奈良県、飛鳥の里。
●なんて、豊かな風景。

奈良1

ゴールデンウィークは、家族4人で3泊4日で奈良/飛鳥ツアー。
●四方を取り囲む青い山並み。起伏の豊かな土地と、その起伏に沿って柔らかい曲線を描く田畑と畦。雑木林、鳥の声、春の風。そこかしこに流れる澄んだ小川。豊かな山々からこの盆地に向けて美しい水が注ぎ込まれている。古代の日本人がこの土地を首都に選んだ理由がよくわかる。レンタサイクルを軽快に飛ばし、頬に気持ちの良い風を感じながら、そんなことに思いを馳せる。息子ノマド(小6)、娘ヒヨコ(小5)、ワイフ、そしてボクは、今年のゴールデンウィークを、こんな場所、奈良/飛鳥で過ごしたのでした。


飛鳥の里は、自転車がよく似合う。
飛鳥で自動車は野暮だ。一部のドメジャースポットを除けばパーキングが圧倒的に足りないし、多少気の利いた場所を訪れようとすれば、道が狭くて周囲の邪魔になる。とはいえ、サスガに歩いて巡るには広過ぎる。だからレンタサイクル。

明日香レンタサイクル

●こちら現地大手の「明日香レンタサイクル」。ボクは宿から借りたので一台700円。フツウにお店で借りれば1000円。追加で200円払えば飛鳥周辺に散らばる複数の営業所で乗り捨てもできる。まー見事なほどにスタンダードなママチャリで、微妙なハンドル〜サドルの位置関係の結果、立ちコギができない!しかし、スポーツタイプやマウンテンバイクは、スカートの女性にはシンドイなどなど考えると、カゴまでついてるこのママチャリこそが老若男女全体に向けた一番のユニバーサルデザインなのだな、と思い至った。


で、飛鳥の奇石めぐり。
飛鳥には、不思議な石造物が点在している。造形がユーモラスでワイルド、目的や用途がよくわからないピンボケた感じ。仏教伝来によって洗練される以前の、太古の日本の精神世界が奇妙なカタチをさらけ出しているようで、オモシロい。

こちらは、亀石。(奈良県橿原市内膳町1丁目2−12)
●自動車では入れないような脇道に、コイツがいきなりドスンと鎮座している。唐突でオカシイ。

亀石1

亀石2(2点ともヒヨコ撮影)

●ウットリと午睡してるかのような、のんびりとした表情がカワイらしい。まー1500年くらい午睡し続けてるんだろうけど。

亀石3

●こちら、亀石のとなりにあるおミヤゲ屋さん。カメづくし。ヒヨコ「水族館のおミヤゲ屋さんみたい!」水族館にもこんなにはカメグッズ集まってないわ。

続いて、猿石。(奈良県明日香村平田)
●これまたユーモラスかつワイルドな造形。猿とはいいながら、なぜかキャプションでは「僧(法師)」「男」「女」「山王権現」と書いてある。「山王権現」はゴシック建築にくっついているガーゴイルみたいにみえるし、おまけにチンチンまるだし。エボシを冠った「男」はいいけど「女」はなんかすごく気持ち悪いぞ。

猿石15「女」「山王権現」

猿石14「僧(法師)」

猿石11「山王権現」

猿石13「男」

猿石12「女」(猿石関連、全てヒヨコ撮影)

猿石は、欽明天皇陵、立派な堀を巡らせた前方後円墳のワキ、吉備姫皇女王墓の敷地内にある。このへんを歩くと古代の天皇の名前に数々出くわす。ちなみに欽明天皇は、聖徳太子の祖父にあたる人物で、聖徳太子が支えた女帝・推古天皇の父親でもある。吉備姫は、この欽明天皇の孫であり、大化の改新で活躍する中大兄皇子=天智天皇の祖母にあたる人物。

猿石16

欽明天皇陵の手前にある猿石への案内の看板がカワイイ。ヒヨコ「さるいし、って書いてあるんだ。最初、うるさい、って書いてあるかと思った!」猿石そのものは、この看板のオサルさんほどカワイくない。

