NHKの朝ドラに生まれて初めてハマった。「カーネーション」。

尾野真千子

●最初は「おはよう日本」をダラダラ見てる流れ以上のモノは感じてなかったんだけど。
●主題歌が椎名林檎で。そしてオープニングのフィギュア演出が辻川幸一郎さんだったりもして。彼の手掛けた CORNELIOUS のPVは一生忘れない傑作。
●そんで主演の尾野真千子さん。この人はチャーミングだなあ。「あさイチ」でのインタビューを見て、本来から快活な関西弁ネイティヴだったんだと知り、より好感が持てました。ご出身は奈良だとか。デビューは河瀬直美監督「萌の朱雀」だってのも最近知った。カンヌ作品「殯の森」も見たくなった。「文藝春秋」のインタビューも読んじゃった。30歳、ポッと出てきた人ではありません。
●次女・直子コシノジュンコさんがモデルってことだよね)が、ニューレイブばりのどえらくキッチュな自作衣装を着るようになってから目が離せない。あ、この男友達が高田賢三さんなのかー、と思うと日本のファッション史を見てる気分になる。
●そんで直近の関心は、三女・聡子ミチコロンドンってことだよね)。安田美沙子さんがニコニコ演じるマイペースなテニス少女が、どうやってこれからイギリスに飛び出しちゃうのかが気になる。
でもでも、彼女が気になるホントの理由はそこじゃなかった、聡子が我が娘ヒヨコに似てるからなのだ。醸し出す天然オーラが漠然と似てるから?いや、ニコニコして陽気に見えて、周囲の空気を敏感に察知して自分の準備すべき立ち振る舞いを探っちゃう末娘の様子が、我が家の末っ子・ヒヨコ9歳と同じ雰囲気なのだと納得してしまった。ヒヨコはヒヨコなりに空気を読んでいて、自分の主張を表明するのを躊躇するクセがある。女子同士のエグイ自己主張競争はかなり苦手なはず。ヒヨコー、これからの思春期をキチンとサヴァイブしてねー!それとバレンタインの手作りチョコありがとう!

●朝のたった15分で、そこまで感じさせる NHK の朝ドラってすげえコンテンツだな。しかも15分という尺が適切すぎる。ソレ以上は見てるコチラの集中力が持続しないし、ソレ以下ではメッセージも演出も成立しないだろう。



NHK もう一ネタ。大河ドラマ「平清盛」。加藤浩次さんの海賊王!

平清盛加藤浩次

●爆笑!マジでジャック・スパロウじゃないですか。または「ワンピース」黒ひげ/エドワード・D・ティーチ「オレは海賊王になるぞ!」ってもうまんまじゃないですか。加藤さん「スッキリ」のスーツ姿じゃ気づかないけど、ハラまわりが予想以上にボッテリでますますヘンなスゴミが出てます。小樽出身の加藤さんが関西弁ってのも実は微妙に珍しくてオモシロいです。
●さらに爆笑しちゃったのが、加藤さんの海賊団が登場する場面の挿入歌に、EMERSON, LAKE & PALMER「TARKUS」が使われてるんです。コレが的確にハマり過ぎててスゴい!なんじゃらもんじゃら得体のしれないモノが登場してくる瞬間。平氏/首都防衛のエリート部隊が初めて直面する、未知の大型外国船に乗った流民棄民のゲリラ集団の異様さを、この1971年のプログレッシブロックで演出するなんて!これスゴいアイディアだな!

EMERSON, LAKE  PALMER「TARKUS」

EMERSON, LAKE & PALMER「TARKUS」1971年
●久しぶりにLPを引っ張り出して聴いてみました。プログレ世界では名盤だけど、今のレコ屋でチョコチョコ探せば400円くらいで売ってるのよね。組曲「TARKUS」の中の冒頭の部分「ERUPTION」が劇中で使われておりました。ぼよぼよぼよぼよ…ジャケの奇妙な怪物がマグマの噴火と共に誕生する瞬間を、このロックトリオがハイテンションで表現するグルーヴ!
●もちろんドラマで聴こえるのは原曲ではなく、サントラを担当している吉松隆さんという方のオーケストラバージョンです…ただし、これは「平清盛」のための撮り下ろしではなく、元来から猛烈なプログレファンである吉松さんが2010年に発表したモノ。この吉松版「TARKUS」NHKが注目して今回のオファーがあったなんて話も。へー。



