東京電力が破綻したら、世間はどうなるだろうな?

エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?

●DVD「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」
●売上高で全米第7位までのし上がったアメリカのエネルギー企業・エンロンが、極悪で狡猾な粉飾決算の末に、あっという間に破綻した顛末を、その後の公聴会映像や関係者の証言で解き明かすドキュメンタリー。規制緩和要求と市場原理主義と会計トリックと政治家へのロビー活動と野心と強欲と虚栄と傲慢が暴走する様をスリリングに描いてます。10年前に話題になったカリフォルニア州の深刻な電力不足&計画停電が、彼らエンロンの利益を確保するための作為的なパニックだったという事実には驚いた。州内の電力を州外に供給して、電力不足を引き起こしてエネルギー相場を吊り上げ、そして高額で州内の消費者に売りつける。極悪。モラルなし。

●つーか、これ、今の東京電力に引きつけて考えたらナニかわかるかな?と思って見たんです。エネルギー起業であったエンロンが破綻するコトと、今の東京電力が破綻するコトと、なにか接点はあるのか?……むーん。わかりません。あんまカンケイないかも。今のトコロボクのアタマじゃ追いつかないです。
エンロンはマジでアコギな粉飾決算で株価を釣り上げ、企業幹部はソレを売り抜いて自分の利益を確保しつつ、破綻するがママに任せた。で、アメリカはこの巨大企業が崩壊して2万人の失業者が出ても、彼らのなけなしな企業年金が消し飛んでも、ゼンブ放っておくみたいだ。
●そんで東京電力。彼らが強欲だから今回の事故が起こったとは言わない。彼らは彼らの倫理をコツコツと積み重ねて仕事してたと思います。多分ココロから信じてたんでしょうから「原発は絶対に安全です」って。ウソかホントかワカラナクなるほどマジメに仕事してたと思います。しかしボクらが彼らを助ける義理がホントにあるのかどうかはよくわからない。コイツらの破綻を防ぐために、ボクらの税金がしこたまブチ込まれるのでしょうし、コドモ手当も減額されるでしょうし、消費税も上がっちゃうかも知れないでしょう。連中が補償すべき人々が大勢いるのはわかるけど、連中をかばうカッコで税金が使われるのは、なんか違和感を感じる。いっそ一回破綻させて、結果電力業界の再編成が進んだ方が、ベンチャーや異業種からの新規参入&新エネルギー導入が進むのかも知れない。むむむ。難し過ぎてよくワカラン。


「避難」を通じて「移民」がリアルに感じられた。

神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く

石井光太「神の棄てた裸体 - イスラームの夜を歩く」
●この本は、イスラム社会の最底辺を彷徨って、少女売春の現場やゲイセクシャリティの立場を探ったルポルタージュなのです。旅人として中東~南アジア~東南アジアを歩く著者は、社会の最下層に暮らす女性たちの生活を描く。イスラム圏にもボクらの社会と同じようにセックス産業があり、戦争や権力の腐敗や苛烈な階級格差や伝統に基づく差別がある。日本の常識じゃ歯が立たない痛々しい現実に、著者自身が身悶え苦しみながら文章を書いている様子が見えてくる。
●そこで気になったポイントは「移民」だ。イスラム社会の内側は、日本社会よりももっと流動的に人口が動いている。キッカケは戦争や貧困だ。のっぴきならない事情があって、人々は国境を越える。ペルシャ湾岸の富裕国には東南アジア(フィリピン)から大量の女性労働者が流入している。イスラム女性が従事できない労働を、非イスラムの彼女らが担う。メイドであったり売春であったり。商売敵は東欧/旧ソ連諸国からの白人出稼ぎ女性。アジア人がイイのかヨーロッパ人がイイのか、選ぶのはアラブの豊かな男性。一方でイラクの女性が戦火を逃れてレバノンのバーで働く。インドネシアの少女売春婦はブローカーに誘われるままにマレーシアに飛ぶ。バングラデシュの寒村では男性が都市へ流出して女性だけ取り残されており、ミャンマーからの密入国者とムリヤリ結婚しなくては集落を維持できない。イスラムの内部でもグローバリズムが彼女たちを故郷から引き剥がし、家族やコミュニティを引き裂く。