ニ面石。(奈良県高市郡明日香村橘532)
●この石は、聖徳太子が生まれた場所、といわれる橘寺の境内にある。岩の左右にふたつの顔が掘り込まれており、それぞれが善悪を示している。左写真のトガッた顔が「悪相」、右写真のまるい顔が「善相」

ニ面石1

ニ面石2 ニ面石3

亀石、猿石、二面石の造形は、なかなかにユカイだ。ハニワや土偶とも違う味わいがあって楽しい。連想したのは、韓国・済州島でポピュラーな石像トリハルバンだ。作られた目的がよくワカランという部分も同じ。もしや飛鳥時代に日本へやってきた韓国系の渡来人たちが、こうした造形に関わってたのかもね。

トリハルバン(トリハルバン)

●ちなみに、トリハルバンには、女性がその鼻を触ると子宝に恵まれるという言い伝えがある。出張で済州島を訪ねた際に「まさか冗談でしょ」といいながらボクは鼻をナデナデ。そしたら見事第二子ヒヨコを授かってしまった。

酒船石。(奈良県高市郡明日香村岡)
●竹林に囲まれた小高い丘を登ると、ぽつり現れるのがこちら、酒船石。意味不明用途不明の溝が70年代超古代文明ブームの時には、オカルトめいたトンデモ遺跡みたいな取り扱いも受けてたような。

酒船石1

酒船石2 酒船石3

その近所に、新しい遺跡が登場!亀形石像物。(奈良県高市郡明日香村島庄)
●こちらは、2000年に発見されたばかりの新しい物件。酒船石がある丘のふもとに位置してる。

亀形石像物1

●雨どいのような部分から中央の石皿に水が注ぎ込まれ、そこから上澄み部分の水だけが、左側の亀形の大皿に注がれるという仕組み。さも何らかの祭祀に使われたような感じがする。この施設は、中大兄皇子の母親、斉明天皇の時代に作られた模様。大化の改新前後に活躍した女帝、斉明天皇(a.k.a.皇極天皇。彼女は二回天皇になっている)は強い権力を持っていたのか、こうした大工事を多くやらせたらしい。

亀形石像物2 亀形石像物3

●左右の写真を比べると、周囲の地表から比べるとだいぶ深いトコロから発見された遺跡だとわかる。そのへんの経緯を、地元ボランティアガイドのオジサン(紫ジャケット)から伺った。
「ワタシはね、別に歴史の専門家ってわけじゃなくて、普段はサラリーマンしてます。あんま専門的なコトを聞かれてもアレなんでそこはご容赦願います。で、ここは前はグラウンドでね、オイチャンの頃には明日香村にあった幼稚園3園合同の運動会をやってたんやね。今では幼稚園は3つ残ってるけど、3つあった小学校は1つだけ。高校はナイ。そこからみんな外にいくんやね。…そんなんで、町おこしでこのグラウンドにハコモノ作ることになってやな…あっこにある奈良県立万葉文化館な。で、ここは駐車場になる予定だったんや。そこで工事の前に試しに掘ってみたら、コレが出てキタ。向こうのトイレのあたりから掘ってみたら、この石垣が出てきて、そこをたどったらコレがでてきた。元々はあのコンクリのあたりが地面だっだからだいぶ掘ったわな…」
●せっかくの休日なのに、地元の為にボランティアを買って出て、自分の思い出をおり混ぜながら遺跡の説明をしているこのオジサンに、なんとなく親近感を感じてしまった。自分の育った土地へのリスペクトだね。

鬼の雪隠/鬼の俎。(奈良県高市郡明日香村野口)
●これもだいぶマニアックな場所にあるなあ。自動車じゃ入りたくない道、遊歩道風に整備はされたが以前は細い農道でしかなかったような場所に突然置いてある。ヒヨコ「せっちんってなーにー?」トイレである。「俎」はまな板である。かつてココに住んでいた鬼が、旅人を捕らえてはこのまな板で捌き、おいしく食べた後はこの大きなトイレで用を足したという。さあ、ヒヨコもせっかくだから記念にココでおしっこしていきなよ。「えー!?ここでどうやってやるの…?」

