東京スカパラダイスオーケストラのライブに行ってきました。

東京スカパラダイスオーケストラのライブ

東京スカパラダイスオーケストラ 2012 ツアー「WALKIN'」@代々木第二体育館 7/5

「戦うように、楽しんでおくれよ!」

●バリトンサックスの谷中敦さんが、ライブの序盤でMCするキメフレーズ。素敵な言葉だ。

スカパラはカッコいい。9人のメンバーは40歳から50歳。いい年こいた大人の男が、真剣に、純粋に、グルーヴとダンスを楽しむ様子は、とても素敵でカッコいい。ビシッと決めたモッズスーツを汗だくにしながら手足を振り回しジャンプする様子。足をガバッと開いて腰を入れて、演奏とグルーヴに集中する様子。モンキーダンスをユーモラスに踊ってお客を煽る様子。9人のメンバーが激しく動き、そのツドにエナメルのシューズ、サングラス、金管楽器がキラリと光る。少年のような音楽への誠実さがそのままライブの熱量に直結してるけど、大人の男の余裕が音楽をすごくピースフルに響かせてる。結果、とても楽しい。こんなにワクワクしてニコニコできるライブは貴重だ!
●メンバー最年少、ギター加藤隆志さんのパンキッシュなギターパフォーマンス。テナーサックス GAMO さんのどこかユーモラスな立ち振る舞い。沖祐市さんの熱く弾けるファンキーキーボード。NARGO さんのトランペットが空を切り裂く感じ。メンバーそれぞれに見せ場があって、ステージのドコかで常に事件が起こってる。ひとときたりとも見逃せない。そしてゲストは EGO-WRAPPIN'中納良恵さんのスパイシーなボーカルもよかったが、アンコールで登場したギター森雅樹さんのプレイが楽しい!BO DIDDLEY モデル、真四角で真っ赤なギターを携えての登場がとてもイカす。
スカパラ独特の高速スカビートは、タテノリ/ヨコノリ/ナナメノリと、お客さんに対して多様なダンス解釈を許すグルーヴだから、アリーナや会場のお客さんをみても楽しい。みんながそれぞれの受け止め方、楽しみ方を見つけてて、思うがママに振る舞う様子がとても感動的。往々にして画一的なノリにカタマリがちな日本人のリアクションが、ココではその多様性を容認してくれるヤワラかい気分がある。それもとっても楽しかった。



というコトで、最近のスカパラのCDを聴く。

東京スカパラダイスオーケストラ「PARADISE BLUE」

東京スカパラダイスオーケストラ「PARADISE BLUE」2009年
●最近でもないか…。でも20年以上の歴史を持つ彼らのキャリアから見ればごく最近ってコトで。今までボクはスカパラの魅力を超高速スカビートの疾走感と、パワフルなホーンアンサンブルだと思ってたのです。そしてその魅力は確かにCDにキチンと着地してるのですが。でもライブを見て印象が変わっちゃった。高速ビートの中で炸裂するアドリブプレイ、遊び心タップリの即興プレイが次から次へと連鎖するのが本当に楽しいのですね。そういう意味では、CDとして凍結しちゃった音楽には少々の物足りなさを感じてしまって。

東京スカパラダイスオーケストラ「HEROES」

東京スカパラダイスオーケストラ「HEROES」2011年
スカパラが、「少年ジャンプ」の人気連載マンガ「ワンピース」「トリコ」の劇場版アニメ主題歌を担当した時のマキシシングル。「ワンピース」は大好きで我が子ノマドヒヨコと楽しく回し読みしてますが、島袋光年「トリコ」のグルメアドベンチャーという世界観はサスガについて行けなかったです。極上の味を食べるために、秘境に住む凶暴な希少動物をカラダ1つで狩猟&料理する、って大分ムチャな設定でしょう。まーマンガの内容に関係なく、スカパラはイツモ通りにファンキーでシャープであります。

