GW奈良/飛鳥ツアーの続きの話を。
●先日、飛鳥エリアの古墳/史跡巡りのレンタサイクル旅を書きましたけど。
●もう少々、アレコレな場所に行きましたんで、そのヘンを書かせていただきます。


事前準備の段階において、ボクは奈良をナメテタと思い知らされました。
●例えば、京都、大阪、神戸、のように見どころがフツウに集中してると思ってました。
●ところが全然チガウ!飛鳥エリア、奈良公園、平城京跡、法隆寺、薬師寺、唐招提寺、その他あれこれ、が広大な奈良盆地に散らばっておりまして効率よくパラパラ回るのは困難!なのでありました。ウチには自動車という足はない。ひたすらJRと近鉄を駆使してセッセと移動する他ないのです…関東育ちのボクには近畿日本鉄道ってのもかなり新鮮な体験だったんですけどね。

●よって、行程としては
 1日目…飛鳥エリア
 2日目…奈良公園〜奈良ダウンタウンエリア
 3日目…法隆寺斑鳩エリア  
      にポイントを絞り込んだのであります。


●そんで、奈良ツアー後半の拠点にしたのは「奈良ホテル」。すげえクラシックホテル。

奈良ホテル

奈良ホテル2 奈良ホテル3

創業100年。和洋折衷様式の威容に圧倒。奈良公園の目の前にドでかい敷地を構えた大物です。綺麗な赤絨毯と高い天井。天皇陛下はじめ皇族の方から、海外の要人、チャールズ・チャップリンアルバート・アインシュタインがここで宿をとったといいます。ラウンジにはアインシュタインが弾いたというピアノも飾ってあったな…。正直お値段も張るんですけど、GWに対する準備が遅かったのでココしか空いてなかった…それでも本来4人家族のトコロを3人部屋にムリヤリいれてもらったカッコ。http://www.narahotel.co.jp/index.html
 

●広大過ぎる奈良公園は、ピンポイントしかチェックできない…。

東大寺1

●しかも、東大寺は、まるで浅草寺の仲見世商店街みたいに混雑してて、ワリと辟易。テキ屋さんもすごくたくさんおったしね。そこにヒヨコがことごとくヒッカカルからなかなか前に進まない。

東大寺2

●それでも、東大寺南大門金剛力士像、運慶&快慶作は、コドモたちの予想を上回る迫力だったようで大喜び。シカセンベイにぎりながらカメラを構えるノマド。「うぉー!スゲエ!ジョジョ立ちじゃねえか!」歴史の勉強に出てくるモノを実物で見るってやっぱ大事。

東大寺3

で、大仏さま登場。「わおー!デカイ!これはデカイ!」ヒヨコびっくり。「こんなにデカイと思わなかったわー」大仏殿もデカいし、その中の大仏様もデカイ。

東大寺4

●一方で、大仏様が座っている巨大蓮の花びら(レブリカ?)が一枚、手元で鑑賞出来る場所が。
●蓮華座の1パーツまでにタップリと紋様が描き込まれてるのはスゴいが、本当のデティールまで覗き込んでみると意外とチャチくてカワイらしい。ノマド「これならオレでも描けそう」と笑う我が家一同でありました。

東大寺5 東大寺6

「柱くぐり」も挑戦。大仏殿の柱の一本に穴が空いてるんですよね。これをくぐると「無病息災」のご利益があるらしい。この穴の直径は大仏様の鼻の穴と同じ、という話にヒヨコまたしても感動「でかーい!」。大行列で30分くらい並びました。

東大寺7
東大寺8

●コドモだけならカワイらしいモノですが、ワイフが突然「ワタシも挑戦する!」と言い出しました。いやーアンタ20年前なら大丈夫だったろうけどもうムリでしょオシリがつっかえるでしょ。という制止の声は聞きいられず、ワイフはだいぶ見苦しいやり方でムリヤリ突破したのでした。「あー、なんか体のアチコチをぶつけた」


興福寺の国宝館でイケメン阿修羅を鑑賞。
鎌足の息子で時の権力者であった藤原不比等が作らせた藤原氏の氏寺。五重塔は奈良市街の各所から見えて楽しいが、金堂などが完全工事で全く見られなかったので、さしあたり併設の国宝館を見学。