●さて、3.11以降の「避難」だ。日本の人口はどれだけの流動性を持っているのだろう。放射能という目に見える(いや実際には見えないか)脅威が確実に迫る場面においても、そう簡単に土地を移動できない感情がボクらにはある、と思った。高齢者の方が今から住居を変えるコトのストレスリスクは放射能の健康リスクを上回る、なんて言説も出た。いやいや避難指示に難色を示したいんじゃなくて、そんだけ根深く土地に絡み付いてボクらは暮らしてるってコトが言いたいんです。福島県の人に、どうぞ東京へ関東へ西日本へいらして下さい、と言ってもスッと動けない。居住地の問題?雇用の不安?子供の教育?血縁地縁からの離別?ゼンブが不安だよね。その感情に寄添いたい。避難先で不当な扱いを受けて福島に戻った人もいるという。そういうモンだ。
ボクは「避難」できるだろうか?名古屋や大阪にすぐさま移動して求職して家を決めて土地に馴染めるだろうか?いやいやイスラム社会の不幸な女性たちのように国境を超えて、上海や台北や香港やシンガポールに飛んで求職できるだろうか?家族を引き連れてロスやニューヨークやロンドンやパリに行けるだろうか?むむむ。これも難しい。難し過ぎてワカラン。
小松左京原作の映画「日本沈没」(もち1973年版)では、列島沈没の後日本人は難民として外国の荒野をさすらう状況が描かれてオシマイになったはず。およそハッピーエンディングとは言い難い締めくくり方でビックリした覚えがあるけど、「日本人よ敢えて外に出ろ」という厳しいメッセージがソコにはあった気がする。しかしそんな叱咤激励だけで難民にはなれない。気をつけよう、難民は過酷だ。イスラム社会では、戦争難民や経済難民、政治難民、宗教的マイノリティ、性的マイノリティ、民族的マイノリティが、国境周辺やスラムの中でコテンパンに苦しめられている。

●ルポの著者は、イスラム社会への偏見をジブンの中で乗り越えるために、敢えてスラムの最下層へ身を投じたのでしょう。今日はオサマ・ビン・ラディンが殺害された日。2001年に大きな悲劇を引き起こした首謀者を10年かけてとうとう追いつめた。ソレで?コレをお祝いすればイイの?ホントに?チュニジア、エジプト、リビアにシリア、イスラム社会は今ユサユサだよ?人がイッパイ殺されているよ?虐殺もやり放題だし、お節介が誤爆までしてるよ?ソレでどうだっていうの?デタラメは現在進行形で、結局ムコウ側では理不尽に人命の値段が安くて、コチラ側では理解不能と思考停止が続いていく。結局、ボクはナニも出来ないし、ドコにも動けない。


BOB MARLEY  THE WAILERS「SURVIVAL」

BOB MARLEY & THE WAILERS「SURVIVAL」1979年
●ボクは弱い人間なので、いつだってクジケそうになる。不安で身が捩じれるような気分になる。そんなボクを地面にキチンと堅く結びつけて両足でキチンと立てるようにしてくれるのは、BOB MARLEY のような強い強いグルーヴのおかげだと思う。ブラックミュージックには不倒不屈の生命力がみなぎっている。どんな理不尽にも負けない強さがある。こと、アフリカ諸国の独立と統一にフォーカスを当てたこのアルバムは、グローバリズムに締め上げられている全世界の一般大衆を鼓舞するチカラがあると思う。……でもこのジャケに国旗が描かれた国が、その後今に至るまで平和と繁栄を享受できたかと言うと、ほとんどそうじゃないのが現実。サバイバルできてません!国旗自体が変わっちゃった国もイッパイあります。



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