あけましておめでとうございます。
●見事な寝正月でした。のんびりのんびり。年賀状も忘れました。ブログの更新もヤメてました。昼寝して、散歩して、コーヒー飲みながら本読んで、NHK教育とかの地味な番組をダラダラ観て。そんで、わりと健康です。


年末は秩父の山奥で温泉。
●埼玉県の宿泊施設「奥武蔵あじさい館」にお泊まりツアーに行ってきました。ワイフの実家の皆さん、おじいさんおばあさんからイモウト夫婦まで一族総出、もちろん我が子ノマドヒヨコも一緒に参加でございます。バリアフリー設計で90オーバーのおじいさんおばあさんも快適に過ごせるという理由で、コチラはここ数年の定宿になっている状況でございます。
●ノマドと父子二人で大浴場満喫、わざわざ搬入した Wii PARTY でゲーム三昧、朝は山の上のお稲荷さんまで探検、都心じゃ見られない立派過ぎる霜柱にノマドヒヨコ感動。家族旅行は楽しいなあとしみじみ思うのでありました。

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●3センチ以上に育った霜柱。見事。地面を拡大して写真に撮ると違う惑星の風景のようです。モチロンこの直後、チビ小学生2名によって完膚なきまでにグシャグシャ踏み荒らされました。



元日に初詣しちゃった。コレも十数年ぶり?くらいの経験。

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●我が街シモキタザワには、下北八幡という神社さんがありまして、夏祭りも結構盛大に盛り上がるのです。ヒヨコには晴れ着まで着せて、行ってみたらお参りの行列が一時間待ち状態。しょうがないから根性で並びました。おみくじを引いたら、ボク以外は全員「大吉」でした。



●うーん、ピースフルなお正月。ノマド箱根駅伝を夢中で見てて「なんか疲れちゃった」。オマエはナニもしてないんだから疲れることないだろ。それとコドモ連中「駅伝」「駅弁」の区別が今イチできてません。



●さてそんなお正月に読んでた本は、アイルランドの歴史のホンです。

波多野裕造「物語アイルランドの歴史 欧州連合に賭ける妖精の国」

波多野裕造「物語アイルランドの歴史 欧州連合に賭ける妖精の国」
アイルランドロックの文脈の中でワリと重要なポジションにあります。U2 ENYA をはじめ優れたアーティストを輩出してるコトもモチロンですが、ケルト文明まで遡る独自の民族文化/民族音楽がロックンロール成立に影響を与えてるという説もあります。20世紀のポピュラーミュージックはこと黒人文化由来のエッセンスが強調して捉えられますが、白人由来のエッセンスとしてアイルランドから移入されたフォークミュージックの存在は忘れられません。バグパイプやフィドルを駆使したバンドサウンドで推進するアイルランド音楽は、想像以上にハイテンポでダンスと相性がよいです。
●このホンを読んで、アイルランドの文化がある意味で反骨のレベルミュージックの色彩を帯びてしまう気分が分かってきました。アイルランドは地図の上でもヨーロッパの辺境にあります。実は土地も痩せてて豊かな国とは言えません。だから大国のプレッシャーに常に晒されてきたという経緯がありました。ヨーロッパ西部全域に栄えたケルト人の文明はローマ帝国に圧迫され、この島国に閉じ込められました。中世においては北欧バイキングの襲来に晒され、イギリスに成立したノルマン系王朝の侵略に翻弄されるのです。そして近世の絶対王朝期に入るとイギリスの植民地支配が一層苛烈になり、アイルランド社会は壊滅的打撃を受けるのです。
●アイルランドはカトリック中心の社会でありましたが、イギリスはヘンリー8世の時代にイギリス国教会を設立してプロテスタントの国になりました。ココからが大変。土着のカトリック信者とイギリスからやってくるプロテスタントの宗教対立が植民地の支配階層と被支配階層の政治的対立と重なってしまいました。こうなると現代の中東事情と変わりません。少数のプロテスタントエリートと大多数のカトリック民衆が憎しみで引き裂かれる状況が成立。宗教差別で僻地へ追放されるカトリック農民は餓死を強いられ、イギリス本土に近い北アイルランドはプロテスタントによる工業化が進んで都市化が進むのです。
●そんなアイルランドでの植民地政策は、その後全世界に覇権を確立する大英帝国の植民地経営のお手本になってしまいました。そして飢死を待つしかない土着の貧農たちはそんな新しい植民地へ移住していくことになるのです。結果19世紀中盤の大飢饉を経てアイルランドの人口は流出&半減。現在のアイルランドの人口は400万人程度。しかし全世界にはアイルランド移民の子孫が7000万人いると言われています。アメリカにアイルランドの文化が溶け込んだのはこの時期のこと。奴隷貿易により強制連行されたアフリカ黒人も当然陰惨な悲劇でありますが、宗教差別に発する圧政で餓死寸前に追いつめられ、故郷を捨てて未開の大地に旅立った移民も悲しい宿命を背負っていたのでした。
●血を血で洗う北アイルランド問題も悲劇であります。無事独立したアイルランド共和国とは別にイギリスの支配下に残った北アイルランドは、1960年代までアパルトヘイト並みの激しい人種差別がカトリックを苦しめていました。そんな状況への異議申し立てのキッカケになったのは、なんとアメリカ黒人の公民権運動。しかしコレが武装テロまでにつながり、プロテスタント対カトリックの流血テロで2000人もの人命が失われました。U2 が歌った「血の日曜日」はデモ行進をしていたカトリック民衆に警官隊が無差別発砲した事件。17人の死者の多くは二十歳以前の青少年でした。アイルランドの精神性にはこうした悲劇と反骨の意識が色濃く刻まれていると知ったのでありました。


