●天然の愛娘ヒヨコ中学3年生、「オールウェイズ、ベンピーー!」と声高らかに叫びながらトイレから出てくる。不発の模様


オシャレさんとフリマアプリ。
●同僚のオシャレさん、Sくん。いつもカラフルでフレッシュなシャツを着てるけど、ローテーションが多彩で同じ着回しが全然ない。若い人はファッションにお金をかけるんだなーと思ってたら、ヒミツがあった。「シャツを買った瞬間から、すぐにスマホアプリでフリマに出しちゃうんです。で、イイ条件が揃ったらすぐ売って、次の服を買うんです。」なるほどー!賢い!

「プロ野球選手名鑑」を買った。
●野球の知識は全くのスッテンテンだが、業務の事情でアタマに入れなくちゃいけない。

「プロ野球選手名鑑」 

●うー、しかし選手の名前と顔が全然アタマに入ってこない。
●先輩は「プロ野球はおっさんのAKBみたいなもんだ」と言った。全国のおっさんに勝った負けたの「物語」を供給して、酒のツマミに、アイツはダメだ、アイツはイケるとウダウダ言えるようにする構造。なるほど確かにそれはアイドルと同じだ。総選挙でワチャワチャするのと同じじゃないか。同じユニフォームものと思えば欅坂46と同じじゃないか。

●なのに。同じユニフォームものなのに、欅坂46の女の子の顔は識別できるのに、巨人の選手は全員同じに見える。なぜだ?ダメじゃないか!構造は同じなのに。個人的に言えば、ケヤキはとりあえず渡邉理佐 AKA べりさ だな。それは今、関係ないか。

選手のデータが読解できない。「打球方向」とか「ゾーン別データ」とか「投球割合」とか、どう解釈すればイイのだ?しょうがないので、マンガ「グラゼニ」の方法で読んでみる。主人公・凡田は、選手名鑑の年収を暗記するマニアなのだ。そこで見てみると…スゴイ!2億〜3億稼ぐプレイヤーなんてゴロゴロいるのね。その一方で、一千万円以下もゴロゴロ。むしろ驚いたのはその格差っぷり。「育成」マークが付いている若手は290万円とか。同世代のサラリーマン年収より低いんじゃないか?選手寿命が短いと思えば、生涯年収でキツくなる人もいるんじゃないか?思ったよりビッグマネーを稼ぐ夢に直結してないんだね。同世代格差もスゴイなあ。坂本勇人(この人は目立つから知ってる)が3億5000万円稼ぐのに、彼と同じ29歳の乾真大というピッチャー(去年は一軍で二回しか投げてない)は950万円。20歳代で四桁寸前ならアリか?微妙だなー。



VRシアター「交際記念日」の武田玲奈ちゃん。


VRシアター「交際記念日」の武田玲奈ちゃん。 


「VRシアター」ってサービスがある。ネットカフェのような場所でゴーグルを借りてVRコンテンツを見るのだ。無料コンテンツもあれば、300円や600円の都度課金コンテンツもある。間仕切られたネカフェのブースの中だとゴーグルつけて前後ろをキョロキョロしても恥ずかしくない。これナイスなサービス設計。そんなサービスの一周年作品として、この「交際記念日」という映像が配信されてる。キャッチフレーズは「日本初”泣けるVR”動画」。CGでキラキラさせるようなVRにはひとしきり飽きた感じがあったんだけど、実写ドラマをストレートに描いてみせるというアプローチが気になった。

●tumblr のTLではお馴染みすぎるこの武田玲奈ちゃんという子がヒロイン。でもVRで見ると、リアルな実感で彼女がすごく小柄だってことが生々しく伝わってきてビビった。手足が細い!幕末〜明治時代の人が初めて写真を見て驚いた感覚って、こういうモノかなと感じてしまった。ただ、あくまで実在感覚は当然得られない。このドラマは、そこを逆手にとって、実在と不在の曖昧な領域をそのままストーリーの背骨に据えた演出で、一応成立してる気がする。さすがに泣けなかったけど。

●実はネット記事で読んだ彼女のインタビューが面白くて。360度カメラの周辺ではスタッフは役者のソバにいられない。こと校庭ような場所では役者から数百メートルも離れる必要があって。普通のドラマなら演技が終わればカットと声がかかるが、芝居が終わっても彼女にはなんの指示もなくて。当然周囲には無人のカメラ以外誰もいないしね。ひとしきりアレコレやり切った後、しょうがないからテクテク歩いて「終わりましたー」ってスタッフに声をかけたとな。こりゃ制作は大変だな。さてこの分野は伸びるのかなー。



声が、クシャクシャで、グッとくる。


NINA SIMONE「HERE COMES THE SUN」 

NINA SIMONE「HERE COMES THE SUN」1971年
●1950年代から活躍した女性ジャスシンガー NINA SIMONE によるカバーアルバム。初めてのNINA SIMONE 体験だったけど、こんな渋い声の人だったんだ。知らなかった。低くザラリとした質感に華々しさはないけど、ドロドロのジャリ道にドスンと立つ力強さとしなやかさを感じる。バックが豪華なオーケストラだっていうのにね。アルバムタイトルは当然 THE BEATLES の名曲から。このカバーがまず素敵すぎる。BOB DYLAN「JUST LIKE A WOMAN」は原曲思い出せないけど、ここでは渋いブルースになってます。ゴスペル的にポピュラーな「O-H-H CHILD」は可憐な R&B だね。WELDON IRVINE の楽曲も取り上げてるけど、彼に関しては目下個人的に本人自身の音源を研究中。最後の FRANK SINATRA「MY WAY」がスゴイ。高速パーカッションが激しく弾けて疾走する中でスマートに歌う NINA が凛々しい。原曲のニュアンスは解体されて完全に彼女のモノ。油断するとオリジナルと思っちゃうほど。
●ちなみに、このCDは福岡のジャズ専門店、キャットフィッシュレコードで購入。福岡の土地勘があまりないけど、このお店がある中央区大名ってエリアにはレコ屋が集中しているようだった。マンションの二階にある小さなお店で、基本新譜のみの扱いだけど品揃えは十分にマニアック。ベテランのご夫婦が二人でお店をやっているように見えた。立派な老舗のようだけど、好きな音楽を生涯の伴侶と二人して聴きながら暮らすってある意味で理想かも。他にもイイCDを2枚買ったよ。






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また、悲しいテロ事件が起こった。
●5月22日、イギリス・マンチェスターの巨大アリーナでISによる自爆テロが発生。アメリカのシンガー ARIANA GRANDE の世界ツアーに集ったティーンの少年少女たちが被害にあった。現在22人とされる死者の中には8歳の女の子までいる。ソーシャル上では、未だ連絡が取れない家族の情報を求める人々の声が発信されてる。
●このテロは何を目的としてるのか。ARIANA GRANDE の音楽を聴きたいと思った若者に、責められるべき政治的問題があったのか?破壊すべき軍事的脅威があったのか? 彼ら IS が喧伝したいのは、文字通りの恐怖だ。全く関係のない者を殺すことで、安全地帯はどこにもないとプロパガンダしたいだけだ。

ARIANA GRANDE「YOUR TRULY」 
ARIANA GRANDE「MY EVERYTHING」 

ARIANA GRANDE「YOUR TRULY」2013年
ARIANA GRANDE「MY EVERYTHING」2014年
ARIANA GRANDE のアルバムを聴く。彼女がアルバム「YOUR TRULY」でデビューした時は「次世代の MARIAH CARRY」というような宣伝文句がついてたっけ。広いレンジを巧みに使い、可憐に響く彼女のボーカルは、確かにデビューした瞬間の MARIAH CARRY を彷彿とさせる。15歳でドラマデビューして、20歳の時のファーストアルバムで世界的ブレイク。そして今23歳。若者らしいヤンチャは少々あっても、基本的には育ちの良いお嬢さん、イメージは清純派。イマドキのアイドルとあって男女交際にフランクだけど、チャリティに熱心で、生意気さを振りかざすような印象はない。
●そんな彼女が、このテロでどんなことを感じただろう?自分の音楽を聴きに来てくれたばかりに無実の人々が爆弾でバラバラにされた。自分に落ち度があったんだろうか?ISに標的にされる理由があったのか?私がヴィーガンだから?LGBTのイベントに出演したから? MADONNA が立ち上げたマラウイの孤児のための基金に参加したから?黒人人権運動の支援をしてるから?いつもポニーテールにしてるから? 彼女が twitter で発信したのはたった一言。「BROKEN. FROM THE BOTTOM OF MY HEART, I AM SO SO SORRY. I DON'T HAVE WORDS(どん底まで叩きのめされてもうボロボロ。本当にごめんなさい。もう言葉もありません)」。ただただ自責の念に苛まされて、苦しんでいる様子が手に取るようにわかる。ライブで大勢の人を集めるのが怖くなっても不思議じゃない。
●そんな彼女の音楽が好きだった少年少女が、彼女のように無垢で素直な子たちだったと想像すると、ボクの心も本当に苦しくなる。ボクだってコドモはいるからね。未だ所在不明の子供を探すためにソーシャルへメッセージを発信する家族たちの気持ちを想像するだけで、本当にツライ気持ちになる。

