●先日、水戸に出張しまして。水戸ってなかなかイカナイ場所だよね…人生で二回目。
●で、その帰りに大洗まで寄り道して、アンコウ鍋を食べました。

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アンコウを食べるのは生まれて初めて。
大洗のアンコウ鍋は本場ということで、他ではナカナカにレアという「どぶ汁」というスタイルでいただいた。アンコウのキモをおナベでしっかり炒めてペースト状にした上で、そこから滲み出たアブラとともに、スープに加える濃厚な食べ方。味噌も加えてツユは茶色になる。そこにボリュームタップリのアンコウの身、エラ、ヒレ、卵巣、ゼラチン質の皮までが入ってグツグツ。いやーおいしーわ。シメのおじやも美味しかった。オナカイッパイ。


●グルメな先輩に連れられるままにやってきた、この茨城県・大洗という町。
実はアニメが観光の目玉らしい。よく知らなかったんだけどね。

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●街を見下ろす大洗マリンタワーに登ってみた…入場料320円。
●太平洋に面した港町。北海道まで行ってしまうフェリー「さんふらわあ号」があったり、アウトレットモールが見えたり。なぜか、明太子のテーマパーク「めんたいパーク大洗」なんて場所もある。屋根の上に大きな明太子がのっかってて目立つ。

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●そんで、なぜか実にアニメな女の子のパネルがある。「ガールズ&パンツァー」。この子たちのパネルやのぼりが、大洗には町中にある。水戸からこの町に続く鹿島臨海鉄道も、車両がこのキャラクターに完全ラッピングされてる。大洗の駅にはお土産屋さんにこのアニメのグッズがたくさんあって。で、しょうがないから「鹿島臨海鉄道&4号戦車」ミニミニプラモデル(2100円)まで勢いで購入してしまったよ。

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●でもさ、このアニメ、ボク見た事ないのよ。さっそくネット動画配信「U-NEXT」で第一話だけ見てみた。
●アニメ「ガールズ&パンツァー」。華道や茶道と同じように、女子のたしなみとして「戦車道」なるものがある世界。第二次世界大戦時の戦車を駆って、女子高生が戦車で互いに戦うという設定。ゴツいビンテージミリタリーとゆるふわな萌え女子の違和感がなんとも言えない気分。ここで凸凹なキャラを持つ女の子たちがチームワークを育てて行くお話らしい。

ガールズ&パンツァー

●で、このアニメの舞台が、大洗町らしい。彼女たちが通う「県立大洗女子学園」は、周辺の住宅地まるごとがなんと大きな空母の上にある設定で、大洗港がこの空母の主な寄港地なのらしい。
なんで大洗なの?ってのは、バンダイビジュアルのプロデューサー杉山潔さんの思い入れらしい。大阪出身ながら筑波大学に通った杉山さんはすっかり茨城県のトリコとなり、今の自宅も牛久、ビーチや水族館もある大洗には家族を連れて頻繁に訪れてたらしい。舞台を地方都市にしようということになった段階で、大洗町を提案。監督もすぐに現地視察して気に入ってくれたという。
大洗は、東日本大震災で大きな津波被害に遭った土地。しかし、被災三県という言い方が定着しつつあるけど、茨城県はそこから取りこぼされてる。ボク自身もアンコウ鍋のお店で311の話を聞かなければスルーしてしまっていただろう。そんな中、この町は復興に向けて知恵を絞り、このアニメを足がかりに様々な企画を打ち出してる。WIKIに出てるだけでも、様々な地域のお祭りで自衛隊戦車の展示を行ったり出演声優さんを招いたりしている。グッズも豊富で記念乗車券や特別住民票を発行するなど機動力ある施策を次々に打ち出してる。アンコウ鍋のオバちゃんもタクシー運転手さんもみんなアニメのカンバッジをつけてたもんね。
●北海道のある町は、村上春樹の作品に取り上げられたコトに抗議して作家に町の名前を修正させてしまった…世界的な知名度を持つ作家の作品に取り上げられる事の意味がよくわかっていないって残念だね…たぶん村上春樹を読んだコトがなかったんだろうね。



「先輩ROCKYOU」というトーク番組に加藤ミリヤがでてた。

「先輩ROCKYOU」というトーク番組に加藤ミリヤがでてた。

●ナニゲに、ウタを歌わないトークだけのテレビ出演ってのが初めてらしい。しかもこの番組に出たい!という本人発の希望。へー。確かにこの番組、けっこうマニアックなキャスティングで実際オモシロいんだよね。ミュージシャンも結構出てるしさ。

