iPhone5発表「薄く、軽く、最高」

iPhone 5 の発表〜予約開始。そんで、ウチの職場はオカシイと思った。
夕方、オフィスから人がいなくなっちゃった。みんな街の電気屋に行ってしまったのだ。

iPhone5予約受け付けに大行列

●で、facebook 見ると、それぞれのメンバーがイロイロな店で並んでるコトを報告してる。「有楽町ビックで並んでまーす」「整理券ゲット!@新橋ヤマダ電気」「ただ今スマホ市場の実地調査のために家電量販店におりますので探さないで下さい」とか。代休取得の人までカイシャに出てきてたモンね。「どうせ都心の電気屋行くんだから、ついでに資料作ってるだけですよ」
●ねえ…ホントに今すぐ予約しないとイケナイの?トナリ女子に聴く。「別に大丈夫ですよー。ワタシは新宿で予約しましたけど」マジかよ。でもボクまた iPhone 4S に変えて一年経ってないもんなー。といいつつネット見てたらソフトバンクが今なら旧型 iPhone を買取してくれるっていってる。わーなんだか踊らされそう。


●で、ボクはアナログメディアの紙雑誌を読んでる。

BRUTUS (ブルータス) 2012年 9:15号

雑誌「BRUTUS」2012年 9/15号 特集:「ぼくのともだち」
●ビックリしちゃった。特集の意図も内容も一瞬全然意味が分からなかった。ナニこのノホホンとした表紙。
●ギトギトした煽りコピーと、要素過多な自己主張ばかりの雑誌コーナーにあって、この薄味テイストは「真空状態」がボコッと発生したかのようで、逆の存在感で目立ちまくってた。そんでジックリ手に取って眺めても、意味がまだよく分からない。
結果的に、この意味のよく分からなさ加減が、そのまま愛おしく思えて、速やかに購入した。
「ともだち」ってフレーズは、さくっとボクに刺さったね。今週は20年来の友人とメシ食ったばかりだったし。先週にもかつて仕事した仲間が、長崎から高知から広島から金沢から名古屋から札幌からマジで文字通り全国から集まった場面があって感動してた。あ、昨日会った人もカレコレもう10年来の知遇だなあ。来週は、前の部署でパートナーだった人たちと食事する…誕生日を迎えたボクにわざわざメールをよこしてくれた。

●読んでみれば、「ともだち」という言葉が SNS とかネットメディアを通じて氾濫してる時代に対して、「そもそも友情ってナニよ?」という問題提起を発信してる、って内容だった。…ま、ある意味フツウだったか。雑誌って実はあまり買って読んだりしなくなってしまったけど、この「BRUTUS」の表紙は、買うだけで十分な気持ちになるほど、気持ちが揺れた。そのまま本屋の袋に入れっ放しにして読まなくても満足だと思った。

●芸術家・会田誠さんと、Chim↑Pom のメンバーが対談してた。当時学生だった男子メンバーのクラスをほったらかして、まだ女子高生だったエリイちゃんに声かけて仲良くなってたという会田誠さん。エリイちゃんに必要以上に馴れ馴れしくしてもらってる会田さんを、マジでうらやましいと思った。
●ただ、会田さんの言葉で共感したモノが。「僕は小さい頃から友達が一人いればいいタイプで、結局それが妻になっちゃったんだよ。友達って、どうでもいいギャグとか何の価値もない話をしてもいい相手でしょ。それがすでに妻で事足りてしまってるところがあるよね」
●…あ、ボクにとってワイフってそうかも。なにしろ初めて会った時がお互い15歳の時だからね。ほぼ25年の付き合いだからね。もうどうでもイイことしかしゃべってないね。

   Chim↑Pom---チンポム作品集

Chim↑Pom「チンポム作品集」…ボク、チンポム好きですよ。なんとなく。
エリイちゃんがいなかったら、ここまで支持しただろうか?自信がないヨコシマさも含めてだけど。





●さて、今日も音楽を聴いている。
チルウェーヴ。またはチルウェイヴって言った方がいいのかな?
●このジャンルをめぐって連想を重ねながら、イロイロな音楽に触れていきます。


