中学三年生の娘ヒヨコが、立派な天然フシギちゃんになってる模様。

●スマートフォンの予備充電池のことを「スマホの養命酒」と呼んでる。気持ちだけは伝わるが…。
●ソフトバンクユーザー向けの「スーパーフライデー」キャンペーンで31アイスクリームをゲットするために新宿まで遠征してる。中高生は2つもらえるので、きちんと2つアイスを食ってる。
●GWに懇願されて、焼肉を食べに行くことに。お肉いっぱい食べて「なんだかお肌がツヤツヤしてきた」と丸いホッペをさすってた。石焼ビビンバも平らげた。石焼の意味も知らなかったくせに。
●バレエ教室の活動に軸足を置くため、学校の部活は一番ユルイ「華道部」を選んでたヒヨコ。「茶話会」と称してお菓子食べ放題の時間があるのが楽しみだっただけ。しかし中3になってみたら、誰よりも器用にお花を生ける技術が備わってしまってた(元から手先だけは器用)。結果、とうとう部長に就任。女子派閥の力学バランスに無頓着無関心な天然ぶりが決め手だったとな。
●始業前の読書タイムに読む本がない、と言いながら、ボクの本棚から伊藤計劃「ハーモニー」を持っていって読破。そのまま「虐殺器官」も読破。オマエが伊藤計劃にハマるなんて…。ボクが今読んでる「サピエンス全史」も一度学校に持っていったらしい。意味わかってるのかな。
●その一方で、「ソ連」がパパママに当たるボクらが高校生の時まで存在していたことを知ると、「え、ソ連てそんな最近まであったの?むしろロシアが新参?」とだいぶ混乱した模様。帝政ロシアから共産主義、ロシア革命、東西冷戦、核兵器の軍拡競争とペレストロイカまで説明してやりました。北朝鮮と韓国は2つの国に分かれてるだろ、あんな感じにソ連とアメリカで全世界が二つに分かれてた時期があったわけよ。
●GWの宿題では戦前史の課題で「五・一五事件」のレポート書いてた。ちゃんと書けてるじゃんと褒めてやったら「犬養毅さんが殺される理由がワカンナイ、犬養さんの前の総理大臣が悪いんじゃない?それと一緒に殺されちゃった警察官の田中五郎さんがモブキャラすぎてかわいそう。名前がすでにモブすぎる」と独自の視点で解釈。
●高校受験のために塾に通い始めて、確かに成績はよくなってる。偏差値もビックリするほどよくなった。しかしそれ以上にビックリしたのは、合否可能性判定のための志望校記入欄で大失敗、男子校の名前を記入してしまった。アホか!当然「判定不能」だわ。模試以前の段階で歯車が噛み合ってない。
●もう二度と受験勉強したくないから付属高校希望とかいってるが、結局のところ、将来ナニになりたいの?と質問したら、熟考の末「動物のお世話をする仕事とか?」…それでワンちゃんのトリマーさんと言われたら、四大進学はむしろ遠回りじゃないか…。
●先日は、どうしても見たい!と言われて「バイオハザード:ザ・ファイナル」のDVDをレンタルしてやった。なぜか「バイオハザード」シリーズが大好き。悪のマッドサイエンティスト企業・アンブレラのマークが三菱に似てると主張しまくる。



「ニコニコ超会議2017」に行ってきた。

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●久しぶりの「超会議」だったね…このブログの過去ログを探ったら、前回ボクが行った超会議は2013年で第二回だったよ。イベントはさらに巨大化し、洗練してきたのかもしれない。ある意味で音楽フェスと同じ感じ?お客さんは何をどうやって楽しめばいいか、文法を飲み込んできた感があるし、協賛スポンサーやブース出展企業も、何をすれば楽しんでもらえるのかキチンと理解してるように思えた。