●別にボクは ARIANA 個人がどんな女の子なのかなんて、本当は知る由もない。それでもこんな妄想を抱いてしまうのが、彼女の音楽が確かに清廉なポップスだからだ。ファーストの「YOUR TRULY」は最新形のギミックを仕込んだトラック(チキチキと乾いたスネアが連打されるアレンジね)ながら、プロデューサーとして R&B の王道を行く大御所 BABYFACE がしっかり随所で関与して、真っ当なポップソングとして機能させてる。奇をてらった際どい演出はゼロ。モータウン気分のバラードだってこなしてみせる。
●コラボレーターや客演も粒ぞろいの人選。BIG SEANKANYE WESTG.O.O.D. MUSIC からフックアップされて世に出てきたデトロイトの技巧派ラッパー。MAC MILLER はピッツバーグ出身のユダヤ系ラッパー。彼は ARIANA とのコラボで名を挙げたようだな。ポップソングのライティングに定評あるシンガー MIKA とは連名で、これまたポップな佳曲を発信。その名も「POPULAR SONG」。男子アイドルグループ THE WANTED から NATHAN SYKES というイケメンを召喚してるのもポップだね。
●セカンド「MY EVERYTHING」となると EDM への接近がハッキリしてくる。ZEDD、DAVID GUETTA の名前がクレジットに登場。ノルウェーやスウェーデンのクリエーターを大勢連れてきてダンスポップを作ったりもしてるね。その一方でファンキーなテイストをグイッと盛ってくれるプレイヤーも召喚。オーストラリア出身ながら、アトランタの帝王 T.I. のレーベル GRAND HUSTLE に発掘された女性ラッパー IGGY AZALEA、前作に続いて参加の BIG SEAN、ハイトーンボーカルでデュエットしてくれたトロント派のシンガー THE WEEKEND、トリッキーなトラックに付き添うニューヨークの新進ラッパー A$AP FERG らがイイ仕事。そして、JESSIE J、NICKI MINAJ と三位一体で合体した「BANG BANG」が元気ノリノリ!
●サードアルバム「DANGEROUS WOMAN」はまだ聴いてない。タイトルから考えると、余計な自意識芽生えて不良路線に流れちゃう先輩女性タレントと同じになるのか?と不安になるけど、彼女に関してはまだホントに「危険」ではないみたい。ウサ耳なマスクを被って結局カワイくまとまってるから。オルターエゴごっこもこの程度ならカワイイもんだね。


●しかし、こうした本物のテロが日本に上陸した時、我々の社会は対抗できるのだろうか?
「共謀罪」とか「テロ等準備罪」とかで大騒ぎしてるけど、ソーシャル経由で感化されたローンウルフのテロリストには対抗できないという意味で、機能しないような気がする。巨人戦のような東京ドーム5万人の動員イベントでテロが起きたら、誰がこの5万人を安全に避難させられるだろう?誰がケガ人を助けてあげられるのだろう。今国会で議論されてるコトと、テロへの具体的な対策が、ボクには全然イメージが結びつかない。











AbemaTVのコンテンツ「フリースタイルダンジョン」をまとめて見たい。で、勢い余って思わず有料会員になってしまいそうなのを必死にガマンしてる。
●ここで展開されてるような日本語ヒップホップの世界にはすっかり疎くなっちゃってるから、この番組でキャッチアップしたいんだよなーーむんむん。
●挑戦者の前に立ちふさがる「モンスター」と呼ばれるラッパーたちが、すでにボクが知らない世代の人たちで。MCであるところの ZEEBRA さん UZI さんまでは聴いてたけど、ラスボス・般若すらちゃんと聴いたコトないんだよ。1996年「さんピンキャンプ」世代から、2000年 NITRO MICROPHONE UNDERGROUND の登場、2003年の名古屋スクールくらいまでが限界。しょぼん。勉強不足。


うーん、この辺の関連音源あるかな? …あ、あった。

サイプレス上野とロベルト吉野「ドリーム」 

サイプレス上野とロベルト吉野「ドリーム」2007年
●モンスターの一人である、サイプレス上野は、正直言ってそんなにフリースタイルが得意なタイプじゃない気が…なんだか大味…ただその大味加減も含めてガバガバしたキャラが彼を人気者にしてる気がする。なんだか楽しくて憎めないっすよパイセン!のオーラ
●でこの音源が、サイプレス上野とその相棒DJ ロベルト吉野 AKA サ上とロ吉 のファーストアルバム。彼らはレペゼン横浜な立場にあるけど、地元は戸塚区で「横浜ドリームランド」があった場所。が故にタイトルは「ドリーム」。ロゴデザインも「ドリームランド」から拝借してる。1964年に開園して高度成長時代の娯楽を提供してたけど、東京ディズニーランドなどのニューウェーブに駆逐され、規模縮小を繰り返して2002年に閉園。彼らが暮らし育った団地自体がドリームランドが手放した土地にあったらしい。ジャケイラストの背景に見える遊園地や「ドリーム銀座」(関連施設だったっぽい…シャッター商店街らしいけど)はまさしく彼らの黄昏れゆくホームの風景で、おまけにこのイラスト自体が作画:上野のお母さん。地元愛&アイデンティティが迸る…。
●で、内容と言えば、モンスターの気負いなぞまだ1ミリもない若手としてのヤンチャっぷりが炸裂。金はないけど、大勢の仲間がいて、ヒップホップが大好きで、根拠のない明るい未来と自信とスケベ心がなぜかある。ドリームが目一杯詰まってる。何しろ10年前の音源だからスキルがどうのこうのと言えばイロイロありそうだけど、ダンスが楽しそうなファンクネスにユサユサ揺すぶられながら、鼻歌フロウを乗せて、キャッチーなフックラインを楽しそうにラップする様子はとにかく陽気!バウンス祭!バウンス祭!バウンス祭!
●というコトで、サイプレス上野の楽しいオーラは目一杯出てるんだけど、他の音源も含めて相棒・ロベルト吉野の存在感は薄くてよくわからんです。


サイプレス上野とロベルト吉野「アイドル ライブ オン ダイレクト」 

サイプレス上野とロベルト吉野「アイドル ライブ オン ダイレクト」
●そんなサ上とロ吉の二人が、なぜかアイドルのライブを訪ねてアイドルを語るという珍妙な本があっってメチャ楽しい。ヒップホップとアイドルってなんも関係ないじゃん!と思うんだけど、ライブ勝負の現場感覚はステージパフォーマンスとして同じモノだとして、サ上の視点がすごく公平にフラットで前向き、若い女の子たちにフランクな敬意をちゃんと感じさせるのですよ。サ上の趣味であるプロレス/格闘技と結びつけた比喩も秀逸。そんなアイドル観が面白い。


●というコトで、この本に乗ってたアイドルの関連音楽を聴いちゃいます。

ライムベリー「HEY ! BROTHER」
ライムベリー「ROD : 世界中にアイラブユー」
ライムベリー「SUPERMCZTOKYO」

ライムベリー「HEY ! BROTHER」2012年
ライムベリー「R.O.D. / 世界中にアイラブユー」2013年
ライムベリー「SUPERMCZTOKYO」2013年
3MC+1DJ のラップアイドルグループ!みなさん当時中高生!しかし、これが実によく出来てて最高!デビューシングル「HEY ! BROTHER」は、タイトルだけ聞けばヒップホップじゃよくあるフレーズだけど、日本語に逐語訳して「ねえお兄ちゃん!ねえお兄ちゃん!ねえお兄ちゃん!ねえお兄ちゃん!好きーー!」という妹萌えラップに変換。テンポ早めのオールドスクール〜ミドルスクール風なトラックに乗って、3MCがぐんぐんマイクリレーする。確かに声は若くて甘すぎるが、密度の濃いリリックをカチッとビートにハメてカッコいい!これは最近のアイドル系買い物としてはかなりの掘り出し物だわ。
●もちろん、彼女たちの独力ではココまでの仕上がりは無理。プロデュースは E TICKET PRODUCTION という名義のラノベ作家さん(本名は桑島由一)。このライムベリーの仕事を発端にして、現在もアイドル+ヒップホップなアプローチを仕掛けてる。サンプルの一つ一つ、スネアの一打一打が見事にファンキーで80年代なヒップホップをどうしょうもなく連想させてホントにタマラン。「SUPERMCZTOKYO」もディスコファンクの快楽をドップリ盛り込んでて、クラクラするほど。カップリングの「WE DID IT」のフルートサンプルはなんなんだ、カッコよすぎる。そこに甘い声で「ライクディス!」と入ってくる。硬軟、濃い甘いの落差が絶妙!
●とは言え、何しろこの辺の音源はもう4〜5年前のモノとあって、現行のライムベリーはメンバーチェンジや活動休止寸前状態を繰り返して、オリジナルメンバーは MC MIRI の一人しかいない(センターの赤の子)。しかしラップのスキルを磨き続けた彼女は現在19歳、ヒップホップのフリースタイルバトルにも出演するほどの実力を身につけて、単純なアイドルとは位置づけられない領域に到達してるとな。おかっぱボブ黒髪も今や金髪ショートヘアになってるし。

