我が家に新しい制度ができました。
「本なら、文庫だろうとマンガだろうと、全てパパが金を出すから無限に買ってヨシ!」
●ボクがウチのコドモ2人に宣言。これまた極端なポリシーですわ…自分でもそう思う。

●この制度の目的。
中学生になった長男ノマドは、一個人として思想的立場を組立て始める段階に差し掛かった。つまり、その自分の中身を構成するパーツを、滋養としてかき集め吸収しなくてはならない。自分の生きる時代、社会、流行を周囲からかぎ取り、何者にアイデンティファイするのか選択する必要がある。例えばそれはスポーツを通じて獲得されるモノかもしれない。メンターとなる友人や先輩との出会いかもしれない。このへんは、もう本人次第の領域だ。学費は出すから勝手にやれ。
一方で、親としてナニかを供給してやりたい。その時、便利なのは書物だ。
●まーコレはボクの思春期の経験に根差した感覚でしかないけど。ボク自身は高校3年間で文庫本だけで300冊は読んだ。マンガも浴びるほど読んだ…足が棒になるまでコンビニで立ち読みし続けた。出来るだけ安く本を買うためにイロイロな古本屋に通った。オカネがなくてどうしても読めない本があったりして悔しい思いもした。正直、万引き寸前のトコロまでさまようほどだった。ロックンロールに出会ってハマり込んだのもこの頃だし、ロックが鳴らされる時代背景と、その時には有効と思えたロックの反抗文化としての性質を、読書によって理論化することができた。で、40歳になった今でもオトナゲのナイ音楽を聴き続けている。
●結果として、長男ノマドには、オカネの心配を考えないフリー状態であらゆる本にアクセスする環境を用意することにした。万引きはさせない。具体的な手続きとしては、本はノマド自身が探して選んで買ってくる。ヤツがレシートを持ってきたら、ボクがそれを換金する。Amazonを利用するのはアリ。ただし書名をボクに指定するコト。自分で調べて「この本が欲しい」と申告すること。

●そして、もう一つルールがある。「父親であるボクがオカネを出しているのだから、ボクはその本を自由に読むことができる」つまり、息子ノマドがどんな本を選んでいるのか、親として監督する回路を残した。いくらでも買ってやると言っても、内容に無関心というわけじゃない。ヤツがナニを選びナニをクールと思うか?むしろ興味津々だ。そこはキチンと注視したい。あんまりヘンテコな方向に行くならソレナリの対処を準備したい。どうしてもボクに読んで欲しくないモノがあるならそれは自分のオトシダマで買え。ここらへんはスケベな本をコッソリ買う余地とする…そこはカンベンしてやろう。


●でもね、これで本を読む量が急激に増えるとは思ってなかったのよ。
そしたら当てがハズレタ。
●今までは読書の習慣があまりなかったノマド。だから「いくらでも買ってやる」なんていってもたかが知れてると思ってたのよ。ところがドッコイ、思った以上に本の購入量がスゴい!どうやら早速新しい学校の仲間に感化されたのか、制度施行から二か月が経過した今ですでに30冊以上も買いやがった。しかもマンガを読むかのスピードでパッと読みやがる。「パパ、レシート。オカネちょうだい」そんでカネを渡すと「ありっす!」ナニその省略形のありがとうは。こんなに読書に夢中になるとは思ってなかったよ。


でさ、ナニ読んでるのかといえば、ライトノベルだよ。
しかも、ボカロ小説だよ!

じん(自然の敵P)「カゲロウデイズ」I 〜 V

じん(自然の敵P)「カゲロウデイズ」I 〜 V
著者であるじん(自然の敵P)は、2011年からニコニコ動画でボカロ楽曲を公開している人物。その楽曲世界をより膨らませた形として、シリーズ小説を執筆。代表曲「カゲロウデイズ」を中心に、楽曲、小説、マンガ、アニメとメディア越境して拡散する一連のコンテンツ制作は「カゲロウプロジェクト」と呼ばれ今なお進行中。小説は五巻まで出るもまだ物語は終わらない。じんは1990年生まれの23歳、現在TBS深夜で放送中のアニメ「メカクシティアクターズ」でも全話の脚本を担当。その早熟っぷりマルチっぷりを見せつけている。