鬼の雪隠/鬼の俎2「鬼の雪隠」

鬼の雪隠/鬼の俎1「鬼の俎」

●実は、この二つの巨石は、古墳の中に設けられた石室を構成していた石だった。「俎」が床部分。「雪隠」が天井から周囲の壁を構成していた。しかしいつしか古墳の盛り土がなくなり石室は剥き出しになってしまった。そこに石室を解体してナニかに使おうと考えたヒトがいたのかも知れない。ところが手に負える重さじゃなかったので、バラしたまではよかったが、丘からゴロリと転がり出した所でもう動かせない。結果、この二つは距離にして50メートルほどしか離れていない所で放置されているというワケだ。…ヒヨコ「なんだ、ホントはトイレじゃないんじゃん」一安心。

鬼の雪隠/鬼の俎3(現場にあった図解)

ここのソバにあるのが、天武天皇/持統天皇陵。
●このコンモリとした雑木林が、古墳なのだ。まーこのへんはそんなノリの古墳や史跡がわんさとある。細くうねるカントリーロードを歩いて、こんな誰も注目してないスポットを探訪。実際なにかができるわけでもなく、宮内庁の仰々しい看板があるばかり。

天武天皇/持統天皇陵1

天武天皇/持統天皇陵2

天武天皇は、中大兄皇子=天智天皇の実弟であり、そして政敵でもあった。天智天皇の死後、壬申の乱を起こして政権を奪取している。同じ場所に眠る持統天皇は彼の妻。ここにも女帝がいる。古代日本には多くの女性天皇がいる。前述の推古天皇、斉明天皇=皇極天皇、持統天皇、そのあとも元明天皇、元正天皇、孝謙天皇=称徳天皇がいる。江戸時代にも2人の女性天皇がいたという。女性天皇って、この時代にどんな存在だったんだろう?
●現在、ビッグコミックオリジナル中村真理子「天智と天武」というマンガが連載されている。コレ、気になっているんだよな。中大兄皇子=天智天皇がダークな悪役として描かれていて、オモシロい。天智天皇持統天皇は、コドモたちにとっては小倉百人一首の歌人としてもポピュラー。歌に詠み込まれてる天香具山がすぐソバにあるってのもオモシロいことだった。

●さらには、高松塚古墳、石舞台古墳などのドメジャースポットも制覇。

石舞台古墳

高松塚古墳

●キレイに再現された高松塚古墳の円墳をみて、ヒヨコはひとこと「プッチンプリンみたい!」


さて、こちらは超マニアック!艸墓古墳。
●宿の女将さんに「古墳を巡ろうと思うんです」と言った瞬間に、懐中電灯を握らされて「ここは穴場よ!」と薦められた場所。飛鳥エリアからもはや逸脱した、桜井市というトナリマチに存在する。とはいえ、この奈良盆地には本当に見どころが広く散らばっているので、この桜井市もナメテはイケナイ。
●しかししかし、この艸墓古墳(くさはかこふんと読みます)はマジでマニアック。地元の人しか知りえないような場所にあった。JR/近鉄桜井駅からレンタサイクルで南へ真っ直ぐ10分弱、どなたかさんの玄関にしか通じてない一見私道のようなちいさな坂道を登ると、下の写真のようなちいさな標識を見つけることができる。ここから、本当にそのどなたかさんのオウチの庭先へ勝手に踏み込んでいくかのような感覚。「え、こんなトコロ入っちゃっていいの?」ってマジで思いますし、実際そのオウチのご主人が庭掃除をしてたので「お邪魔します」「お騒がせします」なんてアイサツしながらその古墳に近づくのです。

艸墓古墳1

艸墓古墳2

で、到達するのがこんな風景。
いきなり穴があいてます。そう、この古墳、石室に勝手に入れるのです!うわヤバい、これじゃまるでインディ・ジョーンズじゃん!俄然テンションがあがるコドモたちとボク!しかし、小学校6年生だけどかなり小柄な息子ノマドと比較しても小さな穴、大人がくぐろうとすればかなり身を縮めなくてはなりません。