LYRICAL SCHOOL「BRAND NEW DAY」2 
LYRICAL SCHOOL「FRESH !!!」
LYRICAL SCHOOL「PRIDE」

LYRICAL SCHOOL「BRAND NEW DAY」2014年
LYRICAL SCHOOL「FRESH !!!」2014年
LYRICAL SCHOOL「PRIDE」2014年
お次のグループは、6人マイクだ!正直、マイクさばきにおいてはライムベリーほどのタイトなフロウは聴けない…割とフワッとしたラップを短いヴァースに分担してリレーをしていくイメージ。むしろ、ディスコファンクのグラマラスな気分をすくい取ればヨイだろうか?ラップしなければ、大阪のグループ ESPECIA を連想するかも。結構歌も歌うし。
●聴きどころはシングル「FRESH !!!」か。これは作詞作曲を TOFUBEATS が担当。モダンなディスコ感覚のグルーヴに彼女たちのユニゾンボーカルが楽しく明るく乗っかるTOFUBEATS のファーストアルバムに、ちょこっと LYRICAL SCHOOL が登場する理由がなんとなくわかった。両者はワリと縁の深い関係だったんだね。
●前身グループは TENGAL6(テンギャルシックス)という名前だったのは黒歴史?マジであの「TENGA」が協賛企業についちゃったからの命名だった。しかしタワーレコード系レーベル T-PALETTE RECORDS 移籍時に改名。現在では TENGAL6 時代のメンバーは残っておらず、この三枚のシングルがリリースされた時の在籍メンバーも一人しかいない。なぜか、元ライムベリーのメンバーがこっちのグループに移籍したりもしてて、アイドル稼業も一筋縄では行かないなと思ったり。
●ボクは、なぜか TENGAL6 時代の音源も持ってるんだよな…音楽サイト OTOTOY でフリーダウンロードしたモノ。しかも BIS との合体曲。BIS×TENGAL6「いんたああくしょん」。メロウディスコをラップで彩る楽曲。BIS の凶暴さはここではナリを潜めております。




ライムベリーライブ戦闘能力がよくわかる動画。2014年段階でメンバーが一人脱退の2MC体制。当時は高1か? 髪の毛短い MIRI が今なお活動中。キレのあるフロウがすでにこの時期から芽生えてる。ツインテール HIME は 2015年に LYRICAL SCHOOL に転籍。DJ HIKARI は何もしないのが味。えーと、聴いて欲しいのは10分30秒から始まる「HEY ! BROTHER」から「SUPERMCZTOKYO」「R.O.D.」の流れ。若くて初々しく、混じり気のない情熱が眩しい。



●本日は、久しぶりに、演劇鑑賞。ギリシャ古典劇なのに、含む、下ネタ。

女の平和 

JAM SESSION.12 「女の平和」@アトリエファンファーレ東新宿
「この戦争をやめないかぎり、私たちはセックスいたしません!」戦争に夢中な男たちに対して、交戦国双方の女性たちが結集してセックスストライキで和平を主張!戦争に女が口を出すとは何事か!と怒る男たちも、ギリギリまで焦らしながら最後まではサセてくれない女性の巧妙なテクに辛抱タマランと降参、ナシ崩しに和平条約締結を約束するという顛末…。
●これが、なんと紀元前5世紀、今から2400年前の古代ギリシャで書かれた戯曲を原作としてるのです。作者はアテネの詩人/劇作家のアリストパネス(アリストファネス)という人物で「女の平和」は彼の代表作。ボクは大学受験の世界史勉強で彼とこの作品のあらすじを知って、古代ギリシャのギャグ/ユーモア感覚スゲエ!とビックリしたものですわ。もちろん、その段階ではデティールは知ることができなかったわけですが、脳ミソのスミッコでは一体どんな内容なのか、興味津々だったのですわ。
●そしたら先週たまたまこのお芝居のご案内を知人からいただきまして。知ってる人が関わってる上に、題材がこの「女の平和」かい!これは観なくては!

●もちろん、ギリシャ古典劇をそのまま再現は無理なので大胆なアレンジが加わっている。役者さんは男女それぞれ4人づつ。大根抱えてダンスしたり、ホウキを振り回して兵隊と戦ったり。4人の主張する女性は全員和服。男性は軍服と燕尾服。とはいえ、別に舞台を現代日本はたまた軍国主義日本に置き換えたりはしてなくて。戦争当事国はアテネとスパルタ。
原作由来か現代風演出なのか、結構な下ネタが振りまかれてまして。女性は女性で「やっぱり我慢できない」って本音が出てきたり。お色気振りまいての寸止めブリがメロメロセクシーだったり。強烈だったのが、ストライキの結果、男性陣が我慢ならなくなっちゃった様子を、股間に大根よりもブットいモノをドーンと衣装の下から築き上げて身悶えまくるという演出で表現。「毎朝、この息子がツラくて!」といって客席に突っ込んで見せたり。わーすげーなー。大胆な解釈だなー。笑っちゃいました。
●と思ったら、この股間にブットいモノ(「革製の陰茎」)をぶら下げる&おっ立てる喜劇演出は、古代ギリシャでは普通だったとな(「女の平和」WIKIPEDIAより)。マジ!アレは2400年前のお笑いセンスをそのまま採用してたの!男女の関係は、紀元前5世紀から根本的には変わってないのね。それが一番の収穫だったよ。


●お次は、古典バレエを現代風にアレンジした案件。

『眠れる森の美女』 マシュー・ボーン振付、ニュー・アドベンチャーズ(2013) 

「MATTHEW BOURNE'S SLEEPING BEAUTY - A GOTHIC ROMANCE」2012年
●これもズバリ「森の眠れる美女」ではある。しかし演出家 MATTHEW BOURNE という人物が異色。彼のカンパニー「ADVENTURES IN MOTION PICTURES」=現在は「NEW ADVENTURES」は、男性ダンサーをメインにして「白鳥の湖」を演ったコトで一気に武名を上げた。映画「リトルダンサー」で見事ダンサーになった主人公エリオットが、成人して舞台に立つラストシーン、その時に演じているのがこのカンパニーの「白鳥の湖」なのだ。
●ワイフは、バレエが大好きなので、勝手に娘ヒヨコを連れてこのカンパニーの来日公演を見に行ってる。だからバレエには知識がないボクでも、その場その場でワイフがオーディオコメンタリーのように解説してくれるからとても便利。「本来は可愛らしい妖精さんが来るところなのに、半分が男の人でしょ。おまけにこの妖精さんたち、吸血鬼って設定まで付け加えられてるの」メイクも「ゴシックロマンス」というだけあって、濃い。妖精たちは白塗りの上に目の周りだけ真っ黒く色を塗ってる…ボクから見ると映画「ブレードランナー」のレプリカントだわ。振付も奇妙だよ。門外漢のボクから見てもイレギュラーだと感じる。呪いの当事者である悪の妖精がイケメンすぎてマブしい。
●ヒロインは100年の眠りに落ちるんだけど、その100年後ってのが2011年という設定になってる。この辺で現代風のアレンジも加わる。愛を込めてキスするはずの青年は、ナイキのパーカー着てるだけでめっちゃ冴えない。やっぱバレエに似つかわしくないわー。その他細かいツッコミどころが満載。バレエ現役ダンサーである娘ヒヨコも含めてワイワイ楽しんじゃった。


