撃。

HCC「TAYAL SQUAD」

HCC「TAYAL SQUAD」2016年
●こちらのヒップホップグループは、ある意味直球でアメリカ・サウス系のバウンスビート/クランク・スナップのマナーを踏襲してる。どこかスカスカしたチープなビート感覚が完全にサウス系気分であり、その隙間に匂うルードなファンク感が病み付きになる。チープなシンセフレーズも、ある意味でギャングスタラップの気分。そこに、やっぱりユニークで高密度高速度なフロウとマイクリレーが絡みついて、奇妙な楽しさに思わず腰が動く。
●でも、ココで終わらないのがスゴイところ。調べてみると、彼ら4人組は台湾の先住民族の一つ、タイヤル族の血脈を受け継いでおり、そのタイヤル族の言葉を交えてラップしているという。あーだからアルバムタイトルが「タイヤル・スクワッド」か(ちなみに、HCCHSINCHU CITY=新竹市の意、台湾北西部の都市で彼らの地元)。客演シンガーの丁繼という人物はパイワン族の出身だとか。台湾ヒップホップは、先住民族の文化をレペゼンするフォーマットにもなっているのか。
●説明を付け加えると、漢民族が大陸から移住してくる前から台湾には先住民族が独自の文化を育んでいた。17世紀以降、漢民族の移住が進んで同化が進むが、それでも現在16の民族グループが存在する。しかし人口は全体で54万人程度。小さいグループではもう数百人しかいないらしい。沖縄でウチナーグチが、北海道でアイヌ語が廃れてしまっているように、少数民族となった彼らの言語も話者が減ってしまっているそうな。あえてそんな言葉でラップするって素晴らしいね。…それと、彼ら先住民族は台湾で「原住民/原住民族」と呼ばれてる…日本人の感覚だとなんかザラつく言葉と思ったけど、これは清代〜日本統治時代から続く蔑称を当事者自身が長年の努力で追放して勝ち得た呼称だ。1997年制定の「アイヌ新法」以前は「北海道旧土人保護法」なんて法律が堂々と残ってたことを連想させる。
●いやー、台湾の歴史や社会の仕組み、知らないことばっかりだなー。勉強しなくっちゃ。

東南美 Vu Vu Reggae

MATZKA「東南美 VU VU REGGAE」2015年
●こちらは、先住民族メンバー4人による、ルーツレゲエバンド。ヒップホップといい、レゲエといい、そのフォーマットの強度に感嘆します。レゲエはカリブ海/ジャマイカの生まれだというのに、太平洋諸国にも広く伝播してる。今までボクが旅行してきた国/地域の中では、ハワイ、フィジー、そしてオキナワ〜日本と、ホント様々な土地で愛されてる。そしてここ台湾でも愛されてるなんて。みんな島の子供、海の子供。
●バンド名にもなってるボーカリスト・MATZKA の声はワイルドな扇動力があるけど、女性ボーカルを伴う時はとてもピースフル。そして大味な人力バンドグルーヴがザックリとしてダイナミック。時としてゴリゴリしたギターでミクスチャーロック濃度も上がる。
●ブックレット歌詞を見ると、漢字の歌詞とアルファベット表記の歌詞が入り混じってる。先住民族の言葉は中国語とは別系統の言語なので漢字に置き換えずアルファベットで表記するのだ。MATZKA というバンド名/ボーカルの名前も「族名」と呼ばれる、先住民族としての名前だそうな。なんと、先住民の人々は、漢民族風の名前と先住民族の名前「族名」の二つを使い分けて暮らすのか!ちなみにバンドのギタリストは MATZKA と同じパイヤン族で、族名は SAKINU PAVAVALJUNG というそうな…え、発音は??……えーと WIKI をさまよって知ったんだけど、かつて日本の芸能界で活躍してた美少女ビビアン・スータイヤル族出身で、漢民族風の名前では「徐若瑄」となるけど、タイヤル族の族名では「BIDAI SYULAN」というそうな。
●なんだか思った以上に、「台湾人」であるということは、アイデンティティの持ちようが複雑であることが、だんだん分かってきた気がする。国家としては中国全土に主権主張する立場を貫く「中国人」なのに、しゃべる言葉は「北京語/台湾語/客家語/先住民族諸語」と分裂しており、民族的ルーツも様々、同じ漢民族でも「本省人/外省人」つまり日本統治時代から台湾にいた人々と、大戦後に大陸から逃れてきた人々の間にもギャップがある。予想以上に込み入った社会なのだな。
●ちなみにこれも変則大型判型のパッケージサイズだったので、大きめに画像を貼ってみた。しかし、あんまりジャケの大きさで得をする演出はなかったなー。



●ということで、全然知識が追いつかなくて、音楽の理解に不自由しそうなので。
●取り急ぎ、吉祥寺・ジュンク堂「台湾の歴史」って本を買ってきた。なんだか古代から現代史まで網羅する台湾の通史って思ったほど本が少ない。だから3000円もする本を買うしかなかったよ。
●と思ったら、その少ない理由がいきなり説明されてもうビックリ!一言で言えば「台湾の歴史研究」は1990年代までタブーだったのだ!著者の言葉によれば「台湾人が台湾の歴史を学べなかった歴史は100年にも及ぶ」とのこと。だが、その詳細はまた別の機会に。



●動画。拷秋勤(KOU CHOU CHING)「電光影戲夢(Taiwan Movies)」



●すげえユニークネスに震える。そしてMV出演のメガネ女子、カワイイ。



2017年に突入してしまいましたね。あけおめです。
息子ノマド15歳が、あけおめツイートを年越しの瞬間に発信してました。リプももらってたみたいだけど、誰だかワカラナイみたい。中学生の息子がそんなネット社交術を獲得してる状況とかに、加速する時代のスピードを感じてワクワクする。そのスピードにボク自身がキャッチアップできるかどうかは微妙だけどね。


年が明けても、誰も読まない、意味もない文章を、ダラダラ書くスタンスは変わりませんよ!


