カメラ少年ノマド。
●ある日の午後。駅前で買い物してたワイフの携帯にノマドからの留守電が入ってた。「ちょっとオレソト行ってくるからね。じゃねー。」なんか知らんがどっかに行った。ノマドの小さなカメラがない。ヤツは写真を撮りに行ったのだ。

●どんな写真を撮ったのか。夜中にカメラメモリーをこっそり見てみた。
カワイイわんちゃんがいた。

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ノマドはガッコウ帰りの道草で、一人でこのワンちゃんを発見したようだ。コレはカワイイ!と思ったノマドは最高のフォトジェニーと考えたらしく、帰宅後カメラを握ってこの現場に折り返したようだ。スゲエイッパイ写真を撮ってる。
●ヤツは動画もたくさん撮ってる。ヘンテコなレポートを撮ってるんだよね。自分でカメラを握ってその場で実況してる。「え~今はイヌのサツエイをしています。かなりカワイイです。…とてもちいさいです…体調はおよそ50センチありません…毛が長そうです…」誰に向けての敬語なのか?普段は誰にも敬語使わないくせに。
「こんなカワイいワンちゃんがいるバショ、誰でも知りたいですよね?このバショの周りをみてみましょう!」ヤツはそのまま現場の周囲をレポートする。「こっちに行くと、みんな知ってますね、いつもの道です」近所の小学生がみんなで歩く通学路だ。ヤツのトモダチがカメラを持つノマドを見つけたのか、画角の外から声がかかる。「あー、ノマドだ!」でもそんな友人を無視してスタスタ駆け回りレポートを続けるノマド。「コチラに行ってもいつもの道に出ます」激しい手ぶれで画面はグチャグチャ。狭い道の徐行速度とはいえ車が走ってて、撮影に夢中で周囲が見えてない小学生にはキケンな感じもタップリ。コイツバカなことしてるなあ。
●それでも、1メートル20センチと学年でもイチバン小さいヤツの視点から見える町内の風景は、ボクが見てるよりもアレコレが全部大きく映ってて、曲がり角の向こう側に未知のフロンティアが広がってるように感じられる。学校と裏山と空き地バッカリの、のび太やドラえもんの生活が毎日ハプニングでイッパイなように、ノマドにとってもこの平凡な住宅街がかけがえのナイ世界として光って見えてるようで、ボクはとてもニンマリしてしまう。ヤツにカメラを持たせてよかった。

●でも、とにかく手ぶれがヒドくて、ピントが全然合わないんだよね…そこだけ教えてあげようかなあ。「『つゆで』ってなに?」って聞かれた時は「コレは露出って読むの」と言って教えてあげたけど。


高校生は先週が卒業式だったみたいね。
●ボクが勝手にチェックしてる高校生ブロガーの人たちが、みんな卒業式のコトを書いている。
●すっごく対人関係に鋭敏過ぎるあの男の子も、すっごく感受性が豊か過ぎるあの女の子も、みんなポコンと次のフェイズに押し出されて、さてさてコレからどんな風になっちゃうんでしょう?夢も未来も希望もキチンと携帯してるかな?夢も未来も希望も、実利的には全く役に立たないと思う。だけど、コレを持ってないと人生はホントにキツい。多分、今日ボクが一人観てたDVDもそういう感情で出来てるんだと思う。