眠ってるはずのお姫様、夢遊病なのかだいぶ激しく踊ってます。完全ゼロとは思えないけど目隠しで視界が制限されたママでこの振付を踊るのはスゲエなと思った。ヒヨコ、裸足で踊るのは結構大変じゃないか?「周りの人が靴履いているのに自分だけ裸足は怖すぎる、練習の時でも踏まれたら大ケガになっちゃう」なるほどー実感こもった感想だ。最愛の恋人はナイキのグレーパーカーでカッコ悪いです。




●お芝居ついでに、とってもお芝居がかった80年代のアーティストを。

KLAUS NOMI「ENCORE !」 

KLAUS NOMI「ENCORE !」1983年
彼は、クラシックオペラにインスパイアされて、カウンターテナー〜ソプラノの超ハイトーンなボーカルを歌っちゃうシンガーだった。音楽シーンにはゴシック美学が影響する場面があるけど、彼の場合はゴシックを通り越してバロック美学まで行っちゃってるもんね。ジャケでわかるように、ギラギラのヨーロッパ王侯貴族のノリだもんね。キャリアの最初期にはこのあまりに個性的なルックスから DAVID BOWIE に注目されて、彼が出演した「サタデーナイトライブ」でバックシンガーを務めたほどというからスゴイ。
●70〜80年代が「ニューウェーブ」の時代だったってのは確かに本物だね。ドイツ出身の彼はニューヨークに拠点を映して「ニューウェーブ・ヴォードヴィル」というスタイルを打ち出していたとな。ヴォードヴィルと言えば、歌や踊り、お笑いまで含めた20世紀初頭の大衆舞台の総称。映画が普及するまではエンタメの主役だったはずだ。そんなものをオペラも交えてリバイバルさせるなんて…そんな一口で理解し難いモノでも受け入れられる素地があったんだろう。
●本当にスットンキョウなほどのハイトーンソプラノが80年代特有のバタバタしたビートに乗る「TOTAL ECLIPSE」などにまずはビックリ。ピコピコエレポップの「SIMPLE MAN」の神経質なボーカルもまさしく80年代ニューウェーブ。その一方で、朗々としたテナーで ELVIS PRESLEY「CAN'T HELP FALLING IN LOVE」をカバーしたり、CHUBBY CHECKER「THE TWIST」をカバーしたり(←一回聴いただけではカバーと思えない)、「オズの魔法使い」からカバーを選んだりと射程距離もユニーク。サン=サーンスのオペラ「サムソンとデリラ(SAMSON AMD DELILAH: ARIA)」にも直球で挑戦してる。
●しかし、彼が現在も記憶される理由は、彼の死因だろうね。このアルバムがリリースされた1983年に彼はエイズで亡くなってしまう。オリジナルアルバムが「KLAUS NOMI」1981年「SIMPLE MAN」1982年の二枚しかないのもキャリアが短すぎたせいだ。ウィキには、エイズで亡くなった初めての有名人とされている。80年代のエイズ禍の犠牲者。生前には発表されなかったようだけど、彼はゲイだったそうな。



●衣装もメイクもスゴイが、身のこなしがロボットみたいで奇妙。ヴォードヴィル的なパントマイムの気分があるのかな。すごく芝居掛かった動き。





●絶版マンガをネット上で閲覧できるサイト「マンガ図書館Z」が気になっている。
●マンガアプリ「COMICO」でまた気になるマンガを見つけた。電車の中で読んでしまう。
「Hulu」がシステムをモデルチェンジしたが、挙動が不安定でこちらの気分も不安定。
●それでいて、欅坂46主演ドラマ「残酷な観客達」独占先行配信(放送よりも早い)がヘンテコで気になる。キャストにユーチューバーを選んで、それぞれのYouTubeチャンネルで話題にさせてる。これでバズるのかな?まー内容自体がだいぶエキセントリックな感じがしてます。
「AmebaTV」亀田興毅を使った企画で爆発的なアクセスを稼いだ。ヤバい…ある一線をこれで超えていくのか?今までスルーしてたけど、Abemaの人気コンテンツ、ヒップホップ番組の「フリースタイルダンジョン」を初めてチェックした。おもろいじゃん。ChromeCast 経由でテレビに出せるところもいいじゃん。
●そんなわけで、ヒップホップでも聴こうと思いながら、ソーシャルのタイムラインを眺めてたら、意外なニュースを見つけてしまった。


シアトル・グランジの英雄の一人、CHRIS CORNELL が今月17日に急死。52歳。

Chris Cornell 

●デトロイトで行われた SOUNDGARDEN のライブの後、突然死亡してしまったとな。原因はまだ分からない。ある記事によれば、自殺の可能性も鑑みて当局が調査中とな。
●わ、割とショック。

●だから彼の音源を聴く。

AUDIOSLAVE「AUDIOSLAVE」 

AUDIOSLAVE「AUDIOSLAVE」2002年
CHRIS CORNELL は、80〜90年代のシアトル・グランジのムーブメントを代表するバンド SOUNDGARDEN のフロントマンだった。NIRVANA がヒヨッコと思えるほどの貫禄が、すでに90年代初頭の彼らには備わっていて、ド迫力のハードロックサウンドとエモーショナルな彼のボーカルが実にパワフルだった。他のグランジバンドがメジャー進出するとともに彼らも全国区へデビュー、アルバム「SUPERUNKNOWN」1994年は全米一位を奪取する。
●1997年に SOUNDGARDEN が解散してしまって、その後の彼に声をかけたのが、RAGE AGAINST THE MACHINE の連中だった。RAGE の連中は彼らのオリジナルボーカリスト ZACK DE LA ROCHA が脱退してしまって、フロントマンを探している途中だった。敏腕プロデューサー RICK RUBIN の仲介を経て彼らは合体。それがこのバンド AUDIOSLAVE で、このアルバムが彼らのファーストだ。SOUNDGARDEN のボーカルと RAGE AGAINST THE MACHINE の演奏部門が新バンドを結成ってのは、当時はかなり興味津々のニュースだったね。何しろこの二つのバンドは大変なテクニシャンでありカリスマであったのだから。
●しかし、いざ合体となったら、意外と相性はよくないのかも、と思ったのも正直な感想。RAGE の前ボーカル ZACK は激しく扇情的なラップでフロアを盛り上げるスタイル。RAGE の演奏も人力ファンクがダムダムとグルーヴを煽る。一方、SOUNDGARDEN は古典的なハードロック志向で、CHRIS のボーカルはベッタリと脂っこく粘っこい。サイケデリックな印象すら感じる。RAGE のファンキーなリフロックはメロディを支える構造がないので、CHRIS の絶唱は一人どこか宙ぶらりんでうまくバンドと絡めない。こと、このファーストアルバムでは、両者の探り合いがうまく噛み合わない感じがする。
●とはいえ、基礎力では並外れた能力を持つ男たちの激突。ガチンコのぶつかり合いがそのままスリルになる。ヒットシングル「COCHISE」などが十分にヤバい。パワフルすぎるグルーヴの上に CHRIS が咆哮する様が恐ろしくかっこよく聴こえる瞬間がある。このノリでこのバンドは全部で3枚のアルバムを残し、2007年で活動を終了した。近年の CHRIS は2010年に再結成させた SOUNDGARDEN で活動していて、今年は久しぶりのアルバム制作の計画もあったそうな。
●ともかく、今は、レスト・イン・ピース。







●今日は体調が悪い日だった。
今月から、クスリを少し減らしている。その副作用だろう。減薬のキッカケは、持病がよくなってるのではなく、クスリの飲み過ぎで肝臓に負担がかかっているという理由だ。来週は血液検査で経過を調べる。ボクのカラダがポンコツなのは、今に始まったコトではないが、やっぱり気分がいいモノではない。

そんな気分のまま古本屋に立ち寄ってみた。そしたら。

IMG_6310.jpg 

●なんとなく手に取った「サウンドエシックス これからの「音楽文化論」入門」という本。これをペラペラめくってみたら、かつての持ち主がカラフルな付箋を至る所に貼ったままにしてあるコトを発見!どのページにも2〜3枚、多ければ6〜7枚もペタペタと。そのカラフルっぷりがむしろ面白くなってしまい、そのまま購入してしまった。どうせ100円だし。
●どんな内容かよくわからんけど、この付箋を貼ったかつての読者と併走するように本を読むってのは、オツな読書だと思うよ。この本のおかげで、少しブルーだった一日が有意義に思えてきて、よかったよ。


