週刊朝日2012年10月26日号

話題になってる、橋下徹大阪市長に関する記事。
●立ち読みしようと思ったら売り切れてるのね。わざわざマンガ喫茶まで行って読んでみたけど…実に下品な記事だと思った。



今週も学校見学に行った。
●当事者であるはずの息子ノマドは家でドラクエ。ボクとワイフと娘ヒヨコの三人で行った。今まで男子校ばっかだったけど、今日は男女共学。女の子がいる方がやっぱ自然なコトだと思う。でもねー。名門有名校と聞いてたけど、ボクの目からは完全にフツウの中学校にしか見えなかった…。
「中学受験」ってなんなんだ?ボクなりに納得するために、当事者放っといてまでして学校見学してるのに、見れば見るほど意味がワカンナクなってきた。

カイシャの同僚にも、それとなく聞いてみた。学歴と人生ってナンダロね?
●ちょっぴり変わり者のトナリ女子は「ワタシは中学高校共に私立の女子校でした。よかったですよ、女の子だけで、ノンビリしてて。平和でよかったです」…そうだよねー。平和ってダイジだよねー。キミの不思議な個性はそんな平和で培われたのね。5カ国語を駆使し、結果どこか日本人とは思えない発想で周囲をハッとさせるセンスは、中高一貫女子校で育成されてました。そーだよねームダにワイルドな環境に子供を放り込むのって意味ないよね。
●転職を繰り返しヘッドハンティングでウチのカイシャにやってきた先輩は「オレは群馬の県立高校中退だから。大検受けて上京して大学になんとか入ったクチ。まーひどかったねー。イジメもケンカも毎日のコトだったから」でもでも、この先輩がベンチャービジネスをいくつも手掛けて成功させてきた超アグレッシブなビジネスマンになったのは、あの思春期のワイルドな経験と、そこで育てられたタフさが土台になってるのはマチガイナイ。
●というコトで、ナニがなんだか全然わからん。

ボクは千葉の公立中学だったけど、冷静に考えると全然平和じゃなかった。ヤンキーもイジメも器物損壊も万引きも体罰も偏差値競争も全部フルセットでそろってたなあ。それでも自分が育った環境を基準で考えちゃうから、その程度はフツウだって思っちゃう。この程度のワイルドさ加減は世間を生き抜くために一度経験しといた方がイイと、実はアタマのスミッコで感じてる。
●一方で、進学してみた東京の都立高校は死ぬほどリベラルだった。校則どころか制服もなかったし、原付バイクで通学してもことさら問題になりもしなかった。友人はみな素直で純朴。中学の頃にはゴロゴロいた、他人をいじめたり陥れたりして自分の立場を守ろうとするようなヤツはいなかった。この世界で味わったリベラリズムはナニゲにボクの世界観人生観に大きく影響している。
●ボクの中学/高校、2カ所の地理関係は都心から東西真逆でありながらほぼ同じ距離感。なぜ都心を挟んで東西でこんなに文化が違うのか?二つの世界観のギャップに戸惑ったほど。中学時代では当たり前だった意地悪い感情とヒリヒリした緊張を孕む人間関係は、決して人間社会全部に適応されるモノではないと知ったのは、のどかな都立高校ののほほんとした級友に会ってからだった。一方でなんだか生温いなーぬるま湯だよなーと感じてたのも事実。授業中に居眠りしてても、サボって屋上で昼寝してても、誰もナニも咎めたりしないし。

●むむむ。難しい。中高6年間の多感な時期、コドモたちの大切な思春期をデザインする。これが学校選びってことなんだな。



●さて、極端な学校で起きた極端な事件。
●1999年4月20日。アメリカ・コロラド州ジェファーソン郡。
コロンバイン高校銃乱射事件。
こんな本を読んだから、なんだかアレコレ心配になっちゃうのだ。