マクドナルドが新製品のデザートのサンプリングをやってるのが象徴的だったなー。雑然たるサブカルのカオスに、あの黄色い「M」の字が輝くのは変な光景だった。/日テレ「笑点」の座布団をどこまで高く積み上げられるかギネス記録とかもやってた。/「週刊文春」はニコニコチャンネルを運営してて芸能スクープの裏話を有料課金で配信してるとな。文春砲!/緑のウィッグをかぶった海パンのマッチョが大勢いると思ったら、パチンコ「海物語」キャラのコスプレだった。/民進党は渾身のクリエイティブ「VR蓮舫」で勝負してて、総合的に大失敗してる気がした。/航空自衛隊「ブルーインパルス360°動画」の方が気が利いてると思ったが、マジで酔うみたい。/いつも存在感を放つ在日米軍のみなさんが存在感薄かったのは、緊張高まる北朝鮮情勢が理由か?/大相撲はスルーしちゃった。

「ホラーゲーム実況」ってのがウケてるらしく、リアルホラーゲームとしてお化け屋敷ができてた。/SCRAP のリアル脱出ゲームもあったっけ。/「料理動画」も人気があるらしく、「RTA(REAL TIME ATTACK)」といって制限時間以内に完璧な料理を仕上げることを競う遊びがあるそうな。3分間で完璧なオムレツを作るとか。/コスプレで目立ったのは最近の大ブレイク作品「けものフレンズ」だね。サーバルちゃんにヒグマさん、やっぱりかばんちゃんも。/日本ネットクリエイター協会(JNCA)ってのが気になった。ボカロP向け著作権講座って感じ?/「まるなげひろば」的なユーザーお任せ空間も内容あったなあ。「偽YMO」と名乗るサラリーマン風おっさん三人があえて小さなキーボードで YMO をひたすらカバーするパフォーマンスが楽しかった。ネクタイを頭に巻いて、背中丸めてポチポチ演奏。ナイスセンス。

●同行したワイフは、初音ミク+中村獅童「超歌舞伎/花街詞合鏡」をみてたそうな。

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●ワイフの座席は舞台に対してかなりの側面に位置してたもんだから、フィルムに投影されてたミク(初音大夫)と生身の役者としての中村獅童さんの立ち位置がずれまくって見えてて臨場感は甚だ微妙だったとな。ただ、ミクの存在はさておき、善悪を象徴する二人の歌舞伎役者が、様々なテクノロジーでその演技をアンプリファイされていてソレはソレで見応えがあったとな。
●ドワンゴ関係者のお話では、歌舞伎であるところの観客からの掛け声が、舞台の回数を重ねてくることに洗練されてくるらしい。歌舞伎の掛け声とニコ生のコメントは言うなれば同じ意味だわな。パフォーマーに対するオーディエンスのリアクション。これが公演の回数を重ねるごとに絶妙なタイミングに調整される。それが役者のテンションを上げる。中村獅童さんのような役者ならガンガン上がってく…機械仕掛けのミクは置いてきぼりになっても。そして公演の最後には、最高の仕上がりになっているらしい。
●その時、この空間にはレイヤーが幾重にも折り重なっている。獅童+ミクの一次的パフォーマー。それに相対するのは一次的オーディエンスである会場の観客によるレスポンス。この二者での相互作用が発生する。その様子をメタ視点で俯瞰するのがネット経由で視聴するニコ生ユーザー。彼らは二次的オーディエンスでありながら、コメント機能を用いて会場に干渉する。つまり二次的パフォーマーになる。会場に設置された大型モニターに吹き荒れるコメントは、会場内の空気を変える存在感になる。会場内の一次的パフォーマー/オーディエンスとネット経由の二次的オーディエンス/パフォーマーが相互作用を起こす。ニコ生ユーザーがネット回線経由で中村獅童を煽って芝居のボルテージを上げる!ムムム!実に面白い。
●ちなみに、オーディエンスやコメントからは、獅童さんには「萬屋!」、ミクには「初音屋!」、舞台演出技術提供のNTTには「電話屋!」との掛け声が飛んでたとな。いいねえ、「電話屋」!



