音楽プロデューサー、大沢伸一さんの逮捕報道。
●うわ!正直驚いた…。彼の音楽は大好きだったから。

●以下は、ヨミウリオンラインからの引用。

『「取引先の相手を」部下女性にわいせつ行為命令』
 部下の女性に取引先とわいせつな行為をさせたとして、警視庁が音楽プロデューサーで会社経営の大沢伸一容疑者(44)を準強姦(ごうかん)容疑で逮捕していたことが捜査関係者への取材でわかった。逮捕は14日。
 捜査関係者によると、大沢容疑者は11月、自らが経営する会社に勤務する女性に「取引先の男性の相手をしてほしい。そうしないと会社が潰れる」などと命令し、東京都内のホテルで男性とわいせつな行為をさせた疑い。
 同庁は、大沢容疑者が女性に対し、従わなければ解雇されると誤信させたことについて、準強姦罪の要件である抵抗不能な状態に陥らせたと判断した。会社の利益を図ろうとしたとみている。大沢容疑者は歌手の安室奈美恵さんらの作品を手がけていた。
 (読売新聞 12月29日(木)10時13分配信)

●しかし、この報道を受けて大沢氏本人はブログでコメントを発表。以下、SHINICHI OSAWA(大沢伸一)WEBSITEから引用。

「報道されている件について。」2011.12.29
逮捕された事は事実です。しかし僕がこの事件に関与してる事は全くありませんし、
身に覚えのないことと、完全に否認しています。
勿論現在は釈放されていますし、普段どおり音楽活動もしています。
その上で警察の捜査には最大限の協力を申し出ており、一刻も早く真相が解明され、
自分への嫌疑が晴れる事を望んでおります。
この報道によって関係者各位の方や音楽ファンの皆様には大変心配をおかけしておりますが、僕は100%無実なので、信じてください。
大沢伸一

●大沢氏が所属するエイベックス・マネジメントもプレスリリースを発表。

「所属アーティストの逮捕について」
 本日、当社所属アーティストであり、音楽プロデューサーである大沢伸一が逮捕されたとの報道がありました。
 しかしながら、本人は容疑を完全否認し現在釈放されており、通常の音楽活動に復帰しております。また、自身の潔白を証明するためにも、引き続き警察の捜査には全面的に協力してまいります。
 なお、本件については、現在捜査中であること、一般の方が被害者になっておりますことから、現段階では上記以上のコメントは差し控えさせていただきます。
 以 上

●今朝、ヤフーのトップにこの報道が出たのを見つけて、マジでゲンナリ。しかしその後、雑誌「バーフアウト」編集長の山崎二郎さんがツイッターなどでこの報道が一面的だと批判しているのを見つけ、そんで本人ブログにやっと到達し(アクセスが集中しすぎて一瞬見づらい状況もあった)、まあこの段階で判断や評価をするのも尚早だろうと心落ち着けるのでありました。

大沢伸一(大沢伸一氏)

彼は、一時期のボクにとって、アイドルでしたよ。
●イギリスや欧州のクラブジャズシーンに共振する形で、90年代初頭の京都から登場したアシッドジャズバンド MONDO GROSSO は、当時大学生だったボクには世界同時進行的な「渋谷系」ムーブメントのカッティングエッジのような存在に思えた。彼はそのバンドのリーダー兼ベーシスト。渋谷クワトロとか学祭ライブとかでたくさんライブを見たし、KYOTO JAZZ MASSIVE 沖野修也氏と大沢氏が共に設立した渋谷のクラブ THE ROOM にも足を運んじゃったりと、結構な夢中っぷりだったのです。
●いつしか大沢氏1人のオレユニットになってた MONDO GROSSOプラダとコラボなんかしちゃったりして実にオシャレなハウスへと転換。その後は彼のプロデュースワークを追っかけることに。bird の完全プロデュースは最高だと思ってたし、WYOLICA もステキと思ってました。ぶっちゃけブレイクには至らなかった信近エリというシンガーまでチェックしてましたよ。
●そして最近は、ソロワークや RAVEX というプロジェクトで、00年代フレンチエレクトロに共振するバリバリロッキンなエレクトロ路線へ突入。個人的にはそんな風に思い入れタップリ、だからこのニュースはホントビックリしました。


