ある日、息子ノマドが手品を見せてくれた。
●ボクが朝風呂にゆったり浸かってたら、突然風呂場に入ってきて「パパコレ見て!」と両手を見せる。ん?なに?「なにもないよね」はあ。「んーよっと!」あら突然10円玉が出てきた。「じゃーん!すげえだろ!」スゴいねえ。
「ドコで覚えたと思う?」うーんわかんないな。三鷹のジジに教えてもらったのか?「ちがう!」じゃあサッちゃんかフッキーか?「ちがう!正解は魔少年ビーティー!このマンガに書いてあった!」

荒木飛呂彦「魔少年ビーティー」

荒木飛呂彦「魔少年ビーティー」
●息子よシブいぞ…クラッとするほどシブイマンガを読んでるな…ボクの膨大なマンガライブラリーをアレコレ覗き見してるのは知ってたけど、わざわざコレを選ぶとは。「ジョジョ」シリーズで強烈な個性を放つ荒木飛呂彦センセイの1982年初連載作品だよ。ナゾの少年ビーティーが、トリックや心理話術を用いて己の悪巧みを実行する物語。ビーティーは小柄だがプライドの高い自信家で、自分の生命を危機に晒しても機転を利かせて相手を出し抜くコトに快楽を見出してる。ココで簡単な手品をノマドは見つけたに違いない。
大場つぐみ/小畑健「バクマン」11巻で主人公たちが描いている架空のマンガ「PCP完全犯罪党」は多分この「魔少年ビーティー」みたいな作品だと思う。作中で「小学生が些細なイタズラを完全犯罪に仕立てるストーリー」って解説されてるから。ボクは今の「バクマン」の展開はスゲエオモシロいと思ってるけど、主人公たちの描くマンガはライバルたちの作品に比べておもしろくないだろうなーと想像してた。しかし「ビーティー」を20年ぶりくらいに読み返して、もし「完全犯罪党」がこんな作品だったらサイコーに楽しめると思った。ホントに超「邪道」ですが。
●息子ノマドには、荒木飛呂彦作品の第二連載「バオー来訪者」1984年を読ませたい!マッドサイエンティストによって最凶の生物兵器に改造された少年と、その秘密研究組織の死闘が描かれた鬼作。「ジョジョ」シリーズで開花する美学が既に全部この場に盛り込まれてる。バルッバルッバルルルル!バオー・リスキニハーデン・セイバー・フェノメノン!

荒木飛呂彦「バオー来訪者」

●ノマドは江戸川乱歩「少年探偵団」を読んでたりもしてる。ノマドやっぱり怪人二十面相が犯人なのか?「んー多分そうだと思うんだけど、今イチバン怪しいのはインド人なんだよー」プッ!小林少年と共に推理の世界へキチンと潜り込んでるノマド。確かに明智小五郎シリーズって、無意味にインド人とか黒人を引き合いに出して怪しい役割をおっかぶせてたよなあ…インド人が気の毒だよなあ。


そんなノマドが、カメラを買いました。
●突然言い出したのですよ。「オレ、デジカメが欲しい!」なに?ナニが狙いなの?ヤツはお年玉貯金から1万5000円ほどを引き出して、ママといっしょに新宿ビックカメラへ出かけて、簡素なカメラを買ってきてしまいました。そんで夢中で写真を撮ってる。デタラメだけど、コレが小学生の「目ん玉チカラ」。大人には映らないドキドキの風景。

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●ノマドの世界はキラキラらしい。よかったよかった!
●ノマド、実は「戦場カメラマン」に憧れたらしかった。だからカメラが欲しかったのだ。しかし意味が分かってない。オマエホントに戦争やってる現場に行って写真なんて撮れるの?「え?戦場って戦争のバショなの?」あの温厚でおっとりした渡部陽一さんがまさか戦争の現場に出向いてるとは思わなかったという。意味が分かった今では「戦場じゃないカメラマン」がヤツの就職志望だ。



●先日、ツイッターでカワイい画像を見つけちゃった。

レゴでWHITESTRIPES

レゴブロックで、THE WHITE STRIPES のジャケを再現してる。イギリスの音楽誌「NME」のサイトで発見。ホンモノはコチラ。THE WHITE STRIPES「WHITE BLOOD CELLS」2001年。彼らの出世作だね。

THE WHITE STRIPES「WHITE BLOOD CELLS」

●ほらソックリ!彼らレゴには縁が深い。このアルバムに収録されてる「FELL IN LOVE WITH A GIRL」もレゴ尽くしのプロモビデオだから。カントクはあの MICHEL GONDRY