一方、ボクは、ボカロ系のブースに入り浸っていた。併設イベントという位置づけ?「THE VOCALOID 超 M@STER 37」。ここで、同人音源をいっぱい買おうと思ってたんだ。

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しかし!歯が立たなかった…。
ボーカロイドの現行シーンの状況がてんで把握できてなくて、取り付くシマがなかった…ナニを買えばいいのか全然わからなかった。悔しい、負けた。くっそー、モロッコでも、台北でも、ザクザク地元音源を買えたのに、ここでは完全にフリーズしちゃったのだ。リアルタイムでシーンを追いかけてる息子ノマド高校一年生に、知識と情報を共有してもらっておけばよかったよ。準備不足だったな。ノマドは自分の文化祭があって不参加。「オレの親、ニコ超に行ってるんだよ」をボヤいて仲間に笑われてたそうな。普通の親は、息子差し置いてニコ超行かないらしい。


一から勉強、ボーカロイド・クラシックをチェックする。
2014年、当時中学一年生のノマドがニコ動のアカウントを作って、即座にボカロにハマったんだよな。そこで親子二人で新宿ツタヤのレンタルでめぼしいボカロ音源をたっぷりレンタル。そこからノマドもヒヨコも独自にニコ動やYouTubeを掘りまくって、すげえ量のボカロ楽曲に馴染んでいったようだ。
ノマドとカラオケに行くと永遠にボカロ楽曲だけを歌い続ける。ヤツは学校の仲間と6時間カラオケにこもってボカロばっかり歌うとな。そもそも初音ミクはあくまで女性シンガーだから男子であるノマドが歌うには基本ムリがあるのに、全く構わないらしい。ヤツにとっては思春期に出会った「マイジェネレーション」な音楽がこれらボカロ楽曲。団塊世代がビートルズに出会ったように、バブル世代がメガヒット系小室歌謡に出会ったように、一生もんの影響として21世紀チルドレンのノマド世代はボカロを享受してる。
●ということで、ノマドがカラオケでよく歌ってる楽曲をチェック。ボカロ史としてもニコニコ動画史としても、クラシック作品に当たるだろう。以下は基本全て前述の新宿ツタヤでノマド自身が選んだモノ。敢えてボク自身が干渉してバイアスを入れるのを避けた。だからキチンと聴けるようになるのに3年もかかったんだけど。

VOCALOID BEST from ニコニコ動画 (あお)