DVD「ソラニン」

DVD「ソラニン」
●4月に人事異動でまた別の担当へ移ることが決まってる。つーか、9月から関わってるプロジェクトが閉鎖と決まってしまったからね。皮肉なことに閉鎖と決まってから業績はウナギ登りに上昇中、史上最高記録を更新しまくってる。まあ別にイイけど。
●そんでよく知ってるW先輩と共に新しいプロジェクトのスタッフさんにアイサツに行った訳です。どうもよろしくお願いします。そのW先輩がヘンな紹介をするんですわ。「コイツ、ソラニン風でしょ。浅野いにお原作のソラニン。そういうキャラだからよろしく!」えーなんすかその紹介。意味ワカンナイっすよメガネだけじゃないですか。高良健吾くんみたいにカッコイイならイイけど、全然ダメですよ。
●そんなコトいわれたモンだから、今週はDVD借りてきて「ソラニン」観たんですよ。いや原作マンガは全部読んでるからスルーでいいかと思ってたんだけど。……でも観てハッキリした。高良健吾くん演じるバンド青年・種田のヘタレ具合は見事に深刻で、モラトリアムの延長手続き失敗にクシャクシャになる弱さ、「草食系」という便利なコトバとヘタレメガネで言い訳しながら無難無難に逃げ道を探す弱さは、彼より人生十数年先行してるはずのボクにも見事に巣食ってるモノと同じなわけで。まーW先輩の慧眼に感服しました。主人公・宮崎あおい「カイシャ辞めたーい」とか言ってる弱音とか、ボクを月曜日の朝に折り目正しく悶絶させるモノと完全一緒だもんね。15年も今の仕事続けてるけど、自分の本来の性質に向いてると思えたことがナイね。さりとて他の仕事も勤まる気がしないのも事実だけどね。
●そんで登場人物達は、音楽とバンド活動に、ナニかを求めるのですわ。ソレが正しいのかカッコいいのか、ソレはワカランです。ただ宮崎あおいちゃんが緊張に顔をこわばらせながら、必死にギターボーカルを務める最後のライブパフォーマンスは、華奢な彼女の今にもポッキリ折れてしまいそうなココロが、ロックに必死にすがって人生に立ち向かう勇気を振り絞ってる奇跡の瞬間として、あまりに美しくて震えてしまうのです同質の弱さを抱えて生きる人間の一人として。
桐谷健太くんは「BECK」のミクスチャーボーカリストと同じワイルドさでタフなドラマーを演じてる。意外なほど見事な演技を見せたのはベーシストを演じた近藤洋一サンボマスターのファンキーベーシストが初俳優業挑戦でここまで見事な演技をみせてくれたのが痛快で。つーかほぼ等身大をそのまま演じてるこそからの名演?ルックスで言えば田口浩正さんが10歳若くなった感じですけど、わざとらしくないヘタレ具合が最高でした。宮崎あおいちゃんは言うことナイです。彼女、ボク大好きですから。


サンボマスター「音楽の子供はみな歌う」

サンボマスター「音楽の子供はみな歌う」2008年
●映画「ソラニン」の主題歌/挿入歌は、近藤のバンド・サンボマスターでなくて、ASIAN KUN-FU GENERATION が担当してるんです。主人公達の線の細さから連想すれば、この映画の雰囲気に近いのはアジカンであってその判断は正しいと思う。サンボマスターの音楽は太いですから。ゴシック体をさらにボールドするって感じ。
●劇中で近藤がバンド志望の中学生に「デブがベースやってナニが悪い?」とスゴむ場面があるんだけど、サンボの3人は自分の無様さをとっくの昔に全部開き直って、ソレを武器に変えてしまってる強さがある。そのズルムケ具合がそのまま音楽の強力なグルーヴに直結して、キャリアが進んでも洗練/漂泊しない野蛮がダクダク鼓動しているのが見える。
●その一方で荒削りに見えるサウンドは、なにげにボーカルギター山口隆のテクニックがピカイチだったりして(つーか原則トリオの一発録りでレコーディングしてるんだって…そんな風に聞こえないでしょあの完成度は)、よくぞあんなにフリーキーに絶叫しながらあんなに自由なギターフレーズを奏でられるのか実にビックリする。モチロンベース&ドラムも、パンクと見せかけてスゴくファンキーだしね。頼もしいロック兄さんなのです。…ああ、今月ベスト出るんだよな…買わないとダメかなあ。






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