川上つよしと彼のムードメイカーズ「ムードメイカーズ・ムード」

川上つよしと彼のムードメイカーズ「ムードメイカーズ・ムード」2003年
スカパラのリズム隊の要、ベーシスト川上つよしさんがリーダーを務める別ユニット。スカパラのメンバーも交えつつ、LITTLE TEMPOREGGAE DISCO ROCKERS などなどの日本レゲエ人脈が集まっている。ロックステディを軸にして、スカパラよりもレイドバックしリラックスしたグルーヴを転がす気分。夏の夕暮れ、楽しいゴハンを気の置けないトモダチと一緒に食べる時に聴いていたい音楽。古内東子がゲストボーカルを務める荒井由美「きっと言える」ジャマイカ風味仕上げが美味…。高橋幸宏さんが歌う THE BEATLES「SOMETHING」もイイネ。BART BACHARACH をダブワイズしてる曲がキレイ…。
●かつて下北沢にはレゲエレコード専門店「RAKSTONE RECORDS」というお店がありまして。そこで COUNT OSSIE のナイヤビンギなLPとかをボクは買ってました。5年ほど前に閉店してしまったんですけど。そこの店長・山口 Gucci 佳宏さんがこのバンドのプロデュースを手掛けております。




2トーンスカ。パンク革命に活力を与えた異文化コミュニケーション。

「THE 2 TONE STORY」

「THE 2 TONE STORY」1979〜1983年
●日テレのトーク番組「先輩ROCKYOU」スカパラがゲストで出演してたんですよ。その時、端的にメンバーが彼らの歴史観を説明してたのです。「60年代のジャマイカにオーセンティックスカがあって、その後80年代にイギリスでスカリバイバルがあって。それを2トーンスカっていうんですよ。そしてボクらは『東京スカ』っていってる。東京から発信するスカ。だからテンポもスゴく速いんです」コレがスカの歴史。
60年代ロックがブルースやR&Bといったブラックミュージックから活力を得たように、70年代末のパンク革命はレゲエ/スカから活力やインスピレーションを得た。2トーンスカはその象徴。その爆心地となったレーベル 2 TONE RECORDS の名前は、ブラック&ホワイト〜人種間の融和を願って命名されたという。このコンピレーションは、その 2 TONE の代表的音源をまとめたモノであります。ポップカルチャーが異文化を取り込んで新しい表現を生み出す瞬間のドキュメンタリーがココにあります。
2 TONE の看板バンドは THE SPECIALS。シーンの中核を担った THE SELECTER、MADNESS、THE BEAT も収録されている。女性トリオ BODYSNATCHERS、THE SPECIALS の後継バンドTHE SPECIAL AKA も登場、アパルトヘイト政策に反対する「FREE NELSON MANDELA」が素敵。鋭い政治的主張とエレガントなポップ性が同居した傑作。ジャマイカ出身のトロンボーン奏者 RICO RODRIGUEZ の楽曲もイイ感じ。
スカパラ川上つよしさんが、前述のトーク番組でスカがジャマイカ本国ですぐに廃れてしまった理由を説明してた。スカはすぐにロックステディに取って代わり、そしてレゲエに移行してしまう。なんでスグに廃れたのか?「ある年の夏が暑かったんです。スカはテンポが速いでしょ。これじゃ暑いのでもうちょっと遅くしようかということになって。これジャマイカのエラいミュージシャンに聴いたんですよホントですよ!」ホントかよ?

