息子ノマドと「宇宙戦艦ヤマト」。
●ノマド小学6年生が合奏の授業で「宇宙戦艦ヤマト」のテーマを演奏するらしい。ささきいさお氏の猛々しいボーカルのアレですよ。コレ50歳代のオジサン先生の選曲。先生ご本人にとっては「アニメのテーマに子どもはきっと大喜びするだろう」みたいな目算もあったようで。でもコレダメ。子どもをなめちゃイケナイ。
今の21世紀少年少女が「宇宙戦艦ヤマト」を知っているはずがない!当然「ナニソレ?ヤマトって?」「クロネコヤマトじゃねーの!?」シラケたリアクションである。そもそも今のキッズは「ガンダム」はおろか「エヴァ」も知らねえよ。ウチの子は全部見せてるからそのヘンの教養は備わってるけど。
●先生、必死に説明するも、まず戦中に実在した連合艦隊旗艦・大和を子どもは知らないから全然理解が進まない。そこでしょうがないから、授業を二時間つぶして「ヤマト」のアニメ映画を見せたらしい。そしたら男子にバカ受け。
●ということで、本来なら音楽になんて1ミリも興味がないノマドが、毎日のようにピアニカで「ヤマト」のテーマを演奏するようになった。ホドホドにド下手な案配が、ボクには素朴なレゲエで聴こえるピアニカ演奏みたいで案外悪くなくて。ノマドよ、春休みになったら「ヤマト」シリーズまとめてレンタルして一気見しようか。「ヤマト」は70年代すぎてパパもリアルタイムじゃないんでね。

宇宙戦艦ヤマト 劇場版

●さて、一番最初に見るのはコイツかな?「ヤマト」はバリエーションが多過ぎてよくワカンナイ。



一方で、娘ヒヨコは「ざわわ」
●ヒヨコ小学5年生は、友達がハナウタで歌ってた曲が気になるらしい…「ざわわ、ざわわ、ざわわ」
●なんだそれ。カイジの「ざわ…ざわ…ざわわ…、」じゃないの?
●ヒヨコ「うーん。サトウキビのウタらしい」…いやいや、それ、サトウキビの歌じゃなくて「さとうきび畑」の歌だろう。森山良子の。で早速聴かせた。そもそもでヒヨコは、サトウキビ現物を見たコトがないから(トウモロコシ畑に似た印象はあるっぽい)、背が高くて葉を広げるサトウキビの画像をネットで見せて、これが畑で育ってたらザワザワいうよなーなんて話をした。
「じゃあ、静かにざわわしてただけのトコロに、戦争がやってきたの?」とヒヨコ。沖縄県民の三分の一の人が死んでしまったよ。今も畑は静かにざわわしてるだけだけど、サトウキビが立派に育つ夏になると悲しい思い出がよみがえるって歌だよ。
さとうきび畑


●で、最近コレがアタル。
●ノマドが「ヤマト」の歌を歌って、ヒヨコが「ざわわ」の歌を歌う。勝手気ままにダブルで歌うので、ウルサい。2人いっぺんに歌うのはヤメてもらいたい。
●そもそも微妙なトコロでこの二つの歌はベクトルが逆方向だ。実在の戦艦大和は沖縄への特攻作戦に投入される途中で沈没された艦だ。もし沖縄に大和が到達したトコロで戦況はよくなっただろうか?「さとうきび畑」が歌う「鉄の雨」をより強くするだけだったのでは。「宇宙戦艦ヤマト」は関係ない話だが、気にはなる。


●辺野古基地移設問題をめぐる、地元・名護市市長選挙は、反対派の現職が勝利したそうな。
●今後の基地問題の推移について特に思う事には言及しない。が、市長選に関わるようなオジサンが祝勝の気持ちをカチャーシーを踊ることで表現する様子をテレビで見て、その動きがとてもスマートに洗練されててカッコいいと思った。沖縄にはしっかりダンスカルチャーが染み込んでいるんだ。



戦争をめぐる、今日マチ子の作品。

今日マチ子「COCOON」

今日マチ子「COCOON」
●沖縄の激戦に、看護学生として関わる少女たちの運命を、細い輪郭と淡い水彩の着色、そして独特の叙情性で繊細に描く、優しくも苛烈な物語。帯コメは「憧れも、初戀も、爆撃も、死も。」

●若く幼い少女はその限られた見地の中、自分の置かれた境遇から、想像力の膜で自分を護る。細く優しい糸で繭を作って身を隠す。主人公の無邪気さは少女特有の潔癖と自己中心主義だけど、そのフィルターがなければこの地獄で正気を保つコトはできない。ガマ(=天然洞窟の避難壕)の中に設けられた野戦病院に担ぎ込まれるボロボロの兵士たちを、主人公は暗示で「白い影法師」にしてしまう。それで初めてモギ取れた手足やはみ出た臓物、傷口にわくウジに立ち向かうことができる。次々にガマの中で死ぬ兵士や友人たちを看取り、激しい火線を縫って、くだけた自決死体を乗り越えていく。
想像力の膜がどれほどのモノか?いや、少女たちにはソレしかなかったまで。情報も思想も覚悟も使命もなかったまで。一方、思想や覚悟や使命感が、狂気に結びついてさらに陰惨な悲劇を生み出したのは、歴史が示している事実。