●そこで、彼女の楽器を使わないプロデュース・ワークがユニークに紹介されてた。
●まずは、楽曲のコンセプトになる「企画書」を作成するとな。メッセージの骨格や狙いをメモにして、歌詞のヒントにする。時にはプロモーションのアイディアまで書き込んで。そこから歌詞まで仕上がったら、スタジオに入ってトラックメイカーとオケの作成。楽曲の輪郭とアレンジを詰めるが、メロディはここでは手をつけない。そして自宅に戻って、何度もオケを聴いて。そんでMACを手元に近づけて。MAC のマイクに向かって。ドンといきなり歌ってみる。何回か歌って、メロディを極める。コレをデモにしてレコーディング。
●つーか、これ、完全にヒップホップソウルじゃん。トラック先行で、シンガーが後からメロディを乗せる。TIMBALAND などはトラックはいくらでも作れるけど自分じゃウタメロは作れないというし。そしてシンガーは、楽器も楽譜も介さずにメロディを編み出す。へー。と感心した。

だから、加藤ミリヤの音楽を聴く。

加藤ミリヤ「BEST DESTINY」

加藤ミリヤ「BEST DESTINY」2004-2008年
彼女のベスト盤なんだけど、ユニークなのはサンプリングを駆使した選曲になってること。彼女のヒップホップ的側面を強調する作りになってるんだよね。「19 MEMORIES」安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」1996年をガッツリ大ネタ使いした曲だし、「ジョウネツ」 UA「情熱」1996年をガッツリサンプルしている。BUDDHA BRAND「人間発電所」1996年を使った曲も二つ…1996年ばっかじゃないか!88年生まれのミリヤ本人はまだ10歳にもなってないよ?反対に1996年が当たり年ってことか?ボクの世代としては SHANICE「I LOVE YOUR SMILE」1991年がちょっと甘酸っぱい。RIP SLYME「ONE」2001年もイイ選曲だなあ。「FUTURECHECKA FEAT. SIMON, COMA-CHI & TARO SOUL」 ZEEBRA 兄さんの「PARTEECHECKA」のアンサーソングという位置づけ。ZEEBRA 兄さんもこの曲はお気に入りで「DANCEHALL CHECKER (LONG MIX)」と改題したレゲエ風バージョンでは、PUSHIM、BOY-KEN、YOU THE ROCK★、TWIGY、SUGAR SOUL、SHIBA-YANKEE、DEV LARGE、RINO を客演に召喚。豪華過ぎる。ミリヤちゃんバージョンは新世代版ということだね。

加藤ミリヤ「TOKYO STAR」

加藤ミリヤ「TOKYO STAR」2008年
●現役高校生としてデビューした彼女、この3枚目のアルバムの段階でもまだハタチになってなかった…。安室サンプル「19 MEMORIES」「FUTURECHECKA」を収録した作品で、ヨハン・パッヘルベル「カノン」のフレーズをざっくり拝借アレンジした「LOVE IS...」も有名。ヒップホップソウルアプローチはこのあたりで完成したのか、同年リリースの「BEST DESTINY」リリースでサンプル大ネタ使いは封印したという。若旦那 FROM 湘南乃風 をフィーチャーしたシングル「LALALA」ではトラックメイキングを奥サマ MINMI が担当。ただし、ソレ以外の楽曲はサンプルネタ/客演由来のクレジット以外は全て詞曲ともに全部本人が担ってる。早熟!

加藤ミリヤ「RING」

加藤ミリヤ「RING」2009年
加藤ミリヤ×清水翔太名義のヒット曲「LOVE FOREVER」が個人的にはよく耳に馴染んでいた音源。清水翔太×加藤ミリヤ名義のアンサーソング「FOREVER LOVE」もよく聴いた。音楽的には、ヒップホップテイストよりもハウシーな四ツ打ち感覚が目立つようになってきた頃。後発の西野カナがこの年にファーストアルバムを発表、「ケータイ系」「ギャル歌謡」などの言葉でこのあたりのシンガーがくくられる状況ができる。「ケータイ系」って…「着うた」の時代ってコトだね。まさかスマートフォンの登場でこの市場が溶解してしまうとは思わなかったな。大過去じゃないのに、もはや懐かしい。