艸墓古墳3

●しかし入口はセマイが、奥に進むに従いやや広くなっていく仕組み。全長13メートルと説明看板には書いてあったかな?この堅牢な石組みの間を進みます。

艸墓古墳4

そんで到達するのがこの石棺の前。これまた大迫力です。午前中のウチにココへ入ったので、ナニゲに日光がうまく差し込んでいましたが、奥の方は、確かに宿の女将さんの懐中電灯が活躍。真っ暗闇です。この部屋で天井の高さは2メートルほど。身を屈める必要はありませんが、棺が大きいのでそのワキに入るのがギリギリの狭さです。
●この棺、右奥のスミが盗掘者によって穴が空けられており、その中を覗き込む事ができました(それこそ懐中電灯がなければ全く何も見えませんが)。小石がコロコロ転がってるだけでした。しかし分厚いフタとがっしりとした棺。説明看板によると、この石棺を作った後に、石室を組み上げ、その上に盛り土を積上げて古墳としたそうな。ああ、中から作っていくもんなのね。
●結局、コドモたちにとっては、他のメジャーな史跡よりも、このマニアックなインディ・ジョーンズ体験が一番楽しかったそうです。そりゃそうだよなあ、入場料も係員もいない、ただの穴がいきなり古墳なんだもんなあ。これはボクもビックリした。


●さて、今回の飛鳥ツアーの拠点となった宿をご紹介。

サンチェリー

ペンション・サンチェリー
●奈良県桜井市桜井203-4 http://www.adbest.net/sun.html
●今回のツアー企画はワリと思いつきが遅かったのでGW事情の中でメジャーなホテルはすでに満室だったのです。そこで、かつて大学で国文学(万葉集とか)を専攻してた我がワイフが、学生時代のゼミ旅行で訪れたコチラのペンションを思い出したのでした。さすがに20年近く前だからなあ…まだやってるかしら?と思ったけど、往時と全く変わるコトなく健在でありました。部屋もバッチリ空いているとのこと。JR/近鉄桜井駅徒歩2分、駅の目の前。
●本来の定石ならば、近鉄飛鳥駅周辺を拠点とした方が観光には便利でしょう。でそこからに東側に広がる史跡を巡るのがフツウ。で、この桜井はさらにその奥にあります。今回われわれは言わば飛鳥の裏側から攻めたわけです。これもワイフがかつて学生時代に経験したレンタサイクル旅行で、自転車という足さえあればこの裏表の逆転は特に不利にはならないという確信があった上での選択でした…結果としては、20年分ボクらは加齢していたので自転車だけじゃキツかったけど。
●毎晩の夕食はボリュームのあるフレンチのコース。学生さんの合宿拠点なのか、ちょっとした練習スタジオから合唱の声も聴こえてました。かつては写真館だったとか、郷土史に一家言ありそうなご主人がいらっしゃるとか(残念ながら今回は直接お話を聞く事はできなかったです)、自家製パンを販売してるとか。なんだかとてもユニークな宿。とりわけ気に入ったのは、二階ロビーのこの蔵書。

サンチェリー2

壁イッパイに日本史の本が並んでおります。なぜか手塚治虫のマンガも大量に。
●ボクはここで夜中に土門拳の仏像写真集を眺めておりました。土門拳の迫力はすごくて、その後実際に見た仏像をしのぐほどの写真でありました。

土門拳の仏像

土門拳が仏像の撮影を始めたのは1940年のことだという。第二次大戦の最中だ。その苦しい時代に家族を養いながら、ナゼわざわざ仏像写真ナゾを取り集めていたのだろう?経費も旅費もすべて持ち出しで、発表や出版のアテもロクにないのに、彼は寺を訪ねては仏像を撮っていた…。あの厳しい時代をどのように乗り越えたのか、本人自身も良く覚えてないらしい。
●土門本人の回想によると当時の彼には3つの選択肢があった。徴用工として軍需工場で労働に従事するか。一応の職業カメラマンとして戦地の報道写真を撮るか。赤紙一枚で前線に一兵卒として送り込まれるか。赤紙は拒めないとして、前2つさえも土門は拒否し続けたそうだ。理不尽にこき使われるのを良しとしない、彼の気質なのだろう。そんで仏像だ。戦地で働く写真家仲間からは非国民と面罵されることもあったそうだ。
戦争が長引き、自由な言論や表現ができなくなる一方で、彼は仏像たちの表情の中に、戦火の日本人の心象を見出していた。さらには終戦後こそ、焦土と化した日本に対して誇りを取り戻すためにも、日本人が古来から引き継いできた仏像の価値を見出すことに必死だった。土門拳とはそんな写真家だった。
●おまけに、彼は今でこそ高名な写真家だが、当時はお寺から撮影を疎まれることもしばしば。いざ撮影となれば丸一日何時間も粘り続けるし、納得がいかなければ翌日また寺にやってくる。東京で現像した上でもう一度撮影を申し込む場面もあったようだ。暗い仏閣の中では露光時間は30分にもなるらしい。大変なことだ。そんな活動は彼の人生の中で20年以上続いたという。
●いつかまとめて、彼の写真と文章を読んでみたい、と思ったのでした。