U2「NO LINE ON THE HOLIZON」

U2「NO LINE ON THE HOLIZON」2009年
●だからやっぱ U2 を聴くのです。ノーベル平和賞まであと一歩と噂される BONO のド根性はお国柄でより深く理解出来た気分なのです。完全にモダンなロックバンドである U2 にアイルランド民族音楽の名残を見つけることはできませんが、根性の部分がしっかりアイリッシュということなのです。
●さて今のトコロの最新アルバム。プロデューサーは BRIAN ENO、DANIEL LANOIS、STEVE LILLYWHITE。バンドをデビュー以来支えてるお馴染みの製作陣ですね。ただし、いつものスコーンと突き抜けたカタルシスはありません。キャッチーな展開や分かり易い音作りをワザと避けてる感じ。なんか無骨でゴツい、不格好なデザインが取っ付きにくい印象でございます。
●かといって駄作とは言えない。前作は「VERTIGO」というCMソングの激キャッチーっぷりがむしろ邪魔になって…スグに聴き飽きてその後全然聴いてないんです。むしろ新作のコッチの方が無骨で不格好な部分が気になってその違和感にハマってしまう。モロッコの音楽にインスパイアされたって話も気になる…どこがモロッコ風かよくわかりませんけど。


●他にもアレコレ聴いてます。

AZTEC CAMERA「KNIFE」

AZTEC CAMERA「KNIFE」1984年
●グラスゴー出身のネオアコバンド。「ネオアコースティック」って和製英語なのね。80年代中盤のポストパンク状況から登場した透明感溢れるギターポップのムーブメントを「ネオアコ」っていうんだけど、今の「アコースティック」という言葉が持つ感覚から考えると十分過ぎるほどバンドサウンドで、シンセもホーンも活躍してとってもダンサブル。同郷スコットランドの ORANGE JUICE もかなりポストパンクなファンク解釈が溶け込んでたし。でもトビキリポップであることはマチガイないですな。「STILL ON FIRE」とか。
●初期シングルではスコットランドのネオアコ総本山レーベル POSTCARD で、その後は英インディ名門 RAUGH TRADE と契約。でもこのアルバムの後はリーダー RODDY FRAME のオレオレバンドになって、他のメンバーを解雇&メジャー傘下の下スタジオミュージシャンとセッションするようになってしまいます。1993年の5枚目「DREAMLAND」坂本龍一プロデュースですのでチェックしてみるとイイかもです。