WASHED OUT「WITHIN AND WITHOUT」

WASHED OUT「WITHIN AND WITHOUT」2011年
●ジョージア州出身のおニイさん ERNEST GREENE による宅録由来のソロユニット。去年からコレ聴いてるんですけど、そんでとっても好きなんだけど、まだこのブログで紹介してませんでした…。コレってアレでしょ、つまりその、チルウェーヴ、でしょ。チルウェーヴの、まさしく代表格的アーティストでしょ。でもこの音楽ジャンル的なコトバの取り扱いがあまりよくわからなくて。
●つーか「チルウェーヴってコトバを使うだけで十分に寒い」という雰囲気が2011年段階で既に出来上がってて。「あれあれ何今さらこんなの聴いちゃってるの?」的な圧力すら感じちゃって。ちょちょ待ってよコレ新譜なのにファーストアルバムなのに、もうシーンとして終わってるの?という微妙な理不尽を感じながらも、その世間の空気に飲まれてボクは沈黙してました。
●ピッチフォークといったネットメディア経由で発生拡散したこのチルウェーヴというコトバは2009年〜2010年頃にはもう完全に盛り上がり切ってしまい、そのネット拡散や小さなアナログ&カセットテープ流通でしか音源に到達できない段階を経てCD化が始まる頃には、もう時代遅れなコトバになってしまってたのです。速いよ!時代の流れが速過ぎるよ!

●でも敢えて今日は、この、チルウェーヴ(CHILLWAVE)ってコトバに挑んでみようと思います。もう2012年ともなれば、チルウェーヴも歴史用語として振返る気分ならよいのかなと。

●ウィキによると…。

「チルウェーヴ、またはグローファイとは、シンセサイザー/ループ/サンプリングによる強いエフェクト処理と、深く加工されたボーカルによるシンプルなメロディラインを特徴とする音楽のジャンルです。
 このジャンルは、80年代回帰志向という大きな2000年代の潮流と、エレクトロ/ポストパンクリバイバル/サイケフォーク/ニューゲイザー/ウィッチハウスといったインディ音楽で使用されるアンビエント音響が組合わさったものです。」

「彼らの多くは、ラップトップミュージックを核としたソロアクトまたは最小限人数のバンドで、ダンスミュージックのフックと貧弱なボーカルを用いて1980年代のエレクトロポップの記憶を取り扱っています。低予算とダンス志向、まさに不況時代の音楽。その音楽的な祖先は多様で、80年代のシンセポップだけでなく、シューゲイザー、アンビエント、ミュージックコンクレートや、様々な種類の非西洋音楽を含んでいます。」

●翻訳がヘタクソですみません…。

●とにかく、80年代エレポップのドコかスクエアな打ち込み感覚と、アンビエントな奥行きが淡く滲むシンセのエコー感覚から、サイケデリックな陶酔感に到達できることが大事なのかな?と察する。つまりは、チルアウトなニューウェーヴ。チルウェーヴ。

●そんな前提を踏まえて、WASHED OUT の音楽に向き合ってみると。
深く淡いエコーの中で、奥ゆかしいグルーヴと輪郭のぼやけたボーカルがドリーミーに響く。 エレクトログルーヴは決して扇情的にはならず、澄み切った朝の日差しみたいな温もりがあって、透明感あるシンセフレーズをフワリと優しく乗せて高く高く吸い上げていく感じ。シューゲイザーという音楽が持つ強力なギター圧力は皆無だけど、シューゲイザーが狙った陶酔感は確実にこの優しいシンセが代替してる。幸せなジャケットのイメージと同じ、この陶酔感と多幸感をサイケデリックと呼ぶなら、確かにこれはサイケデリックミュージック。そして、後半に登場してくるマイナーコードの楽曲が、シリアスな孤独感を秋風と共にユックリ連れてくる。繊細な音楽だなあ。


