●連休疲れか…。具合が悪いです。予定に入れてた外出ができなかった…ショック。
●最近はアレコレ動いても体調を崩さなかったので、少々油断してたかも…。
●かといって、一歩も外に出ないと一層具合が悪くなる。行き付けのカフェでコーヒーを飲む。

暑いわね…。誰でもこの暑さには参るわね。カフェの奥さんにそう言われた。
●そうそう、暑いんです。ボクは参ってますけど、誰でも参るんです。奥さんそのコメントありがたいです。気分を切り替えるキッカケになる。
●具合が悪いことを自分のビョウキのせいにしないよう、なんとか自分の気持ちをそらす。コレ落ち込まないようにするテクニック。この状況は、誰でもキツい、誰でも疲れる、ボクだけがキツいのではない、ボクだけが疲れているのではない。自分に言い聞かせる。…でも結局クスリ足しちゃったけどね。


煮詰まったアタマに、ブラジル音楽。

ANTONIO CARLOS JOBIM「JOBIM FOR APRES-MIDI GRAND CRU」

ANTONIO CARLOS JOBIM「JOBIM FOR APRES-MIDI GRAND CRU」
●ブラジル音楽の巨人 ANTONIO CARLOS JOBIM のキャリア、60年代から80年代にかけての名演をふんだんに使ったコンピレーション。そのゴージャスさがモイスチャリング効果たっぷりの瑞々しい高湿度で、この鬱陶しい暑苦しさを見事忘れさせてくれる。JOBIM はボサノヴァのオリジネイター/伝道師として注目された60年代もイイけど、ボサノヴァという様式を超越した領域に突入する80年代の音源も素晴らしいのねーと感じ入るのでした。サスガ、SUBURBIA SUITE / CAFE APRE-MIDI 橋本徹さんの選曲だ。

●今日カフェで読んでたのは、橋本徹さんが1990年代前半に発信してたフリーペーパー「SUBURBIA SUITE」をまとめた本「SUBURBIA SUITE; EVERGREEN REVIEW」「SUBURBIA SUITE; FUTURE ANTIQUES」。かのフリーペーパーは渋谷系時代を牽引した重要なディスクガイドで、その後の「FREE SOUL」「CAFE APRE-MIDI」などのコンピに継承される美学がテンコモリ。90年代リアルタイムで二十歳前後だったボクにはハイブロウすぎて、そこに紹介されてる音楽など一生縁がないと思ったものでございます。

Suburbia Suite; Evergreen Review Suburbia suite; Future Antiques

●その後、そんな「SUBURBIA SUITE」の足跡をガッツリまとめたこの二冊の本が2003年にリリースされました。紙質にコダワったシャレオツな大型本は発売当時も高額でしたが、現在の古本市場でもボチボチのプレミアがついてて今だに敷居が高い物件。2003年段階においてまだこのオシャレスタイルに劣等感を感じていたボクはそのままスルーしてしまって(マジでこのコンプレックスを克服したのはごく最近、2008年のコトであります。参考記事 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-425.html)結局、この本の内容を全く知らずママに過ごしてました。だって高いんだもん下手すりゃ4000円するよコレ。
●しかし、今日はたまたまこの本がカフェの本棚にヒッソリ入っているのを発見。あらあら珍しいなあこの本久しぶりに現物見るよ、なーんて感じに、なんの気なしにペラペラめくってみたのでした。

●したらね、ボクもやっぱ37歳にもなりましてね、90年代初頭のガキンチョから少しは経験値が上がったのか、なにげにココに紹介されている音源を、無意識に買い集めているコトに気づいてしまったのです。あら、このレコードもあのレコードもボクは持ってるぞ聴いてるぞ。無駄に毎日アレコレダラダラ音楽を聴いてるワケじゃない、ナニゲに見聞を広げているのねボクは。かつてはオシャレ仮想敵国とさえ思っていた「SUBURBIA SUITE」にココまで接近しているとは、とても感慨深い。特にここ近年の勉強が効いているのは、ブラジル音楽の領域よね。ジョビンの音楽とかを普通に聴けるようになったんだもんね。