●そして、CDも100円で買った。

tracy chapman crossroads 

TRACY CHAPMAN「CROSSROADS」1989年
●このCD、ずっと探してたんだよ。リアルタイムの高校時代にカセットテープで聴いてた作品。ふとしたコトでこのシンガーのことを思い出して、それから中古CDで探すようになったんだけど、なかなか見つからなくて。ファーストアルバム「TRACY CHAPMAN」1988年はよく見つかるし、今やLPもCDも持ってるくらいなのに、このセカンドはセールスが不振だったのか、あまり出回ってないんだ。
●前にもこのシンガーを紹介した時に書いたけど、当時はガチで男性だと思ってたのですよ。若い少年をイメージしてた。声も低くてまろやかだから。実は女性でしたって知ったのは10年くらい経った後だった。それでなおのこと好きになったっけ。アコギベースのふくよかなフォークソングは、女性の感性だったのかと合点が行ったから。アコースティックテイストが強かったファーストに比べると、モダンなアレンジが加わったこのセカンドは、それはそれで気持ちの良い落ち着きが伴ってる。表題曲でアルバム一曲目の「CROSSROADS」のキーボードを駆使したアフリカンなグルーヴが特に好き。奇をてらったコトもしていないので、全く古びてもいない。30年近く前の音源なのにね。
●ブラックミュージックでクロスロード=「四つ辻」といえば、伝説のブルースマン ROBERT JOHNSON がギターの腕と引き換えに「四つ辻」の悪魔に魂を売ったという故事が連想される。今日の「CROSSROADS」にも悪魔が登場するのだけど、彼女の歌は悪魔の誘惑をしなやかに避けていく
●あ、最後の曲で NEIL YOUNG がゲストでピアノとアコギを弾いてるってことは今回初めて知った。「ALL THAT YOU HAVE IS YOUR SOUL」って曲。静かでシンプル。

TRACY CHAPMAN「COLLECTION」 

TRACY CHAPMAN「COLLECTION」2001年
●セカンドが見つからないから、こんなベストを代わりにして聴いてたんだ。1988年のファーストから1999年の五枚目のアルバムまで網羅したベスト盤。基本的に芸風は変わらない彼女の音楽は、いつも奥ゆかしくて優しくて。でも四枚目に収録された「GIVE ME ONE REASON」は1997年のグラミー賞を獲ったりもしてて。この曲は見事に黒いモダンブルースだね。別の場面じゃこの曲で ERIC CLAPTON とデュエットしたそうだよ。キャリアが進むにつれて、どんどん声が優しくなっていく。





最近は、ジャケットを必ず着用してるんだよ。襟付きのシャツを着てるんだよ。
●去年の春夏は、普通に野蛮な和柄のパーカーにダブダブのジーンズとか着て会社に行ってたのに。
●普通にアディダスのジャージとかでも仕事してたな。まーヒンシュクも買ってたかもしれないけど、別に構ってなかった。ヒゲも剃らない。一ヶ月に一回しか剃らない。ずっと無精ヒゲ。散髪は半年に一回ね。
●でもさ、さすがに40歳中盤に差し掛かって、コキタナイおっさんほど痛々しいモノはないと思うようになりました。
●昔一緒に仕事してた同世代の友人UJIと会社の中で数年ぶりにバッタリ会って、こう言われたんですよ。「unimogrooveさん、最初気付きませんでしたよ。まるで浮浪者みたいなカッコじゃないですか。言い換えればホームレスですよ」うわ、数年ぶりに再会した元同僚にかける言葉がソレか!しかし友人UJIは今は職業を変えて、スーツにネクタイ、年相応のビジネスマンのカッコだ。少し太って貫禄まで出てきてるよ。それに引きかえ、ボクは10年近く穿いてる穴あきジーンズにスニーカー、ボーダー柄の丸首シャツをテロっと着てるだけ。反論できない…。
●ということで、サクッと着こなせるジャケットをパラパラと買い揃えた。下北沢の古着屋を中心に4000円を購入。あと、アウトレットでも明るい色のジャケットを購入。ここにチノパンを多用して、古着のシャツを合わせる。
●そんな感じで会社に出たら、先輩から「なんで今日はそんなにコギレイなの?」…とりあえず「コキタナイ」から「コギレイ」になった。しかし「コ」ってなんだ?ボクがマシなカッコするのはそんなにイレギュラーなコトなのか?まーその一方で、大人しくスーツとネクタイに変身できないのがボクの限界。今年はとりあえずこのモードでいく。


●クールなダンスミュージックでチルアウト。

MOBY「PLAY」 

MOBY「PLAY」1999年
長い間、この人の音楽を誤解してたわ。誤解ゆえに、今までスルーしてた。たまたま下北沢ユニオンで100円だから買ったまでだったのよ。だって、ジャケがこんなヤツだから、すごくアゲアゲのウェイウェイした感じのドカドカなダンスミュージックだとカルく思ってて。同時期に暴れ回ってた THE PRODIGYTHE CHEMICAL BROTHERS、FATBOY SLIM のようなビッグビートな音楽だと思い込んでた。ところが違った。シックに落ち着いて、シリアスなポップネスを追求した音楽だった。時に歌ゴロロが作用して、時に可憐なアレンジが艶めく。
●前述に列挙したダンスアクトはみんなイギリス人なのよ。レイブカルチャー旋風の中から立身して、ロッキンなビートでダンスフロアを圧殺してた。でもこの人はアメリカ人。おまけにヴィーガン。ドラッグも絶対にやらない。ニューヨークを拠点としてるけど、本来はコネチカット出身。そんな出自に由来するのか、エレクトロ・アーティストでありながら、楽曲の着想をアメリカのルーツミュージックに見出してるらしい。
●基本的に彼は最初に、古いゴスペルミュージックからブルース、ヒップホップなど、アメリカンなブラックミュージックから、彼は楽曲のモチーフになるサンプルを拾い出す。それを、モダンなエレクトロで装飾していく。時には美しいピアノやシンセのアレンジで包んで耳に柔らかく仕上げる。モダンで小気味良いダンス感覚とアメリカの郷愁を絶妙な塩梅とポップネスでハイブリットしたのが、成功の理由かと。
●それでいて、しっかりとループをひたすら繰り返す。ダンスミュージックのフォーマットにキチンと落ちているわけだが、その一方でそのループのクールなシンプルさが、無駄を削ぎ落としたストイックな潔さに繋がっていて、むしろそれが聴くモノを安心させる。結果として、このアルバムは全世界でヒットして1000万枚のセールスを達成したとな。

MOBY「18」 

MOBY「18」2002年
●なんだかエエ顔してるな。この坊主頭が、悟りに近く僧侶の印象すら感じさせるわ。基本的には前作「PLAY」のシンプルなアプローチを踏襲してる。サンプルされたゴスペルの断片がループされる様にシビれるよ。そこに、より一層の歌ゴコロが芽生えてて、実に愛おしい。今回はサンプルの代わりに生身のボーカリストを招いているのだ。
●冒頭一曲目の「WE ARE ALL MADE OF STARS」は彼自身が歌っているのかな。実は起伏の少ないメロディだけど、訥々とした地味な歌がジワジワ迫り上がるギターリフのフレーズに乗せられてスゴくドラマチックに聴こえる。2001年の911テロにニューヨークで遭遇した彼は強いショックを受けたというが、ここでは実直に前へ進もうとしている。「誰もボクらを止められない。ボクらはみんな星で出来ているのだから」
●招かれたシンガーは、SINEAD O'CONNOR、ANGIE STONE MC LYTE、そしてジョージア州アセンズ出身の女性デュオ AZURE RAY。彼女たちの不思議なドリームポップの気分は、MOBY のトラックからビートも取り去ってしまって実にチルアウト。









●GWあたりで、映画だの、マンガだの、アニメだの、ドラマだの、アレコレ摂取しすぎまして。
●脳みそパンク状態になったので。
●公開しようと思ってた書きかけの記事たちを全部廃棄して。
●アタマをスッキリさせます。

Demolished Thoughts

THURSTON MOORE「DEMOLISHED THOUGHTS」2011年
●オルタナティブロックのカリスマバンド、SONIC YOUTH のギター/ボーカルだった THURSTON MOORE のソロアルバム。SONIC YOUTH はボクにとって史上最高にカッコいいロックバンドだが、このアルバムがリリースされた年に活動休止、そしてそのまま解散した。オシドリ夫婦と言われていた THURSTON とベースの KIM GORDON がまさかの離婚。そしてそのままバンドが機能停止というオチ。あっという間の幕切れだったよ。え、それでバンドが終わっちゃうの?1981年から30年もやってたバンドが壊れちゃうの?ショック!熟年離婚おそるべし!