VARIOUS ARTISTS「VOCALOID BEST FROM ニコニコ動画(あお)」2011年
●ボーカロイド・初音ミクが発売されたのが2007年8月。実はニコニコ動画がサービスを始めたのも同じ2007年のことだった。二者が密接な関係にあることを象徴する事実。初音ミク発売後約一ヶ月ですでにこのソフトを用いた楽曲が、ニコ動に公開されていたという。
●そこから1年後の2008年に、ドワンゴ傘下のレーベル BINARYMIXX RECORDS からインディ扱いでリリースされた「CDで聞いてみて。 〜ニコニコ動画せれくちょん〜」初音ミク使用オリジナル楽曲2曲を収録したCDが発売される。この段階ではゲームミュージックのカバーがメインの同人音楽コンピアルバムだった。初音ミク使用オリジナル楽曲だけのCD「初音ミク ベスト 〜IMPACTS〜」「初音ミク ベスト 〜MEMORIES〜」(共にリリースは BINARYMIXX)は2009年に登場。そして2011年にはこのアルバムと姉妹版「(あか)」がリリースされた。こうした流れが、初音ミクらボーカロイドがニコニコ動画といったネット空間から滲み出してきた初期のステップか。同時進行でゲーム化が進行。「初音ミク PROJECT DIVA」PSP版 が2009年にリリース。2010年にアーケード版が登場。ちなみにボク自身が初音ミクを察知したのは2009年あたりだ。
●で、このCDには初音ミク〜ボーカロイドの最初期傑作楽曲が収録されてる。 ika_mo「みっくみくにしてあげる♪【してやんよ】」2007年はまさに初音ミクをこの世に知らしめた最初期のビッグアンセム。ソフト初音ミク発売から一ヶ月をまたず動画公開(同年9月)、そしてその後さらに一ヶ月を待たず100万回再生されて(同年10月)、11月にはドワンゴのメイン事業だった着メロ配信がスタート。12月にはカラオケ配信まで開始。ユーザーからの爆発的支持もさることながら、商用利用への転用スピードも早い!
●ノマドヒヨコのフェイバリット楽曲といえば、ガルナ aka オワタP feat. 鏡音レン「パラジクロロベンゼン」2010年やハチ aka 米津玄師 feat. 初音ミク & GUMI「マトリョシカ」2010年か。「マトリョシカ」でボーカロイド GUMI が着ている赤いフードパーカーと同じモノをノマドは愛用してて、普通にそれを着て学校に行くほど。アゴアニキ feat. 巡音ルカ「ダブルラリアット」2009年も、さつき が てんこもり feat. 初音ミク「ネトゲ廃人シュプレヒコール」2010年もよく出てくるな。パッと見だと、フザケた曲だなーと思っても、何気にリリックをきちんと読むと、苦味さえ混じる内容だったりもする。まーぶっちゃけ一回聴いてリリックの意味がスッと入ってこない…日本語といっても合成言語はうまく聞こえないからね。オマケに人間が自然には歌わない密度感で言葉が押し込まれてたりするし。しかし、作り手としては、ワザワザ苦労してソフトに歌わせる以上、そのリリックには渾身の創意を込めただろうし、最初の受け手はニコ動という動画で鑑賞したのだから、今のボクのようにCDで聴覚だけで評価したわけでもない。もうココで音楽との接点を切り結ぶ形が変わったんだな。
●楽曲として成熟している感じがあるのが、supercell (ryo) feat. 初音ミク「ブラック★ロックシューター」2008年かな。アニソンのようなエモいサビ展開がキャッチー。つーか本当にアニメになったのか。ゲームにもなってるな。kz (livetune) feat. 初音ミク「YELLOW」2010年もサビがキャッチー、そしてライトなEDM感覚がキラキラでいいね。sasakure U.K. feat. 初音ミク「*ハロー、プラネット。」2009年は見事なチップチューンだね。これまたすごくキャッチーでポップなのに、リリックは少し悲しげな内容ってのが、動画とコメントで理解できる。

5th ANNIVERSARY BEST Feat 初音ミク

黒うさP「5th ANNIVERSARY BEST Feat. 初音ミク」2013年
●今までピックアップした楽曲は100万回再生を達成した曲ばかりだけど、この黒うさPの代表曲「千本桜」2011年は1000万回再生を達成してる超ビッグヒッツだ。カラオケランキングの常連上位ランカーであり、2015年の紅白歌合戦では「ラスボス」小林幸子にカバーされてる。ノベライズ、コミカライズは当然、ミュージカルにもなっている。
●ボカロカルチャーの重要なポイントは、楽曲動画を軸に、こうしてマルチユース/マルチデバイスで活発に商用展開されていくことだ。ファンは、楽曲をキッカケに小説やマンガ、アニメなどなどに展開していく作品世界についていく。ボクはオールドタイプなので、音楽、マンガ、ラノベ、映画、ゲームなどメディア形式単位でコンテンツ消費が分断される傾向にあるが、ノマドヒヨコのような21世紀チルドレンは「P推し」という言葉を使って作品やクリエイターに寄り添い、躊躇なくメディア形式を横断越境していく。むしろ楽曲だけでしか展開しない作品には興味が持てないというほど。そしてそのメディア横断を容易にしたのは、インターネット/スマートフォンというインフラだとボクは思っている。

