ソフトバンクのキャンペーン、「スーパーフライデー」を初めて利用したよ。

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●毎週、ショートメールで送られてくるこのご案内、忙しい金曜日にチャンスはなくて、ボクは全部スルーしてました。でも娘ヒヨコ中学三年生はマストで活用、学校帰りのコンビニの前に友達を待たせてアイスを無料でゲットしてくる。ミスドとのコラボの時も行列に並んでドーナツもらってきてたな。うーん、このキャンペーンの磁力はすげえとみた。
●で、珍しく余裕があった今週金曜日の夜23時。ワイフと二人で近所のセブンイレブンまで歩いて、ホットコーヒーをゲットした。少々いつもよりもお客が多い気分で、アイスクリームはすでに品切。ぼくらも無料コーヒーだけじゃなくて、ついでの買い物をしちゃった。結局ソフトバンク&セブンイレブンにキッチリウィンウィンなメリットがあるんだねー、と体感しました。

「買い物」体験の「UI/UX」ってのは、丁寧にデザインされるべきだな。
「ユーザ・インターフェイス/ユーザ・エクスペリエンス」。耳タコになるくらいに各方面で聞かされるキーワードだが、実はこのへんを総合的にデザインできる職能って、いまだ存在しない気がする。もちろん狭義のスマホサービスデザインの専門家はいるだろうが、実店舗誘導や商品へのリーチ、そして購買というリアル行動まで包括したデザインやプランニングって、誰がこなせる仕事だろうね?ソフトバンクのキャンペーンだって、基本的にはショートメール&テレビCM大量出稿という古典的な動機トリガーだけで動かしてるし。まー別業種との巨大流通を伴うコラボはそれなりの大調整が必要だろうけど。
●ただ、キャンペーンに乗っかった一消費者になってみたら、いつものコンビニでわざわざスマホ画面を提示って行為が、奇妙なダンドリで面白かったよ。なんとなく顔だけは知ってたバイトさんとマニュアル想定外の会話することが初めてだし、そのバイトさんが実は中国系の留学生らしくナニゲに会話に難アリとか新発見があったし。名札みたら「ち」と一文字書いてあった。ひらがなで「ち」って…どんな漢字書くんだろう?


新しい「買い物」体験、をデザインする冒険。
●アプリ「LIVE SHOP !」というアプリが最近ローンチした。これがなんだかオモシロイ。
●てっとり早く言えば「インフルエンサー・マーケティング」+「Eコマース」だ。

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SNSで活躍しているインフルエンサーの女の子をキャスティングして、彼女たちのオススメアイテムをプレゼンテーション。ユーザーは画面下段中央のカートボタンからその商品を購入できるって仕組み。サクッと表現すれば、ただそれだけ。しかし、これがなんだか興味深い。
ユーチューバーのネイティブアド・コンテンツってのは、まーある程度までアプローチが進んでいる。大物ユーチューバーにとっては、再生数に応じて Google から配分される広告費なんか実は微々たるもので、直にオファーされるネイティブアドな商品露出で得られる収入こそがメインの売上になってると聞く。でも、そのアド露出から購入行動に直結って、ありそうでなかった気が。YouTube の仕様は Eコマース直結までの機能はないし、「無料が当たり前」の YouTube 世界観で露骨なEコマースって馴染まない気がする。改めてハッキリ言っとくけど、各々のプラットフォームに定着したユーザー文化は、運営側にも制御不能なくらいの圧力を持ってて、それを乱すとプラットフォーム自体が終わるほどだと思うよ。ニコニコしかり、twitterしかり。ツイキャスしかり。
●ただ、この「LIVE SHOP !」が取り上げるのは若い女の子向けの商品。出演するインフルエンサーたちも、広告事情関係なくオススメのメイクグッズやそれを用いたテクニックを紹介することで評価を上げてきた子たちだ。だから、サービスの世界観として、そこに露骨な購入導線があってもイヤラシサがない。最初からアプリの名を「LIVE SHOP !」と謳った以上、売り買いは当たり前ってブランディングが明確になってる。インフルエンサーオススメの商品は一般流通で入手困難だったりするみたいなので、むしろ便利で歓迎されそうだ。インフルエンサーの配信を楽しみながらそのままその画面内で購入行為まで完結させる一気通貫な「買い物」体験は、ある意味で新しい「UI/UX」のデザインだよね。
●ただ現状は、中高生のおこづかいでも手に入る程度のお値段設定しか扱ってないし、在庫も大きく構えてない(実際に購入できるのは「先着」や「抽選」で選ばれた数人程度)ので、運営サイドも探ってる感じ。ガチで販売流通やろうとすると、商品在庫管理とかアレコレ大変だからね。

●それと、アプリ/サービスの基本性能で注目すべきは、画質が異常に良い!

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●これでわかるかな?左の赤背景が「Live Shop !」、右の黄色背景が「LINE LIVE」。同じ女の子、同じ浴衣姿、だけど、圧倒的に高画質。基本、インフルエンサーってスマホ自撮りベースのローテクな雑さが味な気分があるでしょ?でも「Live Shop !」は専用スタジオを用いているのか?照明バッチリ、カメラ3台にスイッチャーあり、CGスーパーの挿入も出来る。運営の CANDEE という会社の、広告系クリエイティブプロダクションという出自がココに反映されてる。新発見としては「スマホデバイスに画質クオリティなんてどーでもいいよー」は偏見で、やっぱ高画質はバリューを伴うし、デバイスの機能もそれを実現できるパワーがある。スマホでも4K画質がスタンダードってワリとすぐ到来する未来か?

インフルエンサーってどうなのよ?あ、ゆうこすはスゴイ。
●でね、色々な女の子が出演してるんだけど、一人頭抜けた才能を持つ子がいまして。菅本裕子ちゃん AKA ゆうこす。本日のキャプチャー写真に出てる子です。メイクもファッションもわからんボクでも楽しめるバラエティ話術がスゲエ。実は元 HKT48 だったという前歴は後から知った。その時代の男子ファン層を全部入れ替えて、今では「モテる為に生きてるモテクリエイター」と公言、そのモテスキルで女子ファンに圧倒的支持を得ている。「ネオぶりっ子」なんて表現も。
しかもソーシャルの駆使っぷりが激しい。インスタグラムで生配信をして「Live Shop !」での配信を告知。それが終わらぬうちに「Live Shop !」配信がスタート、二系統の配信を同時に仕切って、インスタの観衆を「Live Shop !」へ誘導する。配信中でも自撮りしてそれをその場で LINE の公式アカウントで発信する。YouTubeチャンネルもtwitterも運営しててそれぞれ、10〜20万のフォロワーを持つ。器用だよ、器用すぎるよキミ!
●この前の配信はいきなりハプニングでスタートしてて面白かったー。LINEの告知で「CM撮影オシてやばすぎ!しかも今すっぴん!」と投稿、ロケバス内で着付けしてる写真が飛んでくる。24時配信とド深夜設定なのにスタジオ入り遅刻とは。しかしその遅刻実況をインスタでライブ配信。「Live Shop !」チームも彼女を迎え出てロケバスに途中で乗車、スマホで配信スタート。そのままエレベータに乗って画像乱しつつ、スタジオに飛び込む!ハプニングすらネタ!楽しいねえ。メイクの仕方をレクチャーするのがお題の一つだが、完全すっぴんスタートってのもご一興であります。