MEMORY TAPES「SEEK MAGIC」

MEMORY TAPES「SEEK MAGIC」2009年
●さて、こちらもチルウェーヴの代表格とされてるアーティスト。ニュージャージーに住んでる一人の男 DAYVE HAWK による打ち込み系ソロユニットです。そもそもは HAIL SOCIAL というロックバンドをやってたんだけど、そのバンドが解散してからは、WIRED TAPES とか MEMORY CASSETTE という変名でダンスミュージックをショボショボと作ってはネットに公開してた人らしい。あとヨソさまのリミックス仕事。YEAH YEAH YEAHS とか PETER, BJORN & JOHN とか BRITNEY SPEARS とか。つか一貫性ナイね。
●前歴バンドがポストパンク系だったようで、80年代風ペナペナ打ち込み駆動がベースになってて宅録由来の粗末さ加減までも演出として組み込んでる。ビートの雰囲気やギターのフレーズがビックリするほど NEW ORDER っぽかったりもして。ソコに強烈なダンス熱狂はなくて、ちょっと涼しい朝を一人テクテク歩く程度の内省的なグルーヴ推進力。シンプルで薄ぺらいシンセフレーズが正しくエレポップの佇まい、淡いエコーがフワフワした白昼夢気分を周囲に噴霧してて、極めて虚弱なボーカルがココにあったりなかったり。時々登場するオリエンタルなシンセフレーズが、ほんのちょっぴりだけ日本のテクノポップっぽい。確かに、チルウェーヴの定義にカッポリハマる案件となってますね。
●ちなみに、ディスクユニオン下北沢店のラベル別割引で500円にて採取。イイ買い物であった。


FOSTER THE PEOPLE「TORCHES」

FOSTER THE PEOPLE「TORCHES」2011年
●ロサンゼルスの三人組バンド。打ち込みソロユニットだった前述2アーティストと違って、完全にバンドサウンドなのでグルーヴのデカさは圧倒的。四ツ打ち感覚を際立たせた太いキックが強い推進力になって、億劫な出勤の朝でもボクに気合いとエネルギーを注入してくれます。そもそもは、来日公演を観てた友達がツイッターでコメントしてた内容で、勝手に扇情的なダンスパンクをイメージしてたんだけど、買ってビックリ!このグルーヴはそんな乱暴なモノとは違うスマートさがあるのよね。
●でも、この四ツ打ちグルーヴに、甘い声とメロディ、時々の口笛リフレインが絡まると、まさしくキラーコンテンツ!実にポップでピースフル。ユルいハンドクラッピングやキャッチーなコーラスの色添えが絶妙に人懐こい。結果として、淡いダンス感覚と人力ビートの滲み具合が、なぜか前述2アーティストの雰囲気にスゴく近いモノを感じさせる。チルウェーヴの感覚をマチガイなく身にまとってる。
●ただし、チルウェーヴには収まらない可能性が広く開いていて、さらにその先にあるナニかに到達していく躍動感に心と腰が自然に震える。打ち込みベースの密室感がないので、野外キャンプとかで気持ちよく聴きたい音楽。


●そんな3枚のチルウェーヴな音源から、連想された音楽たちを参照していく。




80年代からのエレポップが00年代エレクトロに遺伝していくのを眺める。

NEW ORDER「BROTHERHOOD」

NEW ORDER「BROTHERHOOD」1986年
チルウェーヴの、気だるい脱力ボーカルとスクエア気味な打込み駆動グルーヴ、それでいて一定のポップネスが同居する感覚が、一体過去のドコに由来してるのかと言えば、スグに連想してしまうのがこの80年代を代表するバンド NEW ORDER。これしかないでしょ!ほどよいポップさも、蒼白いメランコリーもココにみんな詰まってる。「WEIRDO」のメロディが描く青春のキラメキとか。「BIZARRE LOVE TRIANGLE」の弾むキックと輝くシンセとか。
●この後のアルバム「TECHNIQUE」アシッドハウス勃興期のイビザ島で制作されるもメンバーがクラブ遊びにハマりきってどーしょーもなくなったという。リアルに「24アワーパーティピープル」。これもサイケデリックってことか?

VAN SHE「V」
VAN SHE「V」2008年
●そんな NEW ORDER の遺伝子は、現在活躍するアーティストに大きな影響を与えております。そんな中でも、ボクはコレをホントによく聴きました。この00年代後半に登場したエレポップとしてマチガイなく傑作とオススメできる一枚です。
アゲアゲにしてれば成立するダンスアンセムの段階が終わり、ダンスチューンで編み出されたテクニックをどのように高機能ポップスとして定着させるか、という問題に見事な正解を投げかけた一枚です。基本的に80年代リバイバルなエレポップ。でもその打ち込みグルーヴとシンセ音響でどこかシューゲイザーと同じ陶酔感を醸し出してて、それがチャーミングでどこか青春クサいメロディとシリアスなボーカルが相まって実にキャッチーな音楽へと結実してる。チルウェーヴという言葉を知らない段階から、この陶酔感とチルアウトな雰囲気にベタボレしてました。実はオーストラリアのバンド。ジャケもセンスいいな。