●我が家の大晦日は「ガキの使い」なので紅白はノーチェック。欅坂46桐谷健太の勇姿やなどなどはスルーしちゃったよ。ワイフはテレ東「東急ジルベスターコンサート」生中継を見たがってたけど却下。
●そう言えば去年の大晦日は、チケットを取って夫婦で「ジルベスター」@オーチャードホールを生で見てたんだっけ。あの時は、伝説的ダンサー・シルヴィ・ギエムの引退公演ということもあってすごく価値のあるコンサートだった。ベジャールの「ボレロ」をハイボルテージで踊る女王。手のひらの動きだけで観衆を圧倒させる舞台の支配力を体感した。

●一方、年末年始モードでテレビがクソつまらないと、息子娘が配信で最近見てたのは、アニメ「東京喰種」&「東京喰種√A」。そのままの勢いで「東京喰種 Re:」の原作マンガへシフト。レンタルしてきたからお休み中にマトメ読みしよう。
マーティン・スコセッシ+ミック・ジャガーがエクゼクティブプロデューサーを務める海外ドラマ「VINYL」もすごく気になってる。70年代のレコードビジネスのドロドロを、ミック監修の音楽をバックにコッテリ描く内容。ただコッテリ過ぎて第一話しか見られてない。でも、これサントラ聴くだけでもスゲー上がる気がする。
●あーあと CHINA AIRLINE の機内で映画「スーサイド・スクワッド」を見たんだったっけ。あれはスーパーマンやバットマンと同じ世界観(DC COMICS系統)にある作品なのね。へー。ウィル・スミスはやっぱり強かったよ。

●スマホゲーム「スーパーマリオラン」、全然ノれない楽しめない。息子ノマド曰くソーシャルの評判もよくないとのこと。「ポケモン」も飽きた。


今年の目標は「少しCDを買う量を減らす」。
●去年は100円コーナー中心に、コレマジで聴くのか?って買い物までしちゃってた。そして一枚一枚の音源をじっくり聴けてなかった。2016年にやらかしてしまった無駄な買い物をジックリ賞味していくことを優先したい。
●そして、もっとコンテンポラリーな音楽にアプローチしていきたいって気分かな。もう現在のシーンとかワカンナクなっちゃってるので。とはいえ興味は時代も地理もジャンルも超えて拡散してるので、そこも躊躇せず勉強していきたい。SPOTIFY を駆使するのも検討しよう。

それと、もう一つの目標は「もっと街に出る」。
●最近は、出不精体質により磨きがかかって休日はドロドロ引きこもり状態。体力が落ちてるのも大きな要因。体力問題に何らかの対策を立てて、週末だけでなく平日の夜も活用できる機動力を持ちたい。その機動力をフラフラ一人歩きに使うのか、自己啓発に使うのか、人と会って遊ぶのか、それは成り行きで考えようかな。「街」に引っかかっちゃったのは、マキヒロチ「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」を読んじゃった影響かも。もっと色々な街を知りたいな。


●新年明けて、最初に聴いた音源は。

SILVETTI : CANDIDO「SPRING RAIN : JINGO」

SILVETTI / CANDIDO「SPRING RAIN / JINGO」1979年
●コンテンポラリーな音楽を聴きたいと言った瞬間に、やっぱり過去音源かよ、という有様。下北沢ディスクユニオン大晦日の15%オフセールに吸い寄せられて購入。368円。これはイイ買い物でしょ!そもそも SALSOUL の名曲がこんなCDシングルみたいな形態でリリースされてるってのが初めて知った事実。基本12インチアナログになっちゃうところなのに!
●しかも、SILVETTI「SPRING RAIN」ですよ!もう知ってる方にはテッパンの音源ですよね。電気グルーヴの名曲「SHANGRI-LA」1997年がこの曲のストリングスアレンジをガッツリ大ネタ使いしたエピソードは有名過ぎますわ。もうこの原曲聴いてても電気グルーヴのカラオケトラックみたいに聴こえちゃう。そのくらいまんまです。
●この SILVETTI という人物。実はアルゼンチン・ブエノスアイレス郊外出身。スペイン・バルセロナで音楽活動してる1975年にこの曲を制作。それがなぜか70年代アメリカの名門レーベル SALSOUL から翌年にリリースされることになり、世界中のディスコチャートで注目を浴びる。ほんで時を空け、90年代東京/「SUBURBIA SUITE」BY 橋本徹氏近辺で再評価され、砂原良徳の提案で電気グルーヴがサンプルするに至る。
●あともう一つ注目は、このミックスが TOM MOULTON によるものだってこと。70年代のディスコシーンではその名が強力なブランドとして作用するほどのミキサー。彼の功績に注目したコンピを SOUL JAZZ RECORDS が編纂してるくらい。ここも楽しい。いやー年をまたいでイイ買い物からスタートできたよー。

●あ、旅行で買った台湾音源もすごく面白がって聴いてます。たまたま年明け一発目がこの SILVETTI だったまでで。


●音源。SILVETTI「SPRING RAIN」。




●ご参考まで。電気グルーヴ「SHANGRI-LA」。シングルVERSIONとはまた違ったライブアレンジ。