ブルックス・ブラウン/ロブ・メリット著「コロンバイン・ハイスクール・ダイアリー」

ブルックス・ブラウン/ロブ・メリット著「コロンバイン・ハイスクール・ダイアリー」
●下北沢の古本屋さんにて840円で採取。著者の青年ブルックスは、事件当時コロンバイン高校の生徒であり、乱射犯であるエリック・ハリスとディラン・クレボルドの友人であった。彼は事件当日、乱射を始める直前のエリックにバッタリ出会い「お前のコトは嫌いじゃない、ここから離れろ、家に帰れ」と言われた人物だ。当然彼は、自分の友人が大殺戮を始めるだなんて知らなかった。むしろエリックとは一年前にトラブルを起こしてたくらいの関係だった。なのに、事件後に警察から共謀者呼ばわりされる目にあう。ディベートに長けた生徒だった彼は、実直な筆致で、あの事件の前後、まだ普通の少年でしかなかったディランと過ごした小学生時代から、エリックが仄めかしていた犯行へのシグナル、そして事件後の混乱や、いわれなき疑い、両親や被害者遺族との関わりなどを記している。彼は特にコロンバイン高校の中での階級差別の様子を説明して、その歪みが乱射犯二人を生み出したと考えている。
アメリカの高校生活は厳しい…。スポーツ選手ばかりが優遇されて先生にかわいがられる、そしてその立場を存分に誇示して、そうでないモノを虐げる、いじめる、露骨にバカにする、という気風が厳然と支配しているという。そんな下品なスポーツバカをジョックス(JOCKS)と呼ぶらしい。殺戮を仕出かしたエリックとディラン、そして彼らの友人だったブルックスは、日本でいうトコロのオタク、ナード(NERD)でありギーク(GEAK)だった。パソコンオタクで、陰気なロックが好きで、内気なタイプだった。つまりは高校社会の中での最下層カーストで、露骨ないじめの対象となってた。課外活動で演劇に関わればホモ呼ばわりされるし、女子と会話するとその女子がスポーツ選手たちに絡まれて突き飛ばされたりする。ランチタイムになればトレーを叩き落とされ食べ物を投げつけられる。特にコロンバイン高校はキツい学校だった。事件後にブルックスは「人殺し」「地獄の火に焼かれろ」と罵られるようになる。犯人の友人だった者は学校から「単位をやるから、卒業までクラスには戻るな」と通達を受ける。十把一絡げでオタクたちは追放されてしまったのだ。一定の価値観にそぐわない者を徹底的に排除する雰囲気。これが学校を支配していた。
●そんな環境にいたからこそ、二人の少年は自分たち以外の全世界を憎むに至ってしまった。彼ら2人が13人を殺したが、彼らを虐げたスポーツバカを狙って殺したワケじゃない。むしろ自分と近い立場の弱き者を殺してしまったのではないか?無差別で無分別だ。どんなコトがあっても許されない。友人であったブルックスも何度もソレを繰り返す。しかし、彼らを生んだのは彼らを囲んでいた環境だった事は忘れてはならない。子供にとって学校は全世界だ。ソレ以外の世界がその外に広がっている事は、オトナになってみないとなかなか理解できない。

columbine-katliami_22847.jpeg

犯行後、自殺したエリック・ハリスとディラン・クレボルドの写真。ネットを検索していると、彼らを英雄視したりアイドル視したりしている人々がいるのがわかる。一元的な価値観から弾き出された者が、こんな殺人者に近づいてしまうのはよい事ではない。多様性を許す寛容な社会。全ての子供たちに可能性と希望を持たせる社会。そんな世界をボクは望む。