CUT COPY「BRIGHT LIKE NEON LOVE」
CUT COPY「IN GHOST COLOURS」
CUT COPY「BRIGHT LIKE NEON LOVE」2004年
CUT COPY「IN GHOST COLOURS」2008年
●前述の VAN SHE と同じオーストラリアのバンドで、レーベルも同じ MODULAR RECORDS。そんで彼らも完全に NEW ORDER の申し子。VAN SHE の先輩格にあたるんでしょうけど、こちらの方がより直球でシンセポップ。シンプルで貧弱なボーカルをツヤツヤしたビートの上に滑らせていく感じ。ネオンのように、幽霊のように、淡い色彩を振りまいていく。破綻のない光沢が少し冷た過ぎるかもしれないけど。


CUT COPY「FABRICLIVE. 29」

CUT COPY「FABRICLIVE. 29」2006年
CUT COPY のエレポップがどんな音楽に共鳴しているのか明らかにするDJミックス。バンドの中心人物 DAN WHITFORD の選曲…そもそもこのバンドは彼のソロユニットから出発したという…つまりチルウェーヴ/グローファイ的。ライナーノーツを読むと彼が音楽にハマったキッカケは80年代末〜90年代頭のアシッドハウス。例えば KLF とか…あれ?名譜「CHILL OUT」が絡んでくる?そしてヒップホップに遭遇する事で自分でも音楽が作れるんじゃないのかと思い至ったという。アシッドハウスがティーンの頃、といったらボクと同い年くらいだね。日本でもオーストラリアでも同じテクノハウスを聴いてたんだな…。
●時代が2006年だからフレンチエレクトロ系がイイ感じ。DAFT PUNK から JUSTICE、RIOT IN BELGIUM…。地元オーストラリアのアクトもいっぱい。そこんところに SONIC YOUTH の80年代変名ユニット CICCONE YOUTH の珍曲「INTO THE GROOVEY」MADONNA カバーなんかもシレッと混じってたり。そんで後半に ROXY MUSIC でキメル。


HOT CHIP「THE WARNING」
HOT CHIP「MADE IN THE DARK」

HOT CHIP「THE WARNING」2006年
HOT CHIP「MADE IN THE DARK」2008年
●この二枚は、かなり愛聴してるんです。スッゲー好きなんです…つかどんどん好きになる。でもこのブログに紹介できなかった…この魅力を説明できない。エレポップとして、他のアーティストにはない強烈な個性があるんだけど、言葉として説明できない…多分今日も失敗する。流して聴くと、ただの地味なエレポップに聴こえちゃうけど、そうじゃない魅力を伝えられない。難しいんだよなあ。
●ロンドンで結成された5人組のバンド。独特なビート感覚…まるでシナヤカな産業ゴムのボールがボンボンと弾むようなグルーヴ。バンドとしての圧力で音を塗り固めるコトなく、スキマを生かして、繊細な音響を意識されない場所に配置してる。そしてその絶妙なウタモノとしての水準の高さ。淡く細いボーカルとコーラスなんだけど、結果として雄弁に彼らのポップを描く重要なファクターになってる。「AND I WAS A BOY FROM SCHOOL」「COLOURS」「OVER & OVER」「OUT AT THE PICTURES」「READY FOR THE FLOOR」「MADE IN THE DARK」、そんな曲が気持ちイイ。
●うわー全然伝わらない。でも、こういう音楽が好きな人と友達になりたいものです。