ですので、大沢伸一氏のCDを聴く。

大沢伸一「TEPPAN-YAKI - A COLLECTION OF REMIXES」

大沢伸一「TEPPAN-YAKI - A COLLECTION OF REMIXES」2009年
●コレは彼の近年のリミックス仕事をまとめた2CDのコンピ。CD-1は海外アーティストとの仕事。とくに注目は00年代フレンチエレクトロとのコラボレーション。フレンチの一番野蛮な連中、DIGITALISM、BOYS NOIZE、ALEX GOPHER といったロッキンなエレクトロをさらにザリザリ加工。イギリスのロックバンド THE WHIPCAZALS を料理する場面ではドラスティックな改造手術で実にドライヴィンなダンスミュージックに変換。個人的には NORMAN COOK の変名ユニット MIGHTY DUB KATZ とオーストリア産エレクトロユニット VAN SHE のリミックス(全然別の曲になっちゃった…)がハマったです。
●一方 CD-2は日本のアーティストとのコラボ。事件報道を伝えた読売新聞から見ると「大沢容疑者は歌手の安室奈美恵さんらの作品を手がけていた」というのが一番の目立つ仕事だったみたいだけど、彼女による IRENE CARA カバー「WHAT A FELLING」大沢氏の仕事だったコトに実はボクは気づいてなかった…いやあまりにメジャーすぎて忘れてたというか。そんな「WHAT A FELLING」がキックの強いエレクトロハウスに組み替えられてCDはスタート。その他、浜崎あゆみ GIRL NEXT DOOR、DJ OZMA などのエイベックス歌謡をバキバキ改造してます。ミシェルガン・チバ氏のバンド ROSSO FATBOY SLIM ばりのビッグビートになってるのと、FANTASTIC PLASTIC MACHINE THE CHEMICAL BROTHERS「STAR GUITAR」ばりのキラキラビートでブーストしてるのがツボ。MINMI の初期傑作「THE PERFECT VISION」が華麗なハウスになってるのもステキ。特にユニークな点は、映画「鉄コン筋クリート」のサントラを手掛けた PLAID のエレクトロニカトラックを奥ゆかしくビート強化した作業と、ディズニーランドの古典エレクトロ、「エレクトリカルパレード」テーマをスマートでクールにハウスカバーしたトコロね。あの有名なフレーズが言われないと気づかない程、自然に溶け込んでる着地感が最高。


●あらあら、ロッキンなダンスミュージックを聴いてたら、楽しくなってきちゃった。
このまま、フレンチエレクトロの話に行っちゃいましょうか!

VITALIC「OK COWBOY」

VITALIC「OK COWBOY」2005年
フレンチエレクトロがガツンと盛り上がった2007~2008年に先行して、一拍早くこの傾向の音楽をやってたのは、御大 DAFT PUNK を別にするとこの VITALIC だったと思う。かなりロッキンなギターリフサンプルがぐいぐい攻めてくる感じは確かにその後盛り上がる00年代フレンチエレクトロ。キリキリにトンガったシンセサウンドも実にクール。「LA ROCK 01」はエレクトロの「SMELLS LIKE TEEN SPIRITS」と呼ばれてた気がする。確かに納得できるシンプルさと徐々にせり上がる興奮感があの曲の気分とカブル。

「KITSUNE MAISON COMPILATION 4」

VARIOUS ARTISTS「KITSUNE MAISON COMPILATION 4」2007年
●このコンピシリーズ、今じゃ第12弾まででてるんですよね。音楽レーベルにとどまらないクリエイター集団である KITSUNE は、フレンチエレクトロシーンのハブとして機能しとりました。彼らはエレクトロをキーワードにフランスと欧米~全世界、そして日本のシーンを接続してた大沢伸一氏自体がリミキサーとして深く関わったし、前述の「TEPPAN-YAKI」にも KITSUNE 経由のリミックス仕事が結構多く含まれてる。ここに収録されている楽曲は、フランスだけでなく英米加豪などなどのアーティストのモノがいっぱい。FOALS THE WHIP、HADOUKEN!、CRYSTAL CASTLES、RIOT IN BELGIUM…。まーこう見てみると実は00年代エレクトロというキーワードのなかで、全世界的にロックとダンスミュージックの共振運動がこの時期にあったのだなと納得するのでした。