●そんな解散劇から既に結構な時間が経った2017年。ファッション雑誌「GINZA」4月号の音楽特集に、THURSTON & KIM娘、COCO GORDON MOORE の独占インタビューが載ってた。おお!あの COCO ちゃんが立派になって!現在23歳の彼女は立派なレディでファッション誌に露出するアイコン。しかしボクにとっては彼女が生まれた1994年なんて一番熱心に SONIC YOUTH を聴いてた時代、彼女の誕生もその頃のリアルタイムのニュースとして見聞きしてた。オシドリ夫婦だった THURSTON & KIM の写真には、しばしば赤ん坊だった彼女がヨチヨチと写ってたりもして。そんな子がいきなり立派な女性になっててビビる。大きくなったなー、美大出てアーティストになったのねー、なんて親戚のおじさんみたいな感じだよ。

COCO ちゃん大人になりました記念で、この音源を引っ張り出して、今聴いてる。SONIC YOUTH がダメになって、バンドに疲れましたーって感じが濃厚な、完全ソロ志向のアコースティックアルバムだ。あれだけノイジーなギタープレイで武名をあげてきたギタリストが、ここではアコギを繊細に操作して、ささやくように歌う。そこに優雅なストリングスやハープのアレンジが挿入されて、シットリと耳に優しい。密室感が濃い微妙なエコーの加減が地下の湿り気と妖しさを残しつつ、諦観と達観を通り越した凛々しさが清々しい。メロディやギターのフレーズには SONIC YOUTH 時代の名残もあるけど、静かな佇まいが枯れ寂れて可憐。
●実は、プロデュースが同時代を共に戦ってきたオルタナのカリスマ BECK。ああ、確かに BECK のアコースティックアルバムと同じテイストかもしれない。アルバムクレジットを読んでて、妙に腑に落ちた。







娘ヒヨコ中学3年生。
トイレで友達と水かけゴッコして、先生に怒られる。「今すぐトイレの床拭いてきなさい!」
●校舎の屋根にネズミの白骨死体を見つけてテンションぶち上げ。周囲のクラスメイト(男子含む)はドン引きなのに。来る日も来る日も、その骨を観察に行ってる。「肋骨がそのままカゴみたいに残ってるんだよ!」
●もう少しで高校生だというのに、小学生みたいなことしてる娘に半ば呆れて笑ってるけど、まだ大人にならずに、ボクのソバにいてくれることに、少し安心してるのが本心。そんでヒヨコの好きそうなマンガを買ってきては、一緒に回し読みしようと誘ってしまう。ワイフには怒られるけど。「この子来週テストなの!なんで勉強の邪魔するの!」さて、COCOちゃんはどんな子供だったのかな。どんな風に大人になったのかな。ヒヨコはどうなるのかな。


中学三年生の娘ヒヨコが、立派な天然フシギちゃんになってる模様。

●スマートフォンの予備充電池のことを「スマホの養命酒」と呼んでる。気持ちだけは伝わるが…。
●ソフトバンクユーザー向けの「スーパーフライデー」キャンペーンで31アイスクリームをゲットするために新宿まで遠征してる。中高生は2つもらえるので、きちんと2つアイスを食ってる。
●GWに懇願されて、焼肉を食べに行くことに。お肉いっぱい食べて「なんだかお肌がツヤツヤしてきた」と丸いホッペをさすってた。石焼ビビンバも平らげた。石焼の意味も知らなかったくせに。
●バレエ教室の活動に軸足を置くため、学校の部活は一番ユルイ「華道部」を選んでたヒヨコ。「茶話会」と称してお菓子食べ放題の時間があるのが楽しみだっただけ。しかし中3になってみたら、誰よりも器用にお花を生ける技術が備わってしまってた(元から手先だけは器用)。結果、とうとう部長に就任。女子派閥の力学バランスに無頓着無関心な天然ぶりが決め手だったとな。
●始業前の読書タイムに読む本がない、と言いながら、ボクの本棚から伊藤計劃「ハーモニー」を持っていって読破。そのまま「虐殺器官」も読破。オマエが伊藤計劃にハマるなんて…。ボクが今読んでる「サピエンス全史」も一度学校に持っていったらしい。意味わかってるのかな。
●その一方で、「ソ連」がパパママに当たるボクらが高校生の時まで存在していたことを知ると、「え、ソ連てそんな最近まであったの?むしろロシアが新参?」とだいぶ混乱した模様。帝政ロシアから共産主義、ロシア革命、東西冷戦、核兵器の軍拡競争とペレストロイカまで説明してやりました。北朝鮮と韓国は2つの国に分かれてるだろ、あんな感じにソ連とアメリカで全世界が二つに分かれてた時期があったわけよ。
●GWの宿題では戦前史の課題で「五・一五事件」のレポート書いてた。ちゃんと書けてるじゃんと褒めてやったら「犬養毅さんが殺される理由がワカンナイ、犬養さんの前の総理大臣が悪いんじゃない?それと一緒に殺されちゃった警察官の田中五郎さんがモブキャラすぎてかわいそう。名前がすでにモブすぎる」と独自の視点で解釈。
●高校受験のために塾に通い始めて、確かに成績はよくなってる。偏差値もビックリするほどよくなった。しかしそれ以上にビックリしたのは、合否可能性判定のための志望校記入欄で大失敗、男子校の名前を記入してしまった。アホか!当然「判定不能」だわ。模試以前の段階で歯車が噛み合ってない。
●もう二度と受験勉強したくないから付属高校希望とかいってるが、結局のところ、将来ナニになりたいの?と質問したら、熟考の末「動物のお世話をする仕事とか?」…それでワンちゃんのトリマーさんと言われたら、四大進学はむしろ遠回りじゃないか…。
●先日は、どうしても見たい!と言われて「バイオハザード:ザ・ファイナル」のDVDをレンタルしてやった。なぜか「バイオハザード」シリーズが大好き。悪のマッドサイエンティスト企業・アンブレラのマークが三菱に似てると主張しまくる。



「ニコニコ超会議2017」に行ってきた。

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●久しぶりの「超会議」だったね…このブログの過去ログを探ったら、前回ボクが行った超会議は2013年で第二回だったよ。イベントはさらに巨大化し、洗練してきたのかもしれない。ある意味で音楽フェスと同じ感じ?お客さんは何をどうやって楽しめばいいか、文法を飲み込んできた感があるし、協賛スポンサーやブース出展企業も、何をすれば楽しんでもらえるのかキチンと理解してるように思えた。

マクドナルドが新製品のデザートのサンプリングをやってるのが象徴的だったなー。雑然たるサブカルのカオスに、あの黄色い「M」の字が輝くのは変な光景だった。/日テレ「笑点」の座布団をどこまで高く積み上げられるかギネス記録とかもやってた。/「週刊文春」はニコニコチャンネルを運営してて芸能スクープの裏話を有料課金で配信してるとな。文春砲!/緑のウィッグをかぶった海パンのマッチョが大勢いると思ったら、パチンコ「海物語」キャラのコスプレだった。/民進党は渾身のクリエイティブ「VR蓮舫」で勝負してて、総合的に大失敗してる気がした。/航空自衛隊「ブルーインパルス360°動画」の方が気が利いてると思ったが、マジで酔うみたい。/いつも存在感を放つ在日米軍のみなさんが存在感薄かったのは、緊張高まる北朝鮮情勢が理由か?/大相撲はスルーしちゃった。

「ホラーゲーム実況」ってのがウケてるらしく、リアルホラーゲームとしてお化け屋敷ができてた。/SCRAP のリアル脱出ゲームもあったっけ。/「料理動画」も人気があるらしく、「RTA(REAL TIME ATTACK)」といって制限時間以内に完璧な料理を仕上げることを競う遊びがあるそうな。3分間で完璧なオムレツを作るとか。/コスプレで目立ったのは最近の大ブレイク作品「けものフレンズ」だね。サーバルちゃんにヒグマさん、やっぱりかばんちゃんも。/日本ネットクリエイター協会(JNCA)ってのが気になった。ボカロP向け著作権講座って感じ?/「まるなげひろば」的なユーザーお任せ空間も内容あったなあ。「偽YMO」と名乗るサラリーマン風おっさん三人があえて小さなキーボードで YMO をひたすらカバーするパフォーマンスが楽しかった。ネクタイを頭に巻いて、背中丸めてポチポチ演奏。ナイスセンス。

