●むー。ちょっと寝込んでます。
●体調がスゴく悪い。完全に自律神経が痛んでます。左半身のアチコチがオカシクなってる。
●イキナリ気温が下がった事も影響しているのか。

●そんな時は、熱いソウルミュージックから活力を得るしかない。

ARETHA FRANKLIN「LIVE AT FILMORE WEST」

ARETHA FRANKLIN「LIVE AT FILMORE WEST」1971年
「ソウルの女王」ARETHA FRANKLIN 全盛期のライブ盤だ。ボクの持っているCDは2006年に発売された2枚組バージョンで、オリジナルアルバムと、未発表音源を含むもう1枚で構成されてるデラックスエディションだ。発売当時からよく聴いているCDだけど、いつ聴いても新鮮でパワフルだ。今日みたいに元気がない日はちょうどいい。
このアルバムが歴史的に重要視すべき根拠は、その会場とタイミングだ。この音源が収録されたサンフランシスコのライブハウス FILMORE WEST は、BILL GRAHAM という名物店長/プロモーターのもとで、60年代サイケデリックカルチャー/フラワームーブメントの激震地になった場所だ。1968年からは FILMORE EAST という名前のニューヨーク支店も登場(WEST がついたのは EAST 開店からで、それまでは THE FILMORE とか FILMORE AUDITORIUM と呼ばれてた)。この二つの FILMORE で数々の名演がなされ、名音源が収録されてる。FILMORE WEST でプレイしたロックアクトの名を上げると、THE GRATEFUL DEAD、JEFFERSON AIRPLANE、THE DOORS、SANTANA、JANIS JOPLIN、JIMI HENDLIX、THE BYRDS …とビッグネームばかり。THE GRATEFUL DEAD なんて1965〜1969年の間で50回もライブしてるという。イギリスからもわざわざココにやってきたアーティストも多い。CREAM、PINK FROYD、THE WHO、ELTON JOHN などだ。つまり、ココは60年代ロックの最先端であり、当時最も耳の肥えたロックオーディエンスがいる場所であったわけだ。
ここにARETHA FRANKLIN が立つということとはどのような意味があるのか。1967年に ATLANTIC RECORDS に移籍してから R&B世界では圧倒的な立場を確立した彼女だが、果たして最先端ロックの世界にも通用するのか?当時のシスコは世界で最も開明的な場所だったとはいえ、白人向け音楽と黒人向け音楽には大きなギャップがあった時代。そんな場所に挑戦する「ソウルの女王」がココにいる。そして彼女は見事に聴衆の心を掴んだ。
●このコンサートを立案したのは、ARETHA ATLANTIC に移籍させ一流スターに押し上げた名プロデューサー JERRY WEXLER だ。ユダヤ系でありメジャーレーベルの辣腕プロデューサーだった彼は入念にマーケティング戦略を練って、ARETHA が慣れ親しんだバックバンドまでをも改造した上でこのステージに臨ませている。しかし、クレジットを改めて見るとコレがスゴいメンツ。バンドマスターはサックス奏者 KING CURTIS。この男が率いるバンド THE KINGPINS には、ギターに70年代フュージョンシーンで活躍する CORNELL DUPREE、オルガンに THE BEATLES との共演でも有名な BILLY PRESTON、ドラムに BECK にそのプレイがサンプルされ、レアグルーヴ界隈で評価の高い BERNARD PURDIE がいる。マックロケッケの最強な濃厚ファンカー揃いだ。
●コレも JERRY の戦略なのだろう、オリジナルアルバムだけを聴くと、実は白人ロックのカバーばっかりだ。冒頭は自身の代表曲「RESPECT」の高速ファンクで観客を上げまくるが、その後登場するのは、フォークロック STEPHEN STILLS「LOVE THE ONE YOU'RE WITH」、SIMON & GARFUNKEL「BRIDGE OVER TROUBLED WATER」、THE BEATLES「ELEANOR RIGBY」、やはりフォークロック BREAD「MAKE IT WITH YOU」と完全にロックシフトした選曲になってる。しかし、アレンジは手加減ない R&B/ファンクスタイルで、軽く聴いただけでは原曲とは思えないほど ARETHA のテイストに噛み砕かれてる。
●おまけに、最後は RAY CHARLES の登場だ。RAYATLANTIC に所属し JERRY WEXLER と仕事したシンガーだ。ARETHA に興味を持っていた RAY は会場のスミで見ていただけだったが、ARETHA がステージ上から彼を発見し引っ張り上げてしまった。ARETHA にしてみたら RAY は神のような存在で、興奮のあまりなんだかよくワカラナクなってるくらいだが、このCDに収録された20分間に及ぶノーカットのセッションは、ドファンク根性ムキだしのグルーヴがまるまる収録されてる。準備もなくアドリブでバンドを牽引する RAY もスゴいが、物怖じせずに対決する ARETHA もスゴいし、そこで緩急つけてついて行くバンドもスゴい。
●シメは、THE SUPREMES カバー「REACH OUT AND TOUCH」。ファンク血中濃度と体温を優しく下げる展開。やっぱ名盤。
●DISC2の未発表を含んだバージョンは、4曲以外は全部重複している。ソウルシンガー THELMA HOUSTON「MIX-UP GIRL」(作詞作曲は白人アーティスト JIMMY WEBB …個人的には気になってる人)の高速カバー、MARVIN GAYE & TAMMI TERRELL「YOU'RE ALL I NEED TO GET BY」のタメの利いたゴスペルちっくなソウル歌唱がこれまた美味しい。