そして90年代シューゲイザーの陶酔感が立ちくらみのように風景をクニャリと歪ませる。

CHAPTERHOUSE「BLOOD MUSIC」

CHAPTERHOUSE「BLOOD MUSIC」1993年
ギターの爆音フィードバックノイズを強調するべく、終始足下のエフェクターやペダルを黙々と操作する様子「靴を見つめる= SHOE GAZE」と揶揄されたのがこのスタイルの名の由来。THE JESUS & MARY CHAIN、RIDE、SWERVE DRIVER、SLOWDIVE などなど、80年代末から90年代前半のイギリスにはこの手のアプローチをとったバンドが一杯おりました。ギターノイズをサイケ解釈して独特の陶酔感を狙った音楽は、様式として廃れてしまった現在でも後継の音楽には今だ根強く影響を残してます。過度に偏った強いギター圧力の結果メインボーカルが全く聴こえなくなるという音響デザインが、メロディはポップなのにメッセージは全然伝わらないという、ポップ解体/メタポップ批評に到達してしまったコトでも重要だったと、90年代育ちのボクは思うのです。シューゲイザーはイギリスのムーブメントでしたが、同時代のアメリカ・オルタナティブロック/グランジ革命、つまりSONIC YOUTH などのギター実験、とも呼応振幅して90年代を華やかにしたのでありました。
●さて、この CHAPTERHOUSE のセカンドアルバムは、90年代シューゲイザーの中でもチルウェーヴの質感に一番近いと思えた一枚。シーンの中ではやや後発気味の存在で、結果リズムが打ち込み化してるのです。これがチルウェーヴの打ち込みグルーヴと印象が繋がる。ギターの一方的な攻撃だけでなく、シンセのキラキラ色添えアレンジも追加されてる。シューゲイザーの陶酔感を演出するギターの役割がシンセに代替されてる00年代以降の後継シーン、ニューゲイザー、そしてチルウェーヴの手法は、既にこのアタリでヒントが提示されてたんだ…。
●そしてゴス。彼らの音楽には、ゴス/耽美派の気分が入っています。エコーの深さやサイケのドリーミー感覚は、どこかゴス美学と相性がよいらしい…。ゴスって日本人にはうまく馴染めない美学だけどね…。
●当時はインディダンスマッドチェスター、そしてレイヴの時代。ダンスとロックの距離が近かった。結果CURVE というバンドが「ノイズ・EURYTHMICS」という触れ込みで活躍したりするのです。シューゲイザーシーンの先駆者 THE JESUS & MARY CHAIN も3枚目4枚目のアルバムで打ち込み化してる。そもそも彼らはリズムにあまり関心がないのか完全ヤル気レスなローディー青年 BOBBY GILLESPIE をドラマーに雇ってた時期もある…その後 BOBBY PRIMAL SCREAM を結成するんだけど…。


MY BLOODY VALENTINE「EPS 1988-1991」

MY BLOODY VALENTINE「EP'S 1988-1991」1988〜1991年
チルウェーヴと関係があるかどうか微妙だけど、シューゲイザーと言われればハズせないのが MY BLOODY VALENTINE。バンドの中心人物である天才 KEVIN SHIELDS が紡ぎ出した奇跡のサウンドデザインは、音楽シーン全体に巨大な影響をもたらしました。そんな彼らの初期シングルをまとめたコンピを KEVIN 本人がリマスター。
●溶け落ちるようなギターのジャケットが象徴するように、視界を目眩で歪ませるほどのサイケ音像をギターで放射。そして控えめなウィスパーボーカル。リズムは80年代感覚を引きずって大幅に簡素。煌めくポップ感覚とアヴァンギャルドなまでのサウンドデザインが生み出した傑作群。チルウェーヴのサイケ感覚のそのまた向こう側、かな?
アルバム「LOVELESS」が歴史的傑作と言われてますが、ココに初めてまとめられた4枚の激レアEPと未発表音源に必要以上に感動してしまうのは、リーダー KEVIN SHIELDS の有名な超寡作ぶり(というより天才過ぎて全く仕事しないクセ)にコチラが乾き切ってるからかも。彼が参加してる曲が数曲あるってダケでサントラを買ったりもしたもんね。00年代はチラリ前述した PRIMAL SCREAM のサポートギタリストのような活動をしてましたね。


SPIRITUALIZED「LADIES AND GENTLEMEN WA ARE FLOATING IN SPACE」

SPIRITUALIZED「LADIES AND GENTLEMEN WA ARE FLOATING IN SPACE」1997年
●なんかチルウェーヴとは全然関係ないトコロにやってきたぞ…。でも90年代サイケとしてはこのユニットがある意味の極限に到達してると思えるので。CHAPTERHOUSE も前座を務めていたサイケデリックバンド SPACEMEN 3 のメンバー JASON PIERCE がその解散分裂後に作ったオレ様ユニット。シューゲイザーとは違うアプローチ、重厚で要素過多なアレンジと組曲めいた構成、次々と展開する曲調がもはやプログレ一歩手前の壮大なスケール感、宇宙時代と合成麻薬MDMAのサイケデリックを描きます。
●このユニットの女性キーボーディストとオレ様 JASON PIERCE の恋人関係が当時に破局し、彼は結局次回作で八つ当たりなのかメンバー全員を解雇したとか。そんでその娘さんはそのまま THE VERVE のワイルドなフロントマン RICHARD ASHCROFT と結婚しました。THE VERVE もファーストアルバムは完全にシューゲイザーサイケの超傑作で、加えてホントのジャンキーでもあって、結果独自のサイケ表現に到達しました。