JOE JACKSON「LOOK SHARP !」

JOE JACKSON「LOOK SHARP !」1979年
●コチラもポストパンク状況の中で登場したユニークなアーティスト。このファーストアルバムの段階では、ツンノメルように痙攣するビートロックと起伏あるメロディ感覚が実にキャッチーで、THE BUZZCOCKSTHE CLASH、ELVIS COSTELLO まで連想しちゃうオリジナルパンクロックとして聴けちゃいます。あ、単純な教条的パンク様式ではなく、スカ他多彩なビート感覚を併呑するロックバンドとして、オリジナルパンクってコトバを使います。でもスキマ感あるギターのカッティングが紛れもなくポストパンクです。ジャケのエナメルシューズみたいにメチャ尖ってます。コレ1枚でも十分おいしいアーティストです。でもこの後さらにスゴくオモシロいコトになっちゃうんです。


JOE JACKSON「JUMPIN JIVE」

JOE JACKSON「JUMPIN' JIVE」1981年
●その後アルバムを二枚リリースしてツアー三昧を続ける日々に体調を崩した JOE JACKSON。実家に帰って療養しておりましたトコロ、なんとココで1940年代のスウィングジャズにハマってしまうのです。モダンジャズ以前の様式であるスウィングジャイヴジャンプブルースは、当時の感覚でも大幅にレトロであっただろうスタイルだったはずですが、彼はコレに注目して懐かしの名曲カバーアルバムを作ってしまうのです。
●ポストパンク状況は、ニューウェーブと称してロックと異文化の合体実験を様々なアーティストが様々なアプローチで仕掛ける時期でした。この中でレゲエやファンク、アフリカ音楽がロックと異種配合されて価値ある成果を実らせていました。しかし1940年代の古クサいスウィングジャズに注目したヤツは他にいません。JOE JACKSON はそのニッチに突っ込んで、異常に立派なスウィングアルバムを作ってしまったのです。パンク編成だったバンドを改組して完全なビッグバンドを結成、ピアノとサックス、トランペットがユサユサ揺れるサウンドを完全再現。JOE 本人のチンピラめいたボーカル以外は完全にジャズであります。しかしイタナイボーカルと、ホコリかぶりのB級懐メロはことのほか相性がよい!スウィングジャズそのものが持っていたグルーヴ感は、パンク世代が納得できるスピード感を兼ね備えていて、軋むギターサウンドが全くなくてもスリリングに聴こえるのです。うわー立派な発明だ。結果として彼は、元 STRAY CATS BRIAN SETZER が現在もやってるレトロスウィングリバイバルの先駆になっちゃうのです。

JOE JACKSON「NIGHT AND DAY」

JOE JACKSON「NIGHT AND DAY」1982年
●スウィングジャズ再評価に手応えを感じた JOE JACKSON はジャズの故郷アメリカ・ニューヨークに渡ってオリジナル楽曲を制作します。それがこのアルバム。モダンなフュージョンジャズとニューヨークらしい多国籍リズム(ラテン~カリブ海系)がニューウェーブ感覚において結合した特殊グルーヴが炸裂。学生の頃に音楽学校で真っ当な教育を受けた JOE らしく、パンク文脈とは別格のアレンジメントと見事なピアノ/キーボード演奏がクールです。「CHINATOWN」「TARGET」の猥雑な都会の喧噪を体現する雰囲気から、ハウシーなまでにスムースクールな「STEPPIN' OUT」まで芸の幅の広さを見せつけます。




あ、ミドリが解散してしまいましたね。
●ユーストリームで解散宣言を自宅から配信。ボーカルの後藤まりこがダンナさんの助けを借りながら自分の言葉でバンド解体の理由を語ったと言います。むむむ残念。