飛鳥の里の静かな夜にあう音楽。
●桜井の宿の夜は静かだった…。 

BROKEN SOCIAL SCENE「FEEL GOOD LOST」

BROKEN SOCIAL SCENE「FEEL GOOD LOST」2001年
「BROKEN SOCIAL SCENE」…こんな名前のバンド名だから、さぞ荒廃した風情を醸しているのだろうと思う向きもあるかもしれない。実際、ボクもこのバンドの音楽に対しては、今までも殺伐としたギターノイズの奔流という部分だけを注目して聴いてきた。しかし、本質はそうではなかった、と夜更けの飛鳥で思い直した。
かつては一国の首都として繁栄を極めた明日香の土地が、人口6000人程度の静かな農村になった…それをただの荒廃と呼べばイイのか?時の流れの重みの中で丸みをもって落ち着いた遺物たちの佇まいに、その前を静かに通り過ぎていった多くの無名の世代たちの優しい思いを感じ取る。カナダの大所帯バンドであるこのバンドは、そもそもが独立した活動を持つミュージシャンたちの集合体、コミューンのようで、バンドの形態もアレンジも曲によって全然チガウ。そしてボーカルがほとんどない。押し付けがましい自己主張がない代わりに、様々な楽器が豊かなレイヤーを織りなして、不定形のグルーヴを優しくさざ波立たせている。無名の人々が積み上げた歴史の厚みを人肌の温もりでもって感じる。

BROKEN SOCIAL SCENE「YOU FORGET IT IN PEOPLE」

BROKEN SOCIAL SCENE「YOU FORGET IT IN PEOPLE」2002年
●トロントを拠点にするこのバンドを、音楽ジャンルの言葉で説明すれば、90年代オルタナティブロックとシカゴ音響派に繋がるポストロックの延長とカナダ的解釈と言うことができる。2枚目のアルバムになるこの作品では、オルタナの帝王 SONIC YOUTH ばりのギターノイズを放射するロックチューンもある(というか、ボクが大好きな SONIC YOUTH に似ているからこそ、ボクはこのバンドを聴くようになった)。あいかわらず寡黙とはいえボーカルが役割を大きくしており、乾いたスネアがパスパスと駆動する様もインディロックの本道。ただ、ここで愛らしいドリーミーなアレンジがソコカシコに仕込まれている事を見逃してはイケナイ。

BROKEN SOCIAL SCENE「BEE HIVES」

BROKEN SOCIAL SCENE「BEE HIVES」2004年
●前作「YOU FORGET IT IN PEOPLE」の B-SIDE 編集盤アルバム。ロック色が後退しドリーミー具合が前作よりも向上。ポストロック的な再編集も加わっている。それと神々しいシューゲイザーも大増量。前作と重複する曲「LOVER'S SPIT」は、ソロでも活躍する女性シンガー FEIST がボーカルを務めるドリーミーなスローバージョンで、前作本作ともに甲乙付け難い仕上がりに唸る。

BROKEN SOCIAL SCENE「BROKEN SOCIAL SCENE」

BROKEN SOCIAL SCENE「BROKEN SOCIAL SCENE」2005年
●荘厳なギターのフィードバックノイズに分厚いホーンアンサンブルが合流して、強い生命力を感じさせる3枚目のアルバム。ファーストアルバムの、太古の記憶に身を浸すような夢心地から遠く隔たって、このアルバムでは大勢のメンバーが持てる力を結束して、躍動するスピードと歓喜の音壁を築き上げる。現在を生きるためのパワー。


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