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●仕事のトラブルですらソーシャルネタにするゆうこす「ロケ車で着付けしながら移動してる!すっぴんから生配信します!」


●そんなこんなで、「買い物」体験〜人はいつどのようにお金を使うのか?というミクロな瞬間について、モワモワ考えふけってます。
●この前は、生まれて初めてのプロ野球観戦で、東京ドームに巨人戦見に行った、なんて経験もありまして。完全プロ野球知識ゼロ人間の視点から、ああ、こんな楽しい経験がデザインされてて、だからこそ日々ファンは球場に集まり、球場でお金を使うのかーと、色々気づきがありましたー。その時の話はまた後日機会があれば。



●音楽、SUNNY DAY SERVICE の過去と現在。そんでスポッティファイすごい。

サニーデイサービスベスト 

SUNNY DAY SERVICE「BEST 1995-2000」1995〜2000年
●以前の記事で、SUNNY DAY SERVICEAPPLE MUSIC & スポッティファイ限定で新譜「POPCORN BALLADS」をリリースしたコトを書きました。フィジカルメディアどころかダウンロード配信もしないという潔さ!これにさらに注目の続報があって。

曽我部恵一twitter 

サニーデイ・サービス『Popcorn Ballads』収録「summer baby」のミックス/マスタリングを変更しました。数日内に反映され、ダウンロードしたデータも入れ替わります。」

●なに? すでにリリースしたアルバムを、部分的に手直しして更新しちゃうの? 配信流通の世界では、音源が際限なく改訂更新し得るってコト?理屈の上では理解できるけど、パッケージメディア世代のボクには予想もできなかった行為だ!わお!曽我部さんは自分のキャリアを、音楽の質だけでなく、その周辺(流通もろもろ)まで革新しようとしてるんだな。

●そんな彼らの初期キャリアをベスト盤で聴く。SUNNY DAY SERVICE90年代渋谷系の後発バンドとして1994年にデビュー。THE FLIPPERS GUITAR、PIZZICATO FIVE、UNITED FUTURE ORGANIZATION などなど、かなりスノビッシュな連中揃いだった渋谷系文化においては、どこかイモ臭い印象さえ感じてた。「80年代ネオアコ再評価」という渋谷系の基盤フォーマットを通り越して「70年代フォークロック再評価」から「はっぴいえんど再評価」までスローバックする突き抜けたアプローチには、小西康陽さんの「ソフトロック再発見」と一部共振しつつも、あまりに昭和テイストが濃すぎて当時はややついていけなかった…。その意味でボクはこのバンドの良いリスナーじゃなかった。リアタイな思い出としては、1995年ごろ原宿の小さなDJバーで彼のソフトロックな選曲を聴いて、その中に違和感なくはっぴいえんどのアップな名曲「はいからはくち」が織り込まれてカッコいい!なんて思い出はあったな。曽我部さん、その夜は最後泥酔してた。20年以上前のコトだよ。
●ほー。やっぱツヤツヤ最新形なファンクネスをクールに鳴らす新作「POPCORN BALLADS」とは趣が全然違うよ。素朴なフォーキーさと、バタ臭い昭和歌謡曲グルーヴと、センチメンタルな温もりが奥ゆかしいアナクロニズムがとても愛おしいよ。なんだか STEPHEN STILLS & THE MASANAS みたいなモノを連想させるのさ。もうちょっと枯れ寂びたら NEIL YOUNG までいくみたいな。和物で言えば小坂忠な感じでしょうか。そしてそのままティンパンアレー人脈の系譜へ。ズバリ70年代。ディスク1はシングル曲や有名曲中心だけど、ディスク2はマニアックなライブ音源などなどで、味がより濃口でありました。SLY STONE の日本語カバーまで演ってるし。この70年代気分に90年代当時影響を受けたボクの友人Aは、ブーツカット〜ベルボトムにチューリップハットに無造作なマッシュルームヘアを決めて普通に会社に通勤してた。わー振り切ってるなーと思ってたよ。そもそもの素材がイケメンだから、いい味出してたけど。
●ただ、昔から一番大好きな曲「青春狂走曲」は、最新作にハッキリしてるしなやかなファンクネスをシッカリ握り込んだ曲で、このバンドが最初から現在まで一貫して鮮やかなダンス感覚を備えていることを証明してる。温かいオルガンが元気よく鳴ってる気分は70年代スローバックな気分だけど、珍しくラップ直前まで詰め込んだリリックが楽しくリズムに弾んでひたすら陽気にグルーヴする様子が、この20年間耳から離れない。「そっちはどうだい うまくやってるかい こっちはこうさ どうにもならんよ 今んとこはまあ そんな感じなんだ」どうにもならなくても、どうにかなるような気がしてた20歳台の根拠のない自信が、キラキラ眩しいよ。
●彼らの当時の音源をリリースしてた MIDI というレーベルは、半分メジャー半分インディみたいな微妙なバランスに位置してたけど、ネットで調べたら今でもきちんと活動してるようだ!うわー頑張ってるんだねー。当時は渡邊文武さんという名物ディレクターが活躍していたはず。


●おまけ。スポッティファイはやっぱり便利。

スメタナ/連作交響詩 
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団/小林研一郎「スメタナ/連作交響詩『我が祖国』」2008年
スポッティファイで聴いてます。娘ヒヨコが音楽の試験に出るっていうんで。リビングでヒヨコが「モルダウ〜モルダウ〜」と唸ってる瞬間に、スパッと本場チェコの演奏家のパフォーマンスが高音質で再生できるってやっぱ素敵ね。さすがにボクもこの手のクラシックのCDまでは買い集められない。
●オーストリア=ハンガリー二重帝国に併合されちゃってた19世紀チェコの境遇を、国内一番の大河に想いを馳せて作曲されたモノ。しかも晩年を迎えた作曲家スメタナは健康を損なって片耳失聴状態だったとな。モルダウ川はドイツ語の呼称で、チェコ語ではヴルタヴァ川と呼ぶらしい。そんで東欧最大河川のドナウに合流していく。






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●今日は中野で仕事の打ち合わせだったので。
●打ち合わせ終わりはそのまま中野ブロードウェイにシケ込み、二階のカフェ BAR ZINGARO でエアロプレスの美味しいコーヒーを飲んで過ごしてた。で、資格試験の勉強してたんだけど。
●カウンターに「カイカイキキ 会社説明会」というボードがあってビックリ。確かにこの BAR ZINGARO はアーティスト・村上隆の会社「カイカイキキ」が経営するお店だけどさ、こんなところでしっかり採用活動してるとはー、なんか意外!