で、ボクが毎週見ているアメリカの学園ドラマ「GLEE」。

「GLEE」

「GLEE シーズン2」ETV 土曜日22:55〜
●このドラマの世界でも、スポーツ選手、特にアメフト選手が幅を利かせている。そしてチアリーダー。これが学生カーストの頂点。一方我らがグリークラブは、やっぱりいじめられッコグループになってる。廊下ですれ違いさまにジュースを顔に浴びせられる。大きなゴミ収集ボックスにカラダごと持ち上げられて放り込まれてる。スポーツバカ・ジョックスと、ナード&ギークの階級差別がココにもある。
●ぶっちゃけ「GLEE」は、こんなイジメ表現やドキツいセクシャルな話題がガンガン出てきて、小学生の我がコドモたちには見せづらい。この毒の部分を敢えてアケスケに描くのが「GLEE」のオモシロさの1つなのだけど、これをただ軽く笑い飛ばすのはボクにとっては少々シンドイ。このドラマの制作者たちは少々露悪的過ぎてる、悪フザケが過ぎるのでは?

でも、シーズン1を見終えて、シーズン2に入った今では、その意見は徐々に変わりつつある。
ザック・エフロンが主演を務めた学園ドラマ「ハイスクールミュージカル」は爽やかで楽しくて安心してコドモに見せられる作品だった。しかしそこにはメンドクサイものが描かれてなかった。一方「GLEE」は、学校の中にいるマイノリティをしっかりカッチリ描いていく。オシャレで華奢な美少年カートはゲイで、彼のセクシャリティにまつわる葛藤や苦しみはこの作品の中で大きなテーマになってる。事故で半身不随になった車椅子のアーティは見た目は完全なギークのメガネくんだが、実はダンサーになりたいと夢見ている。人種的マイノリティも登場する。東洋系の女子ティナは吃音気味でシャイだがホントはノビノビとゴスロリファッションを楽しみたいと思ってる。ティナのボーイフレンドになった中国系のマイク・チャウは一流のブレイクダンサーだが、グリーに入るまでは仲間がいなくてたった一人で踊っていた。ヒロイン役であるはずのレイチェルも、チビでチンクシャでファッションも野暮ったく、金髪慧眼の理想的アメリカ美女からは程遠いユダヤ系。おまけに自意識過剰で自己中心的で性格が悪いのが玉にキズ。しかし、そんなイビツさがいつしか愛おしさになってくる。イジメのキッカケになる弱点を、このドラマでは大切な個性として描いているからだ。
●学校内のカースト制度は依然健在で、相変わらずグリークラブのメンバーは差別や偏見に晒されてる。だが物語が進む中で、グリーにはチアリーダーやフットボール選手が加わった。結果として、この主流派/体制派とマイノリティは新しい友情を紡ぎ上げていくのだ。このドラマは、カーストの摩擦を悪趣味に描くのではなく、高校生のリアルな現実をキチンと描いた上で、階級価値観の相対化と融和を描いている。その意味でこのドラマには価値がある。

●ちなみに、このドラマを手掛けているプロデューサーの RYAN MURPHY という人物は、実際に高校時代にグリークラブの活動をしていた人らしい。そしてゲイである事をカミングアウトしてる。


●そもそもボクのワイフが学園ドラマ好きで、それで見始めた「GLEE」だったけど。
ボクはココで登場する音楽が楽しみ。数々のヒット曲をグリー風に料理する、そのやり方がタマラン。このシーンでこの曲が登場するのか!という楽しさ。今まで知らなかった歌詞の意味。今ではCDショップで原曲を探したりしちゃってる。サントラももちろん買ってるね。