●同行したワイフは、初音ミク+中村獅童「超歌舞伎/花街詞合鏡」をみてたそうな。

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●ワイフの座席は舞台に対してかなりの側面に位置してたもんだから、フィルムに投影されてたミク(初音大夫)と生身の役者としての中村獅童さんの立ち位置がずれまくって見えてて臨場感は甚だ微妙だったとな。ただ、ミクの存在はさておき、善悪を象徴する二人の歌舞伎役者が、様々なテクノロジーでその演技をアンプリファイされていてソレはソレで見応えがあったとな。
●ドワンゴ関係者のお話では、歌舞伎であるところの観客からの掛け声が、舞台の回数を重ねてくることに洗練されてくるらしい。歌舞伎の掛け声とニコ生のコメントは言うなれば同じ意味だわな。パフォーマーに対するオーディエンスのリアクション。これが公演の回数を重ねるごとに絶妙なタイミングに調整される。それが役者のテンションを上げる。中村獅童さんのような役者ならガンガン上がってく…機械仕掛けのミクは置いてきぼりになっても。そして公演の最後には、最高の仕上がりになっているらしい。
●その時、この空間にはレイヤーが幾重にも折り重なっている。獅童+ミクの一次的パフォーマー。それに相対するのは一次的オーディエンスである会場の観客によるレスポンス。この二者での相互作用が発生する。その様子をメタ視点で俯瞰するのがネット経由で視聴するニコ生ユーザー。彼らは二次的オーディエンスでありながら、コメント機能を用いて会場に干渉する。つまり二次的パフォーマーになる。会場に設置された大型モニターに吹き荒れるコメントは、会場内の空気を変える存在感になる。会場内の一次的パフォーマー/オーディエンスとネット経由の二次的オーディエンス/パフォーマーが相互作用を起こす。ニコ生ユーザーがネット回線経由で中村獅童を煽って芝居のボルテージを上げる!ムムム!実に面白い。
●ちなみに、オーディエンスやコメントからは、獅童さんには「萬屋!」、ミクには「初音屋!」、舞台演出技術提供のNTTには「電話屋!」との掛け声が飛んでたとな。いいねえ、「電話屋」!



一方、ボクは、ボカロ系のブースに入り浸っていた。併設イベントという位置づけ?「THE VOCALOID 超 M@STER 37」。ここで、同人音源をいっぱい買おうと思ってたんだ。

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しかし!歯が立たなかった…。
ボーカロイドの現行シーンの状況がてんで把握できてなくて、取り付くシマがなかった…ナニを買えばいいのか全然わからなかった。悔しい、負けた。くっそー、モロッコでも、台北でも、ザクザク地元音源を買えたのに、ここでは完全にフリーズしちゃったのだ。リアルタイムでシーンを追いかけてる息子ノマド高校一年生に、知識と情報を共有してもらっておけばよかったよ。準備不足だったな。ノマドは自分の文化祭があって不参加。「オレの親、ニコ超に行ってるんだよ」をボヤいて仲間に笑われてたそうな。普通の親は、息子差し置いてニコ超行かないらしい。


一から勉強、ボーカロイド・クラシックをチェックする。
2014年、当時中学一年生のノマドがニコ動のアカウントを作って、即座にボカロにハマったんだよな。そこで親子二人で新宿ツタヤのレンタルでめぼしいボカロ音源をたっぷりレンタル。そこからノマドもヒヨコも独自にニコ動やYouTubeを掘りまくって、すげえ量のボカロ楽曲に馴染んでいったようだ。
ノマドとカラオケに行くと永遠にボカロ楽曲だけを歌い続ける。ヤツは学校の仲間と6時間カラオケにこもってボカロばっかり歌うとな。そもそも初音ミクはあくまで女性シンガーだから男子であるノマドが歌うには基本ムリがあるのに、全く構わないらしい。ヤツにとっては思春期に出会った「マイジェネレーション」な音楽がこれらボカロ楽曲。団塊世代がビートルズに出会ったように、バブル世代がメガヒット系小室歌謡に出会ったように、一生もんの影響として21世紀チルドレンのノマド世代はボカロを享受してる。
●ということで、ノマドがカラオケでよく歌ってる楽曲をチェック。ボカロ史としてもニコニコ動画史としても、クラシック作品に当たるだろう。以下は基本全て前述の新宿ツタヤでノマド自身が選んだモノ。敢えてボク自身が干渉してバイアスを入れるのを避けた。だからキチンと聴けるようになるのに3年もかかったんだけど。

VOCALOID BEST from ニコニコ動画 (あお)

VARIOUS ARTISTS「VOCALOID BEST FROM ニコニコ動画(あお)」2011年
●ボーカロイド・初音ミクが発売されたのが2007年8月。実はニコニコ動画がサービスを始めたのも同じ2007年のことだった。二者が密接な関係にあることを象徴する事実。初音ミク発売後約一ヶ月ですでにこのソフトを用いた楽曲が、ニコ動に公開されていたという。
●そこから1年後の2008年に、ドワンゴ傘下のレーベル BINARYMIXX RECORDS からインディ扱いでリリースされた「CDで聞いてみて。 〜ニコニコ動画せれくちょん〜」初音ミク使用オリジナル楽曲2曲を収録したCDが発売される。この段階ではゲームミュージックのカバーがメインの同人音楽コンピアルバムだった。初音ミク使用オリジナル楽曲だけのCD「初音ミク ベスト 〜IMPACTS〜」「初音ミク ベスト 〜MEMORIES〜」(共にリリースは BINARYMIXX)は2009年に登場。そして2011年にはこのアルバムと姉妹版「(あか)」がリリースされた。こうした流れが、初音ミクらボーカロイドがニコニコ動画といったネット空間から滲み出してきた初期のステップか。同時進行でゲーム化が進行。「初音ミク PROJECT DIVA」PSP版 が2009年にリリース。2010年にアーケード版が登場。ちなみにボク自身が初音ミクを察知したのは2009年あたりだ。
●で、このCDには初音ミク〜ボーカロイドの最初期傑作楽曲が収録されてる。 ika_mo「みっくみくにしてあげる♪【してやんよ】」2007年はまさに初音ミクをこの世に知らしめた最初期のビッグアンセム。ソフト初音ミク発売から一ヶ月をまたず動画公開(同年9月)、そしてその後さらに一ヶ月を待たず100万回再生されて(同年10月)、11月にはドワンゴのメイン事業だった着メロ配信がスタート。12月にはカラオケ配信まで開始。ユーザーからの爆発的支持もさることながら、商用利用への転用スピードも早い!
●ノマドヒヨコのフェイバリット楽曲といえば、ガルナ aka オワタP feat. 鏡音レン「パラジクロロベンゼン」2010年やハチ aka 米津玄師 feat. 初音ミク & GUMI「マトリョシカ」2010年か。「マトリョシカ」でボーカロイド GUMI が着ている赤いフードパーカーと同じモノをノマドは愛用してて、普通にそれを着て学校に行くほど。アゴアニキ feat. 巡音ルカ「ダブルラリアット」2009年も、さつき が てんこもり feat. 初音ミク「ネトゲ廃人シュプレヒコール」2010年もよく出てくるな。パッと見だと、フザケた曲だなーと思っても、何気にリリックをきちんと読むと、苦味さえ混じる内容だったりもする。まーぶっちゃけ一回聴いてリリックの意味がスッと入ってこない…日本語といっても合成言語はうまく聞こえないからね。オマケに人間が自然には歌わない密度感で言葉が押し込まれてたりするし。しかし、作り手としては、ワザワザ苦労してソフトに歌わせる以上、そのリリックには渾身の創意を込めただろうし、最初の受け手はニコ動という動画で鑑賞したのだから、今のボクのようにCDで聴覚だけで評価したわけでもない。もうココで音楽との接点を切り結ぶ形が変わったんだな。
●楽曲として成熟している感じがあるのが、supercell (ryo) feat. 初音ミク「ブラック★ロックシューター」2008年かな。アニソンのようなエモいサビ展開がキャッチー。つーか本当にアニメになったのか。ゲームにもなってるな。kz (livetune) feat. 初音ミク「YELLOW」2010年もサビがキャッチー、そしてライトなEDM感覚がキラキラでいいね。sasakure U.K. feat. 初音ミク「*ハロー、プラネット。」2009年は見事なチップチューンだね。これまたすごくキャッチーでポップなのに、リリックは少し悲しげな内容ってのが、動画とコメントで理解できる。