才能あるラッパーが、若くして亡くなりました。PRODIGY OF MOBB DEEP。

MOBB DEEP「AMERIKAZ MIGHTMARE」 

MOBB DEEP「AMERIKAZ MIGHTMARE」2004年
ニューヨーク〜東海岸スタイルのハードコアヒップホップを90年代から体現していたデュオ MOBB DEEP のラッパー PRIODIGY が亡くなった。42歳。ライブでラスベガスを訪れた後、体調を崩して入院、そのまま帰らぬ人になってしまったそうな。ラッパー含め、ミュージシャンは短命な人が多いなあ。
●そこで、彼らのキャリア中盤のアルバムを聴く。90年代に一世風靡した後のなんとなく落ち着いちゃった時期とあって、あまりヒットもしなかった作品らしい。なにしろ激安ワゴンで100円の投げ売りだったし。ボクも入手したのはごく最近。とはいえ、地味にストイックなループを繰り返すトラックを、淡々としながらも密度の濃いラップで黒く塗り込めるスタイルこそ東海岸のハードコアな姿勢であって、その意味ではこのアルバムもそのマナーは踏襲されてる。時代が降ってサンプルが使いづらくなったとあって、多少質感は変わったけどね。トラックメイキングも務める相棒 HAVOC とマイクを交換しながら PRODIGY はねちっこいループの上にタイトに言葉を配置していく。うむ、ストイックすぎて、苦い。ラップに取っ付きやすさがない。硬派ってこういうことよ。ハードコアってこういうことよ。
●その一方で、ギョギョという大ネタサンプル使いが意外な戦法でビビった。「GOT IT TWISTED」という曲で80年代テクノポップのヒット曲 THOMAS DOLBY「SHE BLINDED ME WITH SCIENCE」をガッツリ使ってる。原曲からスクリュー気味にテンポダウンしてる感じが奇妙な怪しさを醸していきなりキャッチー。この一曲だけでも価値がある。
●その他気になるゲスト参加曲。やはり今や故人の NATE DOGG が美声を交える「DUMP」の湿り気がナイス。何気に東西交流してるじゃん。サウス系では LIL JON がクランク風のガナリ芸を披露する「REAL GANGSTAZ」も気分かな。注目は KANYE WEST がトラック提供してる「THRO YOUR HANDS (IN THE AIR)」ストイックさを残しながらも、丁寧なプロダクションで KANYE 流の華やかさが漂う。もちろん KANYE 自身もマイクを握る。
●このアルバムの後、2006年に MOBB DEEP 50 CENT 率いる G-UNIT 軍団に加盟表明。HAVOC G-UNIT 軍団にトラック提供してる関係値はあるとしても、明らかに後輩の 50 CENT の配下に入らないでもいいじゃんと思ったものだ。その軍団の中でアルバムを一枚リリースするも、一時活動休止。2014年に復活を遂げて新譜を出すも、今回の悲劇に見舞われてしまった…。レスト・イン・ピース。

Thomas Dolby - The Golden Age Of Wireless - 1982 

THOMAS DOLBY「THE GOLDEN AGE OF WIRELESS」1982年
●さて、MOBB DEEP が使った80年代の元ネタ音源を聴いてみましょう。ちなみにコレをサンプルしたのは THE ALCHEMIST というプロデューサー。結構アチコチで名前を見る人だね。しかし、「ワイヤレスの黄金時代」というアルバムタイトル、ひと昔に流行ったバズワード「ユビキタス」を思い出すけど、80年代のワイヤレス技術って、テレビのリモコン程度しかなかったんじゃないか? 
●とはいえ、ご本人は本気でマッドサイエンティストな演出をモリモリにしてますわ。ジャケもまるでフランケンシュタイン博士の悪い実験みたい。ただ、こうした80年代エレポップ=テクノポップは、この時代の技術革新で新しい表現を切り拓いた足跡そのものであって、THOMAS DOLBY 自身がこの点に十分に意識的だったコトを反映してるわけですな。その意味で80年代エレポップ=テクノポップにはSFの感覚がつきまとう。YMO KRAFTWERK もその未来感覚をイメージとして十分に活用していたしね。サンプルネタのヒットシングル「SHE BLINDED ME WITH SCIENCE」もメッチャ科学者気分。
●でも、やってる音楽は、シンセサイザーを目一杯採用しつつも、しっかりしたメロディを持つポップソング。少しダークかもしれないけど、ダンスミュージックとはあまり関係なくて、ポップスとしての構造はむしろ古典的。丁寧な職人気質が見え隠れ。この頃 THOMPSON TWINS FORIGNER のアルバムにキーボード奏者として客演なんかもしてる。自身でアーティスト活動をしながらプロデューサー業にも進出。PREFAB SPROUT など英国ポップスの名譜の裏方仕事もやってる。
●まーしかし、MOBB DEEP のサンプルには、その辺の文脈はスッポリと剥ぎ取られてます。サンプルとはそんな裏切りも醍醐味ってわけで。

THE PRODIGY「BABYS GOT A TEMPER」 

THE PRODIGY「BABY'S GOT A TEMPER」2002年
●こっちは同じ PRODIGY でも、イギリスのビッグビート・ユニットの方ね。世間的にはこっちの方が有名じゃないでしょうか。イギリスの方を THE PRODIGY、アメリカの方を PRODIGY OF MOBB DEEP なんて呼び分ける場面もあったかと。そもそも PRODIGY という単語は「天才/神童」という意味。しかしイギリスの THE PRODIGY はむしろバカと紙一重の暴れん坊ってイメージですねー。
●で、このシングル。ベスト盤とかに収録されてない楽曲なので、わざわざ単品買いしました。どうやら歌詞がゲスな内容で批判された結果、黒歴史として封印された?「デートレイプ」に用いられて悪名高い睡眠薬・ロヒプノール(別名サイレース)のコトを歌ってるらしい。実はこのボク、このクスリを一時期飲みまくってたけど、睡眠薬としては完全入門編なので、正直物足りなかった。ただ、クラブで踊ってお酒あおりながらキメたらヨロヨロするかな。酒とクスリは一緒に飲んじゃダメよ。




●いい感じの公式動画が見つからないので、初期の傑作シングルを貼る。
●まさしく東海岸ハードコアのお手本かと。



●箱根旅行で買った「三角屋水産謹製 西伊豆郷土料理 万能塩鰹茶漬け」がうまい。
●息子ノマドはストレートに茶漬けで食ってるけど、ボクは卵かけご飯にふりかけて食べる。17894818.jpg