THE SPECIALS「MORE SPECIALS」

THE SPECIALS「MORE SPECIALS」 1980年
THE SPECIALS はパンク革命の最中、1977年に白人黒人混合バンドとして誕生しました。最初は THE AUTOMATICS、THE COVENTRY AUTOMATICS、THE SPECIAL AKA と名乗り、最終的に THE SPECIALS に着地。THE CLASH のオープニングアクトなどを務めつつ、音楽的支柱であった JERRY DAMMERS2 TONE RECORDS を設立し、ここからレコードデビューを果たすのです。ジャマイカのビートとパンクアティチュードの合体という音楽的実験だけでなく、社会/政治問題、特に人種問題や反右翼運動に意識的なバンドとして活動するのであります。
●で、このアルバムは彼らのセカンドアルバム。スカだけに捕らわれず、R&B やファンクも取り込んで熱いダンスビートを刻んでおります。「SOCK IT TO 'EM J.B.」が見事なファンクで楽しいのですが、ここでいう「J.B.」 JAMES BROWN と見せかけて、実は JAMES BOND だというのがイギリス風で笑っちゃいます。そんな名譜ですが、下北沢レコファンにて480円で購入。「THE 2 TONE STORY」もアマゾンではレア扱いですが同じ店で600円で買っちゃった。
●その後の THE SPECIALS。ボーカルの TERRY HALL と 音楽的リーダー JERRY DAMMERS の不和が決定的なものとなり、バンドは分裂。JERRY DAMMERS THE SPECIAL AKA 名義で活動を継続。よりモッズテイストを深めたモダンな音楽を発信していきます。一方、TERRY HALL はアフリカンビートを取り入れた奇妙なニューウェーブバンド FUN BOY THREE を結成。FUN BOY THREE は大分ヘンテコな音楽なのですが、あの80年代の空気の中では十分に個性的でオモシロいのであります。あ、THE SPECIALS は2008年に JERRY DAMMERS 不在のまま TERRY HALL 中心メンバーで再結成してるわ。




ロサンゼルスにスゴいバンドがいる。THE AGGROLITES。

THE AGGROLITES「DIRTY REGGAE」

THE AGGROLITES「THE AGGROLITES」

THE AGGROLITES「REGGAE HITS L.A.」

THE AGGROLITES「DIRTY REGGAE」2003年
THE AGGROLITES「THE AGGROLITES」2006年
THE AGGROLITES「REGGAE HITS L.A.」2007年
●ロサンゼルスのパンクシーンの中から、猛烈に泥臭く、汗臭く、ファンキーな、レゲエサウンドが登場。ロックステディのタフなビートが、炎に吹子で空気を吹き込むように、グルーヴを熱く熱く燃焼させる。敢えて走らせないリズムの着実さが感情をより高まらせる。タマランですね。このバンドの存在を知って、すぐにアメリカのアマゾンに発注しましたよ。是非とも多くの人に聴いてもらいたい音楽。上記3枚は順番に彼らのファースト、セカンド、サードアルバムになってます。セカンドとサードは、HELLCAT RECORDS からリリース。ハードコアの名門 EPITAPH の系列で、RANCID の中心人物 TIM ARMSTRONG が主宰する、ハードコア/オイ!/ロカビリー系のレーベルであります。
●ロサンゼルスといえば、レゲエとパンクの90年代以降のミクスチャーとして、SUBLIME LONG BEACH DUB ALLSTARS といったバンドがおりました。底抜けに明るく、気持ちのイイフランクさが独特のレゲエ解釈でとてもユニーク。その一方で、ハードコアとスカの折衷様式、スカコアがある。しかし THE AGGROLITES はそのスタイルとも全くカブラナイ独自の音楽を鳴らしている。そのユニークさがたまらない。

AGGRO-2.jpeg

THE AGGROLITES のメンバー。この面構え!この気合いの入ったパンクアティチュードの延長にレゲエが熱く弾けている。なぜかバットを肩に担ぐ感覚がハードコアだね。




日本のレゲエミクスチャーロック。ROCK 'A' TRENCH。

ROCK A TRENCH「ACTION !」

ROCK 'A' TRENCH「ACTION !」2009年
●バンドの名前から、レゲエ由来の気分が伝わりますね。BOB MARLEY の名曲「TRENCH TOWN ROCK」が瞬間的に連想されます。シングル「HIGHER」をはじめ、いくつかの曲は明確にレゲエミクスチャーとして成熟してて、その新しい感覚に感動したものであります。…でもそのウチ、フツウのロックばっかになってしまって徐々に関心が薄れちゃった。去年活動停止。あ、今ウィキを見て、JACKSON VIBE と分派した関係のバンドだったコトを知るのでした。


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