興福寺

●大小さまざまな仏像が並ぶ様、とくに身長5m超の千手観音などが空間余す事なく並ぶ様子は、まるでモビルスーツの格納庫のようでもあって(ゴールドに輝く千手観音はさながらクワトロバジーナ搭乗機・百式のよう)、ボクも楽しい。
●なかでも見どころは、国宝「乾漆八部衆立像(かんしつはちぶしゅうりゅうぞう)」の一体である「阿修羅像」。奈良時代8世紀にしてこの写実力!シリアスな少年の表情と細くて繊細な腕がやっぱスゴい。ボクの世代でいうと「キン肉マン」のサブキャラ・アシュラマンが重要なんだけど、あんなに大味な存在ではないのですよホンモノは。

阿修羅像

阿修羅がそのメンバーに含まれている八部衆は、インド由来の神々を仏教の体系に組み込む為に設定されたモノで、そのデザインがいわゆる仏像チックでないのはその成り立ちが理由。
●下のトリオトコは、その八部衆の一人「迦楼羅(かるら)」。なんとなくクリクリおめめがユーモラス。迦楼羅ガルーダの翻案。ヒンズー教の最高神・ヴィシュヌ神を背中に乗せて飛ぶ巨鳥で、その名はインドネシアのガルーダインドネシア航空にも残っているメジャーなキャラ。バリ島ツアー経験もある我がコドモにもお馴染み。こんなトコロでお久しぶりにコンニチハとは。

迦楼羅像

●奈良公園の中には、もちろん春日大社とか、奈良国立博物館とか、正倉院とか、行ってみたいトコロがイッパイあったが、マジで広いので断念。コドモの集中力とボクの体力が切れる前に退却。あとはひたすらシカと戯れた。
●ヒヨコにとっては奈良公園のシカこそがこのツアー最大のトピックスであった。しかし、まー大勢の観光客に倦んだ気配のシカたちは想像以上にヤサグレてて、全然シカセンベイを食べない、見向きもしない。広島・宮島のシカと全然違ってカワイゲがない。仕方がナイからノマドは自分でシカセンベイを食べてた。売店のオバちゃんによると、アレって米ぬかで出来てるんですって。ノマドいわく「んー。味もナニもないけど、食えないコトもない」食わないでいいよ!

奈良公園シカ1 奈良公園シカ2


斑鳩の里・法隆寺も。
JR奈良駅から電車で15分程度で、JR法隆寺駅にはつくけど、そこからホントのお寺まではバスで20分くらいかかるということで、そんなにラクチンな移動ではない。バスは一時間に3本だけ。乗りのがしたからといってバスじゃなくて歩こう、なんて思ったらすぐバッテリーが切れます。ナニブン、境内そのものもとても広いし。ボクらは法隆寺だけに絞ったけど、周辺を囲む多くの古寺名刹を訪ねようとしたらそれなりなド根性が必要です。
●とはいいながら、駅の改札出た瞬間に、いきなり強力なゆるキャラがお出迎え。なにこれ?カキ?なんでカキ?…あ、「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」!…遠いよ…。

法隆寺1

●さすが世界最古の木造建築。近世の華美な装飾がなにもないので、よりシックな印象がつよい。
●下の写真は、かの有名な「夢殿」ね。奈良時代天平年間に立てられた八角形の建物。聖徳太子の姿を模したという「秘仏救世観音像」が限定公開中ということでワクワクしたのだが、土門拳撮影の写真の方が大迫力だったので個人的にはなんか落胆してしまった…。一方「金堂」にある「金銅釈迦三尊像」は教科書でお馴染み過ぎる物件で、ホンモノ目撃にマジテンションが上がる(ボクだけ)。仏像は想像よりも小さかったんだけど、金堂内部は周囲の壁面から天井まで様々なデティールにいたるまで実に細やかな装飾が施されて圧巻。「仏教」という当時は最先端の外来ファッションを積極的に取り入れて完全な空間プロデュースを行おうとした意気込みが1400年の時空を超えて伝わってくる。

法隆寺3

金銅釈迦三尊像(金銅釈迦三尊像)

百済観音(百済観音)