●そんな、茶漬けの話なんてしてる場合じゃない。

●7月に迫った「知的財産権管理技能検定(一級/コンテンツ専門業務)」の試験勉強が間に合わない!
●過去問やってみて、難易度の高さにビビりまくり。今まで受けてきた三級/二級の試験や、ビジネス著作権検定(上級)なんて、比較にならないくらい難しい。マジで現場で実務こなしてる人しか分からないような問題がいっぱい出てくる。とはいえその現場が、音楽〜映像〜出版〜ソフトウェア〜海外取引などなど多岐に渡ってて、そんなオールラウンダーはこの世にいないって状況。
●つーことで、付け焼き刃ながら、必死で勉強してる。とりあえず、参考書なんて存在しないから、疑問点は検索しまくるしかない。「著作権等管理事業法」とか「著作権者不明の場合の裁定制度」とか「プロバイダ責任制限法」とか「著作権登録制度」とか「アメリカの著作権法概要」とか「中国の権利保護事情」とか「出版権者の義務」とか「損害賠償請求の訴状の書き方」とか、なんだかよく分からない未知領域に踏み込んでいる。
でも合格したいんだー!ということで睡眠時間を削って、会社を早く上がって、少しでもノートに向かう時間を作ってる。


●ということで、集中力をもって、音楽を聴くことができてない。ブログも滞るわ。
●相変わらずクソみたいにCD買ってるんだけどね。

ポルカドットスティングレイ「大正義」 

ポルカドットスティングレイ「大正義」2017年
●先日、ブラウザゲームの運営会社のミーティングにお邪魔して色々お話聞いたんですよ。大手マンガ/アニメIPを用いたゲームとあって、クリエィティブの監修チェックがなかなかにタフ。そんな権利者さんとのお付き合いのご苦労話や、それをスリ抜けるテクニックなんかを聞いたりしながら、ユーザさんやプラットフォームさんの動向を想定して、UI/UXの設計、イベントの設定、初心者ユーザと既存ユーザのバランス調整などなどが話題に上がり、KPIの設定と達成率などなど、繊細な調整のお話が続く。彼らに比べて、ボクのビジネスはまだまだ大味なオペレーション。彼らゲームプランナーは毎日の動向から即座に施策を企画実行して、お金を稼ぎ出す。すげーなーと素朴に感心するのでした。
ゲームを稼業とするとあって、みんな重度のゲーマー。入手困難だった任天堂 SWITCH を全員が入手してた。大枚叩いて PSVR 買ったけど、バイオハザード5分のプレイで VR 酔いを起こしてギブアップしたという猛者も。IP方面のチェックも怠らないので、アニメもマンガと言ったエンタメコンテンツもヘビーチェックしてて、結果ボクとメッチャ話が合う!楽しい出会いだった。 
●さて、彼らはプラットフォーム系のブラウザゲームが担当だが、他にはスマホアプリ系のゲームの世界があって、そしてそれこそ SWITCH の話題作「ARMS」「スプラトゥーン2」が代表するコンシューマーゲームの世界が存在する。アーケードの世界はどうなってるんだろう?VRはここの領域で進化するのか?
●スマホアプリで制作一年以上、1〜2億円の予算は当たり前の世界。なのに作品寿命は1〜2年程度?ヒット作はマルチユース戦略でアニメ化〜コミカライズ〜商品化で生き残る。コンシューマーゲームとなれば、5000本売れればマシな方。10000本で大ヒットだ。DVDが10000枚売れて大ヒットというボヤキは、音楽業界方面からよく聞くが、それと同じことがゲーム業界でも起こってるのね。
●と、熱くゲーム業界の実情を吐露してくれたディレクター青年が、なんと24歳だったと終盤に気づいてショック。彼から「僕の46歳の父親は…」なんてコメントが出て、おいおい!ボク今年で44歳なんだけど!と驚愕してしまった。君、とってもシッカリしてるね…。

●話が大きく迂回したが、そんなゲーム会社の24歳ディレクター青年が、気に入ってるロックバンドだと言って教えてくれたのが、この音源だ。「YouTubeでも聴けますし、ネット配信でも聴けると思うんですよ。でもCDで買いたいんです。それは、僕がこうしたインディ系バンドをシッカリ支えないと、こうした音楽が滅びちゃう、って思うからです。好きな音楽が聴けなくなる前に、キチンと課金しないとダメなんです!」ゲームで人に課金させてるだけあって、シッカリしてるなあ。ただ、彼ら20歳台にとって、音楽やロックバンドはある意味「絶滅危惧種」扱いで、保護対象に見えるほど脆弱なのね。その感覚も新鮮だ。
●そんな熱意を受け取って数日後、たまたま池袋タワーレコードを冷やかしてたら、見つけてしまった当該物件。おーこれかー!ではボクも新品の正規値段で買ってあげよう。見ると、福岡を拠点にする四人組ロックバンド。フロントでボーカル/ギターを務めるのは紅一点のさん。詞曲も全て担当している模様。古い音楽リスナーであるボクは、ちょっぴり椎名林檎の気分を嗅ぎとるのだけど、エモーショナルなメロディに日本語詞が乗っかって跳ねる様子と、ポップなようでタイトなロックンロールは確かに痛快で、若々しい才能が突っ走っていく様が眩しいよ。







ドラマ、今期は日曜日が4段積みで大変だ。
●午後8時台、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」/柴咲コウ。
●午後9時台、TBS日曜劇場「小さな巨人」/長谷川博己。
●午後10時台、NTV「フランケンシュタインの恋」/綾野剛。
●午後11時台、NHK海外ドラマ「ダウントンアビー・シーズン6」
●オモシロイと思ってるドラマが日曜日に積み重なってる。
●コレを録画や見逃し配信などなどで網羅しようと思ったら、もう他の曜日はチェックできない。

「小さな巨人」は今期では最高の成績をとるんじゃないか?コンスタントに視聴率13%をマークしてるような気がする。
●警察内部の組織内闘争がテーマのマッチョな内容において、ほぼ意味なし存在感なチッポケヒロインを演じる・芳根京子ちゃんが後半になって意外とイイ味を出してきた。スーツ男たちの怒号轟くドロ臭い劇中において、一人華奢な佇まいでフラフラしてる感じが世間ズレしてない無垢さに映ってバランスを保ってくれてる。

「おんな城主 直虎」は反対に失敗路線に邁進中。大河としては失格の12%台まで数字を落としてるそうだ。ぶっちゃけ我が家においても非常に人気がない。だが、ボクにはもうそのダメな感じが味になって、むしろ病み付きかも。
●前作「真田丸」のような、学校の日本史で習う豪華武将キャラがゾロゾロ登場して、誰もが知ってる悲劇的ゴールへ突入する派手な展開が何もない。「井伊直虎」という女性領主がナニをした人物か知識ゼロだし、この先のゴールも全然見えない。時代劇の予定調和的カタルシスが全然ない。
●その一方、跡取りが誰もいなくなった成り行きで、片田舎の豪族当主になってしまった女性の、へっぽこ領地経営ぶりは、不器用な中小企業経営者を見てるようでオモシロイ。中小なら中小の意地がある!流浪の成金商人を抜擢して商品作物の栽培事業を起こしたり、林業開発に盗賊団を登用したりと、冒険心いっぱいのポートフォリオ拡大はご立派。ウチの会社にこんな冒険心はあるのかな?と思ったりして。
●息子が任天堂 SWITCH を買ったので、シリーズ最新作の SWITCH 版「信長の野望」をプレイしたくなってきた。「井伊直虎」を主人公にしたストーリーもあるそうな。彼女と同じように、ボクも地方豪族として領地経営したい。ボクは30年前(80年代)の最初期 NEC PC-8801版「信長の野望」もプレイしてたんだよ。そこから見るとメッチャ複雑そうでヤリキレナイかもしれないけど。