悪ノ王国 ~Evils Kingdom~

mothy_悪ノP「悪ノ王国 ~EVILS KINGDOM~」2010年
「悪ノ娘」「悪ノ召使」の2つの代表曲をコアにして壮大な作品世界を描くアプローチ。中世ヨーロッパ〜絶対王政下の社会を連想させるダークな世界観の中で、無見識と無邪気から暴政を振るう王女の欲望とそれが引き起こす悲劇をシアトリカルに描いている。このボカロPは、楽曲毎ごとに更新される物語世界が様々な方向に拡大して、「七つの大罪」を網羅する一大叙事詩を描こうとしている。楽曲「悪食娘コンチータ」は人肉食までエスカレートするしね。そしてこのボカロPは、自分で小説やマンガ原作も手がけるのだ。2010年以降で、小説だけで20冊近く書いているらしい。ヒヨコは「七つの大罪」シリーズはすでに全部読破したとな。よくわからんが全部で1000年分の歴史を備える世界観だそうな。

終焉 -Rewrite-

150P「終焉 -RE:WRITE-」2013年
150Pと書いて「ワンハーフ」と読むという。動画公開2012年の楽曲「孤独ノ隠レンボ」から始まる「終焉の栞プロジェクト」なる連作を発表。それをまとめたのがこのCD。都市伝説に関与して高校生たちが追い詰められるホラーストーリーをヒヨコが絶賛。オマエも詳しいなあ。ヒヨコによると、YouTube に転載された時はこうした連作が動画リストになってたり、関連動画としてリコメンされたりして非常に聴きやすいとのこと。つまりCDである必然性もなしということで。細かい部分では、CDと配信動画だと違うボカロが使われてて違和感があるそうな。IAが歌うべきトコロが初音ミクになってると。細かいところまで聞き分けるんだな!
悪ノPは作詞作曲から小説執筆まで全部自分でこなすマルチクリエイターだが、150Pのアプローチはチームによる分業制を取っている。作詞、ギター演奏、キャラデザイン、イラスト/動画制作のクリエイターをニコニコから募り、自分は「主犯」を名乗って作曲をする。確かに音楽リスナーとしてはギターがしっかりしているトコロがイイ。悪ノPは世界の奥行きはあっても音楽ではちと物足りないというか。ボカロの調整もワリとマンマだし。ただ、どっちにしろ人間には歌えないほどリリックが詰め込まれすぎててマジでリリックが聴き取れない。動画を繰り返し見ないと理解できない。
●なお「終焉」シリーズもマンガ、小説、そしてドラマCDにもなっている。メディア展開では作詞を担当するスズムという人物が原作を担当。そしてなぜか150Pは、2015年以来突然活動停止。

PANDORA VOXX complete

KEMU VOXX「PANDORA VOXX COMPLETE」2013年
●2012年に結成されたサークル。kemu:音楽担当、ハツ子:イラスト担当、ke-sanβ:動画・雑務担当、スズム:OS担当の四人組。音楽ならバンドというトコロが「サークル」という名前で組織されてて、それぞれの分業も全然違うのが特徴的だなあ。実は、150P のチームと KEMU VOXX でメンバーがダブっている。ここではOS担当とされてるスズム氏。OS担当ってナニ?
●しかし、この kemu 氏の作風は BPM200 と超高速な上にギターが実にカシマしいロッキンなバンドアレンジなので、もうCDではリリックの内容は全くわからない。ニコニコ動画で動画(の中で記されるリリック)を見ないとメッセージが理解できない。ボカロは本質的にCDの文化ではないんだね。動画とセットで、またはコメントとセットで鑑賞するんだな。骨の髄まで理解した。彼が好んで使うボカロは、GUMI、鏡音レン&リン、IA初音ミクよりもロック向きなボカロと言えるのかな?中域レンジに強い中性的なニュアンスがイイのかな。
●ただし、この二枚組CDをリリースした後に、KEMU VOXX はやり切っちゃったのか、事実上の活動停止に。最後の公開楽曲「敗北の少年」2013年は、エモいロックバンドなアプローチの中に、敢えて地に足をつけた人生/生活を選択する決意を前向きに歌っている。ボカロPの活動は、基本的に短距離走で、永久に続くキャリアではない。そんな区切り目を意識してしまう。しかしその後も楽曲のメディア展開は行われ、ノベライズがなされてる。動画でイラストを描いていたハツ子氏は小説イラストでも活躍中だね。