JUSTICE「AUDIO, VIDEO, DISCO」

JUSTICE「AUDIO, VIDEO, DISCO」2011年
ダンスロックとフレンチエレクトロが共振関係にあったとはいえ、この JUSTICE のロックへのアプローチは今回失敗したんじゃないでしょうか?まーその失敗の仕方がオモシロすぎるので、逆の意味で価値が出てしまいそう。
●2006年にリリースしたファーストアルバムは、DAFT PUNK の音楽をより一層錆び付かせたような、実にザリザリでロッキンな姿勢を打ち出し、その直後に盛り上がっていくフレンチエレクトロシーンに大きな影響を与えた彼ら。しかし、そこからたっぷり時間をあけて今年発表したこのセカンドはビックリするほど肩すかし。ぶっちゃけオモシロくない。つーか、オモシロくなさすぎてオモシロいほどです。
ダンスミュージックのダイナミズムに扇情的でハードロッキンなギターサウンドを追加して独自のエレクトロ表現を生み出したのが彼らの偉業だったはず。しかし時代の流れで主客逆転が起こってしまったのか?ハードロックなリフがどんどん前に出て、基本のダンス部分がスゴく薄っぺらくなってしまった。とはいえ彼らはロックギターがズバ抜けて技巧的というワケでもないのでコレも中途半端。結果ロック要素もリズム要素も実に大雑把でザックリ整理されすぎた薄味に仕上がり、スゴく遠回りをした偶然の結果?「80年代回帰」というヤツでしょうか?ちゃっちい産業ロックヘアメタルバンドみたいなマヌケさが出てきました。まーここまで振り切るとボクの中ではもはや笑えるオモシロポイントになってしまい、もうニヤニヤしながらコレが聴けちゃいます。
●実際アーティスト自身も「前作が都会の夜なら、今作は田舎の昼間です」みたいな発言をしてる。ある意味狙ってのコレなのね?一曲目のタイトルが「HORSEPOWER」だもんね「ウマチカラ」ってなんだよ?もう絶妙に田舎です!イモ臭い!田舎で都会っぽさを目指したらこんなヘンテコな仕上がりになりました的なマヌケさが満載!これからどーするんだろうね、この人たち。

VARIOUS ARTISTS「ED REC VOL.3」

VARIOUS ARTISTS「ED REC VOL.3」2008年
KITSUNE に匹敵する勢いでフレンチエレクトロを盛り上げたレーベルが、こちらのコンピをリリースする ED BANGER RECORDS でありました。前述の JUSTICE もコチラの所属アーティストだもんね。これまたロッキンなエレクトロ SEBASTIAN も気になります。
●ただしブリブリザリザリのロッキンなアプローチだけじゃなくて、ヒップホップ方面へと繋がるファンクネスも感じさせるのがコチラの内容。BUSY P というアーティストが、西海岸アンダーグラウンド系のラッパー MURS と組んだトラックがよいね。オールドスクールヒップホップのモチーフが見える UFFIE、ディスコファンクなうねりを連想させる MR. OIZO、フランス語ラップが新味な DSL、ボルチモアブレイクスに繋がるスピード感の FEADZ と、聴き所満載。
DJ MEHDI「LUCKY BOY」

DJ MEHDI「LUCKY BOY」2006年
●こちらも ED BANGER RECORDS の所属アーティスト。セクシーなファンクネスを感じさせるダンストラックが印象的。無機質なシンセフェティシズムが信条のフレンチエレクトロと、人力の粘りが光るファンク/ヒップホップの中継地点にいる立場。多彩なアイディアが豊富でスゴく示唆的な音楽がある…。でもねこの人、今年死んじゃったんだよね…。

COSMO VITELLI「CLEAN」

COSMO VITELLI「CLEAN」2003年
●元来フランスのダンスシーンはテクノもハウスも洗練されてて、DAFT PUNKKITSUNE が新しいスタイルのエレクトロを提案するまではロック的に扇情するスタイルはそんなに目立たなかったはずなんです。でもシーンが盛り上がる以前からこのヘンの人脈がみな繋がってたのも事実。ED BANGER の主宰者 PEDRO WINTER(前述の BUSY P は彼の変名)は、DAFT PUNK のマネジャーを務めてた時期があったり、KITSUNE の中心人物 GILDAS LOAEC がやはり DAFT PUNK のメンバーと共同作業していたり、なんていう状況がある。
●そんで、この COSMO VITELLIED BANGER PEDRO WINTER はこのアーティストのマネジメントを手掛けてた時期もある。スタイルで言うと、いわゆる00年代フレンチエレクトロ、と比べると非常に洗練され過ぎてて、ソレ以前のフレンチハウスの気持ちよさで聴くタイプの音楽。個人的にはイギリスのトラックメイカー HOWIE B のミックスCDの中で彼の名前を見つけた。甘いウタものも多く、フレンチシーンでは AIR などにより近いポジションかも。



●そんで、シーンのオリジネイター、DAFT PUNK はナニをやってるのかというと。

「トロンレガシー」

「トロン:レガシー」
DAFT PUNK はこの映画でサントラ担当してました。…まー映画の出来は微妙で、正直ボクにとっては子供の頃に見た元祖「トロン」1982年版の方が衝撃的だったし、再現性がリアルすぎる現在のCG技術より、80年代のローテク感満載CGの方が味がある。結果、音楽もフツウにしか聴こえなかった…のでサントラCDは買ってません。

●一方でね、DAFT PUNK の音楽に合わせた楽しい動画を見つけちゃったのでソレを貼付けます。
●曲は「HARDER, BETTER, FASTER, STRONGER」。ローテク!両手でこの曲の歌詞をフォローします。ダマされたと思って最後まで見て下さい。




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