「ビスキューイパンがたべたい!」と娘ヒヨコがいうので、下北沢のカフェに二人でお茶。

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●普段は元気のヒヨコが珍しく熱を出して学校を休んだら、その日の給食においしいビスキューイパンが登場したそうで。ヒヨコは自分だけがビスキューイパンを食べ損ねたのがとても納得イカナイようで、ヒトツキ経ってもまだモガモガ言ってる。聞くと、下北沢のカフェにビスキューイパンがあるのでソコに行きたいと。
●ボクはビスキューイパンがなんだかよくわかんないし、厳密にこのパンがそのビスキューイパンなのかもよくわかんないんだけど(だってお店ではチョコクッキーパンってかいてあったぞヒヨコよ)、ともかくこのパンを二つ食べてヒヨコは実に満足げだったので、今日はいい日になったと思ったのでありました。まるい顔がまるいモノを食べてると、共食いみたいにみえるよ。



●先日、DAVE MATTHEWS BAND について記事を書いたので(コチラ)。
このバンドがよく結びつけられて語られる、ジャムバンド系の音楽を聴いてみるのです。

●ホントはね、ボクの中では、今から紹介するジャムバンドたちと DAVE MATTHEWS BAND はやや位置づけが違うのです。ブラックミュージックの都会的洗練も丁寧に組み込んでる DAVE MATTHEWS BAND と比べると、今日のバンドはみんなわりと田舎臭くて、フツウのカントリーロックに聴こえかねない印象があるからです。でもソコにジャムバンドたる理由と根拠がある、という向きで文章が書けたらいいなと思います。そんで結果として、DAVE MATTHEWS BAND と同じ地点に到達すると。そこはあくまでジャム/ライブであって、CD聴いてるだけじゃ理解できないかもしれないんだけど。


●まずは、このバンド。実は、美容院で、髪の毛切ってる時に知った音楽。
MOE「STICKS AND STONES」
MOE.「STICKS AND STONES」2008年
●まずは、このバンドの音楽を知ったキッカケを。そういうの、ボクは必要以上に大事にしてますので。著しい話の脱線でしかありませんけど…えーあの、ホントに全然関係ナイんですけど、ボクは、髪の毛は限界まで伸ばす、年に2回しか切らない、というケチな習慣を持ってます。つまりね、半年に一回しか美容院イカナイんです。
●それでもコチラにとっては信頼すべき美容師さんてのはとても貴重なのでコロコロとは変えられない。いつも決まったオネエさんにお願いしてるのです。しかし半年も間が空くと、行き付けの美容院にも様々なコトが起こってまして。なんとその美容師のオネエさんは独立して別のお店を作ってました。ボクはシツコイ性格なので、わざわざオネエさんが開いた新しいお店を聞き出して、そこに出向いたのであります。渋谷・公園通りを登ってBEAMSへと脇道に入った方面。うわここらへん来るの何年ぶりだろ…と思ったですよ。
●マンションの一室を改装したサロン。床のラグが趣味のいいアメリカンフォークロアで、ちょっとおデブなフレンチブルドッグがお店の中をよちよち歩く、なんだかアットホームな空間。ワンちゃんが人懐こ過ぎて、ボクのヒザに登ってそのままお昼寝。そんなお店。ボクには最高にイイ気分。以来ここ3年くらいココに通ってます。
●さて、ここのお店は iPod や PC の iTune をオーディオに直結して、BGMの音楽を鳴らしているのでありました。実は最近のカフェなどでも既にアリガチな仕組み。もう膨大なCDをお店に積み重ねる必要はないのであります。で、ボクはボクで「今かかってる曲はナンですか?」って聞くんです。実はスゴい頻度でボクは様々なお店でこの質問をします。気になる音楽があればホントに根掘り葉掘り。みんな Macbook の画面を眺めて曲名を答えてくれます。ここの美容師さんもそうでありました。しかも聞く所によると、コチラでは iPod に音楽を詰める作業を知人にお願いしているのというのです。そらそうだ、選曲に自信がある人にお願いしちゃった方が確かに手間も省けるよね。つーかそんな仕事が成立するなら、ボクが受けたいかも!お好みに合わせてイロイロな音楽を調達するのです!お店の雰囲気とか店長さんのキャラを見て、こんなんどうですか?って提案するって楽しそうですね!
●ほんで、そんな美容院で知った音楽がこのバンドのこのアルバムであります。これに収録されてる「ZOZ」という曲に、プログレちっくな変拍子がイイ塩梅に仕込まれてて楽しかったのです。パッと聴いた感触は70年代モノ?と思わせながらまるっきり最近の録音であった、という裏切りが実に痛快であります。で、そのまま渋谷タワーレコードで購入するにいたります。
●MOE. というバンド、1989年結成、キャリアは既に20年選手、オルタナ時代をくぐり抜けた90年代後半以降に輪郭をハッキリさせていくジャムバンド・シーンで高い評価を得た彼ら。オーセンティックなアメリカンルーツ(カントリー&ブルースなどなど)音楽をベースにしたユッタリとしたグルーヴと、とっても風通しのイイギタープレイが実に気持ちイイ。大らかで実にピースフルな質感、おそらく野外の広いステージで聴いたらなんと気持ちイイことでしょう。それでいて大味になり過ぎないきめ細やかさも兼ね揃えてる。ステキです。一曲目の「CATHEDRAL」は、ブルーな出勤時に敢えて大音量で聴いたりしてます。朝日にマッチするキラキラな楽しさがあるのです。
●この音源を知ったアタリで(実はもう一昨年くらいのコトなのですが)、ボクの中に突如ジャムバンドブームが起こるのです。そこでチョイチョイ買い集めていった音源を、いくつか紹介します。