ARETHA FRANKLIN「RARE UNRELEASED RECORDINGS FROM THE GOLDEN REIGN OF THE QUEEN OF SOUL」

ARETHA FRANKLIN「RARE & UNRELEASED RECORDINGS FROM THE GOLDEN REIGN OF THE QUEEN OF SOUL」1967〜1974年
ARETHA FRANKLIN をもう一枚。1967年に ATLANTIC に移籍してから1980年に別会社 ARISTA に移籍するまでの前半時期に収録された未発表曲、アウトテイク、デモ音源、Bサイド曲をCD二枚分に集めたもの。選曲は前述のプロデューサー JERRY WEXLER だ。ATLANTIC 在籍の前半に偏っているのは、JERRY WEXLER と仕事していた時期に寄っているからだろう。1975年で JERRYWARNER BROS. MUSIC に移籍してしまうからだ。彼はユダヤ系だが、早くからリズム&ブルースの魅力に取り憑かれ、1953年から ATLANTIC RECORDS に関わり、RAY CHARLES、THE DRIFTERS、RUTH BROWN、WILSON PICKET などのシンガーを手掛けている。アラバマの MUSCLE SHOALS STUDIO に早くから注目し、ここのスタジオバンド THE SWAMPERSARETHA をはじめ様々なシンガーを合体させて名盤を作ってきた。このヘンの音源を「アトランティックソウル」とククッちゃうのは一般的なのかな?ATLANTIC はトルコ系の兄弟 AHMET & NESUHI ERTEGUN が起こした会社で50年代ジャズの時代からホントに豊かなアーカイブを備えてる。大スキ。
ARETHAJERRY と組んだ時代の ATLANTIC 盤はだいたい持ってるけど、今はわざわざ聴き比べとかはしない…具合悪いしメンドクサイ。ただ、デモ音源の ARETHA は自分でピアノを弾いていて、これが ROBERTA FRACK みたいでなんとも優雅。バンドがいなくとも当然のごとく説得力のあるソウル/ブルースを聴かせてくれる。
THE BEATLES カバー「THE FOOL ON THE HILL」はキャッチーでカワイらしいアレンジ。R&B版 SERGIO MENDES みたいな感触。実はあの名曲「LET IT BE」 LENNON/MCCARTNEY 「ARETHA のために書きました」とデモを送ってきたモノだったという。ただ ARETHA 本人がそのリリースを渋っているうちに、本家がリリースしてしまったとのこと。1970年の THE BEATLES は崩壊状態〜解散直前で、アルバム「LET IT BE」も寄せ集め音源の性質が強い。
THE SUPREMES カバー「YOU KEEP ME HANGIN' ON」は本家 MOTOWN 風味よりもファンキーでワイルド。FRANK SINATRA「MY WAY」カバーの解釈もソウルフルで痛快。前述ライブ盤でも出てきた「YOU'RE ALL I NEED TO GET BY」が堅実でイイ。名曲「ROCK STEADY」オルタナテイクが収録されてるけど、やっぱコイツはテッパンの痛快ファンク。オルガンは DANNY HATHAWAY だそうな。ベースラインがセクシー!ゴスペル色がグッと濃くなる「I NEED A STRONG MAN」「HEAVENLY FATHER」は初出のようだけど、圧倒的なパワーに大きな神々しさを感じてしまう。
●DISC2の後半は、QUINCY JONES が制作に加わった作品が繋がる。アレンジがより繊細に広がっていくようで、そして ARETHA の歌にも柔らかさと優しさが積みあがっていくようで、本当に癒されるような気持ちになる。こんな音源をお蔵入りにしてたなんて、この QUINCY との仕事はどんなものだったのだろう?彼との仕事の結実であるアルバム「HEY NOW HEY (THE OTHER SIDE OF THE SKY)」1973年は未聴なので今後ゲットしてみたい。




●動画。「SOUL TRAIN」での ARETHA。「ROCK STEADY」!





●動画。ARETHA プレイス・ザ・ピアノ!「BRIDGE OVER TROUBLED WATER」。





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