地獄型人間動物園

VARIOUS ARTISTS「地獄型人間動物園」2013年
こちらは、りるれれというボカロPが総合プロデュースをつとめ、複数のボカロPが楽曲を寄せ集めたコンピアルバム。コラボレーションのやり方もアレコレあるのね。内容といえば、現代女子のヤンデレな闇を、厭世観たっぷりなのに非常に饒舌なリリックとハイテンポで騒々しいアレンジで抉り出す、それなりに悪趣味なコンセプト。ノマドのフェイバリットはりるれれの代表曲「脳漿炸裂ガール」、全てにステバチになってハイテンションの中でぶっ壊れてく女の子。「文明開花ガール」は百合関係に開花しちゃう女の子。「電脳狂愛ガール」はネット依存で現実世界に順応できなくなった女の子。変人の大集合で地獄の動物園ということですね。
●これもメディア展開がすごいなあ。「脳漿炸裂ガール」でコミカライズ、ノベライズ、そんで劇場映画化までされてるわ。映画の主演には私立恵比寿学園のメンバーがハマってるよ。

EXIT TUNES PRESENTS GUMism from Megpoid
EXIT TUNES PRESENTS GUMitive from Megpoid

VARIOUS ARTISTS「EXIT TUNES PRESENTS GUMism from Megpoid」2011年
VARIOUS ARTISTS「EXIT TUNES PRESENTS GUMitive from Megpoid」2011年
EXIT TUNE は、ポニーキャニオン系列のボカロ音源を重く扱うレーベルだ。そもそもは日テレで放送された伝説の番組「¥マネーの虎」で資金を獲得した当時の社長がダンスミュージックのレーベルとして設立。その後アレコレあってポニキャン傘下に入り、2009年以降は多くのボカロPがここからメジャー音源を発信した。前述の mothy_悪ノP「悪ノ王国」もこのレーベルからリリースされてるし、本当に数多くのコンピアルバムを繰り出してる。
●この二枚で推されてるのが、ボーカロイドの GUMI だ。本来のキャラデザインはゆうきまさみが手がけてる。初音ミクのメーカー・クリプトンフューチャー社ではなく、株式会社インターネットからリリースされた別系統「MEGPOID」のシリーズ。その名は音声ソースとなった声優・中島愛の名前に由来してる。少しハスキーな感触もあって生々しいね。
●さすがに大勢のボカロP集結とあって、様々な個性がいっぱい。ボーカロイドはあくまで楽器であって、音楽の作り手次第で如何様にも役割を変えるし、ボカロ使いという接点があっても、音楽の作り手が目指す音楽は人それぞれバラバラと思い知る。Dios / シグナルP「会いたい」なんて西野カナっぽいジェイポップに聴こえるし、164「天ノ弱」はギターロックだけどサビがエモくてポップ。その一方で、YM「十面相」は多重人格に分裂した少女の物語で、突飛な設定がいかにもボカロネイティブな感じ。家の裏でマンボウが死んでるP「クワガタにチョップしたらタイムスリップした」も無茶な入り口と見せかけてリリックの中のストーリーテリングが興味深い。ふー、もう大変だ。

●さしあたり、この辺で一回、ボカロ研究を中断しておきましょ。まだまだ聴ききれない音源がたっぷりだけど。











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