法隆寺が所蔵する国宝や重要文化財が一堂に展示されている「大宝物殿」「教科書で見た!」物件のオンパレード、あの「玉虫厨子」推古天皇の所持品…のホンモノがボンと置いてあるとビビるね。
●特に感動したのが「百済観音」。高さ2m超の長身は、ひょろりとした印象にもっと高いようにも思える。そもそも法隆寺の仏像はみな一様に面長で、奈良公園方面で見た低重心のデップリとした安定感とは違う印象。その中でも、より一層のギャップを感じさせるこの観音さま…一目見た瞬間で、なんか強い親近感を感じた。ナニかよく知ってるモノに似てる気がするんだけど…。ん〜なんか、ちょっと猫背?
●そうか、この観音サマ、巨神兵と、エヴァンゲリオンに似ているんだ!この細身具合、猫背具合、まさしく巨神兵エヴァマンガ原作の巨神兵は空中を飛行する時に巨大な後光を放つ。エヴァがサードインパクトを起こした瞬間も頭上に大きな同心円が描かれる。カヲルくんのエヴァMARK.6「劇場版:破」のラストで後光を背負って搭乗したもんだ…。

巨神兵オーマ eva 6-500x500

(マンガ「風の谷のナウシカ」より巨神兵の後光。それとエヴァMARK.6)

法隆寺4

「百済」からの連想で、この法隆寺の境内を囲む白い土壁を見て、韓国・全州(チョンジュ)で見た伝統家屋を思い出してしまった。全州には白い漆喰が綺麗な古い民家群の密集したエリアがある。近所のお寺では韓国のテレビ局が時代劇を撮ってて、エキストラの人たちが民族衣装を着たままで休憩をしていた…楽しい風景だったね。遣隋使〜百済〜斑鳩という文化の伝播ルートに思いを馳せるのでありました。



●さて、奈良の旅のBGMを。

EXPLOSION IN THE SKY「HOW STRANGE, INNOSENCE」

EXPLOSION IN THE SKY「HOW STRANGE, INNOSENCE」2000年

EXPLOSION IN THE SKY「THE EARTH IS NOT A COLD DEAD PLACE」

EXPLOSION IN THE SKY「THE EARTH IS NOT A COLD DEAD PLACE」2003年

EXPLOSION IN THE SKY「ALL OF SUDDEN I MISS EVERYONE」

EXPLOSION IN THE SKY「ALL OF SUDDEN I MISS EVERYONE」2006年
2〜3本のギターがゆらゆらとゆらめいて、静かに淡い陽炎が立ちのぼる。歌詞は全くない。しかし寡黙かといえば否、ギターたちが織り成すレイヤーは優雅で繊細で十分すぎるほど能弁な叙情を響かせる。短くて5分長ければ13分というゆったりとした時間軸で紡がれる音世界は、カタチを定めずに寄せては返す波のようで、夢のように朧げで優しい。沈黙と饒舌の豊かな矛盾が、このバンドを圧倒的にユニークにしている。
●この音楽をジャンルで示すならば。シューゲイザーか。折重なるギターのレイヤーが時として圧倒的なノイズの壁として立ちあがるから。サイケデリックか。バンドの名が示すように、まるで大空が爆発するかのような風景を見せてくれるから。ポストロックか。ポップというには複雑過ぎる構成を楽曲に持たせるから。スロウコアか。ジックリとした動きの中に感情の高まりを盛り込むから。ジャムバンドか。オースティンという土地柄を連想させる人肌の温もりと、人力でしか表現できない叙情を緻密なバンドアンサンブルで紡ぎ上げるから。
歴史都市の中にいて、歴史がナニかを語りかけてくれることはない。この歴史の中でこの場所を生き死に通過していった無名の人々の大きな沈黙があるだけ。その大きな沈黙の中にナニかを聴き取るのは全て想像の力。大きなギターノイズの奔流の中に身を浸して、その音の粒子たちが舞い上がる様子に耳を傾けながら、法隆寺のやや黄みがかった土壁を眺めたり、奈良公園の奥の人気のない雑木林を歩いたりする時。自分自身がその歴史を織り成す無名の沈黙の小さな粒になることに、なぜか不思議な安心感を感じる。


SOUNDTRACK「FRIDAY NIGHT LIGHTS」

SOUNDTRACK「FRIDAY NIGHT LIGHTS」2004年
●叙情的な表現が特徴的な EXPLOSION IN THE SKY は多くの映画やテレビ番組のサントラに使われているという。この映画、邦題「プライド 栄光への絆」のサントラでは14曲中11曲がこのバンドの楽曲。長尺曲の中で表現を全うするこのバンドにあっては、2分程度しかない小品ばかりしか収録されていないが、その深いリバーブに沈むギターの音は実に美しい。その他 BAD CAMPANY、DANIEL LANOIS などが参加。一流プロデューサーとしても有名な DANIEL LANOIS のギターも凛とした美しさを放っている。


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