●この「カゲロウデイズ」に一番最初に目をつけたのは、実はノマドの妹ヒヨコだ。小学六年生のヒヨコはクラスメートからオススメされてニコ動をチェック(というか「パパ、カゲロウデイズ検索してー」と言ってきた)。そうかーイマドキの小学六年生はボカロを聴くのかー。そんでボクが文庫本の第一巻を買ってきた。
●そしたら、ノマドがハマった。ノマドの周辺でも「カゲロウデイズ」はホットだったようで。アニメ放送開始のタイミングも重なって、そこからは一気読み。マンガ版もアンソロジー版までも全部制覇。スマホの YouTube で関連楽曲を検索してベッドの中ヘッドホンで聴きまくっている。フンフンハナウタまで歌うからちょっと気持ち悪い。おまえ、今までは無意識に歌を歌っちゃうキャラじゃなかったよな…変わったなー中学に上がってから。

●さて、どれほどのオモシロさなのよ、ということでボクも「カゲロウデイズ」を読み始めた。
●ルール「カネを出してるパパも読む」は周知されてたはずだが、ノマドはマジでボクがコレを読むとは思ってなかったようで、宝物を奪われるような顔をしやがった。ただし、ボクが読み進めて登場人物についてアレコレ話題に出すと、ちょっと楽しそうな顔をみせるようになった。
●ぶっちゃけると、やっぱり大人になっちゃったボクには物足りない感じはある。奇妙な因果で特殊な能力を身につけてしまった少年少女の出会いや葛藤を、イマドキっぽい軽妙な会話を繋ぎ合わせて少々冗長に語っていく内容。この特殊能力が、「中二病」文脈でいう「異能力者」「魔眼」「邪眼」って言われるヤツなのかな?
●ただし、登場人物たちは皆一様に、コミュニケーションに不器用で、孤独を持て余していたり、友情にギクシャクしていたり、トラウマを引きずっていたり。全身がコミュニケーションの擦過傷でカサカサになってしまっているようだ。これがアメコミ「スパイダーマン」なら身につけた特殊能力を正義の行使に役立てるトコロだが、カゲロウデイズの面々はその能力を持て余すだけでなく、個人の葛藤やトラウマ解消に役立てる以上のビジョンを持たない。全てがスモールサークルの内側に潜り込んでいくような感覚。これが今の日本の若者のリアルなのか?なぜそこまでイジケナケレバナラナイのか、その理由は確かに巻を重ねるゴトにシッカリ説明されていくのだけれども。
●まだ物語は進行中で、たくさんの伏線が着地していない。最後には少年少女は解放され、外の世界に開いていくのだろうか。そんな結末を期待してしまうのは、すでにもう読み手として失敗しているのかな?
●最初にフォーカスがあたる主人公の一人、シンタローは2年間外出をしたコトがなかった超虚弱ヒキコモリニート18歳。こういうタイプがノマドのロールモデルになって気さくにニート化されたら困るなーと、読み始めにパッと感じてしまった。いやー、キチンとハマってはいないねボクは。カバーもつけずに電車の中で躊躇なく読んでしまう感覚はぱっと見かなりイタい大人な感じだろうけど。

●ノマドは、さらにボカロ楽曲スピンオフ、悪ノP(mothy)「悪ノ娘」シリーズに着手、主だったものは全部読んでしまったらしい。そんでスマホで楽曲を聴いている。そうか、コイツの音楽世界はボカロから広がるのね。
●そこでヤツに声をかけた。ノマド、せっかくだから、このヘンのボカロPのCDも買ってみようか?そしたら「ネットでタダで全部聴けるんだよ、なんでワザワザ金出してCD買うんだよ?」やべえ、音楽観、媒体観が完全にネット世代だ。パッケージ世代のボクとは完全に違うよ。結果的に、ボクは「カゲロウデイズ」楽曲群をまだマトモに聴けていない。入口が逆だから違和感があるのか?音楽先行が正しい入り方だったか?



●今日の音楽。

ねごと「5」

ねごと「5」2013年
●彼女たちの二枚目のアルバム。ファースト「ex NEGOTO」はかなり愛聴しましたよ、チャットモンチーの後継バンドになると思ってましたよ。しかし、その大きな期待に見合うほどは、このセカンドはよくできてないんだけど…ファーストの方がスキ。ただ、最近はホントにカラダがしんどくて。だからこのバンドのフックになるキーボードのアレンジが実に神経に優しくて。メインボーカルを担いながら、アレンジのキモになるキーボードを演奏する蒼山幸子ちゃんは、モッサリしたショートカットと声が可愛くて。


●動画。「RE:myend!」。珍しく前髪上げてる蒼山幸子がイイ感じ。








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