TOM JOBIN  ELIS REGINA「ELIS  TOM」
TOM JOBIN & ELIS REGINA「ELIS & TOM」1974年
JOBIM と、60~70年代のブラジルを代表する歌姫 ELIS REGINA が共作したアルバム。ボサノヴァから MBP にかけての時代を駆け抜けたELIS REGINA のハッキリした輪郭線を持つ歌声と、JOBIM らによる奥ゆかしいトラックが、ボクの荒れた神経を優しく撫でてくれる。
ELIS REGINAボサノヴァ世代の国民的歌手として尊敬を集めつつ、サイケデリックロックの影響をブラジル音楽に取り入れた新世代 CAETANO VELOSO らのトロピカリア運動に積極的に関与、64年のクーデターで成立するブラジル軍事政権へ批判的な立場を取った。なかなかの気骨あるアーティストだったのですね。少々エキセントリックな性格でもあったようで、最後はヘロイン中毒で1982年に死去。時に優しく、時にパワフルソウルフル、時にチャーミングな彼女の歌は、これからもっと研究したいトコロ。

joao gilberto brasil

JOAO GILBERTO「BRAZIL」1981年
JOBIM に並び立つボサノヴァのオリジネイター JOAO GILBERTO。ジャケットの写真には彼を囲むように CAETANO VELOSO、彼の実妹 MARIA BETHANIA、そしてGILBERTO GIL がいる。3人はトロピカリア運動の中心人物。ボサノヴァ世代/トロピカリア世代の両巨頭がそろい踏みでコラボレート。JOAOCAETANO たちも軍政を逃れて海外へ亡命していた経験を持つ。しかし時代はブラジル軍事政権は徐々に傾き民政へ移行していく頃。一度は祖国に失望した彼らが敢えて祖国の名前をタイトルに据えた。80年代の新しい伝説が生まれる。
JOAO こそボサノヴァ・ギターの創始者。これぞボサノヴァという小気味いいギタープレイに、甘く優しくウタが乗る。大先輩の前に少々遠慮気味なのか、トロピカリア世代はあまり出過ぎたマネはしてなくて、結果実にオーセンティックな路線のボサノヴァアルバムに仕上がってる。ふーむ、リラックス。音がヤワラかい…。
●ボサノヴァそのものについては下記の記事をご参考に。
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-488.html
 http://unimogroove.blog4.fc2.com/blog-entry-936.html


Milton Nascimento : Minas

MILTON NASCIMENTO「MINAS」1975年
●ブラジルという国はとっても広い。ヨーロッパの主要国を全部合わせたぐらいの面積はある。奥深い熱帯雨林には未だ現代文明に接触したことのナイ少数民族が潜んでいるし、様々な風土とソコに根差した文化がモザイクのように集まって成り立ってる国。音楽だって、地域によって多種多様。ボサノヴァリオデジャネイロという都会の洗練された中産階級が作り出した音楽。トロピカリアは北東部(ノルデスヂと呼ばれたりします)バイーア州の出身アーティストが主導権を握っていた。そんで、この MILTON NASCIMENTO。彼はここでアルバムタイトルにしてます、ミナスジェライス州の出身でございます。アルバムの中で何回も登場する子供たちのワラベウタのようなテーマコーラスが、素朴な土地柄を感じさせます。
●独特の浮遊感溢れるファルセットと幅の広いレンジが早くから海外アーティストの注目を集め、彼は70年代には WAYNE SHORTER などアメリカのジャズ界と最先端なコラボを経験。結果この段階において、実に複雑な展開を持つプログレッシブな音楽に到達してしまっています。もうブラジル音楽というククリとは関係ない、優れた音楽だけが持つ一流のスリルが奔流となって激しくうねっている。それでも彼の声は、一種の神々しささえ感じさせる澄み切った芯の強さで、音楽が難解になる一歩手前でトビキリの普遍性を持たせてくれてる。ああなんて美しい生命力。自由。

DJAVAN「DJAVAN : ALUMBRAMENTO」

DJAVAN「SEDUZIR」

DJAVAN「DJAVAN / ALUMBRAMENTO」1978年/1980年
DJAVAN「SEDUZIR」1981年
トロピカリア世代からもう少し遅れて登場したシンガー DJAVAN。そのキャリアの初期をまとめて聴く。時代は完全に MPB(=ムジカ・ポプラール・ブラジレイラ)。アメリカのR&Bやロック、ジャズフュージョンの影響がブラジル音楽と混じり合い、独自の洗練を成したスタイルが確立。DJAVAN の音楽も、泥臭いファンクネスを漂わせつつも、徐々に都会的な洗練を身につけていく。彼もトロピカリア運動のチームと同じくノルデスチの出身。ポルトガルの植民地支配が早くから始まったこの地域には、奴隷貿易経由で渡来したアフリカ起源の文化が色濃く染み付いているのかも。その強いリズムの躍動がコシになって、ポルトガル語独特のメロディ感覚がシナヤカなハリを持って響く。



トロピカリア運動/「トロピカリズモ」は、簡単に言及できない一大ムーブメントなもんですから、また別の機会に。

●ああ、なんかだんだんココロが落ち着いてきた。ブラジル、偉大だわ。

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