ミドリ「ファースト」

ミドリ「ファースト」2005年
ミドリの存在を知ったのは彼らのメジャーデビューの後。大阪でインディデビューした頃のこの音源は、解散を知ってあわてて入手したモンです。「関西ゼロ世代」と言われるノイズ/アバンギャルドの系譜に連なるカタチで登場したこのバンド。セーラー服&片足ルーズソックス片足ハダシ&エレキギター&ドスのきいた関西弁で暴れ回る後藤まりこの過激なパフォーマンス(萌え要素1ミリもナシ)が、ジャケともども即座に目を引きます。ただしコレで単なるキワモノと判断するなかれ。
●音楽を聴けば一瞬で分かるのが、単純なパンクロックのビート感覚とは異質な、なんだかお囃子みたいな垂直運動っぽいグルーヴ。コレを特に強調するのがピアノ。ヘタすると爆音ギターよりもこのバンドの音楽をピアノが推進します。誤解を恐れず言ってしまうとコレが1980年代の初期筋肉少女帯/三柴江戸蔵のキーボードを連想します。
●そんで、このバンドをより不気味にするのは、後藤まりこが書くリリック。デストロイなナンセンスを怒鳴り散らすだけと見せかけながら、女子の仄暗い性欲を一番汚いカッコで無理矢理引きずり出してリンチ&ミンチでギタギタにするような自爆的サディスティック表現で、世の草食系男子を震え上がらせるテンションがあります。ココ、ミドリの真骨頂のような気がする。この特徴が最初の音源からガッツリ刻み込まれております。

ミドリ「ライブ!」

ミドリ「ライブ!」2008年
「大雨だったので、ギターを使わなかったライブ AT 日比谷野音」というお断りが帯コメについてるライブミニアルバム。マジでギターレスです。でも前述のピアノ、アップライトベースのうねり、饒舌過ぎるドラムがそのギターの不在を感じさせません。ハードコアにこだわるとギターの不在はヤバいかもしれませんが、ミドリがパンクに聴こえる理由は楽器編成や様式の部分に依存してません。「アメがきもちええなあ」ドスの利いたデス声MCがコワいです。…今気づいたけど、内ジャケの写真でまりこさん、セーラー服なのになぜか高校球児のように坊主刈りになってます。

ミドリ「SINSEKAI」

ミドリ「SINSEKAI」2010年
●ラストアルバムになってしまった去年の作品。今まで表ジャケでは素顔を隠されてきたまりこさんのアップがキチンと拝めます。セーラー服も卒業しました。彼女の着ているシャツにはマジック手書きで「どんぞこ」と書かれています。
●彼女は一人称に「ぼく」という言葉を使います。当然雑誌のインタビューでも全部「ぼくはな~」という表現になってるので(そんで雑誌の記事でも顔が隠されてた)、ボクは一時期この人は女性ではなくて、女装キャラの男性かもしれないぞ?と疑ってました。だってデス声だし。歌詞も露悪的だし。でも、美人さんでした。
●で、この新作では彼女のアナドレナイもう一つの武器、ロリ声が積極的にフィーチャーされております。今まではデス声で迷彩偽装されてたリリックのロマンチシズムが伸びのイイ直球でスパーンと決まってしまうので、ワリとクラッとキます。一方で、デストロイな悪意やドン底のペシミズムもロリ声で投げつけられてますから、気づかぬうちに致命傷です。あくまで凶暴です。危険です。
●…あ、今ワイフがミドリにギブアップしました。「わたし大分ガマンしたけどもうダメ!これ禁止!コドモに悪影響!」ノマドこの音楽どう思う?「オレまだ平気!」コドモ当事者はそういってますが…って反論しても無理メなので、今日はステレオでミドリ聴けなくなりました。
●コレは先月後半のことでしょうか?酔っぱらった勢いでしょうか?後藤まりこさん、ツイッターで自分の携帯電話の番号を公開してしまいました。ジャンジャカかかってくる他人からのデンワに出て暇つぶしをするという暴挙。ツイッターですからファンだけじゃなく悪意満載の通りすがりもいたかもです。そんなムチャするから現在はアカウントが消滅してます。…ただこの事件は、泥酔まりこさんにデンワをかけて、あのキツい関西弁で説教されるのはマゾヒスティックで甘美な経験になったかもなあ…とボクの後頭部でじぐじぐとうずく淡い妄想になりました。

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●解散ライブでの後藤まりこさん。「なんや!やんのか!今日はヤジが多いな、来いよもっと!パーティやぞ!」だからパーティドレス着用なんですって。「始めよか! 終わりを始めよか!」ステキです。



●相変わらず、とりとめのない内容をダラダラと書いていきます。今年もお付き合いください。


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