Glee The Music, Volume 1

「GLEE: THE MUSIC, VOLUME 1」2009年
●正直なトコロ、モチロン最初はサントラ集めるつもりなんてなかったのですよ。でもね。新橋 TSUTAYA をフラフラしてたら、これがレンタル落ちで300円で売ってた。そんな値段なら買っちゃうじゃないですか。ソコからハマっちゃった。これは9話くらいまでのトコロで登場する曲が収録されてます。
●第一回で登場して以降、このグリークラブの大事なレパートリーになる JOURNEY「DON'T STOP BELIEVIN'」が実に印象深くて。これまた正直、いままで JOURNEY なんて聴いたことがなかったのですよボクは。むしろ軽蔑してた。いわゆる80年代「産業ロック」の代表格と思い、完全にスルーしてた。ただ、この曲が劇中においては特別な響き方をする。紋切り型のカースト社会に堅苦しい閉塞感を感じているのは、いじめられっ子のナード&ギークもスポーツバカのジョックスも実はみな同じ。主人公のフィンが言う。「この学校の連中は卒業しても7割がこの街から出られない。州をまたいで出てくヤツなんて一年に2〜3人だ」他愛もなく不毛なイジメに興じるのは卒業したらスグにドン詰まりに突き当たる自分の将来を知っているからだ。それでも、どこかでこの日常が変わる瞬間が来るのを信じていたい。これはそんなウタだった。歌詞を敢えてご紹介する。

「DON'T STOP BELIEVIN'」

JUST A SMALL TOWN GIRL, LIVIN' IN A LONELY WORLD
SHE TOOK THE MIDNIGHT TRAIN GOIN’ ANYWHERE
JUST A CITY BOY, BORN AND RAISED IN SOUTH DETROIT
HE TOOK THE MIDNIGHT TRAIN GOIN’ ANYWHERE

小さな町の女の子…孤独な世界に住んでいた。
彼女は夜行列車に乗ってどこかへ旅立った…。
ある都会の男の子…サウスデトロイトで生まれ育った。
彼は夜行列車に乗ってどこかへ旅立った…。

A SINGER IN A SMOKEY ROOM
A SMELL OF WINE AND CHEAP PERFUME
FOR A SMILE, THEY CAN SHARE THE NIGHT
IT GOES ON AND ON AND ON AND ON

STRANGERS WAITING, UP AND DOWN THE BOULEVARD
THEIR SHADOWS SEARCHING IN THE NIGHT
STREETLIGHT PEOPLE, LIVING JUST TO FIND EMOTION
HIDING, SOMEWHERE IN THE NIGHT

タバコが煙る部屋のシンガー…ワインの匂いと安い香水
笑顔1つで一夜を共にする…そんなコトを繰り返して
旅人は待っている…通りをうろつきながら 彼らの影が何かを探して夜をさまよう
街の灯の下…ただ情熱を求めて生きる人々 夜のどこかに隠れている

WORKING HARD TO GET MY FILL,
EVERYBODY WANTS A THRILL
PAYIN' ANYTHING TO ROLL THE DICE,
JUST ONE MORE TIME

SOME WILL WIN, SOME WILL LOSE
SOME WERE BORN TO SING THE BLUES
OH, THE MOVIE NEVER ENDS
IT GOES ON AND ON AND ON AND ON

食べるために一生懸命働きながら 誰もがスリルを求めている
今度こそはと思いながら、サイコロの目にナニかを賭ける
誰かが勝てば、誰かが負ける 誰かがブルースを歌うために生まれてくる
この映画は決して終わらない そんなコトを繰り返して


DON'T STOP BELIEVIN' HOLD ON THE FEELIN'
STREETLIGHT PEOPLE DON'T STOP

信じることをあきらめないで この思いを手放さないで
街の灯の人々よ 止まらないで…。



●報いの薄いドン詰まりの生活で、希望を見失わないように。
●未来も可能性もタップリある青少年だけじゃない、シミッたれたオトナのボクにも十分このウタは響いてしまったのですよ。



JOURNEY「GREATEST HITS」

JOURNEY「GREATEST HITS」1978〜1986年
●ちゃんと本家のCDも買ったよ。日テレのワイドショー「スッキリ」のオープニングテーマが彼らの楽曲「ANY WAY YOU WANT IT」だったってコトはこのCD聴いて初めて知った!そしてこの曲もグリークラブのレパートリーになる。

スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://unimogroove.blog4.fc2.com/tb.php/1430-9b3473a7