5th ANNIVERSARY BEST Feat 初音ミク

黒うさP「5th ANNIVERSARY BEST Feat. 初音ミク」2013年
●今までピックアップした楽曲は100万回再生を達成した曲ばかりだけど、この黒うさPの代表曲「千本桜」2011年は1000万回再生を達成してる超ビッグヒッツだ。カラオケランキングの常連上位ランカーであり、2015年の紅白歌合戦では「ラスボス」小林幸子にカバーされてる。ノベライズ、コミカライズは当然、ミュージカルにもなっている。
●ボカロカルチャーの重要なポイントは、楽曲動画を軸に、こうしてマルチユース/マルチデバイスで活発に商用展開されていくことだ。ファンは、楽曲をキッカケに小説やマンガ、アニメなどなどに展開していく作品世界についていく。ボクはオールドタイプなので、音楽、マンガ、ラノベ、映画、ゲームなどメディア形式単位でコンテンツ消費が分断される傾向にあるが、ノマドヒヨコのような21世紀チルドレンは「P推し」という言葉を使って作品やクリエイターに寄り添い、躊躇なくメディア形式を横断越境していく。むしろ楽曲だけでしか展開しない作品には興味が持てないというほど。そしてそのメディア横断を容易にしたのは、インターネット/スマートフォンというインフラだとボクは思っている。

悪ノ王国 ~Evils Kingdom~

mothy_悪ノP「悪ノ王国 ~EVILS KINGDOM~」2010年
「悪ノ娘」「悪ノ召使」の2つの代表曲をコアにして壮大な作品世界を描くアプローチ。中世ヨーロッパ〜絶対王政下の社会を連想させるダークな世界観の中で、無見識と無邪気から暴政を振るう王女の欲望とそれが引き起こす悲劇をシアトリカルに描いている。このボカロPは、楽曲毎ごとに更新される物語世界が様々な方向に拡大して、「七つの大罪」を網羅する一大叙事詩を描こうとしている。楽曲「悪食娘コンチータ」は人肉食までエスカレートするしね。そしてこのボカロPは、自分で小説やマンガ原作も手がけるのだ。2010年以降で、小説だけで20冊近く書いているらしい。ヒヨコは「七つの大罪」シリーズはすでに全部読破したとな。よくわからんが全部で1000年分の歴史を備える世界観だそうな。

終焉 -Rewrite-

150P「終焉 -RE:WRITE-」2013年
150Pと書いて「ワンハーフ」と読むという。動画公開2012年の楽曲「孤独ノ隠レンボ」から始まる「終焉の栞プロジェクト」なる連作を発表。それをまとめたのがこのCD。都市伝説に関与して高校生たちが追い詰められるホラーストーリーをヒヨコが絶賛。オマエも詳しいなあ。ヒヨコによると、YouTube に転載された時はこうした連作が動画リストになってたり、関連動画としてリコメンされたりして非常に聴きやすいとのこと。つまりCDである必然性もなしということで。細かい部分では、CDと配信動画だと違うボカロが使われてて違和感があるそうな。IAが歌うべきトコロが初音ミクになってると。細かいところまで聞き分けるんだな!
悪ノPは作詞作曲から小説執筆まで全部自分でこなすマルチクリエイターだが、150Pのアプローチはチームによる分業制を取っている。作詞、ギター演奏、キャラデザイン、イラスト/動画制作のクリエイターをニコニコから募り、自分は「主犯」を名乗って作曲をする。確かに音楽リスナーとしてはギターがしっかりしているトコロがイイ。悪ノPは世界の奥行きはあっても音楽ではちと物足りないというか。ボカロの調整もワリとマンマだし。ただ、どっちにしろ人間には歌えないほどリリックが詰め込まれすぎててマジでリリックが聴き取れない。動画を繰り返し見ないと理解できない。
●なお「終焉」シリーズもマンガ、小説、そしてドラマCDにもなっている。メディア展開では作詞を担当するスズムという人物が原作を担当。そしてなぜか150Pは、2015年以来突然活動停止。

PANDORA VOXX complete

KEMU VOXX「PANDORA VOXX COMPLETE」2013年
●2012年に結成されたサークル。kemu:音楽担当、ハツ子:イラスト担当、ke-sanβ:動画・雑務担当、スズム:OS担当の四人組。音楽ならバンドというトコロが「サークル」という名前で組織されてて、それぞれの分業も全然違うのが特徴的だなあ。実は、150P のチームと KEMU VOXX でメンバーがダブっている。ここではOS担当とされてるスズム氏。OS担当ってナニ?
●しかし、この kemu 氏の作風は BPM200 と超高速な上にギターが実にカシマしいロッキンなバンドアレンジなので、もうCDではリリックの内容は全くわからない。ニコニコ動画で動画(の中で記されるリリック)を見ないとメッセージが理解できない。ボカロは本質的にCDの文化ではないんだね。動画とセットで、またはコメントとセットで鑑賞するんだな。骨の髄まで理解した。彼が好んで使うボカロは、GUMI、鏡音レン&リン、IA初音ミクよりもロック向きなボカロと言えるのかな?中域レンジに強い中性的なニュアンスがイイのかな。
●ただし、この二枚組CDをリリースした後に、KEMU VOXX はやり切っちゃったのか、事実上の活動停止に。最後の公開楽曲「敗北の少年」2013年は、エモいロックバンドなアプローチの中に、敢えて地に足をつけた人生/生活を選択する決意を前向きに歌っている。ボカロPの活動は、基本的に短距離走で、永久に続くキャリアではない。そんな区切り目を意識してしまう。しかしその後も楽曲のメディア展開は行われ、ノベライズがなされてる。動画でイラストを描いていたハツ子氏は小説イラストでも活躍中だね。

地獄型人間動物園

VARIOUS ARTISTS「地獄型人間動物園」2013年
こちらは、りるれれというボカロPが総合プロデュースをつとめ、複数のボカロPが楽曲を寄せ集めたコンピアルバム。コラボレーションのやり方もアレコレあるのね。内容といえば、現代女子のヤンデレな闇を、厭世観たっぷりなのに非常に饒舌なリリックとハイテンポで騒々しいアレンジで抉り出す、それなりに悪趣味なコンセプト。ノマドのフェイバリットはりるれれの代表曲「脳漿炸裂ガール」、全てにステバチになってハイテンションの中でぶっ壊れてく女の子。「文明開花ガール」は百合関係に開花しちゃう女の子。「電脳狂愛ガール」はネット依存で現実世界に順応できなくなった女の子。変人の大集合で地獄の動物園ということですね。
●これもメディア展開がすごいなあ。「脳漿炸裂ガール」でコミカライズ、ノベライズ、そんで劇場映画化までされてるわ。映画の主演には私立恵比寿学園のメンバーがハマってるよ。

EXIT TUNES PRESENTS GUMism from Megpoid
EXIT TUNES PRESENTS GUMitive from Megpoid

VARIOUS ARTISTS「EXIT TUNES PRESENTS GUMism from Megpoid」2011年
VARIOUS ARTISTS「EXIT TUNES PRESENTS GUMitive from Megpoid」2011年
EXIT TUNE は、ポニーキャニオン系列のボカロ音源を重く扱うレーベルだ。そもそもは日テレで放送された伝説の番組「¥マネーの虎」で資金を獲得した当時の社長がダンスミュージックのレーベルとして設立。その後アレコレあってポニキャン傘下に入り、2009年以降は多くのボカロPがここからメジャー音源を発信した。前述の mothy_悪ノP「悪ノ王国」もこのレーベルからリリースされてるし、本当に数多くのコンピアルバムを繰り出してる。
●この二枚で推されてるのが、ボーカロイドの GUMI だ。本来のキャラデザインはゆうきまさみが手がけてる。初音ミクのメーカー・クリプトンフューチャー社ではなく、株式会社インターネットからリリースされた別系統「MEGPOID」のシリーズ。その名は音声ソースとなった声優・中島愛の名前に由来してる。少しハスキーな感触もあって生々しいね。
●さすがに大勢のボカロP集結とあって、様々な個性がいっぱい。ボーカロイドはあくまで楽器であって、音楽の作り手次第で如何様にも役割を変えるし、ボカロ使いという接点があっても、音楽の作り手が目指す音楽は人それぞれバラバラと思い知る。Dios / シグナルP「会いたい」なんて西野カナっぽいジェイポップに聴こえるし、164「天ノ弱」はギターロックだけどサビがエモくてポップ。その一方で、YM「十面相」は多重人格に分裂した少女の物語で、突飛な設定がいかにもボカロネイティブな感じ。家の裏でマンボウが死んでるP「クワガタにチョップしたらタイムスリップした」も無茶な入り口と見せかけてリリックの中のストーリーテリングが興味深い。ふー、もう大変だ。

●さしあたり、この辺で一回、ボカロ研究を中断しておきましょ。まだまだ聴ききれない音源がたっぷりだけど。