柴咲コウ Single Best 

柴咲コウ「SINGLE BEST」2002〜2008年
●自分でもそこまでしなくていいだろう!とツッコミながらも買ってしまった、柴咲コウのシンガーとしてのキャリア前半を総括したベスト。別名義 RUI KOH+ の楽曲も網羅。432円でした。しかし、買ったトコロで、どうやって聴いたらイイかわからないまま結構な時間放置。男勝りに喚き散らしてばっかりの井伊直虎の印象が強くて、もうこの人の普通の演技がどんなもんだったか思い出せないし、シンガーとしての評価も10年以上前の作品集とあって、よくわからん。ロックとかR&Bとかのジャンルミュージックに偏ってもいないので、楽曲のスタイルで解釈もできない。
●ただ、去年暮れの台湾旅行でゲットした、中国語の女声ポップスを聴いてて、ハタと気づいた。柴咲コウの「純然たる」ジェイポップ様式は、台湾のポップス、香港のポップス、もしかしたら東南アジアのポップスにまで一貫する「汎アジア」的ポップス様式なのかも。台湾のポップスも、タイのポップスを聴いてた時も理解に苦しんだ。でもこれって柴咲コウの音楽と本質は同じかも。しっとりとしたミドルテンポ、エモーションに訴える個性的なボーカル、英語圏とは異なるメロディのアクセント。アジア全般でこの様式がみんな好きなのかも?そう思ったら、いきなり価値が発生した。
「GLITTER」という楽曲が好き。遊園地のメリーゴーラウンドのようなきらびやかさがテンポよく弾んで行く。このシングルの頃で柴咲コウは初めて作詞を単身で手がけたとな。「かたちあるもの」もストリングスアレンジが豪華なバラード。楽曲が分厚いオーバーアレンジでも、張りのある彼女の声は強く主張するので飲み込まれない。少々アップテンポな「INVITATION」という楽曲のサビ展開も好き。RUI 名義の「月のしずく」は、これこそ「汎アジア的」バラードなのかもと勝手に妄想。好きなパーツがいっぱい見つかって嬉しい。


●しかし、とにかく注目なのは、NHK朝ドラ「ひよっこ」だ。

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有村架純演じるヒロインは、1960年代の集団就職で茨城の奥地から上京してきた少女。「向島電気」というラジオ工場でせっせと働くも、会社は倒産。会社の女子寮「乙女寮」で共同生活していた仲間とも散り散りに。あー、この女の子たちの生活ぶりが愛おしかった!全員が地方出身者で、全員がバラバラの方言しゃべって、全員が個性的!もうみんなで集まる場面はないのかな!?さみしー。
ここに魅力的な若い女優さんが集まってた…。主人公・みね子の同郷の親友、時子を演じる佐久間由衣さん(後列左から二人目)は、設定上「東京で女優になる!」と公言するほどのキャラとあって、ホントに美人さん。モデル出身とあって高身長&超小顔の彼女が隣に立つと、有村架純が丸顔のポッチャリちゃんに見えるほど。お姉さん的存在の幸子役の小島藤子さんはなんだかんだで10年くらいファンです。大河に出演中の貫地谷しほりさんと同じ事務所だったっけ。そんでとにかく一番気になるのは福島出身のマイペース少女・澄子を演じた松本穂香さん20歳(後列左から一人目)。度のキツイデカメガネで何やっても鈍臭い田舎っぺを堂々と演じる根性に大器の気配を感じます。つーか、メガネとったら絶対カワイイはず!

松本穂香2 

●ほら!スタジオパークに出演した素の表情は立派な美少女ですよ。でもね。

松本穂香1 

●このメガネ、捨てがたいなあ…。いやいや、今後の彼女の活躍、期待してます。







●「月のしずく」



●「GLITTER」




今日は、箱根で文章書いてます。
●ワイフのお父さんの「古希」のお祝いで、一族で箱根旅行。チビッコの姪甥にスッゲー怖がられてるボク、非常に微妙な立場。ボクを「へんなオジサン」扱いしない子供は、やはり自分のコドモだけだったか。

●そんな箱根で、我がコドモたちは、任天堂 SWITCH に夢中

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●箱根の旅館のテレビに、ノマドが器用に接続して、みんなでマリカに興じてる。ボクもやらせてもらったよ。
●ここ数週間、息子ノマドは SWITCH を入手したくて毎週末都内の電気屋さんを徘徊してました。しかしマジで現在入手困難。
●入荷がありそうなお店の前で張り込みをしては空振りに終わったり。ソーシャルの風評を探っては都内各所を渡り歩いたり。抽選会に参加しては敗れ去ったり。ヨドバシ・ビック・ヤマダの各旗艦店は当たり前、新宿小田急デパートおもちゃ売り場とか、新橋ツクモ電気とか、銀座博品館とか、吉祥寺ドンキとか、代々木上原ゲオとか、家族フル稼働でウロウロしては在庫を求めて放浪してました。最後はノマド自身がヤマかけて出張った、武蔵小金井ドンキで発見。店頭に出てなかった残り一台を店員に問い合わせて引っ張り出してゲット。ノマド、ドヤ顔で帰還。翌日の学校では英雄扱いとな。

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●まとまった入荷があったとしても、一瞬にしてこんな行列がお店の前にできちゃうのです。朝一からお店の周囲は大勢のお客さんが店の気配を探ってる。この行列は予告もなく突然1時過ぎに作られて、商品受け渡しは夕方5時。マジ苦行だわ。


SUNNY DAY SERVICE配信限定音源リリースにシビれてる。

SUNNYDAY SERVICE「POPCORN BALLADS」

SUNNY DAY SERVICE「POPCORN BALLADS」2017年
スポッティファイ、アップルミュージックによる配信限定として今月2日にリリース。そして今のトコロ、フィジカルでのリリース予定はナシ!ダウンロード配信すら予定ナシ。インディアーティストにとって、サブスクリプション・サービスがどれだけ有利なビジネスになっているかワカラナイ。でもナニゲにインディ系こそ活発に利用してる気分漂う中に、こうした歴史あるバンドまで参入してくると、マジでもうこの手のサービスは無視できないなと思う今日この頃。しかも22曲85分の大ボリューム。CDでは収容できない分量でアルバムの構成が描ける自由さすら見せつけられた。
●そんで、内容が良い。良すぎる。今までのバンドへのイメージが裏返るほどに。ギターバンド/フォークロック/70年代フーテンリバイバルなイメージがあったはずなのに、今回前面に出てるのはウェットでアーバンなファンク感覚。センチメンタルに響いてたはずのボーカルは、甘くセクシーになってる。繊細なファルセットが可憐。結果、クールな湿気を帯びたグルーヴがオシャレに駆動80年代シティポップスの気分さえもが濃厚。「街角のファンク」って曲でクラクラ。客演ラッパー C.O.S.A. さんも KID FRESINO さんも全く存じ上げぬが切れ味深いフロウの挿入は実に効果的。この人たちの配信音源も今後聴いてみよう。 
●このバンドのキャリアは過去20年以上も遡れる。ボク自身が、バンドの首謀者・曽我部恵一さんのパフォーマンスやDJに触れたのはそれこそ渋谷系リアルタイムの1995年頃が最初だったと思うよ。今暮らしてる下北沢は曽我部さん本人を見かけちゃうような場所だし。ああ、昔の音源も久しぶりに聴いてみたい。でも今は、新譜で胸がいっぱい。