YO LA TENGO「AND THEN NOTHING TURNED ITSELF INSIDE-OUT」

YO LA TENGO「AND THEN NOTHING TURNED ITSELF INSIDE-OUT」2000年
●彼らはアメリカのバンドだし厳密にシューゲイザーだとも言えないバンドなんだけど、繊細なギター演出で陶酔感溢れる澄み切った世界観を作ってきている。その練り込まれた奥ゆかしいサウンドデザインは SONIC YOUTH と同質の実験精神、または GALAXIE 500 と同質の浮遊感につながっています。佇まいは地味だけど、本質的にはチャーミングでキャッチー。真夜中に一人で聴いて、静かにチルする音楽。最後の曲なんて17分もあるもんね、たっぷりチルできる。




00年代のサイケ実験精神。ニューフォーク、ニューエキセントリック。

ANIMAL COLLECTIVE「STRAWBELLY JAM」
ANIMAL COLLECTIVE「MERRIWEATHER POST PAVILLION」

ANIMAL COLLECTIVE「STRAWBELLY JAM」2007年
ANIMAL COLLECTIVE「MERRIWEATHER POST PAVILLION」2009年
●タワーレコード系のフリーペーパー「BOUNCE」の過去記事を検索すると、チルウェーヴは、アメリカ・ボルチモア出身のバンド ANIMAL COLLECTIVE からも大きな影響を受けているらしい。ウィキ英語版にも、ANIMAL COLLECTIVE のメンバー PANDA BEAR のソロをチルウェーヴの先鞭とする記載がある。残念ながら PANDA BEAR のソロは持ってない。まずは ANIMAL COLLECTIVE を聴こう。
●ボクが彼らの存在を察知したのは2005年のアルバム「FEELS」の時で、ニューフォーク/フリークフォークなんてククリで紹介されてた。DEVENDRA BANHEART のようなアーティストが登場してきてた時期。ただし彼らの音楽は伝統的なフォークソングから当然のように大きく逸脱してまして、先行シーンとしての90年代シカゴ音響派/ポストロックの技術、00年代初頭にチラリ注目されてたジョージア州アセンズのアーティスト集団 ELEPANT 6 のサイケ表現の収穫を大きく吸い込みつつも更に更に先へ突き進むモノでありました。
●そこに続くアルバム「STRAWBELLY JAM」においては、ぶっちゃけフォークというフォーマットは溶けてなくなって、最新の機材を投入して描かれる奇妙キテレツなアレンジデザインにひたすら圧倒されるだけなのであります。THE BEACH BOYS「PET SOUNDS」のように煌びやかでゴージャスなアレンジを組み上げようとしたのに、原料素材が毒毒したネオンカラーの科学物質ばっかりで、そこから滲み出た環境ホルモンのオカゲでスッカリ頭が狂ってしまいました、みたいな感じ。ボーカルもなんだか素っ頓狂だし。ダンスミュージックではないのでグルーヴ感は希薄だが、細分化されてるポリリズミックなビート感覚はこれまた実に耳障りで刺激的。
「MERRIWEATHER POST PAVILLION」は、よりエレクトロニカに接近して新しい音像を描いている。ウタモノである原則にキチンと寄添い、長所としてのコーラスの美しさを更に伸ばしているけど、身体感覚としては完全にモビルアーマー、特殊音響表現への最適化のために躊躇なく人間の造形を放棄してサイボーグになり切ってしまってる感じ。その分アレンジはより圧倒的で、幻惑的。確実にサイケデリック。