THE WHITE STRIPES、解散しちゃったね。
00年代前半のガレージリバイバルを強力に推進したロックアクトでした。ギター/ボーカルの JACK WHITE とドラムの MEG WHITE姉弟デュオという設定、と思い込んでたらネットの記事よく読むと彼ら姉弟なんかじゃなく元夫婦だったってハナシじゃん!なんだ初めて知ったよ。でも解散キッカケで改めて聴いてます。

THE WHITE STRIPES「ELEPHANT」

THE WHITE STRIPES「ELEPHANT」2003年

THE WHITE STRIPES「ICKY THUMP」

THE WHITE STRIPES「ICKY THUMP」2007年

JACK WHITE のヤリ過ぎぶりに圧倒されろ!
赤/黒/白というコンセプトカラーがしっかりしてる、とはいえマジでジャケが似通ってるので正直ダブり買いしそうでコワい物件でした。ダブって買ってはいなかったけど、2005年の「GET BEHIND ME SATAN」を持ってなかったコトに今まで気づいてなかった。まいっか…基本の芸風はゼンブ一緒だし…。ザックリ言えば、泥臭いカントリーそしてブルースにドップリ浸かったガレージロックをガリガリバリバリ鳴らしてるってコトですから。でもねでもね、そんな形容じゃ全然このバンドの価値を説明してないのです。カントリーもブルースもガレージも、いつの時代でも大勢の人たちがやってることだからね。
●つーか、この JACK WHITE というオトコがスゴすぎるのです。冷静に聴いてみると、相方 MEG WHITE のドラムが実は恐ろしいほどタイシタコトガナイのです。ホント最低限のコトしかしてない。ビックリする。結果翻って、こんな粗末なドラムしか仲間がいないのに、ギター一本でなんでこんなにタフなロックを鳴らすことができるのよ?というハナシになるのです。

WhiteStripesNews.jpg(JACK & MEG WHITE)

●ボクは常々思うのですが、このオトコとジョニー・デップのイメージが微妙にダブるのです。どう?無造作な髪の毛とか無精ヒゲとか帽子とか。なんかジョニー・デップっぽくないですか?でもねそういうルックスの話だけじゃないです。この二人のヤリ過ぎぶりがタマンナイのです。デップはご存知の通り「パイレーツ・オブ・カリビアン」ジャック・スパロウから「チャーリーとチョコレート工場」ウィリー・ウォンカ、「アリス・イン・ワンダーランド」マッドハッター、「エドウッド」「ラスヴェガスをやっつけろ」「ブロウ」などなどソレはソレは強烈なキャラクター造形に挑む俳優さんです。彼のヤリ過ぎ感覚がオモシロくて仕方がない。JACK WHITE も実は同じ。ロックンロールの伝道師としてのキャラクターを強烈に作り込んで徹底する。ソコがヤリ過ぎの領域に達してる。録音機材も徹底したヴィンテージアナログ主義で、キャリアが進めば進むほどルーツミュージックの真髄に突き進む。でもソコまでは誰もが到達する場所。この場所で自分のキャラをいかに増幅するか、ブチ切れたキャラをいかに演出するか、非常に緻密に計算しているような気がする。そんな延長からメキシコの街角で投げ銭をもらうマリアッチみたいなコトまでヤリ切ってしまう。イギリスのバンドだったらソコまではしないと思う。ソコがスゴい。

THE DEAD WEATHER「HOREHOUND」

THE DEAD WEATHER「HOREHOUND」2009年
JACK WHITE THE WHITE STRIPES の他にもいくつかのバンドを並行させてる。コチラは THE KILLS の女性ボーカル ALISON MOSSHART らと組んだユニット。ナカナカにエグイガレージサウンドがココでも渦巻いてる。他にも BRENDAN BENSON らと結成したロックバンド THE RACONTEURS も活発に活動している。
●けれど、これらの活動では JACK WHITEヤリ過ぎキャラはあまり出てこない。ソレゾレのバンドにはソレゾレのコンセプトがある。そして、JACK のヤリ過ぎキャラはあくまで THE WHITE STRIPES のコンセプト専用として作り込まれたキャラだというコトなのだろう。わざわざデッチ上げた姉弟ユニットという設定も、赤/黒/白のカラーも、THE WHITE STRIPES 専用のコンセプトだ。
●デビューの1999年からセッセと作り込んできたこのキャラ設定に、JACK WHITE は少々疲れたのかも知れない。このキャラは一旦ココで店じまいとし、新たな自己演出のスタイルを再構築する、そんな局面を迎えたのだ。でも失望することはない。形は変われどこのオトコの中には無限のロックンロール衝動が詰まってることには変わりないのだから。このようにボクはこの THE WHITE STRIPES 解散を位置づけたいと思います。


●それにしたって、やっぱスゴいよ。ライブはホントに二人だけ、ドラムとギター一本だけでヤルんだよ。それでこのテンションと圧力ってスゴいでしょ。



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