GRATEFUL DEAD「AMERICAN BEAUTY」

GRATEFUL DEAD「AMERICAN BEAUTY」1970年
ジャムバンドといえば、とりもなおさず GRATEFUL DEAD のコト、と誰もが言う。1960年代のサンフランシスコで生まれたロックバンドで、フラワームーブメント/ヒッピーカルチャーのアイコンとして名高い存在。レコードセールスの部分で大成功する場面はなかったが、精力的なツアー活動と、興に乗れば8時間だって演奏し続ける奔放なライブパフォーマンスで分厚いファン(デッドヘッズと呼ばれる人々)を獲得。サイケデリックロックの王者として長く君臨する。…と、教科書的な紹介もできるんですけど。でもね。
スタジオ盤の彼らは、すんごくフツウなカントリーロックの佇まいを地味に見せるだけで、そのあまりにデカイ武名に直接結びつくビックリするような仕掛けがナニもナイ。いやこんなコト言ったら「オマエなんも分かっちゃいないねアホめ死ね」って怒られるかもしれない。でもね、マジでフツウなんですよ。拍子抜けする位。コイツは比較的最近に入手…レンタル落ちを300円で買ったヤツなんだけど、他のアルバム「AOXOMOXOA」1969年とかを聴いた時も同じ印象を抱いた。
●ただね、やっぱこのバンドはライブこそが真価なのかも知れない。同時期のライブ盤「LIVE/DEAD」1969年の演奏とかは全然表情が違う。スタジオアルバムではフツウなカントリーロックに聴こえる楽曲には、自由な即興演奏を膨らます余地がふっくらたっぷり用意されてて、そこからダイナミックな演奏へと花開いていく。インプロビゼーションこそ命。ジャムセッションこそ命。だからこそ、ジャムバンドと呼ばれるワケだということ。納得。DAVE MATTHEWS BAND の記事にも触れたが、ライブ演奏をテープ収録するテーパーがその音源を交換する文化が根付いていったというコト、そしてツアーの全部に帯同するほどのコアなファン(デッドヘッズ)が大勢いたコトは、つまりスタジオアルバムではバンドの音楽の本質には到達できないぞ、だからライブは全部見逃せないぞ、というコトが前提になっているのね、とボクは解釈している。ライブが本質ってなると、もはや書斎派のリスナーであるボクには永遠に追いつかない音楽ッてコトだなあ。
●ちなみに、このバンドのキャラクター(なのかな?)にデッドベアって名前のくまちゃんがいます。膨大な種類とスゴく多彩な模様が印象的で、コレクターもいるって話。実はボクも20匹くらい持ってて、今では息子のベッドの枕元に並べてあります。首にはタグがついててそのくまの名前(基本はバンドの曲名に由来してます)と、誕生日(その曲が演奏された年月みたい)とエピソードまで書いてあります。でも、ボクはそのタグの意味が最初わからなくって全部捨てちゃったんだよね…とほほ。初期バージョンはプレミアまでついてて入手が困難!

