すっかり秋…。出勤時に見上げる青空も青すぎて。カオに当たる風も涼しすぎて。
●カイシャの女性陣もみんなシックな秋ファッションにシフト。エンジ色や深いグリーンを着こなしてます。しかし、ちょっと変わり者のトナリ女子は、紅白ストライプのタイトなワンピースとエメラルドグリーンのタイツ、そして寝坊理由のスッピンを隠すアラレちゃん風セルフレームデカメガネレンズなしをビシッと決めてて、いつも通りで頼もしかったけど。



そんな時には、秋にピッタリなブリットポップ。

TRAVIS「THE MAN WHO」

TRAVIS「THE MAN WHO」1999年
●センチメンタルになる秋の夜に、ユックリ聴いてるのは90年代ブリットポップバンド TRAVIS。メランコリックなメロディと繊細なギターサウンド、細く響くボーカル。地味でこじんまりした感じもあるけど、ひたむきに音と声に向き合うストイックな姿勢が潔い。アコギをストロークする音にきめ細やかなコダワリ。この芸風はネオアコ~ギターポップの伝統が根付くスコットランド・グラスゴー出身ってのも関係あるのかな?そんな感傷的なサウンドをボクは勝手にメソメソロックと読んでます。ちなみにメソメソロックの大家はあの COLDPLAYTRAVIS は彼らの先輩といってよいと勝手に思ってます。
●今作のプロデューサーは NIGEL GODRICH。あの RADIOHEAD の音楽を長く手掛けてきた名参謀。デビュー当初は元 OASIS NOEL GALLAGHER に気に入られるようなドカドカしたロックを鳴らしていたのに、セカンドアルバムである本作で芸風を一気に裏返すようにメソメソ化したのでした。

THE TROUBADOURS「THE TROUBADOURS」

THE TROUBADOURS「THE TROUBADOURS」2008年
●コチラのバンドも絶妙なコーラスワークと、ギターの甘美な響き、繊細なバンドアンサンブルで実にシックな印象を放っている。90年代育ちのボクの耳には、コレが THE STONE ROSESTHE LA'S のような60年代を経由した音楽を鳴らしたマッドチェスターのバンドを連想させてタマラナイ気持ちになる。メソメソという表現に留まらない瑞々しさが耳にキラキラと甘い。プロデューサーを見るとその THE STONE ROSES を手掛けた JOHN LECKIE。敏腕プロデューサーである彼がこのバンドのソングライティングに惚れ込んだという。これはマチガイナイ。
しかし、バンドの境遇がメソメソだった。実はこのアルバム、日本でしか発売されなかったという。日本のレーベル BMG JAPAN(現 ARIORA JAPAN)は直接契約でリリースを敢行したが、本国イギリスでは「今どきの時流に合ってないね」という判断でせっかくの本作は発売をダラダラ延期してそのままお蔵入り。そんな中バンドメンバーが途中脱退するなどのスッタモンダで2009年には解散に追い込まれてしまう…。確かに2008年段階といえばダンスロックニューレイヴの時代。60年代直結のハーモニーは確かにズレてたかも知れないけど、ちょっと残念だなあ。聴けば聴くほど味が出るのに。
●ちなみに「THE TROUBADOURS」とは日本語に訳すと「吟遊詩人」の意。ボクにとっては、今でも存在するロサンゼルスのライブハウス「THE TROUBADOUR」を連想させる。1960〜70年代にウエストコーストサウンドを形作った数々のミュージシャンがプレイした場所。EAGLES、JAMES TAYLOR、CAROLE KING…。ま、この不幸なバンドとは関係ないけどね。

CAJUN DANCE PARTY「THE COLOURFUL LIFE」

CAJUN DANCE PARTY「THE COLOURFUL LIFE」2008年
ダンスロック、ガレージリバイバルポストパンクと、勢い任せの音楽が流行ったこの2008年の時期において、ギミックなしの正統派ギターポップを奏でながらも THE TROUBADOURS とはウラハラに、イイ感じのポジションをキチンと構えて世間の注目をうまく集めたバンド。当時まだ16〜17歳だったメンバーが放射する音楽は、ハツラツとしたギターサウンドと、キラキラアレンジがもうはち切れそうな若さピンピンでマブしい。プロデューサーは元 SUEDE のギタリスト BERNARD BUTLER …つまりは超正統派のブリットポップ。でも!10代でイキナリ世間に揉まれ過ぎるのもヨクないね、翌年にはバンドが分裂してしまいました。残念。

BOMBAY BICYCLE CLUB「A DIFFERENT KIND OF FIX」

BOMBAY BICYCLE CLUB「A DIFFERENT KIND OF FIX」2011年
●前述の THE TROUBADOURS CAJUN DANCE PARTY (←実は同じ学校の友達らしい)が解散してしまった2009年にアルバムデビューした四人組、その三枚目のアルバムであります。ポストロックの質感で作られたファースト、打って変わってアコースティックな触感で作られたセカンドを経て、優しさ柔らかさを前提にしたハーモニーと繊細なバンドサウンド、そしてループの快楽をハイブリットさせた芸風を確立させてる。
●ボーカルとそれぞれの楽器が輪郭が淡くボヤケているデザインがドコかチルウェーヴ風味で、結果同時に甘くサイケデリックでもある。美しいメロディとダンスミュージック由来の構造を見事に共存させてる。今日紹介したオーセンティックなバンドと同じ美学を共有し、落ち着いたキャッチーさもしっかり持っているのに、実はアバンギャルドな挑戦がいっぱい仕込まれてる。何回も聴きたいアルバムだし、これから彼らが生み出す音楽をもっと聴きたいと思わせる。
●あ…プロデューサーは BEN H. ALLEN という人物で、WASHED OUT ANIMAL COLLECTIVE、DEERHUNTER を仕掛けてる。もう1人のプロデューサーは JIM ABBISS という人で DJ SHADOW から KASABIAN まで関わってるとな。なるほどーそれでこんな仕上がりか。日本版ボーナストラックに完全なニューウェーブレゲエが収録されてるトコロも好き。

●秋は、いいねえ。音楽の聴こえ方が変わっていく…。


スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://unimogroove.blog4.fc2.com/tb.php/1426-3ab66f37