●また、知財関連の資格取得の勉強を始めた、が。
まったく準備が追いつかない。
●知的財産権関連の資格を取り始めて3年経った。で、4つの資格を取った。が、今度の資格試験はさすがにハイランクすぎて歯が立たない気配。なにぶん、受験者も少ないので、教科書やテキストすら存在しない。断片的な過去問をゲットして、わからない部分はひたすら検索だ。実は、さっきまでホテルのロビーで一生懸命勉強していたほど。時間が足りないー。

●平日は、仕事終わりにファストフードのお店で自習してる。
●そこで、ある女性が面白そうなコトをしてた。
●隣のテーブルに座った20歳代の女性は、電話でお店の予約をしてる模様。席は十分あるとわかったタイミングで、突然ユニークな相談を始めた。
「あの、そちらのお店で動画配信をしちゃってイイですか?ツイキャスで、お店の料理の話をしたいんですけど。騒がしくするようなことはしません!あ、他のお客さんですか?絶対映らないようにします。いつもやってますので大丈夫です。それでは今から伺いますね」
ツイキャスのライブ配信をする場所を選んで、丁寧に事前オファーまでするなんて。今の若い子はスゲエなあ。そうやってネタを集めて発信するのね。なんかやるコトいっぱいあるのね。




●SUNNY DAY SERVICE「青い戦車」。



娘ヒヨコの体育祭があったので、見物に行った。そしたらワイフが倒れた。
●中学に入学してから、一回も見たことなかったなあ。気づけば中学三年生、今年でおしまいだ。一度くらい見ておくか。
●そしたら娘ヒヨコ「小学校のころは、校庭の松の木に持たれてパパ爆睡してたじゃん。この人何しにきたんだろと思ったよ。むしろコッチが木陰で寝たいよと思ったよ」。あれ?そんな感じだったっけ?確かに退屈になったら駅前の喫茶店まで行ってコーヒー飲んでたなあ。結局今回も2競技しか見なかったよ、暑いしさ。ムカデ競走の大逆転転落最下位はおもしろかった。
●ところが、朝イチから働いていたPTA役員のワイフが熱中症地味になって途中でギブアップ。家に帰るも激しい頭痛と嘔吐で苦しんでるから、夕方には大きな病院の救急外来までタクシーで連れて行ったよ。顔が黄土色になっててサスガにヤバイと思った。点滴二本をゆっくり打って家に帰ったのは22時頃だったか。
ボクもワイフも、本質的にはかなり虚弱/病弱な人間だ。厄介な持病を抱えて。普通の人間のようには活動できないんだよ。どこかで出力をセーブしていかないといけないんだ。

●関係ないけど、イマドキの病院は中国系のIT大手アリババの決済サービス「ALIPAY/支付宝」に対応してるのね。ちょっとビックリした。この前焼肉屋さんに行ったら、カードは使えないけど「銀聯」は対応してると言ってたし。オンライン決済サービスのグローバルスタンダードは、中国が握るのかな。



スポッティファイの、有料課金ユーザーになった。

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「プレミアム会員3ヶ月で100円」という触れ込みは、インパクトデカかった。無料会員としてはこのサービスを使ってたし、有料会員になったところでそんなに使い勝手がよくなる訳でもないんだけど、無料会員という立場になんだか「負い目」のような突っ掛かるモノを感じてたのだ。これは「タダ聴き」ではないのだろうか?とね。今後は課金することで「タダ聴き」の立場を免れた。これで少し気が楽になる。

「タダ聴き」に対する、過去の巨大な負債(負い目)を背負い続けてる。
●2000年代前半、P2P技術を利用したファイル交換ソフトが引き起こしたコンテンツの違法流通の嵐を、皆さんは覚えてますでしょうか。NAPSTER に始まり、WinMX、 Winny といったソフトが出回り、それらを駆使して世界中のネットユーザーが検索を通じて気になるデータをアップロード/ダウンロード。結果、映像から音楽、ゲームソフトまでが無断無料で取り放題になっちゃった。そんで、ボク自身も猛烈にハマり込んだのですよ。やらかしてしまったのですよ。
●当時はスマートフォンや Wi-fi もまだない時代。インフラは光回線なんて気配の微塵もなく、ISDNからADSLに回線が移行していく時期。そこで数メガのデータをヤリトリするのは結構根気がいることで、一曲ダウンロードするのに10分くらい平気でかかる。当然安定した繋がり方じゃないので途中で切れたり。ちなみにボクがメインに使ってたのはマックに対応してた比較的マイナーなソフト、LimeWire というヤツ。WinMX は利用者が多すぎてウイルスを摑まされるなんて話もあって、これを選んだっけ。
●で、一番ハマった2004〜2005年の間(おそらく世界的にもP2Pソフト違法流通のピークだと思う)で、楽曲の数にして約3万曲をダウンロードしてしまったのだ。コレ今の感覚だとかなりヤバイ状況だけど、2003年頃はよくわからなかったんですよ。iTune Music Store は2005年に日本に上陸したけど品揃えは全く満足いかない内容、ソーシャルメディア的なモノは2ちゃんねるしかなくて(Mixi日記が2004年にローンチ)、ネット世論は匿名に身を隠したオラオラでイケイケムード。ネットのスタンダードとリアルのスタンダードは全く違うかのような感覚があった。
●補足すれば、映像の違法流通啓発キャンペーン「NO MORE 映画泥棒」は2007年からで、それ以前に遵法意識はまだまだサッパリ。そもそも2006年に普及してきた YOUTUBE にもこの段階では公式動画なんか存在してない。ニコニコ動画も2007年に出現したけどヤバさこそが命みたいな感じでしたよ。アニメの違法動画は今では大問題だけど、そもそもP2Pソフト問題は動画がネットに溢れる前の時代で、倫理観が整備されてなかった。
●ただ、P2Pソフトの状況は2006年に大きく潮目が変わった。Winny のソフト開発者が逮捕(のち無罪判決)、著作権侵害の観点から諸外国でも問題視され、サービスが潰されていく場面も。この段階でボクはヤバイと感じて、ダウンロード行為を永久に封印、全ての音源を削除した。あの時点で、自分の行為が法律に触れてたのか触れてないのかよくわからない。その後整備された仕組みでもよくわからない(ボクはアップロードはしたことがない…この辺も法的な切れ目になってたような気が)。
●しかし、良心の呵責の部分では大きなダメージを受けた…。「こんなに音楽が好きなのに、音楽に対して大変な裏切りをしてしまった。音楽の神様に怒られてしまう。ああ、どうしたら音楽の神様はボクを許してくれますか」そこで始めたのが、ダウンロードした音源のリストを記録して、このリストの音源全てを合法的手段でもう一度買い戻すという行為だ。果てしない「贖罪」の旅だ。2006年からもう10年が経って、約30000曲のうち、約28000曲は既に買い戻した。余すところあと2000曲強。多分、CD/LPにして既に2000枚分近くは買ったと思う。該当曲が一曲あればアルバム一枚を買わなくちゃいけないから枚数はかさむ。まあ聴きたくてダウンロードしたモノなのだから、買った限りは楽しく聴くよ。ただ、残り5000曲という段階に入ってからは、音源がレアだったり高額だったりで入手が大変。ローカルなヒップホップ、ダンスホールレゲエ、80年代のハードコアパンクあたりがホントしんどい。結果、地方を含めての中古レコ屋巡りに始まり(先月は甲府に行った)、ツタヤレンタルから海外からの取り寄せまで駆使してる。ボクが激安音源を探すテクを磨けたのは、この贖罪行為を効率化しようとした結果だったと思う。道のりは長いねー。もう10年かかるかな。

