●先週は、徹夜勤務なぞが2日もあって、もうクタクタ。
●土曜も仕事で、リズムが狂うわ。風邪ひきそうだよ。



●さて、今日は80年代の TINA TURNER を聴いている。
80年代のファンクやR&B表現って、90年代のヒップホップ革命でスッパリとその成果が歴史的に断絶されてる。が故にこうして聴き直してみると、スゴく珍しく思えてオモシロい。

TINA TURNER「PRIVATE DANCER」

TINA TURNER「PRIVATE DANCER」1984年
●仕事で立ち寄った赤坂で、まだ十代だった頃から好きでよく食べているラーメン屋さん「赤坂らーめん」に立ち寄って夕飯を食った。このお店は歴史が古い上に赤坂のテレビ局 TBS に近いもんだから、芸能人のサインがたくさんお店のカベ一面に貼ってある…のだが、芸能人のサインってソレだけだと誰のサインだか全然わからないし、そもそもそんなモノにご利益なんて感じた事がないもんだから、長く通いながらも特に気に留めた事がなかった。
●ただ、先日立ち寄って、ラーメンが出されるのをボケーッと待ってたら、1枚のサインが突然目に入って、そんで驚いた。その1枚だけは色紙じゃなくて、モノクロの写真に直接本人のサインが書かれてるもので…しかも、それが日本人タレントではなく…アメリカの女性シンガー、TINA TURNER のモノだったのだ。はー!このラーメン屋、TINA TURNER も来たのか!すげえなあ。

TINA TURNER の芸歴は長く、その最初は1950年代中頃まで遡る。その後の夫になる IKE TURNER のバンドに加わり、1960年代には数々のR&Bヒットを繰り出す。1965年の「RIVER DEEP - MOUNTAIN HIGH」はポップの奇才 PHIL SPECTOR がプロデュース。PHIL のキャリアにとっても重要な傑作として大ヒット。そのワイルドなボーカルがロック界からも注目を浴びるようになる。しかし、その影では夫 IKE による常習的なドメスティックバイオレンスに苦しめられる…あまりの仕打ちに自殺未遂をしたことも。1976年にとうとう TINA IKE の下から脱出、そのまま離婚に至る。このへんの顛末は、彼女の自伝映画「ティナ」に詳しいので一度ご覧いただきたい。

●で、このアルバムが彼女にとっての第二の黄金期のキッカケとなったアルバムだ。IKE との離婚からキャリアを立て直す事が出来ないままでいた TINA が完全復活を遂げた作品。ボクにとって特筆すべき点は、このアルバムが彼女の持ち味だったR&Bというより、見事なロックテイストで味付けされてるコトだ。つーか、この時代はある意味でロックとソウルが接近しまくってた時期と見ればイイのか?MICHAEL JACKSON「THRILLER」「BAD」の間の時代だからね。タイトでジャストなファンクネスは80年代ディスコ気分、カラリと湿度を抜いた感覚がとってもアメリカン。元来からハードシャウターな TINA なので、ロックビートとも相性ヨシ。表題曲「PRIVATE DANCER」 DIRE STRAITS の中心人物 MARK KNOPPLER が提供したAOR風味の曲。そして DAVID BOWIE「1984」という曲をエレポップ風にカバー。さらには2曲で JEFF BECK が参加している。ボクの持ってるLPレコードには収録されてないが、CDには THE BEATLES「HELP」のカバーも入ってるという。
●ボクが聴きたかったのは、映画「TINA」のラストでも流れた彼女の復活ヒットシングル「WHAT'S LOVE GOT TO DO WITH IT」。邦題「愛の魔力」。ミドルテンポの80年代グルーヴの中で TINA が愛情の軋みを唸る。90年代以降の音楽/ヒップホップソウルに馴染みきったボクの感覚には、むしろコレが異次元の音楽のように新鮮に聴こえる。このアルバムで、TINA はソウルの名曲を80年代風にアレンジカバーしてる。ANN PEEBLES「I CAN'T STAND THE RAIN」1973年のヒットだ。MISSY ELIOTT もサンプルしたサザンソウルの名曲のジットリした湿度を大胆に解釈してピコピコさせてる。AL GREEN「LET'S GET TOGETHER」1971年もカバー。原曲の持つスウィートなスムースさに少々バタ臭い80年代解釈を施して、正直ちょっぴり違和感があるんだけど、TINA の歌いこなしはある意味で原典に忠実でイイ感じ。