NHK さらにもう一ネタ。アンジェラ・アキの「WE'RE ALL ALONE」。
NHK-ETV「アンジェラアキのSONGBOOK IN ENGLISH」が楽しいって前もこのブログに書きました。洋楽の歌詞をなぞって英語の勉強をするこの番組、先々週のお題が BOZ SCAGGS の名曲「WE'RE ALL ALONE」だったのでした。この曲をアンジェラさんは2005年のデビュー作「ONE」で日本語カバーしております。そのデビュー当時の彼女のHMVインストアライブにまで行ってた、ワリと熱心なファンであったボクとしては実に感慨深いテーマでありまして、でソモソモの原曲も大好きなのでウットリするのでありました。

SCOTT WALKER SPECIAL COLLECTION

SCOTT WALKER & THE WALKER BROTHERS「A VERY SPECIAL COLLECTION」1973~1978年
「WE'RE ALL ALONE」はこの人たちもカバーしていて、ボクとしてはとってもお気に入りです。60~70年代のイギリスで活躍したシンガー SCOTT WALKER とその仲間たち。元々はアメリカ人なのに多くのビートバンドで沸くスウィンギンロンドンのシーンに参入、THE BEATLES なみの人気を集めた連中でございます。ボーカリスト SCOTT WALKERホレボレするような朗々とした太い声が実に特徴的で、PHIL SPECTOR 風のゴージャスなアレンジで見事なブルーアイドソウルを歌うのでありました。
●そんなアイドル的人気が一段落した70年代、SCOTT はソロに転向。このアルバムが網羅する時期はさらに再結成 THE WALKER BROTHERS を招集したりしつつも、結局はバンドサウンドと関係ない見事なアダルトオリエンテッドロックに変貌しておりまして、60年代のワサワサ感を期待したボクは、この70年代スタイルに一瞬ガッカリもしました。でもでも、味のあるカバーが多くて、聴き心地がいい。BOZ SCAGGS「WE'RE ALL ALONE」とか、JIMMY CLIFF「MANY RIVERS TO CLOSS」とか、RANDY NEWMAN の曲とか。
●一方で、同じ70年代の DAVID BOWIE と同じアプローチをしてるような曲もあって。1978年の「NITE FLIGHTS」というアルバムの時代かな?ココは今後注目したいです。

THE LAST SHADOW PUPPETS「THE AGE OF UNDERSTATEMENT」
THE LAST SHADOW PUPPETS「THE AGE OF UNDERSTATEMENT」2008年
ARCTIC MONKEYS のボーカル ALEX TURNER が、去年ソロ作をリリースして話題になった MIKE KANE、そして ARCTIC MONKEYS の全てのアルバムに関わっているプロデューサー JAMES FORD と共に組織したバンド。ALEX TURNER自分の60年代趣味を分かりやすく発現させてます。そもそもなんで SCOTT WALKER を聴こうと思ったかと言えば、彼らが SCOTT からの影響関係をハッキリ明言してたからだ。この作品以降の ARCTIC MONKEYS がアルバム「HUMBUG」「SUCK IT AND SEE」でどんどん60年代志向を強めていく中で、その元ネタにあたる SCOTT WALKER ってナニモノよ?という興味はぐんぐんモコモコと湧き上がりましたね。だから結果として、キドッたアダルトオリエンテッドロックでしかなかった前述のCDを、買って初めて聴いた瞬間はマジで「なんじゃコレ? ARCTIC MONKEYS と関係ない音楽じゃん!」とブチ切れそうになりました。
●60年代の THE WALKER BROTHERS がやってたという PHIL SPECTOR 風「ウォール・オブ・サウンズ」なストリングス/ホーンアレンジに、確かにこのバンドはしっかりこだわっていて、ムサいビートロックに、独特の奥行きが施されてる。ソレは洗練とは別の意味の、ヴィンテージのカビ臭とそういうのにハマっちゃう男臭さがググッと匂ってタマラン気分になります。ALEX TURNER の声はブルーアイドソウルとは言い難いスタイルだけど、バタ臭いビートサウンド&60年代風ゴージャスアレンジが描くオトコのムサ苦しさは、SCOTT WALKER の渋過ぎる太いボーカルと十分リンクするものであります。

●しかし「60年代回顧趣味」って今までの音楽史の中で何度となく繰り返された現象なのに、いつも新鮮なアプローチが登場してオモシロいものになる。素材は同じ時代のはずなのに、その都度解釈が違ってて新しい側面にスポットが当てられる。モッズというファッションに注目する人もいれば、サンフランシスコのサイケデリアに着目する人もいる。THE BEATLES のギターサウンド&メロディを目指す人がいれば、彼らのヘンテコな音響実験に可能性を見出す人もいる。モータウンのR&Bも、ジャマイカのスカも、JAMES BROWN も、インスパイアの源泉。そんで今回はイギリス製「ウォール・オブ・サウンズ」で彩られたポップスがヒントになった。オモシロいなあ。


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