スポッティファイ、課金はしたものの、「聴き放題」って、どう捉えたらいいの?
●この「贖罪」観点からの「買い戻し」達成要件は、スポッティファイ上でどうルール化すれば良いのか?今までは財布からナケナシのお金を払って(もはやお寺に高額なお賽銭を納めてる気持ち)それで罪が軽くなる気持ちを味わってた。しかし今後は月額課金行為だけで「贖罪」は成されるのか?「聴き放題」だからと言って、一度聴けばボクのダウンロードリストから削除されることになるのか?そうじゃない気がする。どうしよう。
●…すいませんね、こんな懺悔のような告白と個人的すぎる悩み、完全に意味がわかりませんよね…。

「サウンド・エシックス これからの『音楽文化論』入門」 

そもそも、「音楽の消費」って何だろう?
小沼純一さんという早稲田の先生が書いた「サウンド・エシックス これからの『音楽文化論』入門」という本を読んでたのです。ワイフが点滴打ってる間に。この人は ETV の個性的な番組だった「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」で準レギュラー出演してた人だ。浅田彰さんも一緒に出演してたっけ。80年代ネオアカ的な文脈・語彙でクラシック音楽〜現代音楽などなどを語ってた「サウンド・エシックス」=「音の倫理学」と題された本書では、「音楽」という芸術が広い意味で包含する多様な価値を、様々な視点から問題提起している。
●この本が書かれた2002年には、「配信/フィジカルメディア」の対立問題など大きくなっていないはずのに、「MP3」の登場に触れて「パソコンのなかにとりこんでおくのということもあまり意味がなくなって、いつでも配信されるのを聴けばいい」と、すでにストリーミング配信サービスを予言しちゃってる。その他、様々な示唆と膨大な量の参照資料や音源の紹介があって、コレはコレで飲み込むのに相当時間がかかるモノだ。スポッティファイ現代音楽のアーカイブは充実してるかな?聴きたいものがいっぱい増えた。あ、話がそれた。
「音楽の消費」を経済的な文脈に落とせば、収録メディアを金銭対価と交換すればいい。ライブに行ってチケット代を払えばいい。10年前のボクが音楽業界に与えた経済的損失を、今の音楽業界が用意するビジネスの回路(スポッティファイも含む)に戻せば、一応の義理は立つ。ただし「音楽の消費」を経済的解釈にだけ寄り添わせるのは微妙に違う。本質的には、音楽は形を残さないからだ。空気を振動させる音響はそのまま消えてしまう。その音が鳴らされた環境は常に特殊で、二度と再現し得ない。同じ音源であろうと、デバイスが違えば、メディアが違えば、場所と時間が違えば、聴くボクの感情や体調や、聴覚の具合が違えば、全部変わってしまう。その意味では「音楽」はその音を聴いた人間の記憶の中にしか存在しない。そんな示唆をこの本から受け取った。

結論として、ボクはこのブログで記録を続ける。
このブログを始めた2003年以降、ボクは入手した音楽を全てこのブログに記録してる。当然、音源入手に記録作業が追いつかないので1000枚単位で渋滞してますが。ただ結果として、その音源にたどり着いた個人的特殊事情を大切な根拠にして、その音楽体験を記録/記憶してきた。これがボクの「音楽の消費」だろう。「贖罪」という行為がボクの内面の(もしかしたら宗教的な)問題であるならば、その行為を内面の現象として記録するのが一番だ。今までもそうしてきたし、今後もそうする。誰もこのブログ読まないけど。
●それと、スポッティファイも万能という訳ではない。アーカイブされてない楽曲たちがたくさんあることは既にわかってて、ボクがレコ屋巡りを辞めることはできない。しかも、スポッティファイで知った音楽を結局フィジカルメディアで所有したくなる欲求は、なぜか発生してしまうのだ(←ココ、ホントは分析が必要。所有に対する強迫観念?メディアに対するフェティシズム?)。人生は有限で、無限に音楽を聴き続けることはできないが、それでもブログタイトルにもある「音楽中毒」者としてのボクは、お金をレコ屋にブチ撒きながら聴ききれない分量の音源を抱えて生きていくのだろう。





●早速、スポッティファイで聴いてる音楽を語ろう。

CHANCE THE RAPPER「COLORING BOOK」 

CHANCE THE RAPPER「COLORING BOOK」2016年
スポッティファイをはじめとした定額制配信サービスに関わらないとダメだと観念したのは彼のようなアーティストが登場したからだ。彼はフィジカルなパッケージ作品を一度もリリースせず、配信オンリーだけで作品を発表しながら、その能力を買われて大物アーティストと数々のコラボをこなし、スターダムを手に入れた。この最新アルバムもフィジカルのリリースがない。基本的に自主制作で、拠点シカゴの仲間たちと制作している模様だが、ゲスト勢は完全に超大物ばかり。KANYE WEST、LIL WAYNE、JUSTIN BIEBER などなどが参加してる。すげー。
●彼はステージネームでラッパーを名乗ってはいるものの、そのノリは限りなくウタモノな感性。ギリギリまで要素を削ぎ落としたトラックの上で、楽曲の芯を作っているのは彼自身の歌唱とフロウ/メロディだ。ヒップホップ的なビート感覚からもフワリと遊離して、時に生楽器の演奏(ピアノ、管楽器、弦楽器、スティールパンまで)をパッチワークするように構成されたトラックは、同じループを執拗にリピートするヒップホップのイメージを裏切ってる。
●加えて、ゴスペルの気分がすごく濃厚。コンテンポラリー・ゴスペルの大物 KIRK FRANKLIN CHICAGO CHILDREN'S CHOIR の参加。すごく現代的なサウンドを鳴らしてるのに、オーセンティックなソウルミュージックの伝統が色濃く感じられるスタイルに、素晴らしい才能のほとばしりを感じる。