今日マチ子さんは自身のブログで「いちご戦争」というイラスト連載を公開している。
「今日マチ子のセンネン画報」…「いちご戦争」http://juicyfruit.exblog.jp/i10/
●無数の少女兵隊が、大きないちごやスプーンで終わりのない戦争をしている。戦争というこの世で一番ニガいものを、一番アマいもので包んでしまおうとしているかのような行為。時にチャーミングで時にユーモラス。モレスキンの手帖に毎日描きつけている手触り感も、親しみやすい。もう一年ばかり、ボクはこのブログで連作を追っかけている。
●ただ、彼女の中で、ここ数年「戦争」という問題が大きくのしかかっていることだけはマチガイないだろう。ナニかの決着や結論を見つけようとしているのかは、よくわからないのだけれども。


今日マチ子「アノネ、」上下

今日マチ子「アノネ、」上下巻
●娘ヒヨコが学校の課題「わたしのオススメの本」梅佳代の写真集を選んできて、オモロいの見つけたなーなんてボクがマヌケに感心してた時、ヒヨコのクラスメイト数人は「アンネの日記」を提案していたという…えーそんなタフな課題だったの?みんな、アンネ・フランクなんて読めるの?うちのヒヨコは無理だよ、字のない写真集選んじゃうよ。…というか、大変恥ずかしい、ボク自身も「アンネの日記」は未読だ。うわ、完全スルーだったな…子供の頃は、女の子の読むモノ、みたいな先入観を抱いてた…。

●で、この作品はそんな「アンネの日記」にインスパイアされた作品。
「アンネ」「アノネ、」に組み替えて、主人公の少女が日記の冒頭ににしるす「あのね、」という言葉へつなげていく。ウチの娘ヒヨコも、一日に起こった楽しい出来事をいっぱい伝えたいあまりに、かえって言葉がツカエル時には何回も「あのね、あのね、」と繰り返す。そんな明るい主人公は、独裁者の人種差別政策から逃れるため屋根裏部屋に隠れ住み、そして逮捕の末、強制収容所に連行され、そして最後に命を落す。
日記に自分の世界を物語り、ファンタジーを身にまとうことで、主人公・花子は悲壮感から自由になれる。世界は自分を中心に巡っている。どんな境遇にも明るさを見出せる。それが彼女の無邪気な自衛手段。正気であれば持ち堪えられない現実を乗り越える、仄かに甘い狂気。日記を書けなくなった強制収容所でも、彼女は明るくふるまった。アンネ・フランクが日記に記せなかった強制収容所の様子にも、作家の筆は踏み込んでいく。巨大な狂気と死の工場の中に。

●そしてもう一つの軸。独裁者・太郎と、主人公・花子の、非現実な心の交感。角砂糖のような空間で出会う、2人の少年少女。独裁者の中の少年は、少女に救いを求める…自分が殺そうとしている少女に。戦争という過酷過ぎるファンタジーと思春期の少女が抱くファンタジーの入れ子構造の、最奥部にある奇妙なファンタジー。
●作者あとがきを引用する…「歴史の中にとじこめられてしまった少年と少女を もういちど、夢の中で解放することはできないだろうか。」作家・今日マチ子の淡い幻視が、あまりに儚くて、美しい。

●この作品は、明らかに第二次大戦のヨーロッパ戦線とナチスドイツをモデルとしながら、そんな具体名詞はほぼ使われていない。登場人物は誰しもがフツウの日本人の名前を持っていて、迫害されるユダヤ人は「東方系」とされている。フツウの日本名を持ち、容姿にも区別がない人々を分割し、差別と虐殺を行うこの作品世界は、ヘイトスピーチが跋扈し右派運動家が世にはばかる今の日本を、思った以上にダイレクトに連想させる。それが、あまりに優しく柔らかく表現されているところが、奇妙な不気味さを漂わせている。





●音楽。ブリットポップの遺伝子。

PEACE「IN LOVE」

PEACE「IN LOVE」2013年
●全く言語化できないレベルの感覚でしかないのだけれども、ファンクを構成する分子みたいなものがあったり、楽曲をヒップホップ足らしめる条件要素があったりとかして、それをタップリ含んだ音楽は優れたものになるとボクは思っています。
●そして、それは UK ロック、ブリットポップにも当てはまるはずで。非言語レベルでイギリス由来の独自のエッセンスがある。アメリカンロックではなく、ブリティッシュロック。そんで、そのブリット性がビックリするほど匂い立つと感じた新進バンドが彼ら PEACE。ソニーの音楽配信サービス MUSIC UNLIMITED を利用してた時に発見し、結局CDでも入手してしまった…下北沢ユニオンにて500円。

●どのくらいのタマに成長するかは、デビューアルバムのコレから以降だけど、少々の大味さ加減は OASIS の気分だし、少々のファンクネス/ダンスグルーヴはマッドチェスターを連想させる。ギターのセクシーなエコーエフェクトも数々のブリットバンドと同じ気分。様々なクリシェのパッチワークといってしまったらオシマイ。でも、好物は好物。

●それにしても、直球過ぎるバンド名とタイトル。SEO対策としちゃ不利じゃないの?



●PEACE「FOLLOW BABY」



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