●ニュージーランドの大地震。ウェリントンに住んでる先輩は大丈夫なのかな?シンパイです。


今年の芥川賞作品。フワリと読みました。

文藝春秋 2011年 03月号

●逮捕歴アリの無頼派西村賢太さん「苦役電車」の、ゲンコツで書いたようなストロングスタイルの自虐私小説パワー。この砂を噛む様なザラツキ加減はやっぱちょっと苦手でありまして。
●一方で生まれも育ちも折り目正しい朝吹真理子さん「きことわ」の、輪郭線がトボケて消えていくような浮遊感に波長をシンクロさせて、現実社会に生きてるジブンの意識を1ミリだけ別時空にスライドする淡くて甘い錯覚に浸る方が気分であります。

「こときわ」の作中には、これまた思い入れの深いレコードが1枚登場します。

manuel gottsching「e2-e4」

MANUEL GOTTSCHING「E2-E4」1984年
●突然フワッとこのレコードが登場するんです。うわ激渋!クラウトロック/ジャーマンプログレの名盤にして、プレテクノ/プレハウスの文脈から、アンビエント~チルアウトの始祖的な存在として知られる1枚。59分間シンセの同じフレーズが淡々とループされてながら、その延々たる渦巻きの中、可憐な模様を描くように様々な音色がレイヤーを重ねていく。ボクは90年代に完全なテクノ耳の流れでこの音源を聴いてるから、その無機質で数学的な構築美だけに注目してたのです。
●しかし「きことわ」においてこのレコードは「チェスの音楽でしょう?」みたいな紹介でフワリと登場する。…つーかジャケ見ればチェス以外のナニモノでもナイはずなんだけど、バカなボクは「きことわ」で指摘されるまで、チェスの対戦をこの音楽が描いていることに気付かなかったのです。「E2-E4」というタイトル自体が、どうやらチェスの駒の配置を示してるみたい。テクノ文脈だと、こうした無意味な記号的タイトルは当たり前だったから、当時はまったく意味を考えなかったよ…。古いCDが新しい価値で艶を増した感じに、ボクはとてもうれしいです。


「きことわ」の瑞々しい印象に、このCDが聴きたくなりました。

JONI MITCHELL「BLUE」

JONI MITCHELL「BLUE」1971年
「きことわ」の描く小さな世界は決して明るいモノではないけど、自我と他我の区別がボヤける優しい感性に、ボクは JONI MITCHELL のうららかな声を連想してしまいました。この名作も「BLUE」という辛気くさいタイトル&ジャケのくせして、内容はブルーどころか極彩色のユリの花が鮮やかに開くような、解放的な風通しのよさを感じさせます。このアルバムで好きな曲はイッパイあるけど、一曲目の「ALL I WANT」がスゴく素敵。たおやかでありながら、底抜けに欲張りな女性の支離滅裂なココロの動きが、明るく軽やかに、そしてとびきりチャーミングに歌われる様子が好き。というかそんな気持ちを明るく歌う女性にホレちゃいます。

●そんで1970年の BBC の動画。なんだかスゴく奇妙な楽器を鳴らして JONI がこのウタを歌います。気分気ままに歌詞メチャクチャですが、気分は十分伝わりますね。




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