facebook の使い方は相変わらずよくワカラナイケド。
●でもプロフィール編集で「アートと娯楽」に自分の好きなアーティストの名前を書き込んでおくと、そのアーティストのアレコレ情報が入ってくるコトが分かった。SONIC YOUTHLEE RANALDO が55歳の誕生日を迎えたとか、SNOOP DOGG P. DIDDY の2ショット写真とかがウォールに出てくる。ふーん、コレはコレでオモシロい。

LCD SOUNDSYSTEM が最後のライブ

●そんな仕掛けで見つけたのが、LCD SOUNDSYSTEM最後のライブをニューヨークのマジソンスクエアガーデンで行うという告知。今回のツアーで活動停止というハナシはチラホラ聞いてたけど、とうとう最後なのね。そんな情報も facebook で流れてくる時代。だから今日は LCD SOUNDSYSTEM を聴く。


LCD SOUNDSYSTEM「SOUND OF SILVER」

LCD SOUNDSYSTEM「SOUND OF SILVER」2007年
LCD SOUNDSYSTEM は、DFA RECORDS の主宰者 JAMES MURPHY のソロユニット。DFA と言えば、00年代初頭のニューヨークを拠点にエレクトロクラッシュ/ダンスパンクのムーブメントを支えた重要レーベル。00年代フレンチエレクトロの隆盛を支えた KITSUNE と同格の、いやソレ以上の磁場を持った存在。RADIO 4、THE RAPTURE などを輩出してるからね。00年代初頭のガレージリバイバルは、この辺のダンスパンクとシンクロしてデカく盛り上がっていったとボクは思う。
エレクトロクラッシュという言葉は、今となっては死語かもしれないけど、ボクにとっては重要なターム。ニューヨークのDJ、LARRY TEE の造語で、このキーワードを中心に2001年あたりから様々なスタイルのエレクトロミュージックが生み出された。PEACHES、FISCHERSPOONER、2 MANY DJS、LADYTRON、CHICKS ON SPEED、PRINCESS SUPERSTAR、A.R.E. WEAPONS…などなど、そのムーブメントの最中から出現したアーティストは枚挙に暇がない。
JAMES MURPHY はレーベルオーナーとしてこのシーンに深く関わりつつも、ミュージシャンとして LCD SOUNDSYSTEM の名前でシーンに参入したのは実は遅くて2004年。ディスコのギラギラ感とパンクのザラザラ感をない交ぜにして疾走する2005年のファーストアルバムはリアルタイムで聴いてガツンとショックを受けました。そんでこのアルバムは2007年のセカンド。コレも個人的には大分愛聴した物件です。
●2011年にもなった現在の耳で聴けば、ココでの LCD SOUNDSYSTEM のビートには特別な新しさは見つからない。ロックのダイナミズムとテクノ/エレクトロのグルーヴの結合というアイディアは、ソレ自体は珍しいアプローチじゃないもんね。同じ00年代の出来事と比べれば、ヒップホップやUKグライムのビート実験の方がスリリングだ。ことセカンドアルバムの2007年段階ではエレクトロクラッシュシーン自体も落ち着いちゃった時期なので、ブームに乗った勢い任せのテンションは全然ない。……けどね、そのパンク経由のエレクトロには小細工にカマケナイ安定感があって、シンプルなグルーヴとソコに乗っかるウタゴコロも実にポップで安心して聴ける。だから聴き飽きない。
●最後の曲「NEW YORK, I LOVE YOU BUT YOU BRING ME DOWN」が、都市生活者の悲哀を切々と歌うスローバラードで、実に心憎い演出になってる。コレだけエレクトロでキリキリ舞いにさせといて、最後にシットリと大都市ニューヨークの冷たさを愛おしく歌う。「ニューヨークよ愛してる、でもオマエはオレをガッカリさせる…ニューヨークよ愛してる、でもオマエはオレを怯えさせる…きっとオレが間違っている、そしてオマエが正しいのだろう…」東京という大都市に寄生して細々暮らしてるボクにとって、この心細さは他人事じゃない。


LCD SOUNDSYSTEM「THIS IS HAPPENING」

LCD SOUNDSYSTEM「THIS IS HAPPENING」2010年
●去年リリースされたサードアルバム。このアルバムのライナーに、JAMES MURPHY DFA 脱退LCD SOUNDSYSTEM の活動休止が言及されていた。JAMES 本人は文筆業へ転身していきたいと考えているようだ。そのせいか、アルバム一曲目の「DANCE YRSELF CLEAN」からシッカリとボーカルパートに焦点を当てたウタモノになってる。ドコかヘナヘナしたメロディはメッチャ耳にこびり付くチャーミングさがあり、ポップスとしての強さを兼ね揃えてる。ダンスフロアの最前線から引退しようとしている大人の成熟が、エレクトロビートにウタとしての普遍性と奥行きを与えてるようだ。「ALL I WANT」「I CAN CHANGE」のようなセンチに淡いメロディは、ナニかを振り切った清々しさすら感じる。スゴく気持ちがイイ。聴き飽きない。
JAMES MURPHY は00年代の10年間ニューヨークの最深部でダンスの享楽を存分に楽しんだ。そしてそこから訣別しようとしてる。前を向いて外に出ようとしている。頭をクールにして新しい場所に行こうとしてる。「HOME」という曲の一節がボクのココロにも染みる。30歳前後のボクはそりゃメチャメチャ働いてメチャメチャ遊んでた。徹夜で仕事してそのまま徹夜で遊んだ。でも今では痛んでしまったカラダがそんなムチャを許さない。どうしても自分のカラダへの違和感は拭えないが、コレは折り合いを付けなければならない事実。この音楽はそんなボクの背中をやさしく押してくれてる。前を向いて歩く勇気をくれる音楽だ。

「夜は身内の小さな輪の様なもの 愛もロックも移ろいゆくもの 君も知ってるだろ…
 過去を忘れよう これが君の最後のチャンス… 人の声の響きを忘れてしまったのかい
 それは忘れてはいけない ぼくらが笑い飛ばしてきたものを忘れてはいけない…
 ダンスフロアで騒いだ後でも、ありがたいことに幾人かは君が家に帰ったことを
 分かっていてくれる だからそのまま家にいなよ そうすればまた元気になれるさ…」




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