MGMT「ORACULAR SPECTACULAR」

MGMT「ORACULAR SPECTACULAR」2007年
チルウェーヴにはもはや全然関係ないけど、確実にサイケデリック。ANIMAL COLLECTIVE の収穫をキャッチーに咀嚼して、グラマラスでポップな音楽を描いてる、00年代のニューヨーク・ブルックリンに花開いた新しいシーンの中心ユニット。彼らのような音楽を指してニューエキセントリックなんて言葉まで出たもんね。少なくともジャケ写の衣装はエキセントリックだと思う。この瞬間にエキセントリックな人たちはイッパイ登場したけど、サイケデリック方面に特化して突っ走ってたのはズバリこの二人だと思うのです。化学着色料のようなカラフル感覚で、シンセフレーズや土着系リズムが組み上げられてて、そこに甘いボーカルがクッキリとしたメロディを描く。実は本当にポップ。「KIDS」シンセリフが実に甘くてグルーヴィー。
●ただ、彼らの音楽も決してダンスミュージックにはなっていない…実はアコギを抱えて歌っても成立するような、ウタとメロディにフォーカスした音楽。フォークの構造を残してる。最先端のモードとポーズを構えているようでいて、ボクが何回か聴いて連想してしまったのは、初期の DAVID BOWIE なのでした。ルックスがグラムロックって意味?いやいや、そういうことじゃなくて。「SPACE ODDITY」1969年の頃の BOWIE って、ルックスはもう過激になり始めてたけど、音楽の構造が完全にフォークソングだったでしょ。リフロックでもなかった。そんで彼ら MGMT の音楽も、いかにギミックを備えようと本質的にフォークソングで、リフで突っ走るロックになってません。「WEEKEND WARS」「THE YOUTH」「PIECE OF WHAT」「THE HANDSHAKES」はとっても DAVID BOWIE 型の楽曲。
●このアルバムのプロデューサーを務めてるのが DAVE FRIDMANN という男。THE FLAMING LIPS MERCURY REV という90年代〜00年代のアメリカで活躍した2大サイケデリックロックバンドの代表作を全て手掛けている。グラスゴーのポストロック〜スロウコアバンド MOGWAI や、ELEPHANT 6 の中核バンド ELF POWERチルウェーヴの代表選手 NEON INDIAN のアルバムも担当。現代のサイケデリック音楽を支える裏方。ここで全部繋がってるのね。実は日本のロックバンド NUMBER GIRL / ZAZEN BOYZ にも関わってる。

MGMT「TIME TO PRETEND」

MGMT「TIME TO PRETEND」2005年
●アルバム「ORACULAR SPECTACULAR」よりも2年も早くリリースされてたミニアルバム。「TIME TO PRETEND」「KIDS」が曲としてダブってる…けど、「ORACULAR SPECTACULAR」収録曲は再録音されたバージョンなので微妙に違う。ココだけの曲でみると、ワリとフツウなインディーロックに聴こえる。「INDIE ROKKERS」って曲まであるし。




●なんだか、最終的には、全然関係ないトコロまで来てしまった。
●ボクの文章は、相変わらず混乱ギミだね。ダメダコりゃ。





●せっかくだから、関連動画をはってみる。



●WASHED OUT「EYES BE CLOSED」
●ライブだとタブレット端末で演奏するのね。




●MEMORY TAPES「BICYCLE」
●素人さんによる、ナイスな編集。
●こちらのリミックスも実は素晴らしいです。「GREEN KNIGHT (CREEP REMIX)」。
http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=wnkxgmjUuoA&NR=1




●FOSTER THE PEOPLE「HELENA BEAT」
●CDで聴くよりギターが効いてて、より NEW ORDER っぽい。




●VAN SHE「KELLY」
●ホントは「THE SEA」という曲が好きなんだけど、動画が見当たらない…。




●HOT CHIP「READY FOR THE FLOOR」
●真性文系なキャラ立ちがより一層親近感を感じさせる。今どきあのメガネはスゴい。




●MY BLOODY VALENTINE「TO HERE KNOWS WHEN」
●2008年 FUJI ROCK でのパフォーマンス。長い休眠からまさかの復活を遂げた時期。




●ANIMAL COLLECTIVE「MY GIRLS」
●キラキラすぎるよ…。




●MGMT「KIDS」
●これオフィシャルビデオじゃなくて素人さんの自作らしい。KIDS ならぬ KISS なメイクの二人はバンドと関係ないみたい。でもイイ感じだよね。




●MGMT「WEEKEND WARS」
●このヘンの曲が、ボクに DAVID BOWIE を連想させる。

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