●ガラケーと音楽。2008年、2009年は、着うた/着うたフルの時代。

青山テルマ「DIARY」

青山テルマ「DIARY」2008年
加藤ミリヤの最初のベストと青山テルマのこの出世作が2008年で、西野カナ2009年にアルバムデビュー。「ケータイ系」「ギャル歌謡」と言われたクリエイティヴがこの時期で一つの臨界点を迎えてたってのは覚えていてイイ気がする。着うた/着うたフルの累計有料ダウンロード数が10億回を超えたのが2008年。単年の市場規模としても着うた/着うたフルが最高潮だったのが2008年と2009年だ。2012年段階でこのピークから市場規模は半分になってしまう。ここが音楽の聴かれ方に携帯電話が大きく関わった時代。ボク自身は結局ガラケーで着うたフルを購入する事はなかった…他の媒体で聴けないってのがどうも馴染めなくて。MP3には抵抗がなくなってたけど、着うたはダメだった。
テルマちゃんの代表作である「そばにいるね FEAT. SOULJA」2008年上半期の着うた系ランキング6部門で一位を獲得してる。圧倒的なケータイからの支持だ。ジャケに写る白いヘッドホンが渋谷で流行なんて話題もあったが、携帯電話で彼女の音楽を聴くにはヘッドホンが前提、という意味でも暗示的だ。ちなみに2008年、2009年のスマホ契約比率は5%に満たない。世間はガラケー一色だった。

彼女の音楽がケータイ/ガラケーというメディアに、どのように相性がよかったのか?「そばにいるね」は、スローテンポのヒップホップソウルで、内省的に抑制されたウィスパーボーカルが特徴的な曲。複数人でラウドに聴くための音楽というよりは、ただ一人ヘッドホンで孤独に向き合って聴く音楽だ。「あなたのこと私は今でも思い続けているよ 〜 心の中ではいつでも一緒にいるけど寂しいんだよ」ケータイそのものもリリックに出て来る。「あなたからの電話待ち続けていた 携帯にぎりしめながら眠りについた」しかし、ただ音響の形態がケータイに向いていただけではない。
携帯電話は、音声通話だけのツールではない…メールによるテキスト交換のツールだ。携帯をにぎりしめた少女たちは、テンキーを巧みに操作しながら、自分の思いをどうやって相手に伝えたらイイのか、悩ましい夜を幾晩も乗り越えたに違いない。そんなに長文を送れない(送ったらなんかヒカれそう)という意味でも、和歌という31文字フォーマットで男性に想いを伝えた平安貴族の女性と同じ感覚だったと思う。「そばにいるね」のリリックは、そんな少女たちの本心を代弁したに違いない。この曲の歌詞はある意味直球すぎてメールにしたら「重過ぎる」ので、こんな内容は結局送信されず終いだったろうが、本当だったら送信してしまいたかった純度の高い本音がこの歌詞に結晶していたのだと思う。その意味でケータイ世代の内面をキチンと写し取っていたに違いない。そんな風にボクはこの音楽を聴く。


●関係ないけど、最近はカタカナ混じりの名前が多いよね。

黒木メイサ「ATTITUDE」

黒木メイサ「ATTITUDE」2010年
加藤ミリヤ、西野カナ、青山テルマ、ってみんな下の名前がカタカナだよね。沖縄出身のハーフである黒木メイサさんも英語由来の名前だからカタカナなのかな?ドーキンズ英里奈とかトリンドル玲奈とかダレノガレ明美とか、最近のトレンドは名字がカタカナが主流のアプローチみたいだけど。
●さて、女優が本業の彼女だけれども、音楽活動もやってる。ベートーベンの第五番をサンプルしたシングル「SHOCK -運命-」がキッチュに聴こえて気になってしまった。その後にリリースされたミニアルバムがコレ。フューチャリスティックな硬質アレンジに、彼女のクールな声が絡む。まーそれだけだけど。




●動画。



●加藤ミリヤ「19 MEMORIES」。安室奈美恵の「SWEET 19 BLUES」を大ネタ使い。サンプル元の安室奈美恵自身が今だにシーンに君臨しているトコロがスゴい。安室ちゃんは日本の MARY J. BLIGE か。



●加藤ミリヤ×清水翔太「LOVE FOREVER」。オーセンティックなヒップホップソウルから、軸足をハウシーな感覚に移行した段階。カラオケ男女デュエットとしても高機能。



●青山テルマ「そばにいるね FEAT. SOULJA」。この粘着質な女性の怨念が「ギャル歌謡」または「ギャル演歌」などと呼ばれる所以だと思う。でもアルバムを通して聴くと爽快で外向的な R&B がタップリなんだけどね。



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