TINA TURNER「TINA LIVE IN EUROPE」

TINA TURNER「TINA LIVE IN EUROPE」1988年
TINA の1985〜1987年のライブパフォーマンスをLP二枚にコンパイルした内容。コレがやっぱりロック濃度が高くて。そもそも彼女の80年代の復活劇は、それまでの長いキャリアで培ってきたロック人脈に支えられたモノだったようで。IKE AND TINA TURNER 時代から、THE ROLLING STONESDAVED BOWIE、その他様々なロック系ミュージシャンとステージを共にしてきた縁と彼らからのリスペクトが、キビシい境遇から彼女を引き上げた。ROD STEWART「HOT LEGS」のデュエット相手に彼女を指名してツアーの前座にも使ってるし、THE STONES は三回のショーで彼女をオープニングアクトに抜擢してる。DAVID BOWIE の口利きでシングル契約をゲットしたりもしたそうだ。ココ、イイ話だね。特にイギリス系のアーティストと相性がいいみたいだね。このアルバムもヨーロッパでのライブで構成されてるもんね。

●このアルバムではそんな豪華なロック系アーティストのゲストも数々登場する。DAVID BOWIE 本人と一緒に彼の曲を二曲もカバー。「TONIGHT」「LET'S DANCE」だ。あ、「TONIGHT」は元から BOWIE TINA のデュエット曲だったっけ。「LET'S DANCE」は軽妙な R&B 風に始まったと思ったら、グッとタメを作ってあの80年代ディスコファンクに真っ直ぐ着地する。端正なダンディズムと TINA の野性味がうまく入り交じる。ERIC CLAPTON も彼女とのデュエット曲を披露。「TEARING US APART」。さらにはBRYAN ADAMS も見参。やはり彼女とのデュエット曲「IT'S ONLY LOVE」を披露。ギターが弾けるこのへんの曲は完全にロックだけどね。
THE BEATLES「HELP」はブラックコンテンポラリーなスローバラードに変換してカバー。この超有名ポップソングのリリックが持つ元来の泣きの要素を思いきり増幅して、実にゆったりと、エモーショナルかつソウルフルに熱唱する。
●古典ソウルもいくつか炸裂している。WILSON PICKETT「LAND OF 1000 DANCES」「634-5789」「IN THE MIDNIGHT HOUR」。ボクにとっては、時期が近い1986年リリースの RCサクセション「THE TEARS OF A CLOWN」の一曲目でブチ鳴らされる「IN THE MIDNIGHT HOUR」ライブ版とアレンジが似てて、そのシンクロに楽しくなる。自分の70年代レパートリーも披露。CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL の超有名カバー「ROUND MARY」に、73年のシングル「NUTBUSH CITY LIMITS」。このヘンはストレートにR&B〜ファンク。80年代に登場した黒人ブルースギタリスト ROBERT CLAY との共演も良い。

●現在、もう70歳を超えた TINA はスイスに移住し市民権を獲得。去年は16歳年下の音楽プロデューサーと結婚してニュースになった。ステージからは遠ざかったけど、悠々自適の暮らしを送ってるらしい。それと、彼女は仏教徒、しかも日蓮宗の信仰者だそうで。英語の WIKI に BUDDHIST CHANTS として「NAM MYOHO RENGE KYO」って言葉が紹介されてる。



●動画。



●「WHAT'S LOVE GOT TO DO WITH IT」。
●このたてがみみたいな髪の毛もスゴかったよね。「WE ARE THE WORLD」に参加したメンバーの中でもすごく目立ってたし。映画「マッドマックス/サンダードーム」に出た時も、世紀末設定に何の違和感もなく入り込んでたもんね。



●「TEARING US APART」。
●ERIC CLAPTON とのガチ勝負。パワフルだわ。あれ?MARK KNOPPLER も一緒にいるのか?

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