FRANK OCEAN「BLONDE」 
FRANK OCEAN「BLONDE」2016年
スポッティファイで次に聴きましたのがコレ。この人もフィジカルなリリースに冷淡なのかな?AmazonにCDとかが見当たらない。しかし、これも内容に驚愕しましたわ。すげー美しい。JAMES BLAKE、DRAKE、THE WEEKND という流れで、ミニマルなダブ音響に可憐なウタを落とし込むアプローチは2010年代の重要な潮流と勝手に思ってるのですが、またすごい勢いでこの人がバージョンアップしてる。
●ビートミュージックとして進化成長してきたヒップホップが、R&Bというジャンルすら飲み込んで、奇妙キテレツなビート実験を繰り返してはニュートレンドを作ってきたのが90年代以降の流れだったはず。R&Bも元来はリズム&ブルースなのだから、ビートと無縁ではいられないはず。しかし、近年のミニマリズム志向は、ビートを敢えて削り絞って淡白にしてしまう。最初は KANYE WEST「808S & HEARTBREAK」だったのかな。そして英国ダブステップの静謐さが加わり、トラックではなく自らのフロウが生み出すファンクネスだけでヒップホップを構成する DRAKE のようなパフォーマーが登場する。FRANK OCEAN ダブ音響を駆使したアトモスフィアを作り出しているが、もうダブには必須のベースすら放棄して、最低限の楽器(ギター、キーボードなど)だけを伴奏にして、自らのボーカル能力だけで楽曲に集中力を作っている。メロディを導くべきグルーヴもリズムも全て置き去りにして、たった一人で成立させるウタのチカラ。すごい才能だ。
●一方で、クレジットにはナカナカの参謀の名前が。ダブステップの王子 JAMES BLAKE もミニマリズムの開祖 KANYE WEST も、おまけに THE NEPTUNES PHARRELL WILLIAMS も部分的に参加。ボーカル参加で BEYONCE ANDRE 3000 もいる。サンプルソースが ELLIOTT SMITH ってのもユニークだな。一曲目「NIKES」の別バージョンには日本人ラッパー KOHH が参加してたとな。

THE WEEKND「BEAUTY BEHIND THE MADNESS」 

THE WEEKND「BEAUTY BEHIND THE MADNESS」2015年
●2011年のミックステープ三部作「TRILOGY」と同年の DRAKE「TAKE CARE」での客演で大きな注目を集めたシンガー。DRAKE 同様カナダ・トロントの出身で、トロント派の層の分厚さに衝撃を受けたものだ。そんな彼の近作。これはフィジカルなCDを買ったよ。
ダークなダブ音響の中で迸る彼の情熱的なハイトーンボーカルは間違いなく素晴らしい。ただトラックのミニマリズムといえば、やや後退気味で逆にリッチになってる。いや粗末ならイイってわけじゃないけど。というか、彼のボーカルがすでに十分エモーショナルでリッチすぎるから、ミニマリズムも少々の枯れ具合じゃ効かないってコトか。最初の衝撃に比べると、イマイチかも。
●ソングライターやプロデューサーには、盟友のトロント派と見えるカナダ出身者たちと、KANYE WEST と彼のレーベル GOOD MUSIC の連中がいるようだ。スウェーデン系のポップ職人もいるな。スウェーデン系はチトメジャー感が先走り過ぎてるかな。MICHAEL JACKSON みたいになってるぞ。一方で LANA DEL RAY が客演した楽曲「PRISONER」は彼女が持つデカダンの空気が忍び込んでいて、独特の気分を感じられる。

DRAKE「THANK ME LATER」 

DRAKE「THANK ME LATER」2010年
カナダ・トロントをヒップホップの重要都市に仕立て上げた張本人のメジャーデビューアルバム。俳優であった彼を中心に、彼を音楽的に援護するトロントのプロデューサー/ソングライターたちがここで数々注目を浴びた。彼のトラックメイキングには欠かせない、NOAH "40" SHEBIB、BOI-1DA がすでに大活躍。そしてここでも KANYE WEST が客演/プロデュースしてる。KANYE WEST ってやっぱスゴイな、今日紹介している音源全てに関与している。新しい才能への嗅覚と、即座に歩み寄る機動力が半端ないのか。
●今日紹介している音源の中では一番古いこの作品は、十分にヒップホップ的な構成を持っている。比較的シンプルなビートがダブ的に低音を響かせながらゆっくりとループする様は実に中毒性が高い。ただし、そのシンプルなビートに強力な魅力を付け加えているのは、ラッパー/シンガーとしてそのトラックの上で立ち振る舞う DRAKE 本人の佇まいだ。彼のラップは個性的で、朴訥と語るような抑揚のなさと、それでいて独特の粘り気を纏いながらジャストなリズムで言葉を配置するファンクネスが催眠的に作用するほど。シンガーとしてフックラインを歌う時も深いリバーブの中でテンションをグッと抑制してささやくように振る舞う。実にクールでメロウだ。伊達男だ…基本 DRAKE はイケメンだからな。
●客演陣も豪華。ALICIA KEYS が色添える「FIREWORKS」から既にイイ感じ。NIKKI MINAJDRAKE 節に合わせて落ち着いて振る舞う。THE-DREAM ってあまり知らない人だったんだけど、彼が加わった「SHUT IT DOWN」はダビーなベースが響くメロウな佳曲だ。故人・AALIYAH のボーカルをサンプルしてるトコロもイイねえ。その他、JAY-Z、LIL WAYNE、YOUNG JEEZY とワッサワッサする大物がひしめく。
●2010年〜2011年は節目の時期だったんだな。DRAKE が音楽のキャリアを本格始動。そして同年に同じトロントで THE WEEKND が同じ世界観でミックステープをリリース。JAMES BLAKE がファーストアルバムをリリースしたのも2011年。
●それと、これをサウス系重要レーベル・CASH MONEY/YOUNG MONEY がリリース下ってのもスゴイ。北と南で正反対じゃないか。ボクはレーベルイメージからグチャグチャしたサウスバウンスかと思って最初スルーしてしまったもんね。その真価に気づくのに大分遅れてしまったよ。
●さて、これもフィジカルなCDです。もうフィジカルの呪縛を離れて、彼の近作新作や THE WEEKND の最新作「STARBOY」スポッティファイでとっととチェックしろ、って感じはあるのですけど、今ここで聴きたい、という気分がないと次にはいけないのです。「いつでも聴ける」になった以上、「いつどこで聴くか」は外的事情ではなくボクの内的状況に大きく依存するようになっちゃった。スポッティファイは、本当に色々なモノをボクに試すんだなー。




●FRANK OCEAN「SOLO」。まさにウタのチカラ。