PHISH「JOY」

PHISH「JOY」2009年
GRATEFUL DEAD はヒッピーの時代が完全に終わった80年代においても精力的にライブ活動しておりましたが、中心人物の JERRY GARCIA が1996年に世を去るコトでとうとう活動が終わります。そんな彼らと深くオーバーラップする事でシーンの主導権を譲り受けたのが、この PHISH というバンド。1983年に結成。GRATEFUL DEAD を第一世代とすれば、PHISH は第二世代。MOE. は第三世代かも。そんな感じがする。
●でも、やっぱり佇まいはオーセンティックなカントリーロックと同じに見えてて、90年代にはその存在のユニークさは気付けなかったです。ボクがこのバンドの音源に触れたのは「FARMHOUSE」2000年の頃。その後「UNDERMIND」2004年リリースを経て彼らは解散します。…と思ったら、実は2008年に再結成してて、そんでこのアルバムを出してた。これもレンタル落ちで300円だったねえ。
●で、相変わらずのフツウな佇まいは、そのまま肩のチカラを抜いて聴ける気楽さになってて、その音楽は大空に散らばり気持ちよく溶けるようなピースフルなオーラを振りまいている。ロックに極端な過剰さとかしかめっ面の意味深さとかを要求しないでおれなかった20歳代とは違って、アラフォーぶっこいてやや疲れている今のボクにはちょうどイイ湯加減なのはマチガイナイ。まさしく「JOY」
●終盤に登場する13分超えの大曲「TIME TURNS ELASTIC」は、その名の通り、時間がやわらかく伸縮自在になっていくような陶酔感を感じさせる。ここにはいわゆるジャムバンド的なインプロビゼーションの妙技、激しく展開するプログレッシブさ、コスミックなジャケを連想させるようなサイケデリック感覚が、豊かなレイヤーをなしてキラキラしてる。ジャム!
●ちなみに、このアルバムのプロデュースは STEVE LILLYWHITEDAVE MATTHEWS BAND とも深いつながりのある人物。ジャムバンドシーンにおいて、重要な影響を持っているのかも。

TREY ANASTASIO「TREY ANASTASIO」

TREY ANASTASIO「TREY ANASTASIO」2002年
●コイツは誰か?といいますと、PHISH のギタリスト/ボーカリストであり、重要なソングライター。コレはそんなヤツのソロアルバム。PHISH としてのバンド活動の他、活発なソロや別ユニットの活動も熱心にやってるオトコなのです。まーそんな前提をおきつつ、ボクのジャムバンドに対する素朴な疑問をココで投げかけてみます。
ジャムバンドのコトを調べようとアレコレ検索すると、イロイロなジャンルのごった煮という話がでてきます。 サイケデリックロック、ファンク、プログレッシブロック、ブルーグラス、ジャズフュージョン、ブルース、カントリー、フォーク、ワールドミュージック、エレクトロニカまで呑み込むジャンル越境的な音楽だと。ただし、今のトコロ、GRATEFUL DEAD PHISH の音楽はそこまでなんでもかんでもブチ込んだ音楽には聴こえない。何回も言ってますけど、フツウのカントリーロックな佇まいが基本姿勢じゃないですか。つーか、この表現はちょいと欲張り過ぎなんじゃないの?よくわかりませんよ。
●というボクの戸惑いに、この人のソロはわりとクッキリと答えを与えてくれます。PHISH を離れるとこの人は容赦ないジャンル越境の挑戦と冒険を仕掛けます。このアルバムでは大勢のブラス隊を引き連れて、ハイスピードなジャズファンクを鳴らします。リズムは複雑でアフロキューバンなテイストさえ呑み込んでます。タフなリフロックを鳴らせば CREAM みたいなカッコよささえ漂います。そもそもが超絶テク系のギタリストさんでもあるので(じゃなきゃ即興演奏が命のジャムバンドはこなせないよね)、芸の幅が非常に広い。
●他の活動では NEW YORK PHILHARMONIC と共演したり、PRIMUS のベース LES CRAYPOOL THE POLICE のドラム STEWART COPELAND(どちらも超絶テク系ミュージシャンですね)とユニットを作ったり。DAVE MATTHEWS とは、DAVE MATTHEWS & FRIENDS という名義で共演してる。ジャムバンド系の人脈関係〜ピープルトゥリーも目を離しちゃイケナイね。

SIM REDMOND BAND「TEN 」
SIM REDMOND BAND「TEN TIMES AROUND THE SUN - VERY BEST OF SIM REDMOND BAND」1999〜2009年
●こちらもジャムバンド系のアーティスト。やはりカントリーロック風の佇まいを持ちながらも、わりとリズムやグルーヴにはふくよかなミクスチャー感覚が最初から忍び込んでて、ピースフルなレゲエ/カリビアン/アイランドサウンドの気分が漂ってたり。ニューヨーク州の山の中の出身なのにね。女性シンガーが前に出てくる場面もあるツインボーカル体制が、どことなく JEFFERSON AIRPLANE を連想させる。このベスト盤は10年分のキャリアとアルバム7枚分のハイライトが詰まってる。


●今日紹介したジャムバンドたちは、ロックサイドからのアプローチだったけど、ジャズサイド、ファンクサイドからのアプローチによるジャムバンドも大勢いる。別の場面で、そんな音源も紹介したいものです。


●関連音源。あえてCD音源で。ライブの雰囲気はご自分で探した方がいいと思って。








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